「Closed secret 3」
GM:今日日
キャラシート
目次
・プリプレイ
・オープニング
・ミドルフェイズ
・クライマックス
・エンディング
プリプレイ
GM:それでは密室クロスこと『Closed secret』第三陣を開始いたします。
GM:まずはPC紹介から。垣根君からお願いします。
渋土垣根:いえいいえーい!
渋土垣根:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY-7KQtQMM
渋土垣根:機会をいただき光栄の極み
渋土垣根:PC1を拝命仕りましたさびつちくんです
GM:ユーアーPC1
渋土垣根:自分を拾ってくれた支部長になつきまくっている駄犬系チルドレンです
渋土垣根:何が起きても支部長さえいれば大丈夫だし、支部長の命令ならどんなヤバい任務にも喜んでとびだしていく
GM:忠実でかわいいね
渋土垣根:クゥ~ン
渋土垣根:元々小学校さえ行ったことないので非常にあたまがよくない!
渋土垣根:大概のことはキュマウロパワーでぶん殴って解決しようとします
渋土垣根:性能もとにかくフルアタぶっぱ!最後尾で単体火力を叩き込むタイプです
渋土垣根:装甲抜いたりとかは出来ないので龍鱗だけは勘弁な!
渋土垣根:以上!よろしくおねがいします!
GM:ふふ、どうかな……
渋土垣根:キャウ~ン
GM:はい、よろしくお願いします。
GM:ではハンドアウトは全員共通なので次の方行きましょう。篠森君、紹介どうぞ。
篠森透:はい
篠森透:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYxNj2twMM
篠森透:篠森透。UGNチルドレン。クールだしハートが熱いわけでもない少年です
篠森透:元々FHの実験体で、感情系に調整を受けているため、振る舞いが無機質な兵士という感じに寄っていますが
篠森透:本人的にはその辺りがコンプレックスで、普通の人間らしい情緒を学ぼうと試行錯誤しています。
GM:感情を得たくて頑張ってるタイプ。良いですね
篠森透:自分の気持ちが動いたかも、と思った出来事や相手に対してはどんどん興味を持って掘り下げていく動きをするので
篠森透:そういう方向性からヒロインとの距離を縮めていきたいなってPLは思っています。
GM:出来るかな……どうかな……
篠森透:能力はエン/ハヌ/バロールのトライブリード。拳銃から魔眼を撃ち出し、更にそれを光学操作と振動制御で知覚不可能化するアサシンガンナーです
篠森透:実験体特有の高い行動値からそこそこの単体火力を出します。孤独の魔眼もあるよ
篠森透:そんな感じです。よろしくお願いします。
GM:はーい、よろしくお願いします。
GM:では最後、日立君自己紹介お願いします。
日立春:はい。
日立春:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYn8axqAMM
日立春:「……日立、春。UGNだと”アラドヴァル”か?大した者じゃあない。よろしく頼もう」
日立春:ひたち・はる。17歳の高校生男子。二人と違って一般ピーポーだぜ。
日立春:もともと孤児であり、バイトなどをしながら学校へ通う苦学生でもあります。
日立春:こんな奴ですが、いつのまにか体内にあった遺産”アラドヴァル”--種別コードジャイアントキルにより覚醒
日立春:その際の事件を隠蔽するついでに転校し、いまの高校にいます。
GM:壮絶な人生を送っている
日立春:今のところ事件は起こしていない。今のところ。
日立春:遺産の影響か、恐怖やリミッターが自分にないため、無駄に徹底的にやってしまうところがあり、そういう自分を嫌っています。
日立春:前の市でもそもそも孤児なのに事件起こしたら大迷惑ってレベルじゃねえのにな。
日立春:能力的にはエンハイ/エグザイル。遺産による自己肉体の原子核崩壊によるエネルギービームをぶっぱするタイプ。
日立春:データ的には死招きジャイキル単体ぶっぱ。あとカバーと財産があります。
日立春:社会も一応何とかなる…はず!どうかよろしくお願いいたします。
GM:はい、よろしくお願いします。
GM:では共通ハンドアウト提示の後、トレーラーを流してOPと行きましょう。
【ハンドアウト】
PC共通
君はL市に住む、あるいはL市を訪れたオーヴァードだ。
ヒロインと共に過ごしていた平和な休日は、奇妙な声とともに唐突に崩れ去った。
気絶した君が目を覚ましたのは見覚えのない部屋。
隣には君と同じく気絶したヒロイン。
鍵のかかった扉の上部には「○○しないと出られない部屋」という看板が掲げられていた。
【トレーラー】
密室。
この言葉に何が思い浮かぶだろうか。
ミステリーのトリック?
怪奇ホラーの導入?
アドベンチャーのトラップ?
否、これより始まるのはもっと気楽でばからしい。
しかし当人たちには真剣な一大事。
――つまりは、ラブコメのハプニングである。
ダブルクロス The 3rd edition 『Closed secret』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉
渋土垣根:どういうこと???
GM:それでは開幕となります。皆様よろしくお願いします!
渋土垣根:よろしくおねがいしまーーす!
日立春:よろしくお願いいたします……!どういうことだ…?
篠森透:よろしくおねがいします!
OP1:渋土垣根
GM:渋土君は登場侵蝕をお願いします。
渋土垣根:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 7[7]+32 → 39
GM:L市郊外・廃倉庫
渋土垣根:「てめ~~~らよぉ~~~」
渋土垣根:「なんでバカなのに悪いことしようとすんのか全然わかんねぇんだよなぁ~~~」
渋土垣根:小山のように積み上げられたFHの戦闘員達の上に
渋土垣根:腰を降ろしてどこにともなく呟く。
渋土垣根:「バカがどんだけ考えたとこで」
渋土垣根:「バカじゃないヤツにはそんなの全然最初からバレてんだよなぁ~~~」
FH構成員:「くそっ、なんなんだこいつ……」
FH構成員:山と積まれた構成員のうちの一人が呻くように零す。
渋土垣根:「それってよぉ、結局しばらくいい思いしたとこで」
渋土垣根:「全然自分で生きてる感じしなくねえか~~~?」
渋土垣根:「バカは自分の幸せ見つけて真面目にコツコツやんのが1番なんだよ」
渋土垣根:「オレはバカだから、そうしてるぜ」
渋土垣根:「っとぉ!」
渋土垣根:ばきぃ!
渋土垣根:意識のある最後の一人の方に歩いていって
渋土垣根:鉄パイプで一閃、意識を刈り取る。
FH構成員:「がっ……」
渋土垣根:「終わった終わったぁ」
渋土垣根:「クレープ食って帰るか~~~」
渋土垣根:ぽちぽちとスマホをいじり、支部に連絡。
GM:ちょうどそこで倉庫の入り口から差す光に人影が差す。
相楽未教:「なら、クレープ代は私が出してあげよう」
渋土垣根:「あ、まだ隠れてやがったのか……って」
ヒロイン紹介:相楽未教(あいら・みのり)
L市支部を率いる支部長。UGN内で別の役職も担っているようで、支部員たちに支部を任せることも多い。
穏やかだが掴みどころのない性格。ほとんど常に笑顔を保っており、自身の真意を見せることはほぼない。
自身が拾ったという事情もあってか渋土垣根には特に目をかけているようで、彼女自ら指導を取ることもある。
渋土垣根:「ウワーーーッ!しぶちょーーー!」
渋土垣根:「どしたんだよ~~~なんでこんなとこいんだよ~~~!」
渋土垣根:「え~~~全然わかんねぇ~~~」
渋土垣根:「あ、見てこれ見てこれ!俺がやっつけたの!任務で!」
相楽未教:「ちょうど出先での仕事が終わったからね。様子を見に来たんだ」
渋土垣根:「支部長に言われたコト、真面目にがんばってるんだぜ~~~俺は~~~!」
相楽未教:「うんうん、上手に暴れたね。えらいえらい」
渋土垣根:「様子を……オレの?オレの様子?」
相楽未教:「そう。ちゃんと頑張れてるか気になって」
渋土垣根:「なんだよ支部長、オレのコト気にしてくれてんの!?」
渋土垣根:「えーーーうそーーー」
渋土垣根:「どうしよう……嬉しすぎる……」
渋土垣根:「がんばってるよ!すっげーがんばってる!でももっとがんばるよ!」
渋土垣根:「嬉しいとがんばれるタイプなのオレ!」
相楽未教:「ふふ、そうだね。私が思った以上に頑張ってくれてるみたいだ」
相楽未教:ポン、と。彼の頭に一度手を置いて。
相楽未教:「だからクレープはご褒美。好きなもの好きなだけ選んで良いよ」
渋土垣根:「いいの!?」
相楽未教:「うん。そうしたら、次はもっと頑張れるでしょう?」
渋土垣根:「支部長とクレープ……えー」
渋土垣根:「幸せと幸せが重なってヤバい……ヤバいよ……」
渋土垣根:「別々に分けられねえかな……オレの容量超えちゃうよ支部長……」
渋土垣根:「いややっぱやだ!支部長とクレープ食べたい!」
渋土垣根:「どうしよう~~~!」
相楽未教:ふふ、と愉快そうに笑みを溢して。
相楽未教:「食べたいなら食べればいい。幸い私もまだ時間は空いてるし」
渋土垣根:「支部長はなんのクレープにすんの?あ!オレ!オレが考えるね!」
渋土垣根:「オレ、バカだけどクレープは沢山食べてるし!期間限定裏メニューもわかるぜ!」
相楽未教:「そう?ならお任せしようかな」
相楽未教:「私より垣根君の方が詳しそうだ」
渋土垣根:「任せて!!」
渋土垣根:「こっち!お店こっちだから!」
渋土垣根:ふんふん言いながら歩いていって
渋土垣根:何度も道の先で振り返って手を振る。
相楽未教:ほほえましいものを見るように目を細めて、それに続くように足を踏み出して――。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動を――――――!!!」
GM:突如周囲に謎の声が響き渡る。
渋土垣根:「?」
渋土垣根:「支部長なんか言った?」
相楽未教:「ううん、何も」
GM:そう言って二人が周囲を見渡そうとしたその時、突如足元にぽっかりと穴が開く。
GM:そして反応をする間もなく、飲み込まれてしまったのだった。
GM:OP終了です。ロイス取得のみ可能です。
渋土垣根:固定ロイスの支部長を相楽未教に変更!
渋土垣根:名義のみで感情の変更はなし、以上です!
GM:はーい、では改めてシーンカット!
OP2:篠森透
GM:篠森君、登場侵蝕をどうぞ。
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (35 → 43)
GM:L市支部・訓練施設
GM:周囲に被害が出ないよう、厳重に防護対策が為された模擬戦用のフィールド。
GM:その片側に一人の少女が立っている。
樋渡瑞祈:「……」
ヒロイン紹介:樋渡瑞祈(といわた・みずき)
数か月前からL市支部に所属するUGNチルドレン。とある事件によって右目を負傷しており、前線から退く形でこの街に配属された。
元々は大人しいながらも協調性の高い性格だったが、事件以来は他者を寄せ付けない刺々しい態度を取るようになった。
その態度と負傷を不安視する支部からサポート兼監視用の人員として篠森透を付けられている。
樋渡瑞祈:精神を集中させるように一つ息を吐いて、同時。
樋渡瑞祈:噴き出すように溢れた影が、彼女の周囲を包み込む。
篠森透:「……」反対側に立ち、じっとその眼を見ている。手に持った訓練用の拳銃を握り直して。
篠森透:「準備は良いか。樋渡」
樋渡瑞祈:「……ええ」
樋渡瑞祈:「先に言っておくけれど。模擬とはいえ、手加減はしないで」
樋渡瑞祈:「前線に復帰するための訓練だから。加減なんてしてたら意味がないわ」
篠森透:「……それは承諾しかねる」
篠森透:「手加減をしないという事は、相手を殺すつもりでやるという事だろう」
篠森透:「僕はむしろ、君の安全を預かる立場だ。だから、その約束はできない」
樋渡瑞祈:「……そう。なら」
樋渡瑞祈:「無理にでも引き出すことにするわ」
樋渡瑞祈:言うが早いか、篠森の前へと駆けだしていく。
樋渡瑞祈:同時に彼女の周囲に渦巻く影もまた、臨戦体形を取る。鋭く、速く、硬く。
篠森透:「やる気があるのは良いことだが……」呟きながら、その影が霞んで消える。
篠森透:光学迷彩と音響操作によって、実際に立っている場所を誤認させていた。
樋渡瑞祈:「っ」 咄嗟に硬質化した影を身に纏い、周囲を窺うが。
篠森透:直後。一つ、二つと樋渡の纏う影に穴が開く。高速で射出させた魔眼が炸裂している。
樋渡瑞祈:その隙を補うように影がさらに噴き出すが、消耗は隠せない。
樋渡瑞祈:「……は」 ぽたりと頬を伝った汗が地面へ落ちる。
篠森透:能力の原理を知っていて尚、巧妙に隠蔽されたその射線を読み取る事は至難だ。
篠森透:射手の姿を見失った現状、全方位に防御を展開する事が最善の択となる。それが必然、消耗を加速させる。
樋渡瑞祈:それでも、戦意は目に宿したまま。隙を伺い続け。
篠森透:展開を続けていた影の防壁も、次第に薄くなっていき、そして。
篠森透:「──これで」不意に、背後から声。その後頭部に銃口が押し当てられる。
篠森透:手薄になった間隙を縫い、防御壁の内側に潜り込んだ。
篠森透:「一本、になると思うのだが」
樋渡瑞祈:「……そうね」
樋渡瑞祈:周囲を包んでいた影が霧散する。苛立たし気に頬に伝った汗を拭って。
樋渡瑞祈:「完敗よ、見た通り。わざとらしく言葉を濁されなくても」
樋渡瑞祈:「それが分からないほど幼稚じゃない」
篠森透:「……そうか、良かった」
篠森透:「本当に死ぬ寸前までやれと言われたら、正直どうしようかと思っていたんだ」
篠森透:銃を下ろしながら、平坦な声音でそう口にする。
樋渡瑞祈:「言う訳ないでしょ。病室に送り返されるなんてごめんだし」
樋渡瑞祈:「そもそも、私がやれと言ったらやるの?」
篠森透:「……やらないだろうな。君が大怪我をするのは、僕にとっても"望ましくない"ことだ」
篠森透:「ただ……君がもし、そういう破滅的な考え方を持っていたのだとすれば」
篠森透:「僕がやるかやらないか、の問題じゃなくなるだろ。君の考え方を、変えさせる必要が出てきて……」
篠森透:「しかし、そういうカウンセリング的な行為は僕の最も不得意とする所だ。だから……"困る"と思ったんだ」
樋渡瑞祈:一瞬、言葉に迷うように目を伏せて。
篠森透:時折、適切な言葉選に迷うような素振りを見せながら、そう口にする。
樋渡瑞祈:「……心配しなくても。人の手にかかろうなんて考えてないわ」
樋渡瑞祈:「ましてや、あなたにカウンセリングさせる気も筋合いもない」
樋渡瑞祈:「ただの監視役でしょ?ただ上に報告だけしてればいいわ」
樋渡瑞祈:「前線復帰の意志あり。リハビリへの意欲も高く、故障は回復傾向にあるって」
篠森透:「いや、それは少し間違っている」
篠森透:「ただの監視役じゃない。サポート、兼、監視役だ」
篠森透:「君が一人ではできないことを手伝うために、君の傍にいる」
樋渡瑞祈:「……」
樋渡瑞祈:少し目を見開いて、僅かに視線が迷って。
樋渡瑞祈:「……なら、サポートらしく。役に立ってもらおうかしら」
篠森透:「聞かせてもらおうかな」
樋渡瑞祈:「シミュレーター相手の模擬戦闘をするから、それを横で見ていて」
樋渡瑞祈:「主観だとどうしても視野が狭まるから。第三者視点での意見をくれればそれでいい」
篠森透:「なるほど、了解した。任せてくれ」真顔で頷く。
篠森透:「目の良さには自信がある」
GM:それぞれが配置に着こうとしたそのとき――。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動を――――――!!!」
樋渡瑞祈:「……は?」
篠森透:「……」樋渡さんの方を見る。
篠森透:「幻聴……ではないようだな」
GM:そうして二人が周囲を伺おうとしたタイミングで、足元にぽっかりと穴が開き。
GM:反応する間もなくその底へと飲み込まれていった。
GM:ロイス取得のみ可能です。
篠森透:樋渡瑞祈:◯尽力/不安 で!
GM:はーい、それではシーンカット!
OP3:日立春
GM:お待たせしました、日立君登場侵蝕どうぞ。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (32 → 35)
GM:L市・カフェ『ガブロッシュ』
GM:人も賑わう休日の昼下がり。思い思いにくつろぐ人々に紛れるように。
GM:君と高橋芽衣はカフェを訪れていた。
GM:君を誘った当人である彼女は、ご満悦という表情でパフェを頬張っている。
高橋芽衣:「ん~~~!流石カップル限定品!質も量も万点満点です!」
日立春:ざくりと切った茶髪を後ろでまとめた、平均かそれより少し上程度の背をした少年が、それを見る。手元には杏仁豆腐。
日立春:「…高橋が呼ぶからなんだと思えば。限定品か」
高橋芽衣:「ふふ~。日立君も食べます?あーんします?」
ヒロイン紹介:高橋芽衣(たかはし・めい)
L市支部に所属するUGNチルドレン。元々UGN内で育った生粋のチルドレンだが、現在はカバーとして高校にも通っている。
チルドレンらしからぬ快活さと幼さの残る言動が目立つが、周囲に馴染むだけの機微や立ち回りの上手さも持つ。
現在はイリーガルである日立春のお目付け役を任じられており、彼の周辺をちょろちょろと付いて回っている。
日立春:「いいのか?これが食べたかったんだろう。全て高橋が食べてかまわんぞ」
日立春:俺ならこちらを食べているから気にするな、と杏仁豆腐(ちいさめ)を小さく一口。
高橋芽衣:「心優しいメイちゃんが、一口さえ惜しむほど食いしん坊だと?心外ですねえ」
高橋芽衣:わざとらしく頬をぷくっと膨らませたかと思うと、次の瞬間にはまた笑って。
日立春:「…いや、食べたいならより多く取りたいものじゃあないのか」
高橋芽衣:「でも実際おいしいからお言葉に甘えま~す」
日立春:「ああ、好きにしろ。払いも俺が持つ」
高橋芽衣:「え、良いんです?」
日立春:彼女がおいしそうに食べる様子を見て、ほんの数ミリほど口元を持ち上げて。
日立春:「世話をかけているのはこちらだ。気にするな…金も多少は余裕がある」
日立春:「それに。味が分かる人間に食べてもらった方が、作った人も浮かばれるだろう?」
高橋芽衣:「やった~。じゃあ追加でケーキも頼んじゃお」
日立春:「………まあ、払うといったのはこちらだから構わんが…」
高橋芽衣:「苦情は聞きつけませんよ?日々おかずを争う複数兄弟家庭出身に奢るなんて言っちゃった方が不用意なんです~」
日立春:これで大丈夫なのだろうか、と思うが。大丈夫なのだろうな、とも思う。笑う彼女は愛嬌があって、慕う者がいるのも理解できる。
日立春:「いいさ。俺も下が多くいたことがあるしな……理解はしている」溜息。
高橋芽衣:「ね~。兄弟多いと夕飯って戦争ですよね」
高橋芽衣:「でもでも、メイってば紅一点なんだしもうちょっと手心あっても良いと思うんですよね。にいも弟も加減0なんだもん」
日立春:「まあ、食べ盛りが多くいるからな…腹いっぱい食べているのを見るのは、悪くないものだよ」
日立春:「そうなのか。男女である程度分けたりする…のはこちらだけか」
高橋芽衣:「我が家は大皿式ですね~。自分用のお皿はあるけど、食べずに置いとくの禁止なんですよ。絶対キリないから」
高橋芽衣:「そのせいで、昨日のから揚げメイが何個食べたと思います?3個ですよ、たったの3個」
日立春:「それはそうだ。大盛りにするやつが出て、皆が真似する」
高橋芽衣:「順当に分けたら5個ずつ食べれる計算なのに、にい達食べるの早すぎなんですもん」
日立春:「……そうか」自分は弟妹に分けたというのもあるが、せいぜい二個も食べれば多い方だ。
日立春:「食べ盛りなのだな。きっと大きくなる」
高橋芽衣:「そもそもメイは好きなもの後にとっときたい派なのに~」
高橋芽衣:「あー……確かに最近弟めちゃ伸びてきてますね」
高橋芽衣:「もうふつーに抜かされてますもん。メイがちっちゃいのもあるけど」
日立春:「ふむ……そういうズレはどうしようもないからな…」
日立春:「高橋も健康的だと思うが。とはいえ、大きくなるのはいいことだ。色々とつぶしがきく」
日立春:主に高い収納とかに手を伸ばすときに。
日立春:「高橋は……背を伸ばしたいのか?」彼女の背丈は自分と大分差がある。そういうことを気にする者も、まあいるかもしれない。
高橋芽衣:「そりゃもちろん!目指すはかっこいい大人のレディですし!」
日立春:「そうか…牛乳や煮干しがカルシウムが含まれていていい、とは聞くが」
高橋芽衣:「というか、今は何よりこっち見下ろしてドヤってくる弟がすごいイラっと来るので!」
日立春:「……ふ。以前は自分より大きかった姉を見返した気持ちになっているんじゃあないか?かわいらしいものじゃないか」
高橋芽衣:「傍から見たらほほえましいかもですけど、やられる側は腹立つんです~」
高橋芽衣:「ましてや「やーいちび」なんて言われた日には、もう戦争ですよ戦争」
高橋芽衣:「泣かしてやりましたけどね!スマブラで!」
日立春:「そうか?……そうなのか。俺はむしろ抜かされれば嬉しいが……ああ」
日立春:「仲が良いな」苦笑する。
日立春:お冷を一口。
高橋芽衣:「良くないです~。姉をチビ呼ばわりする子なんてうちの子じゃないです~」
高橋芽衣:言いながらもへにゃへにゃ笑って、ホットココアに口を付ける。
日立春:「そうかね」その笑みを見て、僅かにまた口角を緩めて。
高橋芽衣:「そうです~。ふふ~ん」 緩んだ口角に、どことなく満足そうに笑んで。
高橋芽衣:「ちなみに、この後どうします?」
日立春:「楽しそうだな…そんなにおいしかったのか?……ああ」
日立春:「ふむ……院の手伝い、というのも追い出されたし、そも高橋がいるときに付き合わせることじゃなし」
日立春:「俺からは思いつかないな。こういうことには、どうも疎い。……手間をかけるが」
高橋芽衣:「はいはい。遊びのプロのメイちゃんにお任せあれ~」
日立春:腕を組んで思考を巡らせる。「遊びにいく、というとき。どんな事をするものか……」
高橋芽衣:「歌える人ならカラオケ、体を動かしたいならROUND系の総合施設とかボウリング、手軽に行くならゲーセン」
日立春:「ほう」感心した口調。
高橋芽衣:「あとはウィンドウショッピングにー、遊園地にー、水族館とか動物園とかー?」
高橋芽衣:「より取り見取りですよ日立君」
日立春:「遊園地に水族館、動物園まであるのかこの街は……」
日立春:付き合いがない人間からすればわからないほどの、驚きが混じった声で。
高橋芽衣:「あ、まあ場所によってはちょっと電車使いますけど。でも日帰り行けますよ」
高橋芽衣:「そして今ならなんとー?クラスの子に教えてもらったクーポンも付いてきます!」
日立春:「近いな。院の子らを今度連れていくのもいいかもしれん……」
日立春:「いいのか?随分と持ち出しになってしまう気もするが」
高橋芽衣:「奢ってくれちゃうそうなので、そのお返しです。メイの恩返し!」
日立春:「こちらが多く貰うことになりそうだな…」
日立春:「その分は、また返さなくてはな。俺でもできることがあるなら、何でも言え」
高橋芽衣:「ふふ~、日立君は律儀ですねえ。じゃあお言葉通り甘えちゃお~」
GM:そう言って、彼女がパフェの最後の一口を飲み込んだところで。
謎の声:「感じる……感じるでござるよ……推しカプの波動を――――――!!!」
日立春:「一応、予算に限りはあるからな」少し口元を持ち上げて。
GM:謎の声が君達二人の耳に届く。
日立春:「……ん?」周囲を見渡す。騒いでいる客でもいるのだろうか。
高橋芽衣:「ほえ?なんです?」
日立春:「騒いでいる客か…?」
GM:そうやって二人が周囲を確認しきる前に、座っていた座席をくりぬくように穴が開いて。
GM:反応する間もなく、二人は底へと飲み込まれていった。
GM:ロイス取得のみ可能です。
日立春:ロイス!高橋芽衣 〇好感/庇護 で。
GM:はーい、ではシーンカットです。
ミドル1-1:渋土垣根
GM:垣根君のみ登場侵蝕をどうぞ。
渋土垣根:1d10+39
DoubleCross : (1D10+39) → 9[9]+39 → 48
GM:穴に落ちると同時に意識を失った君が目を覚ますと、そこは白い部屋だった。
渋土垣根:「……なんだここ」
GM:何が置かれている訳でもない、不思議にだだっ広い空間。あるのは、一つの扉とその上に鎮座した看板。
GM:そこにはこう記されていた。
GM:『二人でダンスを踊らないと出られない部屋』
相楽未教:「ああ、目が覚めた?」
渋土垣根:「ダンスぅ?」
相楽未教:寝転がる君の頭上から声が降ってくる。
渋土垣根:「支部長……支部長がいる……ってことは……」
渋土垣根:「なんだ、いつもの夢か」
渋土垣根:「夢の中でも綺麗だなァ~支部長は……」
渋土垣根:ぽーっと見上げている
相楽未教:「ふふ、いつも夢に見てくれてるんだ」
相楽未教:「だけどね、残念ながら……ううん、君にとっては幸いなことにかな?」
相楽未教:「夢じゃないよ」
相楽未教:そう言って、君の頬を軽くつねる。
渋土垣根:「あれ?」
渋土垣根:「……ウワーッ!ほんとだ!」
渋土垣根:ぴょいんととびのく
渋土垣根:「何この部屋!つーかそうだ!支部長とクレープ食べに行くって……」
渋土垣根:「何だこの部屋???」
相楽未教:「なんだろうねえ」
相楽未教:言葉は疑問を象っているものの、困惑している様子はない。
渋土垣根:「えーっと、どうしよう、どうしよう」
渋土垣根:「あ!支部長!とりあえず!」
相楽未教:「うん。とりあえず?」
渋土垣根:「なんか罠とかだったら、オレがばっちり守るんで」
渋土垣根:「心配しなくて全然いいぜ!オレがついてるぜ!大丈夫だぜ!」
相楽未教:「ふふ。うん、頼りにしてるよ」
渋土垣根:「あ、支部長が笑った!やったぜ~~~!」
渋土垣根:「じゃあ命令してくれよ支部長!いつでもいいぜ!この部屋ぶっ壊すか?」
渋土垣根:やる気十分にぐるぐる腕を回している
相楽未教:「それなんだけどね。どうもこの部屋、ただの力任せでは壊せそうにないんだ」
相楽未教:「部屋、というより空間そのものがレネゲイドで構成されてる」
渋土垣根:「???」
渋土垣根:「よくわかんねぇけど」
渋土垣根:「じゃあ、もしかしてオレって」
渋土垣根:「……役立たず?」
相楽未教:「こんな大規模な能力行使、大方ジャームだろうけど……」
渋土垣根:「力任せしか出来ないんですが……」
相楽未教:「ああいや、そんなことないよ。むしろ、絶対に必要だ」
渋土垣根:「な、何すればいいかな、何でもするよオレ!」
渋土垣根:「何でも言ってくれよ!」
相楽未教:「あそこの看板にあっただろう?二人でダンスを踊る部屋って」
渋土垣根:途端に不安げになってあたりをキョロキョロしている
相楽未教:「君がいなければ私一人だからね。いくら踊っても条件を満たせない」
渋土垣根:「ダンス……?」
渋土垣根:「なんで?」
渋土垣根:率直な疑問。
相楽未教:「なんでダンスなのかは私にも見当がつかないけど……仮にこれがジャームの仕業と仮定するなら、ダンスを踊ることには効果があると思う」
相楽未教:「条件を満たすことで攻略が可能になる、というのはよくあるパターンだからね」
渋土垣根:「支部長が言うならそうなんだろうけど……うー……」
渋土垣根:「なんかの罠かも」
渋土垣根:「やっぱり壁壊すの試そうぜ、壁!」
相楽未教:「そう?じゃあ一度だけ殴ってごらん」
相楽未教:「一度で壊せなかったら、諦めてダンスにしよう」
渋土垣根:「そう!そうだよな!任せとけ支部長!オレはやるぜオレはやるぜ」
渋土垣根:ジャケットの内側から素早く取り出した鉄パイプを握りしめる
渋土垣根:袖口から伸び出した黒く硬質な繊維がそれを包み
渋土垣根:獰猛な刺々しい凶器へと変貌させる。
渋土垣根:「うッ……らァ!!」
渋土垣根:キュマイラの強化された膂力でそれを振り下ろす!
