GM:それでは時間になりましたので、セッションを始めて行きたいと思います。
GM:名前を呼ばれた人はキャラシを貼って自己紹介をお願いします。
GM:PC1の久遠さん!
久遠仁:はい!
久遠仁:(キャラシート)
久遠仁:久遠仁(くどう じん)です。22歳のUGNエージェント。
久遠仁:いつでも騎士甲冑じみたガスマスクを外さない、怪しい風貌の男です。
GM:いつでもなんだ
GM:職質いっぱいされそう
久遠仁:されます
久遠仁:でも性格は気さくで朗らかなほうなので、みんな仲良くしてくれると嬉しいです
GM:その実優しいお兄さんというわけね
久遠仁:そう 弟と妹が居ます
久遠仁:かつて身体改造(非人道的じゃないやつ)の被験者に立候補しており、常に高速での機動が可能になっていますが
久遠仁:その代償として過度の負荷が掛かり、ガスマスクが手放せません
久遠仁:性能的には行動値が23あります。
GM:めちゃはやハヌマーンだぜ
久遠仁:そこから強い素手を作り、餓狼の爪や復讐の刃、デビルストリングなどを合間合間にバシバシ差し込んでいく形です
GM:強いエフェクトがいっぱいあるぜ
久遠仁:そんな感じです!よろしくお願いします!
GM:よろしくね!そんな久遠さんのハンドアウトがこちら
GM:知り合いのチルドレン女子が行方不明になります
久遠仁:心配だな~
久遠仁:探さなきゃ
GM:話が早くて助かるぜ さすが行動値23のおとこ
久遠仁:見つけます
GM:きっと見つかるよ~ 頑張ってね
久遠仁:頑張ります!よろしくお願いします
GM:じゃあ次!
GM:永良さん!
永良ゆづり:はいさい!
永良ゆづり:(キャラシート)
永良ゆづり:永良ゆづり(えいら-)。高校生のUGNチルドレンです。
永良ゆづり:性格は温厚で情に厚く誠実と公正さを重んじますが、
永良ゆづり:初対面の人には塩対応と見た目の胡散臭さで感情を覆い隠します。
GM:顔がいいな……
永良ゆづり:褒めても煙しか出ないわ
GM:かわいいじゃん
永良ゆづり:幼少期は家族を人質に取られ、やむを得ずFHの大規模テロ活動に加担しており
永良ゆづり:その過酷な経験から猜疑心と警戒心が根付きました。
永良ゆづり:UGNに引き取られて以降は、テロ犠牲者への贖罪のため任務に勤しんでいます。
GM:かわいそう……
永良ゆづり:レネゲイドに反応して自然発火する灰煙の生成・操作能力を持っています。
永良ゆづり:また、自身が信頼に値する人間・品物の保有するレネゲイドに限り、
永良ゆづり:浸透することでレネゲイド能力を爆発的に強化させる特性もあるとか。
GM:発火する煙、ハヌサラの表現としてかっこいいな~
永良ゆづり:データはユーティリティガン積みハヌサラ白兵。
永良ゆづり:ロイス管理、火力支援、バディム、範囲攻撃と卑しく役目を稼ぎます。
GM:最強エンブレムだ
永良ゆづり:暗殺者っぽく振舞いつつ人の支援もいっぱいして頑張ります、よろしくお願いします!
GM:よろしくね~!そして永良さんのハンドアウトはこちら
GM:なんかヤバそうなやつに因縁をつけられます
永良ゆづり:煙使いを煙に巻くとはいい度胸ね
GM:かっこいい
永良ゆづり:逆に巻き返してやる気持ちで頑張ります!
GM:絶対ろくでもないやつなので頑張って追い詰めてやってください
永良ゆづり:倒すぞ~~
GM:ネクスト!穂村さん~
穂村 姫乃:うむ。
穂村 姫乃:(キャラシート)
穂村 姫乃:穂村姫乃。日本各地を旅する一介の野良オーヴァード。
GM:今回唯一の無所属枠ね
穂村 姫乃:神への信仰を起源に持つレネゲイドビーイングじゃ。生まれて数百年ほどが経っとる。
GM:竈神!
GM:家事力とか高そう
穂村 姫乃:元となったのは興津比売命。兄神の興津彦命の化身も同時に生まれたが、ここ数百年はあっとらん。
GM:ほぼずっと会ってない
穂村 姫乃:ま、アイツじゃし生きとるじゃろ。そのうちバッタリ会うかもしれん。
GM:悪い奴らに捕まってたりしないといいね……
穂村 姫乃:長生きなので気も長いんじゃな。あと逸れた時期的にお互い連絡手段持っておらなんだ。
穂村 姫乃:GMにそう言われるのめちゃ怖いんじゃが。
GM:大丈夫大丈夫
穂村 姫乃:ううむ……。ともあれ、現世に馴染みつつ楽しく放浪者をやっとるぞ。
GM:今度も良い出会いがあるといいねえ
穂村 姫乃:うむ。期待をしておこう。
穂村 姫乃:能力はブラム=ストーカー/サラマンダー。能力を宿した血を媒介に色々するぞ。
穂村 姫乃:与えた相手を古代種に覚醒させられるし、燃やしてダメージ源にも出来る。
GM:前半すご
穂村 姫乃:そのために抱擁取っとるからな。微調整をすれば古代種に覚醒させずに一時的強化にも使える。
穂村 姫乃:まあこの血のせいで狙われたりもしとるんじゃが。人の子不老好きじゃからな。
GM:覚醒枠導きお姉さんもできてしまうわけね
穂村 姫乃:まあ紹介はこの辺りかの。みなよろしく頼むぞ。
GM:よろしく~ そんな穂村さんのハンドアウトはこちら!
GM:通り掛かった街でなんかいかにもヤバいことが起きてます
穂村 姫乃:神と幽霊が出会うとはまた現代らしからぬシチュじゃな。
穂村 姫乃:まあ儂パチモンじゃけども。
GM:ほんとのところ幽霊なのかなんなのかは君の目で確かめてくれ
穂村 姫乃:確かめてやろう。よろしくお願いします。
GM:一人じゃ大変だと思うのでUGNとかばんばん頼ってってね
GM:よろしくお願いします~
GM:ではさいご!亜藤さん~
亜藤 蘭介:は。
亜藤 蘭介:(キャラシート)
亜藤 蘭介:市外からN市第十二支部に転属した新参エージェント、亜藤蘭介(あとう・らんすけ)です。童顔なのを気にしております。
亜藤 蘭介:そのクセ厳しい顔つきをしているのでよく誤解されますが、人付き合いは割といい方です。
GM:12支部員!
亜藤 蘭介:魔境!
GM:実は今回唯一の既稼働キャラでもある
亜藤 蘭介:そうなんです
亜藤 蘭介:後述の理由からエージェントとしての実力は中の下くらい。本人の談。
亜藤 蘭介:というのも過去、チルドレン時代の任務で出来の良かった双子の妹(ピュアサラ)が亡くなり、蘭介自身も死にかけました。
亜藤 蘭介:何とか一命は取り留めましたがその際、何の因果かピュア・モルフェウスから妹と同じサラマンダー・シンドロームが覚醒し後天的クロスブリードになっております。
GM:ピュアサラは強いからな……
亜藤 蘭介:しかしサラマンダーの方はロクなエフェクトを行使出来ず、モルフェウスの方もピュアと比べて圧倒的にレネゲイドの出力が低下。一時はUGNから除籍も勧められました。
亜藤 蘭介:それを固辞した後、死にもの狂いの鍛錬を経て、何とか前線に復帰出来るレベルの白兵戦闘技術を会得したと同時、気づけば自身のモルフェウス能力も"変異種"と定義される特殊なものへと変貌を遂げておりました。
亜藤 蘭介:その後はエージェントとしていくつかの任務を経て、今に至るようなかたち。苦労してきたぜ。
GM:めちゃ・努力の人だ……
亜藤 蘭介:戦闘はシザリパとドッペルゲンガーを用いた簡易装甲無視+ガード不能の一撃をそこそこの火力で出せるのがウリです。っていうか殆どそれしか出来ません。
亜藤 蘭介:今回は250点環境ということでカバーリングやバステ解除、珍しい所では砂の騎士団も実験投入しております。上手いこと活用出来たらいいなと思いました(小学生)
GM:砂の騎士団ほんとに持ってて二度見しちゃった
GM:揺るぎなき心も珍しいよね……
亜藤 蘭介:見せてやりますよ 彼の力を
亜藤 蘭介:あ、それと
亜藤 蘭介:初期ロイスについてですが、いちまGMの事前許諾を経て、セッション開始前から『妹』のロイスをSロイス指定させて頂いております。
亜藤 蘭介:カラード環境だと色々と使いみちが豊富そうなので、こちらも上手いこと使えていけたらいいなとの思いがあります(中学生)
亜藤 蘭介:そんな感じです!
GM:あっ今回はそういう感じです 上級見て、まあできていいんじゃない?って思ったので……
亜藤 蘭介:有り難く…
GM:というわけで亜藤さんのハンドアウト!
GM:近隣の支部から協力要請を受けました
亜藤 蘭介:俺が見事解決に導いて……アレ……崩壊してません?
GM:ギリギリで持ちこたえ……うーん……
亜藤 蘭介:うおおもう行くしかねえ!がんばります
GM:その意気さえあればなんとかなるぜ!よろしくね
亜藤 蘭介:おねがいします!
GM:じゃあ自己紹介も終わったので
GM:トレーラー貼ってから本編へと移っていきましょう
GM:久遠さんのみ登場可能なシーンです。過去回想なので、登場侵蝕は不要です。
GM:以上になります。
GM:登場は永良さんのみです。登場侵蝕をどうぞ。
永良ゆづり:1d10+32
DoubleCross : (1D10+32) → 10[10]+32 → 42
永良ゆづり:トップスピード
GM:ガンと上がっちゃった
GM:久遠さんのOPです。登場侵蝕をどうぞ!
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を1D10(→ 9)増加 (40 → 49)
久遠仁:ウッ
GM:でっかい…
GM:登場は亜藤さんのみです。登場侵蝕をどうぞ。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (34 → 42)
GM:亜藤さんはもらった資料とか飯綱との会話とかから、上記の内容を知ることができます。
亜藤 蘭介:ありがとうございます!
亜藤 蘭介:「北条サイカ……第五支部か」
"飯綱":「何か思う所が?」
亜藤 蘭介:生憎と面識は無いが。それでも、共に魔街に迫る脅威を戦い抜いた戦友には違いない。
亜藤 蘭介:UGNとして。
亜藤 蘭介:「私はあの市では、まだまだ新参者ですが」
亜藤 蘭介:「限りない恩があります。あの街に、あの支部に」
亜藤 蘭介:強い意志が宿った瞳で"飯綱"に目を向けて。
"飯綱":「……ふむ」少し考えるように顎に指を置いて。
"飯綱":「先程は、君を選んだ理由は私にはないと言いましたが」
"飯綱":「来てくれたのが君でよかった」
"飯綱": 「今は、そのように感じています。個人的な意見としてね」
"飯綱":世辞とも付かない調子でそう口にして。
亜藤 蘭介:「……は」
亜藤 蘭介:「恐縮です」
亜藤 蘭介:気恥ずかしそうに頬を掻いている。
"飯綱":「それでは、"ドイスラッシャー"。少しの付き合いになるでしょうが」
"飯綱":「どうぞ、よろしくお願い致します」
"飯綱":長い背を折りたたんで、深く頭を下げる。
亜藤 蘭介:「最善を尽くします」
亜藤 蘭介:「"飯綱"殿」
亜藤 蘭介:同じように深々と頭を下げて。
GM:最後に、穂村さんのオープニングです。登場侵蝕をどうぞ
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (41 → 42)
GM:落ち着き!
穂村 姫乃:省エネじゃな
GM:次は支部のブリーフィング室での合流シーン……なのですが、まず情報項目が開示されます。
GM:これら全ての調査が完了したところで、調査事項の共有と合流を兼ねたシーンに移ることになります。
GM:つまり、全部開けないと進めません。
亜藤 蘭介:なんだって
永良ゆづり:わぁお
久遠仁:アワワ……
穂村 姫乃:なんてこった
GM:現在公開される情報項目は以下です。
GM:また、前提の情報として以下の内容も共有しておきます。
GM:以上です。難易度が自動成功なものについては、登場し判定を宣言する必要はあるけど、判定自体は成功になるという感じです。
GM:"アモーガ"の拠点はもう制圧したし、後は情報を持っていくだけだから……みたいな感じのあれです
亜藤 蘭介:はーなるほど…
久遠仁:なるほど……
亜藤 蘭介:5項目あるんですが
亜藤 蘭介:1人がアモーガ自動獲得→次の情報項目に挑戦
亜藤 蘭介:みたいな形は踏めるのしょうか
GM:自動獲得でも手番としては消費するので、再度登場侵蝕は振ってもらう必要があります
亜藤 蘭介:ん!了解です!
永良ゆづり:なるほど……
穂村 姫乃:最低でも誰かが1回は再登場する計算か……
久遠仁:こいつはコトだぜ
亜藤 蘭介:低めな人が挑戦する形になるのかなあ
GM:あ。ここに出てない項目が増えた場合、それも開けていく必要があります
亜藤 蘭介:マジ?
永良ゆづり:なんてこと
亜藤 蘭介:こいつはコトだぜ
穂村 姫乃:めちゃ多いかもじゃん
GM:説明はそれくらいかな……判定したい方は登場侵蝕を振った後、それぞれ判定を行ってください。
久遠仁:アモーガを最後に回して その時一番低かった人に登場して開けて貰いますか
亜藤 蘭介:承知~
穂村 姫乃:はーい
久遠仁:いやアモーガから派生する可能性もあるが……まあとりあえず……
亜藤 蘭介:ロール的に失踪者を開きたい気持ちもありますが
亜藤 蘭介:加護あるし何でもいけるかもの気持ち
永良ゆづり:やっていきませう
穂村 姫乃:コネなしならヴァンノワールが一番良いからそこ行こうかな
穂村 姫乃:とりあえず登場
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (42 → 46)
久遠仁:UGNだけあるからモングレル・チェストかな……?
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (49 → 51)
永良ゆづり:私がバディムあるから
永良ゆづり:モングレルやりたい気持ちもある
永良ゆづり:42+1d10
DoubleCross : (42+1D10) → 42+5[5] → 47
久遠仁:じゃあ何か余ったとこ行きます
亜藤 蘭介:じゃあ自分サンディーヴァ行きますね
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (42 → 51)
亜藤 蘭介:ぐええ
永良ゆづり:>"モングレル・チェスト"について 情報:UGNまたは情報:FH-8
永良ゆづり:4dx+2>=8 コネ付き
DoubleCross : (4DX10+2>=8) → 5[1,1,2,5]+2 → 7 → 失敗
亜藤 蘭介:永良ーッ
久遠仁:そんな……
永良ゆづり:噓でしょ……財産点1点使います……
GM:あ、一応財産使用可です
GM:では公開
亜藤 蘭介:ありがとうございます~
亜藤 蘭介:では・"サンディーヴァ"について 情報:FH-9
亜藤 蘭介:《砂の加護》使用。判定ダイス+4
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を3(→ 3)増加 (51 → 54)
亜藤 蘭介:6dx>=9
DoubleCross : (6DX10>=9) → 9[1,4,6,6,6,9] → 9 → 成功
亜藤 蘭介:あぶに
永良ゆづり:お見事!
久遠仁:やったね
穂村 姫乃:ナイス!
GM:では公開
久遠仁:増えた!
亜藤 蘭介:追加ァ!
穂村 姫乃:増えやがった!
永良ゆづり:なるほどね……
久遠仁:とりあえず ・失踪者達について 情報:噂話-7
久遠仁:クソザコ社会で素振りします
GM:どうぞー
久遠仁:2DX>=7
DoubleCross : (2DX10>=7) → 5[3,5] → 5 → 失敗
久遠仁:ミ~ッ
亜藤 蘭介:仁!!!!!!
永良ゆづり:バディム
久遠仁:ヤッタ~~
亜藤 蘭介:ナイスバデム
GM:素晴らしい連携
穂村 姫乃:流石有能チルドレン
永良ゆづり:一文無しになっても貢ぐことは可能
永良ゆづり:私が自動成功で再登場しとけば、もう一回バディム使えるわね
久遠仁:法の抜け穴っぽい
GM:そうなりますわね
亜藤 蘭介:法にも穴はあるんだよな…
穂村 姫乃:あ、そうしてもらえると助かる
永良ゆづり:47+1d10 では再登場
DoubleCross : (47+1D10) → 47+4[4] → 51
永良ゆづり:>・"アモーガ"セルについて 自動成功
永良ゆづり:自動成功!
GM:判定無しで公開!
穂村 姫乃:見るからに碌でもない……
GM:以上です。後見えてるのはバースとヴァンノワールですね
穂村 姫乃:では"ヴァンノワール"についてを行きます
穂村 姫乃:3dx+1>=8
DoubleCross : (3DX10+1>=8) → 10[2,9,10]+10[10]+6[6]+1 → 27 → 成功
穂村 姫乃:なんかすべてを悟ったんじゃけど
永良ゆづり:ブン回し
亜藤 蘭介:古代種の出目ヤバない?
永良ゆづり:黒幕か……?
久遠仁:ヤバすぎ
GM:すごいぜ
穂村 姫乃:儂悪いレネビじゃないのじゃ
GM:以上です。追加項目とかはなし
穂村 姫乃:見るからにヤバなんじゃが
久遠仁:助けてくれ
亜藤 蘭介:ウソじゃん
永良ゆづり:貴方が助けるのよ
GM:頑張って~
亜藤 蘭介:あとは
亜藤 蘭介:・"バース"シリーズについて 情報:FH9
亜藤 蘭介:これですか
GM:ですです
穂村 姫乃:儂が一番侵蝕マシじゃし、儂が行くか
亜藤 蘭介:よろしいですか
久遠仁:お願いします~
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (46 → 49)
穂村 姫乃:おしおし
亜藤 蘭介:マジで登場侵蝕がうまい
久遠仁:生きるのが上手い
GM:では全公開
穂村 姫乃:あ、判定まだしとらん
GM:あ、そうじゃん
穂村 姫乃:1dx>=9
DoubleCross : (1DX10>=9) → 2[2] → 2 → 失敗
GM:眠くてぼけぼけしていた
穂村 姫乃:んん、バデムほしいな
永良ゆづり:はぁい、バディム
穂村 姫乃:これで5で、財産4入れて成功!
亜藤 蘭介:感謝…
GM:お金持ち!では公開
永良ゆづり:やったぜ
久遠仁:すごい
穂村 姫乃:残りは2
GM:全ての情報項目をクリアしたので、次の共有シーンに進めます。(連続したシーンなので再登場は不要です)
GM:全員登場です。登場侵蝕をどうぞ~
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を1D10(→ 5)増加 (51 → 56)
永良ゆづり:51+1d10
DoubleCross : (51+1D10) → 51+1[1] → 52
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (54 → 60)
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (49 → 53)
穂村 姫乃:だーれだ?
穂村 姫乃:あ、便利!
GM:便利に使ってね
亜藤 蘭介:ありがてぇ~~~!
久遠仁:便利すぎ~~~
永良ゆづり:助かり過ぎてしまう
永良ゆづり:さておき、ロイスはまだ保留。購入はもう一回ボデマ
穂村 姫乃:こっちもロイスはまだ保留かな
永良ゆづり:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 7[2,7] → 7 → 失敗
久遠仁:ロイスとりあえず保留で……ボデマかな
亜藤 蘭介:どうしようかな~~ん~~保留しとこう まだ会話チャンスありそうだしネ
久遠仁:2DX+2>=12
DoubleCross : (2DX10+2>=12) → 5[4,5]+2 → 7 → 失敗
穂村 姫乃:購入はダメ元メイド服
永良ゆづり:うーんせちがらし。以上です
久遠仁:ダメ!以上
穂村 姫乃:1dx+1>=20
DoubleCross : (1DX10+1>=20) → 2[2]+1 → 3 → 失敗
亜藤 蘭介:ボデマ狙いましょう
穂村 姫乃:キットも買えん。以上!
亜藤 蘭介:3dx+1>=12
DoubleCross : (3DX10+1>=12) → 9[3,7,9]+1 → 10 → 失敗
亜藤 蘭介:おっこれは
永良ゆづり:バデム!
亜藤 蘭介:やっぴ~!
亜藤 蘭介:じゃあバデムしてくれた永良ちゃんにパスしよ
永良ゆづり:わぁい!!
亜藤 蘭介:着な!
永良ゆづり:あざます~~装備!!
GM:みんな以上かな ではいきます
GM:──君達は、夢を見る。
GM:それは、戦いの記憶だ。
GM:物心ついた頃からずっと、陽射しの届かない地下区画で育てられていた。
GM:子供らしい自由はなく、命じられるままに戦い、都合の良い道具として育てられた──これは、そこから脱却するための決起。
GM:恐怖はあった。「もはや後戻りできない」という事実は、身の竦む重圧を生む。
GM:もしもこの反抗が失敗し、再び彼らに囚われる身となることがあれば、どのような目に遭うか。想像するだけで背筋が冷えた。
GM:だが、それ以上に。
GM:君達の人生を管理していた、蛇のような目をした白衣の研究者達が一人、また一人と目の前に倒れ伏して行く姿を見る度に、湧き起こる高揚感があった。
GM:その熱が、身を凍えさせる恐怖を麻痺させていった。
GM:……どれほどの時間が経っただろうか。
GM:スピーカーから、君達のリーダーの声が響く。それは即ち、奴らの要──情報室を占拠したという事だ。
:「聞け。──俺達の、勝ちだ!」
GM:首に掛けられていた識別票を乱暴に外す。
GM:命令違反を咎める忌まわしい電流は、もはや発生する事はない。
:「俺達を縛るものは、もうどこにもない!俺達は──」
GM:どこかで歓声が上がった。
GM:周囲にいた何人かが、あるいは君達自身もがその後に続く。
:「俺達は、自由だ!」
GM:その胸を満たすのは、陶酔的な熱狂。そして、これから先に続く未来への期待だった。
???:Eロイス「虚実崩壊」によって展開されている効果が適用されます。
GM:君達の持つハンドアウトの内容が変更されます。内容は以下の通り。
GM:これが全員分の。続いて個別のハンドアウトを展開します。
GM:ハンドアウトは以上となります。
久遠仁:???????????????????????
亜藤 蘭介:以上となりますじゃないが
穂村 姫乃:儂、儂は……?
穂村 姫乃:少女……?
永良ゆづり:私達はFHの実験体だったのか……知らなかった……
GM:少女です
GM:また、PL向けのメタ情報として以下をお渡ししておきます。
GM:これはPCは把握してない情報ですが、ロール指針としてPLに状況を把握してもらうためのものです。
GM:以上です。質問があれば答えられる範囲でお答えします。
GM:今日は概ねここで切るので、次回セッションまでの間に質問投げてもらうのでも大丈夫です。
久遠仁:なるほど………………
亜藤 蘭介:はい…………………………
久遠仁:やったなマコト! またぼくらのコンビで勝負を決めたな!
永良ゆづり:なるほどね、完璧に理解したわ
穂村 姫乃:そっか……儂は、いや私は……
GM:次以降のシーンですが、更新されたハンドアウトに基づいてそれぞれのオープニングシーンに移っていきます。
GM:また今後のシーンでは登場侵蝕による上昇が不要となります。
GM:ただしそのかわりに、──螟「逡──梧ア壽沒蛟──、縺?轤ケ縺壹▽荳頑?縺励∪縺吶?──────
GM:久遠仁の?????を5増加 (0 → 5)
GM:永良ゆづりの?????を5増加 (0 → 5)
GM:穂村 姫乃の?????を5増加 (0 → 5)
GM:亜藤 蘭介の?????を5増加 (0 → 5)
GM:以上です。
GM:マスターシーンです。PCの登場はありません。
GM:以上です。
羽海束沙:足を止め、耳を傾ける。
羽海束沙:俯き、ギターを弾きながら歌い続ける少女は、こちらの姿に気づくこともない。
萩原カノン:「──"どうして私達は 自分を赦してあげられないの"」
萩原カノン:「"背負いたくもないもの背負って 行きたくもない場所に行くんだ"」
羽海束沙:落ち着いた曲調のバラードだった。傷ついて疲れ果てた兵士が、戦わなくていい理由を探している歌。
羽海束沙:リズムはありふれていて、声量は不安定で、ピッキングはぎこちない。
羽海束沙:だけど、どこか耳を傾けてしまう力があるように感じられた。
萩原カノン:「"chesspiece syndrome 自分の救い方なんて"」
萩原カノン:「"どこの誰にも 教わらなかったからさ"」
羽海束沙:それはあるいは、彼女が自分の知る世界で感じた言葉を歌っていて
羽海束沙:その同じ世界で、私達は一緒に生まれ育ったからなのだろう。
萩原カノン:演奏を終えて、一礼。淡々と楽器を片付け始める。
GM:まばらな拍手が鳴って、僅かに集まっていた通行人達も、そこらへと散り始める。
萩原カノン:「あ……」そこでようやく、知人の顔に気付いたらしい。
羽海束沙:「ああ、その……」
羽海束沙:勝手に聴いていた事に、なぜか気恥ずかしさを覚えてしまいながらも。
羽海束沙:「素敵だったわ」拍手を止めて、そう声をかける。
萩原カノン:「……えっと」長い睫毛をしばたかせる。少し言葉に迷って。
萩原カノン:「お世辞じゃない……?」
羽海束沙:「何よ。普通に本心なんだけど……」
羽海束沙:「技術の巧拙と創作物の良い悪いは、また別でしょう」
萩原カノン:「……う。その」
萩原カノン:「私、自分でまだまだ下手だなって思うから……」
萩原カノン:「……ごめん。めんどくさくて」俯いたように頭を下げる。
羽海束沙:「……別に、謝ることないけれど」
羽海束沙:「何、ミュージシャンにでもなりたいの?貴方」
萩原カノン:「……」びくり、と肩が動く。眉を微かに動かして、頬を染める。
羽海束沙:「いや、そんなとこで今更恥ずかしがらなくても……」
羽海束沙:「こんなとこで歌ってる時点でよっぽど高いハードル越えてるんじゃん……」
萩原カノン:観念したように、こくりと頷いて。
萩原カノン:「……ずっと前、私がここじゃないセルに居て」
萩原カノン:「生まれて初めて、人を殺して……その、帰りに」
萩原カノン:「街頭の、大きなスクリーンで。歌ってる人を見たの」
羽海束沙:「……」
萩原カノン:「……その歌に救われたとか、心が洗われたとか」
萩原カノン:「そんな綺麗な話じゃないんだけど」
萩原カノン:「その人が……すごく、輝いていて、楽しそうだったから」
萩原カノン:「……羨ましかったんだ」
萩原カノン:「世界には、あんな生き方もあるんだって、思った」
萩原カノン:「もちろん……そんなの、私には無理だって諦めてたけど」
萩原カノン:「……今は、諦める理由もなくなったから」
羽海束沙:「……そっか」
羽海束沙:どこか眩しいものを見るように、目を細めて。
羽海束沙:「ねえ。貴方がほんとに歌手になれるかは、わかんないけど」
羽海束沙:「貴方がなりたいものには、結構近づいてるんじゃないかって思うよ」
羽海束沙:「だって、いま私」
羽海束沙:「『楽しそうだし、輝いてるな』……って、思ったもの。貴方のこと」
萩原カノン:「……!」
萩原カノン:「ぁ……ありがとう」
羽海束沙:「ううん」
羽海束沙:ずっと迷っていた心が、すこし晴れたような気がした。
羽海束沙:彼女のように、自分の願いを追いかける仲間が、ちゃんと望む場所に辿り着けるようにする。その手伝いをすること。
羽海束沙:学校に通えてなくたって、超常の力を持っていたって、普通に夢を追いかけられる環境を作ること。
羽海束沙:それはきっと、私が心からやりたいことの一つなんだろうと。
羽海束沙:……彼女と話したおかげで、そう気づけたから。
羽海束沙:「礼を言うのは、私の方」
萩原カノン:「……あの」
萩原カノン:「また、ここで。16時」
萩原カノン:「だいたい毎日、歌ってるから……仕事とかなければ、だけど」
萩原カノン:「気が向いたら来て。次は……」
萩原カノン:「……次は、もっと上手くなってる。はず、だから」
羽海束沙:「ふふ……そうなんだ」
羽海束沙:私自身の未来の事は、やっぱりまだ分からないけれど。
羽海束沙:一つ未来の楽しみが増えた、と思う。
羽海束沙:彼女がいつか、輝かしい舞台に立つような日が来るのかもしれないと。
羽海束沙:「じゃあ、期待してる」
羽海束沙:ひらひらと手を振り、背を向ける。
羽海束沙:去っていく足取りは、ここへ来た時よりも幾分と軽かった。
GM:シーンカット。
GM:亜藤くんのみ登場です。前回説明したように、登場侵蝕はありません。
GM:亜藤 蘭介の?????を1増加 (5 → 6)
亜藤 蘭介:「……何度も言うけどよ」
亜藤 蘭介:目の前の獣じみた笑みを浮かべる男とは対照的に、まだあどけなさの残る表情を浮かべた少年が口を開く。
亜藤 蘭介:「俺でいいわけ? もっとランク上の奴とか。幾らでも居るだろうよ」
亜藤 蘭介:黒色のトロンボーン・ケースから己の得物を抜き。上段に構えつつため息を吐く。
水上ケイ:「なんでって……そりゃあ」ぽりぽりと頭をかいて。
水上ケイ:「ある意味物好きなんだよ。俺も、お前も」
亜藤 蘭介:「……あーそういうシュミは……ん?」
亜藤 蘭介:「俺も?」
亜藤 蘭介:含みの有る言い方に首をひねる。
水上ケイ:「ある意味、平和になったからだろ。理由もなく進んで戦いたがる奴とか、そういねえんだよ」
亜藤 蘭介:「……まー、そうだろうよ」
水上ケイ:「ましてや俺が相手ってなるとな」
水上ケイ:「お前はなんだかんだ言って、付き合ってくれるじゃねえか」
亜藤 蘭介:「………」ばつが悪そうに頬を掻く。
亜藤 蘭介:「逆だから、かな」
水上ケイ:「……逆?」首をかしげる。
亜藤 蘭介:「ちょっと前までは、考えられなかっただろ」
亜藤 蘭介:「当たり前に、下らない話で盛り上がって」
亜藤 蘭介:「当たり前に、温かいメシを食うことが出来て」
亜藤 蘭介:「当たり前に、柔らけえベッドの上で眠ることが出来る」
亜藤 蘭介:「こんな日々、さ。考えられなかっただろ。だから……」
亜藤 蘭介:「もう二度と、あんな悪夢はごめんだ」
亜藤 蘭介:柄を固く握りしめる。
水上ケイ:「……ああ、なんだ」
水上ケイ:「やっぱ、気が合うじゃねえか」
亜藤 蘭介:「かもな」
亜藤 蘭介:「平和だからこそ。俺たちは。備えねえといけねえんだ」
亜藤 蘭介:「来いよ。ランク2位」
亜藤 蘭介:「下剋上される準備も出来たか?」
水上ケイ:「はっ……威勢が良いじゃねえか、67位」
水上ケイ: 「先手一発、取らせてやるよ。下剋上チャンスだ」親指で自分の喉を指し示す。
水上ケイ:「それくらい、妥当なハンデってやつだろ」
水上ケイ:構えるでもなく、直立。無防備に君の初撃を待っている。
水上ケイ:甲皮による防御はおろか、領域の展開すらも行わない。
水上ケイ:あるいは行った所で、君の持つ得物に対しては無力だと理解しているのかもしれないが。
亜藤 蘭介:「ったく」はっ、と笑って。
亜藤 蘭介:「後悔するんじゃ」
亜藤 蘭介:言葉を切って、即座に地を駆ける。
亜藤 蘭介:間合いを詰め、身を捻りながらの一閃。
亜藤 蘭介:「(余裕ぶりやがって)」
亜藤 蘭介:内心で舌打ちしつつ、そのまま身を引き裂かんと得物を振るうが。
水上ケイ:「……っ!」歯を食いしばり、血を噴き出しながら堪える。
水上ケイ:ただ純粋な生命力によって、君の攻撃を受けきった。《リザレクト》の発動──にすら、至らない。
亜藤 蘭介:「(浅ェ!)」
亜藤 蘭介:幾度の模擬戦を重ねても、なお予想を遥かに上回るタフネス。
水上ケイ:そうして、一撃を受けきってから──動き出す。自らの血を頬に被りながら、横転。
水上ケイ:同時、弾くような蹴りを放ち間合いを取り直して。
亜藤 蘭介:「ぐっ────」
水上ケイ:「っ──さァて」片手で頬の血を拭いながら。
水上ケイ:「戦うか」
水上ケイ:両手をだらりと伸ばし、構えた。極小の領域展開、開いた十本の指を覆うように。
水上ケイ:ぎらり、と金属刃めいた超硬度の黒爪が瞬時に伸びきる。
亜藤 蘭介:崩れそうになった体躯を制御しながら、僅かに眉を潜める。使うか?
亜藤 蘭介:「(まだ、だ!)」
水上ケイ:「行くぞ」不意に、身を沈める。
水上ケイ:ともすれば消えたと見えるような前傾姿勢──昆虫めいて脚を折り曲げ、地を這い迫る。
亜藤 蘭介:雄叫びを上げ、目を凝らす。重要な器官を狙うものだけを得物で斬り落とし、他はそのままに。
亜藤 蘭介:「(ここだ!)」
水上ケイ:──ガッ ギィン!!
水上ケイ:広げた両手の切っ先が抱くように通過しようとして、僅かに弾かれた。
亜藤 蘭介:黒爪を弾いたのは。蘭介自身ではなく。
亜藤 蘭介:蘭介の放つレネゲイドに呼応し集束した、ヒトを象った瓦礫の破片。
亜藤 蘭介:畳み掛ける。
水上ケイ:「っはぁ!やるな!!」歓喜にも似た咆哮。
亜藤 蘭介:《炎の理》
亜藤 蘭介:五指に灯った小さな火が、吸い込まれるようにヒト形のそれに色を付けていく。
亜藤 蘭介:変異種であるモルフェウス能力者の、自身のみが行使できる能力。
亜藤 蘭介:"同位体(ドッペルゲンガー)"と呼ばれる、その姿は。俺と瓜二つの外見である。
亜藤 蘭介:筈だった。
???:「……」
???:そこに現れたのは、君の似姿ではなく
???:ウェーブがかった美しい金髪と、真紅の瞳を持つ少女だった。
亜藤 蘭介:「───────」
亜藤 蘭介:記憶にない少女の姿だった。
亜藤 蘭介:セル内のメンバーにも、自由を経てからも。こんな少女に出会った覚えなどない。
亜藤 蘭介:なのに。
亜藤 蘭介:「は………?」
亜藤 蘭介:視界が霞む。
亜藤 蘭介:心臓を掴まれたように、その身が止まる。
亜藤 蘭介:訳が分からない。今、ただひとつ分かるのは。
亜藤 蘭介:この隙を逃すほど、あいつは甘くないということだけ。
水上ケイ:「──っ!」初撃を弾かれた直後。いつの間にか背に生えた数本の腕と尾が、床を叩いている。
水上ケイ:その反動が崩れかけた姿勢を支え、更なる踏み込みを生み出す。
亜藤 蘭介:我に返った時には、既に水上は目の前。
水上ケイ:攻め手は上段と下段より同時。振り下ろす獣爪と伸び上がった尾先──
水上ケイ:その挟撃に打ち据えられて、君の意識は絶えた。
GM:君が目を覚ましたのは、硬い訓練場の床の上だ。
GM:何があったか、すぐに思い出せるだろう。傍では大男が医療キットを手に、慣れた手付きで君の傷を手当していた。
亜藤 蘭介:「んがッ……」
水上ケイ:「……おう。起きたか」
亜藤 蘭介:全身がまだ悲鳴を上げているような鈍い痛みを必死で堪えて。
亜藤 蘭介:「あんがとよ」礼を口にして。
水上ケイ:「こっちの台詞だっての」
亜藤 蘭介:「はあーっ……何だよ、アレ……」
亜藤 蘭介:ごろりと、床に大の字に。
水上ケイ:「どうしたんだよ、お前。最後、急に止まったように見えたが……」
亜藤 蘭介:「どうしたも何も……」
亜藤 蘭介:「見えただろ? 俺の分体。知らない女の子のツラになってたじゃん」
亜藤 蘭介:「あんなの初めてだよ。スゲー動揺しちゃって、このザマ」
水上ケイ:「ああ……なんか、いつもと違うことしようとしたのかと思ったんだが」
水上ケイ:「そういう訳でもねえんだな」
水上ケイ:こちらも心当たりはないという様子で。
亜藤 蘭介:「違うようなことをしようとしていたのは、本当」
亜藤 蘭介:「いつもと同じように攻めても、お前には通用しねえし」
亜藤 蘭介:「工夫してかないと、勝てないじゃん」
水上ケイ:「ああ。そうだな……あそこで弾かれたのは驚いたわ」
水上ケイ:「よく集中できてたし、良い手筋だったと思う」
亜藤 蘭介:「……へへっ」
亜藤 蘭介:実力を知っているだけに、真っ当に褒められるとこそばゆいものがある。
水上ケイ:「しかし……まあ、謎だよな」顎に手を置いて、首を傾げる。
水上ケイ:「知ってるやつが出てくるってんなら、なんか予想も立てられそうなもんだが」
水上ケイ:「マジで知らない相手なのか?」
亜藤 蘭介:「………う~~~~ん」
亜藤 蘭介:頭を抱えて何とか思い出そうと試みるも。
亜藤 蘭介:「知らねえ………と、思う。けど」
亜藤 蘭介:「知っている気もする……」
亜藤 蘭介:「みたいな……?」
水上ケイ:「なんだそりゃ……」
水上ケイ:「つったら、逆に……やろうと思えば、知ってるやつの影も出せたりすんのかな」
水上ケイ:「それだったら、チームでの揺動とかに使えたりしそうなもんだが」
亜藤 蘭介:「どうだろ? 多分、出来ないと思うぜ」「エンジェルハイロゥやソラリスみたいな能力って訳でも無いしさあ」
亜藤 蘭介:「あくまで自分と瓜二つの分体が創造可能である能力……だったかな」
亜藤 蘭介:思い返すも忌々しい、研究者どもが口にしていた自身の能力の定義をそのまま声に出して。
水上ケイ:「そういうもんなのか……俺はどうもその辺の感覚はわからんから、練習する価値はあるんじゃないか?と言いたくなってしまうが」
亜藤 蘭介:「天才野郎がよぉ……」
水上ケイ:「クク……ま、無理ならそれでいいんだ」
水上ケイ:「無理してぶっ壊れたんじゃ、あいつらとやってること同じだしな」
亜藤 蘭介:「ん。だな……」
亜藤 蘭介:ならもっと加減しろよ、という言葉を飲み込む。マジで手心加えられてもムカつくし。
水上ケイ:「……理由はうまく説明できねーんだけどよ」
水上ケイ:「俺も、正直ちょっと焦ってんだ」
亜藤 蘭介:「………」
亜藤 蘭介:「意外だな」
水上ケイ:「なんつーか、全部上手く行き過ぎてるっていうか……」
水上ケイ:「だからこそ、ぶっ壊れんのが怖いっつーか」
水上ケイ:「"ヴィローシャナ"だって、大概やばい敵だったけどよ」
水上ケイ:「世界には、もっと強くてとんでもないやつがいるわけだし」
亜藤 蘭介:「……下手に得ちまったからこそ」
亜藤 蘭介:「失うのが、恐ろしい」
水上ケイ:「……ああ」
水上ケイ:「俺や強いやつだけ生き残ったって、意味ねえしな」
水上ケイ:「そういう滅茶苦茶なのを相手にして。全員、欠けずに守りきろうって考えたらよ」
水上ケイ:「まだまだ、全然足んねえんだろうなって……」
亜藤 蘭介:「……お前は本当に」
亜藤 蘭介:「仲間想いの優しい奴だよな。全然顔に合ってねえのに」
亜藤 蘭介:くく、と思わず笑いが溢れてしまう。
水上ケイ:「……チッ。褒めるかバカにするか、どっちかにしろっつーの」
水上ケイ:「反応に困んだろうが」
水上ケイ:それでも、どこか緊張のほぐれたように伸びをして。
水上ケイ:「……飯でも食いに行くか」
亜藤 蘭介:「駅前のラーメン屋がいいな」
水上ケイ:「またか?まあ、俺も好きだけどよ」
亜藤 蘭介:「クーポン持ってる。餃子付き」
水上ケイ:「お、ナイスじゃねえか」
水上ケイ:「その後コンビニも行こうぜ。新しく発売したプリンが気になっててよ」
亜藤 蘭介:「いいぜ。プリン……くっ。くくっ……」
水上ケイ:「ああ?ンだよ。めちゃくちゃ美味いだろうが、プリン」
亜藤 蘭介:「それ以上その面でその三文字を口にするんじゃねえ。死んじまう」
水上ケイ:「バーカ、勝手に死んどけよ……おら、行くぞ」
水上ケイ:照れ隠しかどうかは分からないが、すたすたと急ぎ足で出口へと歩き出す。
亜藤 蘭介:傍らに置いてあったケースを背負って。水上の後に続く。
亜藤 蘭介:確かな満足感と。満たされることのない何かが。
亜藤 蘭介:頭の中で渦巻いている。
亜藤 蘭介:"あの少女"は。何故
亜藤 蘭介:悲痛そうな表情を浮かべていたのか。
亜藤 蘭介:考えても、考えても。答えは出なかった。
GM:登場は穂村さんのみ。登場侵蝕は不要です。
GM:穂村 姫乃の?????を1増加 (5 → 6)
日下部ルリカ:「さーて、まだ映画まで時間あるよね。次は何しよっかな……」
日下部ルリカ:筐体に銃を戻して、ふらふらとその辺りを歩き出す。
穂村 姫乃:「銃撃つのはぶっちゃけゲームじゃなくても出来るし、なんかゲームらしいやつやんない?」
穂村 姫乃:「アレとかさ」 そう言って立ち並ぶリズムゲームの筐体たちを指さす。
日下部ルリカ:「や、逆に玩具だとどんな感じか気になったんだよね……おっ」
日下部ルリカ:「なんだろ、これ。タイミングよく踏めばいいのかな」
日下部ルリカ:一人、先にプレイしていた人の画面を横からそろりと覗き込みながら。
穂村 姫乃:「多分矢印通りに踏む感じ?結構体動かすやつだ」
穂村 姫乃:同じく覗き込んで。 「これ行ってみる?」
日下部ルリカ:「オッケー、やろやろ」
日下部ルリカ:筐体に近づいてコインを入れながら。
日下部ルリカ:「……お、こっちは対戦モードと協力モードとあるんだ」
日下部ルリカ:パネルを操作していた指が止まる。
穂村 姫乃:「ほほう」 すっと目を細めて。
穂村 姫乃:「手を組むか剣を取るか。二つに一つという訳だ」
日下部ルリカ:「姫乃ちゃんはどっちにしたい?」
日下部ルリカ:「私を敵に回すのが怖いなら協力してあげてもいいよ?なーんて」
穂村 姫乃:「私にはこれと決めてる人生の指針があってね」
穂村 姫乃:「ズバリ、『選ぶなら面白そうな方』」
穂村 姫乃:そう言って横から手を伸ばし、勝手に対戦モードを選択する。
日下部ルリカ:「あはっ」愉快そうに笑う。
日下部ルリカ:「いーよ。吠え面かかせたげる」袖をまくりながら、パネルの上に移動する。
穂村 姫乃:「その台詞、そのままお返ししてあげよう」
穂村 姫乃:鞄を付属のボックスに放り込み、パネルの上で身構える。
GM:じゃあ先に勝敗の判定しましょうか。「回避」または「芸術:ダンス」で
穂村 姫乃:回避の方で振ります!
穂村 姫乃:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 6[1,4,6] → 6
穂村 姫乃:びみょい
日下部ルリカ:こっちは芸術の方で
日下部ルリカ:流石に侵蝕Bは抜いておくか……
日下部ルリカ:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 10[4,5,6,8,10]+8[8] → 18
穂村 姫乃:めちゃ上手いじゃん
日下部ルリカ:ふふんす
日下部ルリカ:「おっ……なるほど、こういう感じね」
日下部ルリカ:パネルを踏む感触を少しずつ確かめるようにしながら、軽快に踏んでいく。
穂村 姫乃:「む、う……」
穂村 姫乃:特別身体能力が高いタイプではない。流れる譜面を凝視しながら必死に足を動かしていく。
日下部ルリカ:「よっ、と……」
日下部ルリカ:目の前の画面にひたすら集中している様子で、少しずつ口数も少なくなっていく。
穂村 姫乃:同じく無言。完璧には追いつけないながらも無心で矢印を追いかけて。
穂村 姫乃:(……?)
穂村 姫乃:一瞬。
穂村 姫乃:まるで流れる譜面に見覚えがあるかのように、あるいは同じステップを踏んだことがあるかのように足が自然と動いて。
穂村 姫乃:内心で首を傾げるうちにも譜面は流れ去っていく。
日下部ルリカ:こちらは、君の側がどうなっているのかも意識の外にあるようだ。ただ黙々と譜面を消化し続けて、
日下部ルリカ:「んん……あ、終わりか」
日下部ルリカ:ふう、と息を吐いて。
穂村 姫乃:「はぁーっ……はぁーっ……」
日下部ルリカ:「やあ、何個かミスっちゃったな……でも中々じゃない、これ?」
日下部ルリカ:ほぼパーフェクト手前くらいのスコア表を見て、ふふんと得意げに笑う。
穂村 姫乃:「え、マジ?初見で?」 完全に肩で息をしており、言われてようやく画面を見上げる。
日下部ルリカ:「ほほう、姫乃ちゃんも中々頑張ったね」君の方のブースを覗き込みながら。
穂村 姫乃:「うっさい……今ルリカに言われても嫌味にしかなんないやつじゃん……」
穂村 姫乃:初見にしてはマシだが、決して良いとは呼べない数値。
日下部ルリカ:「や、ごめんごめん……私はほら、戦闘でも身体かなり動かすタイプだし」
日下部ルリカ:「能力が能力だもん……や、エフェクトはもちろん使ってないけどね?」
日下部ルリカ:「それでも、動体視力とか鍛えられてるっていうか」
穂村 姫乃:「そりゃエフェクト使ったらズルじゃん。反則でペナルティだよそんなん」
穂村 姫乃:筐体についているバーに寄り掛かりながらどうにか息を整えて。
穂村 姫乃:「それで言ったら体動かさないし銃使わないのに、今もさっきもかなり良い線行ってない?私」
日下部ルリカ:「それだよね。射撃訓練とかしたことあるっけ?」
穂村 姫乃:「ぜーんぜん?前からRC一本だし」
日下部ルリカ:「へえ、そりゃほんとに才能かも」素直に感心した様子。
穂村 姫乃:「マジか。私にこんな秘められた才能が」
穂村 姫乃:「こっからプロゲーマーでも目指してみようかな」
日下部ルリカ:「ゲームにプロなんてあるの?」
穂村 姫乃:「あるよ、あるある。今どきプロって概念は何にでも存在するもんだし」
穂村 姫乃:言いながら鞄を拾って。
日下部ルリカ:「ええー、私も目指してみよっかなあ」
日下部ルリカ:そんな事を話しながら、次のゲームを探して歩き出す。
穂村 姫乃:「良いねぇ。二人でタッグ組んで大会でも出てみよっか」
穂村 姫乃:その横に並びながら、少しの違和感。
穂村 姫乃:(……なんかまるで、知ったようなこと言っちゃったな)
日下部ルリカ:「そういえば、この店でもちょっとした大会とかやってるみたいだよ」
日下部ルリカ:「さっき張り紙で見た。今日じゃなくて来月だけど……」
穂村 姫乃:なんにでもプロは存在する、なんて。三か月前までリズムゲームがどういうものかも知らなかったくせに。
穂村 姫乃:「お、なら特訓する時間もあるじゃん」
日下部ルリカ:「やっちゃいますか?チーム名とか決めて……」
穂村 姫乃:パッと思考が切り替わる。つまらない過去ではなく楽しい未来について。
日下部ルリカ:「……むっ、あれは」ふと足を止める。
穂村 姫乃:「もう一人二人くらい誘っても良いかもね。ほら、久遠とか……」
日下部ルリカ:視線の先には、UFOキャッチャーの筐体。
穂村 姫乃:「ん?」 こちらも視線の先を覗き込んで。
日下部ルリカ:「や、あのでっかいウサギのクッションいいなーって」
日下部ルリカ:「寝心地良さそうだし……部屋に持って帰って抱きしめたいかも」
穂村 姫乃:「ほうほう。なら勝ち取るしかないですな」
穂村 姫乃:「というかめっちゃかわいいな。私も普通に欲しい」
日下部ルリカ:「いいよね……よし、やるっきゃないと見た。映画の時間まで後ちょっとだし」流れるようにコインを投入。
穂村 姫乃:「頑張れ~」 ひとまず応援の構え。
日下部ルリカ:「んー……」じっとパネルの説明を見て。
日下部ルリカ:「……簡単すぎない?」
日下部ルリカ:「タイミングよく2回押すだけ、なんて……」
日下部ルリカ:呟きながら、小さな手でタン、タンと迷いなく操作パネルを叩く。
日下部ルリカ:果たして狙いの場所で止まったアームは、クッションに紐付くラベルを引っ掛け……
日下部ルリカ:しかし、アームが重さに耐えられずにだらりと伸び、落としてしまう。
日下部ルリカ:「ええ~、そんなのあり……?」
穂村 姫乃:「これ、アーム弱いね。マジで取れるのかな」
日下部ルリカ:「どう引っ掛けても取れる気が……ううん」
穂村 姫乃:「あ、ひょっとして連打前提とか?ちょっとずつズラしてくみたいな」
日下部ルリカ:目を凝らして筐体の中をじっと覗き見ながら。
日下部ルリカ:「……それしかないかも。今のでちょっとだけ動いたし……」
日下部ルリカ:「……多分、あと20回……いや、もう少し……?」頭の中で見積もっているらしい。
穂村 姫乃:「んー。それだけやったら出来そうなのもすごいけどさ」
穂村 姫乃:「映画間に合わなくない?」
日下部ルリカ:「そうなの……」
日下部ルリカ:「後は……正攻法じゃなければ、なんとでもなるけど……」髪をくるくると弄る。
日下部ルリカ:「それやったら実質負けだからなぁ……」
日下部ルリカ:能力を使う事を言っているのだろう。
穂村 姫乃:「じゃあさ。とりあえず今日は他の獲物で許してやらない?」
穂村 姫乃:「どーせ明日も来れるんだし」
日下部ルリカ:「……むむ。そうするかぁ」
日下部ルリカ:「何も取れないまま帰るってのは流石に、女が廃るもんね」
穂村 姫乃:「そうそう。例えば手近なとこでこれとか」
穂村 姫乃:そう言ってクッションの横の筐体を差す。中身は同じシリーズらしいうさぎのストラップ。
穂村 姫乃:表情違いのうさぎたちが山のように積まれている。
日下部ルリカ:「お、かわいい」
日下部ルリカ:「じゃあ、そいつをセットで貰っていこうか。私と姫乃ちゃんでお揃いにしよ」
日下部ルリカ:そう意気込むと、財布からもう一枚の500円玉を取り出した。
GM:---
GM:緑坂市 繁華街 バーガーショップ
GM:---
GM:映画館を出た君達は、すぐ近くのファストフード店に立ち寄った。
日下部ルリカ:「ふぃ~、お疲れお疲れ。すごかったねぇ」
日下部ルリカ:メニューにある中で一番高い値のついた期間限定のハンバーガーを頼んで、もそもそと食べている。
穂村 姫乃:「あんなド派手なもんなんだね、映画」
穂村 姫乃:ダブルチーズバーガーのセットに期間限定のシェイクとパイ、おまけにナゲットまで並べている。
日下部ルリカ:「ね。普通の人間が殴り合ってるのとか、あんな派手に見せれるもんなんだなあ」
日下部ルリカ:「かなり感心しちゃったよ」
日下部ルリカ:「あと、主役の親友役の人がイケメンだった」
穂村 姫乃:「分かる。主役食ってたとこあったよね」
穂村 姫乃:「でも私はあっち派だな。敵の幹部の金髪君」
日下部ルリカ:「あ~、あいつも確かに顔良かったよね」
穂村 姫乃:「でしょ。もうちょい出番欲しかったな……」
日下部ルリカ:「でもナンパ癖あるのはそれだけでちょっと萎えちゃうんだよな、私」
穂村 姫乃:「あぁー。ルリカがそうなの、なんか納得がある」
穂村 姫乃:「でも良くない?ナンパだって機会の一種だよ」
日下部ルリカ:「ううーん、そうかもしれないけど……」
穂村 姫乃:「こっちから行かなくても向こうから声かけてくれるって点だけでも評価出来るじゃん」
穂村 姫乃:「あの手のキャラ、たまに何をどうすれば恋路まで進展すんのみたいなの居るし」
日下部ルリカ:「そういうもんかなあ……?正直、恋愛とかしたことないし分かんないや」
日下部ルリカ:「ただ、もしやるなら友達からがいいかなーっていうか」
日下部ルリカ:「ナンパだと最初からいかにも『男と女!』って距離感になるのが、ちょっとなーって」
穂村 姫乃:「なるほどねぇ。ルリカを狙うならまずはお友達からってことか」
穂村 姫乃:「いずれ役に立つかもしれないし覚えとこ」
日下部ルリカ:「何に役立てるんだよ~」けらけらと笑いながらポテトをつまんで。
日下部ルリカ:「ね、今度だけどさ」
穂村 姫乃:「ん?」 ずず、とシェイクを飲み干す。
日下部ルリカ:「私、電車に乗ってみたいんだよね。ほら」
日下部ルリカ:「あの、駅から出てる"はずの"やつ」
日下部ルリカ:じっと君を見ている。口元は弧を描いたままだが、目がどこか笑っていない。
穂村 姫乃:「ああ、アレか」
穂村 姫乃:まだ目にしたことは無いはずのそれを思い浮かべて。
穂村 姫乃:「良いんじゃない?遠出とかもしてみたいしさ」
日下部ルリカ:「だよね。私も、気になるもん」
日下部ルリカ:「この街の外が、どうなってるのかとか」
穂村 姫乃:「例えば……」
穂村 姫乃:そう言いかけて、具体例が何も出てこなくなる。
穂村 姫乃:(……あれ)
穂村 姫乃:閉鎖空間で育ったせいか、この街以外の光景を何も思い浮かべられない。
穂村 姫乃:「……パッと出てこないけどさ。でも、きっと楽しいし」
穂村 姫乃:だから例は諦めて言葉を継ぐ。
日下部ルリカ:「……うん」何かを察したように頷きながら。
日下部ルリカ:「いつか、行けるといいよね」
日下部ルリカ:「ちょっと、この間できた友達がさ」
日下部ルリカ:「街の外の事に詳しいみたいだったから、気になるなーって思ったんだ」
日下部ルリカ:いろいろ聞ける前に別れちゃったんだけどね、とぼやきながら。
穂村 姫乃:「へーえ。良い友達だね」
穂村 姫乃:「私らだけだと不慣れだろうし、その子に案内とか頼んでも良いかもね」
日下部ルリカ:「あー、そうだね……今度、紹介しよっか」
日下部ルリカ:「ちょっと事情があって、すぐには無理かもしれないんだけど」
日下部ルリカ:「……会わせてあげるよ。必ずね」
穂村 姫乃:「そっか。まあいつでも良いよ」
穂村 姫乃:「これからは、いくらでも自由に時間を使えるんだしね」
穂村 姫乃:そう笑いながらパイの最後の一口を飲み込んだ。
日下部ルリカ:「……そうだね」何かを誤魔化すように、微笑んで
日下部ルリカ:うさぎのストラップをぎゅっと握ると、大切そうに胸ポケットに仕舞った。
GM:永良さんのみ登場です。登場侵蝕はありません。
GM:永良ゆづりの?????を1増加 (5 → 6)
永良ゆづり:「……こんな暑い日に元気ね」汗を拭いつつ、一歩遠ざかりながら。
桜崎ニア:「やー、そりゃ暑いよ?でも、声出さなきゃわざわざ暑い中出てきてやってる意味ないもの」
桜崎ニア:「おかげで、この通り。ビラもほとんど配り終えたとこだし」
桜崎ニア:言いながら、あと数枚になったビラを無造作にハンドバッグに突っ込んで。
永良ゆづり:「ふぅん。なんかバイトでも始めたの?」
桜崎ニア:「バイト……まあ、バイトのようなもんではあるかな?身内のだけど」
桜崎ニア:「ていうか、ちょうどいいや。ゆづりちゃんさ」
桜崎ニア:「やっぱ今日、暑いでしょ。喉乾いてない?」
永良ゆづり:「身内。じゃあ、セルの誰か……うん?」
桜崎ニア:「誰かっていうか、マコトのだよ。まだ準備中だけどねえ」
永良ゆづり:「あぁ、"マーシャル・ヘイヴン"。確かに、そういうタイプだったけども……」
永良ゆづり:「そりゃあ乾いてる。だから、飲み物とか買いに行こうと思ってて」
桜崎ニア:「そしたら、おいでおいで。ご馳走したげるから」
桜崎ニア:そう言うと、当然君が付いてきてくれるという確信を持った足取りで、すたすたと先を歩いていく。
永良ゆづり:「……まだ、行くって言ったわけじゃないけど」
桜崎ニア:「えっ」
桜崎ニア:立ち止まり、振り返る。
桜崎ニア:「別に、あれだよ?お金とか取らないし……」
永良ゆづり:「そりゃまぁ。御馳走ってことならねぇ」
永良ゆづり:「……ま、別にいいよ。やることないし」
桜崎ニア:「あ、やった」ぐっとガッツポーズ。
永良ゆづり:彼女に追随しようと歩き始める。
永良ゆづり:「断ったってかなり食い下がるでしょう」
桜崎ニア:「そんなこと……あるかも」
桜崎ニア:「もしかして、迷惑?こういうの」
永良ゆづり:「…………別に」目深に帽子を被り直し、小声で呟く。
永良ゆづり:彼女の世話焼きとしてのしつこさは、実験体時代からよく知っている。素直に従った方が楽だということも。
桜崎ニア:「ん、そっか」少し嬉しそうに応じてから。
桜崎ニア:「……あ、でも」
桜崎ニア:「先にほんとのこと全部話さないと、怒られるやつの気がしてきた。かも」
永良ゆづり:「……何、いきなり」
永良ゆづり:「ホットしか飲み物ないとかならすぐ帰るけど」
桜崎ニア:「いや……大したことじゃないんだけどね?」
桜崎ニア:「その、練習の時に作りすぎたアイスが……いっぱいあって」
桜崎ニア:「食べるの手伝ってほしかったっていう……」
永良ゆづり:「なるほど、その残飯処理ってワケか」
桜崎ニア:「の、残り物じゃないよ?ちゃんと美味しく作れてるし……!」
桜崎ニア:そんな会話をしながら、坂道を登った先にある「準備中」の札がかけられた喫茶店へと入っていく。
永良ゆづり:「まぁ、いいよ。この真夏日にぴったりだしね」
永良ゆづり:「どうせ付き合うなら、当分食べなくても済むくらいまで食べるからね」
桜崎ニア:「へへ、頼りにしちゃお」
桜崎ニア:笑って言いながら、君を適当な席へと案内する。
桜崎ニア:明るい木材の床に、白系の壁紙で整えた内装の店だ。
桜崎ニア:「"天馬"の拠点とかも、少しずつこっちに移してるみたいよ。地下室あるしね」
桜崎ニア:バックヤードに姿を消しながら、君に聞こえるくらいの声で話す。
永良ゆづり:「近場に食事処があるのは利点ね。作るのめんどくさい時、結構あるし」
桜崎ニア:「ずっと、あいつらの使ってた拠点を使ってるのも……なんか気分良くないでしょ?って」
永良ゆづり:店内のクーラーが齎す冷気を心地よく享受する。極楽。
永良ゆづり:「それはそう」
桜崎ニア:「はい、っと」
桜崎ニア:君の目の前。オレンジジュースの注がれたグラスと、銀製の器にどっかりと盛られたバニラアイスを置いた。
永良ゆづり:「うわ、でっか」
桜崎ニア:「ふふ。ところが、まだまだあるのよ」
永良ゆづり:「それ自慢するとこ?」
永良ゆづり:ずずず、とジュースをグラス半分ほど飲み干す。喉の潤い確保。
桜崎ニア:「う……私の管理が甘かったせいですが……」
永良ゆづり:「分かってるならよろしい。じゃあ、食べてみていい?」
桜崎ニア:「どうぞ、どうぞ」
永良ゆづり:ぱくりと一口。ほどよい甘さと冷たさが心地よく舌の上に広がる。
永良ゆづり:「ん。お店の味」
桜崎ニア:「へへ、そうでしょ?」得意げに笑いながら、自分の分のグラスを手に向かいの席に座る。
永良ゆづり:「ええ。来て正解だった」ぱくぱくと食べ進めていく。
桜崎ニア:「おかわりも沢山あるからねえ」
永良ゆづり:「ありがと」
桜崎ニア:こちらも喉が渇いていたのだろう、ジュースを半分くらいまで一気に飲み干す。
桜崎ニア:「ふふ……私はもうさっき、行けるだけ詰め込んだとこだから。多分いま、お腹がバニラ味になってる」
永良ゆづり:「太りそう」
桜崎ニア:「まあ……私はほら、そういう余分なあれは」
桜崎ニア:「適当な植物さん達に吸わせちゃうから」
永良ゆづり:「便利なこって。私もよくそいつ等に抉られた記憶ある」
桜崎ニア:「あはは、もうしないから許してって」
桜崎ニア:「……まあでも、太る心配なんてのも贅沢な話よね」
桜崎ニア:「あっちじゃ食事量とか全部管理されてたしなあ」
永良ゆづり:「……そうね」からん、とスプーンを落とす。一皿のバニラアイスは既に胃の中へ。
桜崎ニア:「お、流石。……どうする?もう一杯いく?」
永良ゆづり:「戦闘に支障が出るのを避けたかったのでしょうけど……ええ、お願い」
桜崎ニア:「味に飽きたら、はちみつとかナッツとかもあるよ」
永良ゆづり:「助かる。そうね……じゃあはちみつで」
桜崎ニア:「はいはーい」バックヤードの冷凍庫から、先程よりも少し控えめに盛ったアイスを運んでくる。
桜崎ニア:「ほら、はちみつね。どうぞどうぞ」
桜崎ニア:トッピングも一緒に持ってきていたらしい。チューブに入ったものを手渡す。
永良ゆづり:「……楽しそうね」一連の動作を、しずしずと眺めながら。
桜崎ニア:「え?まあ……」
桜崎ニア:「そりゃね。楽しくなきゃ、自分からやってないよ」
永良ゆづり:「そらそう。貴女にはお似合いだと思うよ」
桜崎ニア:「へへ。まあ……正確に言うと、ちょっとだけ違うんだけどね」
永良ゆづり:気持ち多めに蜂蜜を垂らして一口。独特な甘ったるさが口内に染み渡る。
永良ゆづり:「うん?」
桜崎ニア:「や、私のやりたいこと。ウェイトレスの仕事が、っていうよりは……」
桜崎ニア:「マコトの夢を手伝うこと、って感じ」
桜崎ニア:「……その、今の所はね。今の所」ちょっと照れたように付け足す。
永良ゆづり:「……え、何?貴方達そういうことになってんの?」
桜崎ニア:「そういう……?あ」首を傾げて。
桜崎ニア:「 いやいや、そういうんじゃないから。違う違う」
桜崎ニア:ぶんぶんと手を振って否定する。
桜崎ニア:「そういう……そういう方面のあれは、全然思わないし……」
桜崎ニア:「いや、全然ってのもなんか失礼だけど……」
永良ゆづり:「そ……確かに。人の夢を手伝うなんて、如何にも貴女がやりそうなことだし」
永良ゆづり:心なしか、ちょっと残念そうな様子で。アイスを大きめに掬ってほおばる。
桜崎ニア:「とにかく、そういうのじゃなくってさ……うん」
桜崎ニア:「なんていうか……ほら」
桜崎ニア:「あいつ、ずっと一番だったでしょ。ランキング」
桜崎ニア:「私や他の奴らだって、どうせあいつには勝てないって思ってたし」
桜崎ニア:「実際、それくらいの差があったと思うし」
永良ゆづり:「ええ。清々しいくらいに圧倒的だった」
永良ゆづり:「だからこそクーデターを先導するに相応しい人だったけども」
桜崎ニア:「……だったら別に、ほっといても自分が処分対象になることはないんだし」
桜崎ニア:「そもそも……あんな世界で育って、周りのやつと仲良くする必要だって、別になかったし」
永良ゆづり:「そう宣う割には、昔からやたらしつこかったじゃない」
桜崎ニア:「しつこかった?」
永良ゆづり:「ええ、それはもう」
桜崎ニア:「……あっ、私の事か」少し遅れて気づく。
桜崎ニア:「私のはさ、その……ちょっと違うんだ。不純、っていうか」
桜崎ニア:「あんな世界に生きてて、擦れていく自分がイヤだったから」
永良ゆづり:「……へぇ」
桜崎ニア:「できる限り、周りに『優しく』したいって思ってた」
桜崎ニア:「誰かってよりは、きっと、自分のために。自分が、ちゃんと……」
桜崎ニア:「兵器とかじゃなくて、『人間』でいられるように」
永良ゆづり:「ちゃんと志に根差したお節介だったのね。ちょっと意外」
桜崎ニア:「志……まあ、そういう言い方もできるかもだけど」
桜崎ニア:どこか納得しない様子で、ちゅるるとグラスの残りを飲み干して。
永良ゆづり:「いいじゃない。正直、今ので結構ポイント上がったわよ」
桜崎ニア:「それは……嬉しい、けども」
桜崎ニア:くるくると長い髪を指で弄びつつ。
永良ゆづり:「自分が心地よく生きる為に、私達を利用してたってことでしょ?」
桜崎ニア:「まあ、そうだよ……だからさ」
桜崎ニア:「やっぱり……あいつの方が、『本物』だって思ったんだよね。私は」
桜崎ニア:「私をクーデターに誘った時」
桜崎ニア:「『全員救う』って言ったんだ。それで、ほんとにやって見せた」
永良ゆづり:「ええ、大したものよね」
桜崎ニア:「……そもそもさ。私達が、まともに口を利いたり出来てたのも、あいつの態度のおかげだったんだよ」
桜崎ニア:「一番強くて、誰も文句の言えない奴が、そういう態度でいたから」
桜崎ニア:「……そうでなきゃ、私達。普通に話すことだってできてなかった気がする」
永良ゆづり:「…………」
桜崎ニア:「まあ……要するに、憧れたんだよな」ぐ、と両手で伸びをしながら。
桜崎ニア:「……本物になりたかったんだ」
永良ゆづり:「本物」
桜崎ニア:「自分の為に、そういうのを演じてるんじゃなくて」
桜崎ニア:「自然に生きてるだけで……あいつみたいに、誰かの希望になって」
桜崎ニア:「本当の意味で、仲間を救うことのできるような人間にさ」
桜崎ニア:「私のやってたことなんて、小手先のお節介だったもの」
永良ゆづり:「……私からすれば」
永良ゆづり:「心の底からの善意も、自身を取り繕う偽善も同じに見えるけどね」
桜崎ニア:「……そうなのかなあ」
永良ゆづり:「だって、どちらも見返りが自己完結しているから」
桜崎ニア:「……」
永良ゆづり:「他人からは想像以上に内面が見えないもの。私が貴方に対してそうだった様に」
桜崎ニア:「それは……そう、だよね」
永良ゆづり:「だから、貴女のお節介は」
永良ゆづり:「……決して、悪いものではなかった」
桜崎ニア:「……!へへ」
桜崎ニア:綻んだ表情を見せて。
永良ゆづり:「んん……やっぱり、貴女といると調子狂うわ」
桜崎ニア:「そりゃ、嬉しいな。とっても」
永良ゆづり:入店した際に外していた帽子を、目元を隠すために再び被り直す。
桜崎ニア:「なーに、照れちゃってさ。屋内で帽子とか必要ないでしょ~?」
桜崎ニア:笑いながらつんつんと帽子のつばを突く。
永良ゆづり:「や、やめて」払いのける様に手を振る。
桜崎ニア:「あは、ごめんごめん。アイスのおかわり、いる?」
永良ゆづり:「……ええ。追加お願い」二皿めもいつの間にか完食済み。
桜崎ニア:「はあい、よろこんでっ」軽い足取りでバックヤードへと向かう。
永良ゆづり:その様子を遠巻きから眺めつつ、向こうに悟られないように。
永良ゆづり:少しだけ、口元をほころばせて。
永良ゆづり:──ポケットから小さな箱を手に取り、中から指ほどの大きさの白い棒を摘まむ。
永良ゆづり:口直しも兼ねて、窄めるように咥えこんで。
永良ゆづり:「…………」
永良ゆづり:少しだけ逡巡し、そのまま嚙み砕いた。
桜崎ニア:(……でも、やっぱり、私はさ)
桜崎ニア:(みんなをあそこから逃がす事なんて、自分一人じゃ全然考えなかったんだ)
桜崎ニア:(本当に、同じなのかな)
桜崎ニア:(もしも、いつかまた……)
桜崎ニア:(みんなの日常を、壊すような脅威がやって来たら)
桜■■■:あるいは、全て壊れてしまった後には。
桜崎ニア:(私に、何ができるんだろうか)
GM:全員登場です。登場侵蝕はありません。
GM:久遠仁の?????を1増加 (5 → 6)
