GM:ヤヒロギンジ
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使用ステージについて
本セッションでは、すきゃっとさん(@ScatterDX) 作成の1943ステージプレイエイド を使用しています。
キャラシート
PC1:"-"ヨハン・モンタナ(キャラシート) PL:そごう
PC2:"Blatt Drei"クラウディア・ローデ(キャラシート) PL:いちま
PC3:"M.S/M.T"カイ・スェネミー(キャラシート) PL:白金
PC4:"革命の盾"ニコラス・デイヴィス(キャラシート) PL:中村
目次

・プリプレイ

トレーラー
プリプレイ

・オープニング

【OP/UNKNOWN】
【OP/クラウディア・ローデ】
【OP/ニコラス・デイヴィス】
【OP/カイ・スェネミー】
【OP/ヨハン・モンタナ】

・ミドルフェイズ

【Middle1/「ようこそオーヴァードの世界に」】
【Middle2/「昨日までの君だったら、この手を振りほどかずには居られただろうか」】
【Middle3/「すまない。深淵なる知識を垣間見せてしまった」】
【Middle4/「別に、平気よ。嫉妬とかそういうの、慣れてるし」】
【Middle5/「Lorem ipsum dolor sit amet」】
【Middle6/「ちゃんとやってみたいんだ。人生ってやつを」】

・クライマックス

【Climax/Tempest】
【Climax/Phantom Bane】

・エンディング

【Backtrack】
【ED/選択】
【ED/ニコラス・デイヴィス】
【ED/カイ・スェネミー】
【ED/クラウディア・ローデ】
【ED/ヨハン・モンタナ】
【トレーラー】
アメリカ合衆国。
"プロホロフカの惨劇"以降、一貫して反レネゲイドを掲げる、世界最大のオーヴァード排斥国家。
この国において、オーヴァードは英雄ではない。
元がどの様な人物であれ、怪物と成り果てた者に残された道はごく僅かだ。
故郷を守るため、差別と偏見の渦中に敢えて留まるか。 
新天地に自由を求め、危険を冒して国境を突破するか。
復讐心と怒りを胸に、己が力を以て迫害に抵抗するか。
選択の時は例外なく訪れるだろう。 

1963年、ニューヨーク。
米軍管理下の重犯罪オーヴァード『ファントム』が移送中に脱走する事件が発生。
連邦政府は『超人災害対策特別措置法』に基づく緊急事態宣言を発令し 
マンハッタン島は完全に封鎖された。 
無人となった大都市に放たれる対オーヴァード狩猟部隊『テンペスト』。
更にはこれに乗じて、反政府組織や各国の工作員が『ファントム』を奪取せんと暗躍する。
数多の思惑が絡み合い過熱する争奪戦。
しかしそれは、更なる混沌の前触れに過ぎなかった。

生誕を告げる鐘が鳴り響き、呪い仔は言祝がれる。 

Double Cross The 3rd edition 
フラグメント:リバース Case02 
『幻死痛/PHANTOM BANE』 
ダブルクロス───それは裏切りを意味する言葉。