渋土垣根:貨物トラックも軽々と粉砕する一撃だ。
GM:人も鉄も容易く破壊する膂力の一撃は、しかしこの部屋の壁には通じなかった。
GM:傷の一つも付かないまま、ただ殴りつけた反動で君の手が痛むばかりだ。
渋土垣根:「……」
渋土垣根:「あれ~~~?」
渋土垣根:首をかしげている。
相楽未教:「やっぱりダメみたいだね」
渋土垣根:「お、オレはやっぱり役立たず……」
渋土垣根:しゅんと肩を落としている。
相楽未教:「ほら、しょげないで。言ったでしょう?」
相楽未教:「役立たずじゃないよ。君がいないと、ここからは出られないんだから」
渋土垣根:「で、でも支部長」
渋土垣根:「オレ、ダンスなんかやったことないよ」
渋土垣根:「上手く踊れないよ」
相楽未教:「なら、私が教えてあげよう」
相楽未教:「上手い下手も気にしなくて良いよ。どうせ二人きりだもの」
相楽未教:「私と君が楽しく踊れればそれで充分。そうじゃない?」
渋土垣根:差し伸べられた手をじっと見て
渋土垣根:「……やっぱやだよ~~~!」
渋土垣根:「オレ、支部長に触りたくないんだ」
相楽未教:「そうなの?」
渋土垣根:こくりと頷いて
渋土垣根:「オレの能力って、カラダから棘が出るだろ」
渋土垣根:「あれが支部長に触ってる時に出たら……オレ絶対嫌だよ」
渋土垣根:言いながら想像してしょんぼりしている。
相楽未教:「なら、大丈夫」
相楽未教:「私を刺したくないとそう思ってるんでしょう?」
渋土垣根:「……うん」
渋土垣根:「支部長が血が出たり痛い思いするのがオレは1番嫌なんだよ」
相楽未教:「それなら君は大丈夫」
相楽未教:「君が刺したくないと願うなら、君の棘は私には向けられない」
相楽未教:「それくらいのコントロールは充分に出来てる」
渋土垣根:「でももしかしたら……万が一ってこともあるし……」
渋土垣根:不安げに目の前の支部長を見つめている。
相楽未教:「ううん。垣根君は、一万回私に触れたとしたら、その内の一回でも私を傷つけようと思うの?」
渋土垣根:「思わねえよ!」
渋土垣根:「絶対思わねえよそんなの!」
渋土垣根:首をぶんぶんと振る。
相楽未教:「なら万が一は起きないね」
相楽未教:「万に一つも傷つけようとはしないんだから」
相楽未教:ほら、と。君へもう一度手を差し出す。
渋土垣根:「支部長……」
渋土垣根:視線を泳がせていたが、きゅっと唇を結んで
渋土垣根:「支部長が言うなら、大丈夫だって思う」
渋土垣根:「大丈夫に、する!」
渋土垣根:恐る恐る手をとって握る。
相楽未教:「うん、その意気だ」
相楽未教:そう言って、繋いだ手とは逆の垣根君の手を自分の背へと誘導する。
渋土垣根:手の中で雛鳥の入った卵を包むように
渋土垣根:細心の注意で手を回す。
相楽未教:「ダンスはね、男性が女性の背中を手で支えて、女性がその腕に自分の腕を添えるんだ」
相楽未教:「そして、繋いだ方の手は横に伸ばす。こういう風に」
渋土垣根:「わっとっと!」
相楽未教:そう言って、自分の腕を動かすことで姿勢を整えていく。
渋土垣根:おぼつかないステップでそれに習う。
相楽未教:「ワルツは3拍子。慣れないかもしれないけど、1,2,3のリズムって覚えればいいよ」
相楽未教:「ほら、1,2,3」
渋土垣根:「1.2.3……1.2.3……」
渋土垣根:「オレ、出来てる?出来てるかなあ支部長!?」
相楽未教:「出来てる出来てる。ほら、ゆっくり回って」
渋土垣根:「回る!!」
相楽未教:言いながら、導くようにステップを踏む。
渋土垣根:それに続いて、少しずつリズムに乗っていく。
GM:なんの音楽もなく、二人が呟く数字だけがテンポの標になって。
相楽未教:「ねえ、垣根君」
相楽未教:「楽しい?」
渋土垣根:「……うん!」
渋土垣根:「なんか、へへ」
渋土垣根:「初めてやるけど、楽しいぜ支部長!」
渋土垣根:「やっぱり支部長はすげえよ……!」
相楽未教:「ふふ。良かった」
渋土垣根:「支部長は?」
渋土垣根:「支部長も楽しいか?」
相楽未教:「楽しいよ。すごく」
渋土垣根:「……!」
渋土垣根:ぱぁっと表情が明るくなって
渋土垣根:「嬉しい!」
GM:そして、二人きりのステップが一度止んで。
GM:扉からガチャリと開錠の音が響く。
相楽未教:「うん。これで開いたかな」
渋土垣根:「開いた!開いたぜ支部長!」
渋土垣根:「なあ、支部長……よ、よかったら、だけど」
渋土垣根:「またオレにダンス教えてよ」
渋土垣根:「やってみたら、楽しかったから!」
相楽未教:「良いね。楽しいことを覚えるのは良いことだ」
相楽未教:「じゃあ、帰ったら次はウェニーズワルツを練習しようか」
渋土垣根:「ぺにーわいず?」
相楽未教:「ウェニーズワルツ。まあ、ゆっくりでいいよ」
相楽未教:そう言いながら、扉に手をかけて。
相楽未教:「覚える時間もたっぷりあるんだもの」
渋土垣根:「おう!わかったぜ!」
渋土垣根:その後にのしのしと続く。
GM:そうして、君達は部屋を後にする。
GM:まだロイス取得・変更のみです。
渋土垣根:相楽支部長の純愛○/盲信を純愛と尊敬○/盲信に変えます!
渋土垣根:以上!
ミドル1-2:篠森透
GM:篠森君、登場侵蝕をお願いします。
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (43 → 44)
GM:謎の声を聴いてすぐ、意識を失った君。
GM:ふと目を覚ませば、そこはカラオケの個室だった。
篠森透:「……!」ばっと身を起こし、周囲を警戒する。
GM:モニター・テーブル・ソファ・機械類……ごく一般的なカラオケ用の機材が揃っている。
樋渡瑞祈:「……」 君の横でのっそりと身を起こし。
樋渡瑞祈:「……何?これ」 困惑が強く混じった声を漏らす。
篠森透:「……樋渡か。どこまで覚えている?」
樋渡瑞祈:「支部で模擬戦をしてた。その後、シミュレーターとの訓練に移行しようとして……」
樋渡瑞祈:「何か、変な声が聞こえて……。そこで、記憶が途切れてる」
篠森透:「知らない声が聞こえた、か?」
篠森透:「僕も同じだ。つまり、この状況については何も分かっていない」
篠森透:「シミュレーターの故障……にしても」改めて部屋を見渡す。
樋渡瑞祈:「いくら何でも状況が異常すぎるわね」
篠森透:「訓練上、こういった道具が必要な状況があるものなのだろうか」
篠森透:近くにあったマイクを手に取って、少し眺めて戻す。
樋渡瑞祈:「ある訳ないでしょ。……カラオケなんて、任務や訓練で関わるものじゃないわ」
樋渡瑞祈:そう言って視線を巡らして、ふと眉を顰める。
樋渡瑞祈:「何あれ」
篠森透:「……カラオケ。ああ、"これ"がそうなのか。そういう施設が存在することは知識として知っていたが……」
篠森透:「ふむ」一緒にそちらに視線を向ける。
GM:扉の上を見上げた視線の先にあったのは、一つの看板。
GM:『カラオケで一曲歌わないと出られない部屋』
GM:そう記されていた。
篠森透:「……」
篠森透:おもむろに立ち上がり、ドアノブに手をかける。ガチャガチャ。開かない。
樋渡瑞祈:「本当に、なんなのこ……え」
樋渡瑞祈:「ちょっと、急にどうしたの?」
篠森透:「……む。いや、"出られない"と書いてあるが」
篠森透:「本当にそうなのか確認しようとしただけだ」
樋渡瑞祈:「……その様子だと、本当に開かないみたいね」
篠森透:「ああ。つまり、何らかの意図を持って僕達をここに閉じ込めた者がいる」
樋渡瑞祈:「……一体誰が、何のために?」
篠森透:「……僕の方には、心当たりはないな」
樋渡瑞祈:眉を顰め俯くと、思考を巡らせ始める。
篠森透:「それと、この扉の施錠。尋常のものではないらしい」
樋渡瑞祈:が、すぐに振り払うように頭を振って。
樋渡瑞祈:「こっちも心当たりと呼べるものはないわね」
篠森透:「どうやら、扉の外との空間的な接続が断絶している」《偏差把握》による知覚。
篠森透:「何らかのエフェクトが作用していることは間違いないだろう」
樋渡瑞祈:「それに、経緯を考えればそっちの空間的な異常の方も納得できる」
樋渡瑞祈:「というより、何もないただのカラオケ部屋だって言われる方が納得いかないわ」
樋渡瑞祈:「例の声や私たちの気絶だって、エフェクトが関わってのものでしょうし」
篠森透:「うむ、同意見だ。監禁が目的なら、もっと妥当な施設があるだろうし」
篠森透:「……どうする? 樋渡」
樋渡瑞祈:「……不本意だけど。指示に従うべきでしょうね」
樋渡瑞祈:「空間に異常が起きてるなら、力づくでの突破は利口じゃないわ」
樋渡瑞祈:「そもそも力づくで突破できるものかも分からないし」
篠森透:「そこも意見が一致したな。助けを待つにしても、宛がない。籠城できるような資源も」
篠森透:そう言って、さっき机の上に置いたマイクをもう一度手に取る。
篠森透:咳払いを一つ。そして、
篠森透:「~~♪」
篠森透:無表情のまま、いきなり歌い始めている。合唱コンクールの課題曲の一つ。
篠森透:当然、まだ何の曲も入っていないし、何ならマイクのスイッチもオフのままだ。
樋渡瑞祈:「……」 完全に虚を突かれた顔をして。
樋渡瑞祈:「……」 そのまま困惑交じりの顔で少し固まって。
樋渡瑞祈:「あの」 間奏のタイミングに入り彼が口を閉じたところで声をかける。
篠森透:「……。なんだろうか、樋渡」歌うのをやめて、君の方を見る。
樋渡瑞祈:「音源流さないの?」 モニター及び備え付けの機械を指さして。
篠森透:「音源……?」
樋渡瑞祈:そこで薄らと何かを察したような顔になって。
樋渡瑞祈:「カラオケって言うのは、機械から流れる音楽に合わせて歌を歌う施設なの」
篠森透:「確かに……演奏のない状態で歌うのは、少しリズムを掴むのが難しいと感じていたが」
篠森透:「……そうだったのか」ハッとした表情。
樋渡瑞祈:「それと、マイクの電源も入ってない」
篠森透:「……本当だ」
樋渡瑞祈:言いながら、充電器にセットされている端末を手に取る。
篠森透:マイクを持ち上げて確かめた後、少し思案するような様子になって。
樋渡瑞祈:「今の曲で良いの?良ければ入れるけど」
篠森透:「……樋渡、すまない。僕はこの場所での作法を何も理解していなかったようだ」
篠森透:「いや……それでも構わないが」
篠森透:「この場で歌うのは、君の方が適任なのではないだろうか」
樋渡瑞祈:「……え?」
篠森透:「君はこのカラオケという施設について、僕よりもずっと詳しい」
篠森透:「僕がやると、また今のような間違いを繰り返すかもしれない」
篠森透:「……そう思うのだが」
樋渡瑞祈:「……」 少しだけ、何かを考えるような間があって。
樋渡瑞祈:「分かった、けど」
樋渡瑞祈:「歌について何も言わないで」
篠森透:「……それも、カラオケの作法なのだろうか?」
樋渡瑞祈:「……別に。ただの私の都合」
篠森透:「そうか……分かった」
樋渡瑞祈:そのまま、黙って端末を操作して。
篠森透:そう言って、席にかけ直す。君の方をじっと見て、歌い出すのを待つ。
GM:その内にスピーカーから曲が流れ出す。
GM:数年前に流行ったアイドルソングだ。静かな曲調で、人に惹かれる心の動きを歌うもの。
GM:本来なら数人で歌うものなのか、時折足りないパートが挟まる。
樋渡瑞祈:それを無視するように、ただ淡々と歌う。
樋渡瑞祈:透き通った声、伸びる高音、慣れた節回し。恐らくは、何度も歌ったことがあるだろうと推測できる。
樋渡瑞祈:それなのに、感情は籠められていない。あるいは、籠めないように注意が払われている。
樋渡瑞祈:そして、最後に残っているはずのコール部分をぶつりと切るように演奏は中止された。
篠森透:「……」
GM:ガチャンと開錠の音が響く。
樋渡瑞祈:マイクをスタンドに戻して。
樋渡瑞祈:「開いたわね。さっさと出ましょう」
篠森透:「……ああ」
篠森透:何かを抑えているような、どこかぎこちなさのある歌唱に気になる所はないでもなかったが。
篠森透:ああいう約束をした手前、触れれば彼女の信頼を失うだろう。
篠森透:「……樋渡」
樋渡瑞祈:「何」
篠森透:「ありがとう。僕一人では、こう上手く行かなかった」
篠森透:「助かったよ」抑揚のない声で、しかし何かを伝えようとするように、じっと君の目を見て言う。
樋渡瑞祈:「……大袈裟」 逃げるように視線を外して。
樋渡瑞祈:「ただ単に、私は行ったことがあってあなたはなかった。それだけの話でしょ」
樋渡瑞祈:そう言って扉のノブに手をかける。
篠森透:「……君はそう考えるのかもしれないが。それでも、僕は感謝している」
篠森透:「その二つは矛盾しないはずだ」
樋渡瑞祈:「……なら、好きにすれば」
樋渡瑞祈:「感謝しようとそうでなかろうと、私にはどうでもいい」
樋渡瑞祈:言い捨てるようにして先に扉の外へと踏み出していく。
篠森透:「では、そうさせてもらうよ」彼女のすぐ後に続いて外へ出る。
GM:そうして、君達は部屋を後にした。
GM:まだロイスの取得と変更のみが可能です。
篠森透:ここはなしで!
ミドル1-3:日立春
GM:日立君、登場侵蝕どうぞ。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (35 → 37)
GM:意識を失った君達が目を覚ますと、そこは真っ白な部屋だった。
日立春:「ん………く」頭を押さえ、周囲を確認する。
GM:備え付けのキッチン、ダイニングテーブルと椅子、やけに巨大な冷蔵庫。
GM:そして君の顔を覗き込む高橋芽衣。
日立春:「カフェの……バックヤード、じゃあ……な、」
高橋芽衣:「お、起きましたね日立君」
日立春:眼を見開く。
日立春:「…………高橋か。驚かせるな」一瞬、振り上げかけた腕を下ろす。
高橋芽衣:「いやいや、驚いたのはメイもですよ。その振り上げた手は何ですか」
日立春:「…いや、寝込みを襲われたことがあったからな。つい」
高橋芽衣:「今後日立君にイタズラをする場合は細心の注意が要りますね……覚えとかなきゃ」
日立春:「…気分を害したなら謝る。高橋はそういうことはしないだろうしな」
日立春:「……まあ、それはさておいてだ。ここがどこかは、わかるか」
高橋芽衣:「いーえー。この程度では気分は害しません。メイちゃんは懐が広いので」
高橋芽衣:「そうそう、そこなんですけどね」
日立春:「……ありがとう、というべきか?ああ」彼女の言葉を待つ。
高橋芽衣:「まずはあちらをご覧ください」
高橋芽衣:言いながら、余り気味の袖から除く人差し指で扉の方を指す。
日立春:「うん…?」
日立春:彼女の指す方を見る。
GM:指さされた扉の先には、一つの看板。そこには――。
GM:『どちらかが手料理を振る舞わないと出られない部屋』
GM:と記されていた。
日立春:「…………?」
高橋芽衣:「だ、そうです」
日立春:「いや……少し待て」
日立春:「整理させてほしい。まず、俺と高橋はカフェで食べていたはずだな?」
高橋芽衣:「ですねえ。あのパフェめちゃくちゃ美味しかったです」
日立春:「ああ、また行くか?……と、そうでなくてだな。なんであんな下手なバラエティ番組みたいなやつがあるところにいるんだ」
高橋芽衣:「分っかんないです。むしろ、日立君分かります?」
日立春:「……なんだ、ドッキリ企画とかUGNでやったりしてるのかと思ったぞ。秘密組織内のエンターテインメントとして、こう…」
高橋芽衣:「そこまでオフザケ組織じゃないですよ~。たまにフザケてるの?って思うこともあるけど」
高橋芽衣:「上級装備としてメイド服が支給されてるの見たときとか」
日立春:「そうなのか。記憶操作とかをしているのといい、一昔前の映画みたいな組織だと思ったが……」
日立春:「…………UGNとは……」
日立春:「そこら辺の突っ込むときりがなさそうなことは置いておいてだな」
高橋芽衣:「マジで性能良いらしいですからね。どこの変態の仕業なんだか」
高橋芽衣:「はい、置いときまして」
日立春:「聞きたくなかったなそういう話。うむ」
日立春:頭を押さえて、記憶を遡る。「……カフェで食べた後、どこに行くかという話の後、何か変な声が…」
日立春:「したのは、覚えているんだが」
高橋芽衣:「しましたしました。なんて言ってましたっけ」
日立春:「……押し…とかなんとか言ってなかったか。はっきりとは覚えてないんだが…」
高橋芽衣:「感じるとか波動とか……ああ!確かに」
高橋芽衣:「おし……押し……あ、推し?え、何の推し?」
高橋芽衣:「メイちゃんがかわいすぎて推しになったとか……?」
日立春:「惜し……惜しむ、とかそっちか…?いや、どうして高橋がかわいらしいことと関係がある…?」
高橋芽衣:「お、知らないんですか日立君。最近はゲームとか漫画のお気に入りのキャラクターを推しって呼ぶんですよ」
高橋芽衣:「アイドルとか役者さんのこともそう呼ぶらしいので、実在の人間にも使える言葉らしいです」
日立春:「なるほど。知らなかったな…ありがとう、高橋。となると、ストーカーか何かか?いや、だとしてもどうして俺もここにいる…?」
高橋芽衣:「さー……?もしかしてメイじゃなくて日立君が推しとか?」
日立春:「俺をか?いや、それはないだろう。不良かなにかだと思われているし、恨みなら大量に買ったことがあるが」
高橋芽衣:「じゃあ推しのメイを拉致しようとして日立君も巻き込まれたとか?」
高橋芽衣:「ううん、でもそれならこうして同じ部屋に入れとく理由が無いですよね」
日立春:「ああ。それに、あのお題もよくわからん…」
日立春:ぐりぐりとこめかみを拳で抑え。
日立春:「……ともあれ。何らかの手段で拉致監禁されていることには変わりない。相手の要求を聞くことが何かの能力対象になる可能性もある」
日立春:「一度、強引に出れるかは試してみたいと思うが、どうだ」
高橋芽衣:「あ、実はですね。もう試しました!」
高橋芽衣:「そしてダメでした!無念!」
日立春:「む………」
日立春:「そういうことなら、俺がやろうと思ったが…」
高橋芽衣:「いやー。メイより日立君の方が火力は上ですけど、あれはちょっと」
高橋芽衣:「銃弾ぶち込んで、傷どころか埃一つ付きませんでしたからね」
日立春:「……そうか。いや、そういうたぐいのものもあるという話だったな。負担を掛けた」頭を下げる。
高橋芽衣:「推測するに、物理干渉を受け付けないタイプです。能力も複数が合わさってて判別がしづら……」
高橋芽衣:「あ、いーです、いーですよ!頭下げないで!」
高橋芽衣:「メイってばチルドレンなんで!こんくらいは日立君が起きてても自分でやります!」
日立春:「いや……オーヴァードの能力というのは、そういうものだろう。チルドレンだろうが、高橋に一方的に負担させたのは事実だ」
日立春:「……それに、自分にも意地くらいはある。……まあ、これはキリがないな」
高橋芽衣:「あー、なるほど。男の子意地VSチルドレンの意地は、確かに決着つかなそう」
高橋芽衣:「ならひとまずこれも置いときまして。出るための話に戻すんですけど」
日立春:「ああ。……手掛かりは、あのお題だけか」
高橋芽衣:置いておいてとジェスチャーをして。
日立春:こちらもそのジェスチャーにうなずく。
高橋芽衣:「そうなんですよ。なので、一回従ってみません?」
高橋芽衣:「実際ジャームってよく分かんない理由でよく分かんないことに固執するんで」
高橋芽衣:「もしこれがジャームの仕業なら、案外手料理作るだけであっさり出れちゃうかも」
日立春:「…とにかく、やってみるしかない…というわけか。俺か、高橋が料理を……」
日立春:「……つかぬことを聞くが」
高橋芽衣:「はい」 何かを心得たような顔で頷く。
日立春:「料理はできるか」真顔。
日立春:「一応俺は、手伝いくらいで雑な料理にはなるが、院で作った経験はある」
高橋芽衣:「おー、流石」
日立春:「………後、今気づいたが」
日立春:「異性に手料理をふるまう、というのは。色々と年頃の女子には特別な意味があったりするのだろうか。姉や妹がそういうことを言っていたことがあってな」
日立春:「…そういうことも気になるなら、俺が作るぞ、と言っておく。」
高橋芽衣:「まー、特別な意味云々の話は、別にメイこだわらない派なので置いときまして」
高橋芽衣:さっき置いておいた話題の上に更に積み重ねるジェスチャーをして。
日立春:「そうか」こくりとうなずく。
高橋芽衣:「それはそれとして、メイのママはご近所さんでも評判の料理上手でして」
高橋芽衣:「そんなママのごはんを毎食朝・昼・晩と食べて健やかに育ってるメイでして」
高橋芽衣:「つまりは、メイに任せると出てくるのはせいぜい卵かけご飯になります」
日立春:「ふむ………」
日立春:「よいご母堂なのだな。羨ましいくらいだ。……では、そんな高橋の舌にかなうかはわからんが」
日立春:「俺が作らせてもらおう。それでいいか?」
高橋芽衣:「はーい。日立君の手料理楽しみにしてます!」
日立春:「言っただろう、男の雑な料理だよ」苦笑して。
高橋芽衣:ピッと手をあげて元気よく答えると、てこてこと歩いていってダイニングの椅子に腰かける。
日立春:さて、とキッチンのほうへ。わざわざ用意してあるエプロン(無地の黒と赤……自分のジャージに揃えたのか?)を取り、身に着ける。
高橋芽衣:「おお……なんだか様になりますね」
日立春:材料を確かめる。…これなら、まあ足りるだろうか。
日立春:「慣れだよ、慣れ」
高橋芽衣:テーブルに頬杖を突きプラプラと足を揺らしながら、それを眺めている。
日立春:米も冷凍とはいえきちんと炊いたものがある。これなら大分手間を省けるだろう。
日立春:米を漬け、ベーコンをスライス。炊飯器に水にトマトケチャップ、オイスターソース、バター、塩コショウ…
日立春:スライスしたベーコンにローリエを加え、炊飯器窯に入れ、スイッチオン。
日立春:後は炊き上がるのを待つ間、卵をボウルに割り入れーー
日立春:
日立春:芸術:料理で判定します。
日立春:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[1,3,5,8,10]+1[1] → 11
日立春:クリティカルしよったこいつ。
GM:めちゃ上手!
日立春:では、炊き上がったチキンライスを丁寧に包んだ、綺麗なオムライスが完成しました。
高橋芽衣:「おー!」 いつの間にかテーブルから離れて傍に来て、目をキラキラさせている。
日立春:「待たせた。院でもよく作る料理だが、上手くできていればいいんだが」
高橋芽衣:「これは絶対上手く出来てますよ!見ただけで分かるやつです!」
日立春:「そうか?……そうならいいんだが」少しだけ口角があがって。
高橋芽衣:ふんふんと鼻歌を歌いながら、自分の分の皿を持っていそいそとテーブルへ持っていく。
日立春:「ともあれ、召し上がれ。チビたちや姉妹なんかには人気だが…」
高橋芽衣:そのまま、持ち出したケチャップで猫の顔を描く。
日立春:「……高橋のような、普通の女の子の口に合うかはわからんからな」そう言いおいて、片付けを始めている。
高橋芽衣:「え、日立君は食べないんですか?」
日立春:「片方に振る舞う、だろう?……少し崩れたのがある。そちらを後で食べるよ」
高橋芽衣:「んん……じゃあ、片づけ終わるまで待ってます」
日立春:「……いいんだぞ、気にしなくて」少し目を白黒させて。
高橋芽衣:「いーえー。単に、日立君はオムライスにかけるケチャップのこだわらなさそうなので」
高橋芽衣:「メイが二つ分落書きしたいだけでーす」
日立春:「………そうか。じゃあ、水につけるのと生ごみの片づけだけにしておく」
日立春:本格的なものでなく、さっと終わるそれだけにして。
高橋芽衣:「そうしましょう。それにほら、そもそもここ片づける必要あるか微妙ですし」
日立春:「……落ち着かないんだがな、そういう片付けもしないのは…」
高橋芽衣:「真面目ですねえ。ほらほら、それより」
高橋芽衣:促しながらぺちんと手を合わせて。
高橋芽衣:「いただきます」
日立春:「……ああ、わかったわかった」こちらも、片側の卵がどこかゆがんだオムライスの皿をもって。
日立春:「いただきます」
高橋芽衣:「早速――と、その前に」
高橋芽衣:一度握ったスプーンを置いてから、さっとケチャップに持ち替えて。
高橋芽衣:「よっと」
高橋芽衣:日立君の方のオムライスに、ちょっと歪み気味の犬の絵を描く。
日立春:「ああ、ありがとう……」そこで、その絵を見て。「俺の方は犬なのか?」
高橋芽衣:「はい!」
日立春:「ん…いや、上手いんだが。どうしてわざわざ…」絵柄を変えたのだろう。気分だろうか。
高橋芽衣:「なんとなくです!あとまあ……」
高橋芽衣:「日立君、犬か猫なら犬っぽくないです?」
日立春:「……そうか?」
高橋芽衣:言いながらパクンとオムライスを一口頬張って。
日立春:すこし目をぱちくりさせている。
高橋芽衣:「うまー!美味しいです!」
日立春:「………ふ」
日立春:「……それならよかった」
高橋芽衣:「むぐん。あ、はい。メイは犬っぽいなーって思います」
日立春:「そういう気質なのかはよくわからんが……」こちらも一口。絵は崩さないように。。
高橋芽衣:「なんかこう、もぐ。待てって言われたら本当に律義にめちゃくちゃ待ってくれちゃいそうなところとか?」
高橋芽衣:パクパクと忙しく口に運んでは飲み込んで、その合間合間にぺちゃくちゃと話し続ける。
日立春:「…まあ、待つが。それが真剣な言葉なら、そうするだろう」
高橋芽衣:「甘いですねえ、日立君。どれだけ真剣に言ってもそうそう聞いてくれないのがお猫様なんですよ」
日立春:「………そうかもしれんね」苦笑する。
日立春:「……少なくとも、きみが猫らしい気質なのは、俺にも分かるよ」
日立春:そう言って、自分のオムライスを飲み込んだ。
GM:そうして、二人だけで細やかながらも賑やかな食事は進み。
GM:二人が「ごちそうさま」をすると同時に、ガチャリと扉の鍵が開く音が響いた。
高橋芽衣:「お、開いたっぽいですね」
日立春:「……開いたな。少なくとも、先はあるのか」布巾で口元をぬぐい。
日立春:「じゃあ、片づけたら先に行くとしようーー早く脱出したいものだ」
高橋芽衣:「はーい。じゃあ片づけくらいはお手伝いしましょう」
高橋芽衣:「皿洗いのメイと兄弟内でも評判ですので」
日立春:「ああ、助かる」ふ、とかすかに微笑んで。
GM:そうして、君達は部屋を後にするだろう。
GM:ロイスの取得及び変更のみ可能です。
日立春:ロイス感情は変更なし…かな!