GM:永良ゆづりの?????を1増加 (6 → 7)
GM:穂村 姫乃の?????を1増加 (6 → 7)
GM:亜藤 蘭介の?????を1増加 (6 → 7)
久遠仁:「セル運営ってのも、色々と苦労が多いもんなんだなぁ」
久遠仁:どこか感心したような声。パーカーにジーンズのラフな私服だが、厳めしい騎士のようなマスクはそのままだ。
久遠仁:「すまんな、あまり助けになれなくて」
天城マコト:「ああ。まあ、分かっていた事ではあるんだが……」キーを叩きながら喋っている。
天城マコト:「何、俺とて詳しかった訳じゃない。頭脳労働は他の仲間に頼りっきりだ」
天城マコト:「ここに残ったのは、頭脳労働というより……ただ手のかかる作業だとも」
天城マコト:「手順も殆どまとめてもらったしな。どうも……権利の関係上、俺が直接やった方がいい事が多いらしくてな」
久遠仁:「なに、人の手を借りられるのも、ひとつの大事な技能さ」
久遠仁:「あんたは立派だよ、天城。歴史上、革命家がそのまま良い為政者になることなんてのはそうそう無いが……」
久遠仁:「あんたは、しっかりやり遂げてる。もっと誇っていいことだぜ」
天城マコト:「はは……その言葉は嬉しいが」
天城マコト:「誇るとか、そういうのは苦手なんだ。どうにも……その」
天城マコト:「嫌われそうな気がしてな」
天城マコト:いたって真面目くさった顔で言う。
久遠仁:「……嫌われる?おいおい、そいつは……」
久遠仁:「……ハハハッ!そんな謙虚な気概があれば、無用な心配だとも」
久遠仁:「皆あんたに感謝してるんだ、天城。少しは息を抜いてもいいんじゃないか」
天城マコト:「そうか?まあ……こう見えて、実は臆病だからな。俺は」
天城マコト:「どん責め苦よりも、仲間だと思ってたやつに嫌われることが一番キツい」
天城マコト:「むむ……これでも、それなりに好き勝手しているつもりなんだがな」
久遠仁:「ふむ……そんなに不安かい」
天城マコト:「こんな店を開きたいと言ったのも、俺の個人的な希望だ」指で天井を指し示す。
天城マコト:「不安……という程でもないが」
天城マコト:「現状が上手く行き過ぎているきらいはあるからな」
久遠仁:「そうさなあ……」
天城マコト:「"天馬"自体……良くも悪くも、緩い統率の組織だ。時間が経てば、去っていく者も出るだろう」
天城マコト:「祝福できる出立であればいいが……まあ、そうでなければその時だ」
天城マコト:「……お前こそ、どうなんだ。久遠」
天城マコト:「随分、こっちの仕事を手伝ってもらっている気がするが」
久遠仁:表情の読み取れない兜を天城に向ける。
久遠仁:「うん?俺かい」
久遠仁:「そうさな、俺は皆が元気で居られりゃあ、それでいいと思ってたんだがな」
久遠仁:「そいつは、あんたに叶えてもらっちまったからな」
久遠仁:「これからどうするべきか、悩んでるのさ。ハハハ」
天城マコト:「何を。お前だって、一緒に戦っただろうに」
天城マコト:「叶えてもらった、はないだろう。一緒に叶えた、と言ってくれ」
天城マコト:「でなければ、俺が寂しい」
久遠仁:「嬉しいね。ありがたい言葉だとも。誇りになるよ」
天城マコト:「うむ。まあ……前向きに考えて悩んでるのなら、それはいい事だ」
久遠仁:「ああ。田舎で米でも作ろうかと思ってるんだが、どうかね」
天城マコト:「本気かい?そうだったら、うちの店に仕入れることも考えたいもんだが」
天城マコト:「……正直な事を言うとだな。俺は」
天城マコト:キーを叩いていた手を止めて、少し重い声音になって。
天城マコト:「今のような"天馬"セルという形は、長く持って五年じゃないかと思っている」
天城マコト:「FHのセルなんてのは、どう上手くやったってそんなものだ。客観的な事実としてな」
天城マコト:「無論、今がずっと続くなら、それに越した話はないが……」
久遠仁:「ほう……」少し首を傾げて。「成程、あんたらしい現実的な見方だ」
久遠仁:「そいつを、どう思うんだい?仮にそうなったら、あんたはどうする?」
天城マコト:「内緒だぞ。流石に、あまり大っぴらに皆の前で言えることじゃない」
天城マコト:「そういう訳だから……それまでに、皆に自分の生きる道を見つけてほしいと思ってる」
天城マコト:「できれば、戦う必要のない方向で……というのは、俺の個人的な願いだがね」
久遠仁:「あんたの場合……それがここってわけかい」軽く天井を見上げる。
天城マコト:「悪くないだろ?」
久遠仁:「ああ。俺はこういうセンスにはどうも疎いが……居心地の良さそうな店だとも」
天城マコト:「それに、新しい当座の拠点も欲しかった所だしな」
天城マコト:「あのビルをいつまでも使ってたんじゃ、どうも辛気臭い」
久遠仁:「俺も、あんたの意見には概ね同意だ」
久遠仁:「だがな……天城、一ついいかい」
天城マコト:「ん。何かな」
久遠仁:「さっきの不安の話に戻るようだが……あんたはもう少し、皆を信じてもいいんじゃあないかと思うぜ」
久遠仁:「なまじ何でも出来ちまうから、自分で何とかしようとしたくなるのもわかるが……」
久遠仁:「しかし、もう少し気を抜いてもいいと思うんだ」
久遠仁:「さっきも言ったろ、人の手を借りられるのはひとつの技能だ。それは、そいつを信じて仕事を任せてるってことだからな」
天城マコト:「……」ふむ、とまばたきをして。
久遠仁:「あんたはもう、その入り口に立ってるはずなのさ」
久遠仁:「そう何でも心配してばかりじゃあ、疲れちまうだろ。あんたも、皆もさ」
久遠仁:「少しは、皆を信じて任せてみても、いいんじゃあないか」
久遠仁:「息が詰まるのは、俺だけで十分だとも」
久遠仁:兜を軽く叩いて、冗談めかして笑う。
天城マコト:「……ああ。そうだな……いや、最後の一言は承服しかねるが」
天城マコト:「お前の言ったように、ずっと皆の手を借りてる……あのクーデターの時から、ずっとだ」
天城マコト:「その事はよく自覚してるし、そこまで自信家じゃないつもり……だったんだが」
天城マコト:「言われてみれば確かに、お前の言う通りだ。色々と……一人で考えすぎていたかもしれない」
天城マコト:「次からは……考えに困ったら、もっと他人を頼らせてもらう事にするよ。君とか、ニアとか」
久遠仁:「そんなに真面目に反省しなくたっていいんだが」笑って
久遠仁:「その固ささえどうにかすりゃあ、もっと親しみやすくなるんだがな。ハハッ」
天城マコト:「な……すると、他にどうしろと言うんだい」
久遠仁:「まあ、俺なんかで良ければ、いつでも呼んでくれよ」
久遠仁:「俺もあんたには感謝してるからな。少しは力になりたいのさ」
天城マコト:「……ああ。覚えておこう」
天城マコト: 「……っと、よし」モニターの何らかを確認して、ぱんと手を叩く。「終わりだ」
天城マコト:立ち上がって、ぐっと伸びをする。
久遠仁:「おう、お疲れ様だな」
天城マコト:「中々……戦いとは別種のキツさがあるな。普通の人間も大概、こういう苦労をしているのか……」
天城マコト:「いや、こちらこそ。手伝ってくれて助かったさ」
久遠仁:「缶で良ければ、それ、飲んでくれ」
久遠仁:伸びをするまでは無かったはずの缶コーヒーが、いつの間にか天城の目の前、机上に置かれている。
天城マコト:「おっ……ありがとう」
天城マコト:「……先を越されたな。こっちが飲み物でも出そうと言いかかった所だったんだが……」
天城マコト:缶のトップを開けながら、ふふと笑って。
久遠仁:「日下部なんかには、使い走りに丁度いい能力なんて言われたよ」肩を竦める。
天城マコト:「……なるほど。人の力を上手く借りるにも、技量が必要というわけだ」
天城マコト:やはりな、と真面目くさった顔で頷く。
久遠仁:「まだまだ親しみやすさには遠そうだな……」
天城マコト:「むむ……そちらもまた技量か」
天城マコト:言いながら、缶のコーヒーを飲み干して。
天城マコト:「……さて、そろそろ良い時間だな。こっちの仕事も片付いた事だし」
天城マコト:立ち上がり、時計を見上げながら。
久遠仁:「皆来る頃か。出迎えが居ないとな」
GM:今晩は天城が開くとなったこの喫茶店の開店祝いとして、メンバー達を招いて祝賀会をする事になっていた。
GM:時刻はもうそろそろ、日も暮れる頃合いだ。
天城マコト:「ああ。それに……ある程度の仕込みは、昨夜のうちに済ませているとはいえ」
天城マコト:「支度をニア達にばかり任せきりでは、この店を開いた意味がない」
天城マコト:そう言って、地上へと続く階段に足をかける。
天城マコト:「コーヒーの返礼だ。好きなドリンクを用意しよう」
天城マコト:空になった缶を振って見せながら、笑って言う。
久遠仁:「それじゃ、緑茶でも貰おうかな」
久遠仁:ゆっくりと立ち上がり、天城の後に続いた。
GM:一階に出てみれば、既に店内の座席には料理が並べられ始めている所だった。
GM:気が早い何人かは既に席について、談笑を始めている。
桜崎ニア:「おっ、二人ともお疲れ~」
桜崎ニア:バックヤードで大皿にサラダを盛り付けていた少女が、君たちを振り返る。
久遠仁:「おや、出遅れたかな」
桜崎ニア:「や、まだまだ始まってないよ。仁さんは好きなとこかけちゃって」
桜崎ニア:「マコトはドリンクのオーダー取って回ってくれない?料理の方はなんとかなりそうだからさ」
久遠仁:「ふむ。却って邪魔になりそうだ。お言葉に甘えるとするよ」
天城マコト:「ああ、任された」エプロンを身に着けながら応答する。
久遠仁:「ハハハ、なかなか様になってるじゃないか、天城」
天城マコト:「はは、そうかい?嬉しいね」
天城マコト:「さて、緑茶だったな。無論邪魔だから、という訳じゃないが……席で待っていてくれ」
天城マコト:「客らしくしてくれた方が、俺もやり甲斐がある」
久遠仁:「ああ、それじゃあお願いしよう」カウンターに腰掛けて、何とは無しに店内を眺める。
永良ゆづり:──からん、と来客を示すベルの音と共に店の扉が開く。
永良ゆづり:「……見知った顔がここまで揃ってるのは久々ね」
穂村 姫乃:「確かに~。天城とかめっちゃ久しぶりじゃない?最近籠りきりだったし」
穂村 姫乃:その後ろからひょいっと顔を覗かせる。
亜藤 蘭介:「何日ぶりだっけか。……おっ美味そう」続いて店内へと。テーブルの上の料理に目を凝らしながら。
久遠仁:「おお、何だか珍しい取り合わせじゃないか」
永良ゆづり:「偶然そこで一緒になってね」
天城マコト:「やあ、いらっしゃいませ……」
天城マコト:「……どうも、身内に言うには違和感があるな。この言葉」一人で呟いて首を傾げながら。
亜藤 蘭介:「ははっ。けど似合ってるぜ、その姿も」
永良ゆづり:「ああ、お勤めご苦労様。”マーシャル・ヘイヴン”」
天城マコト:「ああ……仕事についちゃ、少し立て込んでいたが。先程無事片付いた所だよ」
穂村 姫乃:「挨拶はお帰りとかで良いんじゃん?こっちもお邪魔しますって言いたくないしさ」
天城マコト:「ふむ……それもそうだな。俺としても、ここは皆にとっての帰る場所にしたい」
穂村 姫乃:そのまま真っ先に席について。 「私アイスココア一つ!」
永良ゆづり:「こんな時くらい、ゆっくりすればいいのにね。オレンジジュース」その隣に座る。
久遠仁:「ついさっき似たような説教をしたところでね。勘弁してやってくれ」永良の言葉に笑う
天城マコト:「オレンジとアイスココアだな。蘭介はどうだ?」
亜藤 蘭介:「コー……いや、アイスコーヒー。ブラックで」
天城マコト:「アイスコーヒーだな、承った。少し待っていてくれ」そう言って、別のテーブルにも注文を取りに向かう。
永良ゆづり:「貴方のお人好しも似たようなもんでしょ。きっと手伝いとかしてたんじゃない?」
久遠仁:「なに、俺はそう大したことはしてないさ…… 皆元気そうだなぁ。何よりだ」
亜藤 蘭介:「久遠も相変わらず……」
亜藤 蘭介:「元気だよな? 分からねえよ。相変わらず」
亜藤 蘭介:じっと兜を見ている。
久遠仁:「ハッハッハ!元気、元気だとも」
永良ゆづり:「暑苦しい。見ているこっちが」
久遠仁:「そいつはすまんとしか言えんなあ」
穂村 姫乃:「まあほら、久遠はいつも声が元気だし」
穂村 姫乃:「元気が無くなったら喋りで分かるでしょ」
亜藤 蘭介:「まあ、確かに……聞いたことないから、何とも言えないが……」
亜藤 蘭介:「想像出来るか? 鬱になったこいつ」
永良ゆづり:「難しいわね……」
久遠仁:「おいおい、人を底抜けの陽気莫迦みたいに……」
穂村 姫乃:「違うの?」
永良ゆづり:「かくいう貴女達も息災そうね、何より」
穂村 姫乃:「ふふん。私も元気がデフォですので」
久遠仁:「それこそ、穂村が落ち込んでいる姿も想像できんなあ」
亜藤 蘭介:「あー。分かるな……」
永良ゆづり:「そうね。なんか、貫禄の乗った安泰さとかそういうのある」くるくると髪先を弄りながら。
穂村 姫乃:「そうでしょうそうでしょう」 満足そうにうんうんと頷いてから。
穂村 姫乃:「でも安泰って言ったらゆづりもじゃん?フラットというかさ」
亜藤 蘭介:「永良は……なんつーか」
久遠仁:「平熱?」
亜藤 蘭介:「感じが変わった……気がするな」
永良ゆづり:「意見が分かれると逆に気になるわね……」
亜藤 蘭介:「前はもっと刺々しかったっつーか、ソフトになった?っつーか……ううん。勘違いかも」
久遠仁:「良いことじゃないか」
永良ゆづり:「そりゃあ、刺す相手じゃなくなったから……」
永良ゆづり:「……私の事は、別にいいじゃない」
亜藤 蘭介:「物騒すぎる!……いや、事実だけどよ」
穂村 姫乃:「まあ前はね。顔合わせるのって大半手合わせのときだったし」
穂村 姫乃:「こうやって駄弁ればまた印象も変わるってもんでしょ」
永良ゆづり:「不思議なモノよね。こんな風に集えるなんて、昔は思ってもみなかった」
久遠仁:「全くだ。人生、何が起きるか分からんもんだな」
亜藤 蘭介:「今でも、思うよ」
亜藤 蘭介:「夢でも見てるんじゃねえかって」
穂村 姫乃:「ほっぺでもつねったげよっか」
亜藤 蘭介:「やめろ」
久遠仁:「ハハハ。夢だとしたら、覚めないでほしいもんだな」
穂村 姫乃:「そう遠慮せずに~」 ウリウリと頬を人差し指で付く。
亜藤 蘭介:抵抗しても無駄だということは分かりきっているので、成されるがままぐりぐりされている。
永良ゆづり:「……そう、ねぇ」
永良ゆづり:頬杖をついて、そこかしこで談笑する"天馬"セルの面々を眺める。
永良ゆづり:「都合の良すぎるくらい、良い、夢」
穂村 姫乃:「まあでも、良いんじゃない?夢だってんならさ」
穂村 姫乃:「都合が良すぎるくらいで良いよ。本当なら夢ってのも自由には見れないんだから」
穂村 姫乃:「こんなに完璧な夢が見れてるの、お得でしょ」
永良ゆづり:「言えてる」
久遠仁:「そうさなあ。まあ、こんな夢を現実にするために、天城が頑張ってくれたんだ」
久遠仁:「我らがリーダーに感謝しつつ、今日は楽しもうじゃないか」
亜藤 蘭介:「ん。違いない……」
亜藤 蘭介:「天城! 手伝うか?」店奥に向かって声を上げる。
天城マコト:「何? 大丈夫だ!」遠くから声を大きくして応じる。
GM:そんな談笑をしている間にも、少しずつ席は埋まっていって。
GM:気がつくと、予定していた開会の時間を迎えている。
天城マコト:「さて……それじゃ、乾杯の挨拶と行こうか」フロアの中央で、アイスティーのグラスを手にして。
天城マコト:「皆、今日はよく集まってくれたな」
天城マコト:「今日は奢りだ。好きなように食べて帰ってくれ。店を潰さない程度にな」
天城マコト:「……それから、今日は一つ」
天城マコト:「皆に隠していた、ある秘密を告白するんだが」
天城マコト:いたって神妙な顔で、少し言葉を溜めてから。
天城マコト:「実を言うと俺は、もう何年も前にアイスクリームを食べたことがある」
天城マコト:「ケーキとか、ドラヤキもあったな」
天城マコト:「詳しくは省略するが、まあ……要約すると、"1位"の特権というやつだ」
天城マコト:「たまに、あいつらの気紛れでそういうものを与えられることがあった」
天城マコト:「普段の……栄養を塗り固めたようなタンパク質の棒なんかと比べたら」
天城マコト:「当然、そういう食事は驚くほど美味しいと感じた」
天城マコト:「皆もこの感覚に近いものを、外に出て、初めてまともな料理を食べた時に経験しただろうと思うが」
天城マコト:「……ずっと、小さな引っ掛かりになっていたんだ」
天城マコト:「お前達を差し置いて、俺一人だけが、そういう幸福を知っていた事が」
天城マコト:「こうして言葉にすると、自分でもびっくりするほど小さな理由だが」
天城マコト:「気がついたら、こんな風にだ」
天城マコト:「自分の手で、人に美味しいものを振る舞いたいと思うようになっていた」
天城マコト:「何。人の夢なんて、得てしてそういうものなんだろう」
天城マコト:「滑稽だと思うなら、今夜の笑い草にでもしてくれればいい。……嫌味じゃないぞ?」
天城マコト:「覚えておいてくれよ」笑顔を浮かべて。「お前達が楽しそうにしてると、俺は嬉しいんだ」
天城マコト:「という訳で、だ」
天城マコト:「ひとまず、今日は祝ってくれ。お前達の好きなように、楽しいように」
天城マコト:「──乾杯!」
GM:一斉にグラスが打ち鳴らされる。そうして
GM:騒がしい声と共に、夜は更けていく。
GM:そうして、祝賀会は一通りに盛り上がったあと。
GM:少しずつ、席を立って家に帰る者たちが出てくる頃合い。
GM:君達も同じように、天城たちに挨拶を済ませて外へと出た。
GM:夏の冷たい夜空が君達を出迎える。
羽海束沙:「……ふう」少し火照った頬を、ぺしぺしと平手で触れて。
羽海束沙:「少し、はしゃぎすぎてしまったかも……もとい、食べ過ぎた気がする」
亜藤 蘭介:ぐっ、と伸びをして。「同感……」
永良ゆづり:「ええ、私も食費浮かすためにだいぶ食べてしまったけど……お店大丈夫かしらね」
穂村 姫乃:「天城も最後まで笑ってたし大丈夫でしょ。知らないけど」
永良ゆづり:「根っからの善人って話をつい先日聴いちゃったからね」
久遠仁:「楽しかったな。こんなに賑やかなのは初めてじゃないか?」
穂村 姫乃:「分かる~。なんだかんだ普段は皆結構バラバラだしね」
羽海束沙: 「どうだろ。3ヶ月前ぶり?」
亜藤 蘭介:「あの時はマジで必死だったからなあ。文字通り」
羽海束沙:「まあ、確かに。お祝いなんてしてる余裕はなかったものね」
永良ゆづり:「そうね、身も心もクタクタだった」
GM:と、その時
GM:不意に、亜藤さんの持つ端末が鳴る。
GM:何かのメッセージが届いたらしいが。
亜藤 蘭介:「ん……」バイブにしていた端末をポケットから取り出して。何となしに覗く。
GM:発信者名欄は、液晶にインクでも落ちたかのように異様な文字化けをしている。
GM:その中身も、所々が黒く汚されていて。
:『こちらは■■■緑坂■■■、■■■の"■■"です』
:『君達の突入から6時間が経過。これは3度目の■■通信になります』
:『外部の状況に大きな変化は見られません。"■■■■■■■"膨張は依然として微拡大の傾向』
:『確認できた■■■の数は12万人を越えました』
:『加えて、■■■■の■■の構造解析の結果ですが……強い■■干渉作用がある事が判明しました』
:『記憶■■■の■■者が関わっているだろう事を踏まえると、内部にいる人間の■■や■■を改竄されている可能性があります』
:『■■■■■■であればある程度の耐性は期待できるでしょうが、気をつけてください』
:『どうか、無事の■■を』
亜藤 蘭介:「何だ、これ」スワイプする指が止まる。
亜藤 蘭介:「スパムメールってやつ……?」
永良ゆづり:「どうかしたの?」
久遠仁:「どれ」肩口から覗き込む。
亜藤 蘭介:永良を始め、皆に画面を向ける。
GM:君達には、この送り主について全く心当たりはない。……ないはず、だが。
GM:これを見ているとどうにも、焦燥を掻き立てられるような感覚がある。
GM:……何か、大切なものを見落としてしまっているような。
GM:無視したくてもしきれない、大きな違和感。
永良ゆづり:「何これ、宗教的なアレ?」
永良ゆづり:「(に、しては────いや、しかし)」
穂村 姫乃:「……なんか」
穂村 姫乃:「単にスパムとか、宗教とかじゃなさそうな気、が、するような……?」
永良ゆづり:「……やっぱり、そう思う?」
久遠仁:「……」
GM:……だとしても、やがてそのまま時間が経てば、それは
GM:この世界の微睡みに、溶けて消えていく感覚であったのだろう。
久遠仁:「……オーヴァードの能力じゃあないか?これ」
久遠仁:「ブラックドッグの電子ドラッグだとか、オルクスの精神感応とか。不可能じゃないだろう」
久遠仁:「あまり見ない方がいいかもしれないな。他のセルの攻撃かもしれん」
亜藤 蘭介:「の可能性も、あるんだけど。……何だろうな」
亜藤 蘭介:「この、モヤモヤした膜みてーなのが……頭ン中を覆っている感覚……」
永良ゆづり:「ええ、その通り、なのだけど」
永良ゆづり:「……胸が騒ぐ。これを見落としては、いけないような」
永良ゆづり:「(文字化けをなんとか類推できないか。そうすれば、このメッセージの目的が)」
永良ゆづり:「(緑坂の何某に属する者が、外から内に突入する人間に対しての……)」
羽海束沙:「……一応、報告した方がいいかしら」
羽海束沙:「こうして連絡先を掴まれている事自体、一種の危機である訳だし……」
穂村 姫乃:「分かる。それにさ」
穂村 姫乃:「なんか、なんかなんだけど。攻撃って感じしないような……」
久遠仁:「攻撃じゃない……?」
久遠仁:「……じゃあ、何だい?」
穂村 姫乃:「……例えば、こう」
穂村 姫乃:「警告とか、忠告、みたいな……」
羽海束沙:「何、それ……尚更、気味が悪い話」顔を顰める。
羽海束沙:「……やっぱり、天城達に報告しましょうよ」
羽海束沙:そう言って、既に数十メートルほど離れている喫茶店の方へと踵を返そうとして。
GM:そうして話している君達の元に、近づいてくる足音がある。
GM:近くの路地の影から飛び出してきたのは、深くフードを被った小さな人影だ。
???:「……っ。本当に」
???:「本当に、来てたんだ……」
???:君達の方を見て、僅かに目を見開いたと分かる。
???:「先輩」
???:ばさり、とフードを外す。桃色の髪が印象深い、快活そうな少女だった。
久遠仁:「?」
久遠仁:ただの通りすがりだろうか。僅かにそちらに目を向けるが、然程気にはしない。
???:「……思い出せないんですね」どこか痛ましい表情で、目を伏せる。
亜藤 蘭介:「……? 久遠」
亜藤 蘭介:「あの子……お前を見て、話してるんじゃないのか?」
永良ゆづり:「……知り合い?」
久遠仁:「……?」
???:「……みなさん。あの」続く言葉に、しばし迷った様子で。
久遠仁:「先輩って……」後ろを見回して、他にそれらしき相手がいないことを確認して
久遠仁:「もしかして、俺に言ってるのかい?」
???:「……はい。そうです」小さく頷いて
???:「いえ」
???:「貴方だけじゃなくて。皆さんにお願いがあります」
穂村 姫乃:「私らに?」
???:小さな声で、君達の応答を待つでもなく。急ぐように言う。
???:「何も言わず、あたしに付いてきてほしいんです。静かに、目立たないように」
???:「そうすれば全部、わかるようになります」
???:「この街の、おかしなところ」
???:「あなた達が感じていた、違和感の正体」
???:「忘れてるもののこと、全部……」
永良ゆづり:「…………」訝しみながら少女に目を向けるが。しかし、どこか真に迫る感じを拭えない。
羽海束沙:「……何を、言って」
???:「変なことを言ってるように見えるかも、しれません……けど」
???:「……」また言葉に迷って。かぶりを振って。「これしか言えません」
???:「あたしを、信じてください」
久遠仁:「ふむ……」一同を振り向き「どうする?」
久遠仁:「罠にすれば、もっと上手いやり口があると思うが」
亜藤 蘭介:「んん……そうだな」
亜藤 蘭介:「嘘を付いていたりしているようには、見えないってことは確かだ」
穂村 姫乃:「んー……。私は久遠にお任せで」
穂村 姫乃:「知り合いっぽいの久遠だし。久遠が信用できるなら信用するでいいよ」
亜藤 蘭介:「俺は穂村に賛同」
羽海束沙:「……そうね。私も、同じ意見」
羽海束沙:「何かあっても、このメンバーなら対処できるでしょうし……」
永良ゆづり:「分からないことが立て続けね。関連性がある……かも、分からないけど」
永良ゆづり:「……そうね、皆と同じで」
???:「……」固唾を呑んで、あるいは何かに見つかることを恐れているように。君達の会話の成り行きを見守っている。
久遠仁:「おいおい、俺かい?参ったな……」
久遠仁:「そうさなあ……」
久遠仁:悩むように腕組みして、兜越し、じっと少女の顔を見据える。
???:「……」ぎゅっと唇を噛んで、その視線を受け止める。
久遠仁:「うーむ……」
久遠仁:「こんな綺麗な子、会えば忘れはせんと思うんだがなあ……」
久遠仁:「……よし」意を決したように大きく頷く。
久遠仁:「決めた。行ってみるとするよ、俺は」
久遠仁:「どうにも、嘘をついているようには見えんしな」
???:「あ……」
久遠仁:「騙されたら、その時はその時だ。ははは」
???:半ば諦めかけていたのか、僅かに驚く声を漏らして。
???:「ありがとう、ございます。それじゃあ、失礼……」
GM:……君達が、彼女の言葉に同意した。それそのものが、事の最後の鍵となる。
???:──《ワーディング》
GM:ふらり、と君達の視界が眩む。世界がひっくり返る。
GM:次の瞬間、君達が立っていたのは夜の路地裏ではなく──。
GM:──君達は、夢を見る。
GM:自分ではない誰かの人生を。
GM:遠いスクリーンに映し出された、映画の中の出来事のように。
GM:ある日曜日。高級デパートのテラスデッキの光景。
GM:父母と娘の三人が、パラソルの下でジュースを飲んでいる。
母:「ねえ、彩花ちゃん」母が口を開く。
:「んー?」
母:「そろそろ、欲しいものは決まった?」
母:「ほら、今日は貴女のお誕生日のプレゼントを買いに来たのよ」
:「あー、えっとねえ」
:じゅるる、と大きな音を立てながら、娘はストローでグラスの中身を飲み干す。
:「あたし、お花がいいな」
:「庭でお花育てたいの」
母:「ああ、そうだったわね。彩花ちゃんは、大きくなったらお花屋さんになりたいのよね」
:「そうなのー」
父:「む。そういうものを買うなら、ちゃんと責任を持ってお世話しなくてはいけないよ」そこで、黙って聴いていた父が口を挟む。
父:「植物だって生き物なんだから。玩具と同じように扱う訳にはいかないんだ」諭すような口調で、娘の目を見て語りかける。
母:「あら。それを言ったら、貴方だって」
母:「小学生の時、アサガオの水やりを忘れて枯らしていたでしょ」
母:「日記が書けなくて私に泣きついてきたの、覚えてるんだから」
:「えー?お父さん、いけないんだー」
父:「なっ、何年前の話だと……とにかく」
父:「ちゃんとお世話する、って約束しなさい」
父:「私のではなく、彩花のものになるんだからな」
母:「ふふ、ごめんなさい。……ええ、そうよ、彩花」
母:「ちゃんと毎日、忘れずにお世話してあげられる?」
:「ん! やるよ!ちゃんとやる!」
父:「……うん、良い返事だ」
父:「それでは、決まりかな。生花店は1階だったか──」
GM:家路につく家族の車。その後部座席には、一鉢のアスチルベがあった。
GM:桜色の花を咲かせる多年草。
GM:娘がそれを選んだのは、母が零した何気ない一言だった。
母:「綺麗よね、この明るい桜色。彩花ちゃんの髪とおんなじだわ」
GM:──まだはっきりとした物心がつく以前の、おぼつかない思い出。
GM:だけど、今は彼女の中に残るたった一つの、幸福な家族の記憶。
GM:全員登場です。登場侵蝕はありません。
GM:また、その他パラメータの上昇もありません。
GM:この情報が開示されたため、ステータステーブル上の「?????」が「夢界汚染値」に表記が改められます。
"ビー"北条サイカ:「……ひとまず、あたしの方で把握している事については」
"ビー"北条サイカ:「これで、一通りになります」
久遠仁:「……ふむ……そうか……」頷いて
久遠仁:「まあ、何はともあれ」
久遠仁:「一人で大変だったろう、北条」
久遠仁:「よく頑張ったな」
"ビー"北条サイカ:「あ……」頬を染めつつ、困ったように目を伏せる。
"ビー"北条サイカ:「……そんな。褒められる、事じゃ……」
"ビー"北条サイカ:「元々、あたしが身を護れていれば起きていない事態ですし……」
"ビー"北条サイカ:「今だって、褒められないことをしています」
久遠仁:「大事なのは最善を尽くすことだ。君はそれをやってる」
久遠仁:「知らない間に、一人前のチルドレンになっていたんだな。北条」
久遠仁:「俺も誇らしいよ」
"ビー"北条サイカ:「う……。……ありがとう、ございます」
"ビー"北条サイカ:頭を下げてその言葉を受け取る。
"ビー"北条サイカ:本来、こんな褒められ方をすればもっとわかりやすくはしゃぐ少女ではあったはずだが、それどころではないという意識なのだろう。
久遠仁:「しかし……問題はこれからどう打って出るかだな」
永良ゆづり:「この異界から出れないのなら、真っ当に壊すしかないってことね」
永良ゆづり:「その過程で自身への精神汚染を管理しつつ、水増しされた"バース"シリーズを凌ぎながら」
亜藤 蘭介:「市内の至る箇所に配置された……そう、"魄柱"だったか」
亜藤 蘭介:「順当に破壊することで、事態の解決に繋がると」
穂村 姫乃:「話を聞くに、それが力の源ということじゃしな」
穂村 姫乃:「依り代を無くして保てる規模の術でもあるまいて」
羽海束沙:「何にしても、その魄柱というものを見つけ出さなくてはいけませんね」
羽海束沙:「どの程度の大きさなのでしょうか。この街で過ごしていて……そのような奇妙な木を見た記憶は、私はありませんが」
"ビー"北条サイカ:ゆっくりと首を振る。「夢に呑まれている人には、見えないんです」羽海に。
"ビー"北条サイカ:「今の皆さんであれば、外に出た途端に目に入るはず」
GM:穂村さんは、"ヴァンノワール"の展開直後に、領域内部にそびえ立つ黒い樹木を見た事を思い出していていいでしょう。
穂村 姫乃:「ふむ。ならば儂がこの場に入る前に見たアレが魄柱だったんじゃろうな」
永良ゆづり:「ふぅん、分かりやすいことは良いことね」
久遠仁:「成程。探す手間は省けると」
久遠仁:「しかし、あちらも案山子じゃあない。全力で止めようとしてくるだろうな」
羽海束沙:「隠してるものではないというなら、相応に手を入れて守りはするでしょうね」
穂村 姫乃:「それはこちらも力を持って対処するしかなかろ」
穂村 姫乃:「それが出来ると見込まれたゆえに、儂らが此処に居るんじゃしな」
亜藤 蘭介:「多勢に無勢なのも事実」
羽海束沙:「その……夢骸体、でしたか。"ビー"さん」
羽海束沙:「それによって存在を再現された、本来は死者である"バース"の彼らは」
羽海束沙:「生前の能力よりも弱体化している、とか。そういった事はないんでしょうか」
亜藤 蘭介:「全ての"バース"シリースを相手に出来る戦力は俺たちには無い……」羽海さんの話に耳を傾けつつ。
永良ゆづり:「……そうね、やらなきゃいけないならやるけど」
永良ゆづり:「今まで私達が認識していたバース"シリーズ"のランク。アレが実情と同様だとすると脅威ね」
永良ゆづり:「"サタニアン・ガーデン"より上の3人は頭一つ飛び抜けて強かった気がするけど」
永良ゆづり:「出来るなら会いたくないわね」
"ビー"北条サイカ:「……」首を振って。「あたしの把握する限りは、むしろ強化されている傾向にあります」
"ビー"北条サイカ:「強大なジャームの力を介して、この世界に投影されている訳ですから」
久遠仁:「そりゃ、正面切るのは厳しそうだ」
久遠仁:「そうさなあ……。となると、取れる戦略としては、ゲリラ戦のような形になるかな」
"ビー"北条サイカ:「素体が人間であるせいか、彼らの振る舞いにはあまりジャーム的な傾向が顕著になることはありませんが」
"ビー"北条サイカ:「状態としては、彼らは皆ジャームであり。その域の力を振るうことができるはずです」
羽海束沙:「如何にして戦闘の数を減らしつつ、魄柱全てを斬り倒すか……ということ」
羽海束沙:「……こちらの有利は、現時点では『知られていないこと』でしょうね」
羽海束沙:「彼らはまだ、私達は何も知らない……"天馬"の仲間のままだと思っているはず」
永良ゆづり:「そうね、気づかれない内になるべく状況を進めたいところ」
久遠仁:「天城……“マーシャル・ヘイヴン”は強かったなあ」
亜藤 蘭介:「"アースリー・ケイヴ"も並ではない出力を誇るオーヴァードだった……」久遠の言葉に同調するように。
久遠仁:「しかし、気が重いなあ。ついさっきまで友人だった相手と戦うのは」
久遠仁:「そこまで狙ってのことじゃあないだろうが……」
永良ゆづり:「(バース04の方の"サタニアン・ガーデン"は、本人なのかしら)」
永良ゆづり:「(あるいは"バース"シリーズとしての夢骸体の一つでしかないのか。何れにせよ)」
永良ゆづり:「(……アイツの前で私は煙草を吸えなかった)」
羽海束沙:「……趣味の良いやり口じゃないのは、今更のことです」
亜藤 蘭介:「心情的な面で言えば、多少の心残りはあるが」
穂村 姫乃:「それでも、やらねばならんことには変わりは無かろう」
穂村 姫乃:「良かろうが悪かろうが、夢ってのは覚めるもんじゃ」
穂村 姫乃:「儂もまだ旅の途中じゃし。こんなところで眠りこけるわけには行かんでな」
羽海束沙:「奴らが大勢を攫って、無関係な市民を巻き込んで、街を鎖して……」あるいは自分自身に言い聞かせるように吐いて。
羽海束沙:「そんな奴らと戦わなければならない、なんて事は。ずっと昔に決めた話です」
永良ゆづり:「……考え方を変えれば」
永良ゆづり:「"バース"シリーズもこの世界に囚われた被害者よ」
永良ゆづり:「どれだけ心地良くとも、偽り。"サンディーヴァ"に手繰られた道化の人形」
永良ゆづり:「目を覚ましてやるべきだと、私は思う」
永良ゆづり:白い棒を口に放り込み、噛み砕く。
久遠仁:「結局のところ、桜崎……ああいや、どうもいかんな」
久遠仁:「“サンディーヴァ”の目的も、まだ分からないままだしな」
"ビー"北条サイカ:「ええ。彼女の目的に関しては……あたしもまだ、掴めていません」
"ビー"北条サイカ:「現状以上の目的があるのかどうかも、はっきりとは分かりませんが……」
亜藤 蘭介:「………」
亜藤 蘭介:「"サンディーヴァ"の意図が何にせよ」
亜藤 蘭介:「魄柱の伐採に当たって。……"バース"の主要メンバー何れかと。奴との決戦は避けられんだろう」
亜藤 蘭介:「"サンディーヴァ"は強大なジャームであり。目下、現状の戦力で打倒が可能である確信も無い」
亜藤 蘭介:「しかし、それでも。俺たちに敗北は許されない」
亜藤 蘭介:「俺たちが"UGN"である限りな」
永良ゆづり:「……覚悟は出来ている」
羽海束沙:「ええ。もう二度と、忘れることはありません……私達は、UGNです」胸の前でぐっと、拳を握り固める。
久遠仁:「ああ。頑張ろう…… …………」
久遠仁:「……頑張りましょう。いや、すいません。つい」
穂村 姫乃:それを聞いた後ぷはっと軽く噴き出して。
穂村 姫乃:「いやはや。駆け込んだ甲斐もあるというもんじゃな」
亜藤 蘭介:「笑うなよ……」
久遠仁:「いやァ、ついさっきまで同い年だったもんで……」
穂村 姫乃:「あいすまん。嫌味で笑ったわけではない」
穂村 姫乃:「何とも頼もしい正義の味方達じゃなぁと改めて感じ入っただけじゃって。見逃してくれ」
亜藤 蘭介:ばつのわるそうな表情で頬を掻いて。「……久遠も、接しやすい態度で構わんぞ」
亜藤 蘭介:「連携に難が生じても困る」
久遠仁:「え、本当かい?そいつは助かるなあ」適応が早い。
永良ゆづり:「遠慮ないわね」
亜藤 蘭介:「お前はもう少し……いや、いい」
羽海束沙:「……改めてそう言われると、奇妙な感じがしてきますね」大きく年齢の変わっていた久遠さんと亜藤さんを順番に見て。
久遠仁:「穂村さんなんてキャラ変わってたもんなあ」
永良ゆづり:「確かに。精神年齢が下がると喋り方が変わるのね」
羽海束沙:「そういえば……昔からああいう口調、というわけでもなかったんですね」
穂村 姫乃:「そこはまあ、しゃあないじゃろ」
穂村 姫乃:「別に今じゃってこれ使っとるのが完全に素という訳でもないからの」
亜藤 蘭介:「……えっ」素の反応。
永良ゆづり:「威厳とか貫禄とか、そういう話?」
穂村 姫乃:「うむ。流石に齢三桁も行かぬ人の子から『お嬢ちゃん』などと呼ばれるのは釈然とせんのでな」
穂村 姫乃:「こうして分かりやすい形で年寄りアピールをしとるという訳じゃ」
久遠仁:「神様ってのも大変なんだなァ……」
亜藤 蘭介:「処世術のようなものか……」得心がいったように頷いて。
永良ゆづり:「(年齢三桁の人間、割とレアだけどね……)」
羽海束沙:「ああ……少し、分かりますね」
羽海束沙:「私も、仕事に関する場ではつとめて硬い言葉を使うようにしています」
穂村 姫乃:「ま、そこは言葉の綾じゃて。それになお主ら」
穂村 姫乃:「コンビニだのネカフェだのでこの口調使えると思うか?」
"ビー"北条サイカ:「……ふふっ」想像して、すこし噴き出してしまう。
"ビー"北条サイカ:「失礼……」こほん、と咳払いして軽く頭を下げる。
亜藤 蘭介:「まあ……奇怪な目で見られることは間違いないだろう」
久遠仁:「そうさな。使い分けられるなら、使い分けるに越したことはない」
久遠仁:思うところのあるような顔(兜)をする。
穂村 姫乃:「そうそう。TPO大事じゃよな」
穂村 姫乃:「コンビニでプリン買うだけで変な顔されたくはないからのう」
羽海束沙:「色々、大変なんですね……」
永良ゆづり:「真面目ねぇ。一度や二度しか付き合いのない相手に、そんな気を遣わなくてもいいと思うけども」
久遠仁:「まあ、そういう心配も、まずは帰ってからだな」
穂村 姫乃:「そうじゃな。儂から始めといてアレじゃけど、少しばかり脱線が過ぎた」
"ビー"北条サイカ:「脱線、と言えばそうかもしれませんが……」
"ビー"北条サイカ:「先程も言った様に、こうしたとりとめのない会話が、"サンディーヴァ"の汚染から自我を保つ手段として有効なんです」
亜藤 蘭介:「時間は有限だが」
亜藤 蘭介:「こういう些細な会話が、俺たちにとっては。活力になるものだ」
亜藤 蘭介:「一石二鳥だな」"ビー"の言葉に頷いて。
永良ゆづり:「ええ。これ以上自分を見失うなんてまっぴらごめん」
"ビー"北条サイカ:「ええ。急ぐ必要はありますが、こうした会話が無駄という訳でもありません」
"ビー"北条サイカ:「この世界も、もう十数分は保つと思います」
"ビー"北条サイカ:「それまで、心の整理を付けるというのも良いかと……こうして退避領域を作り出す余力にも、限りがありますから」
GM:という所で
GM:【汚染値制御判定】を行いましょう。
GM:《意志》《RC》《交渉》の好きな技能で判定してください。難易度は8です。
永良ゆづり:2dx+2>=8 思い出の一品+ブランケット
DoubleCross : (2DX10+2>=8) → 7[1,7]+2 → 9 → 成功
GM:成功すると、【制御値】計算式に則った汚染値・侵蝕値の減少が発生します。
久遠仁:うーむ 交渉かな……
穂村 姫乃:RCで行こう
亜藤 蘭介:2dx+4>=8 思い出の一品、ブランケット 意志
DoubleCross : (2DX10+4>=8) → 6[4,6]+4 → 10 → 成功
GM:今回は成功による1点だけです。
穂村 姫乃:3dx+11
DoubleCross : (3DX10+11) → 7[3,4,7]+11 → 18
久遠仁:2dx>=8
DoubleCross : (2DX10>=8) → 6[3,6] → 6 → 失敗
久遠仁:ギャー
GM:仁さん……!
永良ゆづり:バディム
亜藤 蘭介:ナイスバデ
穂村 姫乃:すかさずのバデム
久遠仁:最強エンブレムありがとうございます
GM:バデムなら成功になっちゃうなあ
GM:では全員成功しましたので
GM:夢界汚染値を1点減らし、侵蝕値を1d10減らすことができます
久遠仁:ヤッタネ
亜藤 蘭介:ヤッター!
穂村 姫乃:わーい
亜藤 蘭介:夢界汚染値→7から6に
久遠仁:汚染値6>5
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 2)減少 (63 → 61)
亜藤 蘭介:ぴえん
穂村 姫乃:53-1d10
DoubleCross : (53-1D10) → 53-10[10] → 43
永良ゆづり:汚染値が7→6
永良ゆづり:52-1d10
DoubleCross : (52-1D10) → 52-2[2] → 50
久遠仁:56-1d10
DoubleCross : (56-1D10) → 56-5[5] → 51
穂村 姫乃:侵蝕が43、汚染値が6に減少
GM:この判定の演出としては、ここにいる他のキャラクターと会話したり、過去回想による会話シーンを行ったりという感じになります。
GM:それにあたって必要なNPCがいれば召喚します。また、特に必要ないかなという時は演出カットでもOKです。
亜藤 蘭介:ヤッター!
久遠仁:つよ!
穂村 姫乃:助かり~
永良ゆづり:わぁい!
亜藤 蘭介:う~んロイスは迷うが…まだ保留で
亜藤 蘭介:ボデマ狙いますか
亜藤 蘭介:3dx+1>=12
DoubleCross : (3DX10+1>=12) → 9[2,4,9]+1 → 10 → 失敗
永良ゆづり:ボディマ
久遠仁:ロイスは保留かな……
亜藤 蘭介:財産2あるがう~む
久遠仁:2DX+2 ボデマ
DoubleCross : (2DX10+2) → 8[5,8]+2 → 10
永良ゆづり:の前に、バディムしとこう
亜藤 蘭介:あっ これは
穂村 姫乃:ロイス保留でメイド服チャレンジ
亜藤 蘭介:ありがたい…
穂村 姫乃:1dx+1>=20
DoubleCross : (1DX10+1>=20) → 2[2]+1 → 3 → 失敗
穂村 姫乃:ダメダメのダメじゃな 以上!
永良ゆづり:あっ、違う、私もうボディマ着てた
亜藤 蘭介:では購入して着用!
久遠仁:こっちに羽海さんのバデム貰おうかな
羽海束沙:あげますよ~
永良ゆづり:えーっと、じゃあメイド服
永良ゆづり:2dx>=20
DoubleCross : (2DX10>=20) → 10[2,10]+10[10]+10[10]+10[10]+8[8] → 48 → 成功
亜藤 蘭介:???????
永良ゆづり:どうぞ~
GM:!???
久遠仁:?????????????
穂村 姫乃:最強の方?
亜藤 蘭介:有能チルドレンがよ
穂村 姫乃:ありがとうございます!
永良ゆづり:一文無しでも人に貢ぐことが出来る
永良ゆづり:ロイスは保留、以上で
久遠仁:最高級メイド服を横目に中古のボデマを装備して以上です
穂村 姫乃:最高級メイド服を装備して、改めて以上!
GM:ではみんな以上かな 次のシーンへ
GM:では、再度情報収集に移ります。
GM:先ほどと同様、全ての項目の調査完了で状況が進行します。
GM:また、このシーンに登場した場合は【夢界汚染値】が1点上昇します。
GM:以上を踏まえて、情報項目を開示しますね。
GM:現時点では以上です。
永良ゆづり:また増えそうな感じがするわね
亜藤 蘭介:前回とおなじく
亜藤 蘭介:にこ以上開ける場合は再登場して汚染値を上げる感じですかね
永良ゆづり:とりあえず登場、汚染値6→7
GM:そうなります。
穂村 姫乃:こちらも登場
GM:判定したい方は登場の上ダイスロールをどうぞ
亜藤 蘭介:登場 汚染値6→7
亜藤 蘭介:ありがとうございます!
久遠仁:登場、5>6
穂村 姫乃:汚染値6→7に
亜藤 蘭介:さてどうしましょ
久遠仁:任意のどっちか行こうかな
亜藤 蘭介:知覚以外なら何でも大丈夫…かな?
永良ゆづり:知覚に自信のあるお方~
穂村 姫乃:キャラ的にルリカの動向抜きたいなと思ってました
亜藤 蘭介:がんばれ~
穂村 姫乃:知覚に自信はないけど固定値は1ある
穂村 姫乃:じゃあ皆様良ければ振ります
永良ゆづり:私も任意のどっちかかな……
永良ゆづり:やっちゃえ~~
GM:どうぞ~~
穂村 姫乃:2dx+1>=7
DoubleCross : (2DX10+1>=7) → 9[9,9]+1 → 10 → 成功
亜藤 蘭介:流石
穂村 姫乃:ふふん
久遠仁:やったね
永良ゆづり:ナイス
GM:では開示
亜藤 蘭介:現地協力者!
永良ゆづり:やったぜ
穂村 姫乃:やったぜ!
久遠仁:なんだって~
亜藤 蘭介:じゃあ噂話抜こうかな あたし
亜藤 蘭介:3dx>=9
DoubleCross : (3DX10>=9) → 5[1,4,5] → 5 → 失敗
亜藤 蘭介:へ な ち ょ こ
永良ゆづり:財産点1とバディムがあれば
亜藤 蘭介:あっ バデム3か
亜藤 蘭介:2だと思ってた じゃあ財産1入れます!
永良ゆづり:じゃあバデム
亜藤 蘭介:ありがと~~~!
久遠仁:やった~
亜藤 蘭介:残財産1
GM:では開示
穂村 姫乃:なるほどねえ
亜藤 蘭介:ハハァ~
永良ゆづり:なるなる
久遠仁:許せねえよ……
久遠仁:・敵対戦力について 情報:任意-11
久遠仁:情報UGN コネ使用
久遠仁:4DX+3>=11
DoubleCross : (4DX10+3>=11) → 8[5,7,8,8]+3 → 11 → 成功
久遠仁:ぴったり
亜藤 蘭介:やる~
永良ゆづり:強い!
穂村 姫乃:お見事
永良ゆづり:あっ、やっぱり別個体なんだ
亜藤 蘭介:ヤバイ戦闘法が書かれているのですが
穂村 姫乃:自作してる!
久遠仁:天城か……
永良ゆづり:>魄柱(アンカレイジ)について 情報:任意-10
GM:どうぞ~
永良ゆづり:4dx+2>=10
DoubleCross : (4DX10+2>=10) → 7[1,4,6,7]+2 → 9 → 失敗
永良ゆづり:羽海ちゃーん……
亜藤 蘭介:友情コンボだ!
羽海束沙:羽海アシスト!達成値+3です
永良ゆづり:ありがとありがと!!
久遠仁:二人バデムを持つことで唯一の弱点が改善されている
穂村 姫乃:自分の判定には他人からバデムを使ってもらえばいいという解決
亜藤 蘭介:IQ100000000
永良ゆづり:なるほど……
亜藤 蘭介:ンン~~~~ 場所……そういうこと……
GM:また、追加で2個の情報項目が開示されます。
亜藤 蘭介:知識…知識!?
久遠仁:知識か~
穂村 姫乃:ふふ、ちょうど持っとるんじゃよな~
亜藤 蘭介:神様…
亜藤 蘭介:自動も開けてないから3人出ないとですね
穂村 姫乃:いうて一回回さんとじゃから運頼みじゃけども
永良ゆづり:例によってバディム権を復活させるか
亜藤 蘭介:加護有るし行ってみようかナ
永良ゆづり:>・外部との連絡について 自動成功
GM:では判定なく公開
永良ゆづり:汚染値7→8になりました
亜藤 蘭介:汚染値7→8
穂村 姫乃:こちらも再登場で汚染値8に
久遠仁:ひえ~~
亜藤 蘭介:ゲッ 時の流れも
永良ゆづり:何ということ……
穂村 姫乃:えぐ……
亜藤 蘭介:穂村さん
亜藤 蘭介:自分、・魄柱(アンカレイジ)について② 知識:レネゲイド-11
亜藤 蘭介:こっちでもいいかな?
穂村 姫乃:良いぞ
亜藤 蘭介:任せてくれ
亜藤 蘭介:砂の加護!判定ダイス+4
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を3(→ 3)増加 (61 → 64)
亜藤 蘭介:6dx>=11
DoubleCross : (6DX10>=11) → 7[1,2,5,6,7,7] → 7 → 失敗
亜藤 蘭介:カス!!!!!!!
永良ゆづり:どうしましょう……使う?
亜藤 蘭介:財産1切ってまたお願いするしかないよねえ
亜藤 蘭介:ごめん…
永良ゆづり:じゃあバディム2回目~
亜藤 蘭介:素寒貧になりました
久遠仁:汚染値余裕あるし一応出ようかな
GM:では公開
久遠仁:でもそれだとタイミング間に合わないか
永良ゆづり:そっか、OPの兼ね合いで1低いのか
永良ゆづり:ずる!!
亜藤 蘭介:穂村さんの結果見てからでもいいかも
穂村 姫乃:そうかも
GM:結果見てから途中で出てもOKです
穂村 姫乃:という訳なので残る”サンディーヴァ”の目的について 知識:レネゲイド-12を判定
GM:あとPC1なんだからそれくらいいいでしょ!
GM:どうぞ~
穂村 姫乃:3dx+1>=12
DoubleCross : (3DX10+1>=12) → 9[3,7,9]+1 → 10 → 失敗
永良ゆづり:あ、ずる!!はアンカレイジの方
永良ゆづり:おうふ……
GM:あ、そっちかごめん
穂村 姫乃:財産点で行けるな
GM:あと言い忘れたけど
亜藤 蘭介:信仰します
GM:羽海バディムーブは復活してることでいいです
亜藤 蘭介:おっ!
久遠仁:エ~ッ!?
GM:全員が行動したら「1ラウンド」だろと思うし……
穂村 姫乃:あ、ならお願い
永良ゆづり:そっちも使えるのか!
亜藤 蘭介:ありがた裁定
GM:悩んだけど この情報収集で1回しか使えないよりはそっちのがしっくりくるかと思ったので……
GM:というわけで公開
GM:これで情報は全てになります。
永良ゆづり:やば……
穂村 姫乃:ヤバなんじゃが
亜藤 蘭介:さっ……サイカッッッ
久遠仁:ゲーーーー
久遠仁:ふざけやがって……
GM:では、次は日下部ルリカと密会するシーンになります。
GM:シーンプレイヤーは穂村さん。他の人は登場任意です。
GM:また、このシーンに登場した場合は汚染値が1点上昇します。
永良ゆづり:出ます!汚染値が9に。
久遠仁:出ます 6>7
亜藤 蘭介:出ます出ます 8→9
穂村 姫乃:こちらも汚染値が9に上昇
GM:OK では
日下部ルリカ:「つまり、私一人じゃどうやっても無理だったのさ」
永良ゆづり:「なるほど。そりゃあ、終わった後に付け入る隙なんてない」
日下部ルリカ:「加速機能の魄柱……つまり、マコトの店の近くにあるやつだね」
日下部ルリカ:「あれの力で……魄柱の表面を包むようにして、自分に接近するものを1億分の1くらいの速度に減速させる領域を作り出してる」
日下部ルリカ:「こっちの側から近づこうとしても、普通にやったんじゃまず届かない」
久遠仁:「おいおい……ちょっと待ってくれよ」
久遠仁:「それじゃあ、何か?その話が本当なら……」
久遠仁:「君は君のリベンジの結果をその目で確かめられないじゃないか」
日下部ルリカ:「あはは」
日下部ルリカ:「じゃあ、他にどうしろって?」
日下部ルリカ:「……最後まで戦える方法があるなら、そうするよ」
永良ゆづり:「こちらに時間流を操作できるオーヴァードはいない」
日下部ルリカ:「……気合でどうにかできる話なら、どうとでもしてやるよ」
永良ゆづり:「そんな不確かなものに頼るのも難しい話」
日下部ルリカ:「それに、結果なら確かめられるさ」
日下部ルリカ:「消えたはずの私が、もう一度蘇ることがあったら」
日下部ルリカ:「それが敗北だ」
亜藤 蘭介:「どんな手を使ってでも、か……」
久遠仁:「……自分で出した結論と決意なら、こちらが口を挟むことでもない、か」
久遠仁:「責任重大だな、こいつは」
永良ゆづり:「大した覚悟と、未練ね」
永良ゆづり:「その結論を出すまでに、どれだけ時間がかかったことやら」
永良ゆづり:ポケットから小さな箱を手に取り、中から指ほどの大きさの白い棒を摘まむ。
永良ゆづり:「これ以上、人の死を背負うのは遠慮したかったんだけどね」
永良ゆづり:咥え込んだ棒の先端から煙がか細く、天井へと伸びていく。
日下部ルリカ:「そうさ……他にどうしようもないから、君達を信じることにするって言ってるんだ」
日下部ルリカ:「どうか、安らかに眠らせてくれよ」
穂村 姫乃:「むう」 一つ、口を尖らせて。
穂村 姫乃:「事情も分かったし、異論反論があるわけでもない。じゃが」
穂村 姫乃:「他にどうしようもないから、というのは少しばかり業腹じゃの」
亜藤 蘭介:穂村の言葉に、ふ、と僅かに口を歪める。
羽海束沙:「……なら、その怒りを向けるべき矛先も」
羽海束沙:「"サンディーヴァ"になるのかしらね」
穂村 姫乃:「否。これでも一応神の現身のようなもんじゃし、約束通り正義の味方を連れても来たし」
穂村 姫乃:「もう少し前向きに儂らの勝利を信じてくれんもんか、とな」
穂村 姫乃:「まあでも、あっさり術中にハマって寝呆けとったわけじゃしなー。信頼出来んかー」
穂村 姫乃:そうボヤキながらベターっと机に突っ伏す。
日下部ルリカ:「……いや、それは。そういう意味で言ったんじゃ」
日下部ルリカ:「本当なら最後まで私の手でやりたいけど、それが無理だから仕方なくってことで……」
永良ゆづり:「実際、まだ人に助けて貰っただけだからね」ふーっ、と。明後日の方向に煙を吐く。
久遠仁:「都合よくバロールでもいれば良かったんだがなあ。速いだけじゃあ突破できんものかね」
亜藤 蘭介:「久遠、お前行けるんじゃないのか」
亜藤 蘭介:「大分速かっただろう、アレ」
久遠仁:「そうさなあ……」顎をさすって「試してみる価値はあるかな」
穂村 姫乃:「あるいは、そうじゃな。ルリカの方を強化したら案外耐えれたりせんかの」
穂村 姫乃:「丁度良いことに儂そういうのちょっと得意じゃし」
羽海束沙:「それは……まあ、そうね。彼女の計算結果だけを信じきる理由も、こちらにはありません」
永良ゆづり:「そうねぇ。貴女の方策には、貴女の強度しか勘定に入ってないし」
日下部ルリカ:「っ……!か、勝手なことばっかり……!」
亜藤 蘭介:「別に、無いものねだりをしている訳じゃない」
亜藤 蘭介:「閉鎖されたこの状況下に置いて、利用できるものは何でも利用する」
亜藤 蘭介:「加速の"魄柱"を斬り落とした後、君が消えない可能性が少しでもあるのなら」
亜藤 蘭介:「そちらの方が、こちらにとってもメリットが大きいだけの話だ」
亜藤 蘭介:「君と同じように。俺たちも、手段は選ばない」
久遠仁:「ああ。やってみて損は無いんじゃないか?」
永良ゆづり:「いいんじゃない。死なないなら背負わなくていいし」
日下部ルリカ:「っ、うう……! そりゃ、そう言われたら……」
日下部ルリカ:「こっちだって、試すなとは言えないけどさ……!」
日下部ルリカ:「人の決心の重さを……!このっ……!」
穂村 姫乃:「そうじゃって。なあ、ルリカ」
日下部ルリカ:「……ん」
穂村 姫乃:「成仏の手伝いに抜擢されたというならそれもまた誇りではあるがな」
穂村 姫乃:「成仏するより今後も生きてく方がずっと良いというのは、そりゃそうに決まっとるじゃろ」
穂村 姫乃:「儂らまだゲーセン行って映画見てバーガー食っただけじゃぞ?」
穂村 姫乃:「カラオケだのボウリングだのダーツだのパフェだのファミレスだのマリトッツォだの」
穂村 姫乃:「現世には娯楽が絶えんからな。味わえるに越したことは無い」
穂村 姫乃:「お主だって知りたかろう。違うか?」
日下部ルリカ:「あ……」数秒、呆気にとられたようにまばたきをして。
日下部ルリカ:「……ありがと。うん、ほんとに」
日下部ルリカ:「君と、友達になれて良かった」
日下部ルリカ:「出会うのがもう少し早かったら、不味かったかも」
日下部ルリカ:「そうしたら……"サンディーヴァ"に勝つことなんて、どうでもよくなって」
日下部ルリカ:「君と、ずっとこの世界で過ごしていたいって思っちゃってたかもしれない」
穂村 姫乃:「ふふ。最高の褒め言葉として受け取っておこう」
日下部ルリカ:「……でも、そういうわけにはいかない」
日下部ルリカ:「もしも、全てが君の言うように上手く行ったって」
日下部ルリカ:「この身体は私のものじゃないんだ」
日下部ルリカ:「誰かの人生を乗っ取って生きるなんて、そういうの」
日下部ルリカ:「認めらんないでしょ?正義の味方はさ」
日下部ルリカ:どこか寂しげに微笑んで、そう言い切る。
久遠仁:「……そうか。君も北条と同じ……」
"ビー"北条サイカ:「……ええ。本来の"バース"のオーヴァードは、皆……」ずっと黙って成り行きを見守っていたが、久遠さんの言葉を肯定する。
"ビー"北条サイカ:「……戦闘オーヴァード同士の殺し合い。それは即ち、オーヴァードが再生限界を超えるほどの戦いです」
"ビー"北条サイカ:「彼らの本来の肉体は、跡形も残っていない……そして」
"ビー"北条サイカ:「いかに夢界領域であっても、遺体も何もない所から蘇生を行うことはできません」
"ビー"北条サイカ:「夢というのは、観測者がいて初めて成立するもの……ですから」
亜藤 蘭介:「仮に"サンディーヴァ"打倒までを共に果たしても」
亜藤 蘭介:「夢から覚めた後は……元の場所に還るだけ、か」
羽海束沙:「……そうあるべき、でしょう。本来、死んでいるはずの人間なんです」
羽海束沙:「"興津比売命"も、その。気持ちは分からないでもありませんが……その」
羽海束沙:「……どこかで、割り切る事は必要かと」
永良ゆづり:「……道理ね」
永良ゆづり:「けれど、私達はもう日下部ルリカの意志を聞いてしまった」
永良ゆづり:「もう死人としては扱えない」
穂村 姫乃:「……うむ」
永良ゆづり:「……だから、ってわけではないけど。どうせ、貴女の死を背負わなきゃいけないのなら」
永良ゆづり:「もう少し、背負い甲斐のある振る舞いを心掛けて貰えるかしら」
日下部ルリカ:「……」
日下部ルリカ:「ごめん……私も、ちょっと気が立ってたし」
日下部ルリカ:「どうせなら皆が別れやすいように、って思ってたから……」
穂村 姫乃:「……否。ルリカの謝ることではあるまいよ」
穂村 姫乃:「別れこそ随分経たが、死別というのは久方ぶりでな。少々感情的になった」
穂村 姫乃:「希望を見すぎて現が疎かになったら本末転倒じゃしの」
永良ゆづり:「……失礼。別に、責めているつもりはなくて」
永良ゆづり:「ただ、貴女は私達のことを"正義の味方"と称したけれども」
永良ゆづり:「厳密には異なる。我々が与し、護ろうとするのは、貴女の様な権能に囚われた者の日常」
永良ゆづり:「私達のことを気遣う必要なんてまるでないし」
永良ゆづり:「例え、貴女の命がこの夢界領域が潰えるまでのものだったとしても」
永良ゆづり:「なるべく。出来る限り。護らせてもらえないかしらね」
日下部ルリカ:「……ああ」
日下部ルリカ:「知らなかったんだ。ずっと、あの地下施設から出ずに暮らしていたから」
日下部ルリカ:「UGNって組織がある、って事は知ってたけど……」
日下部ルリカ:「どれも、人伝てに聞いた話くらいの知識でしかなかった」
日下部ルリカ:「……本当、生きてる内に君達に会いたかったよ」
日下部ルリカ:ふう、と深く息を吐いて。
永良ゆづり:「……ごめんなさいね」
日下部ルリカ:「ああ、いやいや。恨み言じゃないって」
日下部ルリカ:「君達は、今この瞬間に間に合った。ここにいて、私を助けてくれるって言う」
日下部ルリカ:「それだけで、感謝してもしきれないさ」
永良ゆづり:「それはそれは。とても、背負いがいのある意志だね」
永良ゆづり:満足したように、咥えた白い棒を口の中に放り込んだ。
久遠仁:ヤバ
永良ゆづり:つよ~~
穂村 姫乃:つよ
亜藤 蘭介:デメリットあるのかな
亜藤 蘭介:とりあえずロイスは保留します
亜藤 蘭介:う~ん購入…ブルゲチャレンジしますか
穂村 姫乃:ルリカのロイスを〇尽力/無力に変更
永良ゆづり:日下部ルリカ/○親近感/悔悟 で取得
亜藤 蘭介:3dx+1>=20
DoubleCross : (3DX10+1>=20) → 10[6,8,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗
亜藤 蘭介:結構惜しかった
亜藤 蘭介:以上
久遠仁:う~ん ロイス保留でブルゲ
久遠仁:2DX+2>=20
DoubleCross : (2DX10+2>=20) → 10[6,10]+6[6]+2 → 18 → 失敗
久遠仁:羽海さん~~
穂村 姫乃:購入はこっちもブルゲチャレンジで
穂村 姫乃:1dx+1>=20
DoubleCross : (1DX10+1>=20) → 8[8]+1 → 9 → 失敗
穂村 姫乃:ダメじゃあ。以上!
久遠仁:NPCカードを使わせてもらって買います
羽海束沙:あっ呼ばれた どうぞ~
久遠仁:やったね 以上です
亜藤 蘭介:ナイスバデム
永良ゆづり:じゃあ購入はブルゲ
永良ゆづり:2dx>=20
DoubleCross : (2DX10>=20) → 10[4,10]+1[1] → 11 → 失敗
永良ゆづり:うーん、以上
穂村 姫乃:あ、ブルゲ良かったら儂がもらってもいいか?
穂村 姫乃:範囲もちじゃし
久遠仁:どうぞ!
穂村 姫乃:いざとなったらメイド服脱ぐし
穂村 姫乃:貰った~
久遠仁:メイド服を……
亜藤 蘭介:脱ぐ!?
GM:なるほどね
GM:さておき以上の気配
GM:では、集まった情報を元に作戦を練るシーンです。
GM:各自の調査内容を持ち寄り、魄柱伐採の手順を相談していきます。登場する方はどうぞ。
GM:シーンプレイヤーは久遠さんです。
穂村 姫乃:登場!侵蝕値はこれで10!
永良ゆづり:汚染値9→10
亜藤 蘭介:出ます 汚染値9→10
久遠仁:登場、7>8に
GM:OK!では
GM:全員登場です。登場する時は汚染値を1上昇させてください。
永良ゆづり:汚染値11!
久遠仁:登場します 8>9
亜藤 蘭介:登場。汚染値10→11
穂村 姫乃:登場します。これで11。
GM:説明は以上です。あ、あと
GM:この衝動判定で暴走はしないと言ったけど、侵蝕は……上がる!
亜藤 蘭介:アッ!!!!
穂村 姫乃:了解
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2d10(→ 9)増加 (67 → 76)
久遠仁:びゃ~
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を2d10(→ 11)増加 (43 → 54)
永良ゆづり:50+2d10
DoubleCross : (50+2D10) → 50+5[4,1] → 55
久遠仁:51+2D10
DoubleCross : (51+2D10) → 51+10[8,2] → 61
GM:ミドル戦闘を開始します。
GM:1ラウンド目。セットアップ。
久遠仁:なし。
亜藤 蘭介:なし。
天城マコト:《得意領域》《力場の形成》《苛烈なる火》
穂村 姫乃:無し!
天城マコト:攻撃ダイス+5、攻撃力+25。HP減少
永良ゆづり:私自体はないけれども、日下部さんのNPCカード①を宣言。
日下部ルリカ:はーい、では
GM:①「偏差投器・荒天象(スロウシフト・ストーム)」
タイミング:セットアップ
制限:シーン1回
効果:ラウンド中、PC全員の攻撃力を+10し、エネミーがドッジした場合のリアクションの達成値を「20」に固定する。
GM:以上の効果が適用されます。ダメージ出す時とかに覚えておいてね。
永良ゆづり:助かります!!
亜藤 蘭介:ありがと~!
穂村 姫乃:助かる!
久遠仁:最高~
GM:改めてイニシアチブ。
天城マコト:《加速する刻》
久遠仁:ずる!!!
亜藤 蘭介:コラ!
GM:あ、ごめん その前に演出やっとこ
日下部ルリカ:「……悪いね。私はしばらく、あっちに集中しなきゃいけないから」
日下部ルリカ:その場に膝をついて、集中する構え。魄柱を砕くための備えをする、という意味なのだろうが
日下部ルリカ:パフォーマンスだ。真実ではない。何らかの支援の用意を、とうに終えている。
GM:これだけ。改めてイニシアチブ。
天城マコト:《加速する刻》より、マイナーなし。
天城マコト:メジャー「天地溶滅」《雨粒の矢》《シングインザレイン》《焦熱の弾丸》《紅蓮の衣》《クロスバースト》オート《バーストブレイク》
天城マコト:対象はPC全員。
天城マコト:13dx+30
DoubleCross : (13DX10+30) → 10[1,1,2,3,5,5,5,6,7,8,8,9,10]+3[3]+30 → 43
GM:リアクションどうぞ。
久遠仁:やめなさい
亜藤 蘭介:ど、ドッジ!