【プリプレイ】
GM
GM:というわけでセッションを始めます
GM:まずは自己紹介!
GM:諸事情あってPC2からとなります
クラウディア・ローデ:私!
GM:クラウディアさん!キャラシを貼って自己紹介シナ!
クラウディア・ローデ:まかせて
クラウディア・ローデ:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYhN6EpQQM
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデ。ドイツ陸軍所属の超人兵士です。
クラウディア・ローデ:リバース本編3話のNPCとして登場し、ダイス目による死亡ルーレットをなんとか生き延びたため
クラウディア・ローデ:今回晴れてPC稼働する運びとなりました。
GM:激戦でしたからね
クラウディア・ローデ:隊長が戦死したり色々あり、生き残った旧部隊「ゲシュペンスト」のメンバーは新隊「Eukalyptus」へと再編成されており
クラウディア・ローデ:コードも変わって新しい任務を請負い、前回の惨劇の黒幕と思しきアメリカに潜入する運びとなりました。
クラウディア・ローデ:あ、カタカナ読みだと「オイカリュプトゥス」だと思います。たぶん
GM:声に出して読みたいドイツ語
クラウディア・ローデ:基本的に性格は自己中心的であり、軍に入って超人化実験に志願したのも名誉のため。
クラウディア・ローデ:ただ普通に大事な同僚を死なせたりめちゃくちゃやったアメリカには個人的にもまあまあムカついてるので、今回の仕事へのモチベーションは高いと思います。
GM:ヘイト国家アメリカ許せねえよ
クラウディア・ローデ:潜入用の偽名はディアドリー・シムズ。数ヶ月前からNYの娼館1Fとかにあるナイトバーで給仕をしながら諜報工作活動をしています
GM:とんでもなくエッチな情報出てきたな…………
クラウディア・ローデ:年齢も2歳盛ってる こういう職場だとよくあるよね
クラウディア・ローデ:能力は鋼線を展開してそれを媒介とした広域振動破壊を行います。データ的には固定値サイレンアタッカー。
クラウディア・ローデ:まあまあ高い打点でシーン全体を殴ったり2回殴ったりします ミドル性能には期待しないでね
クラウディア・ローデ:そんな感じです がんばります
GM:間違いなく強いんだよな
GM:頑張って!先輩も草葉の陰から見守ってると思います!
GM:そんなクラウディアさんのハンドアウトはこちら!
クラウディア・ローデ:先輩……
【PC2 :クラウディア・ローデ】
シナリオロイス:"テンペスト" 
君はドイツ陸軍超人部隊『Eukalyptus』に所属するオーヴァードだ。
ローマでの激戦から生還した君は、休む間もなく次の任務へと送り込まれた。
任地はニューヨーク。目的は先の戦いの黒幕と見られる組織”船員達”についての調査だ。
バーの給仕として身を隠す君の元へ、ニューヨーク近郊で発生した墜落事故の情報がもたらされる。
移送されていたオーヴァード”ファントム”は、現場から逃走し市内に潜伏しているという。
”ファントム”は数少ない第一世代のオーヴァードであり、君達にとって貴重な情報源となるだろう。
君は”ファントム”に接触し、自分たちの祖国へと亡命させなければならない。