GM:はーい、ではシーンカット。
ミドル2:全員
GM:ついに合流のシーンです。全員登場侵蝕どうぞ。
渋土垣根:1d10+48
DoubleCross : (1D10+48) → 4[4]+48 → 52
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (37 → 47)
GM:またシーン開始前に、知られたくない秘密の宣言をお願いします。
渋土垣根:えーっとですね
渋土垣根:奥歯に虫歯があります。
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (44 → 47)
GM:www 了解です
日立春:なるほどww
渋土垣根:特に支部長には秘密にしています。歯医者が怖いので。
GM:かわいいね
日立春:秘密ですが、『高校卒業したらこの街を出て、別の国か街かは分からないが自分を知る人がいないところに行くつもりである』で。
GM:日立君……
日立春:お金はきちんと院に送金します。
篠森透:えーっとじゃあ、『元々FHで生まれ育ったチルドレンで、過去複数のテロ事件に加担した事がある』で
GM:重たい2つ、軽い1つでバランスが良いですね。
GM:では、シーン開始します。
GM:それぞれに扉をくぐった君達。扉の先の暗闇が一瞬だけ体を包み――。
GM:気が付けば、また白い部屋に立っている。
GM:ただし、傍らに居たはずの彼女の姿はない。ここに居るのは、君達3人だけだ。
渋土垣根:「あ?あれー?」
日立春:「……これは」周囲を見渡す。
篠森透:「……!」
篠森透:不意に現れた二つの人影から距離を取りつつ、周囲を見渡す。
日立春:「……今度は何だ、全く」
篠森透:「樋渡……?」すぐ側に居たはずの彼女の名を呼ぶが、影も声もない。
渋土垣根:「支部長?しぶちょーーー!」
渋土垣根:「ってあれ?篠森じゃねーか」
日立春:高橋の姿はない。固い表情で見渡して。
篠森透:「……渋土、それに日立か」よく見れば知った顔だと分かって、警戒を緩める。
日立春:「…ん?篠森…?」
渋土垣根:「どうなってんだよーこれー、さっきまで支部長と一緒にいたのにどうして篠森が出てくんだぁー?」
篠森透:「支部長と一緒に居たのか?」
渋土垣根:「そうなんだよ!任務の帰りにクレープ食うはずだったんだぜ!」
篠森透:「こっちは今しがた、樋渡とはぐれた所だ」
渋土垣根:「こんなわけわかんないとこ連れてこられて、あんまりだよなぁ~~~」
日立春:「……一応、そちらの紹介もしてもらいたいな。俺は高橋とつい先ほどまで一緒にいたんだが…」
渋土垣根:「じゃあオレとおんなじ感じだなぁ~~~ど~なってんだぁ?」
渋土垣根:「あ、そう、そっちの奴は誰だよ」
篠森透:「ああ、彼は渋土垣根。UGNのチルドレンだ」
渋土垣根:「よろしくなぁ!」
篠森透:それから、渋土くんの方に向き直って。
篠森透:「日立春。この街のイリーガルだ。前に一度、任務で協力したことがある」
日立春:「……チルドレンにもいろいろいるんだな。よろしく」
渋土垣根:「へー、ってことは全員オーヴァードってこと?」
日立春:一応、UGNなら”アラドヴァル”…のが通りがいいかもしれん、と言って。
渋土垣根:「わざとらしいっつーか……こういうのなんて言うんだっけ」
篠森透:「そうなるな。……それも、かなりの武闘派揃いだ」
日立春:「そうなるな。そして、先程全員誰かと一緒にいたようだが…俺と一緒にいた高橋もオーヴァードだ」
渋土垣根:「サツイ、ハクイ……」
篠森透:「連携すれば大抵の危機には対処できるだろうが……しかし、この状況は」
渋土垣根:「え、高橋もいんのかよ。勢揃いだなぁこりゃあ」
日立春:「壁は先の部屋と同じで、壊せない…のか?これは」
GM:そこで、ピンポンパンポンとチャイムが鳴る。
渋土垣根:「ああわかった!ダンスだな!」
謎の声:「あ、あー。マイクテス、マイクテス」
渋土垣根:「ダンスなら出来るぜ、さっき覚えたんだぜ~~」
日立春:「渋土は支部長とだったか。L市支部勢ぞろい……なんだ」
篠森透:「解決の糸口が見えないな……何にしても、他の3人とも合流したい所だが」
篠森透:「……ダンス?どうしてダンスが出てくるんだ」
渋土垣根:「あれ?お前らもダンスしたんじゃないの?」
渋土垣根:「おお、なんだなんだ」
篠森透:「……。この声は」
日立春:「…先の部屋なら、俺は手料理だったな」そう言って声に集中する。
謎の声:「入ってますな。では」
謎の声:「ようこそ推しカプ諸君!わがドリームワールドへーーー!!」
日立春:「推し……?」
渋土垣根:「……カブ?」
謎の声:「何の説明もなくこのような真似をしてしまい、申し訳ない」
渋土垣根:「全部の単語の意味がわかんないんだけど、これオレが学校とか行ってないせい?」
篠森透:「ドリームワールド……夢を見せられているのか、僕達は」
篠森透:「そうであれば、曖昧模糊とした状況にも、多少説明のつく部分はあるが……」
謎の声:「ですが我がパッションはもはや道理や倫理では止めること能わず。諸君らにはこの後4つの部屋を巡ってもらうでござる」
日立春:「いや……推し、というのが気に入っているものの表現だと高橋から先ほど聞いたが」
謎の声:「あ、いや。ドリームって言ったのは比喩なので悪しからず。一から十まで現実でござる」
渋土垣根:「もしかして」
渋土垣根:「お前がオレたちを閉じ込めた感じのヤツかよ!」
篠森透:「……ふむ」
渋土垣根:「お前の都合なんか知らねーよこっから出せ!オレはクレープ食うんだよ!」
渋土垣根:「支部長とクレープ食べんだよぉ!」
篠森透:「犯人がここまで堂々と凶状を告白してくるというケースも珍しい」
日立春:じ、と謎の声が聞こえる方を見つめている。
日立春:「愉快犯、ということだろう。さて…」
篠森透:「樋渡達は無事なのか?」
謎の声:「ふっふっふ。そうしたいのであれば、試練をクリアして――」
謎の声:「あ、女性陣は現在別の部屋を攻略して頂いてる最中でござる」
謎の声:「この後の部屋でまた各々合流の手筈なのでご心配なく!」
渋土垣根:「勝手な奴だなあ」
日立春:「……」先の部屋、渋土から聞いたそれも併せて、そうおかしいことではない……とは思うが。(この空間支配を破れんことにはどうにもし難い)
日立春:「それで。この部屋で、俺たちに何をさせたい」
謎の声:「あ、この部屋は単なる状況説明用でござる」
日立春:「………そうか」
謎の声:「なので、状況を把握次第どんどん次に進んでいただく形で……」
篠森透:「……敵の言葉に促されるまま、というのも釈然としないが」
日立春:少し肩が下がる。
渋土垣根:「よくわかんねえけどよぉ」
篠森透:「本当に敵意があるなら他にもっとやりようがあるだろうな。本来、僕達3人を一箇所に集めて情報の共有を許す理由もない」
渋土垣根:「先に進めるならとりあえ進もうぜ」
日立春:「それもそうだな……」
篠森透:「敵……であることに間違いはないだろうが。どうにも、ゆるいというか……」
日立春:「…緩いからと言って、油断はするべきでないが、まあそうだな……」
篠森透:「愉快犯というのは、そういうものなのだろうか……」口元に手を当てて考え込んだりしつつ。
渋土垣根:「大丈夫だって篠森も日立くんもよぉ!」
渋土垣根:「いざとなったらオレがぶん殴ってなんとかするって!」
篠森透:「……ああ、そうしよう。ここに留まって事態が進展する訳でもない」
日立春:「……ふ」少しだけ口元を緩めて。
渋土垣根:「心配すんなよな!ははは!」
篠森透:「自信家だな。不安はないのか?」
日立春:「そうだな。自分だけじゃない、というのは。心強いものだ…上手くやろう」
渋土垣根:全然!と返そうとして
篠森透:そんな質問が口をつく。いつも彼が拠り所としている支部長が急にいなくなったことで、もっと動揺するだろうかと思っていたから。
渋土垣根:「うーん、ちょっとはあるな……さっきの壁も壊せなかったし」
渋土垣根:「でも支部長はスゲーから」
渋土垣根:「支部長がいるなら心配ないぜ!バカのオレが無事なら支部長も無事だってことよ!」
篠森透:「……ああ。そうだな」
篠森透:「あの支部長が、さっきのあいつにやり込められる所は、あまり想像がつかない」
渋土垣根:「だろ?絶対ありえないね!」
日立春:「じゃあ、そんな支部長の前で、無様は見せられないな」少し口角を上げて。
渋土垣根:「おう!次行こうぜ、次ぃ!」
篠森透:「そうだな。僕達が足を引っ張るわけにはいかない」
GM:そうして、君達は部屋を後にする。
GM:またロイス取得のみ可能です。
渋土垣根:篠森くんと日立くんに!
篠森透:渋土垣根:◯連帯感/不安、日立春:◯連帯感/脅威 で取得します
渋土垣根:篠森くんには信頼○、日立くんには連帯感○
日立春:渋土垣根 〇敬意/不安 と、 篠森透 〇共感/脅威 で。
GM:はーい。では、シーンカット!
相楽未教:シークレットダイス
樋渡瑞祈:シークレットダイス
高橋芽衣:シークレットダイス
ミドル3-1:渋土垣根
GM:垣根君は登場侵蝕をどうぞ。
渋土垣根:1d10+52
DoubleCross : (1D10+52) → 5[5]+52 → 57
GM:仲間二人と共に扉をくぐった君だが、気づけば隣に二人の姿はなかった。
渋土垣根:「あれーーー?まただよ」
GM:扉の先に広がるのは相変わらずの白い部屋。
GM:しかし、真ん中には二人掛けのソファーが置かれ、それに向き合うように大きなモニターがある。
GM:そして。
相楽未教:「ああ、垣根君」
GM:そのソファーに悠々と腰かけた相楽未教が君を出迎えた。
渋土垣根:「あ!支部長!ほらやっぱ無事じゃね―か!」
渋土垣根:「篠森が変なこと言うからちょっと不安になっちゃったぜ」
相楽未教:「篠森君?ああ、彼もここに来てるんだ」
渋土垣根:「そうなんだよ支部長、向こうの部屋に篠森ともうひとり日立くんっていうのがいてさ」
渋土垣根:「さっきまで一緒だったのにまたいなくなっちまったんだよなぁ」
渋土垣根:「結局ここってなんなんすかねぇ~~~?」
相楽未教:「私の方は樋渡君と高橋君に会ったよ。察するに、男女一組で三組分閉じ込められてるということかな」
相楽未教:「結局目的は分からないけど、部屋ごとの課題をクリアすれば先に進めるのは確かみたいだね」
相楽未教:「ほら、ここも」
渋土垣根:「っつーことはこの部屋も?」
GM:そう言って彼女が指さした先には、また例の看板。
GM:『二人で映画を見終わらないと出られない部屋』
GM:今度はそう記されていた。
渋土垣根:「映画ァ?」
相楽未教:「うん。この通り」
相楽未教:そう言って次はモニターを指す。
GM:そこにはいくつかの映画のポスターとタイトルが表示されている。
渋土垣根:「観るだけでいいんなら楽勝だぜ~~~」
渋土垣根:「じゃあすぐ観ようぜ支部長!」
相楽未教:「なかなか選択のセンスも良いよ。ビッグタイトルに絞られてない辺りが特に」
渋土垣根:「オレ映画とか全然観たことねえからさぁ」
相楽未教:「そうだね、ほら」 そう言って自分の隣をポンポンと叩く。
渋土垣根:「面白いやつ、支部長が選んでくれよ」
渋土垣根:ワクワクした表情で座る
相楽未教:「そう?ううん……」
相楽未教:「私が選ぶと、どうしてもジャンルが偏るからなあ」
相楽未教:「むしろ、垣根君が選んでみてくれない?」
渋土垣根:「オレェ?」
渋土垣根:「やめといた方がいいって!オレほんとに映画とか全然観てないから!」
渋土垣根:「ほんとにつまんないやつになっちまうって!」
渋土垣根:「支部長につまんない映画観てほしくねえよ~~~」
相楽未教:「そうとも限らないよ。経験が無い分先入観なく選ぶことが出来ると思うし」
相楽未教:「何よりね、垣根君」
相楽未教:「映画がつまらなかったとしても、『ああ、つまらなかった』と笑い飛ばせる相手が隣に居るなら」
相楽未教:「その時間はきっと楽しいものになるよ」
渋土垣根:「……そういうモンなの?」
相楽未教:「そういうものだよ。きっとね」
相楽未教:「だからほら、君の感性で選んでごらん」
相楽未教:「面白くてもつまらなくても、二人で楽しい時間にしよう」
渋土垣根:「むぅう……支部長が言うなら」
渋土垣根:「がんばる」
渋土垣根:リモコンを受け取って、タイトルを選んでいく
相楽未教:ほほえましそうに目を細め、流れるタイトルと垣根君の横顔を見ている。
渋土垣根:真剣な表情で画面を行ったり来たりさせ
渋土垣根:「あ、これだけ観たことある」
相楽未教:「へえ?」
渋土垣根:古いアニメ映画だ。長寿タイトルのシリーズもので、子供たちが巨大ロボットをめぐる冒険をするというもの。
相楽未教:「良いね、王道で」
相楽未教:「それにする?」
渋土垣根:「なんだったかなぁ~~~一回知らねえ女の人の家に預けられてたことがあって」
渋土垣根:「そこで観たんだよなあ~~~あの人誰だったんだろうな~~~」
渋土垣根:「でもアニメだぜ~~~?」
渋土垣根:「支部長は大人だし、アニメ退屈じゃねえかなってさぁ……」
相楽未教:「まさか。アニメにだって良い作品は幾らでもあるよ」
相楽未教:「というか、話してなかったかな。私は割と漫画も好きなんだけど」
渋土垣根:「え、そうなの」
渋土垣根:「オレも漫画好きだぜ!」
相楽未教:「うん。子供っぽくて幻滅する?」
渋土垣根:「全然!」
渋土垣根:「支部長と好きなモン一緒なの、嬉しいな~~~」
相楽未教:「なら良かった」
相楽未教:「じゃあ心配事もなくなったところで、映画を見るとしようか」
渋土垣根:「おう!」
渋土垣根:再生がはじまる。
GM:そして百何十分の後、映画はエンドロールに入る。
渋土垣根:「う……うぅううううう~~~」
渋土垣根:「リルル~~~」
渋土垣根:ベソベソに泣いている。
渋土垣根:「なんでいなくなっちまうんだよぉ~~~」
相楽未教:「良い映画だったね」 泣いてる彼にハンカチを渡してあげる。
渋土垣根:「ぐす……オレこの映画、いっつも観るたびに思うんだよ……」
渋土垣根:「こんなスゲー悲しい気分になるの、もう嫌だ、もう観ねえ!って」
渋土垣根:「でもなんかまた観ちゃうんだよなぁ~~~……ぐすぐす」
相楽未教:「なら、ますますこの映画が良い映画だって証拠だね」
相楽未教:「それだけ人の感情を揺さぶれて、惹きつけられるってことだから」
渋土垣根:「……支部長は?退屈じゃなかった?」
相楽未教:「面白かったよ。映画も勿論そうだし」
相楽未教:「隣の垣根君がずっと良いリアクションをするから。見ていて楽しかった」
渋土垣根:「……!」
渋土垣根:今更ながら少し顔を赤くして
渋土垣根:「なんだよそれーーー!」
渋土垣根:ハンカチで顔を隠す。
相楽未教:「ふふ」 その反応にもまた楽しそうに目を細めて。
GM:ちょうどそこでエンドロールが終わり、ガチャリという音が響く。
渋土垣根:「あっ、そっかこれで終わりか」
渋土垣根:すっかり忘れていたという顔。
相楽未教:「みたいだね。次の部屋に進もうか」
相楽未教:「ああいや、そうだ。その前に」
渋土垣根:「どーしたんだよ支部長」
相楽未教:「垣根君、こっち向いて」
渋土垣根:「はい?」
渋土垣根:そっちを向く
相楽未教:「うんうん。それで、口を開けて」
渋土垣根:「……」
渋土垣根:ピタリと動きが止まり、表情がこわばる。
渋土垣根:「……ヤダ」
相楽未教:「なんで?」
渋土垣根:「な、なんでも」
渋土垣根:「次の部屋に行こうぜ!いこういこう!」
相楽未教:「そう?じゃあ良いけど」
相楽未教:「代わりに、今週の土曜に歯医者に行こう」
渋土垣根:「ギクーーーッ!」
渋土垣根:「なんでバレてんだ……!?」
相楽未教:「ふふ、この部屋も案外役に立つところがあるなあ」
相楽未教:焦る君をよそに、機嫌良さそうに扉の方へと歩いていく。
渋土垣根:「うううぅ……待ってくれ支部長!」
渋土垣根:「オレってオーヴァードだしさぁ……虫歯もそのうち勝手に治ると思うんだよなあ」
渋土垣根:「ねえ、支部長?支部長?」
渋土垣根:「……歯医者はイヤーーーッ」
GM:ロイス取得・変更と購入が可能です。
渋土垣根:支部長のロイスを純愛と尊敬と恐怖○に!以上で!
GM:はーい、ではシーンカット。
ミドル3-2:篠森透
GM:篠森君、侵蝕どうぞ。
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (47 → 53)
GM:仲間二人と共に扉をくぐった君だが、気づけば隣に二人の姿はなかった。
GM:扉をくぐった先にあったのは白い部屋。そこに、いくつものゲームの筐体が並んでいる。
篠森透:「なっ、また……」不意に気配の消えた二人の姿を探し、周囲を見渡す。
GM:お菓子・ぬいぐるみ・マスコット・ゲーム機などなど、幅広い商品がそれぞれ中に収められている。
GM:そして、立ち並ぶクレーンゲーム達の前に。何処か所在なさそうな顔で樋渡瑞祈が立っている。
樋渡瑞祈:「……篠森」 扉の開いた音に振り向き、君に気付く。
篠森透:「空間操作系の能力だろうが……どう攻略したものか」呟きながら、彼女の方へと歩いていく。
樋渡瑞祈:「そっちは、今までどこに居たの」
篠森透:「どこに……と言われると上手く説明できる気はしないが」
篠森透:「黒幕を名乗る者と、少し会話をしてきた」
樋渡瑞祈:「黒幕?」
篠森透:「僕達をここへ攫った者だ。顔は見せなかったし、いまいち目的もはっきりしなかったが……」
篠森透:「それと、そこでは渋土と……日立というイリーガルも一緒だった」
篠森透:「彼らの話によれば、支部長と高橋もここに来ているらしい」
樋渡瑞祈:「……なるほど」
樋渡瑞祈:「支部長とミニマム・アクトが来ているのは確かよ。こちらで一度合流したわ」
篠森透:「一度……という事は」周囲を見やる。他に人の気配はない。「お互い、似たような状況か」
樋渡瑞祈:「ええ。この部屋に来る前の部屋で合流した」
樋渡瑞祈:「そっちは、自分が同時に閉じ込められた相手について調べろという内容の部屋で」
樋渡瑞祈:「現に資料の中にあなたについてのものが紛れて置いてあった」
篠森透:「……ふむ」
樋渡瑞祈:「……UGN内部に手でも回してそうなくらいの情報量だったわ」
樋渡瑞祈:「向こうが情報戦に長けているか、あるいは何かしらの手段で情報を抜いているのか」
樋渡瑞祈:「いずれにせよ警戒すべきでしょうね」
篠森透:「そうだな。今の所、明確な敵意がないことは幸いだが」
篠森透:「行為そのものの脅威度は無視できない」
樋渡瑞祈:「ええ。支部長含め六人を強制的に拉致しているんだもの」
樋渡瑞祈:「能力行使の規模からしても、相当の実力を持っているはず」
樋渡瑞祈:「現状は部屋の指示に従う以外に脱出方法もないけど……どこかで糸口だけでも掴まないと」
篠森透:「……そうだな。部屋を進めていけば、また先程のように合流できる可能性もある」
篠森透:「それで、ここでは何をすれば良いんだ」
樋渡瑞祈:「……」 少しだけ困ったような顔になって、黙って扉の方を指さす。
GM:『クレーンゲームで景品を取らないと出られない部屋』
GM:扉の上の看板には、そう記されていた。
篠森透:「……なるほど」
篠森透:読み終えると、目の前の透明な箱へと視線を移す。
篠森透:「これが、そうか」
篠森透:「駅前に同様の設備が設置されているのを見たことがある。実際に操作した事はないが……」
樋渡瑞祈:「出来そう?」
篠森透:「……ふむ」ボタンの所に書かれている操作説明に目を落としながら。
篠森透:「要は……適切なタイミングで二度、ボタンを押せばいいのだろう」
篠森透:「それほど難しい事ではない……ように見える。それも、一般人向けの遊戯だ」
樋渡瑞祈:「……」 何故か少し微妙な表情でその言葉を聞いて。
篠森透:「……だが」
樋渡瑞祈:「だが?」
篠森透:不意に樋渡さんの方を見る。
篠森透:「性質上、これは一人でもクリアできる課題だ。渋土のように、二人でダンスを踊るように指示されるのとは違う」
篠森透:「先にこの部屋に来ていた君が、この場に留まっていた事を踏まえると」
篠森透:「何か……僕の全く想定していない難関が存在するのではないかと」
篠森透:「考えている訳なのだが」
樋渡瑞祈:「……」 視線が少し迷って。
樋渡瑞祈:「……第一に」
樋渡瑞祈:「私がここに留まっていたのは、あなたが来る可能性を考慮してのこと」
樋渡瑞祈:「支部長やミニマム・アクトの証言、そして私達自身の経験からして、この部屋は二人に何かをさせることに執着していると判断したの」
樋渡瑞祈:「だから、待機していればあなたが来るのではないかと推測した」
篠森透:「二人で……なるほど、確かにそういう見方もできるな」
樋渡瑞祈:一つ頷いて。
樋渡瑞祈:「……それと、第二に」
樋渡瑞祈:「私は、その。以前にこれと同系統のゲームを試したことがあって」
樋渡瑞祈:話しながら、少しずつ視線が逸れていく。
樋渡瑞祈:「そのときは、……どうしても、景品が取れなくて」
樋渡瑞祈:「結局、同行していた別の人物に取ってもらった、から」
樋渡瑞祈:「多分、私には無理だと思う」
篠森透:「……なるほど、樋渡はこのゲームが苦手なのか」
樋渡瑞祈:「……」 目線を逸らしたまま、俯くように頷く。
篠森透:「了解した。であれば、やってみよう」
篠森透:「先ほど力になってもらった分の借りを返したい所だし、それに」
篠森透:「僕の受けている任務は、君の力になる事だからな」
篠森透:顔色一つ変えないままそう言って、クレーンのパネルに触れる。
樋渡瑞祈:「……ええ、お願い」
樋渡瑞祈:ぽろっとそう零して、後ろからゲームに挑戦する篠森君を眺める。
篠森透:深呼吸ひとつ。じっと箱の中身を覗き込んで、位置を目測する。
篠森透:アームが動き出す。音もなく二度、ボタンを押し込む。
篠森透:ゆっくりと降りてきたアームが、一番手前側にあったファンシーな魚のクッションを掴みかけて……ずるり、と滑り落ちる。
篠森透:「……む。すまない」
篠森透:「確かに掴める位置だと思ったのだが……」
樋渡瑞祈:「掴んでも、取れるとは限らないから……」
篠森透:僅かに視線を険しくして、箱の中に横たわる景品を見つめる。
樋渡瑞祈:「そのアーム、ある程度力が弱くされてるの」
篠森透:「……そうなのか。確かに、力がないと思ったが……」
篠森透:「君の……同行者は、どうやって景品を手に入れたんだ?」
樋渡瑞祈:「あのときは……確か、景品そのものを掴むんじゃなくて」
樋渡瑞祈:「景品についてるタグにアームをひっかけて吊り下げてたと思う」
篠森透:「……ああ」
篠森透:「なるほど……巧妙な罠だ。クレーンという名を冠しているから、掴み取るものだという先入観を持ってしまう……」
篠森透:「そうすると、狙うべきはタグがアームの軌道上に捉えうる角度の……」ぶつぶつと言いながら2プレイ目を開始する。
樋渡瑞祈:「……そこまで想定されてるかは知らないけど……」
樋渡瑞祈:そう言いながら大人しくアームの行く末を眺めている。
篠森透:静かに二度、ボタンを押す。真ん中の辺りに山積みになっていたぬいぐるみのひとつうぃ、アームの片側が引っかけた。
篠森透:「……よし」排出されたそれを、無造作に取り出す。球状のやや犬っぽい生物のぬいぐるみ。
樋渡瑞祈:あっさりと持ち上げられたぬいぐるみに目を見開いて。
樋渡瑞祈:「……上手いのね」
篠森透:「要領がわかれば、どうという事は……と、調子に乗れる立場でもないな」
篠森透:「結局、今度も君の助言のおかげだ」
樋渡瑞祈:「……別に。大したことは言ってないし」
樋渡瑞祈:「結局はあなたの腕が良いからでしょう」
篠森透:「どうかな。それこそ、たまたま上手くできただけかもしれない」
篠森透:「たったの一度や二度で技量を測ることはできないよ」
篠森透:「……しかし、この景品は嵩張るな。ここに置いていくべきか……」携帯している鞄の中身を見て、その口を閉じる。
樋渡瑞祈:「それでも、私がやるよりはきっとマシだった……」
樋渡瑞祈:「……置いてくの?」
篠森透:「この部屋の条件は満たしているかと思ったんだが……」
篠森透:「何か、不味いだろうか」
GM:実際に、ぬいぐるみが落ちたそのときに開錠の音は既に響いている。
樋渡瑞祈:「……いいえ、何も」
樋渡瑞祈:「そうね。鍵は開いてるんだし、次に行きましょう」
篠森透:「そうだな。次に……」景品の出口にぬいぐるみを戻しつつ。
篠森透:「そうだ、樋渡。これは提案なんだが」
樋渡瑞祈:「何?」
篠森透:「部屋を出るにあたって、手を繋いで行くというのはどうだろうか」
樋渡瑞祈:「……え」
篠森透:「また、前の部屋のような分断をされるかもしれない。その対策になるかは分からないが……」
樋渡瑞祈:「……」
篠森透:「試してみてもいいのではないだろうかと思う」
樋渡瑞祈:「……理由は分かった、けど」
樋渡瑞祈:「……」 思考の間を挟んで。
篠森透:「……」じっと答えを待っている。
樋渡瑞祈:「あなたの、袖を掴む形にさせて」
樋渡瑞祈:「……人に触れるのは苦手、だから」
篠森透:「……そうなのか」
篠森透:「すまない、知らなかった。今後は気をつけるようにしよう」
篠森透:そう、目を合わせて謝ってから
篠森透:右手を君の前へと差し出す。
樋渡瑞祈:「……」 黙ったまま手を伸ばし、差し出された右手の服の袖をつまむ。
樋渡瑞祈:恐る恐るという形容が似合うような手ぶりだった。
篠森透:「……本当に大丈夫か?」
篠森透:その様子を見て、つい確認してしまう。
篠森透:「君の……精神に悪い影響を与えてまで、試そうとは思わないが」
樋渡瑞祈:「……」 一つ深く息を吐いてから。
樋渡瑞祈:「大丈夫。私が、少し……考えすぎているだけだから」
篠森透:「……分かった」小さく、そう頷いて。
篠森透:隣を歩く少女の歩幅を確認しながら、ゆっくりと歩き出し、そのまま部屋を出る。
樋渡瑞祈:先を歩く彼に続くように歩を進める。
樋渡瑞祈:その足取りと表情は、何処か迷子のようにも見えた。
GM:ロイス取得・変更と購入が可能です。
篠森透:うーん どっちもなしでいいや
篠森透:以上です
GM:はーい。ではシーンカット。
ミドル3-3:日立春
GM:日立君、登場侵蝕をどうぞ。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (47 → 49)
GM:仲間二人と共に扉をくぐった君だが、気づけば隣に二人の姿はなかった。
日立春:「ん……先の部屋の逆か…?」見渡す。
GM:扉を潜った先はまた白い部屋。今度は部屋の真ん中にテーブルと、それを挟んで向かい合う形で二脚の椅子が置いてある。
GM:そしてその椅子の片方に、プラプラと足を振るように高橋芽衣が腰かけていた。
高橋芽衣:「お、来ましたね日立君!」
日立春:「高橋か。…となると、これは最初の部屋の続きか…?」そう言いながらゆっくり歩み寄る。
高橋芽衣:「なんですかねえ。指示はさっきと変わってますけど」
日立春:「ん……そうなのか?さっきは、説明みたいなのを篠森と、渋土の3人で聞かされたんだが…」
高橋芽衣:「お、てことはそっちはやっぱ男子三人だったんですね」
高橋芽衣:「こっちは女子三人でしたよ。支部長とー、樋渡さんとー、メイで!」
日立春:「やっぱり?…ふむ。六人を閉じ込めている、ということなのか…」
日立春:あの部屋から4つあるらしい、というのは聞いたが。そちらも事情説明だったのか」
日立春:から、と対面の椅子を引いて座る。
高橋芽衣:「へー、そんなに続くんですねこれ。下手なフリーゲーよりボリュームありそう」
日立春:「フリーゲーム、そんなに無いものなのか…」
高橋芽衣:「あ、あとこっちの居た部屋なんですけどー、『相手についてより深く知らないと出られない部屋』でした」
日立春:「と、それはさておいてだ。今回は何を………」
高橋芽衣:「なんか沢山資料があって、その中に日立君の資料も紛れてまして」
高橋芽衣:「多分あれまだあったっぽい気がするんですよねー。勘ですけど」
日立春:「……悪趣味な。そも、高橋なら俺の資料くらい見られるだろう」嘆息。
日立春:「大したものなどない浅い男だよ、俺は」
高橋芽衣:「ええ、そんなことないですよ!」
高橋芽衣:「日立君が浅い男だとしたら、うちのにいとかどうするんですか!もう水たまりですよ!」
高橋芽衣:「年は日立君と一緒なのに……」
日立春:「そうか?クラスメイトからはつまらんやつだとよく評価されるんだが………」
日立春:「兄君には同情する」
日立春:妹からこう言われて、苦笑しているかもしれないが。
高橋芽衣:「いーんですよ、あんな兄。日立君はメイにオムライスを作ってくれる優しさがあるのに」
高橋芽衣:「かわいいかわいい妹から唐揚げを強奪するような悪漢ですもん」
日立春:「……部屋のお題だったからだよ。まあ、別に作ってほしいというなら、いつでも構わないが」
日立春:「……まあ、高橋の家の食卓事情は置いておいてだな」そこらへんは院の皆からしてまあうるさくなるのはわかっている。
高橋芽衣:「ほらぁ、作ってくれるじゃないですか」
高橋芽衣:「あ、そうでした!置いといて」
高橋芽衣:ポンと手前に話題を積む。
日立春:「俺の監視なんて、退屈だろう。それくらいはする……そう、この部屋だ」
日立春:彼女と話すと、どうにも。話題がぽんぽんと移り変わってしまう。いや、それだけ会話が弾んでいるということなのだ。俺相手でも。
高橋芽衣:「この部屋はですねぇ、これを使う部屋だそうです」
高橋芽衣:そう言って手元にあるトランプをしゃしゃっと切って見せる。
日立春:「ふむ」彼女が指すトランプを見る。
日立春:「……それだけか?トランプなら色々とあるものだが…」院でもとにかく安いし色々と遊べるので、それなりに親しんでもいる。
高橋芽衣:「ええと、看板的には『二人でトランプ対決をしないと出られない部屋』だそうです」
高橋芽衣:「なんの対決かは書かれてなかったんで、何のゲームでも多分良いんじゃないかと」
日立春:「トランプ対決」おうむ返しに。「……そうか。何にする?大富豪やブラックジャック、ポーカー…は賭けないとゲーム性が出ないか」
高橋芽衣:「どうしましょうねえ。メイは何でも楽しめますが」
高橋芽衣:「早く終わること優先するならいっそババ抜きとかします?」
日立春:「速く、といえばスピードもあるな…」「ババ抜きを二人でやるのは、俺はかまわんが…」
高橋芽衣:「ふんふん。スピードも確かにありですね……日立君何したいです?」
日立春:「スピードでもするか。あれは早く済む……もちろん、嫌ならば別のもので構わないが」
高橋芽衣:「いーえー?別にトランプゲームにNGなんてありませんし」
高橋芽衣:「じゃあとりあえず赤・黒分けますか」
高橋芽衣:そう言って手持ちのトランプから、自分に赤、日立君に黒を配っていく。
日立春:「うむ。色は…ああ、ありがとう」
日立春:こちらも配られたカードを束ね、まとめてシャッフルする。
高橋芽衣:「ふふーん、兄弟内最強の腕前を見せて差し上げましょう」
日立春:「お手柔らかに。俺はそれなりだからな…」
日立春:とん、と束ねた札を置いて。
高橋芽衣:「残念ですが保証は出来ませんね……ゲームにはいつでもガチなので……」
高橋芽衣:余裕ぶった笑みを浮かべながら、こちらも束ねた札を置く。
日立春:「……まあ、高橋に手加減してくれなんて言わないさ」手札四枚を広げ、台札を置く。
日立春:スペードの4。