久遠仁:6DX>=43 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=43) → 9[4,4,4,6,6,9] → 9 → 失敗
亜藤 蘭介:5dx+1>=43
DoubleCross : (5DX10+1>=43) → 9[3,4,6,8,9]+1 → 10 → 失敗
穂村 姫乃:ドッジしとこ
永良ゆづり:(4-3)dx+1>=43 ドッジ
DoubleCross : (1DX10+1>=43) → 8[8]+1 → 9 → 失敗
穂村 姫乃:3dx>=43
DoubleCross : (3DX10>=43) → 10[1,3,10]+10[10]+5[5] → 25 → 失敗
穂村 姫乃:めちゃ頑張ったんじゃけど!
穂村 姫乃:もったいないんじゃけど!
GM:がんばったねえ
亜藤 蘭介:努力を認められた
久遠仁:よかったね
天城マコト:5d10+66+5D10 ダメージ。諸々有効
DoubleCross : (5D10+66+5D10) → 27[10,5,1,7,4]+66+23[7,2,1,9,4] → 116
GM:カバーリング確認遅れたので、する人いればどうぞ!
永良ゆづり:失礼、ではダメージダイスを振る前に《炎陣》。亜藤くんをカバーして侵蝕57。
亜藤 蘭介:ありがとうございます!
GM:OK。では改めてダメージを受けてください
GM:一応ガードした人はダメージ+35です
永良ゆづり:ゆづぇーっ!!即死!!
穂村 姫乃:儂も死!
亜藤 蘭介:衣いって!!
久遠仁:無論死!
久遠仁:61+1D10 リザレクト
DoubleCross : (61+1D10) → 61+8[8] → 69
GM:戦闘不能になった人は、汚染+1されるのでその辺の処理もよろしくおねがいします。
永良ゆづり:57+1d10 リザレクト
DoubleCross : (57+1D10) → 57+5[5] → 62
穂村 姫乃:リザレクトしつつ汚染値は13まで上昇
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (54 → 63)
久遠仁:汚染値12>13
穂村 姫乃:穂村 姫乃のHPを9に変更 (29 → 9)
永良ゆづり:汚染値は13になって以上!
GM:では演出。
天城マコト:領域の主、オルクス。自身が因子を展開・制圧した空間について強大な権限を行使する異能者。
天城マコト:この系統の能力者同士の戦いにおいて勝敗を左右するのは、他の何よりも、領域そのものの操作能力の長短である。
天城マコト:──矛盾。例えば、「全てを溶かす熱能力」と、「絶対不壊の防壁を作り出す能力」なるものがあったとして、これらが互いに衝突すればどうなるか。
天城マコト:「どちらかの虚飾が破れる」──一般的には、それが真実だ。
天城マコト:だが、互いが常に己の因子展開を能力起点の前提とする者、オルクスであるならば──「領域を掌握した側が勝つ」。
天城マコト:そして。
天城マコト:天城マコトが、"バース"の中で「1位」の座を揺るぎないものにできていたのは──当然、
天城マコト:能力そのものの殺傷性は元より、領域掌握の技術に依った。
天城マコト:──その操作精度、達人(アデプト)の剣技にも抗しうる。
天城マコト:──その展開速度、ハヌマーンの一撃にも迫る。
天城マコト:──その展開範囲、視界内の全て。
天城マコト:焔は副産物だ。君達を襲うのは、姿のない牙。
天城マコト:一触即蒸発、触れたものを溶かし崩壊させる因子領域そのもの──地を削り、空を飲み干し、君達の命を奪わんとする。
久遠仁:「ぐあ、ッ……」苦悶の声を上げつつ、自ら加速して分解された身体を急速再生させる。「直接やり合うのは初めてだが……」
久遠仁:「理屈で速い性質か。まずいな、苦手なタイプだ」
亜藤 蘭介:視認する間もなく直感的に判断する。埒外の出力を持って繰り出されるそれ。
亜藤 蘭介:せめて致命的な箇所だけを、己がレネゲイドで防護せんとした矢先。
永良ゆづり:疾走し、流転する白煙が。亜藤蘭介の周囲を巻くように吹き荒ぶ。
永良ゆづり:永良ゆづりの生成する煙は、猛るレネゲイドそのもの。
永良ゆづり:精巧にして濃密なる領域の中であれど、僅かな揺らぎと弛みを生み出すことは可能。
永良ゆづり:もっとも無力化したわけではない。しわ寄せは自身に還ってくる。
永良ゆづり:「────っ、かは」永良ゆづりの体躯が霧散し、レネゲイドの高ぶりを代償として瞬時に再生する。
亜藤 蘭介:晴れた煙のあと。身代わりとなった少女を一瞥し。瞬間だけ険しい表情を見せたあと。
亜藤 蘭介:「永良」感謝の言葉など彼女は必要としていまい。
亜藤 蘭介:「行けるか?」得物の柄を固く握りしめて。標的を改めて見定める。
永良ゆづり:「……勿論」
亜藤 蘭介:「良し」
永良ゆづり:「(……しかし、身を焦がすことよりも)」
永良ゆづり:「(夢に喰われる隙を生む意味で、そう何度も致命傷を受けるべきではない、か)」
穂村 姫乃:「ふむ。確かに迅く、鋭いな。しかし――」
穂村 姫乃:炎の影に隠れるように迫る領域にタイミングを合わせる形で再生を行う。
穂村 姫乃:それは炎として姫乃の身体を駆け巡り。火の粉が散った後、彼女の髪と瞳の色が変わっている。
穂村 姫乃:「あくまで副産物とはいえど、炎を相手に倒されるわけには行かんなぁ」
穂村 姫乃:火の神、興津比売命。その化身が顕現した。
天城マコト:「……加減をしたつもりはない。それでも、立つ者はいるだろう……と考えるのが戦闘というものだが」
天城マコト:融解の波濤が一通り伝搬したあと、抉りぬかれた焦土の中。なおも立ち上がる君達を見て、呟く。
天城マコト:「全員か。勘弁してほしいものだな……偽りとはいえ、仲間だった記憶のある相手を」
天城マコト:「何度も傷つけるというのは」吐き捨てる。続く攻撃に備える。
GM:イニシアチブ23。久遠さんの手番です。
久遠仁:マイナーでコンボ【陣雲】
久遠仁:≪骨の剣≫+≪死招きの爪≫
久遠仁:攻撃力24の素手を作成します
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を7増加 (69 → 76)
久遠仁:メジャーでコンボ【絶影】
久遠仁:≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:全力移動でエンゲージしつつ天城くんに攻撃します
GM:どうぞ!
久遠仁:8DX7+7
DoubleCross : (8DX7+7) → 10[2,2,3,3,7,9,9,10]+10[2,3,8,10]+10[9,10]+3[1,3]+7 → 40
天城マコト:リアクション。ドッジ《幸運の守護》
天城マコト:13dx+30
DoubleCross : (13DX10+30) → 10[1,1,1,3,3,4,4,5,5,8,9,9,10]+4[4]+30 → 44
久遠仁:は!?
日下部ルリカ:NPCカードの効果で20に。
GM:命中です。ダメージどうぞ。
久遠仁:ヤバ…………
永良ゆづり:こわわ……
久遠仁:ダメージ出します
久遠仁:5D10+24+5 装甲有効
DoubleCross : (5D10+24+5) → 16[2,3,5,5,1]+24+5 → 45
久遠仁:出目悪
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (76 → 80)
GM:ルリカで攻撃力+10してるから55かな
久遠仁:そうだ
天城マコト:喰らいます。まだまだ平気
GM:演出どうぞ
久遠仁:「残念だよ天城。仮初とはいえ、あんたのことは気に入ってた。いや、今でも気に入ってる──」
日下部ルリカ:前触れはない。久遠仁の動きの起こりよりも速い、事前の打ち合わせによるタイミングの同調。
日下部ルリカ:どこからともなく投擲されたナイフが、天城マコトの背を狙い飛翔した。防御のために展開していた領域に衝突。溶解。
日下部ルリカ:火花を散らした時間は、僅かに一秒も保たない。刃は溶け落ちて、しかし
天城マコト:「……!」その火花は、領域能力者同士の相互干渉。
天城マコト:自身を覆って半球状に展開した攻性防壁に、僅かに間隙が生じる。
久遠仁:「本当にざ」
久遠仁:地を蹴る。
久遠仁:急速に、極限まで鈍化する時間感覚。無音の世界に潜航し、一振りの刀を携えて足を踏み出す。
久遠仁:踏み散らした草、蹴り出した土がゆっくりと宙を舞う。
久遠仁:全てが静止した中を、久遠だけが動いている。実時間では刹那にも満たぬ内に、彫像のように凍り付いた天城のもとへと辿り着く。
久遠仁:柄を握り締める。鞘から刀身を引き抜いていく。抜刀と同時に、逆袈裟に刀を振るう。
久遠仁:白刃が月光を反射して、煌めく。
久遠仁:刃が服の繊維を破り、天城の脇腹に差し込まれる。その下の皮膚を裂く。肉を斬る。骨を断つ。
久遠仁:天城の身体に、真っ直ぐな刃創が刻み込まれる。
久遠仁:その傷に、動かぬままの表情に、兜越しに僅か視線を向けて。
久遠仁:ひゅる、と刀身を返す。続けざまに二度。
久遠仁:振り抜いた体勢から、逆方向に柄頭を戻す。顎を打ち抜き、衝撃に皮膚と髪が波打つ。
久遠仁:ようやく、最初の傷口から血飛沫が噴き出てくる。
久遠仁:それに触れるより先に、切り裂いた脇腹に回し蹴りを叩き込む。
久遠仁:顎からの衝撃が伝わるより先に、胴に別ベクトルの衝撃。
久遠仁:逆方向の運動エネルギーに、刻んだ傷口が無理やり引き裂かれるように開かれる。
久遠仁:それを見て、静かに刀を収める。
久遠仁:時間が戻ると同時、鍔鳴りの音が響いた。
久遠仁:「──ん 念だ」
天城マコト:「が、ッ……!」噴き出した血飛沫が、自身の領域に触れて蒸発する。真紅の蒸気が風に吹かれる。
天城マコト:「……お前の速さは、知っていた、つもりだったが……」傷を再生しながら踏みとどまる。
日下部ルリカ:「……一応、刃先は抗レネゲイド加工なんだ。少しくらいなら、君の領域だって耐えられる」
久遠仁:「いやァ……」表情を映さぬ兜から、天城を見据える。
久遠仁:「こっちも、殺したつもりだったさ」
日下部ルリカ:先程から動いていない。膝をついて、魄柱を刈り取る一撃を放つ備えをしているまま。
日下部ルリカ:「投げておいた。ここに来る前に」
日下部ルリカ:「ずっと"減速させ続けて"ある。私の思念一つで、そいつらは速度を取り戻す」
日下部ルリカ:「君の力とはいえ、闇雲に焼いて届く距離じゃない」
日下部ルリカ:「狙い撃つにしても、視認はまず不可能だ」
日下部ルリカ:「光の伝達速度を変えれば、見え方なんてどうとでも偽装できる」
日下部ルリカ:かなり調整に苦労はするけど、という言葉を飲み込んで。
日下部ルリカ:「さて、あと何本あるかな」不敵な笑みを作り、浮かべる。
GM:イニシアチブ。行動値9、永良さんへ
永良ゆづり:はいさーい
永良ゆづり:マイナーで戦闘移動して、天城マコトに接敵。
GM:失礼、イニシアチブ13が天城なんですが
GM:ここは待機してます。そのままどうぞ。
永良ゆづり:はいさい!
永良ゆづり:メジャー《C:ハヌ》《音速攻撃》
永良ゆづり:対象は天城マコト!
GM:どうぞ!
永良ゆづり:あ、命中判定前に羽海さんのNPCカード①を使用します。
羽海束沙:了解です。命中ダイスを+10してね
永良ゆづり:ありがと~~!では改めて!
永良ゆづり:(7+10)dx7+6
DoubleCross : (17DX7+6) → 10[1,2,2,2,3,4,4,4,5,6,6,7,7,7,8,8,9]+10[2,2,5,6,9,9]+10[4,10]+10[9]+10[10]+2[2]+6 → 58
GM:ダイスつよつよ魔人
天城マコト:ガードします。
久遠仁:ダメージ前に
久遠仁:《餓狼の爪》 +24してください
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を3増加 (80 → 83)
GM:グワーッ
永良ゆづり:わぁお!ありがたい!!
永良ゆづり:そして順番は前後して申し訳ないですが、羽海さんのNPCカード②バディムも使用し、達成値を61に!
GM:OK!ダメージどうぞ
永良ゆづり:(7+1)d10+14+10+10+24 装甲無視
DoubleCross : (8D10+14+10+10+24) → 44[6,8,3,5,10,2,8,2]+14+10+10+24 → 102
GM:やば……
天城マコト:オート《融解》ダメージ21軽減
天城マコト:残りは喰らいます。それでも流石にかなり痛い……
永良ゆづり:ぐぬぬ。こちらは侵蝕66になって以上!
GM:演出どうぞ!
羽海束沙:銃声が一つ。空へ向けて放たれたそれは、糸で吊るされたように異様な円弧を描く。
羽海束沙:.3XXコーディネイト弾。使用者の意思に感応し、ごく僅かに変形する特殊弾薬。
羽海束沙:羽海束沙がそれを用いるのは、殺傷性の向上ではなく、空気抵抗の調整のために。
羽海束沙:ノイマン・シンドロームの頭脳を以て、自在の弾道を導出する。鉛弾を翼に変える"フェザリー・リード"。
羽海束沙:飛翔し、天城マコトの視線を誘う──融解領域に接触すると同時、炸裂。閃光が一瞬ばかり視界を塞ぐ。
久遠仁:直後、ガクン、と天城の体勢が崩れる。
天城マコト:「っ……!?」
久遠仁:知覚外からの攻撃。その脚の裏側、アキレス健が切り裂かれている。
永良ゆづり:「(……なんと、頼もしい。短期決戦が望ましいのは共通見解か)」
天城マコト:痛みを堪え、瞬時に思考する。急所ではない、動きを封じるための斬撃。であれば、本命が──
永良ゆづり:僅かな思考だがそれすらも断ち切り。"本命"としての行動を、音も気配も無く開始する。
永良ゆづり:両腕をぐん、と払う様に振り。袖先から二本一対の金属棒を取り出す。
永良ゆづり:携えるは"峨嵋刺"。中国武術に伝わる暗器の一種。
永良ゆづり:中指に嵌め込んだ金輪を支点とし、掌で旋回させると。
永良ゆづり:自身の周囲を吹き荒ぶ白煙が、巻き込まれる様に峨嵋刺に纏わっていく。
永良ゆづり:疾走。獣めいて態勢は低く。体躯のばねに弾かれるかの如く夜闇を駆け抜け。
永良ゆづり:肉薄。間合いは瞬かず疾く。靴裏が食い込む程に地を蹴り、黒き影を擲つ。
永良ゆづり:貫き穿つは、天城マコトが心の臓腑。
永良ゆづり:即ち。全身に余すところなく伸びる血脈の中枢にして、炉心。
永良ゆづり:あれだけ強大かつ緻密な領域制御を施しているのだ。
永良ゆづり:流れている筈だ。溢れん限りに猛り狂うレネゲイドが。
天城マコト:「──か、はっ」然り。炉心であり、源泉だ。
天城マコト:そこに流れる血と熱が。差し込まれた刃を融かし、押し出さんと溢れて──
永良ゆづり:それこそが。永良ゆづりの権能が真価へ至るための着火石。
永良ゆづり:────炸裂。爆壊。熱焼。
永良ゆづり:峨嵋刺を介して、体躯の中に流し込まれた煙が燃え盛り、焦がし尽くさんと牙を剥く。
天城マコト:「っ……!」身体を捻り、損傷を再生しながら、その焦煙から強引に距離を取る。
天城マコト:回復しきってはいない。胸に開いた孔は塞がりきらず、流血を続けている。
天城マコト:「見事な、連携だ……少し、羨ましい」
永良ゆづり:「それはどうも」淡々と呟いて、バックステップで瞬時に距離を取る。
GM:イニシアチブ。行動値5、亜藤さん。
亜藤 蘭介:はーい
亜藤 蘭介:マイナーで天城くんに戦闘移動、接敵。
亜藤 蘭介:メジャー、コンボ:"羅紗切"。《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》+《砂の加護》+《砂塵霊》
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を10(→ 10)増加 (76 → 86)
亜藤 蘭介:対象はもちろん天城くん。
GM:OK!命中どうぞー
亜藤 蘭介:11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,1,2,4,4,5,6,6,7,7,7]+10[6,8,10]+10[1,9]+1[1]+6 → 37
永良ゆづり:届け、私のバディム!!
亜藤 蘭介:永良…!
亜藤 蘭介:40になりました
天城マコト:回避できない!リアクションはガードで。
亜藤 蘭介:ではダメージいきまーす
亜藤 蘭介:5d10+31+10
DoubleCross : (5D10+31+10) → 19[1,2,7,3,6]+31+10 → 60
亜藤 蘭介:装甲を無視!
GM:ぐおお
天城マコト:かなり痛いが……耐えてる!
亜藤 蘭介:それでこそ
GM:演出どうぞ!
亜藤 蘭介:永良が距離を獲った刹那。迫る小さな影。
亜藤 蘭介:己が内で練ったレネゲイドを、足裏を通して地に向けて放ち。
亜藤 蘭介:勢いよく突き出た"ヒトの両腕"を模した土塊を足場に宙を飛ぶ。弾丸のように。
亜藤 蘭介:大上段から振り下ろした鈍色の刃が。天城マコト目掛け振り下ろされる。
天城マコト:──睨み上げる。視線は、その速度に追いついている。
天城マコト:見えているのであれば、捉え融かせる。それが彼の領域だ。本来ならば。
日下部ルリカ:一瞬早くに着弾した刀剣が、炸裂。異なるオルクスの因子を撒き散らし、その支配域を撹乱する。──刃筋が通る。
亜藤 蘭介:胸前目掛け振るった刃が砕ける。
亜藤 蘭介:「どちらが現で、どちらが夢か」
亜藤 蘭介:「今のお前に問うても意味はあるまい」
亜藤 蘭介:"マーシャル・ヘイブン"、"メルクリカル・スカイ"、魄柱。
亜藤 蘭介:周囲取り巻く強大なレネゲイドの余波か。斬撃の衝撃に依るものか。
亜藤 蘭介:"刃を象った、ただの土くれ"が全て地に還ったあと。
天城マコト:「っ……!?」見えていた。だからこそ、眼前の対手の得物が四散するという状況に虚を突かれる。
亜藤 蘭介:その手に握っていた、日下部ルリカのナイフが。月の光に照らされ、妖しく煌めいて。
亜藤 蘭介:一歩で袈裟斬りにその守護を断ち。二歩目の返す刃でその源を断つ。
亜藤 蘭介:「俺の世界を救うために」
亜藤 蘭介:「悪いが、手段は選んでいられない」
天城マコト:領域が四散する。血飛沫が舞う。
天城マコト:並のオーヴァードであれば数度は息絶えているだろう損傷を数度重ね、本来の防御能力を封じられ。
天城マコト:それでも尚、純粋な生命力によって立ち続ける。
天城マコト:それが纏う殺気も、気力も、吹き荒れる熱も。止む気配はない。
GM:イニシアチブ。行動値4、穂村さん。
穂村 姫乃:うむ。マイナーとメジャーでそれぞれコンボと行こう。
穂村 姫乃:神憑り始め:オリジン(レジェンド)Lv5+氷の回廊Lv1
穂村 姫乃:精神判定の達成値+10、飛行状態で天城達のエンゲージへ戦闘移動、移動距離+2m、侵蝕率+3
穂村 姫乃:神事起こし:蝕む赤Lv5+ブラッドスパイクLv3+災厄の炎Lv5
穂村 姫乃:射程:至近、対象:範囲(選択)、攻撃力+24、ランク5の邪毒付与、HP3点消費、侵蝕率+8
穂村 姫乃:狙いは勿論天城一人。行くぞ
GM:ぎえーっ 来なさい!
穂村 姫乃:4dx+24
DoubleCross : (4DX10+24) → 9[1,3,7,9]+24 → 33
天城マコト:20超えてる!ガード!
永良ゆづり:《凍てつく刃》攻撃力+1D+15
永良ゆづり:侵蝕69になって以上。
穂村 姫乃:助かる。ではダメージ!
穂村 姫乃:24+4d10+1d10+15
DoubleCross : (24+4D10+1D10+15) → 24+32[10,8,5,9]+1[1]+15 → 72
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を11(→ 11)増加 (63 → 74)
GM:ひゃえ~
天城マコト:喰らいます。耐えてる。
穂村 姫乃:耐えるか。だがランク5の邪毒は受けてもらうぞ。
穂村 姫乃:すまん、ルリカの+10忘れとったから実ダメージ82じゃった。
GM:なるほどね……!
天城マコト:累計248ダメージ。HP247なので戦闘不能
天城マコト:《燃える魂》復活します。
GM:また、ここでルールという程でもない特殊ルールの説明
GM:一部のエネミーが侵蝕4d10級のエフェクト使用時、回想現象が発生する事があります。
GM:この内容はPC達は把握できていいです。ビーの時と同様に漏出している感じ。
久遠仁:なるほど
GM:説明以上。演出どうぞ。
穂村 姫乃:「さて。それでは精々神様らしく」
穂村 姫乃:「神事でも起こすとしようか」
穂村 姫乃:赤く染まった瞳を細め。紅く変わった髪を揺らし。先と変わらぬ不敵な笑みを浮かべて。
穂村 姫乃:「援護を頼むぞ、ルリカ」
日下部ルリカ:「オッケー、任せて。合わせる」
穂村 姫乃:一歩、二歩。歩みは緩やかだ。急ぐ必要などないかのように。
穂村 姫乃:「うむ、心強い。ああ、そう言えば天城。先ほど何故と問うていたな」
穂村 姫乃:「まあ儂に聞いた訳じゃないんじゃろうけど。言いたいから勝手に答えてやろう」
天城マコト:「……ああ。誰だって、そうだろう」
天城マコト:「自分達の望みを、否定すると言うなら。理由と覚悟を知りたくもなる」
穂村 姫乃:「然り。なら答えよう」
穂村 姫乃:「一つには旅を続けるため。一つにはこの街を救うため。そして何より」
天城マコト:静かな声で会話に応じながら、呼吸を整える。敵の動き出しに、気を張り詰める。
穂村 姫乃:「友人の覚悟に応えるため」
穂村 姫乃:「命を張るには充分過ぎるじゃろ?」
天城マコト:「……ああ。そういう話なら」
天城マコト:「俺も、よく知っている」
穂村 姫乃:「じゃな。お主はそういう男じゃ」
穂村 姫乃:二ッと笑うと同時に動く。右手で天城へと掴みかかるように。
天城マコト:「譲れないんだろう。よく分かった……だから」
天城マコト:「躊躇はない。初めから」焔が疾る。気中の微小粒子を融解・発火させる故の副産物。
天城マコト:一瞬のレネゲイドコントロール。空間を削り融かす領域の牙が、突き出された右腕を呑み込む。
穂村 姫乃:こちらも躊躇うことは無い。牙がそこにあると知りながら、なお右腕を突き出して。
穂村 姫乃:――食い破られた右腕から鮮血が飛び散る。
穂村 姫乃:「ルリカ!」
日下部ルリカ:声をかけられるより早く。彼女が右腕を突き出した瞬間に、その意図を察している。
日下部ルリカ:距離450メートル、マンションの屋上より。コンマ1秒での着弾。
日下部ルリカ:飛散した鮮血を纏い、朱に染まった刃が。天城マコトの胸部を抉り貫いている。
穂村 姫乃:「通ったな」
穂村 姫乃:瞬間、夜闇に包まれた裏通りが炎によって照らされる。
天城マコト:「ッ……!!」
穂村 姫乃:飛び散った鮮血がそのまま炎に姿を変えて襲い掛かる。ナイフを通し撃ち込まれた血が天城の体内を焼き焦がす。
穂村 姫乃:ほんの一滴に至るまで、全て。興津比米命の血肉にして神の力を宿す雫。
穂村 姫乃:不死を与える薬であり、熱を齎す炎であり、穂村姫乃の操る牙。
天城マコト:体内からの侵蝕に対して、領域による防御はもはや無意味だ。
天城マコト:突き立てられたナイフを融かし消そうとも、骨肉を滅するその焔が止む事はない。
穂村 姫乃:「全く、こうでもせんと通らんのがお主の怖いとこじゃよな」
穂村 姫乃:ずたずたに裂けた右手をふらりと振る。しかし口元には変わらず笑みを湛えて。
穂村 姫乃:「じゃが。通ったからには逃がさんぞ」
天城マコト:「っ……グ、かっ……」どれほどの力があろうとも、火焔そのものを融かす事は不可能だ。
永良ゆづり:重なること。先刻、天城マコトの体内に流入した白煙の残滓が。
永良ゆづり:霊験灼然なる炎舞への供物となり。焚き付け、搔き回し、猛々しく賛美する。
穂村 姫乃:「ゆづりの火種も残っとる。その火はもはや、お主が死ぬまで消えはせん」
穂村 姫乃:先の攻撃で撃ち込まれた煙を飲み込んで、炎は更に燃え盛る。
天城マコト:「ッ……」ゆらり、と影が揺れて。初めて膝をつく。
天城マコト:声が乾いて、視界が眩む。生来、ほんの数度しか自覚した事のない感覚。己の戦闘能力の限界。
天城マコト:──その感覚に、誰かの声と。忌まわしい記憶が重なる。
天城マコト:この世界で、本来の地獄(サンディーヴァ)を知らぬ演者たちを以て、幸福な夢を描くため
天城マコト:"サンディーヴァ"が封をしていたもの。その一端が、ここに至って解けていく。
天城マコト:──最初は、難しいことを考える必要もなかった。
天城マコト:目の前の敵に勝つ事だけが正しい行いで、それ以外のあらゆる出来事は、関わるべきではない些事か悪徳だ。そういう世界に生きてきた。
天城マコト:そんな中で、俺は少しばかり勝つ事が上手かった。
天城マコト:本気でかかってくる相手を、どれも容易に打ち倒す事ができた。
天城マコト: 次第に手を抜いて、楽に勝つ事を覚え始めた。
天城マコト:それでも十分に周りを圧倒できたから、研究者どもも文句など言わなかった。
天城マコト:……何もかもが、楽勝だった。
天城マコト:だから変わった。ある種、必然の結果として。
天城マコト:余裕は慈悲を産む。
天城マコト:富豪がいつだって寄付する宛を探しているのと同じ話だ。
天城マコト:「強い」とはそういうことだ。
天城マコト:「これ以上無闇に相手を傷付ける事はない」、などと選択する権利がこの手にある。
天城マコト:目の前の相手の苦悶と嘆願に、耳を貸してやる選択肢が生まれる。
天城マコト:だから──いつしか俺は、蹴落とすべき競争相手達の事を、見捨てられなくなっていた。
天城マコト:月に数度、ランキング下位層の彼らがどこか別の場所に連れて行かれて、代わりの数人が補充される──
天城マコト:幼少の頃から目にしていた当たり前の世界の営みを、許し難いとすら感じるようになっていた。
天城マコト:"アモーガ"でのランク戦は、戦闘データの採取と検体の成長が目的だ。必ずしも殺し合う必要はない。
天城マコト:「だから、仇と思わず仲良くすればいいだろう」
天城マコト:そんな事を皆に嘯くようになった。
天城マコト:つい先程まで傷つけ合っていた相手に、笑って握手の手を差し伸べた。
天城マコト:欺瞞だ、と言われても仕方がない。現実は大して変わっていない。
天城マコト:此処は日の届かない地下で、俺達は首に掛けられた識別票に刻まれた名で呼ばれる、あいつらの実験動物だ。
天城マコト:それでも、「一番強いやつ」がそういう振る舞いを始める事には、幾らかの意味があった。
天城マコト:俺達は少しずつ……本当に、ごく少しずつ。年相応の人間らしく結束していった。
天城マコト:言葉を交わすうちに、互いのことが分かってきた。
天城マコト:好きな食べ物、好きな本、生きてきて嬉しかったこと、悲しかったこと、いつか将来やりたいこと。
天城マコト:それが分かった時、俺達の為すべきことは
天城マコト:俺が持つ力の使い道は、一つだと思った。
天城マコト:信頼できる仲間達を束ねて、このセルをひっくり返す。俺達ならば
天城マコト:それが、できると思った。
天城マコト:……思っていたんだ。
GM:──ゴ ッ
GM:研究室の床に、鈍い音が響く。
GM:それが、自分の首が落とされた音なのだと、天城マコトは僅かに遅れて理解した。
"ヴィローシャナ":「……君達ほどの怪物を作り出しておいて」
GM:頭上から、声が響く。
GM:人を見下したような溜息だ。だが、今の彼にそれを見返す余裕もない。
GM:瞼が縫い付けられたように、まばたき一つ儘ならない。
"ヴィローシャナ":「何の安全装置も用意しないと思ったかい」
GM:領域生成。何度となく繰り返してきた工程。
GM:思念一つで熱を走らせ、どんな金属・硬皮だろうと溶かし切るその技が、今。彼女の前では何一つ機能しなかった。
GM:目の前のこの女を殺そうとした途端、全身を激痛が苛んでいた──まるで、自分の体が自分のものではないかのように。
"ヴィローシャナ":「──忘れていたかね。いや、こういう日のために、気づかせないようにしていたのだが」
"ヴィローシャナ":「君達は最初から最後まで、私のものだ」
GM:黒い匣を撫でながら、声が告げる。
"ヴィローシャナ":「もしも私が君達に『隠し事を全て話せ』と命じれば、君達はそうする」
天城マコト: ……そんな。
"ヴィローシャナ":「『ここで私と話した事を忘れろ』と命じれば、君達の脳はそうなる……隠し事をしようなどと、どうやっても無理な話だ」
天城マコト:だったら、初めから。
"ヴィローシャナ":「そうとも。初めから、君達に自由なんてなかったのさ」
"ヴィローシャナ":悪魔が、口元に弧を描いて笑う。
"ヴィローシャナ":「……ああ、"絶望した"かい?」
"ヴィローシャナ":「それは良かった。無駄話をした甲斐があるというものだ」
GM:……足音が、遠のいていく。
GM:追いかけるはおろか、一瞥する事すらできず、
GM:地に伏した虫のごとくに、「1位」の男は死にゆく。
GM:最期に襲ってきたのは、取り返しの付かない罪悪感だった。
GM:仲間達にかけた言葉が、自らの内で反響する。
天城マコト:何が、「俺達ならあいつらに勝てる」だ。
天城マコト:「誰一人死ななくていいようにする」だ。
天城マコト:仲間たちに、あるはずもない希望を見せてしまった。
GM:その罪を思いながら、天城マコトの命は潰えた。
GM:……それが、「一度目」の記憶。
GM:この楽園で幸福な夢に耽らせるために、"サンディーヴァ"が思い出すことのないように改竄していた悪夢。
GM:限界を越えた戦闘が、いま、そのメッキを剥がした。だから。
天城マコト:──「本物の俺」は
天城マコト:最期まで、思っていたんだ
天城マコト:もしも、次の機会が
天城マコト:「死んだあとの世界」なんてものがあるのだとしたら
天城マコト:俺は、あいつらにどうやって詫びればいいのだろうか
天城マコト:俺のせいで──叶うはずのない夢を見てしまった
天城マコト:その夢のためになら、命を懸けたっていいと言ってくれたあいつらに
天城マコト:どんな償いを、してやれるだろうか
天城マコト:俺のせいで──ニアが。その成れの果て(サンディーヴァ)が
天城マコト:こんな夢(せかい)を、紡ぎあげたのだとしたら──
GM:微睡みが、現実へと回帰する。
GM:限界を越えて焼き尽くされたはずの男の肉体に、もう一度。灯が点る。
天城マコト:「──今の、俺に」
天城マコト:「できること、は……ッ!」
天城マコト:咆哮する。赤熱する真紅の領域が、男の輪郭すらも融かして。
天城マコト:一体の幽鬼が、君達の前に立ちはだかる。
穂村 姫乃:「……ただの一度で折れるお主でもなかったか。そりゃあそうか」
穂村 姫乃:立ち上がったその姿に驚くでもなく、どこか納得を持って呟いて。
穂村 姫乃:「良かろう。お主が燃え尽きるその瞬間まで」
穂村 姫乃:「儂らもまた折れはせん」
GM:イニシアチブ、行動値0。魄柱・歳過の手番。
魄柱・歳過:行動しません。こいつのメジャーアクションは自己再生しかないが、今はHP最大のため。
GM:待機手番イニシアチブ、行動値13。"マーシャル・ヘイヴン"の行動
天城マコト:メジャー「天地溶滅」《雨粒の矢》《シングインザレイン》《焦熱の弾丸》《紅蓮の衣》《クロスバースト》オート《バーストブレイク》
天城マコト:対象はPC全員。
天城マコト:13dx+30 命中
DoubleCross : (13DX10+30) → 10[1,1,1,1,1,1,3,5,7,7,8,8,10]+2[2]+30 → 42
亜藤 蘭介:イカれ固定値!
亜藤 蘭介:ドッジを試みます
穂村 姫乃:ヤバなんじゃよな
亜藤 蘭介:6dx+1>=42
DoubleCross : (6DX10+1>=42) → 7[1,1,6,6,7,7]+1 → 8 → 失敗
穂村 姫乃:ダメ元ドッジ
亜藤 蘭介:ニャン
永良ゆづり:(5-3)dx+1>=42 とりまドッジ
DoubleCross : (2DX10+1>=42) → 6[4,6]+1 → 7 → 失敗
穂村 姫乃:5dx>=42
DoubleCross : (5DX10>=42) → 8[2,2,3,6,8] → 8 → 失敗
久遠仁:コンボ【万籟】《復讐の刃》でリアクション放棄反撃
久遠仁:7DX9+7 リアクション不可
DoubleCross : (7DX9+7) → 10[1,2,3,5,6,6,9]+6[6]+7 → 23
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を6増加 (83 → 89)
永良ゆづり:ダメージダイスを振る前に《炎陣》。久遠くんをカバーして侵蝕71。
久遠仁:ありがとうございます~~~
GM:OK。他はカバーとかないかな
亜藤 蘭介:れいのごとく侵蝕アレなので…大丈夫です!
GM:ダメージ出します。
天城マコト:5d10+66+5D10 ガードするとダメージ+35
DoubleCross : (5D10+66+5D10) → 30[7,10,6,3,4]+66+33[9,10,6,6,2] → 129
GM:復讐の刃もどうぞ
久遠仁:3D10+24+5+10 装甲有効
DoubleCross : (3D10+24+5+10) → 22[7,5,10]+24+5+10 → 61
永良ゆづり:死!!リザレクト!!
穂村 姫乃:こっちもリザ!
永良ゆづり:71+1d10
DoubleCross : (71+1D10) → 71+7[7] → 78
亜藤 蘭介:死亡!リザレクト。
GM:61!
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (74 → 78)
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 2)増加 (86 → 88)
穂村 姫乃:穂村 姫乃のHPを4に変更 (9 → 4)
永良ゆづり:汚染値14、HP7で蘇生して以上!
亜藤 蘭介:HP2,汚染値13。
天城マコト:そのダメージは……まだ生きてます。
久遠仁:マジで!?
穂村 姫乃:こちらも汚染値14に上昇
GM:マジです。
穂村 姫乃:燃える魂のレベルやば
亜藤 蘭介:燃えすぎ魂だ
GM:では演出。
天城マコト:「……燃え尽きる、ものか。俺は……」
天城マコト:「俺は……"1位"だ。俺達の中で……誰よりも、強い……!!」
天城マコト:"マーシャル・ヘイヴン"より発された緋色の因子帯が、見る間に世界を彩っていく。
天城マコト:破壊の波濤領域が、一瞬の内に君達へと押し寄せる。
天城マコト:強風を吹き起こし、灼熱の渦を描く。
天城マコト:一撃で並のオーヴァードであれば焼き殺せる程の火力、しかしそれすらも彼の攻撃の本質ではない。
天城マコト:暴風が吹き込むのは、強烈な寒暖差の結果だ。
天城マコト:舞い踊る火炎は、全てを灼き融かす領域が気中の微生物群を呑み込んだからだ。
天城マコト:触れるもの全てを融かすそのこの一瞬を生き延びるには、赤熱する因子に触れられるより早く、自身のレネゲイドを以て領域そのものに干渉する他ない。
天城マコト:音に近い速度で全方位から押し寄せ、埒外の出力を持つそれらに。
天城マコト:──できなければ死ぬ。《リザレクト》が効果を発揮するよりも早く、跡形も残らず肉体は消し飛ぶ。
天城マコト:この男が「殺意」を抱くとは、そういう事だ。
穂村 姫乃:「言ったじゃろ」
穂村 姫乃:既に発生している炎を持って領域に抗う。それでもなお肉体の損傷は激しいが、リザレクト出来る範疇には収めた。
穂村 姫乃:「炎では儂を打ち取れん」
亜藤 蘭介:空気が揺らいだ直後、踏みしめた土が蘭介を覆うように球状に。
永良ゆづり:「──────っ」世界すら覆い尽くさんとするかのごとく、荒れ狂う灼熱の暴風。
亜藤 蘭介:己がレネゲイドを帯びた即席の防護壁はしかし。灼熱の炎に、瞬く間に溶解されて。
亜藤 蘭介:「ぐ、うっ……!」どす黒く変色した肌、焼け付く臓腑を辛うじて再生し、男は今だ立っている。
永良ゆづり:直感する。この攻撃は、天城マコトの全身全霊なる一撃だと。
永良ゆづり:それは同時に、"最強"が見せた最大の隙。ならば、私のすべきことは。
永良ゆづり:疾走し、流転する白煙が。久遠仁の周囲を巻くように吹き荒ぶ。
永良ゆづり:例え、保てるのは僅かな時の中でも。灼熱の轟風を遮るだろう。
永良ゆづり:先刻、彼が見せた珠玉の神速があれば。きっと、突ける筈だと信じて。
久遠仁:「──恩に着る」
久遠仁:白煙により、灼熱の嵐に、『最強』の領域に、僅か生まれた間隙。
久遠仁:吹き荒れる業火の渦を一直線に貫いて、一陣の疾風が吹き抜ける。
久遠仁:「天城!!」
久遠仁:その声が、音が、届くよりも迅く。
天城マコト:「……!」読みは正しい。いかにこの男といえども、この規模の攻撃を放った上で、反撃に備える猶予などない。
久遠仁:既に、“マーシャル・ヘイヴン”の心の臓には、深々と白刃が突き立てられ、貫いている。
久遠仁:返り血が、鉄兜を赤く染める。
天城マコト:──否、必要ないはずなのだ。一帯を塵に還すあの領域を凌ぐのみならず。
天城マコト:一瞬の内に潜り抜けて反撃に転ずる者の存在など、本来考慮する必要がない。だが、
天城マコト:それを為した男は、今。眼前に居る。
天城マコト:「ぐ、っ……仁ッ……!」
久遠仁:「……もう」深々と刃を突き立てた至近距離で、兜からくぐもった声がする。
久遠仁:「やめにしないか。天城」
久遠仁:「十分だろう」
久遠仁:「あんたはもう、十分戦った」
天城マコト:「……十分な、ものか……ッ!」突き立てられた刃を、払い除ける。
天城マコト:「俺ならできる、と言ったんだ……!」
天城マコト:「あいつらを、説得したのは……」
天城マコト:「俺自身であると同時に、俺の力だ」
天城マコト:「俺が、強いから。俺になら、できると信じたから」
天城マコト:「だから、あいつらは付いて来た……!」
久遠仁:「……証明か」
久遠仁:「それとも、贖罪か」
久遠仁:「言ったろう、天城」
久遠仁:「あんたは、一人で背負い込みすぎるよ」
天城マコト:「……そうかもしれない。だが、こればかりは変わらん」
天城マコト:「"マーシャル・ヘイヴン"が折れることは、許されない。……俺が、許さない」
GM:クリンナップ。
天城マコト:邪毒の処理が入ります。15点のHP喪失
天城マコト:生存しています。
久遠仁:い……生きてる……
亜藤 蘭介:オイオイオイ
穂村 姫乃:うっそじゃろ
永良ゆづり:なんてこと
GM:でもって、敵側の増援判定
GM:ここでは1d100を振って出目に応じた敵が増えたり増えなかったりするのですが
GM:今回は固定イベントです。
GM:エンゲージ表を更新します。
穂村 姫乃:おっかないんじゃけど!?
久遠仁:死んじゃう
穂村 姫乃:タイタスすら不可ってマジかお主
天城マコト:12dx+5@7 命中
DoubleCross : (12DX7+5) → 10[1,2,3,3,4,5,6,7,7,8,9,10]+10[1,2,4,5,10]+6[6]+5 → 31
GM:リアクションどうぞ。
穂村 姫乃:とりあえずドッジ
穂村 姫乃:5dx>=31
DoubleCross : (5DX10>=31) → 10[1,3,6,7,10]+4[4] → 14 → 失敗
亜藤 蘭介:ダメージ前に
亜藤 蘭介:《砂の結界》で穂村さんをカバーリング。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (88 → 90)
穂村 姫乃:すまん、助かる!
GM:OK。ではダメージ出します
天城マコト:4d10+42+5D10 ガードするとダメージ+35
DoubleCross : (4D10+42+5D10) → 21[10,6,2,3]+42+28[9,3,2,4,10] → 91
亜藤 蘭介:50回くらい死にます
亜藤 蘭介:戦闘不能。
GM:復活しなくても汚染は+1されるので、よろしくね
亜藤 蘭介:おっと失礼
亜藤 蘭介:汚染値14!
GM:OK!では演出。
天城マコト:「──普通なら俺は」
天城マコト:「こいつを使う必要がない。使わなくても、生み出される結果は同じだからだ」
天城マコト:「ただ溶けて消える。……それでも」
天城マコト:「殺しても死にきらない相手というのはいる」
天城マコト:不意に。疾走、跳躍。格闘戦とて、この男の弱みではない。
天城マコト:「触れることを許さない場」を身に纏っている事は、近接距離の戦闘において圧倒的なアドバンテージですらある。
天城マコト:後方・左右・上方・逃げ場を絶つように、穂村姫乃の周囲を真紅の風が覆う。
穂村 姫乃:「……は」
天城マコト:そうして、本命は正面から。その左掌に、異常なまでの濃度のレネゲイドが渦を巻いている。
穂村 姫乃:薄く笑う彼女の頬を汗が伝う。目前に迫る死に背筋を冷たい何かが走り抜ける。
天城マコト:「炎で死ぬことはないと言ったか」
天城マコト:領域の侵蝕支配に対抗する、最大の術が。領域そのものへの干渉であるのならば
天城マコト:これは、それを強引に突破するための奥の手。
天城マコト:形態は単純な掌底なれど、触れれば致命の対人侵略。
穂村 姫乃:「……ああ。死なんさ」
穂村 姫乃:致命であると理解しながらなお笑ってそう嘯く。
天城マコト:「その言葉、覆してやろう」「──領域送掌」
亜藤 蘭介:瞬間。背後。左右。上方へと。穂村姫乃を囲うように。
亜藤 蘭介:大地からごぼり、と音を立て。次々と具現化されるヒト型の土塊が。熱風を遮らんと、その身を挺して砕け散り。
亜藤 蘭介:天城が跳躍すると共に。彼女の元へと。疾風の如く、駆け出していた男が。
亜藤 蘭介:致命の一撃に胸を穿ち抜かれ、がくりと膝をつく。
天城マコト:「──!」格闘は弱点ではないが、本領でもない。その不意に対応するほどの絶技は持たない。
穂村 姫乃:「蘭介!?」
天城マコト:だが、敵であることに変わりはない。止まず、撃ち貫く。
天城マコト:接触と同時に、超精度の領域操作。続く掌握・支配は一瞬。
亜藤 蘭介:「ごっ、がっ──────!」
天城マコト:亜藤蘭介の体内を制圧した因子群が、肉体の分子運動を支配する。
天城マコト:それが齎すのは、過程ではなく結果。血を・臓腑を・骨を、一切崩壊せしめるもの。
天城マコト:代謝が働かなければ、再生は機能しない。
天城マコト:意識が消えれば、心を繋ぎ止めるものもない。
久遠仁:「亜藤さん……!」
亜藤 蘭介:内を循環するレネゲイドが霧散していく。当然の如く再生する筈のそれすらも役目を果たさない。
亜藤 蘭介:光を失った目で、天城を見る。
亜藤 蘭介:「─────お前は」「強い」
亜藤 蘭介:「しかし」ひゅう、ひゅうという虫の息で。
亜藤 蘭介:「強者故に─────疵瑕が、ある……」
天城マコト:「……」
亜藤 蘭介:意識を必死で繋ぎ止め。古代種の少女に視線を移し。
亜藤 蘭介:「済まんが」
亜藤 蘭介:「後を頼む」
穂村 姫乃:「……うむ。うむ!」
亜藤 蘭介:その言葉を最後に。地に伏せ、その活動を止める。
穂村 姫乃:「頼まれよう。ゆっくり休んでいてくれ」
永良ゆづり:「(……これが、領域送掌。一撃で再生も修復も不可能……なんて滅茶苦茶、な)」
穂村 姫乃:労わるように自身のコートを彼へとかけ、天城へと向き直る。
穂村 姫乃:「神の首は取り損なったな、天城」
穂村 姫乃:「この通り、後も任されてしもうた。お主にはくれてやれんなぁ」
天城マコト:「……。ならば、届くまで繰り返すだけだ」
日下部ルリカ:「だけど、そう何度も続けて撃てるものじゃない」
日下部ルリカ:「いくら君だって、そこは変わりない。……次の機会は、やらない」
日下部ルリカ:吐き捨てながら、君達の後方に泡状の魔眼を連ねて展開する。戦闘不能者の身体を逃がすための加速・減速経路。
GM:イニシアチブ23。久遠さんの手番
久遠仁:マイナーで《戦線退避》、亜藤さんを退避させます
亜藤 蘭介:ありがとうございます。
GM:OK。では亜藤さんはエンゲージ表からいなくなります
亜藤 蘭介:あとは頼む!
久遠仁:メジャーで≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:対象は天城!
久遠仁:9DX7+7
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,2,3,4,5,8,9,9,9]+6[2,5,6,6]+7 → 23
久遠仁:あっヤベ
GM:あっもう振っちゃってた
GM:ううん 支援使うって見学室で先に言ってはいたし 使うなら振り直しても……いいよ
久遠仁:ほんとに!?
GM:ほんとだよ
久遠仁:慈悲深きGMに感謝しつつ羽海さんの支援効果を使わせて頂きとう存じます
羽海束沙:まかせて。ダイス+10よ
久遠仁:うお~~
久遠仁:19DX7+7
DoubleCross : (19DX7+7) → 10[1,2,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,6,7,8,8,9,10,10]+10[2,4,6,7,8,10]+10[6,7,9]+10[6,9]+10[9]+5[5]+7 → 62
久遠仁:跳ねた!
GM:うわっ
GM:マジか クソッ……甘いこといってNPCカードを無駄遣いさせる我が作戦が……
天城マコト:ドッジします。
天城マコト:13dx+30>=62
DoubleCross : (13DX10+30>=62) → 10[1,1,2,3,4,4,5,5,7,7,9,10,10]+9[6,9]+30 → 49 → 失敗
GM:無理!命中です
久遠仁:怖すぎる
久遠仁:ダメージ!
羽海束沙:攻撃力も+10しておいてくださいね
久遠仁:ありがたい……
久遠仁:7D10+24+5+10
DoubleCross : (7D10+24+5+10) → 47[9,7,6,6,4,10,5]+24+5+10 → 86
GM:おおう。そのダメージは
天城マコト:残りHP21、装甲値10。耐えません
天城マコト:復活もなし。
久遠仁:やった……
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (89 → 93)
GM:演出どうぞ!
久遠仁:「……一人ずつ、確実に仕留める……か」
久遠仁:「この局面で、まだ少しも諦めていない。本気で勝つ気でいる」
久遠仁:「あんたらしいよ、天城」
久遠仁:「一緒に居たのはほんの少しだが……それは分かる。嫌という程な」
天城マコト:「……」
久遠仁:「UGN(こんな仕事)をしてるとな、よく思うことがあるんだよ」
久遠仁:「もっと別の、違う形で出会いたかった……ってな」
久遠仁:「あんたとも、そうだ」
天城マコト:「……その気持ちは、俺にも分かる」
天城マコト:「だが、"仕方ない"。そうやって、一つずつ諦めを付けていく」
天城マコト:「そうだろう?」
久遠仁:「……」
久遠仁:顔の見えない兜越しに、天城を見据える。
久遠仁:「もう一度……いや。何度でも聞くぞ」
久遠仁:「投降してくれないか」
天城マコト:「……ならば。何度でも、答えよう」
天城マコト:「俺は、折れない」
天城マコト:「お前達を降し、この夢(せかい)に日常を取り戻すまで」
天城マコト:「何があろうと、決して」
久遠仁:既知の諦観と感心、納得の入り混じった息を吐く。
久遠仁:「……だろうなァ」
羽海束沙:銃声。歪な形状に加工された鉛弾。円弧を描いて飛翔するそれは
羽海束沙:天城マコトの背後へと回り込み──しかし、通過。その隣の少女が展開した、黒い樹木の枝へと中る。
桜崎ニア:「っ……!?」
羽海束沙:折れた枝先が弾け、矢の如くに飛ぶ。オルクスの領域因子を宿したその切っ先が、"マーシャル・ヘイヴン"の領域に干渉。歪ませ、切り開く。
久遠仁:それと同時、“ロストシグナル”の名の通り。
久遠仁:久遠仁の姿は、天城マコトの視界から消えていて。
久遠仁:……鍔鳴りの音が響く。
久遠仁:それは、彼の背後から聞こえた。
久遠仁:「……疲れたろう。天城」
久遠仁:「ゆっくり休んでくれ」
天城マコト:「ぁ……」気力。体力。とうにその限界を越えて、かろうじて保たれていた生命としての機能が。
天城マコト:張り詰めた糸が切れる時のように、その瞬間に限界を迎えた。
桜崎ニア:「っ……!? マコトっ……!」
天城マコト:崩れ落ちる。殺気と、闘志と、その他一切の気力が失われたように、その眼には力がなく。
天城マコト:「……ああ」
天城マコト:男は、己の果てを悟った。
天城マコト:「すまない、ニア。……無理を、しすぎた、らしい」
天城マコト:「悪いが、後は……」
天城マコト:──後は任せた、と言うべきだ。
天城マコト:"天馬"の長として。仲間達のリーダーとして。
天城マコト:俺達の夢は、まだ終わっていない。
天城マコト:"サンディーヴァ"が無事でいる限り、この夢は、自分達の現身は、いずれまた再構築されうる。
天城マコト:もう一度。……いいや、何度でも。
天城マコト:俺達の夢が叶うまで、彼女(ニア)は諦めない。
天城マコト:そう信じている。理解している。……他ならぬ、俺がそうなのだから。
天城マコト:だから──
天城マコト:「……後は、好きに生きてくれ」
天城マコト:気づけば、そう口にしていた。
天城マコト:「"天馬"のことはいい」
天城マコト:「死んだやつらの事は、もう、いいんだ」
天城マコト:「お前の、自由に。お前だけの、幸せを……」
桜崎ニア:「ッ……!!」
天城マコト:(……ああ、仁。つくづく、お前の言う通りだったよ)
天城マコト:(俺というやつは、最期まで)
天城マコト:(人を使うのが、下手……だった……)
天城マコト:……夢骸体。生者の身体に、他の意識を植え付け模倣した存在。その再現限界。
天城マコト:天城マコトという少年の、意識が消える。
天城マコト:残されたのは、彼の依代となっていた……僅かに面影を残した、無力な少年の身体ひとつ。
桜崎ニア:その傍ら。膝をついて、両の拳を握りしめたまま。
桜崎ニア:「……違うんだよ」
桜崎ニア:こんな時だというのに、涙は出ない。目の前に敵が居て、今は戦うべきだからだ。
桜崎ニア:「そうすべき」だと判断すれば、できてしまう。どんな痛みも苦痛も、引っ込んでいく。自分は、そういう人間だ。
桜崎ニア:……それでも、引っ込んだそれを無理矢理に引っ張り出して、声を震わせながら。言葉を吐く。
桜崎ニア:「君は、何も分かってない」
桜崎ニア:「私の夢は……私の、幸せは」
桜崎ニア:「君達と一緒にしか、いないのに」
桜崎ニア:届かない声を零す。呼応するように、彼女を取り巻くように黒い樹木が背を伸ばす。
桜崎ニア:「……諦めないよ。まだ、終わってない」
桜崎ニア:「こいつらを潰せば……また、取り戻せる」
桜崎ニア:「もう一度、君に会える」
桜崎ニア:「今度こそ、私が……私の、手で」
桜崎ニア:「みんなを、救うんだ」
久遠仁:「……」
久遠仁:その身を返り血で濡らすことすら無い、絶速の騎士。
久遠仁:物言わぬ兜から、桜崎ニアを──”サタニアン・ガーデン”を。在りし日の“サンディーヴァ”を見据えた。
永良ゆづり:「……そう。それでこそ、貴女よ」
永良ゆづり:焦げ落ちた帽子を投げ払い、眼前に立つ少女を見据える。
永良ゆづり:「ならば私は全身全霊を以て、もう一度貴方達を土に還す」
桜崎ニア:「……やってみなよ」真っ直ぐに、その眼を見つめ返して。
桜崎ニア:「特別に、教えてあげる。どうして"4位"の私が」
桜崎ニア:「あの戦いで、最後まで勝ち残れたのか」
GM:
GM:イニシアチブ。行動値11、"サタニアン・ガーデン"の手番。
桜崎ニア:マイナー、《無形の爪牙》素手データを変更。
桜崎ニア:メジャー「領域送掌」《コンセントレイト》《無形の影》《シャドースクラッチ》《形なき剣》《完全なる世界》《能力強奪》《能力膨張》
桜崎ニア:対象は久遠さん。
久遠仁:ウギャーッ
GM:先に例によってエフェクト効果開示。
GM:尚、こいつは1ラウンド目最後に登場したので、「2ラウンド目以降」の条件を満たせてるものとします。
久遠仁:ひぇ~~っ
桜崎ニア:13dx+3@7 命中
DoubleCross : (13DX7+3) → 10[1,3,3,5,5,6,6,7,7,7,7,8,10]+10[1,2,5,5,7,10]+10[8,10]+10[1,9]+10[9]+10[10]+6[6]+3 → 69
GM:めちゃやる気出すじゃん
久遠仁:《復讐の刃》……!
久遠仁:7DX9+7 リアクション不可
DoubleCross : (7DX9+7) → 10[2,3,5,7,7,10,10]+10[2,9]+4[4]+7 → 31
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を6増加 (93 → 99)
GM:カバーあります?
永良ゆづり:まず《炎陣》使用。侵蝕80になって久遠くんをカバー。
久遠仁:有難い……
GM:OK。ではダメージ出します。久遠さんもダメージだしていいよ
永良ゆづり:続けて《凍てつく刃》。ダメージ+1D+15もどうぞ
永良ゆづり:侵蝕83。
久遠仁:やった~~
桜崎ニア:7d10+35 諸々有効
DoubleCross : (7D10+35) → 45[8,7,8,8,9,3,2]+35 → 80
久遠仁:4D10+24+5+1D10+15
DoubleCross : (4D10+24+5+1D10+15) → 25[4,6,9,6]+24+5+2[2]+15 → 71
GM:つよ……
永良ゆづり:即死!!リザ!!
永良ゆづり:83+1d10
DoubleCross : (83+1D10) → 83+5[5] → 88
桜崎ニア:だいぶ削られますが生存。
永良ゆづり:HP5、汚染値15!
桜崎ニア:命中したので、永良さんから《炎陣》を剥奪。レベル10で取得します
久遠仁:ヤバ
永良ゆづり:ぎにゃーっ!!
GM:では演出。
桜崎ニア:「私は、マコトみたいにさ」
桜崎ニア:「大勢の相手を一度に相手取れるほど、器用でも埒外でもない。だから」
桜崎ニア:《ワーディング》と共に展開した黒い霧の領域の向こう。いつもの笑みは消えている。
桜崎ニア:手の甲から伸びだした黒い枝が、悪魔の爪めいて。両腕に捩り備わる。
桜崎ニア:……君達の知る限り、彼女が最も得意とするのはRC型のエフェクト操作だ。すなわち、これは──
桜崎ニア:「だから、"貰う"よ」
桜崎ニア:静かに音もなく、久遠さんの背後へ回っている。爪を食い込ませ、掌で首筋に触れようとする。
永良ゆづり:──否。その首元に触れるより先に、差し挟まれるは無形の白き影。
永良ゆづり:干渉するのは力の流れ。掌の向かう先が大きく逸れ、白煙を手繰る永良ゆづりの右腕に誘導される。
永良ゆづり:だが無効化には至らない。あくまで、矛先を自身に向けるだけ。
桜崎ニア:「っ……!」崩される。純粋な体術の技量であれば、彼女の方が上手。
桜崎ニア:だが、止まることはない。突き出された爪が防御を引き裂き、本命たる掌が
桜崎ニア:永良ゆづりの肩口に触れる。「領域送掌」
桜崎ニア:桜崎ニアの場合、それは──"サンディーヴァ"が北条サイカに打ち込み、魄柱の元となる樹木を育てたものと同系のもの。
桜崎ニア:敵オーヴァードの肉体そのものを「苗床」とし、その力を吸い上げた樹木を生育する──
桜崎ニア:数秒の内に全身の力が抜けて、立つことすらままならなくなる感覚。
桜崎ニア:炭のように黒い樹皮を持つ樹が、君の身体より生え伸びて育っている。
桜崎ニア:濁った紫色の果実が一瞬にして実り、白煙と共に弾ける。分解されたその力が、"サタニアン・ガーデン"の領域へと溶け込んでいく。
永良ゆづり:「────あ」がくん、と。体躯を支える力が抜け落ちる。
久遠仁:振り向きざま、久遠の輪郭が白煙と溶け合うように霞む。
久遠仁:永良の身体から伸びた闇色の幹と、その主である桜崎ニアの身体に、無数の剣閃が走る。
久遠仁:「永良!」
永良ゆづり:「……これ、は」"吸い取られた"感覚が、レネゲイドの奔流と共に全身を巡る。
久遠仁:「助かった、が──大丈夫か……!?」
永良ゆづり:「わ、からない。今、一体、何が……?」
永良ゆづり:体内に侵入した樹枝の傷を再生し、すぐに立ち上がる。だが、喪失感だけは拭えない。
桜崎ニア:「……。本当は、その速度が欲しかったんだけど」切り裂かれた傷口を一瞥。久遠さんの方を、忌々しげに見やる。
桜崎ニア:「これが答え」少女の周囲に、闇色の煙が取り巻くように浮かぶ。
桜崎ニア:「手段さえ選ばなければ、私の庭は際限なく膨張する」
久遠仁:「……ウロボロスか。能力の模倣……」
久遠仁:「……いや。強奪か」
日下部ルリカ:「……そうだ、そいつは……他人の力を奪っていく。ごめん、今のを見て思い出した」連鎖的に記憶が喚起されている。
永良ゆづり:「その煙、私の……」それも、自身の権能より遥かに高い強度で行使して。
永良ゆづり:「……でも、あの煙では自身を護れない」
永良ゆづり:「それに。どのみち、立ち塞がる貴女を打ち倒さねばならない」
穂村 姫乃:「すべきことは変わらん、という訳じゃな」
羽海束沙:「……そうね。あれ以上あいつが育ちきる前に、蹴りを付けましょう」
永良ゆづり:周囲に溶け落ちた白煙を、自らの周囲を流転させ、纏わせていく。
GM:
GM:では、行動値9。永良さんの手番
永良ゆづり:はいさい
永良ゆづり:マイナーなし
永良ゆづり:メジャー《C:ハヌ》《音速攻撃》
永良ゆづり:対象は桜崎ニア!
永良ゆづり:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,1,2,3,4,7,9,9,9]+10[4,6,9,9]+5[3,5]+6 → 31
桜崎ニア:ドッジ。《幸運の守護》
桜崎ニア:10dx+8>=31
DoubleCross : (10DX10+8>=31) → 10[1,3,4,6,7,7,10,10,10,10]+10[1,3,9,10]+10[10]+10[10]+1[1]+8 → 49 → 成功
永良ゆづり:わぁ……
GM:そんなことあるんだ
GM:回避成功です。演出どうぞ。
永良ゆづり:永良ゆづりを中心として旋回する白煙が、急速に密度を増していく。
永良ゆづり:やがて嵐の如き疾風を束ねて。打ち出された弾丸の様に地を蹴り奔る。
永良ゆづり:狙いは桜崎ニア、その体躯が正中。白煙の疾風に乗って峨嵋刺を突き立てようと、両腕を振り上げる!
桜崎ニア:……樹木の生育領域。"サタニアン・ガーデン"の領域因子が最も浸透しやすいのは、土の中だ。
桜崎ニア:たとえ"マーシャル・ヘイヴン"の領域が削り尽くした地表であろうとも──彼女の領域は、既に
桜崎ニア:その足元へと及んでいる。間欠泉の如く、無数の闇色の枝が吹き出して、四肢を刺し封じんとする。
永良ゆづり:「!?がっ……」だが突き立てる前に、両手両足を枝に刺し穿たれ。
永良ゆづり:仕方なく、彼女の反対方向へと地を爪弾き、距離を取る。傷自体は軽いが、それよりも。
永良ゆづり:「(……おかしい、攻め手に使う力は奪われてない筈なのに)」
桜崎ニア:「……マコトとやり合って、あれを食らって。まだそんなに元気に動けるんだ」
桜崎ニア:「奪い甲斐がありそう」
桜崎ニア:酷薄に、射竦める。先の一撃と併せて、君の心に怯えを植え付けようとするかのような。
永良ゆづり:「っ、く……」自身を射差す瞳の鋭さに、一歩後ずさる。
永良ゆづり:「(……まさか、そんな)」驚きと共に、認めざるを得なかった。
永良ゆづり:恐れが根付いたことを。もう一度あの枝に踏み込まれ、今度こそ全ての力を奪われることへの。
羽海束沙:「……大丈夫よ」君の後ろから、静かに声をかける。
永良ゆづり:「……羽、海」
羽海束沙:「次は、貴方に近付かせない。その前に私が撃ち抜く」
羽海束沙:「だから、大丈夫」
羽海束沙:根拠などない。ただ、この場で君に前を向かせるためだけの言葉。
永良ゆづり:「いや、わ、たし、は……」平常を取り繕うとして、言い淀み。
永良ゆづり:「……ごめん、お願い」
羽海束沙:「任せて」言い切る。銃口を構える。
GM:では行動値4。穂村さんの手番
穂村 姫乃:マイナーはなし。メジャーで再びコンボ。
穂村 姫乃:神事起こし:蝕む赤Lv5+ブラッドスパイクLv3+災厄の炎Lv5
穂村 姫乃:射程:至近、対象:範囲(選択)、攻撃力+24、ランク5の邪毒付与、HP3点消費、侵蝕率+8
穂村 姫乃:これで今度はニアと柱の両方を攻撃しよう
GM:OK。命中どうぞ
穂村 姫乃:4dx+24
DoubleCross : (4DX10+24) → 10[1,2,4,10]+3[3]+24 → 37
永良ゆづり:バディム!
穂村 姫乃:助かる!これで40!
GM:ではリアクション
久遠仁:このラウンドもう無いし
久遠仁:怖いから羽海さんのバディムも入れましょう
永良ゆづり:確かに余っていた
穂村 姫乃:確かに
羽海束沙:あ、そうね。では入れて43
桜崎ニア:《幸運の守護》ドッジ
桜崎ニア:10dx+8>=37
DoubleCross : (10DX10+8>=37) → 10[1,1,3,5,6,6,7,8,8,10]+9[9]+8 → 27 → 失敗
穂村 姫乃:マジで怖いんじゃけど
久遠仁:ダメージ前に《餓狼の爪》
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を3増加 (99 → 102)
久遠仁:100を超えたのでダメージ+30です
魄柱・歳過:こちらは《復讐の刃》
桜崎ニア:で、先程奪った《炎陣》によるカバーリング。
穂村 姫乃:まあニアに二倍通るなら良しじゃな
GM:魄柱にダメージは入らないが、魄柱の防御機構はそこまで気が利かないのでそのことをニアは把握してない。
穂村 姫乃:あ、そうなんじゃ
GM:ダメージどうぞ
穂村 姫乃:24+30+5d10
DoubleCross : (24+30+5D10) → 24+30+25[1,2,8,5,9] → 79
魄柱・歳過:8dx@7
DoubleCross : (8DX7) → 10[1,2,4,5,6,7,7,7]+10[1,4,8]+2[2] → 22
魄柱・歳過:3d10+20 諸々有効
DoubleCross : (3D10+20) → 17[9,3,5]+20 → 37
穂村 姫乃:メジャー分侵蝕上げてからリザレクト
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を8増加 (78 → 86)
GM:で、79から装甲差し引いて倍になって……
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (86 → 96)
穂村 姫乃:重いんじゃが!
桜崎ニア:HPは0に
桜崎ニア:《原初の黒:ラストアクション》手番獲得
桜崎ニア:《原初の虚:燃える魂》復活します
穂村 姫乃:厄介なことしよるなお主!
久遠仁:ヒーッ
GM:4d10級エフェクトのため、後で回想が発生。
GM:演出どうぞ。
GM:あ、いや
GM:違う手番の行動
桜崎ニア:マイナーなし
桜崎ニア:メジャー「ミュルクヴィズ」《コンセントレイト》《無形の影》《シャドースクラッチ》《紅の刃》《散滅の腕》《蝕む赤》《縛鎖の空間》《完全なる世界》
桜崎ニア:単体なので、対象は……攻撃してきた穂村さんで
桜崎ニア:16dx+8@7 命中
DoubleCross : (16DX7+8) → 10[2,2,3,3,3,3,5,5,7,8,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,5,5,6,7,8,10]+10[2,2,7]+1[1]+8 → 39
桜崎ニア:命中で 持続エフェクト効果を消去 重圧・放心 邪毒レベル5
穂村 姫乃:えげつないんじゃけど!?
穂村 姫乃:ドッジ!
穂村 姫乃:5dx>=39
DoubleCross : (5DX10>=39) → 9[2,4,5,8,9] → 9 → 失敗
桜崎ニア:4d10+39 諸々有効
DoubleCross : (4D10+39) → 25[10,2,5,8]+39 → 64
穂村 姫乃:無理!またリザ!
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 6)増加 (96 → 102)
穂村 姫乃:穂村 姫乃のHPを6に変更 (10 → 6)
穂村 姫乃:あ、それでアレじゃ 汚染値がさっきのも合わせて2上がって今16じゃな
GM:OK では改めて演出へ
久遠仁:久遠がコートの懐に手を入れる。金属の擦れる、小さな音が響く。
久遠仁:瞬間、桜崎の腹と肩口が撃ち抜かれ、地面に深々と穴が穿たれる。
久遠仁:何の変哲もない硬貨を、ただ投擲しただけの攻撃。
久遠仁:だがその速度は、ライフル弾の銃口初速を遥かに超えている。
桜崎ニア:「か、っ……」
穂村 姫乃:「うむ、流石」
穂村 姫乃:その間に彼女がしたことは一つ。
穂村 姫乃:自身の左の指先で、右の手首をすうとなぞっただけ。しかし。
桜崎ニア:血を吐き、たたらを踏む。僅かの時間、意識が逸れる。
穂村 姫乃:まるで手品のように、あるいは悪趣味な映画のように。なぞった通りの傷が開くとそこから鮮血が溢れ出す。
穂村 姫乃:傷に似合わぬ質量は、地に着くと同時にばしゃりと跳ねて。まるで意志を持つようにニアと柱へ飛散する。
穂村 姫乃:その一つ一つが鋭利な針となり、敵を穿たんと飛び掛かる!