クラウディア・ローデ:へえ~
GM:情報源と戦力を同時にゲットってわけ!
クラウディア・ローデ:ファントムくんに会って仲良くなっちゃえばいいわけね まかせて
GM:骨抜きにしてやって!
GM:しかしファントムくんを狙うのは一人ではない!続いてPC4、ニコラスさんお願いします!
ニコラス・デイヴィス:はーい。
ニコラス・デイヴィス:https://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY4YGtrAQM
ニコラス・デイヴィス:PC4のニコラス・デイヴィスです。
ニコラス・デイヴィス:気軽にニックって呼んでね。
GM:ニック~♡
ニコラス・デイヴィス:アメリカ政府に対する反抗組織である『United States of Grace』に所属しており、仲間からは”革命の盾"などと呼ばれています。
ニコラス・デイヴィス:ごく平凡な南部の農家に生まれたスコットランド系アメリカ人。
ニコラス・デイヴィス:ごく平凡に育ち、ごく平凡な善良な青年としてごく平凡な家庭を築いていましたが、オーヴァードとして覚醒したことでそのささやかな幸せは全て崩れてしまいました。
ニコラス・デイヴィス:自分を化け物と蔑む妻の姿、化け物を見たように震え、怯える子供の顔。自分を追い立て、狩ろうとする昨日までの友人たち。
ニコラス・デイヴィス:自分が過ごしていた世界が突然翻ってしまったようなあの日の悲しみと絶望は生涯忘れらそうにありません。
GM:悲劇だ……
ニコラス・デイヴィス:そして自分のような人間を二度と出さないために、ステイツでのオーヴァードの人権確保のために『United States of Grace』に参加し、
ニコラス・デイヴィス:オーヴァードが当たり前の幸福を獲得できる社会を目指し戦ってます。
ニコラス・デイヴィス:という設定で『United States of Grace』に加入している古代種です。
GM:素晴らしい青年ですね。苦労が報われてほしいです
GM:そんな……………
ニコラス・デイヴィス:古代ローマの頃からひっそりと生きていましたが、清教徒革命で革命の熱気に興味を持ちフランス革命で完全にドはまりしました。
ニコラス・デイヴィス:いやー、いいよね。革命。それまでずっと王族や貴族の下にしかなかった『正義』とか『大義』という物が初めて自分たちの所に落ちてきた時の市民の熱気とか狂気?たまらないよね。脳が焼けちゃう。
GM:革命で脳が溶けちゃってるじゃねえか!
ニコラス・デイヴィス:ニホンのメイジイシンも…あれを革命と呼んでいいのかはよくわからないけど。とにかく勢いだけはあってすごかったよね。チョーシューとか、やばいよ。
GM:あいつらは本当にヤバい
ニコラス・デイヴィス:そんな感じで《擬態の仮面》パワーで顔を変えたりして各地の革命に顔を出してる革命大好きマンです。生きてて楽しい。
GM:とんでもないエンジョイ勢だ……
ニコラス・デイヴィス:能力はピュアがらんどうの肉体やピュアデモンズウェブでダメージを軽減したり、守護者の巨壁や命のカーテンでみんなを守ったりします!革命の盾!
GM:この盾硬すぎるッピ!
ニコラス・デイヴィス:自分から攻撃しないのはもっと長く革命の空気を味わっていたいからとかそんなんじゃなく、純粋にみんなを守りたいという気持ちからのものだよ!ホントだよ!!
ニコラス・デイヴィス:まあ、そんな感じのエンジョイ勢です。宜しくお願いします
GM:せ、せやね……
GM:そんないい空気吸ってるニコラスさんのハンドアウトはこちら!
【PC4 :ニコラス・デイヴィス】
シナリオロイス:”マルコムX” 
君は革命の熱狂に魅入られたオーヴァードであり、アメリカの反政府組織の一員だ。 
君の所属する組織の名は『ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイス(United States of Grace)』。
政府の推進するオーヴァード排斥運動に異を唱え、オーヴァードの権利拡大のために戦っている。
そしてその目的を果たすためには、多少の破壊や流血もやむなしと考える、いわゆる過激派だ。
君は記者として訪れた墜落現場で、都市封鎖が実行され”ファントム”狩りが始まることを知る。
組織の長である”マルコムX”は”ファントム”と浅からぬ因縁がある様子で、君に指令を下した。
君は”ファントム”に接触し、自分たちの同志として迎え入れなければならない。

GM:革命の時間だぜ
ニコラス・デイヴィス:やってやるぜ~!面白い仲間が増えれば革命がより面白くなるからな~!
GM:無敵の人じゃん…
GM:では続いてPC3のカイさん!自己紹介をお願いします!
カイ・スェネミー:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6peB-AMM
カイ・スェネミー:はい。PC3のカイ・スェネミーです。『宇宙友愛教会(Universal Church of Fraternity)』所属の謎のマジシャン。
カイ・スェネミー:エフェクト?何のことでしょうか?私は一介の手品師。オーヴァードなどではありませんよ。
GM:胡散臭すぎる
カイ・スェネミー:と嘯きますが、実はばっりばりのオーヴァ―ドです。《万能器具》や《形状変化》で恥ずかしげもなくイカサマを仕掛けてる訳ですが、人間偽装エフェクト《無面目》を持ち完璧な上に!
カイ・スェネミー:このステージ限定のDロイス 潜入工作員で各種偽装隠蔽もしているわけです。国籍とかも弄りまくってると思われます。
GM:なかなか見ないDロイス。色々悪用してくれそうで楽しみですね
GM:現時点でフル活用しているが…
カイ・スェネミー:本人は宇宙友愛教会に入会し、深淵なる知識を得たので、その知識に世界が沿うように動かしていきたいな。(そっちの方が面白いから)と思っています。
GM:深淵を覗いてしまったのだな……
カイ・スェネミー:その世界ではレネゲイドの大拡散は2000年初頭に起こったとか戯言をほざいてるようですよ。
GM:またまたーw
カイ・スェネミー:まあ、そんな感じの妄言を吐きながら場を乱しつつ、目的を達成していきましょう。
GM:その意気やヨシ!カイさんのハンドアウトはこちらです!
【PC3 :カイ・スェネミー】
シナリオロイス:”パプテスマ” 
君は自称マジシャンのオーヴァードであり、アメリカの反政府組織の一員だ。 
君の所属する組織の名は『宇宙友愛教会(Universal Church of Fraternity)』。 
オーヴァードが過剰に恐れられ排斥される現状に疑念を抱いた人々が立ち上げた秘密結社であり、 
新興宗教団体を隠れ蓑に、密かにオーヴァードへの支援活動を行っている。 
君は組織の連絡員からの呼び出しを受け、”ファントム”の逃走とそれを追う軍の動向を知らされる。
組織の長である”パプテスマ”は”ファントム”と浅からぬ因縁がある様子で、君に指令を下した。
君は”ファントム”に接触し、自分たちの同胞として保護しなければならない