日立春:「準備はいいか?」
高橋芽衣:「勿論。日立君も手加減なんてしないでくださいね?」
高橋芽衣:こちらも手札を広げ、台札を置く。
高橋芽衣:ダイヤのQ。
高橋芽衣:「行きますよ。せーのっ!」
日立春:「努力する。……おう、スタートだ!」
高橋芽衣:スタートを聞くと同時、即座に手が動く。
日立春:手札を広げ、とにかく数字がつながる札を置いていく。スピードの名前の通り、とにかく反射神経と手の速さこそ正義のゲームである。
日立春:クラブの5、スペードのジャック、……とにかく弟妹に突き合わされた経験から手は動く。
高橋芽衣:こちらも動きはかなり速い。兄弟との経験のおかげか、そもそもの反射神経の賜物か。
日立春:出したい札の数字が被さることも当然ある。手を伸ばして。
高橋芽衣:更に、少しでも長く、一枚でも多く台札を連ねるよう札を切っている。瞬時ながらその判断は正確だ。
日立春:(早いな、高橋ーー)手がこのままだと当たる、というところで。
日立春:ぐ、と引き戻す。傍目からだと、遅れに気づいて切り替えたようにも見える。
日立春:表情は動かない。無駄にポーカー強そうだ、と言われた無表情のまま切り替えてそれでも手早く。
日立春:「……む」あと二枚。
GM:しかしながら、そんな一手二手の遅れが響いてか。
高橋芽衣:「はい、あがりー!」
日立春:「……俺の負けか……」
高橋芽衣:「ふっふっふ。何度かの逃げが響きましたねえ」
日立春:「いや…、早いな。兄弟で一番、というのも本当のようだ」
高橋芽衣:「ダメですよ、日立君。ゲームであれば女子相手でも容赦なく手を払うくらいじゃないと」
日立春:「……ああいや、どうにもな……」
高橋芽衣:「うちのにいとかマジのマジでやりますからね。あれはあれでどうかと思います」
日立春:「うちの院だと女子が多い。そんな中でそんなことをしたら、後が怖い」
日立春:「……勝負事としては、真面目で良いのだろうな」少しだけ唇の端を持ち上げて。
高橋芽衣:「なるほど、日立君のジェントルさはそこからでしたか」
高橋芽衣:「確かに団結した女子は強いですからねー。メイも昔よくやりました」
日立春:「まあ、そうかもしれん。物心ついた時には当然だと思っていたが…怖いと思ったことは、覚えているものだな」
高橋芽衣:「いかにクラスのガキ大将と言えど、女子十人に揃って詰められればか弱いものですよ……」
高橋芽衣:クックック……と悪い笑みを浮かべて。
日立春:「人数差であまり苛めてやるなよ……」少し苦笑するような口調で。
高橋芽衣:「まあそこは、男女のハンデを埋めるアレですので。知恵ですよ、知恵」
高橋芽衣:「メイは頭を使ってなんぼですからね」
日立春:「まあ、どうしても力の差はあるが、うむ……」
高橋芽衣:ツンツンと自身のこめかみを指してえへんと胸を張る。
日立春:「いや、高橋は本当になんというか」
日立春:今まで自分が知己を得たチルドレンたちを思い出す。
日立春:「随分、明るいし…下手なやつよりずっと、学生らしいな」
日立春:気が少し抜けただろうか、そう零す。
高橋芽衣:「ふふー、明るさは満点とママからもお墨付き貰ってますから」
高橋芽衣:「でも、ちゃんと学生で来てるなら安心ですね。カバーとしての潜入は初めてですし」
高橋芽衣:「何より高校ですからね。ちゃんと馴染めてるかまあまあ心配でした」
日立春:「人気があるのもわかるよ。……そうなのか?」カバーとしての潜入が初めて、という言葉に。
高橋芽衣:「幼稚園と小学校の途中まで通って、そこで覚醒したのもあってUGNの施設の方に移りまして」
高橋芽衣:「潜入任務を受ける機会もなかったので、今回が初めてです」
日立春:「そうなのか……家族と一緒にいるような子もいるものなんだな」チルドレン、というと。UGN施設で養育される孤児のような印象があった。
高橋芽衣:「まあそこはメイの家がちょっと特殊ですねー。パパもママもUGNの人なので」
高橋芽衣:「ついでににいと弟も今はチルドレンです」
日立春:「ああ…両親がオーヴァード、というのもあるのだな。それもそうか」オーヴァードである、というのはなかなか大きい秘密だ。UGN所属、というならさらに。
日立春:「UGN一家、というわけか。中々大変な印象があるが、伝え聞く高橋の一家は……なんというか、仲睦まじく聞こえたから」
日立春:「……そういうのも、あるものなのか」
高橋芽衣:「仲良いですかねー。まあ良い方になるのかなあ」
日立春:「俺からは、随分仲が良いように聞こえたよ」少し口角を緩めて。
高橋芽衣:「……羨ましいです?」
日立春:「いいや」
日立春:「俺がそうなれるとは思わないからね。でも、」
日立春:「そういう風に上手くいって、幸せそうな人がいるのは。とても良いことだと思える」
日立春:眼を閉じて、口元を緩ませてかすかに笑う。
高橋芽衣:「そうですか」
高橋芽衣:「……よし、そろそろ次の部屋行きますか!」
GM:開錠の音はとうに響いた後だ。
日立春:「……ん。ああ、そういえば開いているのか」
日立春:「すまない、引き留めてしまったな」
高橋芽衣:トランプをケースに放り込んで、てこてこと扉の方へと歩いていく。
高橋芽衣:「いえいえー。日立君とお話しするのは楽しいですもん」
日立春:こちらも立ち上がって、その後ろについていく。いつでもかばえるような距離。
日立春:「……そうか?俺はつまらん奴だと思うが……、だが、そうだな」
日立春:「高橋が、楽しめているなら。悪いことじゃないのかもしれんな」
高橋芽衣:「むう、日立君は謙虚ですねぇ」
高橋芽衣:「このメイちゃんを楽しませてるんですから、良いことだ!って胸張るくらいで良いんですよ」
GM:そういいながら、ガチャンと扉を開く。
日立春:「……ふ」その言葉には、また小さく笑って。
日立春:「次に行くとしよう。先がまだある」
日立春:そういって、扉をくぐった。
GM:ロイスの変更・取得、購入が可能です。
日立春:ロイスは変更なし。購入も……ここは飛ばしましょう。
GM:はーい、ではシーンカットで。
ミドル4:全員
GM:皆さん登場侵蝕をお願いします。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (49 → 57)
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (53 → 54)
渋土垣根:1d10+57
DoubleCross : (1D10+57) → 7[7]+57 → 64
GM:三つ目の部屋を後にした君達。扉を潜ると、再び傍らの彼女の姿はなく。
GM:君達三人だけが部屋の中に立っている。
GM:部屋にはいくつもの資料が詰まれ、看板にはこう記されていた。
GM:『相手についてより深く知らないと出られない部屋』
篠森透:「……む。失敗か」さっきまで袖を掴んでいた少女がそこにいない事に気付いて。
日立春:「んん……二つ前の部屋ぶりだな、篠森、渋土」少しこめかみを抑えて。
渋土垣根:「なーんか慣れてきたな~~~コータイゴータイなのかよコレぇ」
渋土垣根:「ずっと支部長といたいよぉ~~~オレはよぉ~~~」
渋土垣根:「あ、でもさっきの部屋となんか違うな」
渋土垣根:「看板がある?ってことは今度こそダンスか!?」
篠森透:「どうも、この組み合わせパターンで交互に転移させられているのか……相手?」
日立春:「……そこは申し訳ないが、このお題は…高橋も話していたな。俺たちが説明を受けた時、彼女たちがこのお題だったとか」
渋土垣根:「ってことはこの相手っつーのはオレらのことじゃなくて」
渋土垣根:「支部長たちのことかぁ?」
篠森透:「それは僕も聞いたな……なるほど」無造作に資料のひとつを手に取る。
日立春:「おそらく」
篠森透:「ふむ、そうらしい」
渋土垣根:「篠森、その紙何が書いてあんだよ?」
渋土垣根:横から覗き込む
GM:誰とも知らない人物に関しての資料だ。
渋土垣根:「あ~~~ん?」
篠森透:資料の山の方に目を移して。「この中から探し出せ、という事だろうか」
日立春:「となると…まずは整理してからアタリを付けて、それから詳しく読み込むような形で行くか。一から読んでいると、手間がかかりすぎる」
渋土垣根:「支部長たちのをってことかぁ?」
渋土垣根:「いやいや待て待ておめぇらよ」
渋土垣根:「こういうの、よくないコトだぜ!プライバシーっつーのがあんだろぉがよぉ~~~!」
日立春:「お題を熟さないと出れないのが今迄だ。このままだと、俺たち三人で閉じ込められるし…」
渋土垣根:「……それはヤだな」
篠森透:「最もな話ではあるが……そのプライバシーを侵害しているのは、この資料をここに持ってきた奴だろう」
日立春:「ペアでないと熟せないお題を、彼女たちが課された場合、彼女たちも出れない可能性がある」
渋土垣根:「う~~~ん」
渋土垣根:「要するにアレだな」
篠森透:「となれば、僕達の手で資料を保護する必要がある。部外者の目に触れないように」
日立春:「緊急避難というやつだな。…もちろん、渋土が嫌なら強制はしない」
渋土垣根:「ここを出てからあの声のやつをぶん殴りゃいいってことか」
日立春:「そうなる」頷く。
篠森透:「最終的にはそうなるな」
渋土垣根:「しょ~~~がね~~~な~~~」
渋土垣根:「支部長、ごめん!」
渋土垣根:資料をめくりはじめる。
日立春:「……渋土はいいやつだな」少し自分が躊躇いもなかったのにわずかな嫌悪を覚えつつ、こちらも手を伸ばした。
GM:では、判定について提示します。
GM:情報収集項目は3つ。1.相楽未教について・2.樋渡瑞祈について・3.高橋芽衣について。
どれも対象にロイスを取得している人物のみが挑戦できます。
難易度は8/10/12。段階的に情報が開示されます。技能は任意の情報技能でコネも財産点も使用可能。
侵蝕を1d10上げることで再挑戦が可能で、再挑戦する度に難易度が3ずつ下がっていきます。
篠森透:なるほどね
GM:8が簡単なプロフィール・10が能力なども含め詳細なプロフィール・12が秘密となっています。
日立春:了解いたしました じゃあ3番高橋さんについて情報UGN、コネUGN幹部使って判定しよう。
渋土垣根:なるほどね
篠森透:樋渡さんについていきます。情報UGN、コネ使用で。
渋土垣根:もちろん支部長について!
篠森透:3dx+2>=8
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 4[2,2,4]+2 → 6 → 失敗
日立春:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 10[1,8,10]+8[8] → 18 → 成功
渋土垣根:2dx+2
DoubleCross : (2DX10+2) → 7[6,7]+2 → 9
日立春:マジかお前。財産前提だろ!!?
渋土垣根:リトライ!
篠森透:駄目だった 振り直します……
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (54 → 57)
渋土垣根:1d10+64
DoubleCross : (1D10+64) → 2[2]+64 → 66
篠森透:3dx+2>=8
DoubleCross : (3DX10+2>=8) → 7[1,2,7]+2 → 9 → 成功
渋土垣根:でもって難易度9まで低下
渋土垣根:2dx+2
DoubleCross : (2DX10+2) → 8[2,8]+2 → 10
渋土垣根:よっしゃあ!
篠森透:9まで下がってるから全部抜けた……かな
GM:はい、これで全員全抜きです。
GM:では、順に公開していきましょう。
1.相楽未教について
・難易度8
コードネーム:アンブロシウス。L市支部を率いる支部長であり、元UGN本部所属エージェント。
元々はレネゲイドと何のかかわりもない一般家庭の出だが、覚醒してすぐにUGN入りを自分から志願した。
その後本部エージェントの地位まで上り詰め、その第一線を退いた今も定期的にそちらの任務に携わっている。
・難易度10
身長173cm、体重53kg。26歳。血液型AB型。かに座。能力値1/1/2/6。
シンドロームはオルクス/ソラリスのクロスブリード。能力としては化学物質の生成及び散布がメイン。
最低限の攻撃性能は持つものの、適正としては支援の方が高い。また本部での経験から、交渉や情報の扱いに長ける。
・難易度12
UGN本部での仕事は裏切り者やスパイの捜索及び粛清。顔と名前が知れ渡りすぎたことを理由に第一線から退くことになった。
2.樋渡瑞祈について
・難易度8
コードネーム:ハイストレスデイ。カドリングズというチームに所属し、数々の任務で功績を挙げてきた。
数か月前に行われたジャーム討伐にてカドリングズは彼女一人を残し壊滅。リハビリを兼ねL市支部へ移籍となった。
当人の復帰への意志は強いものの身体と精神の両面に不安が残るとされ、現状復帰は検討さえされていない。
・難易度10
身長166cm、体重47kg。16歳。血液型A型。うお座。能力値2/2/6/1。
シンドロームはウロボロスのピュアブリード。質量を持つ影を用いて戦うが、事件以降能力に変質が起きている。
カドリングズのメンバーのレネゲイドなどが影響していると推測されており、彼女自身も制御に注力している。
・難易度12
ジャーム討伐の際に遺産『プラピエテ・オルロフ』に適合している。遺産の識別コードは『誓約の瞳』。
3. 高橋芽衣について
・難易度8
コードネーム:ミニマム・アクト。両親を始めとし、家族全員がUGNエージェント及びオーヴァードである。
その家庭環境もあってか、生粋のチルドレンでありながら感情豊かな振る舞いが目立つ。これは彼女の兄弟も同様。
覚醒が早かったため能力制御も安定しているが、覚醒した当時に一度だけ能力の暴走を起こしている。
・難易度10
身長145cm、体重38kg。14歳。血液型B型。おうし座。能力値1/1/6/2。
シンドロームはノイマンのピュアブリード。高い思考能力と反射神経を駆使し、ライフルを扱う。
純粋な技能の高さが強みであり、結果として侵蝕負担が少ない。そのため継戦能力にも優れている。
・難易度12
能力暴走の際に代謝の制御能力も暴走しており、影響として以前に比べ感情が非常に乏しくなっている。
GM:君達が資料を読み終えると同時に、ガチャンと開錠の音が響く。
日立春:眼を閉じ、とん、とん、とこめかみを人差し指で叩く。
日立春:息を吐く。
日立春:「……俺の目は節穴だとは思っていたが、まさにその通りだったわけだ」
篠森透:「……」資料を持つ手が歪む。黒色の球体が出現し、音もなく紙片を切り刻みながら飲み込む。
日立春:丁寧に資料を畳み、懐に収める。見たことは話すべきだと思うし、その際に現物があった方がよかろう。
篠森透:(……自分が、この情報を伏せられたまま彼女の傍に付けられた理由は)目を閉じて思考する。
篠森透:(彼女の都合に深く立ち入るな、という意図があるのだろう)
篠森透:(だから……ここで得た情報について、彼女の前では知らないふりをするべきだ)
渋土垣根:「んじゃ~~~」
渋土垣根:「行くとするか」
篠森透:(……それが、僕に指示を出した人間の考え)不安そうな彼女の横顔が、瞼の裏を過る。(では、僕自身は?)
日立春:「おう」目を開く。行くと決めた。ならば、あとは貫き通すのみ。
渋土垣根:ガシガシと頭をかいてから先んじて歩き出す。背中からその表情は伺いしれない。
篠森透:「ああ」深くため息を吐く。
篠森透:(分からないことは幾つもある。自分自身の気持ちの事でさえ、そうだ。だけど……)
篠森透:(少なくともひとつ、確かに僕が知っている事は)
篠森透:(『誰かにそう指示されたから』という理由で、自分の行動を定義するのは……良い結果を招かないという事だ)
相楽未教:シークレットダイス
樋渡瑞祈:シークレットダイス
高橋芽衣:シークレットダイス
ミドル5-1:日立春
GM:日立君、登場侵蝕をお願いします。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (57 → 65)
GM:いつも通り、扉を潜った先に隣に居たはずの気配はなかった。
日立春:さすがに何度も繰り返せば心構えもできる。
日立春:視線を巡らせ、部屋を見渡す。
GM:部屋にあるのは、真ん中に置かれたベッド。オレンジ色の間接照明。そして。
高橋芽衣:「あ、遅かったですね日立君!」
日立春:「ああいや。待たせたなら済まない、高橋」
GM:ベッドに腰掛けて君を待っていたらしい高橋芽衣の姿だった。
高橋芽衣:「いえいえー、こっちの試練が簡単なやつでしたから」
日立春:「……先程、こちらは篠森と渋土と一緒だった。そちらも支部長たちと一緒にいた…のだろうか」
高橋芽衣:「それがですね。今回はなんと私一人の部屋でした」
日立春:「ん…?それはまた…」
高橋芽衣:「そして試練の中身はなんとー……『ビンの中身を飲み干さないと出られない部屋』!」
日立春:「………何か変なものではなかろうな」ベッドには掛けず、少し離れたところに立つ。
高橋芽衣:「いやホント、怪しさだけは万点満点ですよ。流石に従うべきか10秒悩みました」
高橋芽衣:「まあメイちゃんは代謝つよつよなのでー?幸いほぼほぼ影響なかったっぽいですね」
日立春:「…体調に可笑しなところなどはないなら、よいのだが」
高橋芽衣:「ちなみに、日立君は何の部屋でした?」
日立春:彼女の様子を見る。何か発汗などおかしなところはない…といいのだが。
高橋芽衣:彼女の言葉通り、傍から見る範囲で特に異常は見られない。
日立春:「高橋も入ったと思うが、”相手について知らないと出られない部屋”だ」
高橋芽衣:「ほうほう。ということは、日立君もメイについて調べた感じですか」
日立春:「……まず、それで色々と高橋のプライバシーに関わることも見ている。その点をまず謝罪させてほしい」頭を下げる。
高橋芽衣:「え!そんなの日立君が謝ることじゃないですよー」
高橋芽衣:「普通に悪趣味極まるこの部屋の主が悪いですし。ドントマインドです」
日立春:「謝ることだとも。部屋がどうあれ、俺がそうしたことに変わりはない」
日立春:懐から畳んだその書類を取り出す。
日立春:「内容はこれだ。高橋にも俺が何を見たか、知った上で判断してもらうべきだと思っている」
高橋芽衣:「真面目ですねえ……っと、はいはい」
高橋芽衣:差し出された書類を受け取って、パラパラとめくっていく。
高橋芽衣:「ふんふん……あ、こっちも体重書いてる!」
日立春:眼を閉じて待つ。彼女がどう思うか、どう判断するか。全て彼女だけが決めるべきことだと、そう思うからだ。
高橋芽衣:「乙女の秘密を何だと思ってるんですかね、全く」
日立春:「言葉もない」
高橋芽衣:ぷんすこと頬を膨らませたりしながら資料をめくっていって。
高橋芽衣:「あ」
高橋芽衣:最後のページに書かれた一文を目にとめる。
GM:能力暴走の際に代謝の制御能力も暴走しており、影響として以前に比べ感情が非常に乏しくなっている。
高橋芽衣:「……あー」
高橋芽衣:「バラされちゃいましたか。そのうち自分で言うつもりだったんですが」
高橋芽衣:口調は軽い。いつも通りに。
高橋芽衣:「んん……ちなみに、日立君が言う判断って何の判断です?」
日立春:「そうか。途中で止めておけばよいのに、無駄に知った馬鹿な俺を気に入らんだとか、罵倒するだとか、そういうことをされても当然と思ったが」
日立春:「普通なら、無駄に人の事情に立ち入らんとする人間は色々と罰されたり、気分を害したということで色々と言われるものだ」
日立春:「俺はそうした。だから、高橋は責める権利があるだろう」淡々とした口調。
高橋芽衣:「ああー……なるほどそういう……」
高橋芽衣:どことなく呆れの混じったような声音でそう零すと、ポンと立ち上がって君の前へと歩み寄る。
高橋芽衣:「日立君」
日立春:視線を合わせ、そのまま待っている。
高橋芽衣:おもむろに君の顔へと手を伸ばして。
高橋芽衣:「メイちゃんを見くびりすぎです」
高橋芽衣:イタズラっぽく君の鼻をつまむ。
日立春:「……そうか。いや……」つままれたまま無抵抗で話しているせいか、どこか詰まったような声。
日立春:「良いのか」かすかなトーンの違いに、疑問の色が乗っているのを聞き取れたかもしれない。
高橋芽衣:「このメイともあろう人が、ちょっと演技を知られたくらいで人を嫌うとお思いですか?」
高橋芽衣:「というか、そもそも演技してること自体別に知られて嫌とかじゃないですし」
日立春:「……いや、俺が知っている高橋は怒らないかもしれない、と思った。だが」
日立春:「…俺が、どれだけきみのことを知っているだろう。全部が全部など、分かるものか。ましてや、人と碌に触れ合いもしていない俺が」
日立春:「だから、きちんと聞くべきだと思ったんだ。……きみのことを、傷付けたくはない」
高橋芽衣:「あー……ほんっとに真面目ですねえ」
高橋芽衣:「ううん、そうだなあ。まあちょうどいいと言えばちょうど良いですし」
日立春:「そうか…」少し肩が下がっている。
高橋芽衣:「日立君、メイのお話を聞いてくれますか?」
高橋芽衣:「まあまあ長話になるかもなんですが」
日立春:「俺でよければ、是非とも」
高橋芽衣:「よろしい。では始めましょう」
高橋芽衣:「まずですね、メイの感情の話です」
高橋芽衣:「ここに書かれている通り。覚醒のときに能力暴走して以来、メイの感情は大分大人しくなってしまいました」
高橋芽衣:「以前を100としたら4とか5くらいですかね?驚くべき省エネ化です」
日立春:じ、と視線を合わせて聞き入っている。
高橋芽衣:「なのでまあ、演技とかナシにした場合のメイはめちゃくちゃポーカーフェイスです。日立君と張るくらいには」
日立春:「……俺は俺で、結構顔や声に出ているつもりなんだが」
高橋芽衣:「ふふーん。勿論知ってます」
日立春:「……いや、すまない。話の腰を折った」
高橋芽衣:「だからまあ省エネなメイも日立君くらいには感情豊かという訳ですね」
高橋芽衣:「その20から25倍を誇った以前のメイが恐ろしくなってきますね……。まあそこは置いといて」
日立春:「うむ」そんなに差があるのか……という内心の考えは置いておいて。
高橋芽衣:「では何故メイが普段こうして快活なメイちゃんを演じているかと言いますと」
高橋芽衣:「理不尽に納得がいかなかったからです」
日立春:「理不尽、か?」
高橋芽衣:「ええ。これはまあ、色々の言葉を省いたアレなので。一発だと伝わりにくいでしょう」
高橋芽衣:「なので順を追って説明します」
日立春:「ああ、頼む」
高橋芽衣:「さて、さっき言った通り。メイの感情は薄くなりましたが、0になったわけじゃありません」
高橋芽衣:「嬉しいことは嬉しいし、楽しいことは楽しいです。美味しいものも遊びも大好きです」
高橋芽衣:「ただ以前よりその心の動きがかなーり減ってるというだけでして。それ以外は以前のメイと何にも変わりません」
高橋芽衣:「でも、傍目には大違いに写るでしょう。なにせ快活活発印からクールポーカーフェイス系への大変身ですので」
日立春:こくりと頷く。全てが全て、以前の通りになぞっているのではないか、という予想が外れたのにはわずかに力を抜く。
高橋芽衣:「家族も友達もビックリさせるし、戸惑っちゃうこともあるでしょう。ひょっとしたら、それで疎遠になっちゃったりもするかも?」
高橋芽衣:「ということが、メイには納得できなかったんです」
日立春:「…そうだな。今の君ほど、人は周りにいなかったかもしれない」
日立春:感情の程が、同程度と彼女が言う己のように。
高橋芽衣:「だってメイはメイですので。価値観も顔も声も心も何にも変わってません。今まで通りです」
高橋芽衣:「それなのに、ちょっと感情と表情が薄れた程度で今まで築いたりこれから築けた関係が崩れるなんて、理不尽じゃないですか」
日立春:「……それが、きみの言う理不尽、か」目を細める。眩しいものを見たように。
高橋芽衣:「そう!なのでメイは演技をすることにしました」
高橋芽衣:「具体的には、感じた感情を20倍から25倍くらい派手に表現しています」
高橋芽衣:「結果的に、外からは今まで通りのメイに見えるという寸法ですね」
高橋芽衣:「まあ、ものが感情だからちょっと珍しく聞こえるだけですよ」
日立春:「……成程。きみは、本当に表情がころころと変わるなと思ったけれど」
高橋芽衣:「手足を失った人が義肢をつけるように。視覚を失った人が聴覚や触覚を発達させるように」
高橋芽衣:「メイはメイの努力で、失ったものを補っているのです」
日立春:「………」目を閉じて、彼女の話を反芻する。
日立春:「……高橋は…きみは、すごい奴だな」
高橋芽衣:「ふふ。そう見えます?」
日立春:「ああ。俺からはそう見える。今の君と、同程度しかもっていない俺は……」
日立春:「周囲に、碌に人もいない。それを当然だと思ってきたし、遠ざけられることを寧ろ歓迎していたところさえあった」
日立春:「……俺ときみを並べて、どちらがまっとうな人間かと聞けば」
日立春:「100人が100人、きみだと答えるだろう」
高橋芽衣:「おっと、日立君」
高橋芽衣:「ちょっとストップです。実はまだ、メイちゃんのお話は終わっていないので」
日立春:「……む。すまない」
高橋芽衣:「もう少しだけお付き合いください」
日立春:「ああ、よろしくお願いする」
高橋芽衣:うんうんと満足げに頷いて。
高橋芽衣:「さて、ここまでの話を前提としまして」
高橋芽衣:「さっきメイ言いましたよね?『そのうち自分で言うつもりだったんですが』って」
高橋芽衣:「その言葉通り。日立君には、この辺のこといずれ話すつもりで居たんです」
日立春:「そうだな。信用か、そうでないとしても。秘密を開示するに能うと思ってもらえたのは、ありがたいことだ」
高橋芽衣:「まあ信用も勿論ありますが。それだけでなくですね」
高橋芽衣:「言いましたね?日立君。メイがまっとうな人間に見えるって」
日立春:「ああ」こくりと頷く。
高橋芽衣:「普通の学生とか、それ以上に馴染んでるように見えるって」
日立春:「うむ。……少なくとも、俺からは」
高橋芽衣:「そう。つまりですね、日立君」
高橋芽衣:「メイたちは、そうなれるんですよ」
日立春:「………」目を何度か瞬かせる。
高橋芽衣:「まっとうに、明るく、普通に。幸せな生活を謳歌する学生になれるんです」
日立春:「……ああ」彼女が言いたかったことは、つまり。
高橋芽衣:「何やら日立君は諦めてるらしいですが。そんなの勿体なさすぎます」
日立春:「………なるほど。本当に」自分というやつは、どうにも。
日立春:「俺の目は節穴もいいところだな」
日立春:彼女は、自分のように諦めなかったしーー
日立春:その上で、自分のような人間にさえ、そうできるのだと。そう言ってくれているのだ。
高橋芽衣:「感情でリミッターが無いというなら理屈で覚えましょう。それも無理なら外付けでリミッターを付けましょう」
高橋芽衣:「なんならこのメイちゃんが外付けリミッターに立候補します。リミッターな上にかわいくてお得です」
高橋芽衣:「ですから。日立君」
高橋芽衣:「『俺はそうなれるとは思わない』なんて。やめましょう」
日立春:「………言っているのが、君でなければ」
日立春:「そうするつもりもない、と言ってしまうのだろうが」
日立春:自分自身を焼き尽くし。それでわずかでも悪逆なるものを討ち滅ぼす。能力のように、かくのごとくにしか在れぬモノだと思っている。
日立春:今も、そう思うことに変わりはない。
日立春:「…きみほど、俺は根気強くも良い生徒でもなかった。こうして理屈屋だったり、真面目一辺倒というのも、自分なりに止めることを考えてきた結果だ」
日立春:「もっとうまいやり方も、もっと徹底することも出来たのだろう。本来なら」
日立春:「……俺は、結局のところ。楽な方に逃げる、よくいる人間に過ぎない」
日立春:「正直に言えば、きみの提案に魅力を感じる。その上で、きみはもっと大きなことや、功績を立てて、ほかのだれかにも認められるべきとも思う」
日立春:「………俺は」
日立春:「何と言うべきだろうか。自分が幸福になるだとか、そういうことは……考えたこともなかった」
高橋芽衣:「なら、これから考えていきましょう」
日立春:我ながら、言葉の理路がうまく繋がっていない、と思う。混乱しているのだろうか。
日立春:「……きみの楽しみや、日々を邪魔するようなことはしたくはない」
高橋芽衣:「あれ、言いませんでしたっけ?メイ、日立君と話すの楽しいんですよ」
日立春:「………世辞の類と思っていた」
高橋芽衣:「メイちゃんはお世辞は言いません!」
高橋芽衣:「それにですねえ、日立君」
高橋芽衣:ちっちっちと指を振って見せて。
日立春:彼女へ視線を再度合わせて。
高橋芽衣:「日立君自身言ったでしょう?メイはお猫様気質なので」
高橋芽衣:「いくら必死に呼ばれようと、行きたくないとこには行きません。そして」
高橋芽衣:「どれだけ来るなと言われたって、行きたいところには行きますし居座ります。それはもうどっしりと」
高橋芽衣:「なので、諦めてください!」
日立春:「………そうか」
日立春:「分かった。きみがそうしたいというのなら、俺が何を言うべきでもない」
日立春:「ああ、それに。してみたいことも、前の部屋で一つ見つけてもいたからな」それには、悪くはないだろう。
高橋芽衣:「おや、そうでしたか。ちなみにいったい何を?」
日立春:「大したことじゃないよ」
日立春:「きみが無くしたものを、どうにかして戻してやれば」
日立春:「きっと、演技なんてしなくても。綺麗に笑っているところを見れただろう、というだけだ」
高橋芽衣:「なぁるほど。日立君らしい」
日立春:「………我ながら、気障な台詞すぎる。忘れてくれ」
高橋芽衣:「イーヤーでーす。絶対忘れません」
高橋芽衣:「ノイマン相手にうかつなこと言う方が悪いですー。これはもう一生ものの記憶ですねー」
日立春:「……そうか。なら、そうだな」
日立春:「いつか、思い出話でもしたときに。のびのびときみが笑えるネタにでもしてくれ」
高橋芽衣:「そうさせてもらいましょう。ああ、それと」
高橋芽衣:すっと、彼女の面差しから表情が消える。
高橋芽衣:「事情を話した以上、日立君相手だけなら特に演技する必要ないですし」
高橋芽衣:「メイの素の笑顔も見放題ですよ」
日立春:「そうか」
日立春:「それは……ああ」
日立春:「役得だ、とでも言っておこうか?」
高橋芽衣:普段の顔いっぱいの笑みではなく、口角が僅かに上がっただけの、微笑みとも呼びづらい表情。
高橋芽衣:そんな、日立君とどこか似たような顔で。
日立春:一瞬だけ、普通の少年が浮かべるような。そんな笑い方をして。
高橋芽衣:「ええ。家族以外だと初めてです。光栄に思ってください」
日立春:「ああ。ありがとう」
日立春:真顔、のように見える表情に。真摯に感謝を乗せた声音で。
高橋芽衣:「うんうん、よろしい。では」
高橋芽衣:「長い長い前置きを終えて、本題に入りましょうか」
日立春:「………そういえば、ここも」
高橋芽衣:「なんと日立君はまだこの部屋のお題すら確認してませんからね」
日立春:「…………いや………こちらの方に頭が一杯でな」
日立春:「こほん。それで、今回は何だ」
高橋芽衣:「これがですねえ。すごい部屋なんですよ」