桜崎ニア:「っ……!」一瞬、自らの背後に聳える黒い巨木の方へと視線をやり。
桜崎ニア:両手を前へと翳す。無数の黒枝と共に煙が帯めいてたなびき、針の嵐を防がんとするが。
永良ゆづり:黒い煙を妨げるかのように、白い煙が忍び寄り、絡みついていく。
永良ゆづり:「(……近寄れないなら。せめて、この位は!)」
羽海束沙:銃声が一つ。先程までの曲射ではない。一直線に飛翔した弾丸は、桜崎ニアの眼前を過る。
羽海束沙:それが、無数に放たれた針と衝突する──弾き飛ばされたその一本が、見開かれた彼女の右眼へと突き刺さった。
桜崎ニア:「ぐ、っ……!?」片目から血を流す。僅かに気が逸れる。煙の操作を妨げられ、護りが薄くなる。
桜崎ニア:黒い森の防壁が切り開かれ、無数の血の針が少女の肉体へと突き刺さる。
穂村 姫乃:同時に、着火。
穂村 姫乃:闇色の木々さえ燃やさんと、赤と橙と黄が爆ぜる。煌々と周囲を照らし出す。
穂村 姫乃:「皆が手練れなお陰で暴れやすくて助かるな」
桜崎ニア:「っ、あ……ああああッ!」燃え上がる。少女の肉体を、彼女が展開した木々を喰らい、薪として。
桜崎ニア:膨張する焔の情景の向こう側で、その輪郭が
桜崎ニア:どさり、と。崩れ、倒れ伏す音を聞いた。
桜崎ニア:熱に溶かされる意識の中で。走馬灯が明滅する。
桜崎ニア:……もうひとりの己が封をした、悪夢の記憶。
桜崎ニア:──生まれついて戦争に向いていた。
桜崎ニア:能力ではなく、心の構造がだ。
桜崎ニア: 知ってるやつが死んだって、平気なフリして戦える子供だった。
桜崎ニア:それが君の長所だろうと、私に戦い方を教えた師は言っていた。
桜崎ニア:自分が元々いたセルが壊滅した時も、迷わず降伏を選んだ。
桜崎ニア:師匠や仲間の敵討ちだなんて、身を危険に晒すだけだと分かっていたから。
桜崎ニア:既に包囲されていた状況で生き残るためには、それが一番マシな未来だと判断した。
桜崎ニア:私と意見を違えて最後まで抵抗を続けた連中は、果たして目の前で殺された。
桜崎ニア:……私が見殺しにした。
桜崎ニア:だって仕方ないでしょう、と自分に言い聞かせた。
桜崎ニア:新しいセルに来て、得体の知れない血を飲まされる事も。
桜崎ニア:その副作用で一週間のたうち回って、身体の隅々まで切り開いて調べ尽くされることも。
桜崎ニア:実験体として、不自由な生活の中で毎日のように戦わされる事も。
桜崎ニア:そうしなければ死ぬしかなかったのだから、そうした。
桜崎ニア:それだけの話なんだって。
桜崎ニア:……そんな言い訳をしている自分が、大嫌いだった。
桜崎ニア:自分がどこか壊れてるのは分かっていた。
桜崎ニア:初めから狂っていた、こんな人生でも
桜崎ニア:普通が何かってことくらいは、知っていた。
桜崎ニア:……普通の人間になってみたかった。
桜崎ニア:あの時見殺しにしたみんなと、「同じ」になりたかった。……寂しかったんだ。
桜崎ニア:だから。せめて外面くらいはと、仲間の前では優しい女の子の真似をして。
天城マコト:「サタニアン……ふむ」
天城マコト:「やはり、普段遣いにはどうも長いな。ここの命名は、いつもそうだ」
桜崎ニア:……そんな時に、あいつに出会った。
天城マコト:「ニア、と呼んでいいか。呼びやすくて、親しみが持てる。それに……」
天城マコト:「その方が、人間らしいだろう」
桜崎ニア:私と同じ出生。戦うばかりの境遇に生きていて、誰かに優しくする事を知っていた人。
桜崎ニア:私に、人としての名を贈ってくれた人。
桜崎ニア:……彼に付いていけば、変われるんじゃないかと思ったんだ。
桜崎ニア:クーデターを成功させて、皆が自由になった先で
桜崎ニア:年頃の子供と同じような日常を、過ごし続けた先でなら。
桜崎ニア:こんな自分でも、みんなと同じ「普通」になれるんじゃないかって
桜崎ニア:そんな風に、期待してたんだ。
GM:……スピーカーから、けたたましいベルの音が鳴る。
GM:聞き慣れた館内放送の合図。
GM:私達の地獄の幕開けは、昼食の時間を告げるいつもの放送と変わらない、無機質な機械音によって告げられた。
アナウンス:「──2XXX年XX月XX日09時25分。現時刻を以て、当施設は廃棄」
アナウンス:「並びに、最終実験を開始します」
アナウンス:「施設内に残存する"バース"残存オーヴァード39名は、これより戦闘を開始」
アナウンス:「他オーヴァードの全滅を目的として行動してください」
アナウンス:「本実験においては、これまでの演習と異なり、殺害行動が推奨されています」
アナウンス:「本実験は無期限に行われ、生存者が一名以下となった時点で完了と見做し──」
桜崎ニア:「……え」
桜崎ニア:──頭の中が真っ白になった。途中から、アナウンスの内容もほとんど頭に入って来ていない。
桜崎ニア:最終実験? 他オーヴァードの全滅?
桜崎ニア:私達の計画が、露見した?決行はまだ、先のはず。ただの偶然?
桜崎ニア: 思考が渦巻く。分からない──何も。
桜崎ニア:(違う)
桜崎ニア:(……大丈夫。きっと、問題はない)
桜崎ニア:こういう理不尽に抗うために、私達は準備をしてきた。
桜崎ニア: "バース"の上位戦力は皆、既に私達の計画に賛同してくれている。その実行が早まっただけのこと。
桜崎ニア:こんな指令に従う者は、一人としていないはずだ。
桜崎ニア:何より、私達の側には──マコトがいる。
桜崎ニア:セルリーダーを含めた研究員達の中に、本気を出した彼に匹敵するオーヴァードは、いない。
桜崎ニア:だから大丈夫だ。
桜崎ニア:あの「1位」が、"マーシャル・ヘイヴン"が、他の誰かに負ける事なんて──
アナウンス:「──最後に、先行失格者について情報を共有します」
アナウンス:「計画への協調が見られないオーヴァードについては、同様の処置を以て対応します」
アナウンス:「どうぞご留意ください」
GM:アナウンスが切断される音と同時に、天井のスピーカーに備え付けられたプロジェクタが光を放つ。
GM:目の前の廊下の壁に、どこかの映像を映し出された。
GM:同じ壁の色……平時は実験体に立ち入りが許されないこの施設のどこか、だろうか。
桜崎ニア:「────ぁ」
桜崎ニア:その光景を眼に映して。私は、声を失った。
桜崎ニア:映し出されたのは、白いリノリウム床の上に置かれた人の頭部。動脈がまろび出て、そこに繋がるべき胴体はない。
桜崎ニア:生気を失った赤い瞳の持ち主を、私はよく知っている。
桜崎ニア:他ならぬ天城マコトの、首だった。
桜崎ニア:「嘘……だ」
桜崎ニア:「そんなこと……あるはず……だって」
桜崎ニア:「皆で、生きて自由になろう、って……言って……」
桜崎ニア:「私……私、は……」
桜崎ニア:希望だったはずのものを失って、私達は──私は。
桜崎ニア:……果たして、私は、どこまでも戦争に向いていた。
桜崎ニア:大切な人が死んだって、平気で戦い続けられるから。
桜崎ニア: 仲間だと思ってた彼らを、必要なら躊躇なく殺められるから。
桜崎ニア:──だって、仕方ないでしょう?
桜崎ニア:そうしなければ、私が殺される。
桜崎ニア:反抗なんて、無理にきまってる。
桜崎ニア:あのマコトが、何もできずに殺されたんだ。
桜崎ニア:……他に、どうしようもなかったんだ。
桜崎ニア:大嫌いな言い訳を呟きながら、一人また一人と、奪い殺す。
桜崎ニア:とうに動かなくなった相手の身体を、執拗に、何度も、己の領域で侵蝕して、搾り尽くす。
桜崎ニア:仲間と呼んだ相手の生命を、自分が生き延びるための糧とする。
桜崎ニア:……そうしているうちに、自分の中で、少しずつ命が混ざっていく感覚があった。
桜崎ニア:力の熱が腹のあたりをぐるぐると渦巻いて、自分が強くなっていってるのが分かった。
桜崎ニア:……なんのために?
桜崎ニア:私の夢は──大好きな人の夢を手伝う事も、普通の人間らしく生きる事も
桜崎ニア:もう二度と、叶いっこないのに。
桜崎ニア:無理に人の命を踏み躙って生きる理由なんて、どこにもないはずなのに。
桜崎ニア:なんで、私は生き残ろうとしているんだろう。
桜崎ニア:私なんかが。
桜崎ニア:そう思っていても、手は止まらない。判断に迷いはない。
桜崎ニア:いつか聞いた、師匠の言葉が脳裏に蘇る。
GM:──「君の気質は、兵器に向いている。誰かに使われる武力という意味だ」
桜崎ニア:ああ、つくづくその通り。
桜崎ニア:正し過ぎて、もう二度と聞きたくない呪いの言葉。
GM:──「だから、自分を大事にする事を覚えろ。でなければ、すぐ野垂れ死ぬ事になる」
GM:──「覚えておけ。君自身が死んだ後には、何も残らない。何もだ」
桜崎ニア:……耳を貸さなければ良かった。
桜崎ニア:あんたのせいで、私は死ぬ事が怖くなったんだ。
桜崎ニア:あんたなんかが育て親だったせいで、私は──
桜崎ニア:「……違う」
桜崎ニア:燃え盛る火焔の向こう。声がする。
桜崎ニア:「違う。違う、違う、違う……!」
桜崎ニア:生命を振り絞るがごとき、爆発的なレネゲイド。刹那に繁殖が延焼を上回る。
桜崎ニア:燃え盛りながら、それよりもより速い速度で。漆黒の木々が生え拡がる。
桜崎ニア:「あの時と同じ、なんかじゃ、ない!」
桜崎ニア:「誰も死なない!死んだって、またやり直せる……!」
桜崎ニア:「だから……!だから、今度こそ、私は……っ」
桜崎ニア: 「私のためじゃ、なくて」
桜崎ニア:「みんなの、ために……!」
桜崎ニア:立ち上がる。その心臓に、真紅の熱が点る。
桜崎ニア:この地に残留した"マーシャル・ヘイヴン"のレネゲイドを糧とし、身に取り込んだ。
桜崎ニア:領域展開。少女を取り巻く、高さ数十メートルの円柱。
桜崎ニア:その空間を埋め尽くすように、黒い艶を帯びた細身の樹木が一秒で育ちきる。
桜崎ニア:竹よりも硬く、緑檀よりも重く、芒よりもしなやかな理想樹木。
桜崎ニア:「あいつを」
桜崎ニア:「殺せ」
桜崎ニア:少女の声に呼応する。彼女が生やし育てた木々のその全てが、否
桜崎ニア:彼女のレネゲイドと根源を同じくする、魄柱の枝々までもが。この瞬間、その殺気に付き従う。
桜崎ニア:──穂村姫乃の視界を埋め尽くすほどの、数百の枝。その全てが、一個の生物の如く振るわれる鞭。
桜崎ニア:それがもたらすのは、しなり打つ、というよりも鎌鼬に斬られるが如き切断。
桜崎ニア:同時に、切先から傷口に流し込まれる。彼女の体内に含まれる数百種の毒草因子を培養・配合を繰り返し育て上げた、彼女の庭(ガーデン)にのみ実る唯一猛毒。
桜崎ニア:視力を奪い、聴覚を破壊し、皮膚を腐蝕させ、筋肉を弛緩させ、心臓・肝臓・肺を硬直させ、毛髪と骨を溶かし、レネゲイドを衰弱させる──凡そあらゆる害を、その一振り一滴が孕んでいる。
穂村 姫乃:それを躱す技量はない。ただされるがままに打ち据えられる。
穂村 姫乃:「か、は」
穂村 姫乃:レネゲイドそのものによって構成された体が――本来毒など効くはずもない体が、蝕まれていく。
穂村 姫乃:「……はは」
穂村 姫乃:それでも、笑みを絶やさない。
穂村 姫乃:「いやあ、堪えるのうこれは」
穂村 姫乃:言葉と裏腹に、何の痛みもないかのように。
穂村 姫乃:「蟲毒というのは昔からあったもんじゃが。こうして強者が生まれるからこそやるものもまた絶えんのじゃろうな」
穂村 姫乃:泰然と、悠然と。
穂村 姫乃:「まあ」
穂村 姫乃:神様のように笑って見せる。
穂村 姫乃:「儂を殺すには足らなんだがな!」
GM:行動値0。魄柱・歳過は、前回と同様に行動なし。
GM:クリンナップ。
GM:邪毒の処理。ニアに15点のHPダメージ
桜崎ニア:生存しています。
穂村 姫乃:こっちも15ダメージ
GM:あ、ですね
穂村 姫乃:んん……蘭介に〇連帯感/心配で取って昇華しよう
亜藤 蘭介:おっ戦闘継続
亜藤 蘭介:がんばって!
GM:OK。汚染値は上げておいてね
GM:でもって、敵の増援判定。
GM:1d100
DoubleCross : (1D100) → 90
穂村 姫乃:殺すに足らんって言った矢先じゃし……。汚染値は17に
GM:ふむ……
久遠仁:これ以上増援あるの??
GM:毎ラウンド判定があります。トループとかが来る
GM:これに包囲される前に離脱しようねっていうのが退避領域でもあるので……
GM:ただ今回は誰も来ませんね。
永良ゆづり:良かった……
GM:エンゲージもそのまま。演出は省略でいいかな
穂村 姫乃:本当に良かった
GM:ラウンド3。セットアップ。
永良ゆづり:なし!!
桜崎ニア:《得意領域》《力場の形成》ダイス+5、攻撃力+10
GM:みんなないかな。ではイニシアチブ
穂村 姫乃:あ、待って
GM:待ちます!
穂村 姫乃:一応ブルゲを打っておく。行動値が9、侵蝕率が107に上昇
GM:OK。
GM:では改めてイニシアチブ
GM:行動値23の久遠さん
久遠仁:はい
久遠仁:マイナーなし
久遠仁:メジャーで≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:対象は桜崎さん。
GM:支援などなければ命中どうぞ。
久遠仁:羽海さんの支援を貰って判定します
久遠仁:20DX7+7
DoubleCross : (20DX7+7) → 10[1,2,2,2,3,4,4,5,6,6,7,7,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,2,3,7,8,8,9,9,10]+10[1,2,3,3,6,7]+1[1]+7 → 38
永良ゆづり:バディム!
久遠仁:助かりすぎる
久遠仁:41!
GM:OK。ではリアクション
桜崎ニア:《幸運の守護》ドッジ
桜崎ニア:10dx+8>=41
DoubleCross : (10DX10+8>=41) → 9[1,2,3,3,5,5,7,8,8,9]+8 → 17 → 失敗
GM:命中です。ダメージどうぞ
永良ゆづり:《凍てつく刃》ダメージ+1D+15
久遠仁:助かりすぎる
永良ゆづり:先ほどの行動で侵蝕+4の92で、今回の刃で+3の95。以上!
久遠仁:ダメージ!
久遠仁:5D10+30+10+10+1D10+15 装甲有効
DoubleCross : (5D10+30+10+10+1D10+15) → 34[6,3,10,6,9]+30+10+10+8[8]+15 → 107
桜崎ニア:その数字は……倒れます。復活もなし。
GM:演出どうぞ。
久遠仁:「……そうかい」
久遠仁:漏出した桜崎の記憶と想念を前に、神速の男が暫時足を止める。
久遠仁:「そりゃあ、譲れなかろうな」
久遠仁:「あんたも。天城も。そりゃあそうだ」
桜崎ニア:「……」足を止めた意図を訝るような眼。警戒は解かず、張り詰めたまま。
久遠仁:「だが、あんたが──“サンディーヴァ”が。その為に踏みつけにしているものは」
久遠仁:「俺にとって。そして他の、どこかの誰かにとって」
久遠仁:「あんた達のそれと同じくらい、譲れない、守りたいものなんだよ」
桜崎ニア:「……だから、力で決める。そうでしょう」
久遠仁:「ああ」
桜崎ニア:「私達は、そうやって来た。他に、大事なものを勝ち取る方法なんて、知らない」
久遠仁:柄に手を伸ばす。静かに右脚を引き、半身に構える。
久遠仁:「悪いな」
久遠仁:「踏み躙らせてもらう」
桜崎ニア:「……来いよ。喰ってやる」獰猛に睨みつける。大地が揺れる。
桜崎ニア:黒煙と共に無数の枝が、久遠仁を取り巻くように立ち並ぶ。
永良ゆづり:宣言に呼応するかのごとく。久遠仁の周囲に白煙が旋回し、纏わりついていく。
永良ゆづり:永良ゆづりが従える煙は、他者のレネゲイドに反応して発火する性能を持つ。
永良ゆづり:だが、こと"信頼に値する者"が携えるレネゲイドであれば、その性能は大きく変質する。
永良ゆづり:齎すのは、レネゲイド能力の爆発的強化。
永良ゆづり:強靭なる怪力は、より強靭に。剛健なる護壁は、より剛健に。
永良ゆづり:───神速なる疾駆は、更なる神速へと。
羽海束沙:──銃声が一つ。それから、反射するような金鳴りの音が立て続けに響く。
羽海束沙:張り巡らされた枝々の隙間を、乱反射するような跳弾。一つ跳ねる毎にそれらを削り折る。
羽海束沙:最大多数の木々を砕ける経路を演算した。漆黒の包囲の中に、僅かに間隙を産む。
久遠仁:煌々と燃え盛る炎を纏った黒影が、姿勢を更に低くする。地を這う獣めいた、抜刀術の構え。
久遠仁:それは最速の構え。引き絞られた弓矢のように。撃ち出す弾丸は自分自身だ。
久遠仁:──斬撃。
久遠仁:桜崎ニアの心臓が、頚椎が両断される。
久遠仁:桜崎の視界から、久遠の姿が消える。
久遠仁:視界の中で、火の粉が散る。
久遠仁:鍔鳴りの残響が、その耳に届く。
久遠仁:傷口が開く。
桜崎ニア:「っ あ 」
久遠仁:血飛沫が噴き出す。
久遠仁:それらは刹那の内に、順番に巡ってきて。
久遠仁:そして、最後に。
久遠仁:至極、恐ろしいほど緩慢に。逃れられぬ死が訪れる。
桜崎ニア:……胸の灯火が吹き消える。開かれた瞳孔が、絶望に染まる。己の果てを理解してしまったがために。
桜崎ニア:「……う、ああ」
桜崎ニア:「ごめんなさい」
桜崎ニア:「ごめんなさい、みんな」
桜崎ニア:みんなのために戦うなら、どんな無茶だってできる。そう思っていたはずなのに。
桜崎ニア:今度こそ、自分が生き延びるためではなく。みんなを救うために戦うと決めたのに。
桜崎ニア:「……やっぱり、私じゃダメだった」
永良ゆづり:「…………」誰の目にも明らかに、桜崎ニアは死に絶えようとしている。
永良ゆづり:なのに、峨嵋刺を握る私の両手は、未だ震えていた。
永良ゆづり:遠巻きに敵の目論見へ横やりを入れ、味方に僅かな施しを与えることしか出来なくなった。
永良ゆづり:「……ニア」
桜崎ニア:「……」言葉はない。仰向けに倒れたまま、ただ、力なく見上げる。
永良ゆづり:「済まなかった」
永良ゆづり:「私達がもっと早く、貴女に。"アモーガ"セルに、辿り着けていれば」
永良ゆづり:「そんな想いなどさせなかった」
桜崎ニア:「……何、それ」
桜崎ニア:「そっちが勝ったくせに。ひどい顔してんの」
永良ゆづり:「…………」顔を逸らす。
永良ゆづり:「私達には責がある。"桜崎ニア"の願いを、叶えさせることはできない」
永良ゆづり:「代わりに貴女を、貴方達の想いを。全て背負うつもりでいた」
永良ゆづり:ゆっくりと、倒れ伏す桜崎ニアの元へ歩み寄る。
永良ゆづり:「……いたんだが、な」
桜崎ニア:「……余計なお世話」
桜崎ニア:「分かってると思うけど……まだ、"天馬"が負けたわけじゃないから」
桜崎ニア:「私の想いは、私の仲間に託す」
永良ゆづり:「そうか」
桜崎ニア:「大体……そうやって。いちいち、倒した敵の事まで背負い込んでたら」
桜崎ニア:「きりがないでしょ。そんなの……」
永良ゆづり:「……ああ。今、それを痛感している」
永良ゆづり:「お前に力を奪われてから、傍に近寄るのが怖くなった」
永良ゆづり:「私は、自身が思うよりずっと、弱かったみたいでな」
永良ゆづり:「なぜ、"サタニアン・ガーデン"よりランクが低かったのか分かったよ」
桜崎ニア:「でも、懲りたって風には見えないけど」
永良ゆづり:「……懲りてはない。ただ、負けただけだ」
永良ゆづり:「貴女の想いの重さに」
桜崎ニア:「……」目を丸くする。この期に及んで何を言うのかと思えば、それが自分への賞讃だとは。
永良ゆづり:「……なぁ」
永良ゆづり:「もし、貴女の言う通りに私達が負けて、この世界が現実になって」
永良ゆづり:「再び私達があの日常に飲み込まれることになったら」
永良ゆづり:「……もう一度、アイス奢ってくれ」
桜崎ニア:「……はっ」
桜崎ニア:目を閉じる。腕で目元を隠す。
桜崎ニア:「ほんとに、馬鹿なやつ」
桜崎ニア:「……。考えとく」
永良ゆづり:「……よろしく」
桜崎ニア:微かに震えていたその身体が、止まる。
桜崎ニア:その肉体から、"なにか"が喪失したような気配。
GM:それと、同時に
GM:空を覆う如くひしめいていた木々が、最後に一度。ぞわり、と鼓動するように揺れて。
GM:黒い灰となり崩れ去る。……煤けた風の向こう、ただ一つ残るは
GM:漆黒の巨木。この異界の礎。魄柱(アンカレイジ)が一つ。
永良ゆづり:「(……私に、こんな迷い事を吐かせるくらいに、弱さを自覚させたんだ)」
永良ゆづり:「(決着が付くまでに、立ち直せるだろうか)」
永良ゆづり:闇の中に聳え立つ巨木を見据えながら。
GM:イニシアチブ9。穂村さんと永良さんが同値かな
GM:どちらからでもどうぞ
穂村 姫乃:ではこちらが。
穂村 姫乃:NPCカードの日下部ルリカを使用。対象は魄柱で。
日下部ルリカ:OK、では
GM:②「領域送掌」
タイミング:イニシアチブ
制限:シナリオ1回
効果:使用者から距離:至近にある対象1体の発揮する持続能力効果一つを消去し、HPを0にする。この効果は攻撃として扱い、カバーリングの対象となる。
日下部ルリカ:この効果を魄柱・歳過に対して発動。
GM:これにより、魄柱・歳過の持つ「究極存在」の効果が解除。あらゆるHP減少効果を無効化するステータスが解除され
GM:並びに、HPが0になります。討滅完了。
GM:ミドル1戦闘、勝利条件達成となります。
GM:では演出。
穂村 姫乃:"天城マコト"も"櫻崎ニア"も消滅し、守るものの居なくなった怪樹。
穂村 姫乃:「なあ、ルリカ」 それを背にするようにルリカへと振り向いて。
日下部ルリカ:「……ん」
日下部ルリカ:"マーシャル・ヘイヴン"達との戦闘を支援するために、この距離に出る必要があった。
日下部ルリカ:灼熱の融解現象と黒い枝牙の刺突を何度も身に受けて、再生代謝はとうに機能していない。
穂村 姫乃:「お主と共にやれるのは、此処までなんじゃよな」
日下部ルリカ:傷ついた手脚を丸めるように屈み込んで、その右掌だけは無傷のまま守り抜いている。顔を上げる。
日下部ルリカ:「……悔しいけど、そうなりそうだ」
穂村 姫乃:「そうか……」 一度、僅かに目を伏せた後。
穂村 姫乃:「……儂らは」
穂村 姫乃:「儂らは、お主の願いに叶ったか?」
穂村 姫乃:「お主の願った正義の味方になれたじゃろうか」
日下部ルリカ:「……もちろん」
日下部ルリカ:「みんな、本当によくやってくれた。……この状況まで、辿り着けた事さえ」
日下部ルリカ:「正直、できすぎなくらいだと思ってる」
日下部ルリカ:「ありがとう。……そして、ここからは」
日下部ルリカ:「私の、仕事だ」
日下部ルリカ:片足を引きずり、歩き出す。
穂村 姫乃:「……なら」
穂村 姫乃:ひょいとその傍らに歩み寄ると、腕を取り歩みを支えて。
穂村 姫乃:「肩くらい貸すのが友人の仕事じゃな」
日下部ルリカ:「……最後まで、格好つかないなあ」ふふ、と困ったような笑みを浮かべる。
日下部ルリカ:(……失血で目眩がする。負傷箇所を数えるのも馬鹿らしい)
日下部ルリカ:(コンディションは最悪。だけど)
日下部ルリカ:(気分は、いつになく冴えてる)「……うん」
日下部ルリカ:「今なら、やれる」
日下部ルリカ:魄柱の前に立ち、向かい合う。
日下部ルリカ:数時間をかけて練り上げ・圧縮を繰り返した微小領域。それを、己の右手に纏うようにして。
日下部ルリカ:ただ平たく開いた掌を、押し付けるように繰り出す掌底。
日下部ルリカ:魄柱から光が漏れる。距離、1メートル。
日下部ルリカ:突き出した掌が、緩やかな遅滞の波に包み込まれる。
日下部ルリカ:たった1メートルを疾るその掌打を、半年後まで届かせない。隔絶的な減速領域。
日下部ルリカ:"サンディーヴァ"。10年以上に渡る戦闘訓練を通した選別の果て、"バース"シリーズの中でも強力な40体のレネゲイドを濃縮させた頂点の個。
日下部ルリカ:いま日下部ルリカの目の前にあるのは、それが数日の集中を費やして練り上げた力の結晶。
日下部ルリカ:時間速度の操作に長けたその一柱の源には、生前の日下部ルリカのレネゲイドも使われている。上位互換、と言ってもいい。
日下部ルリカ:……領域能力者同士が互いの法則を押し付け合えば、どうなるか。
日下部ルリカ:日下部ルリカは痛いほど知っている。より強い領域によって場を制圧した方が勝つ。
日下部ルリカ:領域の強さとは、因子の密度。操作できる因子の総量は、能力者の出力。
日下部ルリカ:「11位」という数字が全力の力比べによるものではなかったとしても、自分のオーヴァードとしての才能は、最上位よりも一段落ちる。
日下部ルリカ:ジャーム化によって力を高めた今とて、それは向こうも同じ条件──普通にやれば届かない。
日下部ルリカ:(……分かってる。思い知ってる。何度も何度も何度も敗けてきた中で)
日下部ルリカ:(だから考えてきた。だから研鑽してきた)
日下部ルリカ:(自分のレベルの力を、彼らの領域に届かせるにはどうすれば良いか)
日下部ルリカ:すう、と息を吸い込む。地をいっそう深く踏みしめる。
日下部ルリカ:「──こんな、デクに」
日下部ルリカ:繰り出した右手が、歪む。掌を薄く覆う碧色の領域が、より薄く圧縮されていく。
日下部ルリカ:より硬く、より密に──その僅かな空間に、自身の全身のレネゲイドを注ぎ込む。
日下部ルリカ: 「負けて、られるか……ッ!!」
日下部ルリカ:……ゆっくりと、止まっていた右手が動き始める。
日下部ルリカ:強大な領域に罅刻むように。
日下部ルリカ:0.5メートル/年の遅滞の極みから、激しい熱を帯びて、少しずつ動き始める。
GM:そして、その刺激に呼応するように──
魄柱・歳過:《復讐の刃》
魄柱・歳過:無数の枝が刃のように伸びて、敵対者の肉体を引き裂こうとする。
日下部ルリカ:平時であれば、再生力に任せて耐える選択肢もあった。
日下部ルリカ:しかし、余力を残すように努めたとはいえ"マーシャル・ヘイヴン"達との交戦の直後。心身の限界は近い。
日下部ルリカ:練り上げた領域を一度乱してしまえば、取り返しは付かない。
日下部ルリカ:彼らの死闘も、無為に終わる。
日下部ルリカ:「ッ……!」
日下部ルリカ:《黒星招来》
日下部ルリカ:──少女の身体を覆う碧色の領域が、膨張し障壁を形成する。
日下部ルリカ:規模は違えども、理屈は同じだ。この数秒、攻撃が届くのを遅らせる。
日下部ルリカ:届ききる前に、魄柱(こいつ)を壊す。
日下部ルリカ:……意識が朦朧とする。限界を超えた加速に精神が摩耗する。
日下部ルリカ:他者の肉体を借りて動く今のルリカにとって、精神の摩耗とは自己の磨滅である。
日下部ルリカ:……それが、どうした。
日下部ルリカ:あと40センチ。30。25。届け。届かせさえすれば、壊せる──
日下部ルリカ:……刹那の忘我。意識を失ったような、あるいは夢を見ているような。
日下部ルリカ:いつか、どこかで交わした言葉。遠い将来の話。
:「ルリカは、どうだ。ここから出たら、やってみたいことはないか」
:「へえ?私は……」
日下部ルリカ: ──あの日、自分は何と言ったのだったか。
日下部ルリカ:朧気な私の影は、少し言葉に迷ってから、
日下部ルリカ:それでも初めから胸の内は決まっていたような時間で、答えを出した。
:「そうだね。旅が、したいかなぁ」
:「どこか遠く……全然知らない国に行って」
:「知らない景色ばかりで、言葉も通じなくて」
:「ああ、どうしようかな……って」
:「困り果てて、空でも見ながら……昼寝でもしたいな」
日下部ルリカ:──ああ。そうだ。そうだった。
日下部ルリカ:自分の心だけは、夢に穢されていないつもりで
日下部ルリカ:結局、一番大事な部分を塗りつぶされていたらしい。
日下部ルリカ:それでも。こうして最後には、自分で思い出したのだから
日下部ルリカ:心のどこかに、ずっと引っかかっていたのだろう。
:「ちょっと、冗談じゃないよ?」
:「だって、こんな狭い施設の中じゃ、私達」
:「道に迷って、途方に暮れることもできないじゃん」
:「つまらなくない?そんな人生」
日下部ルリカ:……そうだ。"サンディーヴァ"の打倒が、私の願いなら
日下部ルリカ:遠い世界に旅立つことが、私の夢だった。
日下部ルリカ:だから──今にして思えば。それも、理由の一つだったのかもしれない。
日下部ルリカ:私が、この甘い箱庭に溺れなかったのは。
日下部ルリカ:"サンディーヴァ"が私の中からそれを削り取っていたのは。
日下部ルリカ:私の夢は、この世界では決して叶えられないから。
日下部ルリカ:ずっと、自由になりたかった。
日下部ルリカ:枷を壊して、どこか遠くへ行きたかった。
日下部ルリカ:……だけど。まもなく私は、永遠にこの世界を去って
日下部ルリカ:ようやく思い出した夢は、叶うこともない。
日下部ルリカ:(──なんて、今更思い出したからって後ろ髪引かれるのは)
日下部ルリカ:(ちょっとダサすぎてナシだ)
日下部ルリカ:(やり遂げるさ。最後まで)
日下部ルリカ:……そうだ。自由になりたかった。
日下部ルリカ:自分を戒めるものを全て、壊してやりたいと感じていた。
日下部ルリカ:この想いは。衝動は。私だけのものだから
日下部ルリカ:この役目はきっと、私にしか果たせない。あの時と同じように。
日下部ルリカ:──ニアの体内を蝕む、"モングレル・チェスト"の呪縛を砕いて
日下部ルリカ:彼女の意思を、"ヴィローシャナ"の思惑から自由にした時のように。
日下部ルリカ:あの時は、私が勝つわけにはいかなかったけれど。
日下部ルリカ:今度こそは、私が勝つ。
日下部ルリカ:「──あああぁぁぁッ!!!」
日下部ルリカ:──遂に、その右手が。魄柱の表皮に触れる。
日下部ルリカ:Eロイス「破壊神顕現」発動。
日下部ルリカ:魄柱が持つEロイス「究極存在」、並びに魄柱・歳過を破壊します。
日下部ルリカ:日下部ルリカの領域送掌。
日下部ルリカ:それは加速支配能力の精密かつ暴力的な運用によって齎される、切断現象である。
日下部ルリカ:少女の掌が一打を叩き込んだ、直径10数センチの空間。
日下部ルリカ:伝達する衝撃、それが生み出したごく僅かな速度を、
日下部ルリカ:自身の領域作用によって超加速させる──左右に二分した、その片側だけに。
日下部ルリカ:結果、断裂する。
日下部ルリカ:瞬間的に生じた超高速の速度、尋常の物理現象の埒を超えるエネルギーが、
日下部ルリカ:一つだったはずの物体を、二つに引き裂く──
魄柱・歳過:──ずるり、と
魄柱・歳過:そこに聳え立っていた巨木が、縦にずれる。
魄柱・歳過:天頂近いその大樹を、亀裂が縦に走り上がる。歪みが、見る間に大きくなって
魄柱・歳過:やがて本来の姿を失ったそれは、灰となって砕け落ちる。
日下部ルリカ:「っ、は……はは」
日下部ルリカ:「どうだい。見た、か……」
日下部ルリカ:「今度、こそ……」
日下部ルリカ:一瞥する。傍らに倒れ伏した、「ニアだった少女」を。
日下部ルリカ:「……私の、勝ちだ」
日下部ルリカ:その言葉はきっと届かなかっただろうが。
日下部ルリカ:それでも、その宣言は、日下部ルリカの人生にとってきっと必要な言葉だった。
日下部ルリカ:そうして──障壁の突破と、魄柱の破壊。
日下部ルリカ:その二つに力を注ぎきった少女もまた、その場に崩れ落ちる。
穂村 姫乃:少女の身体が地に伏せきる前に、それを抱きかかえるようにして支える。
穂村 姫乃:「いやはや、見事なもんじゃったな」
日下部ルリカ:「っ……あ」受け止められたことに、微かに驚いたような声を出して。
日下部ルリカ:「……へへ」くたりと微笑む。
穂村 姫乃:「流石はルリカというべきか。見事な完勝じゃった」
穂村 姫乃:こちらも、変わらず笑んでいる。口調も普段の通り軽く。だけど。
日下部ルリカ:「ありがと」
穂村 姫乃:その頬を、一つ二つと水滴が伝っていく。
日下部ルリカ:「もしかしたら……と。ちょっとは期待してたんだけどさ」
日下部ルリカ:「ごめん。やっぱり、もう」
日下部ルリカ:「限界だ」
日下部ルリカ:力なく吐く。君に抱きとめられたまま、身を起こして立ち上がる事もできない。
穂村 姫乃:「そうじゃよなぁ」
穂村 姫乃:どれだけの無理をしたか、この目で見ていたのだ。それに今更否を唱えられる訳もない。
穂村 姫乃:だから、代わりに。
穂村 姫乃:「なあ、ルリカ」
穂村 姫乃:「勝ったとはいえ、まだこの世に未練はあるんじゃろ」
穂村 姫乃:彼女の夢を垣間見た。旅をしたい、と。
穂村 姫乃:「なら、今度こそ化けて出てくれんか」
穂村 姫乃:「それで儂に憑りついて、一緒に旅をせんか」
日下部ルリカ:「……っ。はは」泣きそうな顔で笑う。
日下部ルリカ:「いいな……その、話。すごくいい」
日下部ルリカ:「本当に……そう、なったら」
日下部ルリカ:「いい……のにな……」
穂村 姫乃:「そうじゃろ。めっちゃ良いじゃろ」
日下部ルリカ:言葉に泣き声が混ざる。
穂村 姫乃:「じゃから、そう願ってくれ。そうしたら案外叶うかもしれん」
穂村 姫乃:「お主の願いが叶ったように、夢も叶うかもしれんじゃろ」
日下部ルリカ:「っ……ああ……」
日下部ルリカ:「いい、のかな……もう一つ、お願い事なんて……」
日下部ルリカ:「神様って、そういう欲張りなの……許して、くれるんだ……?」
穂村 姫乃:「当り前じゃろ。神頼みなんて欲張ってナンボじゃし」
穂村 姫乃:「友人の願いも叶えん神なんざ、誰だって願い下げじゃろうが」
日下部ルリカ:「っ……そっか。姫乃が、そこまで言うなら……」
日下部ルリカ:「そう、しよう……うん」
日下部ルリカ:「……だから、さ」
日下部ルリカ:力なく、ゆっくりと手を動かす。
日下部ルリカ:「これ……預かっててよ」
日下部ルリカ:胸ポケットから取り出した。眠たげな目をした、コミカルなうさぎのストラップ。
日下部ルリカ:あの日のゲームセンターで、君達が一つずつ手に入れたもの。
穂村 姫乃:「……」 驚いたように瞬きをした拍子に、また新しく涙が零れて。
穂村 姫乃:「ああ、確かに」
穂村 姫乃:「承った」 しっかりとその掌からストラップを受け取る。
日下部ルリカ:「……うん」
日下部ルリカ:「また、会った時……返してもらうから。約束」
日下部ルリカ:「それまでは、その子が」
日下部ルリカ:「君の旅の、相棒代わりって事で」
穂村 姫乃:「うむ。儂、気は長い方じゃからな」
穂村 姫乃:「ゆっくり待とう。それこそ旅でもしながら、のんびりと」
穂村 姫乃:「何百年でもお主を待つから。ちゃんと、会いに来てくれ」
穂村 姫乃:「この子らを目印にな」
穂村 姫乃:自身の鞄につけた笑い顔のうさぎの横に、眠たげなうさぎを並べてみせる。
日下部ルリカ:「うん……守るよ。どれだけかかるか、分からないけど」
日下部ルリカ:「必ず、会いに行くよ……」
日下部ルリカ:「親友との、約束だもん」
穂村 姫乃:「ああ、約束じゃ」
日下部ルリカ:顔色から生気が失われていく。肩で息をする、その震えすらも徐々に弱まっていく。
日下部ルリカ:「だから……約束したんだから、"さよなら"は、なしだ」
日下部ルリカ:「またね、姫乃」
穂村 姫乃:「またな、ルリカ」
日下部ルリカ:その言葉を最後に、静かに目を閉じて
日下部ルリカ:その肉体は、ただ事件に巻き込まれた無力な少女のものへと還っていく。
穂村 姫乃:少女を優しく地に下ろし、立ち上がる。
穂村 姫乃:永久の別れを告げたわけでなく、ただ再会を誓っただけ。だからその口元は未だ微笑みを絶やさず。
穂村 姫乃:だけど、瞳から零れる涙もまた。暫く絶えることは無かった。
GM:戦闘勝利条件を達成しました。
GM:ただし、このままここに留まっているとクリンナップ毎に増援が来てしまうので
GM:戦闘終了条件は、「”ビー”のNPCカードの効果①を使用すること」となっています。
GM:使用しますか?
久遠仁:使用します。
GM:了解です。これを以て、ミドル戦闘を終了します。
GM:──またしても君達は、夢を見る。
GM:自分ではない誰かの人生を。否、かの少女の過去を。
GM:遠いスクリーンに映し出された、映画の中の出来事のように。
:小学校が、初めてのゴールデンウィークに入って間もない頃だった。
:お母さんが、急に熱を出して寝込んだ。
:病院では普通の風邪だろうと言われたらしいけれど
:そのまましばらく経っても、熱が下がる様子はなかった。
:家族旅行の計画もキャンセルする事になった。
:ちょっぴり残念ではあるけれど、どちらにしてもそんな状況で楽しめるはずもないし。
:「代わりに何か買ってあげようか」とお父さんが言ってくれたのも、大丈夫だよ、と遠慮しておいた。あたしはいい子なので。
:いい子だからもちろん、こういう時くらいお母さんを看病してあげたい気持ちはあったけれど
:「感染るかもしれないから部屋には入らないでね」とお父さんには言われていたから、部屋でおとなしく連休の宿題を片付けたりしていた。
:お母さんが元気になったら、次の週末には一緒に遊園地に行けるだろうか、なんて事を考えながら。
:……そんなあたしが、お父さんとの約束を破ってしまったのは
:夜中にトイレに向かった時、お母さんの寝ている部屋から変な声を聞いたからだ。
:呻き声? オバケ? どちらにしても、お母さんが心配だ。
:何度かドアを叩いて声をかけても、返事は返ってこなかった。
:扉に近付いたとき、鼻先に何か血生臭い匂いが漂った。
:咄嗟に嫌な予感が過ぎって、お父さんを呼びに行くという事も思いつかなかった。
:「お母さん、ほんとに大丈夫……!?」
:バタン、と乱雑な音とともに扉が開く。
:真っ暗な部屋のベッドの上に、薄ぼんやりと人影があった。……じゅるじゅると、何かを啜るような音。
:「こんな時間に、ごはん食べてるの……?」
:壁のスイッチを探り、灯りをつける。
:照らし出されたのは、腕に歯を突き立てて血を啜る、お母さんの姿だった。
:「──ぇ、あ」
:自分の腕、ではない。
:肘から先を捥ぎ取ったような肉体の断片を、両手で抱えている。
:──誰の腕?どうやって手に入れた? 殺したの?
:お父さんは無事?血を吸う、化物?本当に、これはお母さんなの?
:──色んな思考が、頭の中をぐるぐるとして。
???:「さい、か……」
:目の前の女が、顔を上げる。視線が交わった。
:青く染まったその眼は、どこか正気を失っていたように見えた。
:まるで、私自身の事さえも、血の入った水袋としか見えていないんじゃないかって思うほどに──
:……気がつくと、背を向けて駆け出していた。
:部屋の扉を閉める事すらも忘れて、お父さんがまだ仕事をしていた書斎に飛び込んで
:わんわんと泣きつきながら、要領の得ない説明をした。
:その日の後のことは、よく覚えていない。
:一瞬だけ目に入った、私の知らないお母さんの姿がどうしても頭から消えなくて
:いつ寝たのかもよく分からないまま、気がつくと夜が明けていた。
:次の日の朝、お父さんは何事もなかったかのように私を起こして、朝食を作った。
:お母さんの姿は、どこにもなかった。
:あたしは──お父さんが無事でいてくれた事への安堵と、お母さんがどうなったのか分からない不安の間で
:何かを確かめる事も、問いかけることも恐ろしくて。何も言葉が出てこなかった。
:お父さんと向かい合って、ただ黙って。味のしないパンをミルクで流し込みながら
:昨日見たものが、全部ただの夢だったら良いのになと思っていた。
お父さん:「……母さんは、誰も殺してない」
:しばらく無言が続いたあと、お父さんがそんな風に口を開いた。
:あたしの都合のいい妄想は、全部なかった事になった。
お父さん:「人を食ったりなんて、していない」
:……いつになく、威圧するような言葉だった。
:お父さんは確かにちょっと厳しい人だったけれど、あたしに向かってそんな言い方をした事は、それまで一度もなかった。
お父さん:「わかってくれるな。……彩花は、いい子だもんな」
:「……」
お父さん:「母さんはただ、"病気"で寝てるだけなんだ」
お父さん:「……治す方法は、必ず見つけるから」
: 「……うん」
:それ以上、あたしは何も言えなくて。項垂れるようにゆっくりと頷いた。
:それから、もう一度。
:「お母さんの寝ている部屋には、絶対に入ってはいけないよ」とお父さんと約束した。
:あたしもこの時はもう、何があっても約束を破るつもりはなかった。
:……大人だから。お父さんに任せれば、きっと何もかも上手く行く。大丈夫、なんて。
:そんな都合のいい夢想にすがって。
GM:全員登場です。登場侵蝕と汚染上昇は不要です。
GM:2本目、再生機能の魄柱に攻撃を仕掛けるシーンです。全員登場。
GM:例によって汚染値を上げておいてください。
永良ゆづり:汚染値4→5
穂村 姫乃:汚染値6→7に
亜藤 蘭介:汚染値5→6
久遠仁:汚染値2>3
水上ケイ:対象は……これで封じる事のできるエフェクト数が多い順のロジックなので、永良さんへ。
水上ケイ:命中いきます。
水上ケイ:29dx+11@7
DoubleCross : (29DX7+11) → 10[1,2,2,2,2,2,2,3,3,3,3,5,6,6,7,7,7,7,8,8,8,8,9,9,9,9,10,10,10]+10[1,1,3,4,5,5,5,5,5,6,7,8,8,9,10]+10[2,3,5,7,9]+10[4,7]+1[1]+11 → 52
亜藤 蘭介:えっ…永良!
永良ゆづり:5dx+1>=52 とりあえずドッジ
DoubleCross : (5DX10+1>=52) → 10[1,2,3,6,10]+7[7]+1 → 18 → 失敗
永良ゆづり:カバーも大丈夫。来い!
水上ケイ:6d10+65 諸々有効
DoubleCross : (6D10+65) → 42[9,8,8,1,8,8]+65 → 107
永良ゆづり:即死ぃ!!
永良ゆづり:64+1d10
DoubleCross : (64+1D10) → 64+2[2] → 66
永良ゆづり:HP2で蘇生!以上!
GM:OK!汚染も上げておいてね
永良ゆづり:そういや忘れてた。2回死んでるので6→8で。
GM:では演出。
久遠仁:踏み込み。同時に、刃を振るう。
久遠仁:音の速度を遥かに超えた斬撃。関節部を狙い、前腕を断ち落とさんとして。
久遠仁:「──」
久遠仁:水上自身が反応するより先に、久遠が兜の中瞠目する──刃が通らない。
水上ケイ:ガギンッ! 火花の散る如き金音。
水上ケイ:「……二度目だぜ。関節を狙うって分かってんなら」
水上ケイ:「受けようはある」真っ直ぐに伸び切った腕。その実、曲がりようはない。関節の隙間を補修するように甲殻質が展開されている。
久遠仁:(──まずいな)
久遠仁:無言のまま思案する。
久遠仁:(自己進化を得手とする相手に、手番を与え過ぎた──)
水上ケイ:剣撃を受けた反動から一転、沈み込む。文字通りに姿が消える。
水上ケイ:その実、土を削り地中を潜航する土竜の歩法。砂煙と共に浮上し、永良の背後を取る。
久遠仁:「永良!」
水上ケイ:未だ燃え盛る逆の腕を以て。繰り出される掌打は、果たしてその衝撃自体が必殺であると同時、オルクスの因子による人体侵略。
水上ケイ:「──領域送掌」
永良ゆづり:「────っ」立ち込める土煙が視界を遮り、反射による対応が許されない。
水上ケイ:"アースリー・ケイヴ"がその身の内側に宿す進化領域──自身の細胞を際限なく改変・適応させ続ける機構。
水上ケイ:この男の領域送掌は、それを反転させる。
水上ケイ:──永良の全身の細胞が自ら歪み、軋む。筋肉が、文字通りに泡立ち・弾ける。細胞そのものの操作による破壊的退化。
水上ケイ:骨をより脆く、知覚神経をより鈍く、生命活動に必要なあらゆる臓器を縮み衰えさせ、機能を奪う。
水上ケイ:因子を注ぎ込んだ対象を、不完全にして活動不可能な生物へと作り変え、貶める一打。
水上ケイ:尋常であれば他者への干渉に向かない領域──だが、
水上ケイ:こうして相手の肉体を砕き"内側"に潜り込んだ瞬間であれば、それが可能となる。
亜藤 蘭介:「永良っ────!」間に合わない。逡巡の間に放たれる、必殺にして致命の一撃。その威力は己が身で知っている。
永良ゆづり:「あ、ぐぁ────」背後から掌底を叩き込まれ、骨が砕け、肉が断たれ。
永良ゆづり:土の上に叩きつけられる。自身の異常に気付いたのは、直後に《リザレクト》を行使した瞬間。
羽海束沙:「こいつ、っ……!」振り返り、位置を補足すると同時に水上を銃撃。両の眼を狙った発砲。
水上ケイ: 「……殺す覚悟はとうに済ませちゃいるが」それをかわし、後退しながら呟く。
水上ケイ:「知った顔にこいつを使うのは。いい気分がしねぇな」
永良ゆづり:掬い上げた骨が手から零れ落ちる。繋ぎ合わせた肉が脆く軋む。
永良ゆづり:重なること、全身を苛む脱力と怠惰。戦闘に赴くに当たり、必要な全ての要素が抉られていく。
永良ゆづり:通常の倍ほどにレネゲイドを沸き立たせ、身体に鞭打って立ち上がる。が。
永良ゆづり:復活に際し上がった侵蝕値を倍にします。侵蝕68に。
GM:了解、そうなります。
永良ゆづり:「(……これは、無理だな。私はもうまともに戦えない)」
永良ゆづり:「(だが、もう一手くらいなら────)」
GM:イニシアチブ。行動値9、永良さん。
永良ゆづり:待機しまぁす……
GM:OK。では
GM:続けて行動値8、"バース"戦闘部隊Aの手番
"バース"戦闘部隊A:マイナー、戦闘移動《縮地》。20m前進し、他キャラクター全員にエンゲージ。
GM:で、単体攻撃なんだよな。ターゲットはダイスします
GM:1d4
DoubleCross : (1D4) → 4
"バース"戦闘部隊A:亜藤くん対象で
亜藤 蘭介:ゲッ
亜藤 蘭介:甘んじて受ける!
GM:あっすみませんミス
GM:エネミーデータ見間違えてた!移動はしない!
亜藤 蘭介:ということは…?
亜藤 蘭介:対象も…?
GM:いや……対象はそのままかな……
亜藤 蘭介:ちくしょうかかってこいや!
"バース"戦闘部隊A:すみません、改めてマイナーなしから
"バース"戦闘部隊A:メジャー《コンセントレイト》《悪魔の影》《死神の瞳》《拘束する大地》《鮮血の鎖》
"バース"戦闘部隊A:13dx+5@7 命中
DoubleCross : (13DX7+5) → 10[1,2,2,4,4,5,5,6,6,6,8,10,10]+10[1,3,8]+1[1]+5 → 26
亜藤 蘭介:ンニャ~~~!
GM:ダメージなし 命中で次のリアクション不可+次に受けるダメージが5D増加+次に行う判定のC値が1増加+そのラウンドの判定ダイス5個減少
亜藤 蘭介:ヤバすぎる!
亜藤 蘭介:ドッジ!
亜藤 蘭介:6dx+1>=26
DoubleCross : (6DX10+1>=26) → 10[3,5,7,9,9,10]+4[4]+1 → 15 → 失敗
亜藤 蘭介:ひぃん…
"バース"戦闘部隊A:では、上記デバフを受けてもらいます。
永良ゆづり:差し挟んで《炎陣》でカバー。侵蝕+2*2の72。
亜藤 蘭介:すまない助かります!
GM:OK。では上記受けてもらいます。
GM:では演出。
GM:……激戦である。多大なレネゲイドが漏出している。迅速な行動をしていようとも、近くにいれば気づく者もいるだろう。
GM:ましてや、魄柱が守り手を集めるべく呼びかけている。
GM:……中には混乱し、即座に反応できない者、自分の置かれている境遇を受け止めることのできない者もいたが。逆もまた。
"バース"戦闘部隊A:「……水上!? すまない、随分と遅れてしまった」およそ傷つける手段のない男が、既に満身創痍となっている姿に驚きつつ。
"バース"戦闘部隊A:数名のオーヴァードが現れる。ランクとしては中位以下といったレベルの連中だ。
水上ケイ:「……テメェらか。手伝うのは良いが」
水上ケイ:「巻き込まれねぇように気を付けろ。……正直、他を気にしてる余裕がない」
"バース"戦闘部隊A:「……ああ、分かってる」
"バース"戦闘部隊A:陣形を組み、共同して領域を編み上げる。クーデターに際して行った、単独で強力なオーヴァードに抗しうる力のない者同士のもの。
"バース"戦闘部隊A:仕留めるためではなく、動きを妨げ、隙を作り出すための。
亜藤 蘭介:「新手か」
永良ゆづり:「(一人一人にニア程の威迫は感じないが、徒党を組まれては十分に厄介──)」
"バース"戦闘部隊A:亜藤の周囲の風が揺らめき、鈍い頭痛が走る。片足に力が入らない。周辺重力と身体機能に干渉する操作。
"バース"戦闘部隊A:赤、黒、青。数色の形の異なる魔眼が、君の周囲を取り巻くように浮遊している。
亜藤 蘭介:己が判断の鈍さに舌を打つ。
亜藤 蘭介:「これ、は────」
亜藤 蘭介:予想外の間接的なダメージ。周囲を浮遊する魔眼を切り裂かんとするも、穴が空いた風船のように漏出するレネゲイド。重く響く頭痛に、手から力が失われていく。
永良ゆづり:「っ、亜藤さん!」
永良ゆづり:退化の呪に全身を蝕まれながらも、無理矢理駆け出す。
"バース"戦闘部隊A:……そして、そこまでが序の動作。魔眼が互いを光条で結び、より強力な領域を形成しようと。
"バース"戦闘部隊A:「捕らえたっ……!」
永良ゆづり:魔眼による領域干渉。先ほどの様に、攻撃で生まれる風は使えない。
永良ゆづり:仮にあったとしても。今の自分では十分な精度を出すことはできないだろう。
永良ゆづり:だから、愚直に。
永良ゆづり:魔眼のテリトリーから、力任せに亜藤蘭介を押し退けた。
亜藤 蘭介:「よ、せ」永良、と続けて彼女の名を口にする前に。
亜藤 蘭介:受け身すらままならず、無様に地を転がって。弾かれるように体勢を立て直す。
"バース"戦闘部隊A:「なっ……」咄嗟に押し入る者がいるとは予想しなかったが。それで発動を止めることもない。
"バース"戦闘部隊A:数色の光輝が領域を結ぶ。バロールの物理的な領域封鎖。そうして捕らえた相手の神経感覚を狂わせる機構。
"バース"戦闘部隊A:万全であれば、力を注げば振り払うこともできるだろう程度の出力。だが、今その猶予は。
永良ゆづり:「────っ、う」だが、注ぐべき力を枯渇した自分に為す術はなく。
永良ゆづり:神経を揺さ振られ、立ち続ける事すら儘ならず。すなわち、光の檻の中で倒れ伏した。
永良ゆづり:意識はまだある。だが最早、他人の助けなく立つことすら難しい。
亜藤 蘭介:彼女の元へと駆け寄って。光の残滓を纏めて切り払う。
羽海束沙:「っ、貴方いま……!」声に微かに怒気が混じっている。
永良ゆづり:「……ち、がうでしょ」
永良ゆづり:既に聴覚すらまともに稼働していない。ただ、掠れた声で。
永良ゆづり:霞んだ視界の端で捉えた、光の檻を砕く者への叱咤を。
亜藤 蘭介:生成した分体は増援部隊に。本体は水上を見据えたままで。
亜藤 蘭介:倒れ伏した彼女の、声を聞いて。
亜藤 蘭介:「………」一時の間、顔を歪め。
亜藤 蘭介:「すまん」
亜藤 蘭介:決意を帯びた瞳に、炎が灯る。
GM:イニシアチブ。行動値5。亜藤さんの手番です。
亜藤 蘭介:はい。
亜藤 蘭介:マイナー無し。
亜藤 蘭介:メジャー、コンボ:"羅紗切"。《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》+《砂の加護》+《砂塵霊》
亜藤 蘭介:対象は水上ケイ。
GM:命中どうぞ
亜藤 蘭介:羽海さんのNPCカード1番の使用を宣言。
亜藤 蘭介:命中判定のダイスを+10個、攻撃力を+10!
羽海束沙:了解、判定どうぞ
亜藤 蘭介:22dx7+6
DoubleCross : (22DX7+6) → 10[1,1,2,2,3,3,3,4,4,4,5,5,5,5,8,9,9,9,9,9,10,10]+10[2,2,3,3,3,5,6,8]+10[7]+10[10]+5[5]+6 → 51
亜藤 蘭介:よしよし
水上ケイ:回避はできんよな……《竜鱗》で受けます。
永良ゆづり:《凍てつく刃》ダメージ+1D+15
亜藤 蘭介:水上も辛いよな。亜藤、ダメージいきます。
亜藤 蘭介:ありがと~!
永良ゆづり:侵蝕+3*2の78
亜藤 蘭介:6d10+31+10+15+1d10
DoubleCross : (6D10+31+10+15+1D10) → 31[6,9,9,3,1,3]+31+10+15+5[5] → 92
亜藤 蘭介:装甲を無視!
GM:シザリパで92……
亜藤 蘭介:(シザリパの効果に準拠)
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を10(→ 10)増加 (85 → 95)
水上ケイ:戦闘不能です。
水上ケイ:《魔獣の証》復活します。
亜藤 蘭介:勝った…?
亜藤 蘭介:アアーン!?
GM:4d10級エフェクトなので、後で回想ターンが発生します。よろしくね
GM:演出どうぞ。
亜藤 蘭介:傍らの分体を、永良の元へと待機させたまま。
亜藤 蘭介:静かに息を吸い、吐き出して。
亜藤 蘭介:地を砕けんばかりに踏みしめて。三歩で奴の懐に。
亜藤 蘭介:奴の眼前で体動を捻る。
水上ケイ:その出足を視ている。こちらも踏み出し、迎え撃つべく甲殻に覆われた剛腕を構える。
亜藤 蘭介:それは、遠心力の勢いを乗せた、只の斬り払い。
亜藤 蘭介:亜藤蘭介との幾多の模擬戦の経験を経た水上ケイであれば。何度も目にした筈のそれ。
亜藤 蘭介:然して。
亜藤 蘭介:振るわれる刃の速さも。
亜藤 蘭介:踏み込みの強さも。
亜藤 蘭介:一撃に乗せた想いも、何もかもが。
亜藤 蘭介:以前よりも遥かに上回っている。それだけの一太刀。
亜藤 蘭介:その技に華は無く。弛まぬ鍛錬と幾度の死線を潜った果てに得た、己だけの刃。
亜藤 蘭介:何回、何百回、何千回、何万回と。
亜藤 蘭介:繰り返し振るってきた淀みない動作で。
水上ケイ:──反応する。あまりにもよく知った所作で振るわれるその輝線を、
水上ケイ:右手で掴み、至近の間合で相手を抑えんとする動き。
亜藤 蘭介:小柄な体躯に見合わない、重く響く一撃が。
水上ケイ:半身と共に僅かに沈んだ逆手が、そうして封じた対手にカウンターを放つべく動き出している。
水上ケイ:単純である。迅速である。強力である。故に付け入る隙がない反撃。何度も君が打ち込んでは、叩き伏せられてきた返し手。
亜藤 蘭介:間隙を縫うように右手を抜けて。
亜藤 蘭介:更に回転。
亜藤 蘭介:ここで奴が放つ、返しの一撃に。
亜藤 蘭介:伸びきったその対手を切り上げるように払う。
水上ケイ:「……ッ!」
水上ケイ:白刃よりも硬いその巨腕を、斬るではなく滑らせられた。
水上ケイ:自ら最大加速を付けて伸び上げたその運動は、容易に止められるものではない。
亜藤 蘭介:0.01秒にも満たないその瞬間。再生と防御の速度を僅かに上回った刃が。
水上ケイ:──少なくとも、次の一撃を叩き込まれるよりは遅い。
亜藤 蘭介:袈裟斬りに叩き込まれる。
水上ケイ:認識。己が命を狩らんとする刃が、眼前に迫っている。
亜藤 蘭介:深く。水上ケイの体内の領域を犯しうるほどに。
水上ケイ:手を出すには間に合わず、ただ受け切るには、そこに乗せられている念はあまりに重い。
亜藤 蘭介:「ようやく」
亜藤 蘭介:ぽつりと吐く。
亜藤 蘭介:「取れたな。一本」
水上ケイ:「が、あっ……」
水上ケイ:心の臓を覆うように、暖かな熱が走る。肉が引き裂かれ、血が溢れ出している。
水上ケイ:「っ……て、めえ」
水上ケイ:風をきるような声。弾きあげられて伸びきった腕が、だらりと垂れる。膝をつく。
亜藤 蘭介:血に濡れた刃を乱暴に振り払い。血を吹き出しながら膝をつく男を見下ろして。
亜藤 蘭介:「もう終わりか?」
水上ケイ:「……強く、なりやがってよ」
水上ケイ:「こいつが……いつものやつなら」
水上ケイ:「そう言ってたかもしれねぇな」
水上ケイ:強がる声とは裏腹に、掠れるような呼吸が大きくなる。明らかに限界を超えている。
水上ケイ:「だが……」
水上ケイ:明滅する。声が聞こえる。己が心臓の、更に奥から。
水上ケイ:「俺、は……」
水上ケイ:"サンディーヴァ"の鍵が外れる。またしても、悪夢が解き放たれる。
水上ケイ:──陽の射さないアパートの一室で、野良犬みたいに生まれ育った。
水上ケイ:この比喩はつまり、誰かが捨てたゴミの中から今日の糧になりそうなものを漁って食う生活という事だ。
水上ケイ:酒浸りの父と母は絶えず不機嫌で、いつだって憂さ晴らしの拳骨を振るう理由を探していた。
水上ケイ:冷蔵庫や食卓にあるものに手を出す事は許されなかった。
水上ケイ:兄妹は揃って水道の水を飲んで、何日も洗濯されないままのボロ布を巻いていた。
水上ケイ:寝ている間に蹴っ飛ばされないように、交互に寝ずの番をした。
水上ケイ:何も知らないから、親とはそういうものだと思っていた。
水上ケイ:どこまでも理不尽で、一方的な支配の繋がり。
水上ケイ:……だから、断ち切る事も簡単だった。
水上ケイ:妹が腹を蹴られて死んだ日に、俺は特別な「力」に目覚めた。
水上ケイ:リビングにはすぐにあいつらの死体が転がった。
水上ケイ:ぐちゃぐちゃになるまでそれを踏んづけてやったあと、産まれて初めて腹いっぱいになるまで飯を食べた。
水上ケイ:馬鹿馬鹿しいほど楽な仕事だった。最初からこの力があったなら、どれだけ楽だっただろうか。
水上ケイ:だが、それだけだ。
水上ケイ:笑っても嘆いても、腹がいくら満たされても、妹の体温は戻らなかった。
水上ケイ:──結局のところ、この世界は力だ。
水上ケイ:強いやつは、より自由に生きられる。
水上ケイ:食いたいものが食えて、生かしたいやつを生かせて、殺したいやつを殺せる。
水上ケイ:学もコネもない前科者のガキが、裏社会の用心棒のような真似をして、
水上ケイ:しばらくそこらの大人並の暮らしをする事ができたのも、それだけの力があったからだ。
水上ケイ:……俺と雇い主達をぶちのめして、捕まえた俺を実験動物さながらに扱う事ができていたのも、
水上ケイ:"アモーガ"(あいつら)に力があったからだ。
水上ケイ:"バース"のランク評価の中で他の奴らを蹴落とし、「失格」の烙印を押される事なく生きていられたのも、同じことだ。
水上ケイ:なら、それを失えばどうなるか。
水上ケイ:その結果を、俺は既に知っていた。
水上ケイ:……強くならなくちゃいけない。
水上ケイ:どんな外敵にも、困難にも、屈しない力が欲しい。
水上ケイ:誰よりも身を削って力を求めた。研究員の連中が提供する、リスクの高い強化ドラッグにだって手を出した。
水上ケイ:最初は、ここにいる連中をみな敵だと思っていたから。自分が蹴落とされる側にならないために。
水上ケイ:いつからかは、マコト達を──"バース"の皆を大切に思っていたから。
水上ケイ:こいつらが妹みたいに死ぬ所を、見なくて済むように。
水上ケイ:後からいくら無残に復讐を果たした所で、何も戻らないし満たされない。
水上ケイ:そうだ。間に合わなくちゃ意味がないんだ。結局の所、それが俺の中の「焦り」の正体だったのだろう。
水上ケイ:強迫観念めいた、強さへの渇望。その願いはただ
水上ケイ:あいつらが死にそうな時に、それを防げるだけの力を──
水上ケイ:──結局、俺は間に合わなかった。
水上ケイ:投影機が映し出す先に、マコトの屍が映し出されていた。誰一人欠けずに自由になるという計画は、失敗した。
水上ケイ:放送機から忌まわしいアナウンスが響く。俺達に殺し合えと言う。
水上ケイ:誰が火蓋を切ったのだったか。「不意を打たなければ殺される」と焦燥に駆られた奴が、最初の引き金を引いて
水上ケイ:そこからは雪崩のように殺し合いが始まった。
水上ケイ:「ッ、こいつら……!」
水上ケイ:クーデターの計画が形になっていたのは。皆の信頼を勝ち得て、ここまでの結束を実現できたのは
水上ケイ:何より、天城マコトが強かったからだ。
水上ケイ:「彼と共になら、やれる」という前提を皆が信じていたからだ。
水上ケイ:「1位(あいつ)」の死が晒された今、その結束はもはや意味を持たない。
水上ケイ:"マーシャル・ヘイヴン"を容易に討ち果たした相手と戦う事はあまりにも危険すぎると、この場にいる誰もが確信していた。
水上ケイ:……俺自身とて、それは例外ではなかった。だが、それでも。
水上ケイ:「馬鹿、共がッ!!」
水上ケイ:声を張り上げる。迸る熱線と電光を、腕の装甲で弾きながら、戦火の只中に躍り出る。
水上ケイ:戦線が硬直する。あまりにも強大な戦力。下手に動けばその殺意が、自分へ向けられるという恐怖。
水上ケイ:何でも良い。馬鹿なことをやめて、止まってくれるなら。
水上ケイ:「そんなに……」
水上ケイ:「そんなに、命を奪い合いたいかよ……!?」
水上ケイ:「俺は……」
水上ケイ:「俺には、もう無理だ」
水上ケイ:「クソ親共を殺した時とは違う」
水上ケイ:「無理なんだよ……!お前らを殺して、生き延びるなんてのは……!」
水上ケイ:「それをしなくて済むようにするために、俺は生きてきたってのに!!」
水上ケイ:数秒。嘆きともつかない怒声が、この場を支配した。
水上ケイ:「……お前らは、違うのかよ」
水上ケイ:「自由になりたいって言ったんだろ!? お前らの、見てた希望は」
水上ケイ:「その程度で、諦めれるモンだったのかよ……!」
水上ケイ:──退路が必要だ。
水上ケイ:ただ感情に訴えかけるだけでは、限界がある。
水上ケイ:殺し合うしか選択肢がないのではなく、「逃げ延びることができる」という可能性の提示。
水上ケイ: マコトの仇を取ることもできない俺に叶う、唯一の希望の提示。つまりは──
水上ケイ:「──あああああッ!!」
水上ケイ:咆哮。複合遺伝子の同時獣化。
水上ケイ:甲虫めいた装甲と獣の爪を備えた右腕が、埒外の膂力を以て隔壁を撃ち貫く。
水上ケイ:幾重の轟音を経て、拳大の穴が開いた。
水上ケイ:複数のモルフェウス・バロール能力者が協力して錬成した特殊素材の防護壁。
水上ケイ:既に何人かが挑んで傷一つ付けられなかったそこに、拳大の風穴が開いた。
水上ケイ:自己修復が機能するよりも早く、その空間を引き裂き広げるべく爪を差し込み──
"ヴィローシャナ":「──そいつは、駄目だよ。認められない」
"ヴィローシャナ":「そういう真似は、君達には許可されていない」
水上ケイ:「ガ、なッ……!」
水上ケイ:直後、全身が捩じ切られるような錯覚を覚えた。
水上ケイ:獣化解除。細胞が悲鳴を上げ、死んだように硬直している。
"ヴィローシャナ":「生き延びたいなら、選択肢は一つだけ」
"ヴィローシャナ":「初めから言っているだろう。さあ」
"ヴィローシャナ":「本気で、殺し合ってくれよ」
GM:ざわめき。猜疑心。殺気。
GM:水上ケイの気魄に圧倒され、その行動を眺めていたオーヴァード達が。再び戦闘を開始する。
水上ケイ:「っ、クソが……!」
水上ケイ:「テメェ、"ヴィローシャナ"! 何しやがった……ッ!?」
水上ケイ:スピーカーへ向かい、叫ぶ。応答はない。
水上ケイ:言いながらも、直感的に理解はしていた。
水上ケイ:これが、"ヴィローシャナ"──あの女が隠し持っていた能力。そして、マコトを殺すために用いた切り札なのだろう。
水上ケイ:"それ"がどうやっても抗し得ない類の力であると、本能が知らせてくる。
水上ケイ:そして、砲火。衝撃。獣化の解けた水上の肉体を雷が焼き、鋼が引き裂く。
水上ケイ:それは"生き延びるための、当然の判断"だった。天城マコトがいない今、最も強い者が、目の前で隙を晒している。
水上ケイ:「……っ、あ。お前ら」
水上ケイ:──力が、足りない。この支配を跳ね除けるだけの、強さが。
水上ケイ:「俺のことは、いいから」
水上ケイ:──結局、また、"間に合わなかった"。
水上ケイ:「早く、っ……」
水上ケイ:言葉が途絶える。
水上ケイ:心臓が激しく熱される。声に血が混じる。
水上ケイ:「……っ……逃げ、て」
水上ケイ:……死が近づく。平時の再生能力も、今は全く機能しない。
水上ケイ:「生き、ろ……」
水上ケイ:戦火の中で虚しく響く、己の声を聞きながら
水上ケイ:そうして、"生前の水上ケイ"の意識は途絶えた。
水上ケイ:(……そうだ、俺は)
水上ケイ:(間に合わなかった。何一つ、手が届かなかった)
水上ケイ:ふらついた足取りで、立ち上がる。
水上ケイ:「……次は、間に合わせる」
水上ケイ:うわ言のように呟く。足取りは対手の方ではなく、魄柱へと向かう。
水上ケイ:「今、分かった。俺が鍛え続けていたのは、そのためだ」
亜藤 蘭介:奴の眼を通して見た景色。脳内に流れ込んだ記憶に愕然と立ちすくむ。
亜藤 蘭介:「水上……」
水上ケイ:「どんな外敵にも屈しない力。仲間を守ってやれるだけの強さ」
水上ケイ:「それが、俺の夢だ。ガキの頃から、ずっと……それだけを」
水上ケイ:大きく息を吐く。力尽きたように、黒い怪樹に背を預ける。
水上ケイ:「それだけを、叶えるために」
亜藤 蘭介:既に虫の息だ。放っておけば消えゆくだけの命に他ならない。
水上ケイ:……否、"辿り着いて"いる。
水上ケイ:……どくり、と
水上ケイ:男の背後にある魄柱が、生物のように脈を打つ。
水上ケイ:「生きてきた……足掻いて、来たんだ……ッ!」
水上ケイ:その樹皮に、水上ケイの背より伸びた血管めいた触肢が差し込まれている。
水上ケイ:魄柱より流れ込む真紅の樹液が、男の肉体へと注ぎ込まれていく。
水上ケイ:「……俺の、能力の。最大の長所は」
水上ケイ:「"適応"することだ。あらゆる生態、あらゆる環境に」
水上ケイ:──ドッ ド グン
水上ケイ:ド クンッ
水上ケイ:《巨神獣化》
水上ケイ:男の全身が膨張する。怪樹の組成が溶け出し、見る間に巨人の手脚として再構成されていく。
水上ケイ:限界近い命が、その樹の生命力と溶け合うようにして。混ざり合い、生まれる。
水上ケイ:聳え立つ。翡翠色の甲皮に覆われた鎧めいた巨躯が、
人魄柱混成態アースリー・ケイヴ:君達を見下ろしている。
人魄柱混成態アースリー・ケイヴ:「まだ、終わってねえ」
人魄柱混成態アースリー・ケイヴ:声が空気を震わせる。「第二ラウンドだ」
亜藤 蘭介:正に慮外の力。想像だにしないその執念。
亜藤 蘭介:額から流れる汗を拭わずに。口から出た言葉は。
亜藤 蘭介:「さて」
亜藤 蘭介:「戦うか」
亜藤 蘭介:虚勢に過ぎない一言。
亜藤 蘭介:攻勢を諦めない一言。
GM:では、改めてエンゲージを提示します。
GM:──またしても君達は、夢を見る。
GM:自分ではない誰かの人生を。否、かの少女の過去を。
GM:遠いスクリーンに映し出された、映画の中の出来事のように。
GM:
:──いつもより、梅雨入りの早い年だった。
:その日も朝からずっと、細かな雨がやまずに降っていた。
:お母さんが病気で倒れて数日が経った頃の事だ。
:あたしはお父さんに招かれて、リビングでとある訪問者の話を聞いていた。
:なんでも、お母さんの病気に関するとても大切な話があるのだというから
:あたしも、子供なりに懸命に集中して耳を傾けていた。
医師:「──新種のウイルスなのです。レネゲイドウイルス、と呼ばれております」
:お父さんが連れてきた学生時代の友人だという医師は、そんな聞き慣れない言葉を口にした。
:そこから続く説明は、かなり荒唐無稽にも聞こえた。子供のあたしの耳にさえ。
:人間を超人に変える病が、すでにこの世界に蔓延していること。
:症状が進行すると理性が破壊されて、普通の人間のような社会生活を送れなくない存在──「ジャーム」と呼ばれる状態になってしまうこと。
:……そして、お母さんももう。既に「ジャーム」になってしまっていること。
:どこかまだ、それらの情報を現実として咀嚼しきれないまま
:それでも集中を切らさないよう、あたしは神妙な顔をして頷いていた。
:(お父さんは、どんな顔をしているのだろう)
:ふとそう思って見上げると、じっと石像のように口元に手を置いて、険しい顔をしていた。
:あたしも、それでなんだか不安になって、心臓のあたりがきゅっと縮まる思いがした。
医師:「……しかし、何より厄介なのは病そのもの以上に、この病を扱う社会の方です」
:医師先生は、そんなことは気にせず話を続ける。
医師:「各国政府は、この病を『存在しないもの』として扱おうとしています」
医師:「発症者も、それを知る者も皆。事故に見せかけて世界から抹消されるのです」
医師:「……現に、おかしいとは思いませんか?このような病は」
医師:「誰か一人でも発症した時点で、普通なら大きなニュースになるはずだ」
お父さん:「……。どうして、そのような……」
医師:「一つには社会の混乱を防ぐため、でしょうか」
医師:「しかし何より、独占的に研究を行うためでしょうね。そうさせるだけの魅力というか……可能性がある力だ」
お父さん:「可能性って……人が、あんな風になってしまうようなウイルスであっても、ですか」
医師:「だからこそ、そこまでするのだとも言えましょう」
お父さん:「いや。それでも、ネットやメディアを通して告発すれば……」
医師:「……何度も、それを試みた者はいます」
医師:「実際に電波に乗せて放送した者も。ですが、全て『なかった』事になった」
お父さん:「……」
医師:「……どうしても、と言うならば」
医師:「試しに、どこかの匿名掲示板やSNSにでも書き込んでみるといいでしょう」
医師:「私の言った事が真実だと、すぐに証明できますよ。……絶対にお勧めはしませんがね」
お父さん:「……いや、分かった」
医師:「敵は、あまりにも強大です。……私どもも、この状況を覆せるとまでは思っていません」
医師:「医者として、我々にできることは」
医師:「治療によって症状を抑え込み、こうして先に真実を伝える事で……君達のような人々が、政府の手から守ることだと」
医師:「今は、そう考えています」
:「……お母さんは」
:重苦しくなっていく空気に耐えられず、ふと口を挟んでしまった。
:「お母さんは、ちゃんと治るんでしょうか」
:「その、ジャームっていうのになっても……」
:「また、前みたいに、元気に……普通に……」
:言いながら、目を伏せてしまった。
:これまでの話の流れから、きっとその答えは芳しくないものであると分かっている。
:……分かっていたのに、聞いてしまった。
:案の定、医師先生は静かに首を振って。
医師:「今はまだ。……しかし、そのための研究を私達の組織は進めています」
医師:「監視者たちに見つからないよう、極秘裏に」
:「……そう、ですか」
医師:「それと……辛い事だとは思いますが」
医師:「お母さんには、極力近づくことのないようにしてください」
医師:「今は幸い、安定していて積極的な害意もないようですが」
医師:「……人を襲わない保証はできません。たとえ家族であっても」
:「……」
:……言われなくても、あたしは怖くて近づけていなかった。あれから、一度も。
医師:「それに、ジャームには近づくだけで他者の精神を汚染する性質があります。つまり……」
医師:「無闇に接触を繰り返せば、お二方も清花さんと同じようになってしまうリスクがあります」
:「……はい」
:あたしは小さく頷いて、先生に間違いを正された生徒のように縮こまった。
:頼れるはずの大人──お父さんにも、すごいお医者の先生でさえ、
:お母さんの事は、どうにもできない問題なのだと分かった。
:……だったら、あたしなんかに何ができるんだろう。
:想像する。
:このまま、お母さんは社会から隠れて、「化け物」として
:あたしやお父さんと言葉を交わすことも許されまま、孤独に死んでいくのだろうかと。
:そう思うと、胸にぽっかりと孔が開いたみたいで、
:痛くて、息苦しくて、何もかもが淀んで見えた。
医師:「……もし、よろしければ。北条くん」
医師:「私達の研究活動を、支援してはいただけませんか」
:お父さんはその提案に「分かりました、いいでしょう」と応じた。
:快く、というよりは。他に縋る事のできるものもなかったから、なのだと思った。
:
:それから一週間後。
:お母さんは家を出て、あの医師先生の所属する研究機関に入院する事になった。
:あたしは、お母さんが家からいなくなった事に少しだけ安心した。
:それから、そんな自分が怖くて、憎らしくなって。一人でわんわんと泣いた。
:お父さんは、前よりも家を空けることが多くなった。
:仕事の他に、医師先生の研究機関を支援したり、お母さんの見舞いに行っていたり、
:他にジャームを治療する方法がないか探していたりしていたようだ。
:あたしは、うちに一人で居る事が多くなった。
:お父さんは「ごめんね」と謝ってくれたけれど。文句なんて、言うはずもなかった。
:あたしにできるのは結局、「良い子」でいる事だけなのだから。
:お父さんの代わりに掃除と料理と選択を覚えて、学校でも良い成績を取った。
:庭のアスチルベに水をやることも、ちゃんと忘れずにこなしていた。
:……そうやって約束を守っていれば、いつか
:お母さんが元気になって、うちに戻ってきてくれるんじゃないかと思ったから。
:
:──医師先生の研究機関の実体が、「ギルド」と呼ばれる犯罪組織の一部門であった事をあたしが知ったのは
:それから何年も後のこと。
:あたしが全てを失って、UGNに保護された時だった。
GM:全員登場です。登場侵蝕と汚染上昇は不要です。
GM:全員登場です。登場する時は汚染値を1上昇させてください。
永良ゆづり:汚染値6
穂村 姫乃:汚染値8
亜藤 蘭介:汚染値2
久遠仁:汚染値1>2
亜藤 蘭介:やった~!