カイ・スェネミー:パプテスマ君のために頑張っちゃおう。任せてくれたまえよ。
カイ・スェネミー:あ。そうだ。あと、最強エフェクトの一角《インスピレーション》を持ってるのでみんなで上手に活用してね!
カイ・スェネミー:謎が多いセッションだと無敵の鬼札だよ。
GM:怖すぎる。すべての謎が明らかにされてしまう
GM:そして最後は今回の覚醒枠!PC1のヨハンくん!
カイ・スェネミー:取りあえずはファントム君の味方をして勧誘すれば良いわけですね。
GM:あっそうです!
カイ・スェネミー:おっと、割り込み失礼。全ての深淵を理解しました。
ヨハン・モンタナ:頼りになるぜ
ヨハン・モンタナ:http://character-sheets.appspot.com/dx3/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY4LTOqwQM
ヨハン・モンタナ:ではいきます。
ヨハン・モンタナ:PC1! ヨハン・モンタナです。何の変哲もない名前と苗字の一般的な下流アメリカ人。
ヨハン・モンタナ:ハーレムのあたりで生まれ育った赤毛そばかすの少年です。親父は中産階級になりきれない仕事をしてると思います。
ヨハン・モンタナ:昔教会で見かけたイコンに衝撃を受け、しかして信仰心がすごく強くなるということもなく。
ヨハン・モンタナ:その代わりこっそり画家を目指しています。
GM:画家志望!
ヨハン・モンタナ:こっそり新聞とか配達して、こっそり絵の具とか買ってる。
GM:地道な努力……報われてほしいですね
ヨハン・モンタナ:基本的に社会通念に対して素直で、親の言うことはなんとなく信じてるし牧師や新聞の言うこともなんとなく信じています。
GM:素直な子だ
ヨハン・モンタナ:だからオーヴァードが社会を乱す危険因子だということも知っているよ。
ヨハン・モンタナ:関わり合いにならず一生を終えたいな……。
GM:オーヴァードは社会の敵!テレビの前の皆ももちろん知ってるよね!
ヨハン・モンタナ:それはそれとして白兵型のエグザイルで、自身の肉体変化を制御するために絵という手段を用いる感じになると思います。
ヨハン・モンタナ:いや、知らんけれど……僕はオーヴァードじゃないので……OPで登場侵蝕も振らないし……
ヨハン・モンタナ:そんな感じ! 右も左もわからない覚醒枠としてやっていきます。よろしくお願いします。
GM:安心してください。アメリカ国民の99%は一生オーヴァードと関わることなんて無いですよ
ヨハン・モンタナ:よかった~~
GM:よろしくお願いします!そんなヨハンくんのハンドアウトはこちら!
【PC1:ヨハン・モンタナ】
シナリオロイス:”ファントム”
君はニューヨークに住む画家志望の貧乏学生だ。
マンハッタン島が封鎖された日、君は避難指示を無視して教会へと走っていた。
君が画家を志すきっかけとなった一枚のイコン。他の誰も顧みないだろう宝物を守るためだ。
教会に辿り着いた君は、運悪く米軍と一人の男の戦闘に巻き込まれ、瀕死の重症を負ってしまう。
男は自らも死に体になりながらも敵を退けた後、君に一方的に告げた。
『生きたいか?』『よし、わかった』『今から君が”ファントム”だ』
男は消え去り、君は目覚めた。