GM:そう言って彼女が指さした先にある看板には。
GM:『相手の好きな場所にキスをしないと出られない部屋』
GM:そう記されていた。
日立春:「…………………」
日立春:「……ふむ……急に別言語か暗号とはな…」
高橋芽衣:「うん、日立君ならそんな感じになりそうとも思ってましたが」
高橋芽衣:「ダメですよ現実逃避しちゃ。バリバリ日本語じゃないですか」
日立春:「まさか字義通りだとしたら問題だろう」
高橋芽衣:「そうなんですよねー。好きなとこってのが問題で」
日立春:「……もしかして、欧米圏のような習慣を高橋の家庭では持っているのかもしれんが…」
高橋芽衣:「ああいや、無いですないです」
日立春:「そうか。………いや……」
高橋芽衣:「イヤに決まってるじゃないですか、にいにキスなんて。ほっぺでも絶対やです」
日立春:「そうか………」
日立春:「参ったぞ。流石にきみを不快にさせるようなことはできん」
高橋芽衣:「? 別に不快とか思いませんよ?」
日立春:「…………」
高橋芽衣:「どっちかというと、メイの方が問題なんですよね」
高橋芽衣:「好きなとこってあるじゃないですか。一応考えてたんですけど」
高橋芽衣:「メイの思う日立君の好きなとこ、口なんですよね。口っていうか口角?」
日立春:「いや、高橋。俺は誤解などせんが、ほかの異性や同性などに言うなよ。色々と不愉快なことが……」
日立春:「……」固まる。
高橋芽衣:「だからそこにすると普通にキスになっちゃうから流石に日立君もアウトかなって」
高橋芽衣:「どうしましょうね。一番好きなとこじゃなくてもセーフだったりしませんかねえ」
日立春:「………いや……ちょっと待て。どういうことだ。流石にいかんだろう」
日立春:「男女差別というわけではないが、自分の身体は大事にしろと親御さんから言われたことは…?」
高橋芽衣:「ああ、言われてますよ。特にパパからはめっちゃ言われます」
高橋芽衣:「なにせ三人兄弟に混じった女子一人なので。過保護気味なんですよね」
日立春:「今回もそれを適用するべき事例だと俺は思うのだが……」
高橋芽衣:「ちゃんと大事にしてますよ。メイはNOと言える日本人ですので」
高橋芽衣:「イヤなことはイヤと言いますが、そうでなければ言いません」
日立春:表情は動いていないようで、よく見ている人からすれば焦っているのが分かる。
高橋芽衣:「さて。ジェントルな日立君は、この言葉の意味が分かりますか?」
日立春:「………あのだな。俺は家族とかそういうものではないぞ。きちんとそういう所はせねばならん」
日立春:「………俺は、こうではないかと推測することはできる。できるが」
日立春:「それが、きみの気持ちだと、そう確信などできないよ。俺の押し付けでないと、そういうことはできない」
日立春:嘆息。
日立春:「……いや、すまない。逃げはやめよう」
日立春:「こういうことは、少なくとも俺から言うべきだろう……」そっと一歩、彼女のそばに。
日立春:視線を合わせて。
日立春:「……高橋芽衣さん。よろしいでしょうか」そっと手を取る。
高橋芽衣:こちらも見上げる形で視線を合わせる。
高橋芽衣:「ええ、よろしいですよ?日立春君」
日立春:溜息をつきたくなるのをこらえる。本当に、この少女は。
日立春:「卑しくもこの私、日立春は」
日立春:「あなた、高橋芽衣さんのことをお慕い申し上げております」
日立春:「よろしければ、あなたのお気持ちをお伺いさせて頂きたく」
高橋芽衣:「こんな時まで真面目さんですねえ」 ちょっとだけ苦笑交じりの声で零して。
日立春:「こういうのしか知らん。……嫌ならば、そういってくれ」
高橋芽衣:「イヤだったらそう言ってますー。……コホン」
高橋芽衣:「実際のとこ、感情について色々あったメイちゃんも恋愛どうこうというのは実は初めてですので」
高橋芽衣:「100%LOVE!みたいな確定的なことは言えなかったりするんですが」
高橋芽衣:「少なくともキスしていいなって思ったのは日立君が初めてですし」
高橋芽衣:「運動でなく感情で鼓動が速まりかけるなんてのはとびっきりのレアケースです」
高橋芽衣:「なので、はい。それら諸々を加味して総合して分析した結果として」
高橋芽衣:「メイも春君のこと、特別な意味で好きですよ」
日立春:「……そうか」彼女の手を取った指に、少しだけ力が籠る。
日立春:「ありがとう。正直、心臓が大分煩くなるのは」
日立春:「俺も、初めてだ」
高橋芽衣:「初めて同士ってことですね。……ふふ」
高橋芽衣:「すごいですね、春君。今、ちょっとだけ。演技忘れちゃってます」
日立春:「……ああ。いや…なんだろうな。嬉しいよ、俺も」
日立春:そこで息を一つ吸って。
日立春:「……では、少し。失礼を致します、お姫様」
日立春:彼女の手を取り、跪いて手の甲へ唇を落とし。
日立春:そのまま、少女を抱きしめる。
日立春:「……好きなのは、口角だったか?」
日立春:唇の端が、彼女の唇へ触れるように。
高橋芽衣:そっと目を閉じて、その感覚を受け入れて。
高橋芽衣:「……はい。ちょこーっと持ち上がってる時が一番好きです」
日立春:「俺も、きみの口が好きだ。真っ直ぐな言葉が、先を見据えて、歩み続けるその言葉が」
日立春:「……そうか。なら、そうだな」
日立春:「今後は、練習を欠かさないようにしよう」真面目くさった声で。それでも、口角は、自然とわずかに持ち上がっている。
高橋芽衣:「む、分かってないですね」
高橋芽衣:「練習なんてしなくても、自力で沢山引き出してあげますよ」
高橋芽衣:「なにせメイちゃんは笑顔については専門家ですから!」
日立春:「……きみには、敵わないな」ああ、そうだ。
日立春:好きなのは口元なら、どうして最初に手の甲へ落したのか。
日立春:簡単なこと。
日立春:演技でこうならーー
日立春:もし、そんなことを考えもせずに、自然と浮かぶ笑顔は、きっと。
日立春:それを見させてもらうというだけの、勝手な誓い事。
GM:ロイスの取得・変更と購入が可能です。
日立春:高橋さんのロイス感情を、〇慕情/不安 に変更して、
日立春:Sロイス指定させて頂きたく…
GM:はーい、やったー
日立春:購入は、これ時間かかるし スキップで…
GM:では、改めてシーンカット!
ミドル5-2:篠森透
GM:篠森君、登場侵蝕をどうぞ
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (57 → 61)
GM:いつも通り、扉を潜った先に隣に居たはずの気配はなかった。
GM:部屋にあるのは、真ん中に置かれたベッド。オレンジ色の間接照明。そして。
樋渡瑞祈:「……」
篠森透:「……やはり、これがパターンのようだな」
GM:ベッドに腰掛け、少し俯いた樋渡瑞祈の姿だった。
篠森透:「具合でも悪いか、樋渡」
樋渡瑞祈:「……いいえ。何も」 そう言って、ようやく顔を上げた彼女が君と視線を合わせる。
樋渡瑞祈:「そっちは、何の部屋だったの」
篠森透:変わらない無表情でその視線を受け止める。
篠森透:「"相手についてより深く知らないと出られない部屋"だ」
樋渡瑞祈:表情に明らかな動揺が走る。
樋渡瑞祈:「……なんて書いてあった?」
篠森透:「前に、君の話していたものに近かったな。雑多に資料が置かれた中から、目当てのものを探し出すという作業をしていた」
篠森透:「……恐らくは、君の想像通りだ」
樋渡瑞祈:「……濁さないで」
樋渡瑞祈:「はっきり言って。なんて書いてあったの」
篠森透:「……コードネーム、身長、体重、シンドローム、能力特質」
篠森透:「過去に所属していた部隊、このL市に転属した経緯、その遺産」
篠森透:「そんな所だな。付け加えると、文書は既に廃棄した」
樋渡瑞祈:「……そう」
篠森透:「……この情報が、僕へと伝えられなかったのは」
篠森透:「君の要請だったのか」
樋渡瑞祈:「……ええ」
樋渡瑞祈:「受け入れられるかは、半信半疑だったけど。出来る限り触れられたくなかったから」
樋渡瑞祈:無意識にか、手が右目を覆う眼帯に触れる。
篠森透:「触れられたくない……というのは」
篠森透:「忘れたい、という意味か」
樋渡瑞祈:「……」 一つ言葉を飲み込んで。
樋渡瑞祈:「触れられない程度で忘れられるなら。苦労しないわよ」
樋渡瑞祈:「他人と話したい話題じゃないってだけ。分かる?」
篠森透:「……」
篠森透:踏み込むな、と言われている。人の機微には疎い自分だが、それくらいの事は理解できる。
樋渡瑞祈:いつも通りの冷たい表情のようで、だけど。その眼にはどこか縋るような光がある。
篠森透:「……それは、君の意思か?」
樋渡瑞祈:「……私以外の、誰の意志があるって言うの?」
篠森透:「……遺産識別号、誓約の瞳。実物を見ることは初めてだが」
篠森透:「その共通性質くらいは知っている。他者への不信と隔絶を代償とするものだと」
樋渡瑞祈:「そこまで分かってるなら、もう良いでしょ」
樋渡瑞祈:「……もうやめてよ」
樋渡瑞祈:また、視線が下がる。その声音の端々が震えている。
篠森透:「……自分の精神を、望まずして捻じ曲げられると」
篠森透:「人は、怒りを覚えるものらしい」
篠森透:「君は違うのか」
篠森透:「自分の意識を蝕むものが、そこにあると」
篠森透:「知っていて、"もう良い"と思うのか」
樋渡瑞祈:「良いの。だってこれは、もうどうしようもないんだから」
樋渡瑞祈:「一度適合してしまった遺産を分離させることは難しい。特にこれは、所有者の体と一体化するものだから」
樋渡瑞祈:「だからもう、このままで居るしかないの」
樋渡瑞祈:「このままで大丈夫になるしかない」
樋渡瑞祈:その口調は、どこか自身に言い聞かせるようでもあって。
樋渡瑞祈:「……安心して。あなたに迷惑をかける気はない」
樋渡瑞祈:「どうせ一時的な監視役だもの。じきに交代なり解除なりが言い渡される」
篠森透:「……。僕は、君のようにはなれなかった」
樋渡瑞祈:「その間まで……」 続きを口にしかけて、君の言葉に思わず口を噤む。
篠森透:「今の話は、経験談だ」
篠森透:「……命令に対する離反や、暴走のリスクを低減するために」
篠森透:「必要外の神経機能を切除した、一つの理想形」
篠森透:「余分な感傷やストレスを差し挟む事のない超人兵士」
篠森透:「僕の出自は、そういった類の研究だった」
樋渡瑞祈:戸惑ったような眼のまま、ただ君の言葉を聞いている。
篠森透:「無論、こんな事をUGNが行った訳じゃない。僕は元々FHにいた」
樋渡瑞祈:「……それは、私も確認した」
樋渡瑞祈:「例の資料部屋で。……あの情報、本当に確かなのね」
篠森透:「……ああ。事実だよ。裏付けを取るには、少し遅い気もするけれど」
樋渡瑞祈:「敵の用意した資料だもの。下手に鵜呑みにするのも馬鹿らしいでしょう?」
樋渡瑞祈:「それに……自分の中で余計な情報を増やしたくなかったから」
篠森透:「しかし、事実だった訳だ。……別に、君の好きに受け止めてくれればいい」
篠森透:「これから話すことも、弁明のつもりで口にする訳じゃない」
篠森透:明らかに立場を過ぎた言動だとは思いながら。いつもより少し早口になって、言葉を続ける。
篠森透:「……わざわざ被験体に、実験の内容を教えてやる道理はない訳だ」
篠森透:「僕は長らく、自分がどうやって作られたのかも知らずにいた」
篠森透:「より効率的に命令を消化することだけが自分の価値だと信じて、幾つも命を奪った」
篠森透:「ずっと、その生き方を疑う事もしなかった。……だけど」
篠森透:「脱走した同類に、自分達がそういう風に作られた道具だったのだと教えられた時」
篠森透:「不意に、代謝が活性化するような感覚を覚えた」
篠森透:「……自分のあり方を、他の誰かに定義されていた事が」
篠森透:「どんな負傷よりも、苦しい事だと感じられた」
篠森透:「だから……僕は」
篠森透:「その脱走者を殺すという任務を放棄して、UGNに降った」
篠森透:「……自らの判断で、生み出した使い手の元を去れば」
篠森透:「殺すために作られたものが、誰かを守る盾となる事を選んだなら」
篠森透:「僕が、ただの道具ではない事の証明になると思った」
篠森透:「……子供じみた妄想だろうか」
篠森透:「僕自身が一人、変わったようなつもりでいるだけで」
篠森透:「本当の所、何も変われていないのかもしれない。だが……」
樋渡瑞祈:「……」 首を横に振る。
樋渡瑞祈:「私は、あなたが道具だとは思わない」
樋渡瑞祈:「あなたは、真っ直ぐで。誠実で、真摯で……優しい人、なんだと思う」
樋渡瑞祈:「でも、無理だよ。私には無理」
樋渡瑞祈:「私とあなたは、反対だから」
樋渡瑞祈:「私は、あなたみたいに、前に進めない」
樋渡瑞祈:そう零すと同時に、一滴、涙が零れる。
篠森透:「……違う。君は」
篠森透:「僕なんかよりもずっと、普通に暮らせていたはずだ」
篠森透:「普通の学生がする遊びというものを、幾つも知っていて」
篠森透:「失った事がずっと傷になるくらい、近く親しい友人達がいた」
篠森透:「君の、そのあり方が。望まずして踏み躙られた事に」
篠森透:「その理不尽に、僕は怒りを覚えている」
篠森透:表情は変わらないまま。いつもより深く息を吸って、強い語気でそう言葉にする。
樋渡瑞祈:「……やっぱり、あなたは優しい人だね」
樋渡瑞祈:初めて、薄らとだけど、君の前で笑う。
樋渡瑞祈:「他人のために怒れる人は、優しい人だ」
樋渡瑞祈:「でもね。ダメなんだよ」
樋渡瑞祈:「言った通りね。私は、あなたが優しい人だと思ってる。真っ直ぐな人だとも」
樋渡瑞祈:「言葉にも態度にも嘘が無くて、刺々しい対応をする私にイラつく素振りさえ見せなくて」
樋渡瑞祈:「言葉を尽くしてくれる。尽くした言葉の通りにサポートしてくれる。分かってる。全部ちゃんと見てきた」
樋渡瑞祈:「なのに、思うんだ」
樋渡瑞祈:「『元FHの人間なんて信用できない』『無表情の裏で何を考えているか分からない』」
樋渡瑞祈:「『いつか絶対に、裏切るに違いない』って」
樋渡瑞祈:「それで、そしていつか」
樋渡瑞祈:「こんなものが、私の心からの本心になるんだ」
樋渡瑞祈:瞳から、涙が零れる。次々と溢れて止まらない。
樋渡瑞祈:「あなたは、これからいくらでも人を信じられる。進んでいける」
樋渡瑞祈:「私は違う。これからずっと、何もかもを疑うようになる。信じられなくなる」
樋渡瑞祈:「……最近ね。夢に見るんだ」
樋渡瑞祈:「カドリングズの皆のこと。楽しくて幸せだったときのこと」
樋渡瑞祈:「それでね、その夢も」
樋渡瑞祈:「全部疑っちゃうの。あんなに信じてたはずなのに」
樋渡瑞祈:「みんなの言葉も、笑顔も、態度も、全部。本当は裏があったんじゃないかって」
樋渡瑞祈:「そんなのが、止まんないの」
樋渡瑞祈:「だからもう、ダメなんだよ。私」
樋渡瑞祈:「今まで過ごした皆も、これから出会う誰かも、今傍に居るあなたも」
樋渡瑞祈:「誰も信じられなくなるんだ」
篠森透:じっと目を見たまま、君の言葉を聞き届けて。
篠森透:「……そうか。分かった」
篠森透:「何も良くないという事が、よく分かった」
樋渡瑞祈:「……あなたは、そう言うだろうね」
樋渡瑞祈:「優しいから。でも、良いよ」
樋渡瑞祈:「どうしようもないんだもの。こんなのに関わらなくていいよ」
樋渡瑞祈:「……お願いだから。放っておいてよ」
篠森透:「……僕を優しいと言ったな、樋渡」
篠森透:「それはきっと違う。僕は君が思うほど、君のことを慮ることはできない」
篠森透:「君の"お願い"よりも、自分の気持ちを優先したいと感じている」
篠森透:「君を、今のまま放っておきたくないと」
篠森透:「……それに、僕はな」
篠森透:「嘘を言うことだってある。些細な態度に苛立ちを覚えないのは、ただ鈍いだけだ」
篠森透:「君は全部見てきたと言ったが。君はまだ、僕の事をちゃんと知らないはずだ」
篠森透:「そうだろう。僕達は……今日になるまで、互いの身の上も知らなかった」
篠森透:「疑念が挟まるのは、まだ距離が遠いからかもしれない」
篠森透:「信じ切ることができないのは、まだ相手を知り尽くしていないからかもしれない」
樋渡瑞祈:「……カドリングズの皆でさえ、ダメなのに?」
篠森透:「……彼らが生きていれば、違ったかもしれない」
篠森透:「思い出の中の人は、移ろいやすいものだ」
樋渡瑞祈:「……あなたのこと、疑いたくないよ」
篠森透:「僕は、疑われたっていい」
篠森透:「君がそのまま生き続けることに比べたら、ずっといい」
篠森透:「今……自分でも、驚いているんだが。樋渡」
篠森透:「僕は、君が望む生き方を手伝うためなら、何だってやるつもりらしい」
樋渡瑞祈:「……」 一度、息を飲んで。
樋渡瑞祈:「……一つだけ、条件を付けさせて」
樋渡瑞祈:「私が、本当にもう無理だってなったら」
樋渡瑞祈:「そのときは、居なくなることを許してほしい」
篠森透:「……聞こう」いつもと同じ、表情は変わらないまま。しかし、その頬には僅かに汗が浮かんでいる。
篠森透:「……」
樋渡瑞祈:「それだけ、お願い」
篠森透:「分かった」
篠森透:「無理だ、と思わせなければ良いんだろう」
篠森透:「そうなるように努力する。きっと、君に……信じさせてみせる」
篠森透:「それが僕の役目だ。……今、僕自身が、そう決めた」
樋渡瑞祈:「……本当に、優しいね」
樋渡瑞祈:「ありがとう」
樋渡瑞祈:そう零して、感謝を表すように、僅かに口角を上げる。
樋渡瑞祈:控えめで、儚げで。だけど、恐らく本来の彼女らしい微笑みだった。
篠森透:「……」その表情を見て、僅かに安堵したように頷いて。
篠森透:「……すまない、話が長くなってしまった」
篠森透:「支部長達を待たせて心配させる訳にもいかない。他の事はまた後で話すとして」
篠森透:「そろそろ、この部屋の脱出を進めるべきかと思うのだが……」
樋渡瑞祈:「……」 ぴしりと一瞬固まって。
篠森透:「……樋渡?」
樋渡瑞祈:「……その」
樋渡瑞祈:「この部屋、は。あの」
樋渡瑞祈:「……膝枕をしないと出られない部屋、って……」
篠森透:「膝……枕……?」
樋渡瑞祈:困ったように視線を彷徨わせながら、もごもごとそう言って。
樋渡瑞祈:「うん……」
篠森透:「それは……つまり」
篠森透:「僕達のどちらかが……相手の頭部を膝に乗せると」
篠森透:「そういうことになるのか」
樋渡瑞祈:こくんと頷く。
篠森透:「……」口元に手を置き、しばらく考え込んで。
篠森透:「……君は、どちらが良い?」
樋渡瑞祈:「……」 眉根を少し寄せながら少し考えこんで。
篠森透:「いや……良いという事はないだろうが……」
篠森透:「相対的な話として……どちらがストレスにならないかという……」
樋渡瑞祈:「……どちらかと言えば……乗せられる方、かも」
篠森透:「……そうか。うん」
篠森透:微かに動揺の色を見せている。そういった行為が、普通の少年少女の間柄において特別なものであることくらいはなんとなく理解しているし、
篠森透:その事によって樋渡の心を傷つけてしまう事を警戒している。よりによって、今さっきのような会話を交わした直後に。
篠森透:「では……そうしよう」靴を脱いで、ベッドの上に上がる。
樋渡瑞祈:「う、うん」
樋渡瑞祈:こちらも靴を脱ぎ、ベッドの上で正座をする。
樋渡瑞祈:「……え、っと。どう、ぞ?」
篠森透:「……失礼」背を向けて、ベッドの上に両の手を付きながら。やや遠慮がちに頭を乗せる。
樋渡瑞祈:「……」 なんとなく手と目のやり場に困っている。
篠森透:「この体勢で、問題ないだろうか?」じっと君の目を見上げながら言う。
篠森透:「もし何か具合が悪いという事があれば、すぐに言ってくれ」
樋渡瑞祈:「ぁ、ううん」
樋渡瑞祈:「多分、大丈夫。……出来れば、あんまり動かないでもらえると嬉しい、けど」
樋渡瑞祈:「この状態で30分経過すれば、出られるはず」
篠森透:「了解した。恐らく問題ない……じっと待つのは得意な方だ」
篠森透:「……30分、か」静かに呟く。姿勢を動かさないという事は、視線は君から逸れないまま。
樋渡瑞祈:「……」 こちらも、視線は逸れない。君が動かないかを窺うように。
樋渡瑞祈:「その、篠森君も。体勢が辛かったりしたら動いても大丈夫、だから」
篠森透:「……うん。気遣い、感謝する」
篠森透:「……」しばらく、そのまま沈黙が続いて。ふと口を開く。
篠森透:「……一つ、気になったのだが」
樋渡瑞祈:「……うん」
篠森透:「先程の話の時から、君の言葉遣いが柔らかくなっているように見える」
篠森透:「こちらが、君の素なのか?」
樋渡瑞祈:「……」 少しためらいながらも頷いて。
樋渡瑞祈:「普段は、出来る限り親しくならないようにって気を張ってたから」
樋渡瑞祈:「……今まで、ごめんなさい」
篠森透:「……謝ることはない。僕の方こそ、失礼な事を聞いた」
篠森透:「だが、ああ言った以上は、僕は本気だ」
篠森透:「君の事を知りたい」
篠森透:「そう思うから、聞かずにはいられなかった」
樋渡瑞祈:「……その」
樋渡瑞祈:僅かに頬が赤く染まって。
樋渡瑞祈:「裏があるわけじゃないのは分かるの。分かってるつもり、だけど」
樋渡瑞祈:「言葉が真っ直ぐすぎるのも、少し」
樋渡瑞祈:「……恥ずかしい、から」
篠森透:「……む」
篠森透:「すまない。他人のそういった機微に、僕はどうにも疎い」
篠森透:僅かに困ったような表情になって。
篠森透:「樋渡は、真っ直ぐではない言葉の方が好きなのか」
樋渡瑞祈:「……ううん」
樋渡瑞祈:「篠森君の真っ直ぐさは、すごく嬉しいの。こんな私にも、本当なんだろうって感じられるから」
樋渡瑞祈:「だから、そのままで居てほしい」
篠森透:「……そう、か」
篠森透:目を閉じて、すこし安堵したように息を吐く。
篠森透:「僕が……こういう僕である事が、君の助けになるというのなら。うん」
篠森透:「嬉しいな、それは」固く結んでいた口元を緩めて、微かに微笑を浮かべる。
樋渡瑞祈:「……」 その笑みに少し、瞳が揺らいで。
樋渡瑞祈:「……」 口の中だけで何かを呟いてから。
樋渡瑞祈:「ううん。私の方こそ、ありがとう」
GM:ロイス取得・変更と取得が可能です。
篠森透:うーん
篠森透:◯尽力/不安 だからそのままかな……以上で
GM:はーい。では、シーンカット。
ミドル5-3:渋土垣根
GM:垣根君、登場侵蝕どうぞ。
渋土垣根:1d10+66
DoubleCross : (1D10+66) → 4[4]+66 → 70
GM:いつも通り、扉を潜った先に隣に居たはずの気配はなかった。
GM:部屋にあるのは、真ん中に置かれたベッド。オレンジ色の間接照明。そして。
相楽未教:「ああ、垣根君」
GM:頬を軽く染め、不思議と機嫌が良さそうな。ベッドに寝転がる相楽未教の姿だった。
渋土垣根:「支部長!……支部長」
渋土垣根:いつものように嬉しそうな顔を浮かべて
渋土垣根:そこからハッと目を伏せ、複雑な表情になる。
相楽未教:「ううん?どうしたの?」
渋土垣根:「いや……オレは……」
渋土垣根:「……支部長は何やってんだ?それ?」
相楽未教:「んー?何って、寝転がってるんだよ?」
相楽未教:「ベッドってそういうものでしょう?」
相楽未教:くすくすと愉快気に笑みを溢しながら。
渋土垣根:「オレ布団で寝てるからな~~~」
渋土垣根:「この部屋は、寝っ転がればいい部屋?」
渋土垣根:言いつつ、ベッドに腰掛ける
相楽未教:「残念、外れ。ああでも、ちょっと惜しいかな」
相楽未教:そう言って身を起こすと。
相楽未教:ばさりとシーツを巻き付ける形で君を自分の元へと引き寄せる。
渋土垣根:「う、お!?」
渋土垣根:「……し、支部長?」
相楽未教:「ふふ」 そのまま君を緩く抱きしめて。
相楽未教:「ほら、あれ」 看板を指さしてみせる。
渋土垣根:「あぁ?」
渋土垣根:顔を上げてそれを見る
GM:扉の上の看板には、『30分間密着しないと出られない部屋』と記されている。
渋土垣根:「……なんだそりゃ!」
相楽未教:「あ、こらこら。あんまり暴れないの」
相楽未教:「どこからが密着と判断されるか分からないんだから」
渋土垣根:「う……く……そーだけどよ~~~」
相楽未教:「それに、これが初めてって訳でもないんだし」
相楽未教:そう耳元で笑いながら、片手で緩く頭を撫でる。
渋土垣根:「……」
渋土垣根:「覚えてるよ」
渋土垣根:「6年前、ガキのオレが路地裏で凍えて死にかけてた時」
渋土垣根:「こうやって連れて帰ってきてくれたの」
渋土垣根:「……忘れたりしたことねえよ」
渋土垣根:ぎゅっと、毛布を握りしめる。
相楽未教:「懐かしいねえ。あんなに小さかった子が、こんなに大きくなって」
相楽未教:「まさか背が抜かされるとはなあ」
相楽未教:懐かしむように目を閉じて。
渋土垣根:「支部長、オレ」
渋土垣根:「ずっと聞きたいことがあって、ずっと知りたいことがあって」
渋土垣根:「聞かなきゃいけないと思ってて」
渋土垣根:「今聞いてもいいかな」
相楽未教:「うん?良いよ。何でも聞いてごらん」
渋土垣根:「……支部長はなんでオレを助けてくれたんだ?」
渋土垣根:「いや、違うか」
渋土垣根:「支部長は……なんでそんなに優しいんだよ」
渋土垣根:「オレ、さっきの部屋で」
渋土垣根:「支部長のことをもっと知れって言われて」
渋土垣根:「あいつが調べたことだから、全部本当のことかは、そりゃわかんねえけど」
渋土垣根:「酷いことが書いてあった。この町にいない間、仕事で酷いことを沢山させられたって」
渋土垣根:「……オレだったら、嫌になっちまう」
渋土垣根:「他人に関わるのに、うんざりすると思う」
渋土垣根:「してたんだ。ガキの時の、支部長に拾われた時のオレは」
渋土垣根:「他人は自分を殴ってくるもんで、殴られたオレも、殴り返して」
渋土垣根:「……そうじゃないことが出来る支部長のことが、ずっと不思議で、なんでなんだって思って」
渋土垣根:「チルドレンになって、ここにいる」
渋土垣根:「……ずっと知りたかったんだよ、支部長のこと」
相楽未教:「……そうだなあ」
相楽未教:「確かに君には話してなかったね」
相楽未教:「君のことばかりで、私のことは話してなかった」
渋土垣根:「そーだよ……オレ支部長のこと全然知らないんだぜ」
相楽未教:「うん。良い機会だし少し話そうか」
相楽未教:さらりと君の髪を梳いて。
相楽未教:「漫画も割と好きだって言うのはもう話したね?」
相楽未教:「あれはちょっと正確じゃなくてね。もっと好きなものがあって、それが出てくる漫画が好きなんだ」
相楽未教:「ヒーローが好きなんだ。昔から、ずっと」
相楽未教:「世界とか、仲間とか、ヒロインとか。そういうものを守るために自分の命さえ懸けて戦うヒーロー」
渋土垣根:「ヒーロー……」
相楽未教:「漫画でもゲームでもそれ以外でも、そういう存在がすごく好きでね」
相楽未教:「憧れてた。恋焦がれてたって言っても良いかな」
相楽未教:「ずぅっと好きで、自分もそうなりたくて」
相楽未教:「空想だってしたんだよ。自分がそういうヒーローになる話をさ」
相楽未教:「それで、そんな頃にオーヴァードに覚醒して。もう喜び勇んでUGNに入ったんだ」
相楽未教:「これで自分もヒーローになれる!なんて考えてね」
相楽未教:「でも」
相楽未教:「私はヒーローには向いてなかったんだ」
渋土垣根:「そんなこと」
渋土垣根:「そんなことねえよっ……だって支部長は」
渋土垣根:「オレを……」
相楽未教:そっと君の口に人差し指を添える。
相楽未教:「君はそう言ってくれるだろうけどね」
相楽未教:「私にとっては事実なんだ。どうしようもなく」
相楽未教:「私は、私の夢見たヒーローになれない」
相楽未教:「足りない。欠けてる。必要なものが全部」
相楽未教:「それを私自身が一番よく知っている」
相楽未教:普段と声音は変わらない。少しの揺れもない。
相楽未教:彼女にとって不変の事実を読み上げているだけなのだろう。
渋土垣根:「……」
相楽未教:「だからね。私は私の夢を少し変えることにしたんだ」
相楽未教:「私自身じゃなくていい。私の夢を間近で見れるならそれでいい」
相楽未教:「私の夢見たヒーローになってくれる人を、探してみようって」
相楽未教:「……実のところ、垣根君を拾ったの自体はそう考えるようになる前なんだけど」
相楽未教:「こう考えたときに君の顔がふと浮かんでね」
相楽未教:「ちょうど本部での仕事もひと段落着いてたし、良い機会と思って」
相楽未教:「支部長として……人を見出して育てる側の人間としてここに帰ってきたんだ」
相楽未教:滔々としゃべり終えた後、君の顔を引き寄せるようにして視線を合わせる。
渋土垣根:「わっ」
相楽未教:「ねえ、垣根君」
相楽未教:「君は、私のヒーローになってくれる?」
渋土垣根:「オレは」
渋土垣根:「……オレは」
渋土垣根:正面から向かい合い、その瞳を見つめて
渋土垣根:「やっぱりなれねえよ、ヒーローなんか」
渋土垣根:「オレはバカだし、乱暴だし、それに」
渋土垣根:「……支部長じゃねえから」
渋土垣根:「けど、オレがしたいことが今分かった」
相楽未教:「……聞かせて?」
渋土垣根:「オレ、支部長を手伝いてえ。支部長の本当の、最初の夢を」
渋土垣根:「支部長に助けてもらったオレが、誰かを助けたら」
渋土垣根:「そいつらもみーーーんな、支部長に助けられたってことだろ」
渋土垣根:「オレが全人類救ってよぉ~~~!」
渋土垣根:「支部長が世界一のヒーローだってこと、証明してやることにした!!」
相楽未教:「……」 一瞬だけ驚いたように目を見開いて。
渋土垣根:「……だからまだ諦めんなよ支部長、その時まで待っててくれよ」
渋土垣根:「頼むよ」
相楽未教:「……全人類を救うの?」
相楽未教:「命を懸けることになるよ?何度かも数えられないくらい」
相楽未教:「戦って戦って戦って、いつ死ぬかも分からないよ?」
相楽未教:「それでも、そうするの?」
渋土垣根:「へへへ」
渋土垣根:「支部長に拾われる前からオレはずっとそうだから」
渋土垣根:「そこんとこは全然問題ねえな」
渋土垣根:「違うとこは」
渋土垣根:「クレープ食べるとか、マンガ読むとか」
渋土垣根:「なんかやりたいことがあると、体がか~~~ってなるんだよな」
渋土垣根:「今そういう感じ!それのすっごく大きいやつ!」
渋土垣根:「オレはやるぜ、支部長!」
相楽未教:「……ふふ」
相楽未教:「ふふ、はははっ!」
渋土垣根:「あ、笑った!支部長が笑った!」
相楽未教:弾けるように。子供っぽい、快活な笑みを溢して。
渋土垣根:「嬉しいぜ!」
相楽未教:「ああ、本当に。君で良かったな」
相楽未教:「君を選んでよかった。君を見込んでよかった」
相楽未教:「ありがとう。垣根君」
渋土垣根:「!」
渋土垣根:「やめろよ~~~!も~~~!」
渋土垣根:「あんまり嬉しいと、オレ、走っちゃうぜ!走っちゃうから!」
渋土垣根:言うやいなや、傍らの支部長を
渋土垣根:毛布にくるんだまま抱えて、部屋を走り出す。
相楽未教:「わ」
相楽未教:一つ声を漏らしながらも、大人しく抱えられて。
渋土垣根:「うおーーーっ!オレはやるぜーーーっ!」
渋土垣根:バタバタぐるぐると走り回る。
相楽未教:「……ふふ」
相楽未教:叫ぶ彼に聞こえないように。
相楽未教:「私の夢を、叶えてね」
相楽未教:一言そう零した。
GM:ロイス取得・変更と購入が可能です。
渋土垣根:相楽支部長のP感情を○希望に変更
渋土垣根:Sロイスに指定します!