久遠仁:つよい
永良ゆづり:つよぉい
穂村 姫乃:つよつよ
GM:では、改めてミドル戦闘3です。この戦闘は前後半に分かれます。
GM:前半は防衛鎧塔を突破する簡易判定群を行います。エンゲージの概念はありませんが、ラウンド制で進行します。
GM:後半は通常の戦闘を行います。
GM:また、前半において7ラウンド経過で"ビー"の体力が限界を迎えるため、この場合にも①「微小夢界・退避領域」の使用回数が1回減少します。
亜藤 蘭介:……やべえ!
GM:その場合でも後半に突入することはできます。
GM:大まかな概要としてはこのくらいかな……後は個別の判定説明になっていきます。
GM:というわけで1つ目
GM:フェイズ1に関しては以上です。フェイズ1の突破条件を満たすと、フェイズ2に移行します。
GM:ひとまず説明は以上です。何か質問あればどうぞ
久遠仁:大丈夫です!
永良ゆづり:大丈夫!
亜藤 蘭介:おkです!
穂村 姫乃:OKです!
GM:OK。ではちょっと挟み忘れた演出があったので、それだけやってから
GM:ラウンド進行に移行します。
萩原カノン:「……そう。みんな、負けちゃったんだ」
萩原カノン:呟く。黒い大樹の根に背を預け、レンズ越しに君達の姿を覗き見る少女。
萩原カノン:「そんな気はしていたんだ」
萩原カノン:「私の人生がこんなに、何もかも上手くいくはずないって」
萩原カノン:「……それでも、私は」
萩原カノン:「足掻けるだけ足掻くって、決めたから」
萩原カノン:息を吸い、集中する。
萩原カノン:広範に展開した自身の錬成物に、研ぎ澄ませた神経を張り巡らせるような感覚。
萩原カノン:「……さて。どこまで、やれるかな」
萩原カノン:眉間に皺を寄せる。激しい頭痛。かつてない規模の高速錬成で、己の身体には相当な無理をさせた。
萩原カノン:それでも、ここで倒れるわけにはいかない。
萩原カノン:「来るよ。"カヴァーチャ"」
GM:1ラウンド目。セットアップから。
永良ゆづり:なし!
亜藤 蘭介:ありません。
久遠仁:なし。
穂村 姫乃:無し
GM:ではイニシアチブへ。行動値23、久遠さんどうぞ
久遠仁:≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫ で判定します
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (79 → 83)
久遠仁:8DX7+7
DoubleCross : (8DX7+7) → 10[1,2,2,2,3,9,10,10]+10[5,9,9]+10[1,10]+10[9]+10[8]+2[2]+7 → 59
GM:OK。では防御システムも判定
GM:タイミングは同時とします。後乗せ可、同値の場合はPC有利
カヴァーチャ・射撃迎撃システム:《カスタマイズ》《アタックプログラム》《ペネトレイト》
カヴァーチャ・射撃迎撃システム:10dx+20@10
DoubleCross : (10DX10+20) → 10[1,2,3,4,5,5,5,6,7,10]+2[2]+20 → 32
GM:成功。進行値59となります。
GM:59/90
GM:演出はフェイズ突破時にまとめてやりましょうか
久遠仁:はーい
GM:ので、続けて行動値9。永良さんどうぞ
永良ゆづり:待機~
GM:では5の亜藤さん
亜藤 蘭介:待機します~
GM:では4の穂村さん~
穂村 姫乃:はーい。まずはマイナーでオリジン:レジェンドだけ起動
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を2増加 (49 → 51)
穂村 姫乃:メジャーは蝕む赤だけで行きます
穂村 姫乃:3dx+24
DoubleCross : (3DX10+24) → 10[3,10,10]+8[4,8]+24 → 42
カヴァーチャ・射撃迎撃システム:エフェクトは先程と同じ。
カヴァーチャ・射撃迎撃システム:10dx+20@10
DoubleCross : (10DX10+20) → 10[1,1,2,4,4,4,5,7,9,10]+1[1]+20 → 31
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1増加 (51 → 52)
GM:成功。進行値101/90となり
GM:フェイズ1突破です。
永良ゆづり:やった~~
穂村 姫乃:いぇーい
亜藤 蘭介:勝利!
久遠仁:やったね
GM:相談しつつ演出どうぞ。
GM:突入を決め、踏み出すと同時。姿を補足された君達に、無数の砲口が向けられる。
GM:射出機構から撃ち放たれるのは、ルアーめいて無数の返し針を備えた投擲槍だ。
GM:コンクリートの地面を突き破るほどに強靭なその刃を獲物の肉体に食い込ませ、動きを封じようとする為の。
GM:狙いはそう正確ではないが、質量に任せた飽和的な射撃によってそれを補っている。
GM:脚を止めれば、数秒で穴だらけになる事だろう。
久遠仁:「ハハハ。穏やかじゃないな」
久遠仁:「こっちで道を確保する。壁の方、任せていいかい」
穂村 姫乃:「頼もしいな。任されよう」
久遠仁:「じゃあ、頼んだぜ」
久遠仁:言うなり、久遠の姿が掻き消える。
久遠仁:一同に迫る投擲槍が、半ばで軌道を逸らし、明後日の方向に着弾する。
久遠仁:放たれる無数の槍。暴力的な物量のそれはしかし、面々に届くことは無い。見えない障壁に守られているように、ひとつ残らず軌道を変え、あるいは撃墜されていく。
久遠仁:高速で飛来する投擲槍。それらを足場とし、久遠が空中を飛び回って迎撃しているのだ。
穂村 姫乃:「うむ、流石は久遠。これならば」
穂村 姫乃:「こちらも城攻めに集中できるというもんじゃな」
穂村 姫乃:瞬きの内に髪と目を赤く染めた穂村がすっと手を前へ掲げる。
穂村 姫乃:同時に鮮血が飛散し、正面の壁へと着弾。壁を大きく赤へと染め上げて――。
穂村 姫乃:染めた一面全体を焼き尽くすべく燃え盛る。
穂村 姫乃:「人の子に当たらんと分かっとると加減せんでいいから楽なんじゃよな」
GM:赤熱。見る間に融点を超えて、壁面がどろりと溶け落ちていく。数人は通れそうな穴が開く。
穂村 姫乃:「よし。久遠が払ってくれとるうちにさっさと入るぞ」
羽海束沙:「……相変わらず、いい仕事」呟く。久遠撃ち漏らしがあった時のために銃を構えていたが、必要なかった。
亜藤 蘭介:「全く」頼りになる奴らだ、との言葉を慎んで。
永良ゆづり:「ええ、見事ね」周囲に白煙を揺蕩たせながら。
"ビー"北条サイカ:「ええ。ありがとうございます、お二人とも……!」
GM:ではそうして、内部へと足を踏み入れると。
GM:君達が行き当たったのは、明かりの点いた広い空間だ。
GM:すぐ背後で、先程開けた孔が修復されていく。退路が失われる。
GM:同時に左右より出現する、身の丈3メートル近い武装機械人形の群。人為的に作り上げたEXレネゲイド。
GM:既に包囲されている。これらを退け、更に奥層へと続く壁を破壊する必要がある。
久遠仁:「ほう……規模だけじゃなく技も効くとは、良い腕してるな」いつの間にか追い付いて、内部に入っている。
亜藤 蘭介:「正に、島津の退き口か」
亜藤 蘭介:「怖じ気付いたのなら。休んでいても構わんぞ、久遠」挑発的に笑って。得物を構える。
久遠仁:「ハハッ。気を遣ってくれてるのかい、亜藤さん」
久遠仁:「それじゃあ、お手並み拝見させて貰おうかな」
GM:では、フェイズ2の判定に入ります。
GM:このフェイズの説明は以上です。
GM:質問なければイニシアチブ進行へ。
亜藤 蘭介:あ、質問なんですが
GM:はいはい
亜藤 蘭介:3度判定する場合、侵蝕の増減はどうなるんでしょうか
GM:あ、ちがう
GM:3回判定してくるのは敵だけです
亜藤 蘭介:あっそっか! ありがとうございます
GM:あっちのほうが数が多いので
GM:書き方が悪かったな ごめんね
亜藤 蘭介:いえいえ! ありがとうございます!
GM:他はいいかな。では改めてイニシアチブ
GM:待機手番の行動値5、亜藤さんからどうぞ。
亜藤 蘭介:はい!
亜藤 蘭介:マイナー無し。
亜藤 蘭介:メジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》+《砂の加護》
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を7(→ 7)増加 (79 → 86)
亜藤 蘭介:12dx7+6
DoubleCross : (12DX7+6) → 10[1,1,1,2,4,4,4,5,6,7,8,8]+10[1,4,9]+2[2]+6 → 28
亜藤 蘭介:お前…
GM:ではエネミー側の判定。
金剛機人:10dx+6@8 1回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[1,3,5,5,5,7,7,8,9,10]+6[4,6,6]+6 → 22
金剛機人:10dx+6@8 2回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[2,3,5,5,7,8,8,10,10,10]+10[2,2,2,5,8]+3[3]+6 → 29
金剛機人:10dx+6@8 3回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[2,2,3,3,6,8,9,9,10,10]+10[5,7,7,8,8]+1[1,1]+6 → 27
永良ゆづり:バディム
亜藤 蘭介:サンキュー永良
GM:達成値29なので
永良ゆづり:亜藤さんの達成値を31に!
GM:バディムが乗って31。成功になります
GM:あと装甲無視だから+10補正入りますね……
永良ゆづり:あ、そっか。強い
亜藤 蘭介:あっすみません41ですね
GM:なのでバディムなくても成功はしてる
GM:では進行値:41/130 です
永良ゆづり:でも打てるのこのタイミングしか残ってないからそのままで~
GM:それはそのとおり
GM:では演出は後でまとめるとして、続けて永良さんどうぞ
永良ゆづり:はいさい
永良ゆづり:マイナーなし
永良ゆづり:メジャー《C:ハヌ》《音速攻撃》装甲無視で+10補正
永良ゆづり:羽海ちゃんのNPCカード①を使用。
羽海束沙:はいはい。どうぞ~
永良ゆづり:ありがと!ダイス+10個して判定
永良ゆづり:(8+10)dx7+6+10
DoubleCross : (18DX7+16) → 10[1,1,2,3,3,3,3,4,5,6,7,7,7,8,9,9,10,10]+10[1,4,4,5,5,7,7,10]+5[3,4,5]+16 → 41
GM:つよ
GM:では対決側の判定
金剛機人:10dx+6@8 1回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[1,2,3,4,6,6,6,8,8,10]+10[5,5,9]+1[1]+6 → 27
金剛機人:10dx+6@8 2回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[1,1,2,3,4,6,6,8,10,10]+10[2,2,8]+6[6]+6 → 32
金剛機人:10dx+6@8 3回目
DoubleCross : (10DX8+6) → 10[1,2,3,8,8,9,9,9,10,10]+10[1,1,1,7,7,7,10]+4[4]+6 → 30
GM:だめです
永良ゆづり:ついでに②のバディムも貰っときたい!
GM:OK。では達成値44で成功
GM:進行値:85/130 です
GM:でもって
GM:<知覚>で判定してください。難易度10
GM:全員やって大丈夫です
永良ゆづり:とりあえず、侵蝕が74になって
久遠仁:何だ~?
久遠仁:3DX>=10
DoubleCross : (3DX10>=10) → 4[1,3,4] → 4 → 失敗
亜藤 蘭介:4dx>=10
DoubleCross : (4DX10>=10) → 7[5,6,7,7] → 7 → 失敗
永良ゆづり:2dx>=10
DoubleCross : (2DX10>=10) → 10[1,10]+2[2] → 12 → 成功
永良ゆづり:目星成功
穂村 姫乃:2dx+1>=10
DoubleCross : (2DX10+1>=10) → 5[2,5]+1 → 6 → 失敗
GM:では、成功した人は以下の情報を得られます。
永良ゆづり:うえぇ……
久遠仁:ひぇ~~
GM:達成値44を出したため、爆発します。
GM:3d10
DoubleCross : (3D10) → 16[8,1,7] → 16
GM:16のダメージ。装甲有効。
亜藤 蘭介:なんてことを…
永良ゆづり:即死リザ
永良ゆづり:74+1d10
DoubleCross : (74+1D10) → 74+8[8] → 82
永良ゆづり:む。HP8になって蘇生して以上。
GM:では演出へ。
金剛機人:五体を分厚い装甲で覆った、白銀色の金属巨人だ。
金剛機人:人間の胴ほどもあろう巨腕で君達を捕らえようとしてくる。その速度・格闘能力そのものはさしたるものではないが、
金剛機人:ただ触れれば高圧の電流が流し込まれる。何より、単純に頑丈な造りをしている。
金剛機人:体躯と数の差を活かし、掴み、踏み潰さんとする飽和圧殺戦術。
金剛機人:閉鎖した空間でこの数に狙われ続ければ、消耗は免れ得ない。
亜藤 蘭介:ヒト同士の戦いとは異なり。オーヴァードの戦闘において。身の丈の有利は然程重要ではない。
亜藤 蘭介:幼児ほどの体躯でも。ヒグマすら片手で持ち上げる膂力を有し、音すらも越える速さで機動し得るなんて話は、特段珍しい話でもない。
亜藤 蘭介:凝然。巨腕がその小さな体躯に振れる寸前。男の姿がかき消える。
亜藤 蘭介:地を滑るように機人の股を潜り抜けると同時、刃で片膝を断ち。
亜藤 蘭介:跳ねるように宙で起き上がりざま、その背を開くように一刀両断。
金剛機人:反応できない。元より自我らしい自我はなく、命令を忠実に実行するばかりの器だ。
亜藤 蘭介:「……随分、柔いな」
亜藤 蘭介:「あいつと比べたら」
金剛機人:自身の知覚を上回る瞬発を前に、その挙動は一瞬の停止を産む。そのまま斬り裂かれていく。
永良ゆづり:周囲に流転する白煙を纏いながら、巨人の群れへと踏み込む。
永良ゆづり:如何に頑丈といえど。駆動する構築物を模す以上、必ず隙間が生じる筈だ。
永良ゆづり:例え極小の幅であっても、流動する煙であれば忍び込める。
永良ゆづり:そして一度踏み込めば、巨人の燃料たるレネゲイド反応の余波を火種として、
永良ゆづり:駆動の要たる関節を尽く炸裂させ、機能不全に陥れる。
羽海束沙:三発の銃声。永良が飛び込んだ方向、複数の巨人の間を跳弾させる軌道。
羽海束沙:その銃弾が装甲を射抜く事はないが。自身の知覚に入り込んだ敵性飛翔体に、巨人の注意が集まる。
永良ゆづり:羽海束沙が生じさせた隙を縫う様に、巨人達の傍を奔り抜けていく。
永良ゆづり:忽ち、巨人達の手足が音を立てて吹き飛び崩れ落ちる。
永良ゆづり:「(五、六、七──)」
永良ゆづり:だが、八体目の巨人が右足を崩した瞬間。
永良ゆづり:「──っ、あ」
永良ゆづり:危機への知覚が、背筋を刺す。
羽海束沙:彼女が走り抜けるに合わせて支援射撃、のはずだった。巨人の足関節を射抜いて挫き、動きを僅かに止めるための。
羽海束沙:その内の一つが跳弾し床に触れると同時、炸裂した。
羽海束沙:「……え」
羽海束沙:「永良っ!?」
永良ゆづり:瞬時に体躯を返し、白煙を伸ばして巨人数体を引き寄せる。
永良ゆづり:狙いは道連れ。砕け散る巨人諸共、熾烈なる爆発にその身を焦がしながら。
羽海束沙:停止しかけた思考を呼び戻す。原因を探る。自分が弾種を間違えた、訳ではない。むしろ床の方が起爆したように見えた。
永良ゆづり:「……げほっ、なるほど」身体を修復し立ち上がる。節々に火傷を残しつつも。
羽海束沙:「貴方……っ」起き上がった君を見る。一瞬、泣きそうな顔を浮かべて。
永良ゆづり:「床……壁や設備等に紛れて、刺激により起爆する爆弾が設置されてる」
永良ゆづり:「今は、私が抜けてた。気を付けて」変わらず、淡々と、仲間に呼び掛けて。
羽海束沙:「いいえ……私のせい。ごめんなさい」すぐに平静を取り戻す。戦いの場で感傷を表出させる事は致命になると教えられている。
羽海束沙:「次は、気をつける」どこかいつもより堅い口調で、それだけを告げる。
永良ゆづり:「……ええ、よろしく。畳みかけるわよ」再び踵を返し、残った巨人の群れへと向き直る。
永良ゆづり:気遣いや憂いは不要だと、示す様に。
GM:クリンナップ。ないと思うので、2ラウンド目へ。
GM:セットアップから。
亜藤 蘭介:なし!
永良ゆづり:なぁし
久遠仁:なし
穂村 姫乃:なし
萩原カノン:《集団錬成》
萩原カノン:このラウンド中、金剛機人の達成値を+10、攻撃力を+10します。
亜藤 蘭介:!?
永良ゆづり:突然のインターセプト
久遠仁:やばい
GM:イニシアチブ。行動値23、久遠さんから
久遠仁:マイナー≪骨の剣≫+≪死招きの爪≫
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を7増加 (83 → 90)
久遠仁:メジャー ≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:9DX7+7
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,4,4,6,7,7,8,8,10]+10[4,6,9,10,10]+10[1,7,10]+10[7,10]+10[3,10]+4[4]+7 → 61
GM:つよいて!
金剛機人:10dx+16@8 1回目
DoubleCross : (10DX8+16) → 10[2,4,5,5,6,6,6,7,10,10]+10[1,8]+1[1]+16 → 37
金剛機人:10dx+16@8 2回目
DoubleCross : (10DX8+16) → 10[2,2,3,4,5,5,7,7,8,8]+4[1,4]+16 → 30
金剛機人:10dx+16@8 3回目
DoubleCross : (10DX8+16) → 10[3,4,4,5,6,7,8,9,9,10]+10[2,7,8,10]+10[1,9]+4[4]+16 → 50
GM:無理~~
GM:ええと……では
GM:146/130になるので フェイズ2突破です……
永良ゆづり:やったぁ
久遠仁:やった~
亜藤 蘭介:ロストシグナル最強!
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (90 → 94)
GM:先にちょっと巨人の強化演出だけします
GM:その後そのまま殴ってもらえれば……
GM:不意に、乳白色の靄が展開する。巨人たちの装甲を覆うように帯を広げる。
GM:直後、パキ、パキと音を立てて
GM:そこに触れた巨人のレネゲイドが、透明な結晶へと変化していく。
金剛機人:装甲の隙間から白い電光が漏れ出していく。見る間に機動性が上がっていく。
金剛機人:先程までは想像もつかなかったような速度で、その巨体を君達の陣形の間に押し入れてくる。分断、各個撃破を狙う動き。
久遠仁:「──悪いが」
久遠仁:眩い光が瞬くのが見えた。それは刹那の間に振るわれた、幾百もの刃の煌めき。
久遠仁:太刀風が吹き抜けて、その時には既に、久遠は巨人たちの後方に佇んでいる。
久遠仁:「こんなところで止まってられないんでな」
久遠仁:一斉に火花が弾け、鋼の機人たちの腕部、脚部、あらゆる関節部が切断され、バラバラに崩れ落ちる。
"ビー"北条サイカ:「わ、すごっ……」感嘆を零す。あまり能力を使わないようにはしているが、この数を相手取ると自分も動く必要があるだろうかと構えていた。
永良ゆづり:「(……随分と、掛かってるわね)」閃刃による一掃を確認し、足を止める。
永良ゆづり:「(先までの戦いと、違う状況と言えば────)」
羽海束沙:「永……"スモークスタック"。貴方……」言葉を切る。任務中はコードネームで呼ぶ事を自分に課しているが、知らずそれに背いていたと気づきつつ。
永良ゆづり:「……ん」振り返る。
GM:微かに、空間が揺らめく。領域への干渉反応。
羽海束沙:「さっきのは──」声が途切れる。
GM:君達を一人ずつ分断するようにして、多数の隔壁が展開する。
GM:それぞれが小さな部屋に閉じ込められるような封鎖。互いの声も聞こえない。
羽海束沙:「ッ、まずい……」肝が冷える。武器を構え直すと同時に、更に二つの異変に気づく。
羽海束沙:一つ。自分が閉じ込められたこの部屋が、さながらエレベーターのように動き出しているということ。縦だけでなく横にもだが。
羽海束沙:互いの距離を離し、仮に部屋を抜け出したとしても合流を不可能にしているのだろう。
羽海束沙:二つ。目眩のするような異臭が立ち込めてきている。既に口鼻を塞いではいるが、指先に僅かな痺れを感じる。
羽海束沙:(敵の能力を考えるに、金属反応から生じる毒ガス、か……?随分と即効性のある……)
GM:では、フェイズ3に移行します。
GM:毒気に耐えながら隔壁を破壊し、皆と合流できる位置へ移動するための判定です。
GM:今回は進行値をPC個別に管理します。
GM:進行値0の時は判定技能1を、進行値1の時は判定技能2で判定します。
GM:進行値2になったPCだけが、フェイズ4の判定に以降できます。
GM:また、フェイズ3の判定において自キャラクター以外に対する支援は行なえません。NPCカードも同様です。
GM:ややこしいと思うので質問あればどうぞ~
亜藤 蘭介:【肉体】判定は<白兵>の達成値は上乗せされるんでしたっけ?
GM:されないですね。この判定は、単純に毒に耐えつつ活動する事の判定という感じです。
亜藤 蘭介:了解です!
久遠仁:きつい!
亜藤 蘭介:あ、すみませんもうひとつ
亜藤 蘭介:判定技能1で失敗し続け
GM:はいはい
亜藤 蘭介:判定ダイスが触れなくなり、判定自動失敗し突破不可能になった場合はどうなりますかね?
GM:あ、それで減るのは命中だけなので
GM:肉体や知覚は振れます
亜藤 蘭介:あ、攻撃のか 失礼しました
亜藤 蘭介:あとは大丈V!
GM:ですです。後はタイタス化で解除という方法があります
亜藤 蘭介:なるほ~!
GM:あ、あともし2連続で失敗した場合 次の判定補正は+8です これも書き方が悪かった
GM:そんな感じで……
永良ゆづり:大丈夫です~
亜藤 蘭介:おいち~!
久遠仁:OKです~
穂村 姫乃:諸々了解です、こっちも質問大丈夫!
GM:OK。ではさっきが久遠さんだったので
GM:2ラウンド目行動値9、永良さんどうぞ
永良ゆづり:はぁい
永良ゆづり:マイナーなし、判定技能1を【肉体】で
GM:どうぞ~
永良ゆづり:6dx>=12
DoubleCross : (6DX10>=12) → 10[3,5,8,8,9,10]+9[9] → 19 → 成功
永良ゆづり:OK
GM:つよ。成功です
GM:永良さんの進行値が1に。
GM:これは演出個別にやった方がいいかな 混線するもんね
永良ゆづり:はいさい
永良ゆづり:じゃあ演出
永良ゆづり:権能の性質上、永良ゆづりに気体を介した攻撃は効きにくい。
永良ゆづり:白煙で押し流し、包み込むように自身から隔離すればいいからだ。
永良ゆづり:また、密閉空間に閉じ込める方策も永良ゆづりに有効とは言えない。
永良ゆづり:──破砕音と共に、壁の残骸が外向きに弾け飛ぶ。
永良ゆづり:「(……く、仲間と離れ離れにされたか)」
永良ゆづり:白煙を空間内に充満させ、意図的に気圧差を作り出せば。省力的に脱出が可能だからだ。
永良ゆづり:閉じ込められる間際、自身に呼び掛けた彼女の顔を想起させて。
永良ゆづり:「…………」無言のまま、急き立てられる様に走り出す。
GM:行動値5。亜藤さんの手番です。
亜藤 蘭介:はい。マイナー無し。
亜藤 蘭介:判定技能1【肉体】、ふります~
亜藤 蘭介:6dx>=12
DoubleCross : (6DX10>=12) → 10[3,7,8,9,9,10]+7[7] → 17 → 成功
GM:加護はつかわない?
GM:必要なかった……
亜藤 蘭介:いらな~い
亜藤 蘭介:成功するから
GM:こいつ……
GM:演出どうぞ~
亜藤 蘭介:「(不味いな)」
亜藤 蘭介:周囲覆う多数の金属障壁。各個に分断を図った敵の手腕。どれも計算尽くされた、巧みなもの。
亜藤 蘭介:何より脅威なのは。
亜藤 蘭介:腕に痺れが走る。柄を握る力が弱まっていく。
亜藤 蘭介:永良のように煙に巻くことも出来ず、根本として種としての強さが異なる穂村に対し、己は。この毒煙に対抗する手段など持ち合わせていない。
亜藤 蘭介:久遠はまあ……あの技量で、あのマスクだ(毒ガスにまで効果が在るのかは知らんが)。心配無用だろう。
亜藤 蘭介:鈍くなった頭で、左手の五指に小さな火を灯す。
亜藤 蘭介:「(気つけ位にはなるか)」
亜藤 蘭介:発火能力者は通常、自身が生成した火で負傷することは無い。
亜藤 蘭介:無意識の内、レネゲイドが己の身を防護しているから。
亜藤 蘭介:ならば、意図的に。そのスイッチを切れば────
亜藤 蘭介:火手で左手を握る。肉が焦げる、生臭い匂いが室内に充満し。
亜藤 蘭介:瞬間、目を見開き、領域を断ち切る刃一閃。
亜藤 蘭介:斬痕が走ると同時、鈍く音を立てて壁が崩れ落ちる。
亜藤 蘭介:ふぅ、と息を付き。呼吸を整えて。足を進めていく。
亜藤 蘭介:止まっている暇など無い。
GM:では行動値4、穂村さん
穂村 姫乃:はーい。まずマイナーで2個分ジェネシフトします
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を2d10(→ 18)増加 (52 → 70)
GM:一気に上がった
穂村 姫乃:思ったより上がったけどまあ良しじゃろ。そんで技能1を判定。
穂村 姫乃:4dx>=12
DoubleCross : (4DX10>=12) → 9[4,5,9,9] → 9 → 失敗
穂村 姫乃:ううん、ダメか
GM:ではシーン中、命中判定のダイスが-2個と
GM:次にこの判定をする時に+4の補正がつきます。
穂村 姫乃:はーい
GM:演出は成功時にまとめての感じで!
穂村 姫乃:了解ですー
GM:2ラウンド目終了。
GM:3ラウンド目。セットアップから。PCはないよね
GM:エネミー側もないです。
GM:イニ23、久遠さんの手番。
久遠仁:肉体で判定
GM:どうぞ~
久遠仁:7DX>=12
DoubleCross : (7DX10>=12) → 10[1,1,5,8,9,9,10]+10[10]+6[6] → 26 → 成功
久遠仁:つよ
GM:いや強いて
GM:やる気出過ぎ
GM:では進行値1になります。演出どうぞ
久遠仁:「うーむ」隔壁を叩いて「次から次だな……向こうも手段は選んでいられんと見える」
久遠仁:「……おっと……まずいな」そこで、噴霧される毒ガスに気付く。
久遠仁:こういった手段は久遠にとって最大の弱点だ。常人と別の時間軸での高速稼動は、結果的にそうした有毒物質も常人の数十倍、数百倍の速度で蓄積することになる。
久遠仁:(一秒の猶予も無いな)
久遠仁:分厚い隔壁に対して刃を押し付け、大きく円を描くように動かす。
久遠仁:それを、一瞬の内に数百回繰り返す。
久遠仁:瞬時に生まれた膨大な摩擦熱で隔壁が溶断され、くり抜かれたような大穴となって外へと繋がった。
久遠仁:「さて……速いところ合流せんとな……。……どっちだ……?」
GM:続いて行動値9、永良さんです。
永良ゆづり:はいさい
永良ゆづり:マイナーなし、今度は<知覚>で判定
GM:目標10です。どうぞ
永良ゆづり:3dx>=10
DoubleCross : (3DX10>=10) → 7[2,3,7] → 7 → 失敗
永良ゆづり:ぐぬぬ
GM:では失敗。攻撃を受けます
金剛機人:《コンセントレイト》《ウルトラボンバー》《カスタマイズ》《スタンボルト》《スパークウェッジ》
金剛機人:Dロイス「愚者の黄金」起動。
永良ゆづり:き、急に本気過ぎない?
金剛機人:型がちがうやつなので……
金剛機人:14dx+6@7 命中
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,1,2,3,4,5,5,5,6,6,6,7,8,8]+10[1,6,10]+10[7]+5[5]+6 → 41
金剛機人:5d10+40 装甲無視 このシーン内で次に他の対象に攻撃を行った場合に21のHPダメージが発生します。
GM:で、次にこの判定をやる時に+4補正です。
DoubleCross : (5D10+40) → 26[7,5,2,3,9]+40 → 66
永良ゆづり:そっか、スパークウェッジ
永良ゆづり:82+1d10 リザ
DoubleCross : (82+1D10) → 82+4[4] → 86
永良ゆづり:汚染値7、デバフと補正を喰らって以上。
GM:OK。これも演出は成功時に回すのがよさげかな……
永良ゆづり:はぁい
GM:OK、では次
GM:行動値5で亜藤さんどうぞ
亜藤 蘭介:ウス
亜藤 蘭介:マイナー無し。メジャーで判定技能2、<知覚>振ります。
亜藤 蘭介:判定前に《砂の加護》。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を3(→ 3)増加 (86 → 89)
GM:判定どうぞ~
亜藤 蘭介:7dx>=10
DoubleCross : (7DX10>=10) → 9[1,1,3,4,6,7,9] → 9 → 失敗
亜藤 蘭介:足りないのよ
GM:ではこちらも先程と同様に……
金剛機人:《コンセントレイト》《ウルトラボンバー》《カスタマイズ》《スタンボルト》《スパークウェッジ》
金剛機人:Dロイス「愚者の黄金」起動
金剛機人:14dx+6@7
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[2,2,3,3,5,5,5,5,5,6,7,8,8,9]+10[4,5,8,9]+10[3,9]+3[3]+6 → 39
金剛機人:4d10+40
DoubleCross : (4D10+40) → 22[6,6,6,4]+40 → 62
亜藤 蘭介:死にますのリザ!
金剛機人:先程と同様のデバフが入ります。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (89 → 93)
亜藤 蘭介:HP4。
GM:OK。汚染も上げておいてね
亜藤 蘭介:おっとそうでした
GM:演出はさっきと同じで略!
亜藤 蘭介:汚染値3!
亜藤 蘭介:以上です!
GM:イニシアチブ4、穂村さんどうぞ~
穂村 姫乃:うむ。マイナー無しで技能1判定。
穂村 姫乃:4dx+4>=12
DoubleCross : (4DX10+4>=12) → 6[2,3,4,6]+4 → 10 → 失敗
穂村 姫乃:マジかぁ……
GM:Oh…
GM:ではデバフ2個目が入ります。次の判定に+8の補正。
GM:演出はさっきと同じでまとめる感じで……
GM:3ラウンド目終了。
GM:4ラウンド目。セットアップから。
久遠仁:なし
GM:PC側ないよね。敵もありません。
GM:久遠さんどうぞ~
久遠仁:知覚で判定します
久遠仁:3DX>=10
DoubleCross : (3DX10>=10) → 10[3,6,10]+8[8] → 18 → 成功
久遠仁:やった……
GM:つよ……
GM:では久遠さんはフェイズ3を突破
GM:フェイズ4判定を行えるようになると同時に
GM:仲間のフェイズ3技能2判定を代行することもできるようになります
GM:自分から探しに行くやつですね
久遠仁:はは~ん
GM:で、フェイズ4に入る前に演出……と思ったけど
GM:この判定とくに演出することなさそうだな
GM:まだ一人だし……
久遠仁:そうかも
亜藤 蘭介:代行が成功したりしたら
亜藤 蘭介:おいしそうですね
GM:なさそうならフェイズ4の説明やります
久遠仁:お願いします
GM:君は、先程の隔壁によって分断された時の事を思い出す。
GM:あの操作精度は、明らかにこちらの立ち位置・動きが見えている者の仕業だ。
GM:恐らくは中央にいる"カノンボール・シアター"が君達を知覚するための術が、すぐ近くにある。
GM:また、最初にここに踏み入ってから、鎧塔の内部にはずっと明かりが点いている。
GM:視覚以外で知覚する術を持っているのなら、君達の視界を奪ったほうが効果的なはずだ。
GM:それらに気付いて注意深く観察すれば、見つけられる。水道管めいて壁に埋め込まれた、細長い水晶管だ。
GM:その管内で光の屈折反射を繰り返す事で、術者の実質的な視野を延長・確保している。
GM:これら全てを見つけ出して破壊すれば、先程までのような正確な妨害を封じることができるだろう。
GM:……という感じで
GM:という感じです。
GM:あ、あと
GM:フェイズ4に入ったので 久遠さんはNPCカードを使用できます。
GM:説明以上です。
久遠仁:やった~
GM:では演出は省略とのことなので、つぎ。
GM:4ラウンド目行動値9、永良さん。どうぞ~
永良ゆづり:はいさい
永良ゆづり:マイナーなし、<知覚>で判定
永良ゆづり:3dx+4>=10
DoubleCross : (3DX10+4>=10) → 5[2,4,5]+4 → 9 → 失敗
永良ゆづり:ぎゃうん
GM:おつらい
GM:行動値9だけど感覚1なんだな……
GM:ではまた……自爆野郎が来ます
永良ゆづり:破壊者のえらえらポイントですね
永良ゆづり:ぐえぇ
金剛機人:宣言はさっきと同様。
金剛機人:14dx+6@7
DoubleCross : (14DX7+6) → 10[1,2,3,3,4,4,4,5,5,5,6,6,9,10]+10[7,8]+10[2,10]+10[10]+10[8]+1[1]+6 → 57
金剛機人:6d10+40
DoubleCross : (6D10+40) → 30[2,1,9,3,7,8]+40 → 70
永良ゆづり:86+1d10 リザ
DoubleCross : (86+1D10) → 86+8[8] → 94
GM:同じエフェクトによるデバフは重複しないので、このままです
永良ゆづり:汚染値8、以上!
GM:はあい
GM:では行動値5、亜藤さんどうぞ。
亜藤 蘭介:はーい
亜藤 蘭介:マイナー無しで<知覚>振り
亜藤 蘭介:4dx+4>=10
DoubleCross : (4DX10+4>=10) → 6[1,3,3,6]+4 → 10 → 成功
亜藤 蘭介:ギリ!
GM:成功!では久遠さんたちと合流できます
亜藤 蘭介:おまたせ~
GM:では行動値4、穂村さん
GM:補正は8になってます。
穂村 姫乃:では3度目の挑戦
穂村 姫乃:4dx+8>=12
DoubleCross : (4DX10+8>=12) → 8[3,6,7,8]+8 → 16 → 成功
穂村 姫乃:さっき出てくれ
GM:成功!脱出できました
GM:進行値1に。
GM:演出どうぞ~
穂村 姫乃:「ふむ」
穂村 姫乃:壁の内側にて腕を組み目を眇める。
穂村 姫乃:先ほど外壁に穴を開ける際に能力を使ったせいで多少見極められたのか、今度の壁は随分と耐火性能が高い。
穂村 姫乃:力押しでは壁の表面がじりじりと焦げ付いていくばかり。そう容易くは破れまい。
穂村 姫乃:「少しばかり時間をかけてしまったの」
穂村 姫乃:故に、技による確実性を優先した。
穂村 姫乃:鮮血によって作られた巨大な錐。それがガリガリと独りでに壁を削り穿ち。
穂村 姫乃:壁の内部にて突如その質量全てを炎に変える。一瞬で食いつぶされた酸素から激しい気圧差が生じ――。
穂村 姫乃:結果として。巻き起こった爆風と共に壁は崩れ去った。
穂村 姫乃:「まあ毒はたいして効果のキツイものでもなし。今更少し派手に壊れたことで困ることもなし」
穂村 姫乃:「出遅れとらんかだけが心配じゃな」
穂村 姫乃:爆風にも毒ガスにも動じる素振りなく周囲を見渡した。
GM:4ラウンド目終了。
GM:5ラウンド目!
GM:セットアップは双方なしかなと思うので
GM:行動値23、久遠さんからどうぞ。
久遠仁:穂村さんの判定を代行します
GM:OK。知覚でどうぞ~
久遠仁:3DX>=10
DoubleCross : (3DX10>=10) → 8[3,8,8] → 8 → 失敗
久遠仁:羽海さん!
羽海束沙:達成値+3!
羽海束沙:だけど……その
羽海束沙:ゾロ目なので……爆発します
久遠仁:ギャーッ
GM:3d10 爆発。装甲有効
DoubleCross : (3D10) → 20[8,2,10] → 20
久遠仁:UGNボディアーマーで8減らしてなんとか生きてます
GM:すごいぜ
久遠仁:久遠仁のHPを8に変更 (20 → 8)
GM:では3人合流するけど……演出します?
久遠仁:しますか
GM:それか永良さんのとこまで待つかな
GM:どっちでもいいよ
亜藤 蘭介:あーそれでもいいかも
久遠仁:そうかも
穂村 姫乃:そっちにしますか
GM:では待ちかな
永良ゆづり:ありがてぇ
穂村 姫乃:手番次ですし
亜藤 蘭介:1ラウンド……ここで待つ!
GM:そしたら行動値9、永良さんどうぞ~
永良ゆづり:知覚!
永良ゆづり:3dx+8>=10
DoubleCross : (3DX10+8>=10) → 8[3,7,8]+8 → 16 → 成功
永良ゆづり:OK
GM:無事突破!
亜藤 蘭介:やた~
GM:全員がフェイズ3をクリアしました
穂村 姫乃:やったぜ
久遠仁:よかった~
GM:では演出!
永良ゆづり:「────っと、見つけた」
久遠仁:「おう、永良じゃないか」そこら中を手当たり次第に駆けずり回って探していた。
久遠仁:「良かった。これで全員だな」
羽海束沙:「……! 無事、だったんですね」僅かに安堵したような息をつく。
永良ゆづり:「……私が最後ね。申し訳ない」
穂村 姫乃:「いやいや。儂は仁に見つけてもらって先を越しただけじゃよ」
穂村 姫乃:「あの壁に予想以上に手こずらされてしまっての。やはりヤツの錬成の腕は並外れとるな」
永良ゆづり:「ええ、一人も欠けていない様で良かった」
亜藤 蘭介:永良を見据え頷き、炭化した節々を再生させている。
羽海束沙:「その途中で、さっきとは別タイプの機械人形に出くわしたりしたわね。上手く追い払えたけど……」
羽海束沙:「また、さっきのような地雷を起動してしまって」
羽海束沙:久遠さんに少し申し訳無さそうな目を向ける。謝罪はすでにしたので、言葉にして繰り返すことはないが。
永良ゆづり:「…………」
永良ゆづり:「気にする必要はないわ。起爆しやすい場所を狙って設置しているだけでしょう」
羽海束沙:「……ありがと」微かな声で、永良さんにそう応じつつ。
久遠仁:「あまり居心地の良い城じゃあないな。ハハハ」
"ビー"北条サイカ: 「ええ。本当に、誰も欠けなくてよかった……また分断されないように、気をつける必要はありますけど」
久遠仁:「ああ。これで北条が消耗させられていたら一大事だった」
"ビー"北条サイカ:「ええ。そこは、運も良かったです……あたし一人になりましたけど、最小限の消耗で切り抜けられたかと」
穂村 姫乃:「何よりじゃな。であれば後は、術師本人の居場所を探るのみか?」
"ビー"北条サイカ:「そこもなんですが……先に、術者の"目"を潰すべきかと」
永良ゆづり:「……そうね。何処からか見てないと、ギミックの精度を保てないはず」
羽海束沙:「さっきの戦闘で崩落した天井の一部から、こういう物が見つかったわ」両端の折れた、細長い透明色の管のようなものをつまんで見せる。
亜藤 蘭介:「あの"自爆マネキン"の精密さは段違いだったからな」呟いて、羽海が掲げたものに視線を移す。
亜藤 蘭介:「む。これは……」
羽海束沙:「特殊な形をしているけれど、要はレンズのようなものです」
羽海束沙:「管内の光の屈折を利用して、視界を遠い場所まで送りつけてる」
羽海束沙:「これを血管のように建物中に張り巡らせる事で、私達の動きを把握していたんでしょう」
久遠仁:「要は、片っ端からこいつを探して潰していけばいいってことかな」
羽海束沙:頷く。「罅が入れば正常に機能しないものだから。それで、向こうもこっちの動向を今までのようには把握できなくなるはず」
穂村 姫乃:「器用な真似をしよるなぁ……。あい分かった」
永良ゆづり:「なるほど、了解」
亜藤 蘭介:「よく考えたものだ」
亜藤 蘭介:軽く手首を鳴らし、再び剣を握る。
GM:ではイニシアチブ5、亜藤さんどうぞ
亜藤 蘭介:はーい
亜藤 蘭介:う~んデメないなら無理に砂加護使うこともないか…
亜藤 蘭介:マイナー無し。
亜藤 蘭介:メジャーで<知覚>判定いきまーす
GM:どうぞ~
亜藤 蘭介:4dx>=7
DoubleCross : (4DX10>=7) → 10[3,3,9,10]+5[5] → 15 → 成功
GM:つよい
亜藤 蘭介:今???
亜藤 蘭介:いいが…
GM:進行値 15/35 です
GM:演出は成功時にまとめましょうか
亜藤 蘭介:はいはい
GM:では次!穂村さんどうぞ~
穂村 姫乃:続いて知覚判定行くぞ
穂村 姫乃:3dx+1>=7
DoubleCross : (3DX10+1>=7) → 7[3,3,7]+1 → 8 → 成功
GM:成功。23/35です。
穂村 姫乃:まあ良し
GM:演出は上に同じ!
穂村 姫乃:あ、永良ちゃんバデム頼んでも良い?
永良ゆづり:バディム入れるとゾロ目になっちゃう……
穂村 姫乃:あ、そっか。じゃあやっぱなしで!
GM:あ、そういえばバディム使ってなかったな
GM:さきさき進めちゃった 失礼
穂村 姫乃:いえいえ、大丈夫です
GM:ラウンド5終了。
GM:ラウンド6です。セットアップはなし
GM:イニシアチブ。久遠さんからどうぞ
久遠仁:知覚で判定します
GM:どうぞ~
久遠仁:3DX>=7
DoubleCross : (3DX10>=7) → 8[3,3,8] → 8 → 成功
久遠仁:まあよし
GM:31/35です。
GM:あと4点
GM:イニシアチブ9、永良さん
永良ゆづり:3DX>=7 知覚
DoubleCross : (3DX10>=7) → 10[1,7,10]+5[5] → 15 → 成功
永良ゆづり:OK
GM:つよい
GM:46/35でフェイズ4突破になります
GM:フェイズ5の説明の前に演出をどうぞ~
亜藤 蘭介:壁面から刃で薄く削り取った金属片。自動修復が行われる寸前で己がレネゲイドを込める。
亜藤 蘭介:粉々になったそれが蘭介の傍らで集束、ヒトの形を成したそれを次々と生成して。
亜藤 蘭介:「行け」
亜藤 蘭介:分体が命を受けた兵隊のように。壁面に埋め込まれた水晶管を、知覚可能な範囲にあるそれらを片っ端から荒々しく拳で砕いていく。
穂村 姫乃:この城を構成するすべては萩原カノンの手による錬成物であり、すなわち元をたどればレネゲイドそのものである。
穂村 姫乃:そして、ただ遮るために錬成された壁と目の代行として錬成された管とでは、その構成にも密度にも違いがある。
穂村 姫乃:ことレネゲイドコントロールに関しては卓越した腕を持つ穂村であれば、その差を見抜くことは不可能ではなく。
穂村 姫乃:「……これで5つは壊せたかの」
穂村 姫乃:壁の奥に隠されたそれを穿つように血と炎の槍を飛ばすことも、また容易い所業となる。
永良ゆづり:右手に携えた峨嵋刺で、壁の一点を貫く。
永良ゆづり:直ぐに自己修復が始まるだろうが。壁に埋まった水晶管の大本を抉れていれば作業は完遂している。
永良ゆづり:瞬間。壁面を疾走する様に、埋まった管が炸裂していく。
永良ゆづり:管に流入した白煙で内部を燃焼させ、葉先から根を辿って焦がす様に破壊工作を行っていた。
久遠仁:鞘の先を用い、一定間隔で壁を叩きながら通路を進んでいく。
久遠仁:不意にぴたりと足を止める。その位置だけ音の浸透、反響音が他と異なるのが、つぶさに分かった。
久遠仁:「そこか」
久遠仁:高速の刺突で、壁の奥、水晶管を正確に砕き割る。
久遠仁:「さて……これで大分減らせたはずだが……」
羽海束沙:「そうね。これで、向こうもこちらを補足することが困難になったはず……」
GM:事実、その通りだった。周辺にある全ての知覚器官を破壊し、術者からの追跡を絶った君達は
GM:隔壁を破壊し、更に深層へと進んでいく。
GM:迎え撃つ機人の配置も、その進軍速度に追いつかない。
GM:射撃・封鎖攻撃の捕捉精度も、見るからに落ちてきている。
GM:……そうして、今
GM:君達の目の前にあるのは、最も魄柱に近い防御階層。
GM:これまでの壁とは異なり、斬り裂き削ろうとも底の見えることのない巨大金属塊だ。
"ビー"北条サイカ:「ここを突破すれば、最後の魄柱が……」
GM:……不意に。天井から、何かの擦れるような音がする。
GM:轟くような音と共に、君達の頭上にある天井が、見る間に降下してきている。
GM:この部屋だけではない。恐らくは、このフロアを丸ごと潰す形で。
久遠仁:「おいおい……忍者屋敷か?」
穂村 姫乃:「流石にヤバなんじゃが。マジで何でもアリじゃなここ」
羽海束沙:「……こちらの姿が見えないならば、見境なくまとめて潰すというわけ」
"ビー"北条サイカ:「に、忍者屋敷でもここまでではしないでしょう……!?」
亜藤 蘭介:「言ってる場合か……!」
永良ゆづり:「それだけ形振り構っていられないのでしょう、ここを凌げばゴールは近い」
"ビー"北条サイカ:「ええ。とにかく、ここまで来たら壊して突き抜けるしか……!」
GM:……という感じで、フェイズ5に入ります。
GM:成功時:達成値と同値の進行値を加算。160を上回ればフェイズ5、ならびに前半戦闘を突破。
GM:装甲無視は+20の補正が入ります。他よりも装甲値の高い壁なので。
亜藤 蘭介:やった~!
GM:また、クリンナップ毎に、天井からの圧殺によりPC全員が10D10のダメージを受けます。
久遠仁:ぎぇ~
GM:このダメージをカバーすることはできません。
GM:説明以上です。
GM:質問なければ判定に入っていきます
永良ゆづり:大丈夫~
亜藤 蘭介:OK!
久遠仁:大丈夫です
穂村 姫乃:OKです
GM:はあい では行動値5の亜藤さんから
GM:行動どうぞ~
亜藤 蘭介:はーい
亜藤 蘭介:マイナー無し。
亜藤 蘭介:えーとメジャーで《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を4(→ 4)増加 (93 → 97)
亜藤 蘭介:9dx7+6
DoubleCross : (9DX7+6) → 10[1,2,4,4,4,5,5,9,10]+3[1,3]+6 → 19
亜藤 蘭介:ウソだろお前
GM:装甲無視なので39かな
亜藤 蘭介:そうでした
GM:39/160 です。
亜藤 蘭介:以上ッス!
GM:OK。では行動値4の穂村さん
穂村 姫乃:ではNPCカードの羽海さんをお借りします
羽海束沙:どうぞ。ダイス+10個です
穂村 姫乃:ありがと!使うエフェクトは最低限の蝕む赤Lv5のみ!
穂村 姫乃:10dx+24
DoubleCross : (10DX10+24) → 9[1,2,2,3,5,5,5,7,8,9]+24 → 33
GM:ゾロ目だ~
永良ゆづり:とりあえずバディム。
GM:爆発回避!
永良ゆづり:羽海ちゃんのも乗せちゃいましょう
穂村 姫乃:助かった
羽海束沙:まだあったわね 乗せますか
GM:達成値39に。
GM:78/160 です。
穂村 姫乃:マジで助かる~!
GM:では演出は突破時に一括として
GM:クリンナップ。天井降下、上階数百メートル分の重圧が一階にかけられる事によるダメージ
GM:10d10 装甲有効
DoubleCross : (10D10) → 46[4,8,8,6,1,7,1,2,4,5] → 46
永良ゆづり:ぎゃーっ
亜藤 蘭介:死にんちゅ!
久遠仁:ぎぇ~~~
穂村 姫乃:えっぐい!
永良ゆづり:94+1d10 リザ
DoubleCross : (94+1D10) → 94+3[3] → 97
久遠仁:94+1D10 リザレクト
DoubleCross : (94+1D10) → 94+3[3] → 97
亜藤 蘭介:97+1d10
DoubleCross : (97+1D10) → 97+10[10] → 107
穂村 姫乃:蝕む赤で一点増えた後にリザ!
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を1d10(→ 4)増加 (71 → 75)
亜藤 蘭介:クゥン…
永良ゆづり:汚染値9!
亜藤 蘭介:汚染値4!
穂村 姫乃:同じく汚染値9
GM:ではクリンナップならびにラウンド6が終了。
GM:ラウンド7。セットアップは双方なさそうなので
GM:久遠さんどうぞ。
久遠仁:≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫で判定
久遠仁:9DX7+7
DoubleCross : (9DX7+7) → 10[1,1,2,5,6,8,8,10,10]+10[1,2,6,7]+10[7]+10[7]+10[10]+10[10]+10[8]+4[4]+7 → 81
久遠仁:マジ?
GM:いややる気
GM:マジ?
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (94 → 98)
久遠仁:ミス
永良ゆづり:やりおる……
GM:これだと159/150になるが……
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (97 → 101)
亜藤 蘭介:草
GM:違う 159/160
穂村 姫乃:マジで出目が神がかってる
永良ゆづり:バ!
GM:バディムあれば突破じゃが……
GM:はい突破!
久遠仁:最強エンブレム!
GM:162/160
GM:最強なのは君だが……
GM:では演出。
永良ゆづり:口火を切って白煙が蛇めいて伸び、この場に居る皆の体躯や武器に纏わりつく。
永良ゆづり:「諸々は端折るけど、この白煙はレネゲイド能力の出力と効率を引き上げる」
永良ゆづり:「多少うっとおしいかもしれないけど、気にせずどうぞ」
久遠仁:「助かる、が……」迫りくる吊り天井、その膨大な質量を見上げる。
久遠仁:「参ったな。こういう力業は苦手でね」
久遠仁:久遠の能力はあくまで高速機動だ。その運動エネルギーはある程度の破壊力に繋がりはするものの、一定以上の広域・大質量攻撃には不向きだ。
久遠仁:ガシャン、と金属音。
久遠仁:先の戦いで機能停止した機人や、水晶管の捜索で破壊された瓦礫群。
久遠仁:それらがコマ送りのように見る間に堆く積み上げられ、挟み込まれ、天井の落下を僅かに遅滞させる。
久遠仁:「悪いが主役は頼むぜ、お二人さん」
亜藤 蘭介:久遠が稼いだ僅かな時間。直ぐ様握った刃を上段に構えて。
亜藤 蘭介:分厚い金属塊を見やって。一点集中。
亜藤 蘭介:並大抵の攻撃では風穴一つ空けることすら不可能。埒外のレネゲイドで構成されたそれを断つには。
亜藤 蘭介:硬化/再生/補修。"萩原カノン"による領域操作のサイクル、その間隙。
亜藤 蘭介:白煙纏う刃が燃焼。続けざま、振り下ろし、振り上げる。二筋の斬撃が壁面に走る。
亜藤 蘭介:壁面全てを断ち切るほどの技量も、出力も。己には無いが。
亜藤 蘭介:修復し、再生するまでの。秒数にして僅か。
亜藤 蘭介:しかし、オーヴァードにとっては十二分な時間の"切れ目"を生み出すことであれば。
亜藤 蘭介:「─────羽海、穂村!」
穂村 姫乃:「ああ。承った」
穂村 姫乃:二人が時間を稼いだ間、指先に開いた傷から血を抜き出して練り上げた紅い弾丸。それを羽海の方へと親指で弾き。
穂村 姫乃:「束沙、コイツを部屋中駆けまわるように撃ってもらえんかの」
穂村 姫乃:「それさえしてくれればあとは儂が任されよう」
羽海束沙:「ええ」その意図を確認する事もしない。淀みない手付きで装填を行いながら
羽海束沙:ただ速度を重視した連射。弾道に変化を付けるような変成はない。
羽海束沙:戦闘や崩落の影響で生じた亀裂・損傷部位を瞬時に分析し、そこにねじ込むようにしながら。天井と壁面に弾丸を刻み込んでいく。
羽海束沙:「ッ、ぐ……!」久遠が作り上げた支柱も崩れかかり、金属の天井に頭を押さえつけられる。
羽海束沙:膝を付き姿勢を崩しながら、それでも手を休めず撃ち切った。
永良ゆづり:「っ、束沙!」彼女の傍へ向かおうとして。
穂村 姫乃:「すまんの、ゆづり。今は動かん方が良い」
穂村 姫乃:「手荒く行くぞ」
永良ゆづり:「……ごめん、お願い」
穂村 姫乃:胸の前で柏手を打つように
穂村 姫乃:神社参りの三々九度のように胸の前で手を打つ。パチンという音がいやに響いて――。
穂村 姫乃:埋め込まれた弾丸によって一切の瓦礫が溶け落ちる。燃焼という過程さえ置き去りにして。
穂村 姫乃:元より、管の破壊の際に使われた永良の煙が充満した部屋だ。火種は十二分に足りていた。
穂村 姫乃:そこに普段の液状とは違う、一つ一つに普段使う量の優に数倍を込めた弾丸という起爆剤が合わされば。
穂村 姫乃:雪崩のように尽きず振っていた筈の瓦礫さえ十分に溶かせるだけの熱量がそこに顕現していた。
穂村 姫乃:「……うむ。酸素の問題もなさそうじゃな」
穂村 姫乃:居並ぶ5人の顔つきを確認した上で頷いて。
穂村 姫乃:「流石にこの規模を燃やし尽くすと何が起こるか分からんでの。束沙とゆづりの手を借りたお陰で危ない橋を渡らんで済んだ」
亜藤 蘭介:げほ、と咳き込んだあと。「竈神、ここに在りと言った所か」
永良ゆづり:「……ええ。圧巻、ね」
羽海束沙:「見事、と言う他ないわね……それじゃあ」
羽海束沙:一連の熔撃で目の前に開いた大穴と、その向こうに見える黒い樹皮を見やって。
羽海束沙:「早く、抜けましょうか」
久遠仁:「いよいよ本丸か」
"ビー"北条サイカ:「……ええ」身体に付いた煤と血を払い落とす。少しやつれた顔で言う。「本当に、ようやく」
GM:──またしても君達は、夢を見る。
GM:追想する。かの少女の過去を。
GM:遠いスクリーンに映し出された、映画の中の出来事のように。
:あたしの家の日常が壊れてから、長い時間が経った。
:お母さんの病が良くなったという報告は、一度もなかった。
:お父さんは日に日に忙しくなっているようで、うちに一度も帰ってこない日も珍しくなくなっていた。
:たまに帰って来てうちで休んでいる時も、ご飯を食べている時も
:お父さんはいつも、どこか重苦しい表情をしていて。
:あたしがお母さんの事を訊ねると、痛みを誤魔化すような笑顔を作って「大丈夫だよ」などと言う。
:だから、次第にあたしもお母さんの事を話題に出さなくなっていった。
:……それは勿論、忘れたって訳じゃない。
:たまにお母さんの部屋の前を通りがかって、誘われるように扉を開けると
:空っぽの部屋に、もうずっといないはずのお母さんの残香があって
:そこでぼんやり立っていると、まるであたしの胸まで空っぽになったような気がして。ぐすぐすと泣いてしまう事があった。
:お母さんと一緒に使っていたベッドで寝ているお父さんだって、同じような感傷を抱いたんじゃないだろうか。
:うちで夜を越す数が減ったり、リビングのソファで眠りにつくような事が増えたりしたのは
:お母さんがいなくなった寂しさを、感じたくないからなんじゃないだろうか。
:あたしは、そんな風に思っていた。
:──そうして、5年前のあの日
:前触れもなく唐突に、何もかもに決着がついた。
お父さん:「あそこの研究所は、ダメだ。もう、あいつらを頼る訳にはいかない」
:お父さんは、忌々し気にそう言った。
:ことお母さんの治療に関する事で、お父さんが悲観的な言葉を吐くことは滅多になかったから
:あたしはかなり驚いたし、それだけ深刻な事なんだろうとも思った。
: ……思った所で、どうすることもできなかった訳だけど。
:更には研究所に入院していたはずのお母さんを車に乗せて連れ帰ってきたというのだから、あたしはしばらく混乱して固まってしまった。
:実際、そうするだけの事はあった訳だと。今になっては思う。
:この時お父さんは、うちの訪れた、あの医師先生の研究所──"ギルド"組織の一つ"カドゥルー"が
:ジャーム化治療を名目に出資者を募り、人体実験を繰り返して
:その「副産物」として発生した成果を元に、レネゲイド兵器を製造販売までしている事に行き着いていた。
:この時のあたしに全部を説明することはなかったけれど、やはり、
:そんな連中にお母さんを預けてはおけないと、そう考えたのだろう。
:……それだけならまだ、大丈夫だったのかもしれない。
:だけど、奴らに頼らずお母さんを治す方法を探すために、研究資料を持ち出した事が──結果的に、致命傷になった。
:"カドゥルー"の奴らにとって、あたし達は「敵」という事になった。
:お父さんは研究所からお母さんを連れ帰ったと同時、
:信頼できる護衛だという人を二人、雇って連れて来ていた。
:家でもしお母さんが暴れた時のために、対処してもらう為らしい。
:あたしはと言えば、この期に及んでまだ能天気なものだった。
:ともあれお客さんが来たのだからと、人数分のお茶を用意する為に台所へと向かっていた。
:……トレイを手にしたままエントランスホールを通って、リビングに戻ろうとした時に
:ひゅん、と鼻先を血の匂いが掠めた。窓ガラスに音もなくヒビが入って、割れた。
:頬に、ぬるいものがふりかかる感覚。
:手で触れると、どろっとした血が流れ出ていた。
:悲鳴をあげようとして、声が出なかった。喉が潰れている訳でもないのに。
:……そこでようやく、あたしの耳の鼓膜が破れて、血が流れ出ているのだと分かった。
:パニックになる。周囲を見渡す。エントランスの1階の方に、人影があった。お父さんが、あたしの方を見た。
:同時に、お母さんの傍に立っていた護衛の人達が、胸から血を噴き出して倒れ伏すのが見えた。
:お父さんの口元が動く。きっと、「逃げろ」と言っていた。
:何から?疑問の答えが出るよりも早く、玄関口に立っている見知らぬ人影が目に入った──こちらを、見られた。背筋が寒気立つ。
:(殺される)
:そう直感する。背を向けて走り出そうとする──ダメだった。
:一人の腕らしきものがぐにゃりと伸びて、あたしのお腹を鷲掴みにした。
:「ぉ、がっ」
:内臓がぎゅるんと捻れたみたいな感覚があって、天地が逆転した。
:骨も何本か折れたと思う。痛みの上に痛みが重なって、どこを怪我したのかも分からない。
:気がつけばあたしは、やつらの足元に転がされていた。
:脳の中を掻き回されたみたいに、上も下も分からない。
:色んな所がめちゃくちゃに痛くて、泣き出したくても上手く声が出ない。
:歪む視界の端に映るもの。
:ゴーグルで隠した顔の下、口元に浮かぶ下卑た笑い。血に汚れたカーペット。
:──お母さんが、鬼みたいな怖い顔になって、あいつらに襲い掛かる姿。
:角や尾の生えたその姿は、ほとんど怪物みたいで。怖くて仕方ないはずなのに、何故だか怖くなかった。
:「お母さんは、あたしを傷付けられた事に怒っている」だなんて──そんな都合のいい事を、考えてしまっていて。
:「──おかあ、さん」
:何年かぶりに、そう呼んでいた。
:届いたかどうかも分からないし、果たしてその先に、勝負と呼べるような事は起きなかった。
:当たり前だ。……いつも優しくて、喧嘩なんて一度もした事のないような人だったんだ。
:ジャームになったって、あたし達の事を襲ったりしなかった。
:あの日の夜に持っていた誰かの腕も、果たして誰のものでもなかった。
:一部のサキュバスのジャームに発現する事のある特異性質。己の夢を現実世界に投影・定着させる能力。
:……お母さんはただ、自分のレネゲイドに喚起されて、人の血を啜る夢を見ていただけだった。
:「お母さんは、誰も殺してなんかいない」と言った──お父さんは、結局のところ正しかった。
:たとえ訳のわからない病気に侵されたって。怪物に成り果てたって。そういう人なんだ。
:だから、結果はあまりにも簡単に
:怪獣みたいに真っ黒で太い腕が
:お母さんの身体を握り締めて
:「っ、あ」
:「やだっ」
:縮むは一瞬
:風船みたいに簡単に、破裂させた
:「ぁ──」
:……お母さんが、死んだ。
:真っ黒な血の塊になって、どろりと溶けた。
:(どうして。なんで──)
:悲しみを受け入れる猶予はもちろん、泣き叫ぶ時間すらも奴らは与えてはくれない。
:──すとん、と。
:冷たいナイフが一本、あたしの腕に刺さっていた。
:柄の部分まで文字通り、氷で作られているようなやつだ。
:それが突き刺さった部分からじんわりと浸透するように、あたしの身体が凍り付いていった。声にならない悲鳴が漏れる。
:……だけど、それがまだ五分の一。
:その敵があたし目掛けて投げていたナイフは、同時に五本。
:残る四本は、あたしを庇うように立ったお父さんの背に刺さっていた。
:あたしがその事を理解するよりも早く、お父さんの大きな体は
: 目の前で真っ白に凍り付いて、動かなくなっていった。
:「やっ、やだ……」
:「あ……ああぁ……」
:崩れ落ちたあたしに覆い被さるように、お父さんの身体が倒れ込んだ。
:氷みたいに冷たくなっていくその体温が、肌越しに伝わってくる。
:「う、ぁ、ああああ」
:涙が溢れだす。悲しいのか、痛いのか、怖いのか、自分でも訳が分からなくなっていって。
:「おとうさんっ、おかあさんっ……!」
:叫ぶ。喉が枯れる。指先が、熱くなっていく。
:……初めは凍傷かと思ったけれど、なにか違う。
:凍り付いていたはずの身体が、『まるで何かの病に侵されたみたいに』激しく熱を帯び始めていて。
お父さん:「ごめん……」
お父さん:「ごめんよ、彩花……」
:震える声で呟く。お父さんの、最期の言葉が『聞こえた』。
:破れたはずの鼓膜が、治っている。
:折れた骨も、凍り付いた腕も。不思議とまだ動かせる。
:(──なに、これ)
:こんなに傷だらけなのに。生まれて始めて感じるくらい、身体が軽い。
:(どういう、こと……?)