GM:まあ君がその1%なんですけどね
ヨハン・モンタナ:勝手なことを言って消えないで!
ヨハン・モンタナ:嘘だ……
GM:だってそうしないと死ぬし……
ヨハン・モンタナ:夢ですね。多分気絶して目覚めたらいい感じになっているはず。
GM:覚悟の準備をしておいてください。よろしくお願いします!
ヨハン・モンタナ:よろしくお願いします!
GM:というわけでこのメンバーでやってまいります!よろしくお願いします!
ニコラス・デイヴィス:お願いします!
GM:早速OPに入っていきましょう。まずはこの人から!
【OP/UNKNOWN】
GM:積み重なった腐肉と臓物を揺り籠に、血と脳漿を産湯にして、”それ”は生まれた。
GM:ただ一度きりの邂逅。
GM:”それ”の時間はその瞬間に始まり、その瞬間に終わった。
GM
GM:久遠に等しい眠りの後、炎の中で”それ”は目覚めた。
GM:星のない夜だった。波のない海だった。
GM:行かなければ。行かなければ。
GM:嵐が来る前に行かなければ。
GM:眠らなければ。眠らなければ。
GM:目覚めたままでは、約束を守れない。
■■■■■:「…………」
GM:眠れなかった。
GM:息を吸って、吐く。
GM:その夜、初めて■■に背を向けて
GM:幻影(それ)は走り出した。
GM
【OP/クラウディア・ローデ】
GM:というわけで最初のOPです。登場侵蝕をお願いします!
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデのHPを1d10(→ 9)増加 (29 → 38)
クラウディア・ローデ:あっずれてる まってね
GM:あっ忘れてた!
GM:このセッションでは例によって
GM:登場侵蝕を1d10か1d3+3にするか選ぶことができます
クラウディア・ローデ:あっ例 たすかります
クラウディア・ローデ:じゃあそっちつかお
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (41 → 45)
GM:ニューヨークシティ。
GM:人口700万人以上を擁するアメリカ最大の都市にして、国際社会の政治、文化、経済に多大な影響力を持つ、文字通り世界の中心と呼ぶべき場所の一つ。
GM:レネゲイドの力が広く認知され、オーヴァードが国家の行く末をも左右する存在となり、
GM:反発するアメリカがオーヴァード迫害の急先鋒と見做される時代になっても、その地位が揺らぐことはない。
GM:アメリカという国家が生み出す汎ゆる富、知性、娯楽、そして悪徳を貪欲に吸い上げ成長し、爛熟する”大いなる果実(ビッグ・アップル)”。
GM:底なしの業を宿すこの街にあっては、唯人も超人も等しく歯車の一つに過ぎないだろう。
GM:少なくとも、彼らが人であろうとする間は。
GM:■ナイトバー『Flick Flapper』
GM:ニューヨーク、マンハッタン地区42丁目。
GM:『Flick Flapper』は、市内でも特に悪名高い歓楽街の片隅に店を構えるナイトバーだ。
GM:毒々しいネオンライトで彩られた店内には流行りのロックミュージックが流され、酔っ払った男たちが思い思いに歌い、踊り、騒いでいる。
GM:給仕の女性たちは皆露出度の高い衣装でフロアを闊歩し、男たちから向けられる下卑た視線に手を降って応えている。
GM:娼館と隣り合うこの店の客層はお世辞にも上等とは言えない。大半が日雇いの底辺労働者だ。
GM:薄給のはずの彼らが派手に夜遊びできるだけの稼ぎを得る手段が一体どのようなものであるかは、推して知るべしと言うべきだろう。
GM:彼らを相手する女達も、大した展望もなく故郷を飛び出してきた田舎娘であり、
GM:クラウディア・ローデ……今はディアドリー・シムズと名乗っている君も、そんな若さと頭の軽さだけが取り柄の女達の一人、ということになっていた。
常連客:「ディアじゃねえか!最近見ねえから田舎に帰ったとばかり思ってたぜ!!」
常連客:「また親父さんと喧嘩して飛び出してきたのか?」赤ら顔の男が、酒便を片手に君に絡んでくる。