GM:ありがとうございます。では、これにてミドルラストもカット!
クライマックス:全員
GM:皆さん登場侵蝕お願いします。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (65 → 68)
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (68 → 72)
日立春:押しすぎた
渋土垣根:1d10+70
DoubleCross : (1D10+70) → 10[10]+70 → 80
渋土垣根:おちつけ!
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (61 → 67)
日立春:これ二個目のやつ採用しますね……
渋土垣根:ぐあーーっ
日立春:69です
GM:はい、了解です
GM:扉を潜り、最後の部屋へと辿り着いた君達。
GM:三度女性陣の姿はなくなり、君達三人だけが合流している。
GM:部屋はこれまでで最も広く、何も置かれていない真っ白な空間だけが広がっていて。
GM:そこに立つ一人の男が君達を出迎えた。
渋土垣根:「おお!?」
渋土垣根:「またおんなじパターンかと思ったら知らねーやつがいる!」
日立春:「さて……」
渋土垣根:「篠森、こいつもイリーガルか?」
篠森透:「……ふむ」その男の様子を伺う。
篠森透:「僕の知る限りは違うな。あるいは無関係に巻き込まれた人間、という可能性もあるが……」
渋土垣根:「日立くんは知ってっか?」
日立春:「俺も見たことはないな。とはいえ、前の解説からするとここが最後らしく、そしてそこで待っている、となれば…」
謎の声:「よくぞ辿り着きましたな、お三方」
篠森透:「その声は……」
渋土垣根:「あ!」
日立春:その声にぴくりと反応する。
謎の声:「拙者こそがこの部屋の主、家風卓夫!」
家風卓夫:「お三方にはこれから最後の試練に挑んでいただくでござる!」
渋土垣根:「拙者ぁ~~~?」
渋土垣根:「試練~~~?」
日立春:「胡散臭いな……」そう言いつついつでも戦闘に移れる姿勢に。
篠森透:「最後の試練……最後の……?」
篠森透:「これまでの部屋で課されたよくわからない条件も、"試練"だったのか……?」
日立春:「突っ込むのはそこなのか」
渋土垣根:「まあいいぜ、言ってみろよ」
渋土垣根:「それが終わりゃあみんなでここ出られんだろ~~~な~~~?」
家風卓夫:「勿論。オタクに二言はありませぬ」
家風卓夫:「この密室を締めくくる、最後の試練は!」
GM:パチリと彼が指を鳴らすと同時に、もはや半ば見慣れた看板が天井から降りてくる。
GM:そこに刻まれた言葉は――。
GM:『ラスボスを倒しヒロインを助け出さないと出られない部屋』
日立春:「またなんというか分かりやすいのが来たな」
渋土垣根:「ラスボスって、もしかしてお前か?」
家風卓夫:「あ、はい。誠に僭越かつ役者不足ながら拙者が務めさせていただくでござる……」
渋土垣根:「意味分かってんのか?倒されに出てきたのかよ?」
篠森透:「……。フィクションの中に、そういった物語構造がある事は知っているが……」
渋土垣根:「篠森は知らね~ことばっかりだなあ~」
篠森透:「自ら体を張ってそれをやりたいと……?変わったやつだな、君は……」
家風卓夫:「拙者は推しカプのためなら手間も命も惜しまぬオタクでござる故!」
家風卓夫:「……それにまあ、殺されかねないくらいのことする予定でござるし」
渋土垣根:「今度マンガ貸してやるよ。いいかラスボスってのは1番悪いやつでそいつやっつけりゃあ終わりってことだ」
家風卓夫:後半はやや目を逸らしつつもごもごと。
渋土垣根:「う~~~ん」
日立春:「変わったというかなんというか………む」
篠森透:「変わっているだけなら良いが、まあ迷惑だ」
渋土垣根:「確かにアンタ悪いやつだろうしワケわかんねえけどよ~~~」
渋土垣根:「お陰で支部長とゆっくり話せたのもあるしよぉ~~~」
渋土垣根:「そんなにぶん殴ってやるって感じにならね~んだよな~~~」
家風卓夫:「あっ、やめて優しくしないで」
家風卓夫:「光に触れて汚れた心が浄化されてしまう……い、否!」
渋土垣根:「あ……?」
家風卓夫:「拙者はラスボス!退かぬ、媚びぬ、省みぬ!」
渋土垣根:「殺されるようなコト、ってなんだぁ?」
家風卓夫:「悪役らしく、悪を貫徹させていただくでござる!」
日立春:「ここでのことを思うと……まさか」
渋土垣根:「いやちげ~な。それ……誰にするつもりだ?」
渋土垣根:僅かに目の色が変わる
GM:再び卓夫が指を鳴らす。すると、彼の横にゲートが開かれ。
相楽未教:どこか虚ろな瞳をした
樋渡瑞祈:君達のよく知る少女たちが
高橋芽衣:次々に姿を現す。
渋土垣根:「……よし、ダメだな」
日立春:「…………そういうことか。オルクス系統には、そういう対人支配の能力もあったな」淡々とした声音の奥に、ひどく乾いた匂いがする。
渋土垣根:「殺そうこいつ」
日立春:「賛成だ」
篠森透:「……話が違うな。倒されるべき敵の役を負うのは、君自身だと言っていたはずだが?」
家風卓夫:「助け出し、とも書いてあるでしょう」
家風卓夫:「彼女らにはちょっとした暗示がかかっているでござる。それを諸君らの絆と力で解き放ち」
家風卓夫:「然る後に拙者を倒していただく、という手筈でござる」
篠森透:「……」
篠森透:「……あの情報を用意したのは、君だ」
篠森透:「彼女の心が、望まぬものに歪められ、苦しんでいることを」
篠森透:「君は知っている。……知っていて、こうしている」
渋土垣根:「一瞬でも見逃してやろうとか思ったのがバカだったぜ」
篠森透:「……ああ。君の行いは決して理解できないし、許せるものではない」
渋土垣根:「よぉくわかった!テメーがどーしよーもねークソ野郎だってなぁ!」
渋土垣根:「死ねボケ!」
日立春:「そうだな。断じて許さん」掌に青白い炎が躍る。「ここで終わりだ」
家風卓夫:「おおう……皆様流石の殺気。拙者もラスボスへと相応しい姿に変わりましょう」
家風卓夫:Eロイス:妄念の姿を使用
家風卓夫:その姿と面差しが精悍なものへと変わる。余裕をたたえた笑みを浮かべ。
家風卓夫:「君たちの思いを持って、この試練を超えて見せろ。こちらも全霊でお相手しよう」
GM:姿を変えた卓夫から、威圧的なレネゲイドの圧が放たれる!
GM:ギミック説明の前に、衝動判定をお願いします。難易度は9!
日立春:2dx+5>=9
DoubleCross : (2DX10+5>=9) → 8[3,8]+5 → 13 → 成功
日立春:よし。
日立春:日立春の侵蝕率を2d10(→ 13)増加 (69 → 82)
篠森透:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 9[1,4,9] → 9 → 成功
篠森透:篠森透の侵蝕率を2d10(→ 16)増加 (67 → 83)
渋土垣根:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 9[5,6,9] → 9
渋土垣根:2d10+80
DoubleCross : (2D10+80) → 5[2,3]+80 → 85
渋土垣根:ヨシ!
GM:お見事。ではギミック説明入ります。
GM:現在、ヒロインたちは卓夫の歪んだ囁きによってPCへのロイス感情を書き換えられています。
GM:これが卓夫の言っていたちょっとした暗示ですね。解除するためには、一度戦闘不能にした上で難易度9の交渉判定に挑んでいただきます。
GM:この判定は距離に関わらず手番を消費することなく行えます。ただし、挑めるのは対象にロイスを取得しているPCだけです。
渋土垣根:催眠野郎~~~!
GM:もし判定に失敗した場合は、何かしらの手段でヒロインが復活し戦闘に復帰します。
GM:なので頑張って説得してください。
篠森透:なるほどね
日立春:理解しました 許せねえ
GM:また、家風卓夫はEロイス:不滅の妄執で『推しカプが見たい』という願いを持っています。
GM:これの解除条件は『ヒロイン全員の暗示が解けること』です。
GM:要はヒロインの説得を終わらせないうちは奴は死にません。
日立春:も、妄執じゃん
渋土垣根:リアルで同人すな
GM:推しカプが見たいばかりにこんなことしてるやつなので……。どうしようもないですね……。
GM:こんなところでしょうか。何か質問はありますか?
篠森透:全てを理解しました 愛の力を見せてやります
渋土垣根:やってやんよぉ!!
日立春:理解しています 完全勝利を突き付けてやるぜ
GM:OK。それでは戦闘を開始します。
GM:-ラウンド:1-
GM:まずはセットアップ。こちらは3人動きます。
GM:あ、いや!その前に位置関係!
[行動値]
家風 [30]
篠森 [22]
日立 [11]
樋渡 [10]
高橋 [08]
渋土 [04]
相楽 [04]
家風
5m
相楽・樋渡・高橋
5m
渋土・篠森・日立
GM:こうなっています。では改めてセットアップ。
家風卓夫:アクセルLv5+ラピッドファクトリーLV2
家風卓夫:ヒロイン3人の行動値+10、対象:範囲(選択)
相楽未教:ハルシオン:女王の降臨Lv1
相楽未教:難易度:自動成功のソラリスのエフェクトを一つ使用
相楽未教:サイレース:狂戦士Lv5+タブレットLv4+多重生成Lv2
相楽未教:判定のD+10、C値-1、射程:視界、対象:3体、1シーン4回
相楽未教:対象はヒロイン3人を選択
樋渡瑞祈:プリゾナー:原初の黄:氷の茨Lv6
樋渡瑞祈:自身の居るエンゲージから離れたキャラはHPを6D失う
GM:以上になります。
日立春:こちらセットアップなしです。
篠森透:こちらもないです
渋土垣根:早速いくか~
渋土垣根:フルパワーアタック!
渋土垣根:行動値0になって攻撃力を+15!
渋土垣根:以上!
[行動値]
家風 [30]
篠森 [22]
樋渡 [20]
高橋 [18]
相楽 [14]
日立 [11]
渋土 [00]
GM:了解です。ではイニシアチブを挟んでまずは行動値30の卓夫の手番。
家風卓夫:マイナー放棄、メジャーアクションでイージーエフェクト:万能器具を使用。
家風卓夫:玉座を作り出し、そこに腰掛ける。
家風卓夫:「君たちの戦いを、特等席で見届けさせてもらおう」
GM:これにて手番が終了するので、次はイニシアチブを挟んで行動値22の篠森君へ。
篠森透:そうとはね……
篠森透:マイナー、《オプティカルレンズ》
篠森透:メジャー、「不可識穿孔(ゴースト・タスク)」《コンセントレイト》《鉄風乱舞》《小さな塵》
篠森透:単体の射撃攻撃。対象は樋渡さん
GM:どうぞ。
篠森透:12dx+2@7 命中
DoubleCross : (12DX7+2) → 10[1,1,1,1,3,3,4,6,6,6,9,9]+4[4,4]+2 → 16
篠森透:ええ……
GM:腐ったなあ……
GM:そして判定が行われたので割込みが入ります。
高橋芽衣:ミニマム・コスト:チェンジLv1
高橋芽衣:単体の攻撃の対象を自身に変更、1ラウンド1回
渋土垣根:何ぃ!
篠森透:ダメコンとはね
日立春:ピュアノイマンだったねそういえば…!
GM:そして続けて高橋がリアクション。
篠森透:というかカウンターまであるか
高橋芽衣:ミニマム・アクト:カウンターLv2
高橋芽衣:命中で対決、勝利側が命中、1シナリオLv回
GM:ご想像通り、カウンターが飛んできます。
高橋芽衣:使用エフェクトなし。ボルトアクションライフルを使って射撃で判定。
高橋芽衣:5dx+31
DoubleCross : (5DX10+31) → 8[2,3,5,6,8]+31 → 39
GM:高橋の勝利となるため、こちらの攻撃が通ります。
篠森透:上乗せないです
篠森透:篠森透の侵蝕率を10増加 (83 → 93)
GM:はーい。ではこちらのダメージ振ります。
高橋芽衣:マキシマム・リザルト:フェイタルヒットLv5
高橋芽衣:ダメージ+5D、1ラウンド1回
高橋芽衣:8+9d10
DoubleCross : (8+9D10) → 8+50[10,3,7,5,2,5,5,9,4] → 58
日立春:出目いいなあ!そして出遅れたのですが、カバー宣言してもいいですか…?
GM:おっと、OKです
日立春:”勇しくあれ、スローティン“《崩れずの群れ》。篠森くんをカバーします。
日立春:日立春の侵蝕率を2(→ 2)増加 (82 → 84)
日立春:で、当然耐えられないのでリザレクトします。
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (84 → 93)
日立春:出目!まあまだマシ
GM:では演出入りましょう。
篠森透:(……まずは、戦闘力を奪う)
篠森透:静かに銃口を樋渡へと向ける。無数の黒い魔眼が銃身の周囲を浮遊している。
篠森透:(致命傷を避けさえすれば……オーヴァードの回復力なら、問題にはならないはずだ)
篠森透:その視線が、少女の虚ろな赤い瞳と重なる。(……だが)
篠森透:何も信じることができない、と涙を零しながら語った彼女の言葉がふと脳裏を過る。
篠森透:(洗脳された上で、意識を完全に失った訳ではないとしたら)
篠森透:(──今の僕の姿は、彼女の眼にどう映る?)唇を噛む。指に力を込める。余計な思考だ、とすぐにそれを振り払う。
篠森透:しかし、その遅滞は致命だ。
高橋芽衣:その逡巡の間を縫うように銃声が響く。
篠森透:「……!」
高橋芽衣:いつの間に取り出したのか、その身で扱うには不相応に大きく見えるライフルを構えて。
高橋芽衣:しかし構えと重心制御で身体のハンデと銃の反動を上手く殺している。
高橋芽衣:狙われるだろう樋渡の前に立ち、真っ先に動くだろう篠森へ向け。――否、正確には。
高橋芽衣:篠森の構える拳銃、その銃口の内部に向け。逆に弾丸を押し込む形になるように計算して、引鉄を引いた。
高橋芽衣:弾丸を魔眼によって強化する彼の戦闘スタイルを加味すれば、銃そのものを破壊し限りなく無力化へ近づける一手だ。
高橋芽衣:そのままなら。
日立春:「篠森、気持ちは分かるがーー」その弾丸の前に、掌が突きだされる。
日立春:「少々、気を逸らしすぎだ。お前らしくもない」腕の肉に食い込み、食い破り、橈骨尺骨を砕くーー前に。
日立春:その骨に沿うように。弾丸を”受け流す”。
日立春:腕が引き裂かれたチーズのようになっている。それが再生するのもまるで無いかのように。
篠森透:「……すまない。自覚はある」小さく息を整えながら。「今日の僕はどうも、普通じゃない」
日立春:「まあ……俺は少し安心したが。お前も、そういうとこがあるんだな」苦笑のような色が乗った声音。
篠森透:「それは、僕自身も少し驚いている」思ってもいないように見える顔色で言う。
篠森透:「大丈夫だ。次は遅れない」
日立春:「おう。頼むぞ」
GM:イニシアチブ。行動値20の樋渡の手番の前に。
樋渡瑞祈:ゼノン:原初の白:時間凍結Lv1
樋渡瑞祈:追加手番を行う、HP20消費
樋渡瑞祈:そのまま行動。まずはマイナーでPC3人の居るエンゲージに移動。
家風
5m
相楽・高橋
5m
樋渡
渋土・篠森・日立
樋渡瑞祈:そしてメジャーはコンボ。
樋渡瑞祈:ハイストレスデイ:原初の赤:災厄の炎Lv6+原初の赤:斥力の槌Lv2+コンセントレイト:ウロボロスLv3
樋渡瑞祈:攻撃力+18、ダメージを与えた対象を4m移動、対象:範囲(選択)でPC3人を選択
渋土垣根:ぐえーっ
篠森透:ごちゃごちゃ相談してしまった 《孤独の魔眼》します
GM:はーい、では対象は篠森君一人に変更!
篠森透:篠森透の侵蝕率を4増加 (93 → 97)
樋渡瑞祈:22dx6+2
DoubleCross : (22DX6+2) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,5,5,5,6,6,6,7,7,8,8,9,10,10,10]+10[3,3,5,5,6,6,7,7,8,8,9]+10[2,4,4,4,5,9,10]+10[1,9]+10[9]+3[3]+2 → 55
渋土垣根:俺だけを見ろ…
渋土垣根:出目えっぐ!
渋土垣根:愛が重い
日立春:ヤバ…
篠森透:あ、リアクションは自動でガードになるのでそのままダメージどうぞ
GM:はーい
樋渡瑞祈:18+6d10
DoubleCross : (18+6D10) → 18+29[1,2,6,5,7,8] → 47
篠森透:倒れるのでリザレクト
篠森透:篠森透の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (97 → 105)
樋渡瑞祈:そしてダメージが入ったので篠森君を後方に4m移動させます。
篠森透:はあい
樋渡瑞祈:氷の茨分のHPロスがー
樋渡瑞祈:6d10
DoubleCross : (6D10) → 29[3,3,5,4,8,6] → 29
樋渡瑞祈:更にこれだけ入ります。
篠森透:8点なので耐えず
篠森透:最後のロイス枠で家風卓夫に感服/◯脅威 でロイス取って切ります。復活
篠森透:篠森透のHPを11に変更 (24 → 11)
家風
5m
相楽・高橋
5m
樋渡
渋土・日立
4m
篠森
GM:エンゲージがこうなりつつ、一度演出行きます。
樋渡瑞祈:「……」 彼女の周りを取り囲むように、守るように影が溢れ出す。
樋渡瑞祈:その形は流動的ながら、確かな硬さを持っている。そして、彼女が一歩踏み出すと同時。
樋渡瑞祈:その硬さを誇示するように、影は鋭利な棘へと姿を変えていく。
樋渡瑞祈:何人たりとも触れるなと体現するように。誰一人近寄るなと叫ぶように。
樋渡瑞祈:そして、その歩みが三人の前で止まり――。
樋渡瑞祈:影の奔流が敵対者を飲み込もうと流れ込む。
日立春:「む、」
渋土垣根:「ッ!なろぉ……!」
篠森透:不意に、影が捉えようとした渋土と日立の姿がかき消える。
篠森透:代わりにその場には無数の黒球が浮かび上がり、明滅している。ごく限定的な空間転移。
篠森透:その距離はごく僅かだが、辛うじて二人を黒い牙から遠ざけるだけの距離を稼ぐことはできている。
樋渡瑞祈:必然、影は残る篠森へと殺到する。
樋渡瑞祈:触れるだけで骨の髄まで凍えるほど冷たく、掠るだけで肌の奥まで焦げるほどに熱く。
篠森透:半ば呑み込まれるようにして、その奔流を受け止める。
樋渡瑞祈:酷く矛盾した熱を宿した影がそのまま彼を後方へと押し流す。
篠森透:「……っ、そうか」弾き飛ばされる。焼けるような痛みと共に、吐き捨てる。
篠森透:この場で読んだレポートのことを思い出す。"カドリングズ"達のレネゲイドの残滓が、彼女の能力に作用していると。
篠森透:「守ろうとしているのか。君達は」
篠森透:「……だが」血を拭い、立ち上がる。そこにはない影を静かに睨み付ける。「そうなってしまえば、その想いもただの呪いだ」
篠森透:「死人が、その子の生き方を縛るな」
GM:イニシアチブを挟み、改めて樋渡の手番に入ります。
樋渡瑞祈:今度はマイナー無し。そしてメジャーは。
樋渡瑞祈:フォースウォール:ナーブジャックLv1
GM:対象は渋土君。
樋渡瑞祈:12dx+2
DoubleCross : (12DX10+2) → 10[1,2,3,5,5,5,7,9,9,10,10,10]+7[2,3,7]+2 → 19
GM:意志で抵抗をお願いします。
渋土垣根:こっち!
渋土垣根:うおおやるぞ
渋土垣根:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 6[4,4,6] → 6
渋土垣根:ぐぎゃー!
渋土垣根:よ、汚されてしまった
GM:では渋土君は制限エフェクト抜きのフルコンボで日立君を殴ってください。
GM:使えるのはメジャーアクションだけなので、そこだけ注意で。
渋土垣根:アババババ
渋土垣根:コンセ獣の力獣王の力
渋土垣根:かな?
GM:そうなりますね
渋土垣根:すまん日立くん!
日立春:大丈夫大丈夫
渋土垣根:武器は伸縮性警棒!
渋土垣根:あ、素手でもいいのかな
渋土垣根:オートで装備切り替え出来るから
渋土垣根:引っ込めるのも出来そう
GM:ううん……今回はアリとします!
渋土垣根:ヤッター!
渋土垣根:じゃあ素手パンチ!
渋土垣根:7dx7+4
DoubleCross : (7DX7+4) → 10[1,1,3,6,6,10,10]+10[4,9]+10[9]+10[7]+10[10]+3[3]+4 → 57
渋土垣根:なぜまわる
日立春:www
日立春:ドッジします。
日立春:4dx>=57
DoubleCross : (4DX10>=57) → 2[1,1,2,2] → 2 → 失敗
渋土垣根:6d10+20-5+15
DoubleCross : (6D10+20-5+15) → 38[8,8,2,6,5,9]+20-5+15 → 68
日立春:ファンブルが見える数字 そして死ぬわそれww
渋土垣根:なぜまわる!!
日立春:日立春の侵蝕率を1d10(→ 7)増加 (93 → 100)
日立春:ぐあーっ
渋土垣根:ひたちくーーーん
日立春:ま、まあ侵蝕調整だし…
樋渡瑞祈:身に纏っていた影が奔流として流れ出て。気づくと――。
樋渡瑞祈:右目を覆っていた眼帯が外れている。
渋土垣根:「うっ、やべえ」
樋渡瑞祈:眼帯の下にあったのは、瞳と呼ぶにはあまりにも硬質な黒。受ける光の全てを吸収し、光沢などは見られない。
渋土垣根:「樋渡ぃ!しっかりしろって!」
渋土垣根:「お前色々出来るから、戦うとめんどくせ~~~んだよ!」
樋渡瑞祈:彼女の本来の右眼に取って代わった遺産。名を『ブラック・オルロフ』。
日立春:「こっちの声がそもそも届いてないな、これは」彼女に向けて身構えて。
樋渡瑞祈:持ち主に不幸をもたらす呪いの石。幾つもの悲劇を彩ったブラックダイアモンド。
樋渡瑞祈:その名を冠した黒色が、渋土垣根を映したかと思うと。
樋渡瑞祈:瞳に映るその像が、本来に無い動きを始める。
樋渡瑞祈:影を纏い、棘を表し、そして傍らに居る日立春へと殴り掛かる。
樋渡瑞祈:そしてそんな虚構が。虚構の筈の映像が、現実を侵蝕する。
渋土垣根:「やっべ、日立くん悪いけどなんとかよけろ!」
渋土垣根:ごしゃああああああん!!