:何もかも、分からない事だらけだけれど、
:たった二つ、分かったのは。
:あたしもお母さんと同じ、化け物になったらしいって事と。
:今のあたしなら、こいつらを──
:──お父さんとお母さんの仇を、取れるかもしれないってこと。
:「ッ……が、アアアア……ッ!!」
:その事に気づくと同時、生まれて初めてってくらいの叫び声が出た。
:熱に浮かされるようにして、あたしは。目の前の敵へを襲いかかる。
:……殆ど怒りと本能のままに暴れたのだろう。そこからどんな風に戦ったのか、思い出すことはできない。
:だけど。ただ一つ、頭の片隅で。
:「もっと早くこの力があったなら」と──そんな風に考えた事だけを、覚えている。
GM:全員登場です。汚染・侵蝕の上昇はありません。
永良ゆづり:待って
亜藤 蘭介:デメが あの
穂村 姫乃:めっちゃ無理しようとしとるんじゃが!?
GM:言っておくと死ぬわけじゃないよ
GM:でもクライマックスだしやれることはやらんと……というあれです
久遠仁:羽海さん……
永良ゆづり:束沙……
:……長い、長い悪夢を見ていた。
:お母さんもお父さんも死んでしまって、あたしだけが一人取り残される夢だった。
:お母さんがある日いきなり病気で怪物に変わってしまって、お父さんは日に日に元気がなくなっていって、
:最後には二人とも、あたしの目の前で死んでしまう夢。
:そんなことあるはずないのに、どうしてか何度も夢に見てしまって
:あたしは不安で仕方なかった。毎晩のように、泣きそうになってしまっていた。
:我慢できなくなってその話をすると、お母さんは「大丈夫よ」と囁いて、優しく抱きしめてくれた。
お母さん:「……ほら。お母さんはちゃんと、ここにいるでしょう」
:「……うん」
お母さん:「勝手に彩花を置いて、どこかに行ったりなんてしないのよ」
:「うん……うん」
:こうやって抱きしめられる事なんて、いつもの日常のはずなのに。
:なんだかとても懐かしいような気がして、あたしの声は震えていた。
:お母さんの言葉は何も間違ってなくて、この腕の中よりも安心できる場所なんてないはずなのに
:なぜだかそれでも、不安は消えきらなかった。
お父さん:「……大丈夫か?彩花」
:そんな事を考えていたから、お父さんは心配そうにあたしに声をかけてきた。
お父さん:「ご飯、合わなかったか?」
:日曜日の朝の食卓。この日の家事は、うちではお父さんがやる事になっている。
:スープを飲む手が止まっていたあたしを見て、不安になったらしい。
:「えぇー?違う違う、ちょっと考え事してただけっ」
:あたしは誤魔化すように笑って、バジルの浮いてる赤色のスープを一気に飲み干して見せた。
:「っ、けほっ、えほっ」咽せてしまった。
お父さん:「ああ、何をやってるんだ……」
:お父さんは呆れた様子で立ち上がって、あたしの背をさすってくれた。
お父さん:「別に、急かしたわけじゃないんだよ。ゆっくり食べなさい」
:「うう……はい」
:卓上のティッシュを何枚か取って、慌てて口元を拭く。
:「ごめんね、お父さん……もう、大丈夫」
お父さん:「そうか?うん……」
:「……何?」
お父さん:「いや……彩花も随分、大きくなったもんだなあと思って……」
:「な、なによもぉー」
:「そんな、久しぶりに会った親戚みたいなこと言わないでよ。毎日顔見てるじゃんっ」
お父さん:「いや……それは、そうなんだけどな。感慨というか……」
お母さん:「そうねぇ。ちょっと前までこんなに小さくて、毎晩ほっぺにチューしてあげないと眠れない子だったのに」
:「お、お母さん……!?もう、いつの話よそれ!」
お母さん:「そうねえ、小学校に入る前の年くらいまでだったから……」
:「具体的な答えを求めてるんじゃないの〜っ!」
:……あたしの日常。幸せな家族の団欒。
:ずっと続いてきて、これからも続くはずの日々。
GM:──コンコン、と
GM:ドアをノックする音。
:今、それを蝕むものが。
:何かが、あたしを呼んでいる。
:……そうして、思い出す。
:この世界の、本当のこと。
:今ここにある幸福な日常を、脅かすもののこと。
:「……大丈夫」
:心配そうに見つめる、お父さんとお母さんに向き直って。あたしは告げる。
:「あたし……強くなったんだよ」
:「ちゃんと、成長してるんだ。心も、身体も」
:「お父さんと、お母さんのことだって……」
:「……今度こそちゃんと、守ってあげられる。だから」
お父さん:「彩花……」
:手を差し伸べようとしたお父さんの手から、逃げるように扉へ向かう。
:いま触れられたら、どこへも行けなくなってしまう気がしたから。
:「お父さん、お母さん」
:「──行ってきますっ」
:名残惜しい視線を振り切って、
:がちゃり、と扉の開く音がした。
GM:---
GM:緑坂市南部・夢界領域 旧北条邸
GM:---
サンディーヴァ:「ああ……ごめんね?起こしちゃって」
サンディーヴァ:黒い影の澱を纏う、女が友好的に笑いかける。
北条サイカ:「……う……」
北条サイカ:頭痛がする。節々が痛む。身体が重い。
北条サイカ:その感覚が、夢からの覚醒を教えてくれる。
北条サイカ:……その実、己が未だ微睡みの中にあると気づくだけの理性は。とうに擦り切れている。
サンディーヴァ:「できれば、君にはそのままそっちに居させてあげたかったんだけど……」
サンディーヴァ:「貴方にも出てもらうしかなくなっちゃったんだ」
GM:……絆が、人を日常へと繋ぎ止める楔であるのなら。
GM:人を、己が夢界へと繋ぎ止める絆を根付かせる事こそが
GM:「こちら側」へと手繰り寄せる術であると、"サンディーヴァ"は考えた。
GM:君達ひとりひとりに、この世界における友を与えたように。
GM:だから……夢界の柱の一部となって、"バース"の「日常」に干渉することのない運命にある彼女には
GM:彼女のためだけの、あり得ざる幸福を紡いであげることにした。
GM:彼女が孤独でも寂しくないように。そして
GM:もう二度と、元の現実に帰れないように。
サンディーヴァ:(……それでも、まだ。踏みとどまっているらしいのは)
サンディーヴァ:(自分の精神を切り分けて、この街に解き放っていたからか)
サンディーヴァ:失策だった。魄柱を介した人々の精神操作にリソースを割かれて、膨大な演算の中に彼女が紛れ込ませた抵抗に、気付くことが遅れた。
サンディーヴァ:(それとも……より強固な何かが、その心に根付いているのか)
サンディーヴァ:(……問題はない。この世界の日常を一時的にでも壊さなくてはいけなくなったのは、不本意だけれど)
サンディーヴァ:(崩れたものは、決着のついた後で元に戻せばいい。……私には、それができる)
サンディーヴァ:「……君も。この戦いに勝てば、また」
サンディーヴァ:「あっちの世界に、帰してあげるからさ」
サンディーヴァ:「だから……少しだけ、頑張れるかい?」
北条サイカ:「……うん」
北条サイカ:夢界の源泉にて、汚染を浴び続けた。その眼差しは昏い。
北条サイカ:「平気、だよ。あたしだって、もう……子供じゃないもの」
北条サイカ:「誰が相手だって、あたしは……」
GM:戦いの構えを取るように、腕を伸ばすにつれて。
GM:少女の背から生え伸びている、黒い巨木が枝を揺らす。
GM:これこそが、最初にして最後の魄柱。
GM:残る三本を生み出した豊穣の力を宿し、夢界を支える柱そのもの。
"魄柱・彩花”:「──あたしは、迷わない」
"魄柱・彩花”:己が庭へと踏み込んできた、「外敵たち」へと視線を向ける。
"魄柱・彩花”:「強く、なったんだ。今度こそ、間に合うように」
"魄柱・彩花”:「今度こそ、あたしが」
"魄柱・彩花”:「この世界を──お父さんとお母さんを、守る」
GM:──幸福な夢幻に心を壊された、少女の決意が響く。
GM:世界は書き換えられていく。生者は死人へ、死人は生者へ。
GM:その采配は、当然の日常を掴み取れかった子供達の独善であり──
GM:君達が守るべき日常の、敵だ。
GM:偽りを振り払い、夢幻を砕け。
GM:それがいかに甘く儚くとも。
GM:Double Cross the 3rd Edition「夢幻災禍のサンディーヴァ」
GM:ダブルクロス、それは──
:きっと、あたしのことなんだろう。
GM:登場は全員です。侵蝕の代わりに汚染値が増加します。
久遠仁:汚染値0>1
永良ゆづり:汚染値7
亜藤 蘭介:汚染値1→2
穂村 姫乃:汚染値6
GM:こちらからは以上です。
亜藤 蘭介:理解を得ました
永良ゆづり:了解です!
久遠仁:分かりました……
穂村 姫乃:OKです
GM:OK。では戦闘ラウンドに移行していきます。
GM:ラウンド1。セットアップ。
"サンディーヴァ":「四十法節・因子解放」《螺旋の悪魔》《極限暴走》《喰らわれし贄》《破壊の渦動》《背徳の理》
"サンディーヴァ":暴走、シーン攻撃力+36、ダイス+10。シーン装甲無視。
亜藤 蘭介:ありません!
久遠仁:なし。
永良ゆづり:なし
穂村 姫乃:なし
"魄柱・彩花”:"サンディーヴァ":《アクセル》《ラピッドファクトリー》《活性の霧》
"魄柱・彩花”:"サンディーヴァ":味方全体の攻撃力+15、ドッジ-2、行動値+14
GM:行動値こうなります。
GM:イニシアチブへ。行動値44、"サンディーヴァ"の手番。
"サンディーヴァ":「カノンボール・シアター」マイナー《千変万化の影》RC技能のレベル+10《影の武具:インフィニティウェポン》、メジャー《コンセントレイト》《サンドシャード》《棘の縛め》《要の陣形》《ペトリファイ》《クリスタライズ》《ストライクモード》オート《砂の加護》《砂塵霊》
"サンディーヴァ":対象はPC全員。
"サンディーヴァ":命中で硬直付与、装甲無視 行動値-20です。
亜藤 蘭介:こ、これは……
久遠仁:ヤベ~ッ
"サンディーヴァ":また、このエネミーはEロイス「虚実崩壊」の効果により《能力強奪》の使用回数制限がなくなっている扱いとして
"サンディーヴァ":他者から奪ったものとして、シンドローム条件等を無視したエフェクトを複数取得しています。
"サンディーヴァ":26dx7+40
DoubleCross : (26DX7+40) → 10[1,1,1,1,2,3,3,4,4,4,5,5,6,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10,10,10]+10[1,2,3,3,3,4,6,9,9,9,10]+10[2,6,7,10]+10[1,9]+10[9]+3[3]+40 → 93
亜藤 蘭介:高すぎるが?
永良ゆづり:3dx+1>=93 ドッジ
DoubleCross : (3DX10+1>=93) → 9[3,3,9]+1 → 10 → 失敗
穂村 姫乃:6dx>=93
DoubleCross : (6DX10>=93) → 8[2,4,5,7,8,8] → 8 → 失敗
久遠仁:ガード 吸血アージなのでリアクション可能
亜藤 蘭介:7dx+1>=93 ドッジ
DoubleCross : (7DX10+1>=93) → 10[2,2,4,5,5,9,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗
永良ゆづり:《炎陣》で侵蝕94→96。カバーリング
亜藤 蘭介:同じく《砂の結界》でカバーリング
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (90 → 92)
永良ゆづり:久遠くんで!
亜藤 蘭介:では穂村さんを。
久遠仁:ありがたい……
穂村 姫乃:助かる!
GM:OK。ではダメージ
"サンディーヴァ":10d10+43+5d10+15
DoubleCross : (10D10+43+5D10+15) → 47[2,2,6,8,6,3,4,4,4,8]+43+23[3,4,7,1,8]+15 → 128
亜藤 蘭介:死にまくります。リザレクト。
永良ゆづり:づぅえ~~っ!!リザレクト!
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1d10(→ 1)増加 (92 → 93)
永良ゆづり:96+1d10
DoubleCross : (96+1D10) → 96+4[4] → 100
永良ゆづり:汚染値9になって以上!
亜藤 蘭介:汚染値4。
GM:では演出。
"サンディーヴァ":無数に混ざりあった領域の闇の中から、特定形質の因子を抽出・増幅・行使する。
"サンディーヴァ":その制御は、既に一個人が物理的に可能な技量を超えている。
"サンディーヴァ":非戦闘時であっても、彼女の身体から常に黒い澱が漏れ出している事が、その証左でもある。
"サンディーヴァ":故に、その力を眼前の敵を滅するために使うとなれば──暴走する。女の輪郭がぼやけて、闇の領域の奥へと深く溶け込んでいく。
"サンディーヴァ":……それが、破壊の合図。君達の足元、大地が引き裂かれる。幾万本の黒槍が、剣山の如くに生え錬成されていく。
"サンディーヴァ":逃げ場のない、雨粒の如き刺突。返しのついた刃が君達の肉体を突き刺し引き裂いていく。
"サンディーヴァ":一撃ごと、その傷口へ"サンディーヴァ"の因子が雪崩込んでいき、
"サンディーヴァ":その身体を侵蝕する。肉体が、この空間そのものへと混ぜ溶かされていくような感覚を覚える。
"サンディーヴァ":──同時、空に影が差している。陽射しの閉ざされた世界に、更なる蓋をする巨塊。
"サンディーヴァ":数百メートルの上空。高層ビルほどの超巨大金属体が浮かんでいた。
"サンディーヴァ":一転、落下する。槍を以て射抜き、動きを封じ留めた者達を押し潰すべく。
永良ゆづり:「(あれは、萩原カノンの錬金支配)」
永良ゆづり:「(それをまるで、悪夢の様な出力で──)」
永良ゆづり:一線級の領域能力者群たる"バース"シリーズを、遍く取り込み己が権能とした"サンディーヴァ"の初撃。
永良ゆづり:この夢界で対峙したどの上位ランクよりも熾烈で、煙を差し挟む隙すら見当たらぬ三次元制圧。
永良ゆづり:加えて体躯への侵入を許せば、我々の権能が機能不全へと陥ることも経験が物語る。
永良ゆづり:後手に回れば為す術のない、無比なる圧潰と侵蝕の顕現。それを──
永良ゆづり:「(────信じていたとも!)」
永良ゆづり:永良ゆづりの白煙は、"信頼に値する"者と物のレネゲイドに爆発的強化を齎す。
永良ゆづり:"サンディーヴァ"の甚大なる領域能力が、その条件を完璧に、十二分に満たした。
永良ゆづり:ゆえに。先手を取って備え、完膚なく捌くという絵空事を。実現へと至らせる。
永良ゆづり:森の木々が生み出す死角に隠された、無数の白き影が飛び出し地を這い、
永良ゆづり:先んじて根ざす淀みの槍に覆い被さっていく。
永良ゆづり:堰き止めるのは到底不可能。だが、その強度を"歪"に押し上げるだけなら十分。
永良ゆづり:伸び奔る槍の"片面"のみに煙を浸透させ、その伸長速度を爆発的に増大させる。
永良ゆづり:即ち、槍が描く軌跡は左右異なる伸びゆえに大きく歪曲し、
永良ゆづり:本来刺し穿つべき標的を逸れ、一切の成果も生み出せぬ淀みの檻を成す。
永良ゆづり:その強度たるや、上空より落つる理想金属体の巨塊すら、貫き朽ち割るほどに。
永良ゆづり:「────っ、ぁ」
永良ゆづり:だが、それも今は一人。久遠仁の護りへと集中させて漸く。
永良ゆづり:己の体躯は為すすべなく抉られ。淀みの侵略を受け入れる。
永良ゆづり:混濁し、朦朧とする意識を何とか握り込みながら。
永良ゆづり:「(でも、要領は掴んだ。これなら、上手くいけば"利用"することも──)」
永良ゆづり:次なる一手のため。煙が大気へと溶けて姿を隠していく。
永良ゆづり:──それに、信頼に値し得るのは敵だけではない。
永良ゆづり:状況を即時に見通し、鑑み、"後の先"を得手とする味方も、既に動いている。
亜藤 蘭介:「(間に合う、か─────)」
亜藤 蘭介:亀裂が走り、割れた大地へとその身が投げ出される寸前。
亜藤 蘭介:己が能力を行使する寸前で。視界に入ったのは、先んじて底へと伸びゆく白煙。
亜藤 蘭介:その意図を把握する必要など有りはしない。此処まで共に、死線を潜り抜けた仲間の信頼を疑う必要も。
亜藤 蘭介:錬成された黒槍の地の獄。その地中から這い出るように現出するは数多の土分身。
亜藤 蘭介:主たる亜藤蘭介には目もくれず、歪に成長を遂げたその槍の上を疾駆し。
亜藤 蘭介:今、守るべきその者。宙でその小さな体躯を抱え。土がその身を囲うよう、覆うように姿形を変える。
亜藤 蘭介:まだ終わりではない。遅れて地へと降り立って。
亜藤 蘭介:揺るがない瞳で、砕き割れ、上空から雨のように降り注ぐ巨大金属片を見据えながら。
亜藤 蘭介:女の言葉が頭に響く。
亜藤 蘭介:────取捨選択。
亜藤 蘭介:人は何もかも掬い取ることなど出来ない。
亜藤 蘭介:同感だ。
亜藤 蘭介:「俺も。迷いなく選ぶ」
亜藤 蘭介:跳ぶ。穂村姫乃を襲う、岩のようなそれを目掛けて。
亜藤 蘭介:断ち切る。逸れた重塊、殺しきれない衝撃で右椀が砕け、身を蝕むレネゲイドに意識が混濁しても尚。
亜藤 蘭介:更に跳躍。持ち替えた左で無様に振るった切り払い。辛うじて受け流し、割れた金属片と、粉砕した己が身がぐちゃりと音を立て落下する。
"サンディーヴァ":「へぇ……?」闇の帳の向こう。僅かに目を細める。二人、届いていない事を確認して。
"サンディーヴァ":「凄いな。怯えてくれてもいいのに、とまでは言わないけれど」
"サンディーヴァ":「自我侵蝕に抵抗しながら、そこまで対応できるんだ」
"サンディーヴァ":「……怖いね。やっぱり君達は」
"サンディーヴァ":「紛れもなく、私達の世界の脅威だよ」
穂村 姫乃:「怯えてくれても、は流石にちと舐めすぎではないかの」
穂村 姫乃:「儂らが、中でも蘭介とゆづりが。ここでどれだけ死線を潜ったか」
穂村 姫乃:「むしろお主の方が知っとるはずじゃろ?」
穂村 姫乃:バースとの激闘を仕組んだのは、むしろ自分自身だろう?と仄めかすように問いかける。
"サンディーヴァ":「……言わない、と言ってるだろ。舐めてる訳じゃない」
"サンディーヴァ":「ただ……」
"サンディーヴァ":目の前で行われた連携の練度の高さを、改めて目にした。それが、ここまでの戦いの中で研磨された結果なのだとすれば。
"サンディーヴァ":「初めから、私が出るべきだったのかもしれないね」
久遠仁:「……まずいな」
久遠仁:永良の作り出した間隙に守られ、呻くように言う。
久遠仁:「俺より速いぞ」
GM:イニシアチブ23。久遠さんの手番です……が
GM:まずは意志判定をどうぞ。目標値は夢界汚染値分なので、4
久遠仁:うおお
久遠仁:4DX>=4
DoubleCross : (4DX10>=4) → 9[3,5,9,9] → 9 → 成功
GM:失敗すれば行動選択権が敵に移ります。
GM:成功。通常の行動が可能となります。行動宣言をどうぞ!
久遠仁:マイナーでコンボ【陣雲】
久遠仁:≪骨の剣≫+≪死招きの爪≫ 素手変更
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を7増加 (102 → 109)
久遠仁:メジャーでコンボ【絶影】
久遠仁:≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:全力移動でエンゲージしつつ攻撃、対象は“サンディーヴァ”
GM:命中どうぞ
久遠仁:10DX7+7
DoubleCross : (10DX7+7) → 10[1,4,4,5,6,7,7,8,8,9]+10[1,3,9,9,10]+10[1,8,9]+10[2,8]+10[8]+10[8]+10[9]+10[7]+2[2]+7 → 89
久遠仁:うお……
GM:やる気!
"サンディーヴァ":暴走中のためリアクション不可。
久遠仁:ダメージ!
久遠仁:9D10+30+10
DoubleCross : (9D10+30+10) → 54[3,8,10,4,8,9,5,1,6]+30+10 → 94
"サンディーヴァ":《デモンズウェブ》軽減します。
"サンディーヴァ":94-6d10
DoubleCross : (94-6D10) → 94-34[2,2,6,9,8,7] → 60
久遠仁:《デビルストリング》
久遠仁:いや
久遠仁:デモンズウェブは80制限か……
GM:あっそうですね
久遠仁:チィ~~ッ
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (109 → 113)
"サンディーヴァ":ダメージ通りました。まだ元気。
GM:演出どうぞ
久遠仁:──遥か太古の昔に死滅した、レネゲイドビーイングの化石。
久遠仁:久遠仁の全身に移植された金属骨格の正体とは、正確にはそういう物なのだという。
久遠仁:久遠がその能力を行使する際、彼らが語り掛けてくる衝動は、至極純粋な、ただ一つの声。
久遠仁:『もっと速く』『限界まで速く』。
久遠仁:数億年の歳月、時間という牢獄から解き放たれんとするかのようなその声。
久遠仁:常ならば黙殺し、制御すべきその声に。
久遠仁:(いいだろう)
久遠仁:今だけは。
久遠仁:(行こうじゃないか)
久遠仁:くるりと鞘を回転させ、柄を構える。掌からずるり、と金属が変形し、刃となって形成される。
久遠仁:研ぎ澄まされ、同時に鈍化していく感覚。1秒がその10倍、100倍にも希釈される。全ての音が引き延ばされ、やがて置き去りになって消え去っていく。
久遠仁:静止した時間の中を、久遠だけが歩み出し──
久遠仁:──金属を打ち鳴らすような、不協和音が轟いた。
久遠仁:黒槍の森を足場とし、四方八方から“サンディーヴァ”を斬り付けたその数、94回。それら全ての刃音が、一度に重なって響き渡る。
久遠仁:だが。
久遠仁:「……おいおい」
"サンディーヴァ":──否、君だけではない。
"サンディーヴァ":音よりも速い世界。「見えてるよ」と口元が動いた。
"サンディーヴァ":どろりとした闇を纏う腕が、動く。甲殻めいて硬質化した筋肉が、その刃を受ける。
"サンディーヴァ":……だが、90を超える斬撃負荷の中で。綻んだのは此方の方だ。
"サンディーヴァ":時間が動き出したと同時、真紅の血が噴き出す。
久遠仁:「参るよなあ、全く」呆れたように軽く刀を振る。「こっちは一芸(これ)しかないってのに」
"サンディーヴァ":「ふふ……そう言う割には、余裕がある」
"サンディーヴァ":「速度も神経反応も、私の方が上のはずだ。それでも、今の攻防の中で遅れを取った」
"サンディーヴァ":「この速さの中で過ごした経験なら、君の方が上。そうでしょう」
久遠仁:「なに、俺があんまり必死だと、後で気にする子が居るんでね」
久遠仁:「いつでも余裕を見せとくもんさ、先輩ってのは」
"サンディーヴァ":腕を引く。傷口を、澱が修復していく。「……なるほど、強い。あの子が信じていたわけだ」
GM:イニシアチブ、行動値14。"魄柱・彩花"の手番
"魄柱・彩花”:マイナーなし。
"魄柱・彩花”:メジャー「ブルーム・ブレイド」 《コンセントレイト》《アドレナリン》《シャドーテンタクルス》《原初の赤:渇きの主》《深き傷痕》《混色の氾濫》 14dx@7+10 攻撃力35 HP+28 装甲無視 次の攻撃が-10
GM:あっ全部コピペしちゃった
"魄柱・彩花”:まあいいや 対象は仁さん以外の3人です
"魄柱・彩花”:14dx7+10 命中
DoubleCross : (14DX7+10) → 10[1,2,2,2,3,4,5,5,5,5,6,9,9,10]+10[8,8,10]+10[2,9,9]+10[8,9]+5[5,5]+10 → 55
"魄柱・彩花”:また、エネミーエフェクト《毒持つ獣》の効果により
"魄柱・彩花”:命中時にランク4邪毒が付与されます。
亜藤 蘭介:ドッジ!
亜藤 蘭介:7dx+1>=55
DoubleCross : (7DX10+1>=55) → 10[2,2,5,8,9,10,10]+10[3,10]+1[1]+1 → 22 → 失敗
亜藤 蘭介:がんばり死
穂村 姫乃:一応ドッジ
穂村 姫乃:6dx>=55
DoubleCross : (6DX10>=55) → 8[1,2,2,4,5,8] → 8 → 失敗
永良ゆづり:4dx+1>=55 ドッジ
DoubleCross : (4DX10+1>=55) → 9[2,5,8,9]+1 → 10 → 失敗
亜藤 蘭介:ダメージ解決前に《砂の結界》で穂村さんをカバーリング。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (93 → 95)
GM:他ないかな
GM:ダメージ出します。
"魄柱・彩花”:6d10+35
DoubleCross : (6D10+35) → 33[6,10,8,2,5,2]+35 → 68
"魄柱・彩花”:次の攻撃が-10され、邪毒ランク4です
亜藤 蘭介:らん らんらら らんらん死
永良ゆづり:死んじゃう!ロイス「UGN」をタイタス化して蘇生、HP14で汚染値10。
亜藤 蘭介:飯綱さんのロイスをタイタス昇華。HP14で復活
亜藤 蘭介:汚染値5。
GM:OK。では演出
"サンディーヴァ":「さて……やっぱり、君の力を借りなくちゃいけないみたいだ」
"サンディーヴァ":久遠と対峙したまま、大樹の根となる少女に声をかける。「手伝ってくれるかい」
"魄柱・彩花”:「っ……あたし、は……」
久遠仁:「……北条」
久遠仁:「やめろ。聞いちゃいけない」
"魄柱・彩花”:「大丈夫……あたしは、強くなった」
"魄柱・彩花”:僅かに久遠の方を一瞥。しかし、すぐに後方に残る集団の方へと向いて。
"魄柱・彩花”:「もう、迷わない……誰かに任せっきりにも、しない……」呟く。自分に言い聞かせるように。
"魄柱・彩花”:「あたしが、守る……!」
"魄柱・彩花”:大樹が揺れる。無数の枝が広がり、手のひらのように変化していく。
久遠仁:「ッ……北条……!」
"魄柱・彩花”:前後左右天・五方を塞ぐように君達へと伸び、掴むべく迫る。
"魄柱・彩花”:咽せ返るような甘い香りが包む。"ブリンクブレイド"が使っていたそれと同質の知覚干渉。
"魄柱・彩花”:躱し防ぐ動作を、幻惑の中へと封じ込めんとする。
亜藤 蘭介:"サンディーヴァ"に侵され、摩耗した意識。粉々に砕けた半身を再生し、足を動かす時間の猶予も無い。
亜藤 蘭介:故に。辛うじて動く程度に治癒した左腕で。己が得物を、護るべき仲間目掛けて宙に放つ。
亜藤 蘭介:同時、"興津比売命"が踏みしめているその大地から生まれ出るようにして、土色の腕が伸びる。
亜藤 蘭介:宙でその柄を握った腕が鞭のように振るわれる。神の領域を侵さんとする無数の夢枝を、鋏刃が縦横無尽に薙ぎ払う。
亜藤 蘭介:「がっ────!」
亜藤 蘭介:然し、武器を失ったこの身に、対抗する術はなく。
亜藤 蘭介:この身を拘束した枝を通して、甘い快楽の香気が。脳髄の奥まで染み渡る。
"魄柱・彩花”:枝が爪めいてその身体を掴むと同時。
"魄柱・彩花”:黒いレネゲイドの花が咲き開いて、刃の花弁が肉体を引き裂き刻む。
"魄柱・彩花”:じゅくり、じゅくりと
"魄柱・彩花”:その傷口より、流れ出る血が吸い上げられていく。
"魄柱・彩花”:血肉もろとも、レネゲイドを奪い喰らう。それを糧として吸血花はいっそう咲き誇る。
"魄柱・彩花”:「降参、してください……でないと」
"魄柱・彩花”:「このまま、全部……吸い尽くします、から……っ!」
永良ゆづり:「────ち」煙を溶け込ませ強度へと作用する前に、出力その物を奪い去られては意味がない。
永良ゆづり:甘い香りに翻弄され、薄れゆく意思を何とか保たせながらも。
永良ゆづり:僅かな隙間を縫い、携えた峨嵋刺で枝を突き割り、花弁を足蹴に離脱する。
永良ゆづり:着地。だが、跳ね返る自重に耐え切れず、膝を突く。
永良ゆづり:「(──あ、れ)」
永良ゆづり:この夢界で幾度も他人を庇い、致命傷をその身に重ねてきた代償。
永良ゆづり:一度は目覚めた筈の仮初なる夢が、霞んだ意識を再び侵そうと忍び寄る。
永良ゆづり:「……だから、言ってるだろうに」
永良ゆづり:「気遣いは不要だと」
永良ゆづり:北条サイカ/○庇護/不安 を取得し、即タイタス化。
永良ゆづり:汚染値10→0
GM:永良亜藤が行動値下がっているため、イニシアチブ4
GM:穂村さんの手番です。行動どうぞ
穂村 姫乃:6dx+1>=5 手番前に意志判定
DoubleCross : (6DX10+1>=5) → 10[1,5,6,7,8,10]+2[2]+1 → 13 → 成功
穂村 姫乃:はい。マイナーとメジャーでそれぞれコンボ。
穂村 姫乃:神憑り始め:オリジン(レジェンド)Lv6+氷の回廊Lv2
穂村 姫乃:精神判定の達成値+12、飛行状態で戦闘移動、移動距離+4m、"サンディーヴァ"達のエンゲージに移動、侵蝕率+3
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を3増加 (105 → 108)
穂村 姫乃:神語り告げ:蝕む赤Lv6+ブラッドスパイクLv4+災厄の炎Lv6+プラズマカノンLv4
穂村 姫乃:射程:至近、対象:範囲(選択)で"サンディーヴァ"とサイカちゃんを対象、攻撃力+50、ランク6の邪毒付与、HP3点消費、侵蝕率+12
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を12増加 (108 → 120)
GM:OK。命中どうぞ
穂村 姫乃:6dx+26
DoubleCross : (6DX10+26) → 10[6,7,7,7,10,10]+7[5,7]+26 → 43
"サンディーヴァ":暴走中のためリアクションなし。
永良ゆづり:《凍てつく刃》ダメ+1D+18、侵蝕103
久遠仁:ダメージ前に《餓狼の爪》 ダメージ+30
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を3増加 (113 → 116)
"魄柱・彩花”:「ブルーム・ブラッド」《復讐の刃》
"魄柱・彩花”:リアクション放棄で反撃します。
久遠仁:《デビルストリング》
久遠仁:復讐の刃を打ち消します
"魄柱・彩花”:ぐぬ……キャンセルされました。
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を6増加 (116 → 122)
GM:いずれも命中。ダメージをどうぞ。
穂村 姫乃:50+5d10+1d10+18+30
DoubleCross : (50+5D10+1D10+18+30) → 50+24[1,5,6,3,9]+3[3]+18+30 → 125
GM:いやつよ
"サンディーヴァ":《雲散霧消》《隆起する大地》
"サンディーヴァ":125-1d10+30+18
DoubleCross : (125-1D10+30+18) → 125-1[1]+30+18 → 172
GM:いやちがう
GM:49軽減ですね
GM:76点になります
穂村 姫乃:では、演出行きます
GM:ごめん数値計算してた どうぞ!
穂村 姫乃:「さて。守られた分働かんといかんな」
穂村 姫乃:からりと彼女が笑うと同時。彼女の前方一帯が赤く染まる。
穂村 姫乃:酷く整然とした血河。あるいは、彼女のためにあつらえられたレッドカーペットにさえ見えるような。
穂村 姫乃:「久方ぶりにマジのマジで行くとしよう」
穂村 姫乃:彼女の一歩目に合わせ、髪が、瞳が。本来の輝きを取り戻す。
穂村 姫乃:「――我が名は興津比米命」
穂村 姫乃:「大年神、そして天知迦流美豆比売の血を引く一柱」
穂村 姫乃:「我が兄興津彦命、及び火之迦具土神と並ぶ竈神三柱の一角なれば」
穂村 姫乃:――普段。穂村姫乃は自身を神とは名乗らない。
穂村 姫乃:「我が炎より逃れること能わず。我が炎は決して尽きることなく」
穂村 姫乃:彼女はあくまで、神を起源(オリジン)に持つレネゲイドビーイングだからだ。
穂村 姫乃:「汝の燃え尽きるその瞬間まで。絶えずその身を苛み焦がす」
穂村 姫乃:神の信仰より生まれ、神と違わぬ御業を持ち、神と同じ名を名乗り。
穂村 姫乃:だけど、神になれるわけではない。
穂村 姫乃:これはあくまでも、自身の起源を辿り唱えることで自身の能力を上乗せする行為に過ぎない。
穂村 姫乃:彼女は祈らない。神とは祈られるものだから。
穂村 姫乃:彼女は恐れない。神とは畏れられるものだから。
穂村 姫乃:彼女は膝をつかない。神とは跪かれるものだから。
穂村 姫乃:彼女はただ、不敵に笑み、炎を繰る。それが神であると考えているから。
穂村 姫乃:それは、神を起源に生まれた彼女の矜持であり。
穂村 姫乃:あるいは。神になれない彼女の信仰なのかもしれない。
穂村 姫乃:「さあ」
穂村 姫乃:いつの間にか"サンディーヴァ"と魄柱の懐まで到達した彼女は笑う。いつも通りに。
穂村 姫乃:「燃え尽きろ」
穂村 姫乃:周囲一帯を灼熱地獄に落とすように。炎が舞った。
"サンディーヴァ":「っ……!」あるいは真なる神ではないのだとしても、その神威を前に。澱の向こうの表情が怯えに揺らめく。
"サンディーヴァ":業火が漆黒を焼き焦がす。闇の澱が塗り潰されていく。
"魄柱・彩花”:「っ、こんな……っ!」広がった枝が燃え落ちていき、その端から再生していく。
"魄柱・彩花”:「駄目、させない……っ!」炎上する景色の向こうに、夢の終わりを幻視して。叫ぶ。
"魄柱・彩花”:不滅の炎を灯す枝が、牙の如く伸び上がった。穂村姫乃へと突き立てられる。
久遠仁:その寸前で、ばらり、と枝が断たれて落ちる。
久遠仁:北条サイカの眼前に、刃を携えた久遠仁が立っている。
"魄柱・彩花”:「あ……」
久遠仁:「……やめておけ、北条」
久遠仁:「君が傷付くだけだ」
"魄柱・彩花”:「っ……!余計な、お世話ッ……!」
"魄柱・彩花”:君の顔を睨みつける。追撃を加えようとして、しかし
"魄柱・彩花”:「かっ……」どくり、と大樹が大きな鼓動を打つ。北条サイカの肉体が跳ねる。
"魄柱・彩花”:既に一個の生命として、"魄柱"と深く結合している。当座の処置であった水上ケイの時とは比較にならないほど。
久遠仁:「……北条……!」
"魄柱・彩花”:樹が傷つけば、彼女の生命力が修復へと転換される。逆もまた同じ。
"魄柱・彩花”:すなわち。魄柱を滅するには、彼女の命を絶つ必要がある──君の前で、"ビー"が発した懸念。
久遠仁:「…………」
久遠仁:焦燥と裏腹に、思考はどこまでも澄み、冴え切っていく。
久遠仁:その統制を齎しているのは、ただ一つの感情──憤怒。
久遠仁:物言わぬ兜、誰にも見せぬその内側で、灼けつくような怒りが心を焦がしていく。
"サンディーヴァ":「このまま……私が死ぬまで燃え尽きないのか」
"サンディーヴァ":黒と赤の交じる熱の向こう。女の声がする。
"サンディーヴァ":「なるほど、随分と性質が悪いね」
"サンディーヴァ":「だけど、君は無事だ。使い手までもが焼かれる訳じゃない」
"サンディーヴァ":身を焦がす──穂村姫乃の放った焔が、
"サンディーヴァ":「ならば、私のものにしてしまえば良い」
"サンディーヴァ":血のような真紅ではなく、闇色に染まっていく。
"サンディーヴァ":《状態復元》HP5点喪失。邪毒を回復します。
穂村 姫乃:「お主に性質が悪いと言われるのは釈然とせんの」
穂村 姫乃:黒く染まりゆく炎を見ながら少しだけ唇を尖らせた後。
穂村 姫乃:「まあでも、儂が今操る分まで掌握できるわけでもあるまい。それなら」
穂村 姫乃:「燃え尽きるまで繰り返すだけじゃ」
穂村 姫乃:もう一度、にいと唇を吊り上げて笑う。
GM:イニシアチブ0。亜藤さんと永良さんの手番です
亜藤 蘭介:ではお先に。
亜藤 蘭介:意志判定します。
GM:あ、そうですね 行動前に意志判定をどうぞ
亜藤 蘭介:目標夢界汚染値は5。
亜藤 蘭介:4dx+4>=5
DoubleCross : (4DX10+4>=5) → 9[5,7,8,9]+4 → 13 → 成功
亜藤 蘭介:まだ舞える
GM:無事に行動できます。
亜藤 蘭介:"サンディーヴァ"に P感服/N○打倒 でロイスを取得しタイタス昇華。
亜藤 蘭介:不利な効果を全て打ち消します。
GM:OK
亜藤 蘭介:よって硬直と邪毒、行動値減などが解除!
亜藤 蘭介:マイナーで"サンディーヴァ"と彩花に接敵。戦闘移動。
亜藤 蘭介:メジャー、コンボ:"Doislash"。《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》+《砂の加護》+《砂塵霊》+《ドッペルゲンガー》
亜藤 蘭介:対象は"サンディーヴァ"
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を15(→ 15)増加 (95 → 110)
GM:命中どうぞ
亜藤 蘭介:16dx7+6
DoubleCross : (16DX7+6) → 10[1,1,2,2,3,4,5,6,6,6,6,7,8,9,9,10]+5[2,2,2,4,5]+6 → 21
亜藤 蘭介:出目…
"サンディーヴァ":回避したい……だが暴走中なのでリアクションなし
GM:ダメージどうぞ。
亜藤 蘭介:3d10+40
DoubleCross : (3D10+40) → 17[4,10,3]+40 → 57
亜藤 蘭介:装甲無視。
"サンディーヴァ":《氷雪の守護》軽減します。
"サンディーヴァ":57-6d10
DoubleCross : (57-6D10) → 57-28[2,4,3,5,4,10] → 29
"サンディーヴァ":いくらか通りましたが元気です。
GM:演出どうぞ。
亜藤 蘭介:黒炎纏うその女の先で。揺らりと立ち上がる男の影がある。
亜藤 蘭介:燃えている。
亜藤 蘭介:その男の背が、腕が、握る刃が。
亜藤 蘭介:己の命と絆の薪を焚べて。僅かに行使出来る発火能力を内外へ。
亜藤 蘭介:身中を蝕むレネゲイドも。体外で咲き乱れる無数の花弁も。その全て。
亜藤 蘭介:燃えている。
亜藤 蘭介:その男の魂が、瞳が、握る刃が。
亜藤 蘭介:その姿が。
亜藤 蘭介:《炎の理》
亜藤 蘭介:陽炎のように霧散する。
亜藤 蘭介:ふたりの
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:亜亜藤藤蘭蘭介介
亜藤 蘭介:がががががががが
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:揺
亜藤 蘭介: れ
亜藤 蘭介: て
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介: 交
亜藤 蘭介: 差
亜藤 蘭介:し
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介: 一
亜藤 蘭介: 振
亜藤 蘭介: り
亜藤 蘭介: の
亜藤 蘭介: 刃
亜藤 蘭介: が
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:その領域を。
亜藤 蘭介:その支配を。
亜藤 蘭介:その地獄を。
亜藤 蘭介:その苦痛を。
亜藤 蘭介:その後悔を。
亜藤 蘭介:その呪いを。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:断ち
亜藤 蘭介: │
亜藤 蘭介: │
亜藤 蘭介: 斬らんと。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:瞬く間、"サンディーヴァ"の眼前で。
亜藤 蘭介:夢と現の境を引くように。
亜藤 蘭介:燃え盛る黒炎、塗りつぶされた闇の澱に。
亜藤 蘭介:一筋の白炎を刻み込まんと刃が振るわれる。
"サンディーヴァ":"サンディーヴァ"の闇の澱は、万色の因子の重なりであると同時に
"サンディーヴァ":触れるものを己へと同化する支配統一領域。
"サンディーヴァ":人の心であろうとも、神の焔であろうとも、己へ向けて振るわれる刃であろうとも
"サンディーヴァ":溶かし、沈ませ、封じ込めんとする漆黒の防壁となる。
"サンディーヴァ":──闇が、女の手が、振り下ろした刃に纏わり付く。虚脱・酩酊・力と意志を奪わんとして。
亜藤 蘭介:闇影のその向こう。振り抜いた刃を通して、確かに肉を断った感触は有る。
亜藤 蘭介:が。
亜藤 蘭介:「(直前で、腕が─────)」
亜藤 蘭介:振り抜く寸前。僅かに脱力した力と。
亜藤 蘭介:命を賭してでも、奴を斬る覚悟が。
亜藤 蘭介:「鈍ったか」
亜藤 蘭介:次なる手が迫る前、跳ねるように後方へとその身を退けて。
亜藤 蘭介:刃の柄が割れんばかりに、握る力を強めていく。
"サンディーヴァ":「──か、ふっ」
"サンディーヴァ":影に、斬線が走る。
"サンディーヴァ":闇の帯もろともに斬り裂かれた。理外の領域に包まれたその奥にある、生身の肉体から、血が噴き出す。
"サンディーヴァ":「これは……初めてだな。私がこんな風になってから」
"サンディーヴァ":刃の腹を蹴りつけ、踊るように距離を取る。初めて後退した。
"サンディーヴァ":「こと戦闘に関して、力不足かもしれないなんて思うのは」
"サンディーヴァ":僅かに、君達が押している。そうでなくとも元より、多くの敗北を知っている。
"サンディーヴァ":故に、その眼に油断はない。
亜藤 蘭介:「羨ましい限りだ」
亜藤 蘭介:「俺は、生まれてからずっと」
亜藤 蘭介:「それを抱えて、生きている」
GM:行動値0。永良さんの手番です
GM:意志判定をどうぞ
GM:汚染値0なのでファンブルでなければ成功です。
永良ゆづり:5dx+2>=0 <意志>一品ケット
DoubleCross : (5DX10+2>=0) → 10[3,8,9,9,10]+10[10]+6[6]+2 → 28 → 成功
GM:行動権利を確保しました。行動どうぞ。
永良ゆづり:ロイス:日下部ルリカをタイタス化して昇華。
永良ゆづり:自身の不利な効果を解除。残ロイス3個。
永良ゆづり:マイナーで接敵
永良ゆづり:メジャー《C:ハヌ》《音速攻撃》《獅子奮迅》範囲(選択)化
永良ゆづり:対象は"サンディーヴァ"のみ。
GM:命中どうぞ
永良ゆづり:束沙のNPCカード①使用。判定ダイス+10個、攻撃力+10。
永良ゆづり:(11+10)dx7+6
DoubleCross : (21DX7+6) → 10[1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,7,7,7,7,8,9,9,10,10,10]+10[1,2,3,5,5,6,7,9,9,10]+10[4,6,9,9]+3[1,3]+6 → 39
羽海束沙:バディムーブもいる?
永良ゆづり:バディムもちょうだい!
羽海束沙:どうぞ 達成値+3です。
永良ゆづり:では達成値42
"サンディーヴァ":暴走中のためリアクションなし。
GM:ダメージどうぞ。
永良ゆづり:(5+1)d10+10+14 装甲無視
DoubleCross : (6D10+10+14) → 27[2,5,5,6,7,2]+10+14 → 51
"サンディーヴァ":《赤河の支配者》軽減します。
"サンディーヴァ":1D10+14
DoubleCross : (1D10+14) → 8[8]+14 → 22
"サンディーヴァ":22減らして29点に
永良ゆづり:侵蝕+8で111に。以上
GM:演出どうぞ!
永良ゆづり:未だ煌々と木々を燃え散らす、赤と黒の焔を裂くように。
永良ゆづり:獲物を狙う毒蛇のごとく、白き閃塵が音無く忍び寄る。
永良ゆづり:最中。指に嵌め込んだ金輪を支点に、峨嵋刺を掌で旋回させ、
永良ゆづり:煙を十把一絡げに巻き込み、重ね合わせ、一撃に籠めるべく凝縮。
"サンディーヴァ":ぐるり、と人形めいて身体を捻り反応している。いかに音なく迫ったとしても、この距離で展開した領域の主に死角はない。
"サンディーヴァ":左手、硬質化した腕甲で刃を受けるべく突き出しながら。
"サンディーヴァ":右手の指に、黒い焔を曳いて振るう。カウンターを狙う動き。
羽海束沙:──その流れを捉えている。超音速に匹敵する身体操作と反応を持つのだとしても
羽海束沙:二人で挟み撃つ瞬間には、選択肢はひどく制限される。踏み出す脚の経路上に置くようにして、地を這う如き経路の弾丸が放たれている。
"サンディーヴァ":銃声を聞いている。故に、その狙いすらも捕捉している。だが、防御のために僅かに姿勢が崩される。
永良ゆづり:充分だ。瞬きに等しき影の揺らぎを縫うように間合いを詰め、懐に潜り、肉薄。
永良ゆづり:靴裏が食い込む程に地を踏み抜き、淀みなき動作が標的を捉える。
永良ゆづり:峨嵋刺が貫き穿つは、"サンディーヴァ"が心の臓腑。
永良ゆづり:全身に伸びる血脈の中枢。オーヴァードであれば、則ちレネゲイドの炉心。
永良ゆづり:白き軌跡が影を抉り────炸裂。焦熱。延焼。
永良ゆづり:刺突を介して、体躯の中に流し込まれた白煙が牙を剥き。
永良ゆづり:溢れ出す黒き澱すら掬い上げ、遍く燃料として焦がしつくし。
永良ゆづり:黒き焔を、更なる赤で塗り潰す。
"サンディーヴァ":──必殺の間合に踏み込まれた。彼女の頭脳が、瞬時にそう理解したとしても
"サンディーヴァ":身に纏う数十人分のレネゲイドの全てが、その思考速度に追いつき束ねられる訳ではない。
"サンディーヴァ":人と技(エフェクト)の間に、ラグが生じる。故に、
"サンディーヴァ":「っ──!」腕を伸ばし、逆に君を抱き寄せるような動き。心臓から僅かに狙いを逸らす。
"サンディーヴァ":だが、発火する。レネゲイドの満ちたその肉体であれば、たとえ炉心そのものでなくとも
"サンディーヴァ":一人の身を焼き焦がす火焔を生み出すには、十分に過ぎる。
"サンディーヴァ":「っ、あ……ああっ……!」
"サンディーヴァ":苦悶を漏らす。黒と赤が混じり合う。身を融かす熱に削られた肉体に、闇が注がれて再生していく。
永良ゆづり:「(──出力は無尽蔵だが、束ねた権能の制御に穴と振れ幅がある)」
永良ゆづり:「(当然だ。能力など千差万別、意図的に全てを掌握するなど至難のはず)」
永良ゆづり:「(だからこそ、白煙の強化を跳ね退けることができない)」
"サンディーヴァ":「君、今の……」
"サンディーヴァ":息を切らしながら、引き寄せた永良の身体を投げるようにすかして間合を取り直す。
"サンディーヴァ":「……その距離で、私の心臓に引火させて。生きていられると思ったの?」
永良ゆづり:「……気遣いは不要だと何度言えば分かる」
永良ゆづり:「貴女こそ、随分と辛そうな顔をしておいて」
"サンディーヴァ":「辛いって? そりゃあ、辛いよ。今更だ」
"サンディーヴァ":「みんながいなくなった、あの時から」
"サンディーヴァ":「生きていることが辛くない時間なんて、一秒だってない」
"サンディーヴァ":「それに比べれば……この程度の、傷なんて」
"サンディーヴァ":「"足りない"よ。私が負うべき罰には、ずっと」
永良ゆづり:「……つくづく」
永良ゆづり:「私と同じ抱え方をする女だ」
永良ゆづり:「本来なら、そんな重い罪なんて一人が背負い切れるものじゃない」
永良ゆづり:「ただ、貴女は背負うだけの力を備えてしまっていたから」
永良ゆづり:「それが、楔になってしまった」
永良ゆづり:「背負ったつもりで、ずっと逃げ続けただけの私にとっては」
永良ゆづり:「"桜崎ニア"はとても、眩しくて」
永良ゆづり:「……貴女はとても、辛そうだ」
永良ゆづり:「例え我々を打ち倒し、夢界が元の姿を取り戻したとしても」
永良ゆづり:「その辛さはきっと、潰えることはない」
永良ゆづり:「貴女が一番、よく分かっているんじゃないか」
"サンディーヴァ":「きっと、そうだろうね」
"サンディーヴァ":「それでいいとさえ思ってる」
"サンディーヴァ":「私は、自分の幸せなんてものは捨てたんだ」
"サンディーヴァ":「私はただ、この夢界の守り手であり続ける」
"サンディーヴァ":「自分の傷を癒やすことも、みんなと交わることもなく。見送り続ける」
"サンディーヴァ":「そうでなければ、償いにならない」
永良ゆづり:「……その覚悟。貴女が抱えてしまった、もう一つの楔」
永良ゆづり:「だから、見るに堪えないんだよ」
永良ゆづり:「交わればいい。癒せばいい。守ることと相反しないはずだ」
永良ゆづり:「自分で罪を重くして、自分で楔を打ち付けて、自分で首を絞め続ける」
永良ゆづり:「貴女の償いが"足りる"時なんて、絶対に訪れない」
永良ゆづり:「……だから、私は"いつも通り"の手筈で、貴女を解き放とうとした」
永良ゆづり:「罪を軽くできないなら。楔を緩められないなら。絞める手を止められないなら」
永良ゆづり:「無理矢理終わらせるしか、ないんだから」
永良ゆづり:「……そうすることしか、できなくて。ごめん」
GM:では、イニシアチブ。クリンナップの前に
"サンディーヴァ":《加速する刻》行動します。
"サンディーヴァ":コンボ「マーシャル・ヘイヴン」 コンボ「マーシャル・ヘイヴン」 マイナーなし、メジャー《雨粒の矢》《無形の影》《シャドースクラッチ》《シングインザレイン》《クロスバースト》《焦熱の弾丸》《紅蓮の衣》オート《バーストブレイク》
"サンディーヴァ":対象はPC全員。
"サンディーヴァ":19dx+40@10 命中
DoubleCross : (19DX10+40) → 10[3,3,3,4,4,5,5,5,6,6,6,6,7,8,8,9,9,10,10]+7[2,7]+40 → 57
GM:ガードするとダメージ+35なだけで、特にデバフ等はないです
亜藤 蘭介:ドッジ!
亜藤 蘭介:7dx+1>=57
DoubleCross : (7DX10+1>=57) → 10[1,4,5,7,9,9,10]+10[10]+2[2]+1 → 23 → 失敗
穂村 姫乃:6dx>=57 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=57) → 10[4,5,8,8,8,10]+1[1] → 11 → 失敗
久遠仁:《復讐の刃》
永良ゆづり:4dx+1>=57 ドッジ
DoubleCross : (4DX10+1>=57) → 10[4,4,5,10]+5[5]+1 → 16 → 失敗
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を6増加 (122 → 128)
亜藤 蘭介:ダメージ前に穂村さんをカバーリング。《砂の結界》
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (110 → 112)
永良ゆづり:《炎陣》で久遠くんをカバーリング
GM:OK。ではダメージいきます
永良ゆづり:侵蝕が113になって……
GM:復讐も命中とダメージの方どうぞ
"サンディーヴァ":6d10+102+5D10 ガードすると+35
DoubleCross : (6D10+102+5D10) → 35[3,10,1,10,7,4]+102+23[4,8,6,1,4] → 160
永良ゆづり:《子羊の歌》亜藤くんのダメージを私に差し替えます。
亜藤 蘭介:え……永良!
永良ゆづり:侵蝕117!即死!
GM:全員殺したはずが一人にしか届いてない……
永良ゆづり:ロイス:テロの犠牲者を昇華して蘇生。ロイス残2。これで以上。
久遠仁:コンボ【万籟】 反撃します
久遠仁:8DX8+7 リアクション不可
DoubleCross : (8DX8+7) → 7[4,4,5,5,7,7,7,7]+7 → 14
GM:OK。汚染値も上げておいてね
永良ゆづり:汚染値1!
久遠仁:2D10+30+10
DoubleCross : (2D10+30+10) → 14[6,8]+30+10 → 54
GM:つよいな……
"サンディーヴァ":軽減札なし。喰らいます。
久遠仁:1点でもダメージ通れば《血染めの獣》
久遠仁:シーン間、白兵攻撃力+10
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (128 → 132)
GM:怖……
GM:演出入ります。
"サンディーヴァ":「……っ。余計なお世話だって、言ったでしょう」
"サンディーヴァ":「結局、君のしてることは」
"サンディーヴァ":「私の背負う罪を重くするだけ」
"サンディーヴァ":「私の贖罪に、立ちはだかるということは──」
"サンディーヴァ":闇が、赤熱する。融解の法則が励起する。「──私の手にかかるってこと、なんだから」
"サンディーヴァ":展開する、一触即蒸発の死熱領域。漆黒の渦が君達もろともに世界を舐めていく。
"サンディーヴァ":融け落ちた大地が崩壊し、数十メートルの大孔が開いた。
"サンディーヴァ":塵埃が超高温化・崩壊した事による副産物としての火焔が、灼熱の地獄を生み出していく。
"サンディーヴァ":その渦中にある君達の肉体をも融かし沈ませんとして、昏いレネゲイドの波濤が押し寄せる。
永良ゆづり:「──余計なお世話は、お互い様だったじゃないか」
永良ゆづり:大地の底より押し寄せる、赤熱せし澱の渦。天城マコトの結合支配。
永良ゆづり:「無理矢理に荷を下ろして、平穏な日常を送らせてくれたじゃないか」
永良ゆづり:本人が形成した死熱領域を遥かに上回る規模と熱量。到底凌ぐことも捌くこともできまい。
永良ゆづり:「だから、こっちだって容赦はしない。無理矢理外してやる」
永良ゆづり:ならば、"押し上げる"しかない。永良ゆづりの纏う白煙が、地の底へと落ちていく。
永良ゆづり:「駄々を捏ねたって、泣き喚いたって止めはしない」
永良ゆづり:領域の外周を強制的に励起。熱量をそのままに、波濤の向きを内へと重ね尖らせていく。
永良ゆづり:「すぐ、楽にしてやる」
永良ゆづり:やがて収束しきった死熱領域を、伸び降りた白煙で握り潰し。
永良ゆづり:逆流。煙を辿って永良ゆづりの元へと誘導され、その体躯を瞬時に焦がし、燃やし、溶かしつくす。
永良ゆづり:しかし、外に逃がすことはなく。全てを内に飲み込んで消化する。
永良ゆづり:結果。我々五人を殺しきるのにすら十二分なエネルギーを、たった一人にしか使えないままに、領域は役目を終え。
永良ゆづり:最後に、塵芥とした身体を無理矢理に巻き戻し。
永良ゆづり:「……私"達"が」ぽつりと、小さく呟いた。
"サンディーヴァ":「っ……なんで」絶句する。そこに立っている永良の姿を見て。
"サンディーヴァ":とっくに限界を迎えているはずの彼女が、あれほどの熱量を身に受けて未だ尚立ち続ける事に。
"サンディーヴァ":その動揺と、全力の融解領域展開による集中の反動が。僅かな間隙を生んだ。
久遠仁:生み出されたその刹那の間隙を縫って、飛び込む影がある。
久遠仁:既に“サンディーヴァ”の眼前。表情を映さぬ仮面。刃を携えた黒衣の姿は、罪を刈り取る死神めいて。
久遠仁:「笑わせるな」
久遠仁:平時の朗らかな声音が嘘のように、冷たく酷薄な声が響く。
久遠仁:「あんたの勝手な贖罪の為に、贖えぬ罪を犯すのか」
"サンディーヴァ":「っ──!」
久遠仁:「誰よりも奪われる痛みを知っている筈の、あんたが──」
久遠仁:“サンディーヴァ”の全身から血飛沫が舞い、同時に爆炎が噴出する。“スモークスタック”の能力反応。
久遠仁:全身に返り血を浴び、煌々と燃え盛る業火に照らされて、その姿を睥睨する。
久遠仁:「俺から、その子を奪うのか」
"サンディーヴァ":闇が爆ぜる。言葉にならない苦悶が溢れる。
"サンディーヴァ":ぽつ、ぽつと。腹部から滴る血が地に溢れては蒸発していく。
"サンディーヴァ":「……そうだよ。皆の夢のために、それが必要なら」
"サンディーヴァ":業火に向かう。防御と再生に注がれた闇の澱が、にわかに晴れて
"サンディーヴァ":君の知る少女の顔が映し出される。仮面越しの君の視線を、静かに受け止めている。
"サンディーヴァ":「どんな罪だって犯すさ」
"サンディーヴァ":「恨みでも、怒りでも。いくらでもぶつければいい」
"サンディーヴァ":「皆の代わりに、それを受け止めるために」
"サンディーヴァ":「私は、ここに、生きている」
GM:クリンナップ。
"魄柱・彩花”:邪毒ダメージの処理。15点を受け、まだ生存。
GM:他はみんな邪毒解除してたかな。では進行します。
GM:2ラウンド目。セットアップから。
亜藤 蘭介:ありません。
久遠仁:なし。
永良ゆづり:《限界突破》
永良ゆづり:《凍てつく刃》をラウンド中に2回使用可能とします。
永良ゆづり:侵蝕+3で120に。以上
"魄柱・彩花”:《アクセル》《ラピッドファクトリー》《活性の霧》
"魄柱・彩花”:エネミー2体に攻撃力+15、ドッジ-2、行動値+14
穂村 姫乃:無し
GM:イニシアチブ44。"サンディーヴァ"の手番
穂村 姫乃:その前にイニシアチブで割り込みます。
GM:あっどうぞ
穂村 姫乃:神垣侵し:氷熱の軍団Lv6
穂村 姫乃:射程:視界、対象:シーン(選択)でPC4人を指定、攻撃力+24、侵蝕率+10
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を10増加 (120 → 130)
亜藤 蘭介:たすかる~!
永良ゆづり:あざます!
久遠仁:最高の神
GM:あっと、了解です。演出とかします?
穂村 姫乃:じゃあちょっとだけ
GM:どうぞ~
穂村 姫乃:度重なる戦闘によって高められた侵蝕が、百と三十年ぶりの域へと到達する。
穂村 姫乃:元よりレネゲイドの操作を得手とする穂村の業が更に冴え、常ならば適わない所業を可能とするその領域に。
穂村 姫乃:「うむ。ほどよく温まってきた」
穂村 姫乃:「皆、少しばかり熱くなるぞ」
穂村 姫乃:柏手の音が響くと同時。久遠の、永良の、亜藤の、羽海の、そして穂村自身の。
穂村 姫乃:各々の手の甲に赤い印が浮かび上がる。そこから走る鮮烈な熱が全身へと駆け巡る。
穂村 姫乃:「間違っても舐めるでないぞ。口から含めばどうなるか儂にも分からん」
羽海束沙:「舐めませんよ……人を何だと思ってるんですか」
久遠仁:「……有難い」
穂村 姫乃:それは古代よりの力を秘めた彼女の血を使用した特殊な支援。
穂村 姫乃:人としての域を踏み越えぬままに、その力だけを一時的に与える。酷く緻密で繊細な操作を要求される、正しく"神業"。
穂村 姫乃:「まあそこは冗句じゃって。ともあれ」
穂村 姫乃:「このひと時のみ、お主ら全員儂の眷属のようなもんじゃ。好きなだけ振るうが良い」
亜藤 蘭介:「一切、笑えない冗談だが……」
亜藤 蘭介:全身を漲る、まだ底に眠っていた活力を促す熱に、満足げに頷いて。「助かるよ」
永良ゆづり:「……ともあれ、ご利益はありそうね」
永良ゆづり:全身に未だ残る火傷を意に介さず、再び立ち上がる。
永良ゆづり:「ありがとう」
羽海束沙:「……そうね。頼もしいわ」率直な感想。この規格外の敵を相手にして、自分の銃撃を通すには厳しいと感じていた故の。
"サンディーヴァ":「──温まってきたのは」
"サンディーヴァ":一歩、踏み出す。その掌の上にあるのは、無数の領域の混成濃縮体。
"サンディーヴァ":「こっちも同じ」
"サンディーヴァ":繰り出されるは、生まれ落ちてより戦い競い続けた子供らの研鑽が編み出した、領域能力者の絶技。
"サンディーヴァ":人の技の極点、その一つ。
"サンディーヴァ":改めて手番に入ります。
"サンディーヴァ":マイナー、《千変万化の影》:白兵技能レベル+10
"サンディーヴァ":メジャー、「領域送掌」《コンセントレイト》《紅蓮の衣》《炎神の怒り》《煉獄魔神》《クロスバースト》《獣の力》《獣王の力》《鬼の一撃》《インスタントボム》《ブラストフォーカス》《封印の楔》《能力強奪》《能力膨張》《トータルクリメイト》《オーバーエヴォルヴ》《キトリニタスの秘儀》
"サンディーヴァ":対象は永良さん。
永良ゆづり:ひぃっ!!
"サンディーヴァ":この攻撃で戦闘不能になった場合に蘇生不可。エフェクト全封印。エフェクト一つを強奪・強奪したエフェクトのレベルを+99。対象の制限:80%/100%/120%エフェクトの使用禁止。このシーン内の侵蝕率上昇が倍。ロイス枠全てを「Dロイス:愚者の黄金」に変更。
"サンディーヴァ":となります。
永良ゆづり:ええ……
久遠仁:何言ってんだこいつ
穂村 姫乃:無茶苦茶も大概にしろ!
亜藤 蘭介:マジっすか!?
"サンディーヴァ":15dx7+30 命中
DoubleCross : (15DX7+30) → 10[1,1,1,2,4,4,4,4,6,6,7,7,7,9,10]+10[3,3,4,4,8]+4[4]+30 → 54
永良ゆづり:5dx+1>=54 ドッジ
DoubleCross : (5DX10+1>=54) → 9[1,2,7,8,9]+1 → 10 → 失敗
永良ゆづり:そうか……
永良ゆづり:そうかー……
GM:カバー等なければダメージ行きます。
永良ゆづり:……束沙のNPCカード③を使用。
羽海束沙:OK。カバーしましょう。
永良ゆづり:お願いします……
GM:ダメージロール入ります。
"サンディーヴァ":6d10+83+70 ダメージ 装甲無視
DoubleCross : (6D10+83+70) → 41[7,3,9,10,2,10]+83+70 → 194
羽海束沙:諸々のダメージと効果を受け、戦線離脱します。
羽海束沙:以後このキャラクターのNPCカード効果を使用できません。
永良ゆづり:はい……
GM:演出へ入ります。
"サンディーヴァ":気中に満ちた領域因子、その黒色が一際に濃くなる。視界が狭まる。
"サンディーヴァ":先程までのような攻撃の予備現象、ではない。闇の中に身体を隠し、間合いを詰め
"サンディーヴァ":その必殺の一撃を、標的へと叩き込むための帳。
"サンディーヴァ":──気付いた時には、既に永良ゆづりの眼前に居る。
"サンディーヴァ":開いた右手の先、漆黒の因子が螺旋している。腕を鞭の如くにしならせながら、ぴたりと押し付けるような掌底。
永良ゆづり:「────っ」音も気配もなく、叩き込まれんとする掌底。
永良ゆづり:その挙動が意味する絶技を、永良ゆづりは身を以て知っている。
永良ゆづり:"バース"シリーズを尽く平らげた"サンディーヴァ"の、領域送掌。まず、再起など不可能だろう。
永良ゆづり:だが、やれるだけのことはやったはずだ。守れるだけのものは、守り切ったはずだ。
永良ゆづり:だから、これを受け止めるのが最後の──
羽海束沙:──読んでいた。この状況で、最も消耗している相手が狙われる事も
羽海束沙:彼女の身体が、既に限界に近い事も
羽海束沙:それでも、彼女は自分が犠牲になる事を許容するだろうという事も
羽海束沙:全て、見えていた。故に
羽海束沙:暗闇の中、"サンディーヴァ"が姿を見せた時には既に銃口を向けている。
羽海束沙:"次は、貴方に近付かせない。その前に私が撃ち抜く"
羽海束沙:過去の自分の言葉が蘇る。
羽海束沙:……一度はそれを反故にした。二度目はない。
羽海束沙:羽海束沙の頭脳は、予想する。演算する。数百万通りの射撃経路を、一瞬の内に辿り尽くす。
羽海束沙:この瞬間、自分の力量で"サンディーヴァ"の動きを止め、永良ゆづりを守るための一手を。
羽海束沙:──ただ一つ、答えが出ると同時。「ごめん」と唇が動いて。
羽海束沙:銃声。肘関節に抉り食い込ませる一射。繰り出される掌底の一撃が、僅かに遅れて。
羽海束沙:そこに、己が身体を滑り込ませる。君の前に、庇い立つ。
"サンディーヴァ":予想外の介入。僅かに眼を見開くが、止める事もない。そのまま
"サンディーヴァ":羽海束沙の身体を、女の手が撃ち貫く。
"サンディーヴァ":「──領域送掌」
"サンディーヴァ":接触。発熱。無数の領域法則が、少女の体内を侵略する。
"サンディーヴァ":融解蒸発。相手の身を守る肉体構造を崩壊させ取り払い、
"サンディーヴァ":異常成長。相手の肉体を歪んだ方向に膨張させ、身体機能を衰弱させる。
"サンディーヴァ":変化錬成。相手の持つレネゲイドそのものを結晶化し、その力を封じ込めながら
"サンディーヴァ":吸収強奪。その生命力を吸い上げ、己が一部として取り込む。
羽海束沙:「っ、あ──」
羽海束沙:徒に受けた訳ではない。自身が身に纏う装甲、その最も衝撃の少ないだろう部位・箇所を選び、そこで受けるように割り入った。
羽海束沙:だが、無意味な努力だ。一つ一つが致命となる法則侵略に、同時に身を晒されては
羽海束沙:その肉体は、瞬く間に崩れ落ちる。
永良ゆづり:「────え」
永良ゆづり:一部始終を、間近で見た。それでも、理解が及ばなかった。
永良ゆづり:ただ、目の前で崩れ落ちる彼女を、抱え込む様に支えて。
永良ゆづり:「……つ、かさ?」譫言の様に零す。
羽海束沙:『えい、ら』声は出ない。臓腑も、喉も、破壊しつくされている。半分が結晶化した顔の、唇だけを魚のように動かしている。
羽海束沙:『ぶじで』
羽海束沙:『よかった』
永良ゆづり:「……なんで」
永良ゆづり:「何で、よりにもよって、それを、受けて」
永良ゆづり:変わり果てた彼女を抱えながら。地を跳ねて"サンディーヴァ"から距離を取る。
永良ゆづり:退避領域での会話を忘れたわけじゃない。覚悟はしていたつもりだった。
永良ゆづり:ただ、私は思った以上に自己犠牲が染みついていて。
永良ゆづり:大切な人に庇われることに、全く慣れていなかった。
永良ゆづり:「…………」
永良ゆづり:「分かる。分かるよ、分かる、けど」
永良ゆづり:「貴女は、きっと、正しいことをした、けど」
永良ゆづり:「そんなとこまで、真面目に、ならなくたって」
永良ゆづり:「……本当に、馬鹿がつくくらい、真面目」
永良ゆづり:少しでも負担にならぬ様、ゆっくりと地に横たわらせ。
永良ゆづり:同時に、彼女に付き従い護る様に、白き煙を纏わせていく。
永良ゆづり:「待ってて」
永良ゆづり:「ちょっとだけ、無茶するけど。でも、約束は守るから」
永良ゆづり:ゆっくりと立ち上がる。離れたくない気持ちを、無理矢理抑え込んで。
永良ゆづり:踵を返し、再び戦場へと歩み行く。
永良ゆづり:術者を止めれば、領域送掌は解除される。これも、身を以て知っていること。
永良ゆづり:ゆえに一秒でも早く。仕事を終えれば。
永良ゆづり:「──"フェザリー・リード"」
永良ゆづり:「帰ったら、怒るから。覚悟しといて」
永良ゆづり:ロイス:羽海束沙をSロイスに指定します。
GM:イニシアチブ。行動値23、久遠さんの手番。
GM:まずは意志判定をどうぞ。
久遠仁:5DX>=4
DoubleCross : (5DX10>=4) → 9[1,3,4,8,9] → 9 → 成功
GM:成功。行動をどうぞ!