クラウディア・ローデ:その中の一人。白いブラウスにネイビーのスカートを纏うブロンドの少女。露出こそは多くないが、胸元の豊かな膨らみは男の目を惹いている。
クラウディア・ローデ:それに気付かないふりをしながら、声のした方に振り返る。「あらぁ」
クラウディア・ローデ:「久しぶり、おじさま!でも、二度と帰らないわよあんな所」
クラウディア・ローデ:猫のようにしなやかな足取りで人混みをかき分け、するりと傍らに腰を下ろす。
クラウディア・ローデ:「ちょっと旅行に行ってただけ。そっちはどう?」
クラウディア・ローデ:注文するんでしょう?とばかりにウィスキーのボトルを開き、空のグラスを視線で示す。
常連客:「ガハハ!相変わらずのその日暮らしよ!」グラスを向けて
常連客:「ま、稼ぎがねえわけじゃないがな。パーッと使っちまうっ主義なんだ」
クラウディア・ローデ:「あは、豪快で素敵」愛想のいい笑顔を浮かべながら、突き出されたグラスにとくとくと中身を注ぐ。
常連客:「なぁディア、どうだい今夜あたりよ」
常連客:「田舎に帰らねえんなら、都会(こっち)の味も覚えといたほうがいいだろ?」
クラウディア・ローデ:「んー、なあに?素敵なディナーでもご馳走してくれるの?」
クラウディア・ローデ:内心面倒だなと思いながら、とぼけたようにくすくすと笑う。
常連客:「ああもちろん!美味いメシだって食わせてやるさ」
クラウディア・ローデ:「まあ、他にも何かあるのかしら」
クラウディア・ローデ:「なら……食事もいいけど、そうね。お話も聞きたいわ」
クラウディア・ローデ:「私が離れてる間に、何かあったかしら?面白いこと」
常連客:「ハハッ、この街に無いもんなんてねえさ。特に刺激には事欠かねえ」
常連客:「最近か?そうだなぁ……」
常連客:男が続けて何か話そうとしたところで
頬に傷のある老紳士:「失礼。待たせたね」
頬に傷のある老紳士:後ろから君に向けて声がかかる
GM:この店の客にしては随分と身なりの良い男だ。
GM:仕立ての良いブラウンのスーツに黒のコート、白髪交じりのオールバックはきっちりと整えられている。
GM:ハットを被り、髭を蓄えた口元に柔和な笑みを浮かべる姿は、誰が見てもこのような吹き溜まりには不釣り合いだと感じるだろう。
GM:その男の左頬に、顎先から目元までを縦断するように深い刃傷が刻まれていなければの話だが。
クラウディア・ローデ:「あら!」ぱっと振り返り、その素性を察して。
クラウディア・ローデ:「ああ、ごめんなさい、お話もお食事も気になる所だったのだけど」
クラウディア・ローデ:「今日、他に約束があったの。忘れてたわ」
常連客:「オイオイつれないこと言うなって!こんな爺さんより俺のほうがよっぽど……」
頬に傷のある老紳士:「済まないが急いでいてね」男の前に割り込む
クラウディア・ローデ:すっと客の耳元に顔を近づけて囁く。「次はもう少し、静かな場所でお話しましょ。ね?」
クラウディア・ローデ:どこか甘えるような声でそう言ったあと、ボトルをテーブルに置いたままするりと席を立つ。
常連客:「ッ………」クラウディアの言葉と、老紳士の視線の両方に射すくめられてそのまま立ち尽くす。
常連客:「……チッ、マフィアのお手つきかよ」男と連れ立って店から出ていくクラウディアを見送って
常連客:「いい女だったんだけどな……長くねーなありゃ」
常連客:唾を吐いて喧騒の中へと戻っていった。
GM:店を出た君は、密会用に所有するアパートの一室に移動していた。
頬に傷のある老紳士:「いやぁ、いくつになってもああいう場所は緊張するネ」
頬に傷のある老紳士:店とは打って変わって、好々爺然とした表情をのぞかせる
オットー:男の名はオットー。ドイツ連邦情報局の諜報員であり、この任務での君の上役だ。
オットー:第二次世界大戦当時からの叩き上げで、本来なら現場に直接赴く必要のない地位にいるはずなのだが、
オットー:本人のたっての希望で、今も諜報活動の最前線に身を置く変わり者。
オットー:勿論それは、引退させるには惜しい実績と実力をこの男が備えていることの証左でもある。