日立春:「ん、いや目を離すわーー」そういう途中で殴り飛ばされる。
渋土垣根:黒棘を纏って狼牙棒めいた片腕が薙ぎ払われる!
日立春:「ぐ」圧し折れた腕、肋骨が砕けて胸部に食い込む。
渋土垣根:「この……野郎!」
日立春:ごろごろと転がって、再度立ち上がる。「……くそ、遺産持ちらしいとは聞いていたが…こういうタイプか」
渋土垣根:意に反して動き続ける腕を押さえつけようとしてもがく
渋土垣根:「オレの腕なんだからオレの言うこと聞け!バカ!」
樋渡瑞祈:その光景を無感動に見つめている。しかし。
日立春:「渋土!彼女の目に映るな!アレが起点だ!」
樋渡瑞祈:黒色は次の獲物を求めるように、人の姿を探して止まらない。
日立春:ペールブルーの光で一度視界を潰す。
渋土垣根:「分かってるから回り込もうとしてんだろ~~~が!」じたばた
渋土垣根:「おっ……?!」
渋土垣根:「ナイス目潰し!」
渋土垣根:その隙に樋渡の視界から逃れる
GM:続いて高橋の手番、はもうカウンターで終了しているので。
GM:行動値14で相楽支部長の手番。
渋土垣根:こないで~~
相楽未教:マイナーはなし。メジャーはコンボ・リスミー:さらなる力+コンセントレイトLv3。
渋土垣根:ばっきゃろう!!
相楽未教:対象は高橋に。判定入ります。
相楽未教:16dx6>=20
DoubleCross : (16DX6>=20) → 10[1,1,2,2,2,2,3,3,5,5,8,8,8,9,9,9]+10[2,2,4,6,7,7]+10[2,9,10]+10[3,8]+10[7]+3[3] → 53 → 成功
GM:余裕で成功。高橋が未行動状態になります。
相楽未教:彼女の周囲の大気が僅かに揺らぐ。
相楽未教:それは領域指定の影響であり、散布された薬品が僅かに空気を揺らした証。
相楽未教:同時に、彼女の傍らに控えていた高橋が構えを取る。
高橋芽衣:ライフルを携えただけの、棒立ちに近い構え。
高橋芽衣:傍から見れば、隙だらけに見えるだろう。しかしそれが彼女にとって最善の待機姿勢となる。
高橋芽衣:瞬時の計算に合わせどの方向にも構えられる。どんな角度にも合わせられる。
高橋芽衣:計算してから合わせて、構えて、それで間に合う。間に合う程度の最小限の行動を計算できる。
高橋芽衣:そんな自負も込められた構えである。
相楽未教:その横で、相楽はただ泰然と微笑む。
相楽未教:彼女は長であり、指揮官であり、女王である。故に。
相楽未教:今はまだ、動かない。
GM:さて、長らくお待たせしました。次は行動値11で日立君の手番!
日立春:はい。
日立春:マイナー“いざ悪魔の腑を裂く“≪骨の銃≫≪死招きの爪≫。攻撃力+31の射撃武器作成。
日立春:メジャー。”登れ、千の太陽“≪コンセントレイト≫≪天からの眼≫≪マスヴィジョン≫。高橋さんを攻撃します。
高橋芽衣:良いですよー、どうぞ?
日立春:ここで判定前にまず、ボスの家風卓夫にロイス取得。 〇嫌悪/殺意 で、
日立春:これとUGNのロイスを昇華。C値を合計2下げます。
日立春:11dx5+7
DoubleCross : (11DX5+7) → 10[1,2,3,3,4,4,5,7,7,9,10]+10[3,3,6,8,9]+10[3,6,10]+10[9,9]+2[1,2]+7 → 49
日立春:良し……!いやこれ勝利の女神あったらキッツイんだけど!
日立春:リアクションお願いします!
高橋芽衣:リアクションは先ほどと同じ。ミニマム・アクト:カウンターLv2。
高橋芽衣:5dx+31>=49
DoubleCross : (5DX10+31>=49) → 9[1,1,3,6,9]+31 → 40 → 失敗
GM:後乗せは……ありません!ダメージどうぞ!
日立春:あぶねええ
日立春:5d10+3d10+51 装甲等有効。
DoubleCross : (5D10+3D10+51) → 22[8,1,7,1,5]+22[10,2,10]+51 → 95
日立春:95点ダメージです。
高橋芽衣:95点素通しして、耐えません。戦闘不能。
日立春:良かった…………
GM:交渉判定をどうぞ。
日立春:はい。
日立春:4dx>=9 ミスったらロイス切る。
DoubleCross : (4DX10>=9) → 8[3,3,3,8] → 8 → 失敗
日立春:あのさあ!!ごめん篠森くん、ロイス切る!達成値上げます!
日立春:1d10+8>=9
DoubleCross : (1D10+8>=9) → 4[4]+8 → 12 → 成功
篠森透:もっていきな~
日立春:成功……させました
日立春:日立春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (100 → 108)
日立春:日立春の侵蝕率を6(→ 6)増加 (108 → 114)
GM:お見事。では少しだけモノローグにお付き合いください。
高橋芽衣:覚醒したのは小3のときだった。
高橋芽衣:まあ別に、それ自体がすごくビックリとかって訳じゃなかった。パパとママから話には聞いてたし。
高橋芽衣:むつなんかは生まれつきだからメイより先にオーヴァードだったし、にいもメイよりは覚醒が早かった。
高橋芽衣:だからむしろ、これでやっと追いつけた!くらいの気持ちだったり。転校はちょっとヤだったけど、別に友達と会えなくなるわけでもないし。
高橋芽衣:だからメイは、オーヴァードになって損したことなんて一個も無いって胸を張れる。
高橋芽衣:皆みたいに戦えるようになった。何でもすぐ覚えられるようになった。チルドレンとして働いてるからお小遣いも増えた。
高橋芽衣:それに、今まで得たものだって何にも無くさなかった。
高橋芽衣:色んな人が言うんだ。「住む世界が違うから」とか「一般人との付き合いは辛くなる」とか。
高橋芽衣:そりゃまあ、メイたちの事情に巻き込むのはダメだけど。でも、友達と遊びたいって思うことがダメな訳ないじゃん。
高橋芽衣:絆が大事だって言うんなら、それを繋ぐ努力をするのだって大事でしょ?メイはそれをしてるだけ。
高橋芽衣:……だからかなぁ。気になったのは。
高橋芽衣:話せば優しいのに、誰かと自分から話そうともしない。孤児院だって飛び出して、一人で平気ですって顔してる。
高橋芽衣:自分は外れ者だからって。自分からもっと離れてく。
高橋芽衣:大丈夫だよ。意外とね、大丈夫なものなんだ。
高橋芽衣:メイだって色々変わったよ。もう虫も雷もお化けも怖くない。少なくとも、前の20分の1くらい。
高橋芽衣:それでも、人と話して笑えるなら。人と話すのが楽しいなら。
高橋芽衣:人って誰かと繋がっていられるんだよ。
高橋芽衣:―――
日立春:息を吸う。再生はもう終わっているーー問題はない。
日立春:「濃縮開始。炉心構築ーー」ぼう、と人魂の如きペールブルーの炎が掌からこぼれだす。
日立春:《物質変化》。掌の生体組織を改造する。
日立春:反応物質を、冷却水を、そしてそれを支えるエネルギーを送り込むパイプを。
日立春:反応が始まる。ぐつぐつと皮膚が焦げ血が沸騰し、肉が歪み。ぐずりと掌の中心へ纏まっていく。
日立春:皮膚が剥がれ肉が落ちる。オーヴァード故の再生能力と鬩ぎ合う。
日立春:その間、表情は一切変わらない。
日立春:構築される炉心が蒼褪めた光の槍を手の上に創り出す。
日立春:それは死の炎。現生人類が所有する、最も破壊力のある兵器と類似原理を持つ。
日立春:「高橋。今から打つがーー銃は手放すことをお勧めする」
日立春:その光は、現在エンジェルハイロゥ・シンドロームにより指向性を与えられているが、生物を殺すには十二分なものだ。
日立春:槍を構える。投げ放つーーその間にも、己の身体は焼け焦げてゆく。
日立春:
日立春:日立春が覚醒したのは、ほんの一年ほど前だろうか。
日立春:助けを求められて。それに応えた。
日立春:その中で、目の前の原因を殴り飛ばし、脅し付け、必要ならば何週間も病院に通う程度の怪我も負わせた。
日立春:俺ができるのはそれくらいだ。金もない。繋がりもない。
日立春:それでも、どうにかしなくてはならない。放置するだけでは、誰かが傷つき襲われ、食べ物とされるだけだ。
日立春:ーー誰がそう言ったのだろう?
日立春:最初に助けを求めた人は、もう恐れて近寄らない。
日立春:他の人も、どんどんと離れていく。当然だ。
日立春:もう誰も、己にどうにかしてほしい、などと言っていないのだと気付いたのは、裏路地のコンクリートの上で目を覚ました時だっただろうか。
日立春:それでも止まらない。止まれない。見過ごすことなど出来ようものか。
日立春:一番誰も許さずに、何もかもを焼き尽くさんとしているのは。最も、悪というべきものは。
日立春:己自身であることに、自分は取り返しがつかなくなるその時まで気づきもしなかった。
日立春:
日立春:それからは。そうして、違う市に来させられて。
日立春:ある意味でそれでよかったのだと思った。俺は失敗したと理解していたし、やり方がどうしようもないのも知っていた。
日立春:その上で、それを変えようなどとは思えなかった。
日立春:ならば、自分のような人間は、
日立春:きっと一人で誰も知らぬところでにあるのが良いのだろう。
日立春:
日立春:槍が着弾する。その秘めた光熱、エネルギーを解放せんとして。
日立春:《見放されし地》。その毒持つ光を、すべて遮る。
日立春:ただそこに起きるのは爆発と衝撃だ。
高橋芽衣:「……」 思考は巡らせた。準備から着弾までの間、絶え間なく。
高橋芽衣:しかし、弾き出された結果はエラーだけ。
高橋芽衣:遺産の危険性、原子核崩壊というエネルギーには、弾丸だけでは対処できない。起こりうるリスクを回避しえない。
高橋芽衣:故に。結果的には彼の助言通り、銃を捨て。ただその爆発を甘んじて受ける。
日立春:「ーーきみが俺の言葉を、そのまま聞いたのは」
日立春:「初めてかもしれないな」彼女を受け止める。
日立春:「………」ボロボロの腕。その大部分は己の能力行使によるものだ。
日立春:「……きみは言ったな。己のようなものでも……普通の人間のように生きられるのだ、と」
日立春:「いつもの俺なら。何を言っているのだと、投げ捨てていたと思う。今でも、俺のようなものが何を、と。そう思う所もある」
日立春:「……きみは、ずっと」我ながら、もっとうまく口が回らないかと。ずっとそう思っている。
日立春:「俺を、色々なところに連れ出してくれたな。正直、只言われたから付き合っていただけだったよ」
日立春:「……あれは、きみなりに俺のことを思ってくれているのだと、そう気づいたのは、つい先ほどだ」
日立春:「……いや、そうじゃない。そうじゃないんだ。こんなことが、言いたいんじゃない」
日立春:「俺は」
日立春:「きみに、返さないと行けないものがたくさんある」
日立春:「受け取ったと、そう気づくことさえできていないものが、たくさんあるんだ」
日立春:「俺は……」
日立春:「自分のことなど、道具のようなものだと思っている。そんな人間だ。それでも」
日立春:「きみが居なくなったら、本当にそうなって。そうなってしまって、」
日立春:「きみのことさえ、なんとも思わなくなるのは。それは、嫌なんだ…っ」
高橋芽衣:力なくうなだれていた手が、少し動いて。
高橋芽衣:「……春君に」
高橋芽衣:「ここまで思われてたとは、流石のメイちゃんも計算外ですね」
日立春:「……自分も驚いている」
高橋芽衣:演技ではない、うっすらとした笑み。それで君を見上げて。
日立春:「我ながら……どうかしているな」
高橋芽衣:「全く。そんなに泣きそうな顔しなくても、メイちゃんはちゃんと傍に居ますよ」
高橋芽衣:「イヤって言っても離れてあげませんからね。覚悟してください」
高橋芽衣:「ああ、それと」
高橋芽衣:「流石に、ちょっと眠いので。ここの後始末はお願いします」
高橋芽衣:「それまでちょっと寝てるので、終わったらデートの続き、しましょ?」
日立春:「ああ。任せてくれ。そういう荒事だけは得意だから」
日立春:「……ああ。お願いするよ」続き、という言葉にそう答えて。
日立春:そっと彼女を寝かせる。為すべきことをしに行かねばならない。
GM:高橋芽衣:ロイス修復完了。忘却/〇殺戮→〇好意/呆れ。
GM:それでは最後、行動値0の渋土君です!
渋土垣根:おっしゃあ!
渋土垣根:マイナーでジェネシフト!
渋土垣根:94+2d10
DoubleCross : (94+2D10) → 94+12[5,7] → 106
渋土垣根:うむうむ
渋土垣根:メジャーでコンセ+シャドーテンタクル+獣の力+獣王の力+原初の白:マシラのごとく!
渋土垣根:対象は…相楽支部長へ!
GM:こっちか……判定どうぞ!
渋土垣根:3dx7+4
DoubleCross : (3DX7+4) → 10[1,2,8]+3[3]+4 → 17
渋土垣根:リアクション不能パンチ!
渋土垣根:あ、すいません獣の王抜けてる!
GM:OKです、リアクション出来ないのでそのままダメージどうぞ
渋土垣根:使用武器は伸縮警棒
渋土垣根:ダメージいきまーす
渋土垣根:2d10+24+20+40+2
DoubleCross : (2D10+24+20+40+2) → 9[8,1]+24+20+40+2 → 95
渋土垣根:諸々有効!
相楽未教:素通しで受けて、戦闘不能です。
渋土垣根:支部長…!
GM:そのまま交渉判定どうぞ!
渋土垣根:うおおお
渋土垣根:日立くんのロイスを昇華!ダイス+10!
渋土垣根:14dx
DoubleCross : (14DX10) → 10[1,2,4,4,5,5,6,7,7,8,9,9,10,10]+6[5,6] → 16
渋土垣根:おりゃーーーっ
GM:お見事!では再びのモノローグにお付き合いください。
相楽未教:物心ついたときから、ヒーローという存在が好きだった。
相楽未教:世界のために、仲間のために、ヒロインのために。
相楽未教:命を懸けて、身を削って、自分自身を投げうって。
相楽未教:戦って、倒して、守って。
相楽未教:そんな彼らの輝きにずっと魅せられていた。憧れていて、恋焦がれていた。
相楽未教:その輝きをもっと間近で見たかったし、自分もそう輝ければいいと願っていた。
相楽未教:だからこそ、オーヴァードだとかUGNだとかの話もあっさり飲み込めた。
相楽未教:絶好のチャンスで、運命だとさえ思った。私はヒーローになれるんだ、と。
相楽未教:だから一般家庭の出ながらUGN入りして、叩き上げのエージェントの中に混ざってチルドレンになって、戦い続けた。
相楽未教:最前線を駆けた。自分が選べる中で最も過酷な戦場を選んだ。
相楽未教:それで死んでも良かった。それは、私がヒーローとして生き抜いた証になると思ったから。
相楽未教:だけど、気づいてしまった。
相楽未教:ヒーローとは、他人のために我が身を投げだせる人間だ。少なくとも、私の中ではそうだ。
相楽未教:でも私は、『ヒーローになりたい自分のために』命を懸けてるに過ぎない。
相楽未教:助け出す相手のことを大切だと思えない。どうでも良い。興味さえ湧かない。
相楽未教:薄情とはよく言われたけれど気にしてこなかったツケが、こんな形で回ってくるなんて。
相楽未教:私のヒーロー計画は、私自身の性質のせいで最初っから頓挫していたのだ。
相楽未教:仕方ない。気づいたところで性質は変えられない。私は他者を思えない。
相楽未教:だから、やり方を変えることにした。
相楽未教:私自身じゃなくていい。最高のヒーローを、私の手で作り上げよう。
相楽未教:そう考えて、真っ先に一人の少年を思い出した。いつかの冬に拾った少年を。
相楽未教:命が安い場所で生きてきた、情緒が薄そうな、私に恩がある、まだ幼い少年。
相楽未教:これだと思った。
相楽未教:――そして。今日、私の夢は肯定された。
相楽未教:ねえ、垣根君。ヒーローになってほしいんだ。
相楽未教:私という他人のために。私の夢を叶えるために。
相楽未教:命を懸けて、身を削って、自分自身を投げうってくれ。
相楽未教:戦って、倒して、守ってくれ。
相楽未教:そのためなら、私も手を尽くそう。与えるべきものは与えよう。
相楽未教:生活も、常識も、平穏も、温もりも。全部あげよう。
相楽未教:君を導く師になって、君を支える仲間になって、君を慈しむヒロインにだってなろう。
相楽未教:だから、垣根君。
相楽未教:私の夢を、叶えてね。
渋土垣根:「……今だ!」
渋土垣根:高橋を正気に戻した日立の姿を確かめて
渋土垣根:空いた右翼から相楽支部長の元へと駆け出す
渋土垣根:「支部長も、目ぇ覚ませ!」
樋渡瑞祈:しかし、その後ろ姿を黒い眼が捉える。
樋渡瑞祈:瞳に映った垣根の姿が止まり、それに引きずられるように現実の垣根の動きも制止する。
渋土垣根:「う……ぎぎ……」
渋土垣根:両手足を釘付けにされ、あと数センチというところで押すも引くも出来なくなる。
渋土垣根:「支部長……!」
渋土垣根:歯を食いしばり、至近距離からその目を覗き込む。
相楽未教:瞳に映った君が見える。だけど、彼女自身の目に君は映っているだろうか。
渋土垣根:「……やっぱり、オレはこんなの嫌だ」
渋土垣根:「オレは支部長の笑ってるところが見てえよ」
渋土垣根:「うぬぬぬぬぬ……!ぬぁーーー!!」
渋土垣根:めきめきと骨格と関節を引き伸ばしながら1mmでも前に身を乗り出して
渋土垣根:がぶりとその首筋に噛み付く。
渋土垣根:「ひふひょーーー!ひっはりひろーーー!」
相楽未教:「……」 ぱちりと一つ、瞬きをして。
相楽未教:その瞳に君が映る。
相楽未教:「……ああ」
相楽未教:「 だよ、垣根君」 口の中だけで何かを呟いた後。
相楽未教:「ごめんね」 ぶわりと舞い上がった薬品が君を包み、樋渡の視界から隠す。
渋土垣根:「ふーっ……ふーっ……ふあ」
相楽未教:「心配かけたみたいだ」
渋土垣根:「……」
相楽未教:ポンと君の頭に手を乗せて、緩く撫でる。
渋土垣根:顔を離して、その表情を見つめて。
渋土垣根:「オレはやるっていったぜ」
渋土垣根:「まず1人、救けた」
渋土垣根:撫でられて嬉しそうに笑う。
相楽未教:「うん。助けられた」
相楽未教:「ただ、まだちょっと動くのはキツそうでね」
相楽未教:「悪者をやっつけるとことまで、頼んでも良いかな?」
渋土垣根:「あったりまえだぜ!」
渋土垣根:「まだオレは全然元気だし」
渋土垣根:「支部長の分までぶっ飛ばすぜ~~~ッ!」
渋土垣根:俄然元気溌剌に拳を振り上げる。
相楽未教:「頼もしいな。……お願いね」
相楽未教:そう言って、瞼と共に意識を落とす。
渋土垣根:「わっ、と」
渋土垣根:崩れ落ちるその体を支えて、もう一度抱き寄せ
渋土垣根:「……任せとけよ。支部長」
渋土垣根:敵を睨む。
相楽未教:ロイス修復完了。〇--/--→〇期待/無関心。
GM:クリンナップを挟み、ラウンド1が終了します。
GM:-ラウンド2-
GM:セットアップから。こちらは二人動きます。
家風卓夫:アクセルLv5
家風卓夫:樋渡の行動値+10
樋渡瑞祈:プリゾナー:原初の黄:氷の茨Lv6
樋渡瑞祈:自身の居るエンゲージから離れたキャラはHPを6D失う
篠森透:セットアップないです。
日立春:セットアップなし。
渋土垣根:フルパワーアタック!
渋土垣根:侵蝕126に!
GM:OK。卓夫は今回待機するので、行動値22の篠森君の手番から。
篠森透:はい
篠森透:マイナー、《オプティカルレンズ》。メジャー、「不可識穿孔(ゴースト・タスク)」《コンセントレイト》《鉄風乱舞》《小さな塵》
篠森透:射撃攻撃をします。対象は樋渡さんに。
篠森透:篠森透の侵蝕率を3増加 (105 → 108)
篠森透:13dx+2@7 命中
DoubleCross : (13DX7+2) → 10[1,1,1,2,2,2,2,4,5,7,9,9,10]+10[2,6,8,9]+10[7,8]+10[1,10]+6[6]+2 → 48
樋渡瑞祈:一応ドッジを試みます。
樋渡瑞祈:6dx>=48
DoubleCross : (6DX10>=48) → 9[2,3,5,6,7,9] → 9 → 失敗
GM:まあ当たりますね。ダメージどうぞ!
篠森透:5d10+40+1d10 諸々有効です
DoubleCross : (5D10+40+1D10) → 20[2,3,2,8,5]+40+4[4] → 64
樋渡瑞祈:全部通って戦闘不能。復活もありません。
GM:交渉判定どうぞ!
篠森透:篠森透の侵蝕率を7増加 (108 → 115)
篠森透:うーん平目は厳しそうかな UGNに対するロイス切ってダイス10個増やします
篠森透:14dx>=9
DoubleCross : (14DX10>=9) → 10[2,2,3,6,6,6,6,7,8,8,8,9,10,10]+9[4,9] → 19 → 成功
GM:お見事!ではモノローグに入ります。
樋渡瑞祈:カドリングズは元々、遊撃隊のような役割を想定して結成されたチルドレンチームだった。
樋渡瑞祈:それぞれがそれぞれの理由で集められた。気質だったり、能力だったり。
樋渡瑞祈:私は影を使うことである程度のことが一定の基準で出来たから、チームの間滑油としての役割を期待されていた。
樋渡瑞祈:でも、当時の私は今と比べても随分情緒が未熟で。いわゆる『UGNチルドレン』そのものだったと思う。
樋渡瑞祈:それを変えてくれたのがカドリングズで。詩織ちゃんで、貴音で、康大君で、真央君だった。
樋渡瑞祈:一番しっかり者だった詩織ちゃんに、たくさんの普通を教えてもらった。
樋渡瑞祈:一番明るかった貴音に、たくさんの楽しいことを教えてもらった。
樋渡瑞祈:一番元気だった康大君に、たくさんの心構えを教えてもらった。
樋渡瑞祈:一番優しかった真央君に、たくさんの感情を教えてもらった。
樋渡瑞祈:嬉しいことも悲しいことも楽しいことも辛いこともあった。そう感じているということさえ、皆に教えてもらった。
樋渡瑞祈:今の私は、皆のお陰で生きている。
樋渡瑞祈:――それなのに。
樋渡瑞祈:たくさんの思い出に満たされたこの心の中に。知らなかったはずの感情が巣くうようになった。
清武詩織:「ありがとね。……瑞祈が居てくれて良かった」
樋渡瑞祈:あの言葉に嘘はなかったか。
鈴藤貴音:「アタシが楽しいから瑞祈と一緒に居んの!」
樋渡瑞祈:あの笑顔に裏はなかったか。
照喜名康大:「任せたぜ、瑞祈!お前ならやれるだろ?」
樋渡瑞祈:あの信頼に偽りはなかったか。
境谷真央:「良かった。君が無事で」
樋渡瑞祈:あの言葉は、本当だったのだろうか。
樋渡瑞祈:分かっている。皆が嘘をつく筈はない。皆に裏がある訳も、偽りがある訳もない。
樋渡瑞祈:信頼を裏切っている人間が居るとすれば、それはこんなことを考えている私自身だけなんだ。
樋渡瑞祈:篠森君のことだってそうだ。見ていれば、彼が誠実な人だってくらい分かるのに。分かったのに。
樋渡瑞祈:皆との思い出を汚して、伸ばされた手も疑って。そんな人間が、いつまで絆を結んで居られるんだろう。
樋渡瑞祈:私は、いつまで私で居られるんだろう。
樋渡瑞祈:分からないから。私は、私が私で居られるうちに、私を終わらせなければいけないんだって。
樋渡瑞祈:それが私のすべきことなんだって言い聞かせて。
樋渡瑞祈:――ああ、でも。そんな事さえ、もしかしたら、言い訳で。
樋渡瑞祈:私はただ、こんなことになってまで、こんな私になってまで生きていたくないって。
樋渡瑞祈:いっそあのときみんなと一緒に終わっていれば良かったのにって。
樋渡瑞祈:早く終わってしまいたいって、思っているだけなのかもしれない。
篠森透:「……今度は、遅れないと言った」
篠森透:不意に。黒い球体が、樋渡の手足に埋まるような形で浮かび上がる。
篠森透:《天使の外套》解除。先程まで攻撃態勢にさえ入っていなかったその姿が、銃を構えている。
篠森透:「既に撃っている。3秒前だ」
篠森透:光学操作と振動操作による二重偽装。弾丸たる魔眼と射撃動作そのものを隠蔽していた。
篠森透:着弾と同時に一瞬の静止を経て、黒球が揺れ動く。
篠森透:その現象の本質は「転移」だ。
篠森透:命中地点周辺の空間ごと、そこにある物を切り離し移動させる事で、着弾対象に削り取るような孔を開く。
篠森透:幽霊にでも喰らわれたかのように見える不可識穿孔。肉と骨を抉り飛ばす──致命には至らないように。
樋渡瑞祈:影ごと体を抉られて、体勢が崩れる。黒と赤の瞳が君を捉えようとして。
篠森透:視線が交わる。光を失ったその瞳に、今は涙はないけれど。
篠森透:自分にも、その奥にある感情を推し量る事くらいはできる。できなくてはならないと、思う。
篠森透:影が立ち消えたその瞬間をついて、彼女の懐へと迫る。──絆の力で呼び戻す、などと言ったやつの言葉に従う訳ではないが。
篠森透:今、自分が思うことは。
篠森透:……生まれ育った施設では、皆が僕と同じだった。
篠森透:誰を信じることもなく戦い、何を思うこともなく人を手にかける。無機質な兵士。
篠森透:そして少なくない数が、そこに疑問を抱くこともないまま、駒のように死んでいった。
篠森透:僕がその数に入らなかったのは、単なる幸運だ。
篠森透:……UGNに来て初めて、自分が普通の人とは違うのだとはっきり理解した。
篠森透:与えられた任務に不平を零し、敵であろうと命を奪うことを厭い、
篠森透:戦いの中で傷つくことに怯え恐怖する姿を見た。
篠森透:どれも組織の利益に適わない、ともすれば自分自身の命を危険に晒す情動だ。
篠森透:戦士として戦場に立つ者でさえも、「普通の人間」はそのようになるのだと分かった。
篠森透:そうした精神の作用を回避するために、自分のようなものが作られたのだろうと
篠森透:ある意味で初めて、自分を生み出した研究者たちの実験の価値を理解した。
篠森透:……あくまでもそれは、理屈の話だ。
篠森透:僕は、彼らの欠点とも呼ぶべき在り方を否定しようとは思わなかった。したくなかった。
篠森透:むしろそうなりたいとさえ思った。彼らの生き方に、少しでも近づこうとした。
篠森透:「普通の子供」というものを間近で観察するため、カヴァーとしての高校に籍を置くことを志願した。
篠森透:笑顔や怒り顔、泣き顔の練習を繰り返してもみた。……同僚には「君に演技の才能はなさそうだ」などと切り捨てられてしまったけれど。
篠森透:それでも、僕にできる限りの努力をしようとした。
篠森透:そこには樋渡に語ったように、道具として作られた自分を変えたかったという意地もあるが
篠森透:──結局のところ、僕は寂しかったのだと思う。
篠森透:みんなと同じ世界で生きてみたかったんだ。普通の子供がそうしているみたいに。
篠森透:彼らと同じものを感じて、彼らと同じものを語る事のできない自分が
篠森透:団欒の輪の中にいて、一人だけ心から笑うことのできない人間が
篠森透:本当にここに居ていいのかと、不安で仕方なかったんだ。
篠森透:……なあ、樋渡。
篠森透:君も、そうなんじゃないのか。
篠森透:誰かを傷つける事を恐れて、一人になろうとしてしまう君は
篠森透:過去の思い出を歪める自分自身を嫌悪するほどに、人との絆を大切にしている君は
篠森透:本当は──それでも、自分がここにいていいんだと、
篠森透:心からそう思える居場所が、欲しかったんじゃないのか。
篠森透:「……樋渡」
篠森透:姿勢を崩し倒れた彼女の前に立つ。まだ色を取り戻さない眼から視線を逸らさぬまま。
篠森透:「実は……今まで、誰にも言ったことはないんだが」
篠森透:「僕には夢がある」
篠森透:「もしかしたら、普通の人が持つそれに比べると」
篠森透:「ささやかで、つまらないものに聞こえるかもしれないが」
篠森透:大きく息を吐き、乱れた呼吸を整える。銃口は降ろしている。
篠森透:「……ずっと昔」
篠森透:「雨の日の駅で、仕事帰りの父親を迎える母子の姿を見たんだ」
篠森透:「持って来た傘を手渡し、"おかえり"と言って」
篠森透:「そのまま、とりとめのない言葉を交わして一緒に去っていった」
篠森透:「たったそれだけの話だ」
篠森透:「客観的に見て、劇的な何かがあった訳じゃない」
篠森透:「だが……僕にとっては、眩しかった」
篠森透:「その時に見た彼らの背中を」
篠森透:「今も、ずっと忘れられずにいる」
篠森透:「……樋渡。僕の夢はな」
篠森透:「いつか、誰かにとっての居場所になることなんだ」
篠森透:「こんな、僕のような奴でも」
篠森透:「誰かの心の拠り所になる事ができると、確かめる事なんだ」
篠森透:その瞳に向けて、語り続ける。微かに頬が紅潮しているのは、戦闘による代謝だけが理由ではないだろう。
篠森透:「帰り道に迷う誰かに、手を差し伸べて」
篠森透:「"おかえり"と言ってやれる人間になることなんだ」
篠森透:「……本当は、僕にそんな資格などないのかもしれないが」
篠森透:「人は……"そうあろう"としない事には、いつまでもそのままだ」
篠森透:「僕のようなやつは、特にな。だから……」
篠森透:言葉を切る。僅かに躊躇してから、手にした拳銃をその場に置き捨てて
篠森透:右手を差し伸ばす。
篠森透:「……だから、樋渡」
篠森透:「君を迎えに来た」
樋渡瑞祈:輝きを失くしていた瞳が、言葉が響くたびに少しずつ揺れて、揺れて。
樋渡瑞祈:とうとう溢れた涙が、膜を覆い流したように。
樋渡瑞祈:その瞳に輝きが戻って。
樋渡瑞祈:「……あなた、なら」
樋渡瑞祈:振るえた指先が君の手の上に恐る恐る伸びて。
樋渡瑞祈:「なれる、よ。きっと」
樋渡瑞祈:そっと、触れる。
樋渡瑞祈:「迎えに来たって、言ってくれるんだもの」
樋渡瑞祈:こんな私のことさえ迎えてくれるんだもの。
篠森透:その温度に触れる。微かに笑みを零して、その手を掴む。
樋渡瑞祈:そのまま、糸が切れたように君の元へと倒れ込む。
篠森透:「……きっと、か」
篠森透:拳銃を拾い直す。その身体を傍に寝かせ直して、庇うように立つ。
篠森透:「未来への願望、期待。それを肯定する言葉」
篠森透:「……こんな僕の未来を、信じてくれる君だから」
篠森透:「やはり僕も、君の未来を信じたい。……その呪いは、きっとどうにかできると」
篠森透:そう呟いて、残る敵に向かい合う。
樋渡瑞祈:ロイス修復完了。諦観/〇猜疑心→〇感謝/不信感。
GM:では次は行動値11の日立君。
日立春:はい。ではマイナーなし、メジャー”登れ、千の太陽“≪コンセントレイト≫≪天からの眼≫≪マスヴィジョン≫。家風へ攻撃。
日立春:特に何もないなら判定行きます。
GM:あ、大丈夫です!どうぞ!