久遠仁:マイナーなし、メジャー≪コンセントレイト:ハヌマーン≫+≪一閃≫
久遠仁:対象"サンディーヴァ"!
久遠仁:11DX7+7
DoubleCross : (11DX7+7) → 10[1,1,1,5,5,8,8,9,9,10,10]+10[1,2,7,8,8,9]+10[5,8,9,10]+10[1,2,9]+10[9]+3[3]+7 → 60
"サンディーヴァ":暴走、リアクションありません。ダメージをどうぞ。
久遠仁:ダメージ!
永良ゆづり:《凍てつく刃》攻撃力+1D+18。侵蝕+3
久遠仁:ありがたい!
永良ゆづり:侵蝕123!
久遠仁:氷熱の軍団も載せて……
久遠仁:7D10+30+10+10+24+1D10+18
DoubleCross : (7D10+30+10+10+24+1D10+18) → 33[8,10,2,3,4,4,2]+30+10+10+24+1[1]+18 → 126
GM:やっば
"サンディーヴァ":《デモンズウェブ》《赤河の支配者》軽減します。
"サンディーヴァ":6d10+1D10+14
DoubleCross : (6D10+1D10+14) → 37[10,4,8,4,4,7]+3[3]+14 → 54
GM:72点に軽減
久遠仁:ダメージ時≪血染めの獣≫
GM:こわいよ~
久遠仁:シーン間白兵攻撃力+10
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を8増加 (132 → 140)
GM:OK。演出どうぞ
久遠仁:「開き直って、自分を正当化するなよ桜崎ニア」
久遠仁:構えた刀をぐるりと回転させ、その切っ先を自分に向ける。
久遠仁:「あんたはただ、逃げたんだ。現実から」
久遠仁:「そして、都合の良い夢に逃げ込んだ」
久遠仁:血飛沫と共に、剣を自らの胸に突き立てる。身体を貫くかと思われた刃は、吸い込まれるように消えていく。
久遠仁:「北条サイカ(その子)を、お前と一緒にするな」
久遠仁:「その子は逃げなかった。目を背けたい、逃げ出したくなるような現実と、ずっと戦ってきた」
久遠仁:「北条は、お前よりずっと、強い」
"サンディーヴァ":「っ……。逃げた訳じゃ、ない……!」
"サンディーヴァ":「ずっと、聞こえてるんだ!感じるんだ!」
"サンディーヴァ":「みんなと一緒になってから、その声が、記憶が……!私の中で、ずっと響いてる!」
"サンディーヴァ":「……逃げた訳じゃない。叶えられなかった願いに、無念に」
"サンディーヴァ":「私は、向き合おうとしてきた! だから、こうなった……!」
久遠仁:「向き合った?」
久遠仁:「皆が──」
久遠仁:「天城が」
久遠仁:地獄めいた周囲の光景を見遣り。
久遠仁:「こんなことを望んだのか」
"サンディーヴァ":「……ッ!」
久遠仁:「いやァ」
久遠仁:身体内部の金属が血に塗れながら皮膚と肉を突き破り、変形し四肢を覆っていく。
久遠仁:形成されるのは、獣めいた威容。敵を裂き、地を掴み蹴る為の爪。外骨格。
久遠仁:「俺にはそうは思えんな」
永良ゆづり:「……悪いな、"サンディーヴァ"」手の甲に刻まれた印に繰られ、煙が夥しく密度を増す。
永良ゆづり:「貴女を解き放つ意志を変えるつもりはないが……"事情"が変わった」
永良ゆづり:獣めいて変貌した久遠仁に白煙が纏わりつき、その強度を爆破的に押し上げる。
永良ゆづり:「少しだけ、手荒くする」
久遠仁:クラウチングスタートじみた、異様な前傾姿勢。或いは、獲物を狙う獣のような。
久遠仁:ぼう、と白煙の残滓を残して、“サンディーヴァ”の視界からすら、久遠仁の姿が掻き消える。その二つ名の示す通り。
"サンディーヴァ":──優に超音速へ達する久遠の機動速度であろうとも、視認し追い越せる。そのはずだった。
"サンディーヴァ":だが、見失った。静から動へ、一瞬の意識の間隙を突く一歩。超人の速度世界で為される単純な武術技巧が、そうさせた。
"サンディーヴァ":後手を取った。それを認める。自身の身体を覆うようにして、茨めいた影の帯を展開し纏う。
久遠仁:────み し り
"サンディーヴァ":女の輪郭が闇の中に消える。触れれば対手の力を喰らい、己が懐へと引き寄せる捕食防衣。
久遠仁:巨大な掌に握り潰されたかのような、全方向からの異様な圧壊。
久遠仁:「オオォオオォオオオッ!!」
久遠仁:咆哮すらも遅れて届く。
"サンディーヴァ":「っぐ、あああッ!」
久遠仁:破壊の正体は至極単純な、超高速の殴打の嵐。
久遠仁:同時、白煙が反応。影の防護を吹き飛ばす爆炎となって巻き起こる。
"サンディーヴァ":闇の衣が爆ぜて飛ぶ。多数のレネゲイドを煮詰め練り上げた超高密度の肉体骨格が、軋み悲鳴を上げる。
久遠仁:「は────」
久遠仁:“サンディーヴァ”の濃縮されたレネゲイドを吸収し、白銀の骨格が黒く染まっていく──吸血衝動、その真髄。
久遠仁:「遅すぎる」
"サンディーヴァ":「ッ、お前……!」
"サンディーヴァ":破壊された肉体の修復も及ばない。闇色の泥と血が一緒くたになって、ぼとぼとと溶け落ちながら
"サンディーヴァ":怒りに染まった視線を向ける。
"サンディーヴァ":「……返せよ。それは」
"サンディーヴァ":その憤怒は、恐怖と一体のもの。自分が取り込んだ仲間のレネゲイドを奪われる事に対する怒り。
"サンディーヴァ":自分と、仲間との繋がりを喪失してしまう事への恐怖。
"サンディーヴァ":"それ"を欠いてしまえば、夢の中でみんなを再現する事さえできないのだから。
"サンディーヴァ":「お前なんかに、くれてやっていい物じゃない」
GM:ではイニシアチブへ。
"サンディーヴァ":《加速する刻》割り込みます。
"サンディーヴァ":マイナーなし。
"サンディーヴァ":メジャー、コンボ「サタニアン・ガーデン」《コンセントレイト》《無形の影》《シャドースクラッチ》《紅の刃》《散滅の腕》《蝕む赤》《縛鎖の空間》《完全なる世界》《張子の戦道具》《要の陣形》《ブレインジャック》
亜藤 蘭介:ヴァー!!!!
"サンディーヴァ":命中で 持続エフェクト効果解除 エフェクト武器解除 放心 重圧 自由行動権利喪失 となりますが
"サンディーヴァ":タイタス昇華効果の「不利な効果解除」を即時使用することでブレインジャックの影響も取り除けるものとします。
"サンディーヴァ":19dx+40@7 命中
DoubleCross : (19DX7+40) → 10[1,2,3,3,3,4,4,5,5,5,6,7,8,8,9,9,9,9,10]+10[2,4,4,5,6,7,8,10]+10[2,3,7]+10[8]+10[9]+10[7]+10[7]+10[9]+1[1]+40 → 121
GM:やるきがすごい
亜藤 蘭介:ワハハ
"サンディーヴァ":あ、対象はPC全員です。
亜藤 蘭介:7dx+1>=121 ドッジ!
DoubleCross : (7DX10+1>=121) → 10[1,2,9,9,10,10,10]+9[5,6,9]+1 → 20 → 失敗
GM:意志とRC、好きな方でリアクションをどうぞ。
亜藤 蘭介:あっそっちか
GM:そういう処理になるって昔QAで見た記憶
永良ゆづり:6dx+2>=121 意志品ケ
DoubleCross : (6DX10+2>=121) → 8[1,4,4,5,8,8]+2 → 10 → 失敗
久遠仁:《復讐の刃》で反撃
亜藤 蘭介:4dx+4>=121
DoubleCross : (4DX10+4>=121) → 6[5,5,6,6]+4 → 10 → 失敗
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を6増加 (140 → 146)
GM:OK。まだ命中してないので復讐の刃に氷熱とかは乗る事にします
穂村 姫乃:RCで
亜藤 蘭介:これ
GM:あ、意志とRCじゃない 回避だった
亜藤 蘭介:おお
GM:意志と回避 ガバガバなこと言ってる
穂村 姫乃:あ、じゃあ意志で
亜藤 蘭介:カバーリングはできませんよね? ダメージじゃないし…
穂村 姫乃:7dx+1>=121
DoubleCross : (7DX10+1>=121) → 9[1,1,5,7,8,9,9]+1 → 10 → 失敗
GM:この攻撃はダメージが出るやつなのでカバーできます
亜藤 蘭介:ダメージもかあ…
永良ゆづり:ダメージ出るんだ
亜藤 蘭介:ドッジはさっきふったので自分はドッジ失敗扱いで!
亜藤 蘭介:では
亜藤 蘭介:《砂の結界》で穂村さんをカバーリング。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (112 → 114)
永良ゆづり:《炎陣》。侵蝕126になり、久遠くんをカバー。
久遠仁:助かりすぎる
GM:ではダメージを出します。
"サンディーヴァ":13d10+39+36+15 諸々有効
DoubleCross : (13D10+39+36+15) → 84[9,2,1,3,10,3,8,5,9,8,7,9,10]+39+36+15 → 174
亜藤 蘭介:し……死んじゃう!
永良ゆづり:デバフ乗せてこの攻撃力エグすぎるが……
GM:命中がやたら回ったのと、常時バフが2個乗ってるので……
永良ゆづり:《子羊の歌》を使用し、亜藤君のダメージだけを私に転移。
亜藤 蘭介:永良……ァ!
GM:ダメージで持続エフェクト効果解除 エフェクト武器解除 放心 重圧 及びブレインジャック効果です
永良ゆづり:これで羊は使い切り。侵蝕は130になって
GM:ダメージなくても命中した場合はブレインジャック効果を受けます。
永良ゆづり:Sロイスを護り切るより、護りたい人が居るので。
永良ゆづり:Sロイス:羽海束沙をタイタス化し、完全蘇生……と
永良ゆづり:《反撃の旋風》受けたダメージを最大120点まで返す。
GM:ひいっ
久遠仁:すごい
永良ゆづり:侵蝕+8の138。これで以上。
久遠仁:亜藤蘭介 ○連帯感/隔意
穂村姫乃 ○尊敬/脅威
永良ゆづり ○感謝/不安
GM:復讐の刃もダメージ出してね
久遠仁:以上でロイスを取得
久遠仁:反撃します
GM:あと汚染値の処理もお願いします
GM:反撃どうぞ~
久遠仁:9DX8+7 リアクション不可
DoubleCross : (9DX8+7) → 10[2,3,3,4,5,7,8,9,10]+7[4,7,7]+7 → 24
永良ゆづり:汚染値2。
永良ゆづり:《凍てつく刃》ダメ+1D+18。
永良ゆづり:これで使い切り。
久遠仁:八面六臂すぎる
永良ゆづり:侵蝕は143。残ロイス1。これで以上
久遠仁:3D10+30+10+20+24+1D10+18 ダメージ
DoubleCross : (3D10+30+10+20+24+1D10+18) → 13[4,3,6]+30+10+20+24+8[8]+18 → 123
GM:いやえげつない
"サンディーヴァ":《虚無への回帰》復讐の刃で受けるダメージを0点にします。反撃120の方は喰らう!
久遠仁:ギーッ
永良ゆづり:なんてこと……
亜藤 蘭介:おのれ~!
亜藤 蘭介:若菜篤郎のロイスをタイタス昇華して不利な効果を全て打ち消します。
亜藤 蘭介:させん…カバーは…
"サンディーヴァ":チッ……大分ふらふらになってますが立ってます
永良ゆづり:ぐぬぬ……
GM:演出へ。
"サンディーヴァ":「……ここまでだ。こんな戦いは、もう」
"サンディーヴァ":「私が、すぐに、終わらせてやる」
"サンディーヴァ":──"サンディーヴァ"が取り込んだ幾つもの領域因子は、完全には彼女に馴染まない。
"サンディーヴァ":己が物とするまでの鍛錬。肉体への適応過程。自然に生ずるはずのそれら全てを飛び越えて手に入れた力である故に。
"サンディーヴァ":だが、この一手だけは違う。レネゲイドを種子として、樹木を生育する異能。元々の桜崎ニアが発現していた領域。
"サンディーヴァ":それを、"サンディーヴァ"の出力で以て振るう。
"サンディーヴァ":──ぎしり、と
"サンディーヴァ":樹木の軋むような音が鳴る。初めから己が因子で場を満たし、展開していた領域なれば、生育は視認し難い程の一瞬。君達の肉体は、既に怪樹に囚われている。
"サンディーヴァ":"サンディーヴァ"からの半径30メートル、空間内の一切を埋め尽くすように。闇色の木々が蜜している。
"サンディーヴァ":その数万の枝が、君達に触れると同時。肌の内へと食い込み這入る。
"サンディーヴァ":枝の先端が血管、神経へと繋ぎ留められていく。その自我を"サンディーヴァ"へと接続し、管理するために。
"サンディーヴァ":(……さあ)繋がっている。君達の頭の中から、"サンディーヴァ"の声が響く。(屈しろ)
永良ゆづり:「……桜崎ニアの、植物支配」
永良ゆづり:「頼ったな。自身が元から備えた権能に」
永良ゆづり:「それを────待っていた」
永良ゆづり:永良ゆづりの体躯に生え伸びた無数の枝が。否、この場に居る全ての者に侵入せし澱みの領域が。
永良ゆづり:急速に枯れ落ち、干乾び、痩せ細り、そして塵へと還っていく。
永良ゆづり:原理は単純だ。ただ、白煙による権能の爆発的強化により、樹木の成長速度を強制的に押し上げただけ。
永良ゆづり:追い込まれれば、必ずこの権能を使うと"信じて"いた。
"サンディーヴァ":「な──」
永良ゆづり:「……貴女自身の権能だ。絡繰りはすぐに理解できるだろう」
"サンディーヴァ":理屈は分かる。だが──己の権能の中で、紛れもなく最高の錬度を誇る領域だ。純粋な構築強度が、他とは一線を画する。
"サンディーヴァ":「そんな……たかが一人のオーヴァードの能力が」
"サンディーヴァ":「干渉できる、はずが」
永良ゆづり:「違うな」
永良ゆづり:「私は、一人じゃない」
永良ゆづり:「この場に居る者。この夢界に飲み込まれた者。外で我々を待つ者」
永良ゆづり:「……私を信じてくれる、馬鹿真面目な同僚」
永良ゆづり:「背負うことを辞めたと言ったが……それは、己が罪の話だ」
永良ゆづり:「貴女に勝る点があるとすれば、それくらい」
永良ゆづり:「────で、だ」右手で、枯れ果てた樹木の一つに触れる。
永良ゆづり:「先も言ったが、"事情"が変わった」
永良ゆづり:竈神より賜りし印に白煙が纏わりつき、煌々と赤く輝き。
永良ゆづり:「無茶を通してでも、さっさと貴女を解き放つ。そのために」
永良ゆづり:「貴女の木、丸ごと神に捧げてもらうぞ」
永良ゆづり:────ごぅ、と。赤く、紅く、朱い焔が。
永良ゆづり:瞬く間に周囲の樹々へと燃え広がり。猛々しく火力を強めていく。
永良ゆづり:火のない所に、煙は立たず。
永良ゆづり:ならば────ありったけの火を注ぎ込んでやれば。
永良ゆづり:瞬間。夥しく膨れ上がる白き煙が、神の火を種として芽生え、育ち、昇っていく。
永良ゆづり:この場で永良ゆづりが見せた白煙とは、比べ物にならぬ密度と質量を蓄えながら。
永良ゆづり:忽ちに、天へと昇っていく。
永良ゆづり:その姿は。威光と異形を備えた、世界を喰らいし神蛇のごとく。
永良ゆづり:白き奔流は、小さな森を軽々しく覆い尽くし。
永良ゆづり:永良ゆづりが与し、信ずる者の力を奮い立たせる。
永良ゆづり:「────久遠さん。力を貸してください」
永良ゆづり:「戦いを、すぐにでも、終わらせるために」
久遠仁:「勿論」
久遠仁:その言葉、発したその音の波が、鼓膜を震わせるよりも速く。
久遠仁:白い帳の中から、“サンディーヴァ”へと躍り出る影がある。
久遠仁:刹那の領域。限りなくゼロに近い速度で加速、跳躍、肉薄。
久遠仁:久遠本人のトップスピードに遅れぬ速度で、外骨格が変形する。
久遠仁:右脚に集中した金属は、巨大な刃を形作り
久遠仁:絶速の回し蹴りと共に襲い来るそれは、影も音もなく振るわれる、首刈りの鎌そのもの。
久遠仁:常人、否、並のオーヴァードであれば、視認すら許されぬ域のそれは──
久遠仁:同時に、視認『出来てしまう』者であれば、全力を以て対応を余儀なくされる。
"サンディーヴァ":──そうだ。今度は、その出足を見失っていない。全てその眼に映し、理解している。
"サンディーヴァ":徒に受ければ、その一撃が己にとって致死ともなる事をも。
"サンディーヴァ":再三の戦闘で欠損し、修復の間に合っていなかった右腕が。一瞬にして膨張する。
"サンディーヴァ":再生したのではない。己の右腕を放棄して、それがあった場所に樹の腕を生やしている。
"サンディーヴァ":瞬間的に、己の全霊を込めた領域生成。一点に集中させたそれを以て受ける。
"サンディーヴァ":──戟音。黒い火花が散る。
"サンディーヴァ":その樹は触れるレネゲイドの一切を溶かし喰らう。"ロストシグナル"の振るう外骨格であろうとも。それがレネゲイド由来の構築物であるのならば、鍔迫り合いと共に溶かし取り込む。
"サンディーヴァ":全身を覆っていた澱が、瞬間的に右腕に収束している。他を捨てた、紛れもなく全力の構築密度。たとえ煙が爆ぜようとも、今度は霧散する事はない──
永良ゆづり:────否。
永良ゆづり:右腕に纏いし闇樹の鎧は、形成された瞬間から尽く衰え、枯れ果てていく。
永良ゆづり:この森は白き影で満ちた。ゆえに、桜崎ニアが発現させた澱みの樹々は。
永良ゆづり:一切の例外なく、最盛の時を刹那へと堕とされる。
"サンディーヴァ":「──な、っ」
"サンディーヴァ":"指先"の感覚が喪失する。そこにあったはずの樹腕が見る間に朽ちていく。
久遠仁:(────流石だ)
久遠仁:言葉もなく理解する。同時、即座に身体が動く。
久遠仁:空中、朽ちゆく黒樹を素手で掴む。身体を捻り、更に回転。
久遠仁:外骨格が蠢く。右の脚から左の脚へ。
久遠仁:刹那の攻防、風は止まない。神速は未だ、死んではいない。
久遠仁:「オ────ラァアアアアアアァアッ!!」
久遠仁:獣の咆哮。無防備なその身体に、必殺の蹴撃を叩き込む。
"サンディーヴァ":「──ッ!!」徒手隻腕となった身体で、なおも反応するが
"サンディーヴァ":己の自信を砕かれたこと。対手の鬼気気魄。それらに対する萎縮が、僅かに遅らせた。
"サンディーヴァ":「が、あっ……!!」
"サンディーヴァ":防ぎきれない。刃と化した久遠の肉体が、突き出した左腕ごと正中を斬り裂いた。
"サンディーヴァ":「っ……あ、こんな……っ」
"サンディーヴァ":文字通り、肉体を二つに分かたれている。再生は追いつかない。
"サンディーヴァ":黒い樹木を義肢として生やし、左の手脚を補修する。かろうじて踏み留まりながら、大きく息を切らす。
"サンディーヴァ":「……あり得ない。ふざけるな。そんな、こと……」
"サンディーヴァ":永良ゆづりを睨みつける。その瞳にある色は、怒りと絶望の入り混じったような。
"サンディーヴァ":「一人じゃない事が、そこまで人を強くするって言うなら」
"サンディーヴァ":「強くなるために、一人になるために、殺し合わされた私達は」
"サンディーヴァ":「そうまでして手に入れた、この力は」
"サンディーヴァ":「一体、なんだったって、言うのよ……!」
"サンディーヴァ":領域の主が慟哭する。世界が揺れる。その波に応じて、"サンディーヴァ"の精神干渉が深化する。
GM:そして、君達は刹那に幻視する。その少女の痛苦の記憶。"桜崎ニア"が死に、"サンディーヴァ"が生まれた刻の──
桜崎ニア:……負けた、と思った。
桜崎ニア:極限まで膨張した能力を制御し切れず生まれた、一瞬の間隙。
桜崎ニア:……"メルクリカル・スカイ"の最期の攻撃は
桜崎ニア:自分の中にあって、自分ではないものへと向けられていた。
桜崎ニア:(……ああ、私は)
桜崎ニア:("助けられた"のか)
桜崎ニア:愕然とする。
桜崎ニア:命の奪い合い、その終局にあって──ただ相手を生かすことを考えた少女の生き様、その眩しさと。
桜崎ニア:相手を蹴落とし生き延びるためだけに動き続けた自分自身の、浅ましさに。
桜崎ニア:優しい人になりたいと言いながら、結局、これが私なんだと。
"ヴィローシャナ":「──ああ。これにて、実験終了だ」
"ヴィローシャナ":「おめでとう。この戦いを生き延びたのは、君だ」
GM:白衣の女が現れる。"ヴィローシャナ"。
"ヴィローシャナ":「言っておくが、変な気は起こすなよ。君の身体は私に逆らえない」
"ヴィローシャナ":「君を生かすつもりなのも本当た。無論、自由にする気はないがね」
"ヴィローシャナ":「さあ、私の成果物よ。最後の仕上げと行こう」
GM:ごろん、と。肉塊が転がる。少女の目の前に差し出されたそれは
GM:首と胴の切り離された、天城マコトの遺骸。
桜崎ニア:「……っ」
"ヴィローシャナ":「折角の濃縮実験だ。彼の協力を得られなかったのは、残念ではあるが」
"ヴィローシャナ":「元より反逆の意志は固かったようだからね。妥当な判断ではあった……彼の死を見せつけた事で、君達の大半は実験に協力的になってくれた」
"ヴィローシャナ":「だが、どちらにしても。"1位"のレネゲイドを取り込まない手はない」
"ヴィローシャナ":「さあ、そいつを喰らえ。そうして、君の領域段階はまた一つ果てへと近づく」
"ヴィローシャナ":「それが済んだら、供物の時間だ」
"ヴィローシャナ":「君の身体に流れる血を、この匣へと返して貰う」
GM:女が懐より取り出す。遺産"モングレル・チェスト"。それより出でた血を以て人々に力をもたらす遺産。
GM:その契約代償は、より濃い血。
GM:眷属らを蠱毒濃縮する事で生まれる、さらなる力。
GM:遺産の力に魅入られたこの女と、そして歴代の契約者らは
GM:この匣に仕え、ただ死血輪廻を繰り続ける存在として生きている。
"ヴィローシャナ":「そうして、以前より凝縮された血と呪いが。次なる"バース"の世代を生み出す──」
GM:言葉を切る。"ヴィローシャナ"が違和感に気付くまでに、数秒。
"ヴィローシャナ":「……おい。"そいつを喰らえ"と言ったはずだが──」
GM:"モングレル・チェスト"の血を分け与えた事による契約拘束は、絶対だ。
GM:「喰らえ」と言われたなら、その言葉に逆らえる筈がない。
GM:……だが、目の前のこの少女は
GM:目を伏せ、遺体を見つめたまま動かない。……何故?
"ヴィローシャナ":「っ──!!」
GM:可能性に思い至った女の頬に、冷や汗が走ると同時。
GM:漆黒色の樹木が"ヴィローシャナ"の肉体を捕らえ、骨を抱き締め砕いている。
"ヴィローシャナ":「かっ……あ」
"ヴィローシャナ":「き……貴様っ、何故……!!」
GM:少女の瞳にもはや怒りはない。ただ冷淡な殺意の色が、"ヴィローシャナ"へと向けられている。
桜崎ニア:「……お前を殺すのは、一番最後だ」
桜崎ニア:「死んだ人間が、後悔することはない。絶望する事も、泣き叫ぶ事もできない」
桜崎ニア:「だから、お前が一番最後」
桜崎ニア:「……ああ」
桜崎ニア: 感嘆。それは、思念一つで目の前の相手を無力化できた、自分自身に対しての。
桜崎ニア:「私……こんなに、強くなってたんだ」
GM:感じていた。自らの肉体の内なる潮流。
GM:体内で混ぜ合わされていくレネゲイドの熱が、束ねられ、一筋の力へと成っていく。
GM:一個の濃縮体として「完成」する過程において
GM:声が/力が/記憶が、彼女の意識の中で混ざり合っていく。
桜崎ニア:「……そっか」
桜崎ニア:「そこにいるんだね、みんな」
GM:……故に、錯覚する。夢を見る。
GM:彼らはとうに死んでいるのだとしても。
桜崎ニア:「手を貸してくれるんだね。こんな私に」
GM:その現実を受け止めるには、少女の心の器はとうに壊れていた。
桜崎ニア:「……みんな、ありがとう。だけど」
桜崎ニア:「私には、もう。みんなの仲間でいる資格はないんだ」
桜崎ニア:「それが、よく分かった。ルリカに教えられた」
桜崎ニア:「だから……この力は。せめてもの償いのために」
桜崎ニア:「この身体は、皆の怨恨と苦痛を、一手に引き受けるために」
GM:その思考は自己完結する。他と交わる事なく、ただ一人で辿り着く。既にジャームと化しているが故に。
桜崎ニア:「……そうだ。私なんかが、こうまでして生き延びたのは」
桜崎ニア:「私のこの力の意味は」
桜崎ニア:「全部、そのためだったんだ」
桜崎ニア:「そうに決まってる」
桜崎ニア:「……そうでなければ」
桜崎ニア:「私なんかが生きている事の、説明がつかない」
桜崎ニア:「──やっと、分かったよ。マコト」
桜崎ニア:「自分がどれだけ傷付いたって」
桜崎ニア:「自分の中の何を差し出したって」
桜崎ニア:「私はいま、みんなに尽くしたくて仕方がない」
桜崎ニア:「ああ……これが」
桜崎ニア:「これが、"優しい"って事なんだね……」
桜崎ニア:──罪と呪いを背負い、生きていくと決めた。
桜崎ニア:だから、貴方にもらったこの名前は返そう。
桜崎ニア:私にはもう、相応しくないから。
桜崎ニア:……ああ、そうだな。地獄がいい。
桜崎ニア:いつか本で読んだ。無益な争い、殺生の罪業を負って死んだ者が落ちる場所。
桜崎ニア:永劫にも近い時間、罪が雪がれきる事はなく。傷つけ合い。苦しみ続ける──きっと、そのような名こそが
"サンディーヴァ":これからの私には、相応しいだろうから。
"サンディーヴァ":「……まだだ」
"サンディーヴァ":「私は、こんな所では終わらない。終わっては、いけない」
"サンディーヴァ":「私は、"サンディーヴァ"。この身は、この生命は」
"サンディーヴァ":「天に還すには、まだ穢れ過ぎている」
"サンディーヴァ":霧散したレネゲイドが、もう一度。"サンディーヴァ"の元へと収束し始める。
"サンディーヴァ":魄柱の枝枝が、主人へと課し付くように枝を垂れ伸ばす。
"サンディーヴァ":大樹より注がれた生気を以て、引き裂かれた肉体を修復した。
GM:……それは、即ち。魄柱へと繋がれている少女の命もまた、注がれているという事だ。
"魄柱・彩花”:「っ……」虚ろな表情が、俄に苦痛に歪む。
"魄柱・彩花”:だが、それで折れる少女ではない。敵意は消えていない。
久遠仁:「……北条……!」
久遠仁:「“サンディーヴァ”……!殺す気か、その子を!」
"サンディーヴァ":「……殺したくは、ないよ。私の望む夢界を作り上げるのに必要な、この子の特質は」
"サンディーヴァ":「まず見つかるものじゃないだろう。だけど……」
"サンディーヴァ":「確率は0って訳じゃない」
"サンディーヴァ":「代わりのできるものがいない私が死ぬよりは」
"サンディーヴァ":「いくらかマシだ」
久遠仁:「……」
久遠仁:「……そうか」
久遠仁:「とっくに壊れてるんだな、あんた」
久遠仁:怒りと憐憫の入り混じった声が響く。
久遠仁:「だから、夢の中で────」
久遠仁:「かつての仲間の、代わりを作った」
久遠仁:「関係のない人を、巻き添えにして」
久遠仁:「その人たちもきっと、誰かにとっては代わりの無い存在だというのに」
久遠仁:「あんたは自分の痛みを、他人に押し付けているだけだ」
"サンディーヴァ":「……君達が、私のやることが許せないって言うのは」
"サンディーヴァ":「もう十分、分かったよ」
"サンディーヴァ":「そっちだって、同じでしょう。分かってるはずだ」
"サンディーヴァ":「今更、何を説かれた所で」
"サンディーヴァ":「私はもう、止まらない。止まれない」
久遠仁:「ああ」
久遠仁:「だから、止めてやる」
久遠仁:「……俺には」
久遠仁:「その子の代わりは、いない」
GM:イニシアチブ14。魄柱・彩花の手番。
"魄柱・彩花”:メジャー「ブルーム・ブレイド」 《コンセントレイト》《アドレナリン》《シャドーテンタクルス》《原初の赤:渇きの主》《深き傷痕》《混色の氾濫》
"魄柱・彩花”:対象はPC全員。
"魄柱・彩花”:14dx7+10 命中
DoubleCross : (14DX7+10) → 10[3,3,3,3,4,6,6,8,9,9,9,9,10,10]+10[1,3,4,5,6,8,9]+10[1,9]+5[5]+10 → 45
亜藤 蘭介:ドッジ!
亜藤 蘭介:7dx+1>=45
DoubleCross : (7DX10+1>=45) → 7[1,3,3,4,4,7,7]+1 → 8 → 失敗
穂村 姫乃:ドッジ
GM:命中で次の攻撃が-10と邪毒4です
穂村 姫乃:4dx>=45
DoubleCross : (4DX10>=45) → 10[3,7,7,10]+4[4] → 14 → 失敗
久遠仁:9DX>=45 ドッジ
DoubleCross : (9DX10>=45) → 10[4,4,6,6,7,8,8,10,10]+10[2,10]+8[8] → 28 → 失敗
久遠仁:頑張った
亜藤 蘭介:すごいな?
永良ゆづり:6dx>=45 ドッジ
DoubleCross : (6DX10>=45) → 10[1,1,7,7,7,10]+1[1] → 11 → 失敗
亜藤 蘭介:ダメージ前に《砂の結界》で永良さんをカバーリング。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2(→ 2)増加 (114 → 116)
永良ゆづり:ありがとう~~!!
"魄柱・彩花”:5d10+35 ダメージ
DoubleCross : (5D10+35) → 36[3,4,10,10,9]+35 → 71
亜藤 蘭介:死にゅ……
亜藤 蘭介:水上ケイのロイスをタイタス昇華し復活。HP14。汚染値6。
久遠仁:HP0、天城マコトのロイスを昇華して復活します 汚染値5
穂村 姫乃:死ぬので、永良に〇連帯感/心配でとってタイタス化。HP13で汚染値6。
"魄柱・彩花”:こちらは渇きの主の効果で回復します。
GM:では演出。
"魄柱・彩花”:「っ、あ……はあっ……」
"魄柱・彩花”:息を乱している。戦闘以前から既に、他の魄柱の生成や夢界の維持に力を注いでいた。
"魄柱・彩花”:その制御者である"サンディーヴァ"が追い詰められるにつれ、彼女の肉体にかかる負担は増している。
"魄柱・彩花”:(……喉が、渇く……)
"魄柱・彩花”:木の根が水を求めるように。あるいは、彼女自身の吸血衝動に促されるようにして。
"魄柱・彩花”:昏い枝々が、波濤の如くに地を這いて伸びる。君達の手脚を絡め取り、生気を吸い付くさんと。
"魄柱・彩花”:再び、視界に闇の花弁が舞い散る。甘い芳香が五感を狂わせ、攻撃に対する抵抗を消散させんとする。
亜藤 蘭介:亜藤蘭介が能力を行使する際。その殆どは物体を媒介に己がレネゲイドを注力する。
亜藤 蘭介:己のレネゲイドの浸透率が一番高いのは、"土"。
亜藤 蘭介:故に。吸血の枝、それが地に伸びた瞬間の間に。
亜藤 蘭介:攻撃の出起こりを察知すると共に、地面が隆起し、次第に人の形を象ったそれが。己を絡み取らんとした蔦の身代わりとなり、砕け散って。
亜藤 蘭介:咄嗟に駆け寄った先。永良ゆづりの体躯を突き飛ばし。
亜藤 蘭介:「──────っ、ぐ」
亜藤 蘭介:耐え難き吸精と陶酔の前に、身に咲いた花弁を散らしながら地に伏せる。
永良ゆづり:「っ、亜藤、さ──」咄嗟に受け身を取ろうとして、立ち上がれず。
永良ゆづり:「(……あれ。力、入らない)」
永良ゆづり:腕は小刻みに震え、脚はだらんと地に崩れたまま。
永良ゆづり:十数回に渡る致死からの蘇生と、無尽蔵の出力を誇るオルクス能力者への領域干渉。
永良ゆづり:人としての限界はゆうに超え。森に満たされた白煙も少しずつ霧散し。
永良ゆづり:もはや戦うこともままならないのなら。せめて、謝罪を。
永良ゆづり:「ごめん、なさ……」
永良ゆづり:──違う。
永良ゆづり:「……いえ」
永良ゆづり:満足に動かなくなった身体へ白煙を纏わせ、失われた筋力の代替とし、立ち上がる。
永良ゆづり:"せめて"が罷り通るなら。まだ、一矢を報いる余地があるはず。
永良ゆづり:「助かりました」
亜藤 蘭介:淀む意識。歪む視界。
亜藤 蘭介:既に疲労困憊。とうに限界を越えた能力の多重行使。その身を呈し俺たちを支え続けた戦士。
亜藤 蘭介:倒れゆく彼女の姿を、誰が責めることが出来ようか。
亜藤 蘭介:だが、知っている。
亜藤 蘭介:"スモークスタック"永良ゆづりは。
亜藤 蘭介:「構わん」
亜藤 蘭介:消えそうな程に掠れた声。
亜藤 蘭介:しかし、此度もまた。立ち上がった彼女の背を目に映し、口の端を歪めて。
亜藤 蘭介:「(強い子だ───)」
穂村 姫乃:木の根から逃れる素振りはない。元より身体能力に優れてはないのだから、無駄な行動に意識は割かない。
穂村 姫乃:抵抗を減じようとする甘い香りの中、ただ一心に自身のレネゲイドを制御する。その結果。
穂村 姫乃:枝が触れた個所が一瞬にして燃焼し灰と化す。決して血を吸収してしまうことが無いように。
穂村 姫乃:「全く。何でも口に入れてはいかんと教わらなかったのか?」
穂村 姫乃:結果として体の体積の4割ほどが能力を失った灰と化していく中、サイカを揶揄うように笑いかける。
穂村 姫乃:人の子たちが誰一人として倒れない中、神が真っ先に退場など。到底らしくはないのだから。
"魄柱・彩花”:「っ……」なおも立ち上がる君達を見て、唇を噛む。「なんで……」
"魄柱・彩花”:「諦めて、くださいよ……あたしだって、できることなら」
"魄柱・彩花”:「貴方達を、わざわざ殺したくはない、のに……!」
"魄柱・彩花”:ジャームと結合し、感情を操作され、無数の力を行使されながらも尚。少女の精神には、どこか本来の善性の影が残っている。
"魄柱・彩花”:あるいは魄柱として無数のジャームの精神に干渉する中で、その末路に対する強い忌避感を育んだためか。
"魄柱・彩花”:またあるいは……いつか現の世界で交わした言葉が、その胸に残っているからか。
久遠仁:「……ふー、ッ……」
久遠仁:深く息を吐き、薄れそうになる意識を繋ぎ止める。
久遠仁:生気を求める枝に自ら腕を差し出すようにして、血を与える。
久遠仁:少しでも、少女の命が保たれるように。
久遠仁:「……5年振りかな」
久遠仁:「こうして、君に血をあげるのも」
久遠仁:状況にそぐわぬ朗らかな声色で、冗談めかして口にして。
久遠仁:「……少しは落ち着いたかい、北条」
"魄柱・彩花”:「……っ。何を、言って……いるんですか」
"魄柱・彩花”:「あたしは、敵なんですよ……!? 貴方達を、裏切って……それで……!」
"魄柱・彩花”:「そんな、自分から情けをかけるような……こと」
"魄柱・彩花”:「してもらう、義理は、ないんだから……ッ!」
久遠仁:「たとえ君がそう思っていても」
久遠仁:「俺は、君の味方だ」
"魄柱・彩花”:「……!」
"サンディーヴァ":「……耳を、貸しちゃいけない」
"サンディーヴァ":透き通るような声が、少女の耳を撫でる。
"サンディーヴァ":「落ち着いて、思い出すんだ。君が守るべきものは、何だったか」
"サンディーヴァ":「目の前のその男は、君にとって大切なその世界を、どうしようとしているのか」
"魄柱・彩花”:「……分かってる。大丈夫……何を、言われたって」
"魄柱・彩花”:はっきりと敵意を乗せた視線。その眦に涙が伝っている。
"魄柱・彩花”:「あたしはもう、迷わない……っ」
GM:イニシアチブ。行動値9、永良さんの手番です。
GM:意志判定からどうぞ。
永良ゆづり:6dx+2>=2 一品ブランケット
DoubleCross : (6DX10+2>=2) → 6[1,2,3,4,5,6]+2 → 8 → 成功
GM:成功!行動宣言をどうぞ
永良ゆづり:はいさい。マイナーなし
永良ゆづり:メジャー《C:ハヌ》《音速攻撃》
永良ゆづり:対象は"サンディーヴァ"で~~
GM:命中どうぞ!
永良ゆづり:12dx7+6
DoubleCross : (12DX7+6) → 10[1,4,5,5,7,8,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,2,4,6,6,7,7]+10[3,10]+10[9]+10[10]+1[1]+6 → 57
"サンディーヴァ":暴走なのでリアクションなし
GM:そのままダメージをどうぞ!
永良ゆづり:(6+1)d10+14
DoubleCross : (7D10+14) → 34[3,6,10,7,2,5,1]+14 → 48
永良ゆづり:装甲無視、48点
"サンディーヴァ":《隆起する大地》軽減します。
"サンディーヴァ":48-1d10-18
DoubleCross : (48-1D10-18) → 48-6[6]-18 → 24
永良ゆづり:侵蝕は147に。
GM:装甲無視痛いな……
GM:演出どうぞ!
永良ゆづり:「(……きつい、な)」
永良ゆづり:一歩踏み込もうとして、ぐらりと身体が揺れる。
永良ゆづり:辛うじて立ち上がったとはいえ、肉体が誇る本来の性能には遠く及ばない。
永良ゆづり:ならば、更に白煙を滾らせ、物量にものを言わせれば。
永良ゆづり:従来の様な強度を取り戻すことも、あるいは圧倒することも、可能かもしれない。
永良ゆづり:「(だけど、それは)」
永良ゆづり:それは、"人の身"に固執しなければの話だ。
永良ゆづり:レネゲイドに全てを委ね、己が身に巣食う衝動に身を任せれば。
永良ゆづり:即ち、ジャームになることを受け入れれば。
:
永良ゆづり:────足音が、すぐ傍に近づいている。
永良ゆづり:憎い。
永良ゆづり:大切な人を傷つけた者への"憎悪"が、ぐるぐると心に渦巻いていく。
永良ゆづり:憎い。憎い。憎い。
永良ゆづり:眼前に立つ怨敵を叩き伏せろと。全身がざわめいて、血が滾っていく。
永良ゆづり:憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。憎い。
永良ゆづり:火のない所に、煙は立たず。
永良ゆづり:ならば、ありったけの火を注ぎ込んでやれば。
永良ゆづり:人たらしめんと、己が身を縛り付ける、
永良ゆづり:"絆"さえ、焼べてしまえば────
:
:「生きて帰ろう」
:「ちゃんと人間のまま、元の日常に帰ろう」
:「約束」小指を差し出す。
:「気休めかもしれないけど、少しは効果あるよ」
:
永良ゆづり:「……ごめん、束沙」
永良ゆづり:「約束……破りそうになった」
永良ゆづり:ぐん、と。地をつま弾き、疾駆。
永良ゆづり:"いつも通り"右手に携える峨嵋刺を回転させ、周囲の白煙を纏わらせていく。
永良ゆづり:「(たとえ私が、この場でジャームに堕ちて。"サンディーヴァ"を打ち倒したとしても)」
永良ゆづり:「(それは、勝ちじゃない)」
:
永良ゆづり:貴方としては、本当に気休めのつもりだったかもしれないけれど。
永良ゆづり:差し出された小指に、結んだ約束は。
永良ゆづり:ただ逃げ続けてきただけの我儘で、弱弱しい私に。
永良ゆづり:守らせるくらいの力は、あったみたい。
永良ゆづり:だから。私は、レネゲイドなんかじゃなくて。
永良ゆづり:────自分の力を"信じる"ことにする。
:
永良ゆづり:その意志に呼応するかの様に。旋回する白煙が、急速に密度を増していく。
永良ゆづり:やがて嵐の如き疾風を束ねて。打ち出された弾丸の様に地を蹴り奔る。
永良ゆづり:生きて帰るために。ちゃんと人間のまま、元の日常に帰るために。
永良ゆづり:「(それが、私に課せられた贖罪の……第一歩だから!)」
永良ゆづり:"サンディーヴァ"の眼前で踏み込み、狙うは心の臓腑。
永良ゆづり:意志に支えられし白煙の疾風に乗って、峨嵋刺を突き立てようと、右腕を振り上げる。
"サンディーヴァ":「──!」その速度の接近にも反応している。領域の展開。煙を呑み、その力を減衰させ我が物へと還す黒い帯。
"サンディーヴァ":だが、その熱量を呑み切れぬまま。霧散し、引き貫くように突破された。振り上げられた刃は今、眼前に。
"サンディーヴァ":──その胸に、刃が突き立てられる。引き裂かれた女のレネゲイドの中核に、罅の入る音。
"サンディーヴァ":「っか、あ……ッ」
永良ゆづり:強大かつ緻密な領域制御を施す、"サンディーヴァ"の中核を着火石として。
永良ゆづり:────炸裂。爆壊。熱焼。
永良ゆづり:峨嵋刺を介し、体躯に流し込まれた煙が燃え盛り、焦がし尽くさんと牙を剥く。
"サンディーヴァ":──黒い影が、灼熱の渦の中へと沈む。肌に纏わる澱がその熱を防ぐには、あまりにも烈しい焔。
"サンディーヴァ":身を焼かれる苦悶の声が響く──それと同時、噴出する。"サンディーヴァ"の炉心より漏れ出したレネゲイドの奔流。
"サンディーヴァ":この少女が飲み干してきた数多の人々の異能と記憶。至近距離に立つ永良へ向けて、異常侵蝕のレネゲイドと過剰量の情報が流れ込み、汚染せんと。
永良ゆづり:「────っ、と」混沌へと陥る前に、踵を返して距離を取る。
永良ゆづり:「貴女の懐に踏み入るのは危険、というのは確かのようだが」
永良ゆづり:「まだ、その身体は耐えきれるのか?」
"サンディーヴァ":「っ……はぁっ……」
"サンディーヴァ":焔の中より、亡霊めいて再び姿を現す。胸部の亀裂は閉じず、そこからは煙めいた闇が溢れ出しているまま。
"サンディーヴァ":「余計な、お世話……そっちだって、ボロボロの、くせに」
永良ゆづり:「……そりゃあそうだ。散々……貴女がずたぼろにしたからな」
"サンディーヴァ":「耐えれるに、決まってる、でしょう……こっち、だって」
"サンディーヴァ":「半端な覚悟で、"地獄"を名乗ってる訳じゃない……!」
永良ゆづり:「なら、根競べだ」
永良ゆづり:「私達と、貴女。どちらが最後まで意志を繋げるか」
永良ゆづり:痛み以外の感覚を失った手で峨嵋刺を握り込み、再び構える。
"サンディーヴァ":「減らず口、を」胸より溢れ出したレネゲイドの奔流が、少女の右掌へと集まっていく。
"サンディーヴァ":次なる準備。君の大切な人を仕留めたあの技を、もう一度放つための。
"サンディーヴァ":「そんなの……受けて立つ、までもない」
"サンディーヴァ":「"サンディーヴァ"は……負けない」
"サンディーヴァ":「負けることなんて、許されない」
GM:イニシアチブ5。亜藤さんの手番です。
GM:意志からどうぞ~
亜藤 蘭介:はい。
亜藤 蘭介:4dx+4>=6
DoubleCross : (4DX10+4>=6) → 10[8,9,10,10]+7[1,7]+4 → 21 → 成功
亜藤 蘭介:あきらめないこころ。
亜藤 蘭介:では手番いただきます。
GM:どうぞ!
亜藤 蘭介:マイナー、《揺るぎなき心》。邪毒を回復します。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を1(→ 1)増加 (116 → 117)
亜藤 蘭介:メジャー、コンボ:"Doislash"。《コンセントレイト:モルフェウス》+《カスタマイズ》+《砂の加護》+《砂塵霊》+《ドッペルゲンガー》
亜藤 蘭介:対象は"サンディーヴァ"。
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を15(→ 15)増加 (117 → 132)
GM:どうぞ!
亜藤 蘭介:17dx7+6
DoubleCross : (17DX7+6) → 10[2,2,3,3,3,5,5,7,7,7,8,8,8,9,9,9,10]+10[1,2,2,3,4,7,8,8,9,10]+10[2,2,5,5,9]+6[6]+6 → 42
亜藤 蘭介:ようやく回ったね
"サンディーヴァ":暴走リア不。
GM:ダメージをどうぞ。
亜藤 蘭介:ダメージ前
亜藤 蘭介:Sロイス、"妹"をタイタス昇華。
亜藤 蘭介:効果はダメージバースト。ダメージ時に+5D。
GM:マジか……
GM:ダメージどうぞ……!
亜藤 蘭介:5d10+5d10+40-10
DoubleCross : (5D10+5D10+40-10) → 41[10,8,9,7,7]+32[4,5,5,10,8]+40-10 → 103
GM:うわ~~
亜藤 蘭介:装甲無視。
"サンディーヴァ":《雲散霧消》《氷雪の守護》
"サンディーヴァ":103-30-6d10
DoubleCross : (103-30-6D10) → 103-30-21[7,2,3,2,1,6] → 52
"サンディーヴァ":残HP16。倒れます。
"サンディーヴァ":《ラストアクション》即時行動《蘇生復活》HP1で回復
亜藤 蘭介:ヴァッ!?
"サンディーヴァ":即時メインプロセスを実行。
"サンディーヴァ":マイナー《無形の爪牙》《完全獣化》
"サンディーヴァ":メジャー、コンボ「アースリー・ケイヴ」《コンセントレイト》《無形の影》《シャドーテンタクルス》《形なき剣》《獣の力》[《獣王の力》《要の陣形》《鬼の一撃》《深き傷痕》
"サンディーヴァ":対象はPC全員。
GM:訂正。久遠さんいがいのPC3人。
亜藤 蘭介:ギャ~~~!!
久遠仁:やろ~~
"サンディーヴァ":23dx7+30 命中
DoubleCross : (23DX7+30) → 10[2,2,3,3,3,3,3,3,3,4,5,7,7,8,8,8,8,9,9,10,10,10,10]+10[1,1,1,3,4,4,4,7,8,8,9,10]+10[4,6,7,8,9]+10[5,6,8]+5[5]+30 → 75
亜藤 蘭介:ドッジ
亜藤 蘭介:7dx+1>=75
DoubleCross : (7DX10+1>=75) → 9[2,2,2,3,3,7,9]+1 → 10 → 失敗
穂村 姫乃:ドッジ
永良ゆづり:5dx+1>=75 ドッジ
DoubleCross : (5DX10+1>=75) → 7[2,2,5,6,7]+1 → 8 → 失敗
穂村 姫乃:7dx>=75
DoubleCross : (7DX10>=75) → 10[1,2,5,5,6,10,10]+7[5,7] → 17 → 失敗
永良ゆづり:《炎陣》。亜藤くんをカバー。
GM:カバーとかあればどうぞ
亜藤 蘭介:ありがとう~~~~
永良ゆづり:侵蝕149!!
亜藤 蘭介:やばば
"サンディーヴァ":8d10+52+30 次の攻撃の攻撃力-20 ガードで+35
DoubleCross : (8D10+52+30) → 51[10,6,6,3,8,3,7,8]+52+30 → 133
永良ゆづり:即死!最後のロイスの桜崎ニアをタイタス化して蘇生!
永良ゆづり:汚染値3。以上
穂村 姫乃:こちらも死ぬので仁さんに〇連帯感/愉快でとって昇華!HP13の汚染値が7!
亜藤 蘭介:では演出。
GM:どうぞ!
亜藤 蘭介:死闘に継ぐ死闘。
亜藤 蘭介:"サンディーヴァ"による精神汚染。"北条彩花"によるレネゲイドの吸収。
亜藤 蘭介:度重なる負傷。既にこの身は個のオーヴァードとして、抜け殻に等しかった。
亜藤 蘭介:「───────」
亜藤 蘭介:落ちる。
亜藤 蘭介:辛うじて握っていた意識の糸を、ゆっくりと手放して。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:夢を見る。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:取るに足らない相手だった。
亜藤 蘭介:仲間と幾度も訓練し、考え抜いた緻密な連携で、奴はあっけなく倒れ伏した。
亜藤 蘭介:─────故に解いてしまった。緊張の糸を。
亜藤 蘭介:奴の身が巨大な風船のように膨れ、今にも弾けんとするその寸前で。
亜藤 蘭介:自爆への脅威を背に、兄の身を庇うように眼前に飛び込んできた妹の顔は。信じられないほど穏やかで。
亜藤 蘭介:「────」
亜藤 蘭介:なにか、呟いた妹の言葉は。後にその一帯を焦土と化したほどの爆発に紛れて、俺の耳には届かなかった。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:一瞬の油断が、一生の後悔を生んだ。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:死の淵から目覚め、半ば抜け殻と化した己へと。
亜藤 蘭介:担当教官から手渡された一枚の紙。
亜藤 蘭介:───"除籍届"。
亜藤 蘭介:『今のお前が戦うのは、もう無理だ』
亜藤 蘭介:『復帰は、諦めたほうがいい』
亜藤 蘭介:あれが悪夢などではなく、紛れもなく現実なのだという事を実感させるには、十分な一言だった。
亜藤 蘭介:この薄っぺらな紙切れ一枚で、今まで投じてきた全てが無になるのだと思うと、笑いすらこみ上げて来たが。
亜藤 蘭介:己を慮っての言葉だろうということは理解出来たし、彼の立場であれば当然だろうとも思った。
亜藤 蘭介:元々、己はレネゲイドの出力に特段優れていた訳でも。
亜藤 蘭介:ピュアシンドロームとして、特異な能力を有していた訳でもない。
亜藤 蘭介:ましてや。片割れの異能を満足に行使できない"半人前(クロスブリード)"へと化した己に時間を割くよりは。
亜藤 蘭介:他の才ある人員を手厚く導いてやるべきだ。
亜藤 蘭介:UGNは決して、慈善団体などではないのだから。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:誰もいない、深夜の訓練場の真ん中で。
亜藤 蘭介:天窓から差す月明かりに照らされながら、光を失った目で宙を見る男がひとり佇んでいる。
亜藤 蘭介:────結局、書けなかった。
亜藤 蘭介:“記憶処理に同意します”
亜藤 蘭介:その最後の一文を前に。握ったペンがそれ以上、動くことはなかった。
亜藤 蘭介:ぐしゃりとそれを握りつぶし、投げ捨てて。
亜藤 蘭介:今まで、何度も繰り返し行ってきた能力で錬成した、掌に収まるほどの小さな銃を見る。
亜藤 蘭介:今にも形が崩れかけんとするそれを、随分と不格好になったもんだと。自嘲するように口の端を歪めて。
亜藤 蘭介:銃口を。側頭部に突きつけた。
亜藤 蘭介:こんなものでも、自身の頭を吹き飛ばすだけの威力は残っているだろう。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:既に、己には。
亜藤 蘭介:生きる目的が、無かった。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:許せなかった。
亜藤 蘭介:なにひとつ守れなかった己の弱さが。
亜藤 蘭介:矛先がなかった。
亜藤 蘭介:この絶望を、憎悪を、悔恨を向ける相手は、既に何処にもいない。
亜藤 蘭介:分からなかった。
亜藤 蘭介:なにひとつ敵わない、己よりもずっと強く優秀なあの妹が。己を庇ったその意味が。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:本当に大切な者を、零れ落としてしまったこの手で。
亜藤 蘭介:この先、一体。何が守れると言うのだ。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:引き金に指をかけたその刹那。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:目の前に、陽炎が揺らめいていた。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:「ひっ───」
亜藤 蘭介:「陽紗」
亜藤 蘭介:息がつまり、銃が手元から零れ落ちる。
亜藤 蘭介:強張った身体から力が抜ける。膝から崩れ、地に頭を擦り付けて。
亜藤 蘭介:咽び泣いて、許しを乞うた。
亜藤 蘭介:幻覚でも、幽霊でも、何でも良かった。
亜藤 蘭介:詰って欲しかった。責めて欲しかった。
亜藤 蘭介:だって。
亜藤 蘭介:若菜が行方を晦ましたのも。
亜藤 蘭介:柿崎も、陽紗が死んだのも。
亜藤 蘭介:掛け替えの無い、大切なものを失ったのも。
亜藤 蘭介:全部。
亜藤 蘭介:全部、全部、全部、ぜんぶ─────
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:「何もかも、俺のせいなんだ」
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:けれど。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:それは語らない。
亜藤 蘭介:死者は語らない。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:永遠にも感じられる時間が過ぎた後。
亜藤 蘭介:頭を上げ、涙で滲んだ視界に映ったのは。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:他の誰でもない、己自身の姿。
亜藤 蘭介:魂の片割れを犠牲に、己に宿った"特筆性能力(ディスクリプト)"。
亜藤 蘭介:亜藤蘭介のドッペルゲンガーが。
亜藤 蘭介:ぼろぼろになった身体で。訓練用の木刀をぎこちなく、ぶざまに。
亜藤 蘭介:しかし、懸命に。
亜藤 蘭介:何かを見据えて。無心にそれを振るっていた。
亜藤 蘭介:「やめろ」
亜藤 蘭介:そんな事に、意味なんか無いんだ。
亜藤 蘭介:今まで、注いできた努力を全て無碍にして。
亜藤 蘭介:例え、また戦場に戻っても。
亜藤 蘭介:「やめてくれ」
亜藤 蘭介:其処には居ない。
亜藤 蘭介:本当に愛するべき者も、本当に護りたいと思う者も。
亜藤 蘭介:誰も居ない、この世界で。
亜藤 蘭介:歩き続ける意味なんて───────。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:「堪るかよ」
亜藤 蘭介:背負わせて、堪るものか。
亜藤 蘭介:この、永遠に魂を苛む重荷を。罪を。呪いを。
亜藤 蘭介:これ以上、彼らが背負う必要はない。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:限界を超えたレネゲイドの活性化。命燃やし生み出した炎を纏って。
亜藤 蘭介:幽鬼のように立ち上がった男が。一歩、また一歩と。
亜藤 蘭介:歩んでいる。悠然と。然し堂々と。
亜藤 蘭介:万全の状態には程遠い。
亜藤 蘭介:己が身に残されたのは、吹けば飛ぶ程度。塵のようなレネゲイド。
亜藤 蘭介:柄を握る腕は千切れ欠け。踏み出す脚の骨は歪に皮膚を突き破っている。
亜藤 蘭介:だが。
亜藤 蘭介:それがどうしたというのだ。
亜藤 蘭介:そんな理由は。
亜藤 蘭介:この足を止める理由に。
亜藤 蘭介:──────何一つとして成り得ない!
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:「……数多の屍で積み上がった道の上に、俺たちは立っている」
亜藤 蘭介:「時には、道を違えることもあるだろう」
亜藤 蘭介:「時には立ち止まり、心身癒す必要も」
亜藤 蘭介:「時には道半ばで力果て、後に続くものたちの礎となることも」
亜藤 蘭介:この男が持っているのは。
亜藤 蘭介:前へ。ただ、前へ。
亜藤 蘭介:唯一、誰よりも勝ると。
亜藤 蘭介:他でもない、己自身が信ずる、呪いのような自己暗示だけ・
亜藤 蘭介:「前に進み続ける」という。
亜藤 蘭介:何事にも揺るがず。誰にも屈さず、侵されることのない。
亜藤 蘭介:鋼鉄のような意志だけ。
亜藤 蘭介:「それでも、人は終着の見えない道を歩き続ける。歩くしかない」
亜藤 蘭介:「それが。生きるという事だから」
亜藤 蘭介:「だから、有ってはならない」
亜藤 蘭介:「他者の道を踏み躙ってまで。その道を引き返すことは」
亜藤 蘭介:眼前の少女に向かって。その距離を。
亜藤 蘭介:「お前は。後戻りをしているだけだ」
亜藤 蘭介:「怖かったんだ────」
亜藤 蘭介:「差し伸べられた手を取るのが」
亜藤 蘭介:「己の全てを、許されるのが──────」
"サンディーヴァ":「何、を……」
"サンディーヴァ":──否。理解っていた。彼らの優しさを、誰よりも傍で見て知っていた自分だから。
亜藤 蘭介:"メルクリカル・スカイ"日下部ルリカ。
亜藤 蘭介:"カノンボール・シアター"萩原カノン。
亜藤 蘭介:"アースリー・ケイヴ"水上ケイ。
亜藤 蘭介:"サタニアンズ・ガーデン"桜咲ニア。
亜藤 蘭介:"マーシャル・ヘイヴン"天城マコト。
亜藤 蘭介:この世界を護るため。彼らに背を向けてなお。
亜藤 蘭介:彼らの声は/記憶は/力は。
亜藤 蘭介:"サンディーヴァ"の中で生き続けている。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:そして。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:この世界を砕くため。彼らと真正面から向き合って託されたもの。
亜藤 蘭介:彼らの夢は/願いは/想いは。
亜藤 蘭介:"俺たち"の中で生き続けている。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:さあ。勝負だ、"サンディーヴァ"。
亜藤 蘭介:貴様自身で吐いた言葉だ。今更、逃げるんじゃねえぞ。
亜藤 蘭介:俺たちが背負うこのすべて。
亜藤 蘭介:───呑めるものなら。
亜藤 蘭介:「呑んでみせろ」
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:"モルフェウス"シンドローム、亜藤蘭介が創造し、精製するは。
亜藤 蘭介:自己の分身にして、己が鏡像幻視、"ドッペルゲンガー"。
亜藤 蘭介:この夢幻世界で、亜藤蘭介が想像し、生成するは。
亜藤 蘭介:─────己が歩んできた道の足跡である。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:間合いまであと三歩。
亜藤 蘭介:男の姿が。
亜藤 蘭介:この夢界に混ざり合うように、揺らめいて。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:陽炎から飛び出す影は五つ。
亜藤 蘭介:空色の刃を握る影。
亜藤 蘭介:彼我の距離を縮め迫り、叩き込んだ一刀。その衝撃を刃先だけに加速させ、防御領域を僅かに断裂。
亜藤 蘭介:白色の刃を握る影。
亜藤 蘭介:領域の間隙を縫うように加えた一撃。澱の断面を覆う結晶の硬輝がその再生を一拍の間防ぎ。
亜藤 蘭介:水色の刃を握る影。
亜藤 蘭介:続け様に放った超硬度に発達を遂げた刃。轟音を響かせながら領域を破砕。
亜藤 蘭介:桜色の刃を握る影。
亜藤 蘭介:拳大に空いた風穴目掛け、茨の棘のように成長を遂げた刃先。内側から闇を、領域を、肉を、レネゲイドを喰い荒らし。
亜藤 蘭介:緋色の刃を握る影。
亜藤 蘭介:上段の構えから豪炎一閃。少女の身に。触れる一切を溶解、崩壊へと誘う煉獄の炎が舞い踊る。
"サンディーヴァ":──そうだ、知っていた。聞こえていた。
"サンディーヴァ":みんなが、私を許そうとしてくれてるってこと。
"サンディーヴァ":蘇ったみんなに出逢わなかったのは、自分自身が許される事が怖かったから。
"サンディーヴァ":みんなのいない未来を認めて、そこに向かって生きていく事が
"サンディーヴァ":私には、どうしたってできなかった。
"サンディーヴァ":過去を振り返るなという願いを。過去に縛られなくていいという祝福を。
"サンディーヴァ":ずっと、聞こえないふりをして。届いてないかのように振る舞って。
"サンディーヴァ":「……ああ」
"サンディーヴァ":無数の刃に引き裂かれた、その身体の感覚が薄れていく。取り込んだ数多のレネゲイドが空へと溶けて、己の制御を離れていく感覚。
"サンディーヴァ":「きっと、君の言う通りだ」
"サンディーヴァ":「私のしている事は、本当の意味での贖罪なんかじゃなくて」
"サンディーヴァ":「私の弱さ故に生まれた、我儘だったんだろう」
"サンディーヴァ":「認めたくなかった。既に起きてしまった喪失を」
"サンディーヴァ":「送り出されたくなかった。みんなのいなくなった世界に」
"サンディーヴァ":結局の所、それは、つまり。
"サンディーヴァ":「私は……寂しかったんだろう」
"サンディーヴァ":「……認めるよ。何もかも……認めた上で、私は」
"サンディーヴァ":血の混じった吐息を吐く。自身へと突き立てられた五色の刃を、慈しむように抱きしめて
"サンディーヴァ":「やっぱり、この夢を諦められない」
"サンディーヴァ":どろり、と刃が粘土のように溶け混じっていく。色彩が混じり、虹色を為して
"サンディーヴァ":やがて溶け合ったそれらは、黒一色の澱へと転じて、少女の身に纏わりゆく。
亜藤 蘭介:失せる握力。少女の声と共に刃を地へと落とし、荒い呼吸で地に膝を着いて。
亜藤 蘭介:「(届かずか────)」
亜藤 蘭介:その深い、闇の澱を眼に入れる。
"サンディーヴァ":それが、傷付いた肉体を癒やし、身体構造を作り変えていく。
"サンディーヴァ":手脚は引き締まった鋼のような甲殻を纏い、背には黒い翼を生やした姿。獣と言うよりは、悪魔にも似て。
"サンディーヴァ":──地を蹴り、跳躍。一瞬の内に100メートル近い高度へと。
"サンディーヴァ":黒い翼を広げ羽ばたかせては、その一振り毎に暴風が地を舐め、木々を折り砕き、砂塵を巻き上げる。
"サンディーヴァ":その全てが予備動作。踏み出すは五度目の翼撃の折、降下は一瞬。
"サンディーヴァ":──地上に獲物を見つけたハヤブサは、身体を丸め空気抵抗を極限まで絞る事で埒外の加速を実現する。
"サンディーヴァ":最大で400km/hにも迫る、自然界随一の飛翔速度──その所作を、元来音速を超える怪物の身体能力を以て模倣する。
"サンディーヴァ":少女の肉体が、一塊の弾丸と化して着弾した。魔影一閃。黒い軌線が、地表を掬い抉る──その表面に存在する物ごと。
亜藤 蘭介:身に迫る衝動を抑えるのも既に困難。この攻勢で払った代償は余りにも大きい。
亜藤 蘭介:日常への帰還、その希望を捨てるに等しい一撃でさえ尚。彼女の意思を断つには至らなかった。
亜藤 蘭介:だというのに。
亜藤 蘭介:憂いも、悔いも、無念も。
亜藤 蘭介:ある筈がなかった。
亜藤 蘭介:迫りくる、死への一撃を虚ろな瞳で見つめ─────
永良ゆづり:──"いつも通り"、白き灰煙が黒き軌跡を弾いた。
永良ゆづり:「……ここまで来れたのは、貴方の堅き意志もあってこそ」
永良ゆづり:「たとえ届かなくとも、折れることなく貫き通せば」
永良ゆづり:「引き返すことなく、進み続ければ」
永良ゆづり:「きっと皆で日常に帰れると、信じている」
永良ゆづり:淡々と、されど力強く、言葉を紡ぎながら。
永良ゆづり:亜藤蘭介の前に、毅然として"並び"立つ。
亜藤 蘭介:「永良────」
亜藤 蘭介:その絶技に、眼を見開いて。
亜藤 蘭介:そうだ。
亜藤 蘭介:幕を引くのは、俺のような人間じゃなくていい。
亜藤 蘭介:それに値するのは。帰るべき場所を、日常を。今の尚、抱え続けているもの。
亜藤 蘭介:大切なものを奪われないため。失わないために。
亜藤 蘭介:先の見えないこの道を。足を止めず、懸命に歩み進んでいる久遠仁、永良ゆづり。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:或いは───。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:先の一撃で消えた筈の、己の手甲に刻まれた赤き印が煌めいて。
亜藤 蘭介:黒の森、闇の暗霧を爛々と照らしている。
亜藤 蘭介:ヒトが進むべき、その道を、朝日よりも、眩い輝きで。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:"地獄(Sañjīva)"を具現せんと、払われることのない永劫の闇に囚われ。
亜藤 蘭介:終わることのない無限を彷徨う彼女を。出口へと誘い、導くに値するのは。
亜藤 蘭介:────悠久の永き刻を歩いてきたもの。
亜藤 蘭介:竈神三柱の一角にして火の神、興津比売命。その化身にして。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:幾つもの夢幻、災禍の中でも。
亜藤 蘭介:常に不敵に、然し陽気に。
亜藤 蘭介:
亜藤 蘭介:「"太陽のように笑う女神(Sun Diva)"たる、貴女こそが相応しい」
GM:イニシアチブ4。穂村さんの手番です。
GM:意志判定をどうぞ。
穂村 姫乃:7dx+1>=7
DoubleCross : (7DX10+1>=7) → 10[2,3,6,6,8,9,10]+2[2]+1 → 13 → 成功
GM:成功!手番をどうぞ
穂村 姫乃:マイナーはなし、メジャーでサンディーヴァの身に対してコンボ行きます。
穂村 姫乃:神罰堕とし:蝕む赤Lv6+ブラッドスパイクLv4+災厄の炎Lv6+プラズマカノンLv4+フラットシフトLv1
穂村 姫乃:射程:至近、対象:範囲(選択)、攻撃力+50、ランク6の邪毒付与、HP3点消費、侵蝕率+0
GM:命中どうぞ!
穂村 姫乃:7dx+26
DoubleCross : (7DX10+26) → 10[4,4,5,6,9,10,10]+5[2,5]+26 → 41
"サンディーヴァ":暴走のためリアクションなし。
GM:ダメージをどうぞ。
穂村 姫乃:50+5d10
DoubleCross : (50+5D10) → 50+16[1,4,5,2,4] → 66
GM:ふむ……では
GM:このダメージの処理結果については、演出と並行しながら行っていきます。
GM:演出をどうぞ。
穂村 姫乃:「蘭介、お主存外気障よな」
穂村 姫乃:黒に覆われた地表の中で、業火が立ち上る。中心に立つのは当然。
穂村 姫乃:あどけなさと老獪さの同居する面差し。身軽な軽装に混じるいくつかの年代物。酷くちぐはぐで、だけど自然に其処にある。
穂村 姫乃:いつも通りの不敵な笑みを湛えた、穂村姫乃その人だ。
穂村 姫乃:「さて、サンディーヴァ」
穂村 姫乃:「ようやく認めたな。お主の罪の実態を」
穂村 姫乃:「お主の罪は。サイカをかどわかしたこと。この街を飲み込んだこと。人々を脅かしたこと」
穂村 姫乃:「そして何よりも。何よりも大切な筈のお主の仲間たちから目を逸らしたこと」
穂村 姫乃:炎が昂る。今や天をも焦がさんと燃え盛り、だけどその中心の姫乃の周囲だけが不思議と凪いでいる。
穂村 姫乃:「その罪に正面から向き合った今、お主は地獄そのものではなく一人の罪人となった」
穂村 姫乃:「自身の罪を認めんものを裁いても、そいつが罪を認めるわけではないじゃろ?」
穂村 姫乃:「罪を認めたそのときに。罪人は裁きの入口に立つ」
穂村 姫乃:古代種として培われた特異性。同時に、穂村姫乃個人の卓越した技量が成す特異現象。
穂村 姫乃:「故に、サンディーヴァ」
穂村 姫乃:「今より儂がお主を裁く」
穂村 姫乃:レネゲイドの使用と侵蝕の上昇という本来切り離せないはずの法則をも超える。
"サンディーヴァ":「っ……!」
穂村 姫乃:「天に届くには汚れすぎているというなら、我が炎が浄化しよう」
穂村 姫乃:「罰が足りぬというなら、お主の夢の半ばでの終わりを持って罰に替えよう」
穂村 姫乃:「此処でお主はこの世を去り、夢の世界は終わりを迎える」
"サンディーヴァ":「……いやだ」
"サンディーヴァ":「終わらせない……終わらせる、もんか」
"サンディーヴァ":呟くように口にする。それは今や、駄々を捏ねる幼子のような。
穂村 姫乃:「ならん。言ったじゃろ」
穂村 姫乃:「夢はいつか覚める。そのいつかが訪れた」
穂村 姫乃:「……そうじゃな、せめて」
穂村 姫乃:「お主が昇ったその先で。仲間たちとまた出会うよう取り計らおう」
穂村 姫乃:穂村姫乃は神ではない。穂村姫乃にそんな力はない。されど。
穂村 姫乃:神を名乗り、神として彼女を裁くと決めた。故にどこまでも神として振舞う。
穂村 姫乃:死後のその先、地獄ではなく天国にて。彼女と仲間たちが再会を果たすと。当然のように口にする。
"サンディーヴァ":「……そんな場所はない。そうでしょう」
"サンディーヴァ":「人は、死んだらそれまでだ」
"サンディーヴァ":「だからこそ、私は……地獄そのものになる事を選んだ」
穂村 姫乃:「ならそれこそが最大の間違いじゃな」
穂村 姫乃:「あやつらが地獄に堕ちると思うのか?」
穂村 姫乃:「お主はその身にあやつら全員を宿したというのに」
"サンディーヴァ":「……だから、だよ。だからこそ、"このまま"じゃいけない」
"サンディーヴァ":「だからこそ、"私"とみんなを切り分けた」
"サンディーヴァ":「幸福な日常を過ごすのを妨げる、痛みと苦しみと罪だけを、私が引き受けて」
"サンディーヴァ":「みんなと切り分けるための存在。だから、地獄なんだ」
穂村 姫乃:「それでも、地獄から理想郷は生まれんじゃろうよ」
穂村 姫乃:「地獄が見せる夢は、罰の前触れと決まっとる」
穂村 姫乃:「何よりも。お主一人に背負わせることをあやつらの誰も良しとはせん」
穂村 姫乃:「背負おうとしてしまったその傲慢こそ、お主の最大の罪じゃろうな」
穂村 姫乃:「……さて。問答も此処までとしようか」
穂村 姫乃:炎達が戒めを解かれたように昂っていく。罪人を檻の如く取り囲み、逃がしはしないとその熱を持って示す。
穂村 姫乃:「今より此処は大焦熱地獄。お主の殺生・妄語・その他諸々の罪を一切合切焼き払う」
穂村 姫乃:「まあ本来ならアホほど長いんじゃが。儂は裁きではなく焼くや煮たくが本職故、手短に行こう」
"サンディーヴァ":「……なら、それは」
"サンディーヴァ":「させる訳には、いかないな」無数の黒点が、少女の周囲に浮かび上がる。
"サンディーヴァ":雨粒の如くに展開する、数千個の魔眼。
"サンディーヴァ":それが形成するは一切遅滞、1/10000の減速領域──君達が既に知る、"メルクリカル・スカイ"の能力。
"サンディーヴァ":一度立ち入れば、数時間は抜け出すことの叶わぬ時間拘束帯。
"サンディーヴァ":たとえ形なき焔であろうとも、それは例外ではない。彼女へと届くまでの時間が、際限ない希釈によって延長され続ける。
"サンディーヴァ":(……最も、君達のこれまでを見れば)
"サンディーヴァ":冷静に。半ば確信を持った温度で思考する。
"サンディーヴァ":(この領域すらも突破し、私に熱を届かせるんだろう)
"サンディーヴァ":(だから、私は──逃げる事にする)
"サンディーヴァ":その遅滞領域は、僅かの隙を稼ぐためのもの。
"サンディーヴァ":並行して"サンディーヴァ"と魄柱・彩花の立つ場所に、漆黒の時空門が開きつつある。
"サンディーヴァ":「……この街がダメだとしても、また他の場所を見つければいい」
"サンディーヴァ":「力が足りないなら、他から奪って、もっと強くなればいい」
"サンディーヴァ":「私が、生きてさえいる限り」
"サンディーヴァ":「私の夢は、いつか必ず──」
"サンディーヴァ":ダメージを受ける直前、オートアクション。
"サンディーヴァ":コンボ「メルクリカル・スカイ」《瞬間退場Ⅱ》
"サンディーヴァ":自身と魄柱・彩花を指定し、このシーンから退場します。
GM:……ここで、最後の判定の説明です。
GM:この《瞬間退場Ⅱ》というエフェクトは
GM:「退場を望まないPCがいる場合、GMは何らかの対決を行わせて良い」とあるため
GM:"サンディーヴァ"の<RC>と攻撃者の命中で達成値を比較し、上回った場合には退場を阻止できるものとします。
GM:穂村さんの命中達成値は41。なので
GM:これを目標として"サンディーヴァ"が判定を行います。
穂村 姫乃:なるほど……
"サンディーヴァ":判定します。
"サンディーヴァ":《コンセントレイト》《無形の影》オート《砂の加護》《リミットリリース》
"サンディーヴァ":ダイス26個、固定値40、C値6
"サンディーヴァ":判定前に、オート《時の棺》
"サンディーヴァ":"サンディーヴァ"のRC判定の達成値を0にします。
GM:退場の阻止に成功しました。
GM:演出を再開します。
"サンディーヴァ":「夢界の手の内を知った者を帰すのは不本意だけれど、致し方ない」
"サンディーヴァ":遅滞する時間の帯に、到達を妨げられる焔の渦中にあって。魄柱そのものを通せる程の門を開きながら、君達へ話す。
"サンディーヴァ":「この街も、君達も……元に戻す」
"サンディーヴァ":「私は、どこか遠く……君達の目の届かない場所で」
"サンディーヴァ":「もう一度、この夢を紡ぐ」
穂村 姫乃:「……否」
穂村 姫乃:「逃げられんよ」
穂村 姫乃:赤い瞳は何かを見透かしたように細まり、言葉が既に定まった託宣の如く厳かに紡がれる。
"サンディーヴァ":「……そういう格好つけた口上は、もう十分だ」
"サンディーヴァ":「今度こそは間違えない。誰にも邪魔はさせない」
"サンディーヴァ":「さよなら。どうか、願わくば」
"サンディーヴァ":「二度と、君達と逢う事のないよう──」
GM:──不意に。
GM:少女を取り巻いていた減速領域の性質が、反転する。
GM:即ちは、加速する。"サンディーヴァ"と渦を巻く火焔との距離が、一瞬の内に零となる。
"サンディーヴァ":「な──」
GM:──"サンディーヴァ"の作り出した夢骸体が、生前の人間の記憶を辿り生み出された物であるのならば。
GM:亜藤が指摘した通りだ。彼女の宿すレネゲイドの内には、本来の持ち主の意志記憶が残留している。
GM:尋常であればそれは、主人の儘に従う力の一部でしかないだろう。死人とは、そういうものだ。
GM:……だが、あるいは。
GM:その者が、常軌を逸した執念を宿していたのであれば。
GM:その灯火を、闇の中にあって絶やすことなく
GM:喉笛を噛み切るべき一瞬を、伏して狙い続けていたのだとすれば。
GM:その危険性を、どこか"サンディーヴァ"自身も警戒してはいたのだろう。
GM:夢界に蘇った"バース"の中にあって、ただ一人世界を裏切った少女。
GM:蠱毒を最期の二人となるまで生き残る程の力を持っていた"メルクリカル・スカイ"の権能を、ここまで一度たりとも使用しなかったからには。
GM:だが、頼った。この最後の局面で。
GM:彼女が追い詰められ衰弱し、制御能力に綻びが生じた。致命にして、絶好の瞬間に──
GM:その魂は、牙を剥いた。
穂村 姫乃:「……全く」
穂村 姫乃:「優しい以上に負けず嫌いじゃな、お主」
穂村 姫乃:思わず零れた呟きは、きっとサンディーヴァには届かない。
穂村 姫乃:一瞬にして標的へと食らいついた業火が、ごうごうとぱちぱちと燃え盛る彼らが、音さえも飲み込んでしまうから。
穂村 姫乃:故に届く言葉はしっかりと発声された、神としての穂村姫乃から放たれたものだけ。
穂村 姫乃:「言った通り。逃げられんよ、サンディーヴァ」
"サンディーヴァ":「っぐ、あ……がッ……!」
穂村 姫乃:「裁きは此処で終わる。3万2000年にさえ及ばんこの業火の中で」
穂村 姫乃:「お主の罪は、お主もろとも燃え尽きて。後に残るは濯がれた魂のみ」
穂村 姫乃:「その身一つで、仲間の下へ逝くと良い」
穂村 姫乃:「あとこれは年長者からのアドバイスじゃけど」
"サンディーヴァ":身を焦がし纏わり付く火焔を振り払おうと、闇の帯を振るおうとして。しかし、霧散する。
"サンディーヴァ":亡霊の抵抗ひとつ抑え込めぬほど弱ったその少女に、今や神の裁きを凌ぐ程の力は残っていない。
穂村 姫乃:「鰯の頭も信心から。信じる者は救われる」
穂村 姫乃:「お主が真に仲間と笑い合える。そんな世界もあるじゃろ」
穂村 姫乃:「儂は信じる。お主も信じろ」
"サンディーヴァ":……信じないと決めた筈だった。
"サンディーヴァ":そんな、都合の良い妄想は。
"サンディーヴァ":どれだけ嘯いた所で、世界が自分達にとって良い方向に向かう事はない。
"サンディーヴァ":だから、自分が変えなくてはいけないと思った。この力で作らなければいけないのだと思った。
"サンディーヴァ":(……そのはず、だったのに)
"サンディーヴァ":(こんな、嘘吐きの甘言を。信じてもいいかもしれないと、思ってしまっているのは)
"サンディーヴァ":(私が、自分の弱さを思い知ったからだろうか)
"サンディーヴァ":灼熱の渦中。少女の身体を覆っていた、黒い澱が晴れていく。
"サンディーヴァ":意識が遠のいていく。霞んでいく視界の向こう。よく晴れた青空の中に、己が展開した漆黒の魔眼が溶けて行くのが見えて。
"サンディーヴァ":(……ああ、やっぱり)
"サンディーヴァ":思い出す。……あの日も、同じだった。あの子は自分の命を捨ててまで、私を自由にする事を選んだ。
"サンディーヴァ":それは恐らく、"ヴィローシャナ"に勝利するという、より大きな目的の為であって。
"サンディーヴァ":私の復讐は、彼女に勝たされた結果に過ぎない。……そうして、今もまた。
"サンディーヴァ":だから、認めるしかないだろう。この、戦いは
桜崎ニア:(君の、勝ちだな……ルリカ)
桜崎ニア:闇が晴れた後に、倒れ伏す少女の亡骸は
桜崎ニア:業火に焼かれながらにして苦痛は見えず。どこか穏やかな死顔をしていた。
GM:"サンディーヴァ"を撃破したため、《ブレインジャック》が解除。
"魄柱・彩花”:自ら戦闘を放棄、戦闘不能状態となります。
GM:これによりエネミーがいなくなったため、勝利条件を達成。クライマックス戦闘を終了します。
GM:──夢界の主人たる、"サンディーヴァ"が死んだ。
GM:彼女が纏っていた黒い澱、無数の死者のレネゲイドは。黒く煙のたなびくようにして、空へと溶け還っていく。
GM:そして、それと同時に。
北条サイカ:「……あ」
北条サイカ:目を見開く。少女の纏っていた敵意が、はたと途絶える。
北条サイカ:「……ああ。先輩、皆さん……」
北条サイカ:魄柱との結合が解けた訳ではない。混濁する意識を振り払う。
北条サイカ:どこか呆然とした眼差しで、君達を見て。
久遠仁:「……北条!」
久遠仁:すぐさま駆け寄る。「……目が覚めたか?」
北条サイカ:「逃げ、て」
GM:──少女がそう発すると同時。
GM:夢界が、揺れる。空に亀裂が走る。
GM:"ヴァンノワール"──この世界の外殻が軋み、悲鳴を上げている。
GM:そして。君達の脳内に、覚えのない過去記憶が流れ込んでくる。
GM:断片的で膨大な、人間の体験情報。この街に暮らす人間の過去生、その集積。
GM:脳機能を決壊させんばかりの勢いで雪崩れ込み、思考を侵蝕する──
GM:全員、衝動判定です。目標値は12。
GM:成功で汚染値+1、失敗で汚染値+3。
亜藤 蘭介:5dx+4>=12
DoubleCross : (5DX10+4>=12) → 9[2,3,7,9,9]+4 → 13 → 成功
永良ゆづり:6dx+2>=12 一品ケット
DoubleCross : (6DX10+2>=12) → 10[1,2,5,6,7,10]+2[2]+2 → 14 → 成功
久遠仁:5DX>=12
DoubleCross : (5DX10>=12) → 10[5,6,6,8,10]+9[9] → 19 → 成功
穂村 姫乃:8dx+1>=12
DoubleCross : (8DX10+1>=12) → 10[1,2,4,4,4,6,10,10]+10[2,10]+4[4]+1 → 25 → 成功
亜藤 蘭介:汚染値7。
久遠仁:146+2D10 侵蝕
DoubleCross : (146+2D10) → 146+14[5,9] → 160
GM:侵蝕も上げておいてね
久遠仁:汚染値5>6
亜藤 蘭介:ひい
永良ゆづり:149+2d10
DoubleCross : (149+2D10) → 149+13[7,6] → 162
亜藤 蘭介:亜藤 蘭介の侵蝕率を2d10(→ 14)増加 (132 → 146)
永良ゆづり:汚染値は4。以上
穂村 姫乃:穂村 姫乃の侵蝕率を2d10(→ 14)増加 (130 → 144)
穂村 姫乃:汚染値は8まで上昇
北条サイカ:「ごめん、なさい……これ、は」
北条サイカ:「あたしにも、抑えられなく、てっ……」
GM:"サンディーヴァ"が自身の権能の半分を注ぎ、育て上げたるレネゲイドの大樹。
GM:生産の権能を持ち、計画の核たる北条サイカの肉体と融合した、最も強大なる一つ。
GM:緑坂市の半分、十数万人の人間の意識記憶に同時に干渉し、死人すらも擬似的に蘇らせる埒外のEXレネゲイド。
GM:物理的に結合・同化したこの少女ですらも、それを制御する事は叶わない。
GM:領域内の樹木を儘に操作する、"サンディーヴァ"の規格外の力があって初めて成立していた統制。
GM:その均衡が崩壊し、暴走を始めている。
永良ゆづり:「っ……束沙!」記憶の濁流に堪えながらも、彼女の元へと駆け寄る。
羽海束沙:反応はない。未だ負傷から回復しておらず、意識はない。
亜藤 蘭介:濁流のように流れ込む、許容量を越えた情報の渦に頭を抱えながら。歪み、崩壊していく世界を睨む。
亜藤 蘭介:「不味いぞ」
永良ゆづり:「(──術者を打倒し、領域送掌の影響からは回復しているが……)」
羽海束沙:だが、衝動の影響を受けてはいるのだろう。どこかうなされたように苦悶している事が、微かな吐息から分かる。
穂村 姫乃:「術師無しで存続できるような規模の代物ではないからの」
永良ゆづり:「く……」表情に焦りを隠せぬまま、羽海束沙の身体を背負う。
穂村 姫乃:「こうなってしまっては誰も代替できん。暴走だけでも食い止めるしかないが……」
久遠仁:「…………」意識が混濁しつつも、それを兜の外に出すことは無い。
久遠仁:「……君が気にすることじゃあない」
北条サイカ:「まだ、です。これだけじゃ……ない」
永良ゆづり:「……どういう、こと?」
北条サイカ:「この魄柱に仕掛けられた、最後の術式……」
北条サイカ:「夢界を以て、世界を、塗り替えるための……っ」
GM:それは、"サンディーヴァ"の最終目的を達成するための手段。
GM:本来であれば、北条サイカのジャーム化による能力の成熟を待って起動するはずだった現実改変機構。
GM:最も、少女はまだ「こちら側」にいる。……だからこそ。
北条サイカ:「っ、"来ます"……!」
GM:それが、不完全なままに起動して──
久遠仁:「……北条!」
久遠仁:咄嗟に、少女の掌を握り締める。血に滑る手でも離さぬよう、強く力を込めて。
北条サイカ:「離れて」と発しようとした微かな声が、かき消されて。
北条サイカ:二人の視線が交わる。今にも泣き出しそうな顔が映る。
GM:そうして、世界は暗転し。
GM:登場は久遠さんのみです。
GM:登場侵蝕はありません。汚染値を1上昇させてください。
久遠仁:汚染値6>7
GM:以上です。
久遠仁:固定ロイス WH/北条サイカ ○庇護/心配
久遠仁:Sロイスに指定します。
GM:OKです。
GM:判定をどうぞ。
久遠仁:白兵で判定
久遠仁:《コンセントレイト:ハヌマーン》+《一閃》
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を4増加 (146 → 150)
久遠仁:11DX7+7+20-7>=150
DoubleCross : (11DX7+20>=150) → 10[1,2,2,3,4,4,6,6,7,7,9]+10[4,5,7]+2[2]+20 → 42 → 失敗
久遠仁:穂村姫乃 ○尊敬/脅威
久遠仁:タイタス化・昇華して再度判定
GM:どうぞ。
久遠仁:11DX7+7+20-7+42>=150
DoubleCross : (11DX7+62>=150) → 10[1,2,3,3,4,4,5,9,9,9,10]+10[3,4,8,10]+10[6,8]+6[6]+62 → 98 → 失敗
久遠仁:永良ゆづり ○感謝/不安
久遠仁:タイタス化・昇華して再度判定
GM:どうぞ。
久遠仁:久遠仁の侵蝕率を8増加 (150 → 158)
久遠仁:11DX7+7+20-7+98
DoubleCross : (11DX7+118) → 10[1,1,2,3,5,5,7,7,8,8,10]+10[2,4,6,8,9]+3[1,3]+118 → 141
久遠仁:亜藤蘭介 ○連帯感/隔意
久遠仁:タイタス化・昇華して再度判定
GM:どうぞ。
久遠仁:11DX7+7+20-7+141
DoubleCross : (11DX7+161) → 10[1,3,3,3,4,5,7,7,7,7,9]+10[3,7,7,10,10]+10[1,3,10,10]+10[3,8]+10[9]+10[10]+10[9]+1[1]+161 → 232
GM:目標値を超過、判定成功です。
GM:演出に入ります。
久遠仁:風が吹く。
久遠仁:それは音速を遥かに超えた高速機動の余波。
久遠仁:荒れ狂う情報の波濤の中、限界を超えて加速する。
久遠仁:久遠の能力行使においては、思考速度も運動速度と呼応して加速し
久遠仁:それは流れ込む、認識せざるを得ない情報の総量も、指数関数的に増大することを意味している。
久遠仁:一秒が数年にも感じられる、極限まで圧縮された情報の洪水。
久遠仁:何度発狂してもおかしくないその中で意識を繋ぎ止めたのは、ここまでの道程で目にした、彼らの姿だった。
久遠仁:穂村姫乃の情を。
久遠仁:永良ゆづりの覚悟を。
久遠仁:亜藤蘭介の意思を見た。
久遠仁:そして、思ったのだ。
久遠仁:あの時の自分の決意は。
久遠仁:たとえ知られることは無くとも、誰かの為に──UGNとして戦うと決めた、あの想いは。
久遠仁:決して、間違いではなかったのだと。
久遠仁:彼らの戦いが、その姿が、もう一度確かめさせてくれた。
久遠仁:そして。
久遠仁:限りなく引き伸ばされた一瞬の中で、小さな少女の笑顔を見つめる。
久遠仁:それを最初に教えてくれた、彼女の為ならば。
久遠仁:この笑顔の為ならば。
久遠仁:──俺は、何度でも立ち上がれる。
久遠仁:
久遠仁:黒い大樹が、散る。
久遠仁:幹から枝先まで千々に切り刻まれ、再生しようとする因子すらも全く同時に。
久遠仁:全てが灰のように散っていく。
久遠仁:「……これで」
久遠仁:「悪夢(ゆめ)は終わりだ」
GM:──砂嵐が、静まっていく。
GM:走馬灯の如くに移ろい捲られ続けていた世界が、停止して。
GM:気がつくと君達は……森の中に二人、立っている。
北条サイカ:離れることのないように、握り締めていた手の中には
北条サイカ:君のよく知る、桜色の髪の少女の。いつもと変わりない温度があって。
北条サイカ:「また……助けてもらっちゃいましたね。貴方に」
久遠仁:「……何度だって助けるさ」
久遠仁:彼女のその小さな掌が現実であると、確かめるように握り締めて。
久遠仁:「おかえり、北条」
北条サイカ:ふわり、と花のような笑顔を浮かべて。応じるように握り返す。
北条サイカ:「ただいま、先輩」
GM:Eロイスの内訳を公表します。
GM:合計41個です。振りたい人はどうぞ
久遠仁:41個!?!?
穂村 姫乃:41って何
永良ゆづり:41……
亜藤 蘭介:はじめてみた
久遠仁:ふ 振ります
GM:41は……40より1個多い数だよ!
GM:振りな!
久遠仁:158-41D10
DoubleCross : (158-41D10) → 158-224[7,7,4,9,10,2,7,2,10,5,10,7,5,6,7,5,4,8,2,1,4,3,7,4,7,2,1,10,5,2,2,9,6,2,7,4,6,2,8,5,10] → -66
永良ゆづり:162-41d10
DoubleCross : (162-41D10) → 162-209[2,8,9,1,5,2,4,6,2,9,9,10,5,1,10,5,3,2,10,1,4,3,7,7,1,4,5,4,2,5,5,5,2,3,4,9,10,10,6,4,5] → -47
穂村 姫乃:一応振っとくか……
穂村 姫乃:144-41d10
DoubleCross : (144-41D10) → 144-222[9,2,7,1,3,10,6,1,7,4,3,9,10,7,8,6,7,2,7,4,4,5,8,7,7,8,5,7,9,4,3,7,6,6,1,4,2,9,4,1,2] → -78
久遠仁:2倍振りするか……
亜藤 蘭介:146-41d10
DoubleCross : (146-41D10) → 146-227[7,5,5,4,4,6,6,2,3,5,2,9,5,5,9,8,7,2,9,4,10,6,3,7,7,7,5,1,3,10,5,9,2,5,9,4,2,8,5,6,6] → -81
久遠仁:-66-4D10
DoubleCross : (-66-4D10) → -66-25[6,5,4,10] → -91
久遠仁:3点です
亜藤 蘭介:今気づいたんですけど
穂村 姫乃:こっちも二倍振りで
亜藤 蘭介:ルルブにはマイナスの際の経験点書いてないんスね
穂村 姫乃:-78-6d10
DoubleCross : (-78-6D10) → -78-26[3,10,1,6,1,5] → -104
久遠仁:そうなんだ……
GM:普通にマイナスにはならないんじゃない?
GM:シナリオ10点、いつもの5点、Dロイス6点、Eロイス41点なので
永良ゆづり:倍振るロイスが……ない!
亜藤 蘭介:そうだが…
GM:62+侵蝕です
亜藤 蘭介:0と同じ2点でいいのかな…?
GM:あとSロイスあるなら5点
永良ゆづり:じゃあ……0%だから2点で……
GM:そうだけど2倍で触れば3点固定になるよ
GM:そっか倍振りできないんだ……
亜藤 蘭介:そうなの
亜藤 蘭介:なので64点! すごい! いただきます!
永良ゆづり:でも誤差じゃない?
永良ゆづり:64点~~
GM:まあ経験点使う機会もないしね
穂村 姫乃:私も64点!
久遠仁:侵蝕3点とSロイスで70点!
久遠仁:2倍振りしたら65点じゃない?
GM:穂村さんはそうね
GM:そしたら263/3で
穂村 姫乃:あ、そっか
GM:88点いただきます
永良ゆづり:もう定期試験の点数なんよ
GM:あっ
穂村 姫乃:高得点
GM:カノン要塞に出てきた機人の愚者の黄金数えてなかったかも
GM:まあいいか めんどくさいし……
GM:見なかったことにします
久遠仁:見ませんでした
亜藤 蘭介:機人くん ごめんな
GM:ともあれ全員帰還! よかった!
永良ゆづり:やった~~!!
亜藤 蘭介:ワイワイ!
穂村 姫乃:やったぜ
久遠仁:いぇ~い
GM:──事は決した。
GM:最終的な結果だけを見れば、緑坂市が受けた被害は予想を大きく下回った。
GM:魄柱に干渉された精神衝撃により、オーヴァード化する者こそ発生したものの
GM:"ヴァンノワール"内部に閉じ込められた市民被害者のうち、99.9%が死亡・覚醒する事なく無事を確認されている。
GM:戦闘痕跡の処理や夢界干渉を受けた被害者の療養・経過観察、情報記憶処理などによって、支部全体としては今なお多忙な日々が続いてはいるが
GM:戦闘員である君達の任務としては、全く完了したと言っていいだろう。
GM:すなわち、"ヴァンノワール"事件対策戦闘部隊としての役は御免となる。
GM:そして……君達のチームは元より即席の部隊であり、本来の緑坂の支部員は永良と羽海だけだ。
GM:であれば、別れの際に慰労会の一つも開いて置こうという慣習に倣い、この日
GM:支部の一室を貸りて、一時の歓談に興じていた。
羽海束沙:「それでは、皆さん。改めて、本当にお疲れ様でした」ややかしこまって、ジュースの入ったグラスを手に。
羽海束沙:「全員の無事の帰還に、乾杯を」
永良ゆづり:「……お疲れ様」からん、と小さくグラスを揺らす。
羽海束沙:「……あ。こういう役回りは、年長者に譲るべきだったかしら」いそいそとグラスに口をつけつつ。ふと思い出したように、穂村さんを見遣る。
穂村 姫乃:「いや。かしこまった挨拶なんぞ普段せんからの」
穂村 姫乃:「それに誰が音頭を取ろうと杯の中身が変わる訳で無し。気にすることでもないぞ」
久遠仁:「あれだけの戦いで全員こうして帰ってこられたのは、僥倖としか言いようがないなあ」緑茶を片手に。
亜藤 蘭介:こくりと頷いて、静かにグラスを掲げてから。
羽海束沙:「神といえば、儀式や格式を重んずるもの……という訳でもないのですね」
羽海束沙:「いえ……ここまでの付き合いで、分かっていた事ではありますが」
穂村 姫乃:「まあ格式重んじとるんだったらカラオケ行ったりせんじゃろ。知らんけど」
亜藤 蘭介:「残念ながら。ひとりの犠牲者も欠けることなく……とは、叶わなかったが」
亜藤 蘭介:「今。この場に居る全員が。こうして此処に立っていることは。この上なく……喜ばしい」
羽海束沙:「……ええ、本当に」
永良ゆづり:「…………ええ」オレンジジュースをちびちびすすっている。
羽海束沙:何となく、自身の腹部の辺りを触れる。"サンディーヴァ"の必殺の一撃を身に受けた傷も、数日間に及ぶ集中治療の甲斐あってほぼほぼ完治している。
久遠仁:「皆には何度も助けられた。改めて礼を言わせてくれ」
久遠仁:「お陰で、北条も無事に取り戻せた」
羽海束沙:医療班へ差し入れを手に御礼を述べに向かったのは、つい昨日の事だ。
永良ゆづり:「…………」そんな羽海さんの様子を、遠巻きからじっと眺めている。
永良ゆづり:「……そう、北条さんは、大丈夫なのかしら」
亜藤 蘭介:「お互い様だろう」
羽海束沙:ちら、と永良の方を見る。……あの件の以後、しばしば何か物言いあり気な視線を彼女が向けてきているのを感じているが。
羽海束沙:実際に何かを言われた訳ではないし、こちらから問い詰めることもしてはいない。
永良ゆづり:「…………」つい、と目を逸らす。
羽海束沙:……自分らしくないな、とは思う。
亜藤 蘭介:「ああ。……経過観察中……とは聞いたが」
穂村 姫乃:「そうそう。あれだけの死線をくぐったあとでは救ったも救われたももはや無粋じゃろ」
久遠仁:「うん、大事は無いそうだ」マスクの隙間からストローで茶を啜る。
久遠仁:「皆さんによろしく、と」
永良ゆづり:「(本当にマスクから吸ってる……)」
羽海束沙:「そうですか。それは……本当に、何より」
亜藤 蘭介:「彼女は、チーム一の功労者だ」
亜藤 蘭介:「その内。直に礼は言うが……それまでは。俺たちの分まで、しっかり彼女を支えて。労ってくれよ、久遠」
亜藤 蘭介:珍しく、僅かに微笑みながら。グラスの中の炭酸水を呷っている。
永良ゆづり:「……そうね。きっと、貴方が一番適任でしょう」
久遠仁:「うん? ああ、分かった。ちゃんと伝えておくよ」微妙なニュアンスを理解しないまま頷く。
穂村 姫乃:「……ま、アレじゃな。儂らの分まで功労者を労わってくるんじゃな」
穂村 姫乃:理解してないのをにやにやと笑いながらリンゴジュースを呷る。
羽海束沙:「……そうね。"本当に素晴らしい働きでした"、と伝えておいてください」
永良ゆづり:「そういえば。穂村さんはこの後どうするのかしら」
永良ゆづり:「緑坂市にそう長く滞在するわけではないのでしょう、聞いてる限り」
穂村 姫乃:「儂か?まあいつも通りじゃな。2,3日ほど滞在して、その後はまた別の街を目指すつもりじゃ」
久遠仁:「何、もうかい?慌ただしいな」
久遠仁:「これだけの激務だったんだ、少しはゆっくりしてもいいんじゃないかい」
羽海束沙:「別の街……って、行き先は決めているんですか?」
穂村 姫乃:「まあ主観で言えば数年いたようなもんじゃし。観光地でも巡り終えたらそれでよいと思ってな」
穂村 姫乃:「行先は決めとらんが、まあ歩いてるうちに決まるじゃろ。西から来たしそれ以外で選ぶ」
亜藤 蘭介:「気まぐれというか。何というか……」彼女らしいと言えば彼女らしいが。
久遠仁:「ははっ!風のように自由だな。羨ましいよ」
永良ゆづり:「大したバイタリティねぇ……」
穂村 姫乃:「じゃろ?これで数百年通しとるからな!」 誉め言葉にからからと笑って。
久遠仁:「例の神社の方にも、近い内に参拝させてもらうとするよ」
穂村 姫乃:「うむ。良いとこじゃぞ。ちと遠いし見る物少ないからレンタカー借りた方が良いじゃろうが」
永良ゆづり:「まぁ、また気が向いたら緑坂へ。生きてる内は歓迎するわ」
穂村 姫乃:「……実際な。儂が旅をしとる理由の一番は、これが最も多く人と縁を繋ぐ生き方だと思っとるからじゃ」
穂村 姫乃:「そして、この街では実に多くの良縁に恵まれた。あやつら然りお主ら然り」
亜藤 蘭介:「……何処かに、腰を落ち着けようとは?」
穂村 姫乃:「それでは未来の縁を棒に振るかもしれんじゃろ?」
穂村 姫乃:「それに今の時代便利じゃからな。こういうもののお陰で」 ひょいとスマホを取り出して。
亜藤 蘭介:「未来……ははっ。成程」そうか、と呟いて。
穂村 姫乃:「一期一会で縁が途切れてしまうことも随分少なくなった」
久遠仁:「俺より現代に適応してるかもしれんな……」
穂村 姫乃:「ともあれ、アレじゃ。お主らには縁も所縁も出来たし、この先もまた会う機会があるじゃろうて」
穂村 姫乃:「なんなら困りごとでも起きたときに呼ぶと良い。近くに居れば駆け付けよう」
久遠仁:「神の助けとは頼もしい限りだなあ」
永良ゆづり:「神様に電話が繋がるの、風流さは欠片もないけど頼りになるわね」
羽海束沙:「霊験の確かな事は、今度で思い知りましたからね」
久遠仁:「ああ、勿論俺もだ。何かあったら呼んでくれよ、皆。なるべく速く行くとするから」
永良ゆづり:「それは本当に速そう……」
亜藤 蘭介:「古代種である、貴女とは……我々は。歩む速度こそ違えど」
亜藤 蘭介:「また道が交わる日も、訪れましょう」
永良ゆづり:「……しかし、早々人の手も借りたいことなんて起きない……とは」
永良ゆづり:「絶対に言えないのが悲しい所ね」
亜藤 蘭介:「N市はいつでも」永良、羽海、久遠に視線をやって。
亜藤 蘭介:「人員募集中だ」
永良ゆづり:「こわ……」視線から遠ざかる様に、一歩後ずさる。
穂村 姫乃:「魔窟じゃからのう」
久遠仁:「こういう事件が毎日のように起きてるんだろう?全くとんでもないところだな」
羽海束沙:「年が明けても、そこは変わりないんですね……」
亜藤 蘭介:「問題は山積みだからな……実力を肌で知ったお前たちを手放すのは本当に惜しいが」
亜藤 蘭介:「支部長殿の機嫌を損ねるのは避けたい所だ」
永良ゆづり:「……緑坂市が完全に平和になったら」
永良ゆづり:「考えない……ことも、ないくらい、ね」
羽海束沙:「まあ、支部としては今度の件は借りを作ったようなものでしょうし」
羽海束沙:「そちらが大変な時には、可能な限り手を貸す……という判断をする事になると思うわ。ここの支部長は」
久遠仁:「俺は前向きに検討してみるかな……」腕組みをして考え込む。
永良ゆづり:「…………」嘆息。
亜藤 蘭介:「期待して待っていよう……」久遠に視線を移して。
羽海束沙:「……やっぱり心配?」
羽海束沙:「あの子がそういう街に居ることが」
羽海束沙:久遠さんの言葉を勝手に推量する。
久遠仁:「ん……まあ、そうさな」素直に頷く。
久遠仁:「何、またこういう事があった時、近くに居てやれた方が良いと思ってな」
羽海束沙:「それは……そうでしょうね、きっと」
羽海束沙:「組織としてのUGNは、世界を守るものですが」
羽海束沙:「個人として守りたいものは、それぞれの中にあるものですから」
永良ゆづり:「個人……」
穂村 姫乃:「なら、それこそ転属でもしてやれば良いじゃろ」
穂村 姫乃:「前向きに検討というのもそういうことなんじゃろうし。ここの支部長殿はなかなか話の分かる男に見えたぞ?」
永良ゆづり:「……"飯綱"支部長は、確かに信頼のおける上司だと思うけど」
永良ゆづり:「割と得体が知れないのよね」
久遠仁:「支部員の意見か……亜藤さんから見るとどうなんだい?結構一緒に居ただろう」
羽海束沙:「まあ……誤解されやすい人であるのは、分かるけれど」
亜藤 蘭介:「そうだな……」
亜藤 蘭介:「確かに、掴みどころの無い方だ。あの鉄面皮も。支部長たらんとする、意志の現れなのかも知れんが」
亜藤 蘭介:「しかし、俺たちなら。もう知っているだろう」
亜藤 蘭介:「あの人はこの街を、住人を、指揮下の人員を。誰よりも深く愛し、想っている」
亜藤 蘭介:「命を預けるには、十分だと思うがね」そう呟きながら。懐から取り出したペンを握り、メモ用紙にすらすらと己の電話番号を書いて。
亜藤 蘭介:久遠にそっと手渡して。「……その気があるのなら、連絡してくれ」
亜藤 蘭介:「ゆっくりと考えると良い。……二人でな」
永良ゆづり:「勿論、十分だとは。とは言え、随分と持ち上げたね……」
亜藤 蘭介:「……そうか?」永良の言葉に頬を掻きながら。
羽海束沙:「……ええ、私も」
羽海束沙:「支部長として能力、人格とも信頼できる人間……と」
羽海束沙:「言っていいかと、思っています」
久遠仁:「違いない…… ああ、ありがとう。亜藤さん」「よく考えておくよ」
羽海束沙:少し言葉に迷いつつ口にする。
永良ゆづり:「……羽海さんが、そう言うなら」
永良ゆづり:「そうなの、でしょう、ね」ごくり。とジュースを流し込む。
羽海束沙:「……」一瞬、呼び名が変わっている事に訝るような眼を向けるが。
羽海束沙:特に何かを言うでもなく目を逸らす。
羽海束沙:「……穂村さんは」
羽海束沙:「あと数日、この街に滞在しているんでしたよね」
穂村 姫乃:「そうじゃな。それがどうかしたか?」
羽海束沙:話題を還るように口にして。
羽海束沙:「何をして過ごすんです?観光?」
羽海束沙:「必要なら、案内もできると思いますが……」
穂村 姫乃:「そうじゃな……」
穂村 姫乃:「なら――」
GM:---
GM:緑坂市南部 繁華街地区
GM:---
GM:土曜日の昼前。月は8月、世間では夏休みの最中。
GM:駅から数分の場所にある繁華街の景色は、既に事件以前の活気を取り戻していた。
GM:学生と思しき私服の集団、小さな子の手を握り歩く親子連れが、頬に汗をかきながら右に左にと行き交っている。
穂村 姫乃:その人込みを縫うように歩く、黒髪に金の瞳の人影。
穂村 姫乃:この暑さの中に居ながら汗をかく様子はなく、そのせいかどこか涼し気で浮世離れしたような空気を纏っている。
穂村 姫乃:季節に合った軽装とやたらと膨れた鞄。鞄に下げられた二匹のウサギのマスコットの横に、同じシリーズの缶バッジが付けられている。
穂村 姫乃:(結局、なーんも取れんかったの。ルリカのやつどうやってたんじゃろ)
穂村 姫乃:お札が数枚消えるほどクレーンゲームに時間を費やしてみたものの、例のクッションもマスコットも取ることは出来なかった。
穂村 姫乃:かといって手ぶらで帰るのもと近場に会ったガチャガチャを回して出てきたのが件の缶バッジである。
穂村 姫乃:(コツがあるというし次からはアレも練習してみるかの。コスパ悪いのが難点じゃけど)
穂村 姫乃:――数日間の滞在の中で、あの夢の世界でルリカと共に回った娯楽施設を再び回った。
穂村 姫乃:別段やることそのものとしては普段と変わりはない。フラフラと遊び歩いているだけだから。
穂村 姫乃:ただ、こうやって記憶をなぞっておくことが重要であると。穂村姫乃はこれまでの数百年を通してよく知っている。
穂村 姫乃:(というか、今思い返すと初プレイのルリカに完敗しとったんじゃよな……。次会うまでに、もう少しは上達しておくか)
穂村 姫乃:ゲームセンター。映画館。バーガーショップ。
穂村 姫乃:本来の何十倍も引き延ばされた時間は、それでもなお短く。二人で紡いだ思い出は多いとは言えない。
穂村 姫乃:それでもその濃さを薄れさせないために。これからもまた繰り返し彼女との時間をなぞるだろう。
穂村 姫乃:(映画の二度目もなかなか悪くなかったな。やっぱ金髪が一番じゃとは思うが)
穂村 姫乃:(続編が来年に公開らしいし、それもまた見てみるか。そちらにも出てくるんじゃったか、どうだったか)
穂村 姫乃:再会がいつになるかは分からない。きっと映画の続編には間に合わないし、もしかしたらあの作品自体が忘れ去られた後になるかもしれない。
穂村 姫乃:リズムゲームがゲームセンターから姿を消して、映画館が古くなって取り壊されて、ハンバーガーショップだって撤退して。
穂村 姫乃:この街を元に作られたあの夢界と、変わり果てた現のこの街との共通点が一つもなくなるほどの年月が経つかもしれない。
穂村 姫乃:それでも。
穂村 姫乃:(……次に会うときには、何が限定メニューになっとるんじゃろうな)
穂村 姫乃:カラオケに行こう。ボウリングも、ダーツも行こう。それでファミレスに行ってパフェを頼もう。
穂村 姫乃:マリトッツォは見つからなくなっているかもしれないが、きっとまた別のお菓子が流行ってるからそれも食べよう。
穂村 姫乃:それを待てるのが古代種だ。そう生まれたことを、幸福だと思っている。生まれてからずっと。
穂村 姫乃:(……楽しみじゃな)
穂村 姫乃:人込みを抜け、立ち並ぶ建物も疎らになる。緑坂市の範囲を抜けたのだ。
穂村 姫乃:この街に別れを告げ、また新たな街へと歩いていく。そうして旅は続いていく。
穂村 姫乃:新たな縁と、思い出と、小さな旅の連れ二匹を得て。今日も穂村姫乃は歩いていくのだ。
GM:---
GM:UGN緑坂市支部 戦闘演習場
GM:---
亜藤 蘭介:複数の照明に照らされた広い空間。
亜藤 蘭介:体育館ほどの広さのそこは、UGN戦闘員の訓練施設のひとつ。
亜藤 蘭介:多少の能力の使用程度では傷一つ付かないよう、壁や床に強化が施してある。
亜藤 蘭介:故に。
亜藤 蘭介:「(全力だ)」
亜藤 蘭介:相対する、張り付いた面のような笑みを浮かべる男を見据えて。
"飯綱":装いも、作ったような笑みも、君が知る今までと変わりない。
"飯綱":違うのは、一本の真剣を握り正眼に構えていること。
"飯綱":殺意のようなものは感じられないが、集中していることは分かる。
"飯綱":「合図は、必要でしょうか」
亜藤 蘭介:「………では」
亜藤 蘭介:実力差は歴然。胸を借りるつもりで挑ませて頂きますとは、事前に告げているものの。
亜藤 蘭介:「今から3つ、数えます故」
亜藤 蘭介:勝ちを譲るとまでは。
亜藤 蘭介:「3」
亜藤 蘭介:言っていない。
亜藤 蘭介:にい、と呟いた直後には。瞬き一つの間に能力を行使、分体と同時に床を踏み抜きながら前へ突進。
亜藤 蘭介:稚拙で姑息な、戦術とはおよそ呼べない手管だが。己に手段を選んでいるほどの手数は無い。
亜藤 蘭介:頂きに手を伸ばすためなら。使える武器は、何でも使わせて頂く。
亜藤 蘭介:左方から狙うは上段の頭部。
亜藤 蘭介:右方から狙うは下段の脚部。
亜藤 蘭介:かつて夢界世界にて囚われた己が。水上ケイとの模擬戦にて、止めとなり倒れ伏した二撃。
亜藤 蘭介:並の手合なら防ぐこと困難な二撃が、正眼の構えで待受けんとする男に迫る。
"飯綱":男は動かない。ただ、ぬるい風が吹いた。
"飯綱":亜藤の手首から力が抜ける。
"飯綱":痛みも出血もない故に、「斬られた」と気付くまでに間があった。
"飯綱":振り抜こうとした剣が、すっぽ抜けて壁へと飛んで行く。
亜藤 蘭介:「(何─────)」
"飯綱":男は動いていない。彼が構える刃の間合にも、まだ入っていない。
"飯綱":次いで、思い当たる。剣戟による鎌鼬。ハヌマーンの基本的なエフェクトの一つ。
"飯綱":刃先は動かず、一閃の光輝すら眼に映らない。錬度と神速を極めた一撃。
亜藤 蘭介:が、と声が漏れた刹那には、手首から先が消え、遅れて鈍い痛みと吹き出す血流。
"飯綱":「では、これで一本」出だしの見えない突き。刃先を君の本体の喉元へと突きつけている。
亜藤 蘭介:ぴたりと足を止め、己に突きつけられた切っ先を眼に、静かに息を吐いて。
亜藤 蘭介:「───────」
亜藤 蘭介:「参りました」
"飯綱":「後を引かないように斬りましたから」
"飯綱":「少し休めば、リザレクトが効くでしょう」
亜藤 蘭介:視線を斬られた箇所に向ければ、既にその兆候が始まっているのが分かる。
亜藤 蘭介:「む……」
亜藤 蘭介:「赤子の手を捻るとは、正にこの事でしょうな」
亜藤 蘭介:悔しげにぼそりと呟く。
"飯綱":「何、今のはフェアではないでしょう。一方的に手の内を知ったままの立ち会いでした」
"飯綱":だから少し休めばもう一試合ができるように斬った、と暗に含んだ言い方をして。
亜藤 蘭介:言外に含まれた意味を察するようにふっ、と吹き出して。
亜藤 蘭介:「……では、それまで。少しお話を」
亜藤 蘭介:「先日は、慰労会の開催のご許可と、支部内の一室を快くお貸し出し下さった心遣い」
"飯綱":「ふむ」血の付いていない刃を鞘に納めて。
亜藤 蘭介:「ありがとうございました」
"飯綱":「皆さんの働きを考えれば、それくらいの許可は全く妥当でしょう」
亜藤 蘭介:光栄です、と頭を下げながら。
亜藤 蘭介:「一度、関わったのであれば。後処理のお手伝いをも、と考えたのですが」
亜藤 蘭介:「また少しばかり、その……"所属"の方が、ですね」
亜藤 蘭介:言い出し辛そうに口を開閉させている。
"飯綱":「ええ、元よりそちらの多忙さは心得ております」
"飯綱":「それに、人手不足ゆえの職掌の曖昧化はUGNの常とはいえ」
"飯綱":「貴方ほどの実力のエージェントであれば、片付いた事件の後始末に充てる事は」
"飯綱":「些か勿体ないと言えるでしょう」
亜藤 蘭介:「それこそ勿体ないお言葉ですが……」僅かに照れくさそうに。
亜藤 蘭介:「……人手こそ、不足しているかもしれませんが」
亜藤 蘭介:「この支部には。確かな実力と、信頼に値するものを持った人員が何人もいらっしゃる」
亜藤 蘭介:「永良と、羽海には……何度も、窮地を救って頂きました」
"飯綱":「光栄な事です」
"飯綱":「それで……私個人の話を聞きたい、という事でしたか」
"飯綱":いつかした会話を、思い出すように口にして。
亜藤 蘭介:「ええ─────」
亜藤 蘭介:かつて交わした約束だ。
亜藤 蘭介:"俺が一本取れた、その暁には────"
亜藤 蘭介:他者を立ち入らせたくない領域は。当然個々人が抱えているものだが。
亜藤 蘭介:「ただ、どうしても」
亜藤 蘭介:「貴方の、その強さを支えている根幹が」
亜藤 蘭介:「知ってみたくなった故に」
"飯綱":「そう大層なお話ができるかは分かりませんが」
"飯綱":「貴方であれば、伝えても問題ないでしょう」
"飯綱":「……ただ、他の方の前では知らぬ体を通していただきたくはありますが」
"飯綱":「では、改めて名乗りを」
羽海朱士:「"飯綱"こと、羽海朱士と申します」
亜藤 蘭介:「…………はっ」
亜藤 蘭介:「羽海……?」
亜藤 蘭介:何を聞いても動じずまいとしていたが。
亜藤 蘭介:思わず、呆然とした表情を浮かべてしまう
羽海朱士:「ええ。"フェザリー・リード"……束沙は、私の娘です」
羽海朱士:「あの通り、真面目な子ですから」
羽海朱士:「なるべく、仕事の場で家族扱いはされたくないと」
亜藤 蘭介:「生真面目なきらいのある、彼女であれば……納得ですな」まじまじと彼の表情を見つめて。
羽海朱士:「それに、身内が居ることを伏せておく事も」
羽海朱士:「私のような立場に居ると、意味がありますから」
羽海朱士:何も指輪を着けていない左手を見せて言う。
亜藤 蘭介:少しだけ迷うような素振りを見せたあと。
亜藤 蘭介:「奥様は……此度の事件で、市内に?」
羽海朱士:「いえ。妻もエージェントですが、この支部の所属ではないので」
羽海朱士:「今度の件に巻き込まれていた訳ではありません。……ただ、まあ」
羽海朱士:「貴方にこの話をしたのは、改めて父親として御礼を申し上げたかったからでもあります」
羽海朱士:「……娘に手を貸していただき、ありがとうございました」
亜藤 蘭介:「──────」
亜藤 蘭介:父親として。死地に愛娘を向かわせる決断。それに至るまでの苦悩や覚悟は、己には決して伺い知れぬものではないが。
亜藤 蘭介:「こちらこそ、感謝を。朱士殿」
亜藤 蘭介:「羽海束沙無くして、俺たちが"サンディーヴァ"を打倒することは有り得無かった」
亜藤 蘭介:「"フェザリー・リード"は」
亜藤 蘭介:「UGNとして、個の戦士としても。一人前ですとも」
羽海朱士:「……ありがとうございます」
羽海朱士:「父として、誇らしいことです」
亜藤 蘭介:少しだけ、羨ましそうに微笑んで。
亜藤 蘭介:「……貴方の秘した真実を、この私に打ち明けて下さった覚悟に」
亜藤 蘭介:「報いなければ成りますまい」
亜藤 蘭介:再生の終わった手を握り、開いて。
亜藤 蘭介:「順序が逆転してしまいましたが。─────問題ない」
亜藤 蘭介:「もう一手。ご指南頂いても?」
羽海朱士:「ええ、勿論」
羽海朱士:「あと二時間は使えます。貴方が付き合えるなら、ですが」
亜藤 蘭介:「知りませんよ」
羽海朱士:そう言って、再び柄に手をかける。
亜藤 蘭介:「今日の予定を。全て捨てる事になるやも」
亜藤 蘭介:そう笑って。柄を握り、刃を上段に構える。
羽海朱士:「ふふふ」
羽海朱士:「もしもそれほどの物が見れるならば、悔いはありませんとも」
羽海朱士:「期待していますよ」
羽海朱士:こちらも先と動揺、動きのない正眼に構える。
亜藤 蘭介:一点の隙の無い構え。繰り出される剣戟は正に神速。
亜藤 蘭介:で、あれば。
亜藤 蘭介:「(あの仮面男に一矢報いるため。練った対策が流用出来るかもな)」
亜藤 蘭介:……この街に残された爪痕は大きい。
亜藤 蘭介:"サンディーヴァ"の被害を受けた人々が、当たり前のように笑える日々が来るのは、何時になるのかは、検討も付かないが。
亜藤 蘭介:二人の少女の背を思い出す。
亜藤 蘭介:こうあるべきという未来を見据え、踠きながら、然し懸命に手を取り合って。
亜藤 蘭介:その道を歩む彼女らが居る限り。この街は、どんな脅威が迫ろうと。それを跳ね除けてみせるだろう。
亜藤 蘭介:いつものように、レネゲイドを傍に集束させて。
亜藤 蘭介:分体を造り出す。
亜藤 蘭介:……"サンディーヴァ"が犯した罪は、決して許されることのないものだが。
亜藤 蘭介:一つだけ。礼を言いたかった。
亜藤 蘭介:「(久々に、陽紗の顔が─────)」
亜藤 蘭介:その時ふと。分体がごう、と。
亜藤 蘭介:金色に燃え上がって。
亜藤 蘭介:「………」
亜藤 蘭介:「はは……」
亜藤 蘭介:「ただいま」
亜藤 蘭介:困ったような表情のあと、男は。少年のような笑みを浮かべた。
GM:---
GM:UGN緑坂市支部 事務棟裏
GM:---
GM:市内中腹の駅を拠点としている支部本体から、少し離れた場所に存在する事務棟の裏手。
GM:駅の利用者の目に付く事もない、UGNの私有地だ。たとえ少女が喫煙まがいの行為をしていたとして、一般人に通報され大事になる事もなければ
GM:支部員自体が通りがかることも、そうない。
羽海束沙:そこの壁に背を預けるようにして。近くの自販機で買った紙パックのストローを、ちびちびと吸っている。
羽海束沙:何か用があって足を向けた訳ではない。そもそも、何かがあるような場所ではない。
羽海束沙:ただ休むだけなら、支部付の休憩室でも使えばいいのだし。
羽海束沙:……らしくもない、と思う。ここ最近の自分は、色々と。
羽海束沙:彼女の態度に違和感を感じるなら、彼女と話をすればいいだけのことだろうに。
羽海束沙:(……暑いな)
羽海束沙:傾きかけた陽射しが直に当たる時間帯だった。頬にじわりと汗が伝う。
羽海束沙:真夏の頃を過ぎたとはいえ、まだ夏日の続く頃だ。
羽海束沙:大人しく冷房の効いた屋内に戻るべきだろうと。空になった紙パックを握りつぶして、踵を返し──
永良ゆづり:「──────っ、あ」
羽海束沙:「……え」
永良ゆづり:ハッチング帽を目深に被った、黒ジャージ姿の少女が。目を見開いて立っていた。
永良ゆづり:「つか……」咄嗟に零れた言葉を切り、繕う様に口元に手を寄せて。
永良ゆづり:「……羽海さん。なんで、こんな所に」
羽海束沙:「何、って……休憩時間、だから」微妙に的の外れた答えを返す。
羽海束沙:「そっちこそ、どうしたの」
永良ゆづり:「こんな暑い時期に態々、外に出て?」
永良ゆづり:「私は、その……知ってるでしょう、ココアシガレットのこと」
永良ゆづり:「いつまでも、貴女に迷惑掛けられないから……」
羽海束沙:「……」手の甲で頬の汗を拭って。
羽海束沙:「それは……」私の前でだけ吸うんじゃなかったの、と口にしかけて止め。
羽海束沙:「どういう心境の変化なの、かしら」
永良ゆづり:「変化……って、私はいつも通りだけ、ど」歯切れ悪く。まるで、踏み込まれることを恐れるかのように。
羽海束沙:「……遠慮しようとしてるように、見えるから」
羽海束沙:「名前の呼び方だって、意識して変えてるんでしょう」
永良ゆづり:「っ……事件以前の呼び方に、戻しただけじゃない」
羽海束沙:「……。別に、貴方が戻したくなっただけなら、いいけれど」
羽海束沙:「…………」
永良ゆづり:「…………」
羽海束沙:数秒、迷うように視線を揺らして。もう一度君を見る。
羽海束沙:「私……その」
羽海束沙:「貴方に、嫌われるような事をした……かしら」
永良ゆづり:「っ!……違う、束沙は悪くない!」はっとした様に。
羽海束沙:「……また、名前で呼んでくれた」
永良ゆづり:「あ……」
永良ゆづり:「……駄目だ。やっぱり、束沙を目の前にすると」
永良ゆづり:「何も取り繕えなくなっちゃう」
羽海束沙:「取り繕うって、何を……」
永良ゆづり:「……正直、私も。よく分からなくて」
永良ゆづり:「でも、そのままにしたら。貴女の信念を支えるなんて、到底出来ないと思ったから」
羽海束沙:「……どういう、こと?」
永良ゆづり:「少し距離を取れば、元の木阿弥に収まる見通しだったんだけど」
永良ゆづり:「全然、駄目だった。寧ろ、膨れ上がってる」
羽海束沙:「…………」
羽海束沙:「……それは、私が聞いたほうがいい話?」
永良ゆづり:「…………」
永良ゆづり:「……きっと、幻滅させてしまうと思うけど」
羽海束沙:「……でも、隠しきれそうな事でもないんでしょう?」
羽海束沙:「きっと幻滅しない、とまで約束はできないけれど……」
羽海束沙:「苦しいなら、無理に一人で背負うこともないんじゃないかしら」
永良ゆづり:「それなら、それでいい。貴方の足枷になりたくないし」
永良ゆづり:「……"サンディーヴァ"の件で、彼女の領域送掌から私を庇ってくれたでしょう」
羽海束沙:「……ええ」
永良ゆづり:「結果、貴女は再起不能になり。何とか残りの私達で打倒することが出来たけど」
永良ゆづり:「"サンディーヴァ"を倒した後も。夢界領域が跡形もなく消え去った後も」
永良ゆづり:「集中治療を受けて、回復した貴女を見るまで。ずっと……怖かった」
羽海束沙:「……ごめんなさい」
羽海束沙:「心配をかけてしまった事は……悪かったわ」
永良ゆづり:「……だから、悪いのは束沙じゃないって」
羽海束沙:「それは……今でも、あれが間違った判断だったとは思っていないけれど」
羽海束沙:「でも、心配されるだけの真似をした事は事実だし」
永良ゆづり:「そう、束沙は正しいことをした。納得だってしたつもりだった」
永良ゆづり:「あの戦闘では、貴女との約束があったから何とか持ちこたえられたけれど」
永良ゆづり:「……今は、駄目」
永良ゆづり:「貴女が私の前から消えてしまう可能性を、許容できない」
羽海束沙:「それは……」
羽海束沙:「私に戦って欲しくない、ということ?」
永良ゆづり:踏み込んだ問から逃れようと、取り繕う言葉を探すが。
永良ゆづり:「……そう」観念したように微かな声色で。
永良ゆづり:「勿論、貴女が強いことも。その想いを簡単に歪められないことだって承知している」
永良ゆづり:「でも、どうしても、考えと気持ちがズレて、戻せない」
羽海束沙:「……貴方」
羽海束沙:ふっと、どこか目を細めるように笑って。
羽海束沙:「こんな場所にいるには、優しすぎるみたい」
羽海束沙:「私は、どうしても……心のどこかで、納得してしまうから」
羽海束沙:「大切なひとが、戦いの中で傷付いてしまうことにも」
羽海束沙:「……いつか、斃れるかもしれない事にも」
永良ゆづり:「……メッキが剝がれてしまったのかも」
永良ゆづり:「私には。人の死を背負うだけの資格も、貴女に並び立つだけの器も──」
羽海束沙:「だから、さ」
羽海束沙:「無理にここにいなくても、良いと思う」
羽海束沙:「……資格、なんて言うつもりはないけれど」
羽海束沙:「過去の罪や、私との約束が」
羽海束沙:「貴方を縛って、苦しめてしまうくらいなら」
羽海束沙:「そんな生き方を、させてしまうくらいなら」
羽海束沙:「無理しなくていい、って……私は、そう思う」
羽海束沙:「言ったでしょう。私も」
羽海束沙:「貴方に、無理に傷付いて欲しくない……から」
永良ゆづり:「……この話をしたら」
永良ゆづり:「きっと、貴女はそう言うと思った」
永良ゆづり:「UGNから遠ざけることで、苦しみから逃がしてあげようって」
永良ゆづり:「でも、違うんだよ」
永良ゆづり:「この胸の苦しみの先に居るのは────貴女だけなんだ」
羽海束沙:「え……」
羽海束沙:その言葉の意味が呑み込めないという様子で、目を見開く。
永良ゆづり:「たとえ私が戦いから離れて日常に戻ったところで、貴女が戦い続けるのなら」
永良ゆづり:「一時たりとも、心の苛みが止むことはないと思う」
羽海束沙:「ど、どうして……?」
羽海束沙:「私だけが、そんなに……え……?」
永良ゆづり:「分かんないよ!!」
羽海束沙:「……っ」
永良ゆづり:「分かってたら、こんな、自分でも意味の分からない振る舞いなんかしない!」
永良ゆづり:普段の永良からは想像も付かない程に、堰を切って声を荒げる。
永良ゆづり:「貴女の夢を叶えたい!応援したい!支えたい!」
永良ゆづり:「でも、傷ついてほしくない!離れてほしくない!」
羽海束沙:「ご、ごめんっ……」
永良ゆづり:「……心配させたことで、貴女に、謝ってほしくなんか、ない」
永良ゆづり:眼鏡の内に堪り込んだ水が、頬を伝って零れ落ちる。
永良ゆづり:「……教えて、よ」
永良ゆづり:「何で、貴女のことで。こんな風に、なっちゃうの」
羽海束沙:「わ……私だって、分からない……」
羽海束沙:「……だって、貴方の気持ちなんだもの」
羽海束沙:「きっと……貴方が、見つけ出して……名前を付けるしか」
羽海束沙:「他にないんだと……思う」
永良ゆづり:「……はは。束沙でも、分からないことあるんだ」
羽海束沙:「分からない事だらけだよ」
羽海束沙:「人よりちょっと、多く知ってるだけ」
羽海束沙:「だから……だから」
羽海束沙:「……その、ああ言った矢先だけど」
羽海束沙:「もうしばらく、近くにいる訳には……いかない、かしら」
永良ゆづり:「……どういう、こと?」
羽海束沙:「だって……そんな風な貴方を、放っておけないし」
羽海束沙:「それに……私も、今」
羽海束沙:「貴方の言葉を聞いて……貴方と離れたくないって、思ってしまった……から」
永良ゆづり:「……っ!」
永良ゆづり:「何よ、それ。意味が分からないんだけど」
羽海束沙:「だって……私の近くにいても、そうでなくても」
羽海束沙:「貴方は、傷付いてしまうんでしょう」
永良ゆづり:「……多分」帽子を目深に直し、表情を隠す。
羽海束沙:「だったら、傍に居てくれたほうが」
羽海束沙:「何とかできる事もある……かも、しれないし……」
永良ゆづり:一歩、踏み込んで。
羽海束沙:一歩分近づいた目を、逸らさず見つめ返す。
永良ゆづり:視線を意に介さない。二歩、三歩と、彼女の傍へ。
永良ゆづり:「……貴女も、私も分からない、感情のこと」
永良ゆづり:「少しだけ、分かった気がする」
羽海束沙:「そう、なの……?」
永良ゆづり:「気がするだけ。でも────」
永良ゆづり:彼女の肩口に顔を寄せて。真正面から抱え込むように、彼女の背中へ手を回す。
永良ゆづり:「貴女は、きっと私を心配してくれただけでしょうけど」
永良ゆづり:「"離れたくない"って、貴女の口から漏れた時」
永良ゆづり:「どうしようもなく、嬉しかった」
羽海束沙:「……あ」
羽海束沙:一瞬、目を見開き硬直して。
羽海束沙:「わ、私も……!その」
羽海束沙:「貴方は、幻滅するかも知れないと言ったけれど」
羽海束沙:「貴方が、私を大切に想ってくれてる事は」
羽海束沙:「嬉しいと、思った」
永良ゆづり:「……っ」表情は、君から見えない。けれど、背中に触れる手が少しだけ震えた。
永良ゆづり:「そっ、かぁ」
永良ゆづり:「……貴女に話して、良かった」
羽海束沙:「……こっちこそ」
羽海束沙:「話してくれて、ありがとう」
永良ゆづり:「でも、一つだけ。言い返そうかな」
羽海束沙:「何……?」
永良ゆづり:「私の事を、何とかできるかもって。貴女は言ったけど」
永良ゆづり:「私だって、貴女の事を何とかしてみせる」
永良ゆづり:「貴女が傷つくのはやだけど、そのリスクを少しでも減らしたいなら」
永良ゆづり:「その役目は私がやる」
羽海束沙:「……うん。頼りにしてる」
永良ゆづり:寄せていた手を外して、ゆっくりと向き直る。
永良ゆづり:「やっぱり、敵わないなぁ」
羽海束沙:「……負かしたつもりはないんだけれど」
永良ゆづり:ポケットから、紺色の小さな箱を取り出し。
永良ゆづり:指ほどの大きさの白い棒を摘まんで、口に咥える。
永良ゆづり:
永良ゆづり:貴女を監視するための方便として使った、ココアシガレット。
永良ゆづり:私が初めて"遊び"に興じたのは、オーヴァードに目覚めて間もない子供の頃。
永良ゆづり:最初は、小さな白煙を作り出すだけの弱々しいものだった。
永良ゆづり:周囲の誰もが持ちえない特別な能力に、特別感を抱いた幼い私は、
永良ゆづり:ココアシガレットで喫煙を偽装し、友人達に見せびらかした。
永良ゆづり:子供達も、大人達も。おもちゃか何かで作り出したのだと、気にも留めなかったが。
永良ゆづり:"専門家"であった彼ら──FHの連中は、直ぐにソレだと気付いたのだろう。
永良ゆづり:
永良ゆづり:後から聞いた話だが、児童オーヴァードであれば誰でも良かったらしい。
永良ゆづり:強制的なR侵蝕の深化による、無差別テロ兵器としての運用を想定した投薬実験。
永良ゆづり:私の様な子供は、衝動の暴走を容易に誘導させやすい恰好のモルモットだったそうだ。
永良ゆづり:親族を人質に取り、薬を飲ませた上で。集めた子供達に連中はこう言い放った。
永良ゆづり:"沢山の人を殺せ。一番多く殺した者の人質だけを解放する"と。
永良ゆづり:私を含めて5人の子供が同時に投入され、ジャーム化を免れたのは私だけだった。
永良ゆづり:
永良ゆづり:──結果、衝動の赴くままに私が奪った命は。
永良ゆづり:駅構内に居た294名の一般人。鎮圧に駆け付けた4名のUGN構成員。
永良ゆづり:そして。それだけの罪を犯してなお、救えなかった両親と妹。
永良ゆづり:
永良ゆづり:事件以来、"遊び"をすると手が震えるようになった。
永良ゆづり:膨れ上がった猜疑心が。淀み切った罪悪感が。自身を苛み、締め付けるから。
永良ゆづり:私はそれを戒めだと考えた。
永良ゆづり:もう二度と、背負いきれぬ罪を生まないように。自らに打ち付けた楔として。
永良ゆづり:チルドレンとしてUGNに配属されて以降も、人目を避けてずっと繰り返した。
永良ゆづり:贖罪として人の死を背負うため、訓練と任務に明け暮れた私の権能は、日を追うごとに強度を増した。
永良ゆづり:いつしか、当時私を捕らえたFHの連中など、余裕で返り討ちできるほどに。
永良ゆづり:それでも、楔の痛みが消えることはなかった。
永良ゆづり:
永良ゆづり:──そんな時。私の前に現れた、馬鹿真面目な同僚。
永良ゆづり:貴女を監視するため。ひいては、貴女に纏わりつく死を請け負って背負うために。
永良ゆづり:咄嗟に思いついた言い訳でしかなかった、付き合いの"遊び"だったけれど。
永良ゆづり:果たして、いつからだっただろうか。
永良ゆづり:戒めと苦痛でしかなかった"遊び"が、待ち遠しい時間に変わったのは──
永良ゆづり:
永良ゆづり:「……いいや。ずっと、負けてる」
永良ゆづり:シガレットの先端から、煙が真っすぐに立ち昇っていく。
GM:---