日立春:11dx7+7 ありがたく。
DoubleCross : (11DX7+7) → 10[2,2,3,5,5,6,6,7,7,8,10]+10[1,2,3,9]+10[9]+2[2]+7 → 39
日立春:一足りねえ。
GM:一応ダメ元ドッジ。
家風卓夫:5dx>=39
DoubleCross : (5DX10>=39) → 8[2,4,7,7,8] → 8 → 失敗
GM:無事命中。ダメージどうぞ。
日立春:はい。
日立春:4d10+51+3d10
DoubleCross : (4D10+51+3D10) → 24[6,10,7,1]+51+22[9,9,4] → 97
日立春:びっくりするなおい 97点装甲等有効ダメージ。
日立春:日立春の侵蝕率を8(→ 8)増加 (114 → 122)
家風卓夫:97点素通しして、まだ立ちます!
日立春:くっ 演出行きます。
日立春:横目で渋土と、篠森の姿を見た。彼らもきっちりやってみせた。ならばーー
日立春:「投射体、構築」造り変えた腕が、再度その槍を番える。
日立春:槍の周囲には、六本の小槍が取り巻く。
日立春:「俺が言うことは碌にない。ただーー」任せる、と言われた。
日立春:だから、それを遂行する。 言われたことをすることは、そう悪くないと自負している。
日立春:ぐ、と大きく振り被り。一歩、風を引き。
日立春:二歩、踏切り。
日立春:三歩、槍を投擲する。
日立春:高速で飛行する槍が着弾する直前、取り巻く小槍が中央の槍へ炸裂。
日立春:「”爆縮”開始。焼き尽くせ」周囲を汚染しつくす遺産の適合者とは。
日立春:それを収めながら、安定させることが出来るもの。日立春の形式は、
日立春:”収束”。ただひたすらに貫くように、その圧力を高める在り方だ。衝撃も爆風も、すべてただ単体に集まる。
家風卓夫:身動き一つすることはない。ただ甘んじてその爆撃を受けて―――。
家風卓夫:「っはは」
家風卓夫:ボロボロに崩れた玉座の前、焼け焦げた体でなおも立っている。
家風卓夫:「素晴らしい、素晴らしいな」
日立春:「…む。火力だけはあるんだが…取り損ねたか」
家風卓夫:「最高だった。今回も」
家風卓夫:「後は、私を倒すだけだ」
家風卓夫:そう不敵に笑って、渋土君へと視線を投げる。
GM:行動値0、渋土君の手番です。
渋土垣根:っしゃあ!
渋土垣根:マイナーなし、メジャーでコンセ+シャドーテンタクル+獣の力+獣王の力!
渋土垣根:家風に憤懣でロイスとって昇華!ダイス+10!
渋土垣根:18dx7+4
DoubleCross : (18DX7+4) → 10[1,1,1,2,2,3,3,3,3,4,4,4,5,5,9,9,9,10]+10[1,2,3,10]+2[2]+4 → 26
渋土垣根:あっぶねえ!
渋土垣根:きっといてよかった
渋土垣根:対象はもちろん家風!リアクションどうぞ!
家風卓夫:一応のドッジ!
家風卓夫:5dx>=26
DoubleCross : (5DX10>=26) → 9[1,2,3,8,9] → 9 → 失敗
GM:当然命中!ダメージどうぞ!
渋土垣根:3d10+20+24+2
DoubleCross : (3D10+20+24+2) → 12[5,5,2]+20+24+2 → 58
渋土垣根:諸々有効!
GM:全額入ります。……そして、
GM:戦闘不能です!復活もなし!
渋土垣根:よっしゃあ!
渋土垣根:「……やっぱりよぉ~~~」
渋土垣根:「てめーのやってることが最低なのはわかるけどよぉ~~~」
渋土垣根:「オレはそんなにテメーを怒る気になれねぇんだよな~~~」
渋土垣根:鉄パイプをフラフラと揺らしながら、ゆっくりと歩いてくる。
家風卓夫:「ほう?あれだけ憤っていたのにか?」
渋土垣根:「オレってバカだからよぉ~~~相手の考えてることなんてわかんねぇからなぁ~~~」
渋土垣根:「相手が何考えてよーと」
渋土垣根:「オレにとっちゃオレがされたことが全部だ」
渋土垣根:「今日のことは、オレにとっていいきっかけになったのは本当のことで」
渋土垣根:「でもテメーが人を自分の都合で振り回すどうしようもなくクズってのも本当のことで」
渋土垣根:「……だから、一発だけだ」
渋土垣根:「オレは一発だけぶん殴る」
渋土垣根:バキバキバキバキ
渋土垣根:袖口から飛び出した黒い棘が、鉄パイプを覆って
渋土垣根:獰猛で巨大な凶器へと変えていく。
家風卓夫:「くく……ああ、本当に」
家風卓夫:「素晴らしいヒーローの手にかかれて光栄だ」
渋土垣根:「歯ァ、食い縛れよッ!」
渋土垣根:「うぉおおおおらぁああああああああああああ!!」
渋土垣根:真っ白な部屋ごと叩き割るように
渋土垣根:黒の一閃が振り下ろされる!
渋土垣根:落雷のような轟音、そして衝撃が走りーーー
家風卓夫:逃げはしない。媚びはしない。省みもしない。
家風卓夫:ただ正面から受け止めて、そのまま。
家風卓夫:骨と肉の破砕音、そして。
家風卓夫:空間の砕ける音が響いた。
渋土垣根:「ふーーー……」
渋土垣根:「ケリはつけたぜ、支部長」
渋土垣根:くるりと鉄パイプを一回転させて
渋土垣根:懐に収める。
GM:戦闘終了です。お疲れさまでした。
GM:バックトラックに入ります。
渋土垣根:っしゃらー!
GM:今回のEロイスは虚実崩壊、歪んだ囁き、傲慢な理想、妄念の姿の4つです。
渋土垣根:あ、最後に!すいません!
日立春:はーいっ。振ります振ります
GM:おっと、はい!
渋土垣根:密室にロイスとっとこう
篠森透:115-4d10 Eロイスぶん
DoubleCross : (115-4D10) → 115-23[2,10,3,8] → 92
篠森透:92-4d10 いちばい
DoubleCross : (92-4D10) → 92-16[2,7,6,1] → 76
渋土垣根:感情は懐旧○かな、これで全部!
日立春:122-4d10
DoubleCross : (122-4D10) → 122-23[7,2,6,8] → 99
日立春:ギリギリ 一倍。
日立春:99-3d10
DoubleCross : (99-3D10) → 99-16[5,7,4] → 83
渋土垣根:でもってEロイスふる!
渋土垣根:133-4d10
DoubleCross : (133-4D10) → 133-17[9,6,1,1] → 116
渋土垣根:そんで素振り!
渋土垣根:116-5d10
DoubleCross : (116-5D10) → 116-31[6,5,9,6,5] → 85
渋土垣根:これが最強Dロイス、Dロイスなしの力よ
日立春:全員5点帰還ですわね!
GM:無事全員生還!
GM:ではこのまま経験点も配布します。
GM:いつものアレが5点、シナリオクリアで5点、EロイスとDロイスが4つずつで8点!
篠森透:23です
渋土垣根:23!
日立春:Sロイス加算して…
日立春:23+5 で28かな。渋土くんもSロとってなかった?
篠森透:取ってたはず?
篠森透:僕は取ってないのでこのままです
渋土垣根:あ、そっか
渋土垣根:28でっさ!
日立春:渋土くんがSロ取ってると28、GMが合計割る3+1して27点ですかね、
GM:あ、計算までしてもらえちゃった!
GM:では皆さんその点分持ってってください!お疲れさまでしたー。
日立春:お疲れさまでした~~!ありがとうございます~
篠森透:ありがたくいただきま~!
渋土垣根:ありがたく!
ED1:日立春
GM:事件があった翌日。
GM:流石に当日は報告書の作成やメディカルチェックなどに追われ、結局デートの続きは出来なかった。
GM:その代わりに、と取り付けられた約束のために。日立春は駅前の時計の前に居た。
日立春:待ち合わせ時間からすれば大分前だが、気にもせず静かに立っている。
GM:そのまま何分待ったのか。待ち合わせの5分前ほどになって、ぱたぱたと足音が聞こえてくる。
日立春:無表情で当然のように立つが、微妙に人出がある方にちらちらと意識が向いていたりした。
日立春:「……ん」足音のほうを見る。
GM:その足音は真っ直ぐ君へと向かい、そして減速することなく――。
高橋芽衣:「どーん!」
GM:ちょうど視線を上げた君に駆け寄った着た彼女が抱き着く。
日立春:「む、ぐ…」一歩足を下げてギリギリ姿勢を作り、しっかりと受け止める。
高橋芽衣:「おはようございます、春君!」
日立春:「高橋、危ないぞ…ああ、」かすかに息を吐いて。「おはよう」
高橋芽衣:「待っててくれたのがなんだか嬉しくなって、勢い余ってしまいました」
高橋芽衣:「それに春君ならしっかり受け止めてくれるだろうと思いましたし」
日立春:彼女のやはり男子とは違う身体の感触などに意識が向きかけ、それを頭のごみ箱に放り込んで。そっと彼女を下ろす。
高橋芽衣:その通りでしたね?と何故だか彼女の方が自慢げに。
日立春:「それはそうだ。避けたら危ないだろう」
日立春:「……そんなにわかりやすいか、俺は」
高橋芽衣:「分かりにくいと思う人の方がきっと多いんだろうなーとは思いますけどね」
日立春:「どこに導火線があるかわからんとは言われたな……」
高橋芽衣:「メイちゃんは目聡く賢いので。考えてることの大体はお見通しです」
高橋芽衣:「それにまあ似た者同士ですからね」
日立春:「……ふう。降参だ」
日立春:「俺は正直分からないことの方が多いけれど、上手くこの差は埋めたいものだ」
高橋芽衣:「大丈夫ですよー。メイちゃんはアピール上手ですから」
高橋芽衣:「春君が分からなそうなら分かりやすくお伝えしましょう」
日立春:「……正直、自分でも察しが悪いのは自覚しているから、助かる」
日立春:忸怩たるものはあるが、と零しつつ。
高橋芽衣:「ふふー、お任せください!それはもう明朗快活に一から十まで伝えますよ!」
日立春:「きみにばかり負担を掛けるのは本意じゃないから、脱したいものだ…」
高橋芽衣:「? 負担じゃないですよ?」
日立春:「……そうなのか」
高橋芽衣:「自分の感情を分かりやすく相手に伝えるって、要は割とメイのライフワークですからね」
高橋芽衣:「もはや習性と言っても過言ではありません。板につきまくっています」
日立春:「……俺は、自分の心情などを語るのは、随分混乱するのだが……そうか……」肩が少し下がる。
日立春:「……」少しだけ口元が緩まって。
日立春:「早速だが、一つ分かることが増えたな。ありがとう」
高橋芽衣:「うんうん。こうやって理解を深めていきましょうね」
高橋芽衣:「ああ、そうだ!ちょこっとしゃがんで見てくれませんか」
日立春:「うむ……と。何だ?」そのまま言葉に従ってすこししゃがむ。
高橋芽衣:しゃがんで近づいた肩に手を伸ばして、背伸びをして。
高橋芽衣:掠めるようにキスをする。
日立春:「、」目をわずかに見開いて。
日立春:「……、いや……急に、その、なんだ。本当に」
高橋芽衣:「春君からはしてもらったけど、メイからはしてなかったでしょう?」
高橋芽衣:「そういうの、されっぱなしよりお互いにする方が良いなって思う派なのです」
日立春:「いや……そういう問題なのか……?」そもそもなんで今、とか色々と疑問が過って少し困った顔になって。
高橋芽衣:「これも覚えてくださいね?」
日立春:「……、」何とか色々込めた息を匙ひとつぶんだけ吐き出して。
日立春:「分かった。……意識しておく」
高橋芽衣:「はい!また一歩理解が深まりましたねー」
高橋芽衣:にへーと笑って、そのまま片方の手を差し出す。
日立春:「ああ………、ここは結構人も通るが。気にしないんだな…」
日立春:その手を、こちらからそっと丁寧に取る。
日立春:「こちらから手を取るつもりだったんだが。先にされてしまったな」
高橋芽衣:「元々あんまり照れたりしない方だったんですよね。それがさらに薄まったから、まあむべなるかなというもので」
日立春:「ああ、そういうことか……なるほど」
高橋芽衣:「それに正直嬉しいの方が上なので、ちょっと恥ずかしいくらいだと多分気にも留まらないです」
日立春:「とはいえ、そうだな……」取った手の感触に心臓の拍動がわずか跳ねたのを感じつつ。
日立春:「我ながらどうなのかとも思うが、あまり余人に見せてきみのことを誤解されたくは……ああいや」
日立春:「そういう所を、ほかの人間にはあまり見せたくないらしい。俺は」
高橋芽衣:「ほう」 目を一つぱちくりさせて。
高橋芽衣:「……独占欲ってことです?」
日立春:「…さあ、正直分からん。そうなのかもしれんが」
高橋芽衣:「ふふー」 満足げな笑みを溢し。
高橋芽衣:「これは春君をますます忸怩たる思いにさせちゃいそうなことなんですが」
日立春:「なんだ」
高橋芽衣:「そうやって独占したいなーって思ってくれたり、自分から手を繋ごうとしてくれたり」
高橋芽衣:「見るからに慣れてない恋愛事を頑張ろうとしてる春君、メイ的にかなりかわいくてツボです」
日立春:「………そうか。いや……」俺は可愛くなどないだろう、という反論も。何か負けたような気がする。
日立春:「きみが楽しいなら、俺も嬉しいよ」声音は穏やかに。
高橋芽衣:「うんうん。春君が喜んでくれるならメイもますます楽しいですよ」
日立春:「そうしてるところ、どうしてか目を惹かれるしな」
高橋芽衣:「これは無敵になってしまいますねえ」
日立春:「それはよかった、のかな……」大分出汁にされているような気もしないでもないが。
日立春:「まあ、悪くはない。……ああ、話し込んでしまったけれど。今日は、どこに行こうか」
高橋芽衣:「おっと、そうでした」
高橋芽衣:「ううん……メイとしては、折角恋人になっての初デートなので記念に相応しい場所が良いなあって気持ちですが」
高橋芽衣:「例えば遊園地とか?春君としてはいかがなお気持ちでしょう」
日立春:「そうだな…」すこし考えて。
日立春:「折角昨日色々と話してくれたんだ。俺も遊園地に行ってみたいと思う」
日立春:「どうだろう。記念らしいかは少し分からないけれど、」
日立春:「きみと一緒に行くなら、きっと楽しいだろうから」微かに微笑んで。
高橋芽衣:「了解です!春君の弟さんや妹さんともちょっと行ってみたさありますしね」
高橋芽衣:「まあそれの予行演習とこのデートとは全く別カウントですが、それはそれとして」
高橋芽衣:「遊びのプロのメイちゃんが、春君に遊園地の楽しみ方を伝授して差し上げましょう」
日立春:「…そこまで気にしなくていいんだが…ああ。どうか宜しくお願いする」
高橋芽衣:「はい!そうと決まれば急ぎましょう!」
高橋芽衣:ぱたぱたと、君より随分小さい歩幅をめいっぱい伸ばして君の手を引く。
日立春:「ああ、行くとしよう。ルートは電車で……」その手に引かれていく。
日立春:彼女より大きいはずの歩幅をいっぱいに使って、なんとか置いていかれないように。
日立春:
日立春:彼女の姿を見て、惹かれるようになったのは。
日立春:なにより全身で、だれよりも生きていくことを楽しもうとしていたからだろうか。
日立春:愚にもつかないことを考える。
日立春:自分もそうなれるのだと、彼女はそう言った。彼女のように成り得るのだと。
日立春:…正直、よく分からないままだ。こうしてもらっていても。
日立春:それでも、
日立春:彼女が目の前で楽しもうとしている姿は、とても綺麗で、美しく見えたから。
日立春:
日立春:「ああーー楽しかった。ありがとう、」
日立春:己も、気付けば一歩踏み出してみようと思える。その勇気が、今はこの手にある。
日立春:「芽衣」
ED2:渋土垣根
GM:土曜の午後。
GM:一つの戦いを終えた渋土垣根は鈴木歯科医と書かれた扉を潜ったところだった。
渋土垣根:「ひーーー、いってててて」
渋土垣根:「ジャームとかと戦うよりよっぽどキツいぜ」
渋土垣根:片頬を擦りながら自動扉を出てくる
渋土垣根:「……ちゃんと歯ァみがこう」
相楽未教:「うんうん、良い心がけだね」
相楽未教:「あとはそれがいつまで続くかだけど」
渋土垣根:「わ!」
渋土垣根:「支部長がいるー!どうしたんだよどうしたんだよ!」
渋土垣根:「様子見に来てくれたのかよ!仕事は?」
相楽未教:「例の密室事件の報告も済んで手が空いてね」
相楽未教:「歯医者嫌いの誰かが逃げ出したりしてないか、見張りに来たところ」
渋土垣根:「めっちゃ痛かったよぉ~~~」
渋土垣根:「ていうかドリルを口の中に突っ込むってよぉ~~~」
渋土垣根:「考えたやつ絶対正気じゃねえって!」
渋土垣根:「でも逃げずにがんばりました!」
渋土垣根:「褒めてくれ支部長!」
相楽未教:「本当ならちゃんと歯磨きしていれば受けずに済む苦しみなんだけど……」
相楽未教:「まあ、ちゃんと言いつけ通りに治療を受けたところは評価しようか」
相楽未教:「よく出来ました」 ポンと一度だけ頭に手を置いて。
相楽未教:「これからはちゃんと歯を磨くように」
渋土垣根:「いやったー!へへ、へ」
渋土垣根:「わかってるよぉ」
渋土垣根:「あ、そうだ支部長!」
渋土垣根:「この間のクレープよぉ~~~結局行けなかったからさぁ~~~」
渋土垣根:「今日行こうぜ今日!クレープ!クレープ!」
相楽未教:「ああ、確かに。そうだね」
相楽未教:「垣根君のおすすめメニューにも興味があったし、今から行こうか」
相楽未教:「歯医者のすぐ後に食べるものでもないとは思うけど」
渋土垣根:「あ、あれ?」
渋土垣根:「……いや、大丈夫だぜ!」
渋土垣根:「削った歯に染みてもよぉ」
渋土垣根:「生クリームが甘いから大丈夫だぜ多分」
相楽未教:「無理をするとまた虫歯が悪化するよ?」
渋土垣根:「うう……」
渋土垣根:「クレープ……」
渋土垣根:しょんぼりしている。
相楽未教:「仕方ないなあ」
相楽未教:「じゃあ、私が垣根君のおすすめクレープを買うから、それを一口だけあげよう」
渋土垣根:「やったぜ!」
渋土垣根:「オレ、クレープ食べたいのもそうだけど」
渋土垣根:「支部長においしいもの食べて欲しかったんだよ」
渋土垣根:「絶対おいしいぜ!オレが保証するぜ!」
渋土垣根:「じゃあ早く行こうぜ!行こうぜ行こうぜ!」
渋土垣根:ぴょんぴょんとステップ踏んで小躍りしている
相楽未教:「優しいね、垣根君は」
相楽未教:「ふふ。じゃあエスコートをお願いしようかな」
渋土垣根:「おうおう!」
渋土垣根:「オレみたいなロクでなしのこと構ってくれて」
渋土垣根:「ダンスも教えてくれて、映画一緒に見てくれて」
渋土垣根:「支部長が1番優しいぜ」
渋土垣根:「地球で1番優しい!」
相楽未教:「大袈裟だなあ」
相楽未教:からからと愉快気に笑って、君の一歩後ろを歩く。
渋土垣根:「オレにとっては大袈裟じゃないの!」
渋土垣根:「ホントのことだぜ」
渋土垣根:またニヘヘと笑う
相楽未教:「なら、そうだな」
相楽未教:「ちゃんと優しい支部長に見えるよう、これからも頑張るよ」
渋土垣根:「?」
渋土垣根:「がんばらなくてもよぉ~~~」
渋土垣根:「支部長はそのまんまでいてほしいけどなぁ、オレは」
相楽未教:「……」 ふと目を細めて。
相楽未教:「大丈夫。そのままで居るよ」
相楽未教:「それより、おススメのクレープが何か知りたいな」
渋土垣根:「わかった!」
渋土垣根:「あ、だったらよぉ~~~」
渋土垣根:「支部長もオススメの映画教えてくれよ」
渋土垣根:「オレ、映画がクレープの次に好きになっちゃったぜ」
渋土垣根:「その次はダンス!」
渋土垣根:「支部長が色んなこと教えてくれるから、楽しいことが増えて嬉しい!」
相楽未教:「ふふ、良いよ。ならクレープの次は映画館に行こう」
相楽未教:「豪華な休日になりそうだ」
渋土垣根:「やったー!」
渋土垣根:「うちの支部長は」
渋土垣根:「やっぱり、世界一優しいぜ」
渋土垣根:「いや、きっと宇宙一だ!」
ED3:篠森透
GM:事件の翌日のL市支部医療室。
GM:敵からの精神汚染を受け遺産も行使した樋渡は、大事を取って医療室で安静処置を受けていた。
篠森透:二度のノックの音。
篠森透:「樋渡。僕だ」扉の向こうから呼びかける。
篠森透:「入っても問題ないだろうか」
樋渡瑞祈:「うん、大丈夫」
樋渡瑞祈:声は細く聞き取りづらいが、確かに答えが返る。
篠森透:がらり、と扉を開けて現れる。
篠森透:「ひとまず大事はないと聞いたが……」
篠森透:ベッドの傍らに立ち、君を見下ろす。それから、ゆっくりと頭を下げる。
樋渡瑞祈:「うん。バイタルもメンタルも問題は無いって」
篠森透:「すまなかった。あのような状況とはいえ、君に怪我をさせた」
樋渡瑞祈:「ただ、私の場合は事情が事情だから……ぇ」
樋渡瑞祈:「そ、そんな。元はと言えば私が操られたせいなんだし」
樋渡瑞祈:「篠森君が謝る理由なんてないよ」
樋渡瑞祈:「私の方こそ、ごめんなさい」
篠森透:「……君はそう言うかもしれないが。僕の納得の問題だ」
篠森透:「……」じっとその顔を見る。
樋渡瑞祈:「……」 困ったように眉を下げ、その視線を受け止めている。
篠森透:「一つ、君に聞きたい事がある」
樋渡瑞祈:「う、うん。なに?」 少し首を傾げて。
篠森透:「君が、戦おうとする理由はなんだ?」
樋渡瑞祈:「……最初は、それが当然だったから」
樋渡瑞祈:「私は、UGNの施設で生まれ育って。ずっとUGNチルドレンだったから」
樋渡瑞祈:「それ以外の生き方を知らなかった」
樋渡瑞祈:「カドリングズの皆に会ってからは、皆の役に立ちたいって気持ちもあった」
樋渡瑞祈:「皆のことが大好きだったから。皆と一緒に戦えるのが嬉しかったし、皆のことを少しでも守りたかった」
樋渡瑞祈:「それで、今は」
樋渡瑞祈:「……本当は、前線に復帰したいって進言してたのは、ただ監視が解けてほしかったからなの」
篠森透:「……」
樋渡瑞祈:「私の周りに人が居るのは良くないし、迷惑をかけたくなかったから」
樋渡瑞祈:「でも、そんな理由を抜きにしても、やっぱり私は……」
樋渡瑞祈:「戦うことから、完全に離れられるかは分からない」
樋渡瑞祈:「もしこのまま、この遺産を抱えたまま生きていくなら」
樋渡瑞祈:「きっと戦いからは離れた方が良いんだと思う。今の私が侵蝕を上げるのは危険だから」
樋渡瑞祈:「それでも、でも」
樋渡瑞祈:「……カドリングズの皆と過ごして、分かったの」
樋渡瑞祈:「皆とカラオケやゲーセンで遊ぶのは楽しかったし、皆と食べるご飯は美味しかった」
樋渡瑞祈:「ああいう、日常とか平和って呼ばれるものがどれだけ幸せか、皆のお陰で知ることが出来た」
樋渡瑞祈:「だから、私はそれを守る人間でありたい」
樋渡瑞祈:「……守れる人間でありたい、の方が正しいかな」
篠森透:「そうか」一言、そう言って。
篠森透:「……君の言った通りだ。今回の事件こそ、否応なく巻き込まれたという形だったが」
篠森透:「前線の戦闘に出るという事は……いずれまた、その瞳の力を使わなくてはならない時が、あるかもしれない」
篠森透:「……だが、僕は」
篠森透:「君に、心から望むように生きてほしいと思っている」
篠森透:「戦いたいという気持ちが、君の……人々を想う優しさから出たものなら」
篠森透:「その想いを通す事こそが、きっと、君が君であるという抵抗だ」
篠森透:「今の君の言葉を聞いて、そう思った」
篠森透:「……だから」
篠森透:「僕の傍にいろ。樋渡」
篠森透:「君が戦う間、その力を使わなくて済むようにする。僕がそうする」
樋渡瑞祈:揺れる瞳が君を見上げる。
樋渡瑞祈:「……きっと、たくさん迷惑かけるよ」
篠森透:「問題ない。君一人に背負わせるよりは、よっぽどいい」
樋渡瑞祈:「……そこまでしてもらう理由もないし」
篠森透:「僕がそうしたい。それが理由だ」
篠森透:眼差しを揺らすことなく、静かにそう言い切る。
樋渡瑞祈:「……」 一瞬息を詰めて、目が泳いで。
篠森透:「……"信じられない"か?」
樋渡瑞祈:「……どうしても、少しね」
樋渡瑞祈:「それでも」
樋渡瑞祈:「私自身は、あなたを信じられる人だと思ってる」
樋渡瑞祈:「……信じたいとも、思ってる」
篠森透:「なら、大丈夫だ」
篠森透:「僕は、君がそう思っていることを今、聞いた」
篠森透:「君が、本当は……人を信じることができない自分自身を嫌悪してしまうほど、優しい人である事も知っている」
篠森透:「だから……どれだけ僕を疑ってくれてもいい。僕の言葉に耳を貸さず、否定したって構わない」
篠森透:「君の不信は、本当の君から出たものではないと、僕は知っているのだから」
樋渡瑞祈:「……ありがとう」
樋渡瑞祈:「多分、たくさんあなたの優しさに甘えることになると思う」
樋渡瑞祈:「今まで何度も突き放してきたみたいに」
樋渡瑞祈:「それでも。……それでも」
樋渡瑞祈:「もう少し、頑張ってみようって思えたから」
樋渡瑞祈:「どうか、私がここに帰れるように、私が私で居られるように」
樋渡瑞祈:「見ていて、ほしい」
篠森透:「……ああ。約束する」
篠森透:「僕は君の傍にいる」
篠森透:「君が離れていったとしても、僕は君の帰りを待っている」
篠森透:「この言葉を信じなくたっていい。何度疑ってくれてもいい」
篠森透:「僕は、君のその不信を裏切ってみせる。何度だって、そうする」
樋渡瑞祈:「……ありがとう」
樋渡瑞祈:ぽつりと一つ、温かい涙が落ちた。
GM:『Closed secret 3』 Fin.
GM:皆様お疲れさまでした!
日立春:お疲れ様でした~~~!楽しかったです!
篠森透:お疲れ様でした~!めちゃ楽しかった!
渋土垣根:うひょーー
渋土垣根:おつかれさまでしたーー!
渋土垣根:いやー楽しかった