クラウディア・ローデ:「えー、そうは見えませんでしたよ。むしろ緊張させてる側じゃなかったです?」
クラウディア・ローデ:「周りのお客さんも結構ぎょっとしてましたし。まあ、そのおかげで助かりましたけどねえ」
オットー:「まあ、ちょっと強引だったがね。ああしておけば、明日から君が出勤しなくても」
オットー:「『ああ、やっぱりな』で済むだろうさ。何日か後に川で身元不明の死体でも上がればそれで決まりだ」
クラウディア・ローデ:「ああ……すると、次の仕事場ですか?」
オットー:「うむ。作戦(オーダー)変更だよ。人を捕まえてほしい」
オットー:「対象はオーヴァード”ファントム”」
クラウディア・ローデ:「ふうん、"ファントム"。おばけみたいな人だったりするんですか?」
オットー:「……まあ、君にはおバカな田舎娘を演じてもらうために敢えて一般常識の勉強させなかったからね。知らなくて当然か」
オットー:「この国では有名なオーヴァードだよ」
オットー:「プロホロフカの惨劇の直後に覚醒した第一世代。大拡散以前からオーヴァードだった一部の例外を除けば、クローヴィンケル中将の次くらいには古株ということだね」」
クラウディア・ローデ:「へえ……しかし、この国で有名ということは」
クラウディア・ローデ:「十中八九、ろくな目には遭っていないですよね。脱走でもしました?」
オットー:「ほっほっほ、流石だねえ」
オットー:「まだ報道にも上がっていないことだがね」
オットー:「ここからおよそ100km先、ロングアイランド島の沖合で墜落事故があった」
オットー:「墜落したのは米軍の輸送機C-133。乗員5名は死亡。積み荷は行方不明」
オットー:「この積み荷というのが”ファントム”だ」
クラウディア・ローデ:「ははあ」
オットー:「彼は軍属ではない。なにせアメリカ犯罪史に燦然と輝く大量殺人鬼だからねぇ」
オットー:「今の今まで、ずっと刑務所の地下深くで厳重に監禁されていて、我々ですらコンタクトを取る手段が無かったんだよ」
オットー:「我々は、かねてから”ファントム”への接触を試みていた。彼は”船員達”について、何らかの情報を握っていると目されていたからね」
オットー:「これは、亡きクローヴィンケル中将の見立てでもある」
クラウディア・ローデ:「……」船員達、と聞いてにわかに表情を固くしながら。
クラウディア・ローデ:「会話の通じるタイプだといいですけど」
クラウディア・ローデ:「どんな人なんでしょうね、大量殺人鬼って」
オットー:「さあねぇ。そこは祈るしか無い。なに、この国のことだ。大量殺人鬼というのもどこまで本当のことやら……」
クラウディア・ローデ:「まあとにかく、喋れる状態で確保しろって事ですね。了解しました」
クラウディア・ローデ:「そういう事なら、急いで向かいますが。墜落ってどれくらい前なんですか?」
オットー:「うん。早速向かってくれ……と言いたい所だが」
クラウディア・ローデ:「落とし主さんも、血眼になって探してるでしょうし。先に回収されちゃったらどうにも……何です?」
オットー:「行く必要はない。ここで朝まで待機だ」
クラウディア・ローデ:にわかに驚いたようにまばたきをして。「待機、ですか」
オットー:「ロングアイランドっていうのはニューヨークの東に飛び出した長い半島でね」
オットー:「現場周辺の海路は既に封鎖されていて、抜け出した様子はない。そしてロングアイランドから陸路で移動するには、ここニューヨークの市街地を経由するしかない」
オットー:「アメリカ政府は既に都市封鎖の準備を進めている。おそらくはこのマンハッタン島に追い込んだ所で退路を塞ぎ、一気に捕らえる流れになるだろう」
オットー:「君には、そいつを横からかっさらって貰いたい」
オットー:「漁夫の利作戦というわけだネ」
クラウディア・ローデ:「横から掻っ攫う、いいですね。素敵な響き」
クラウディア・ローデ:「それで、私一人だけですか?やるの」
オットー:「他の子たちも忙しいからねえ……もちろん我々もバックアップはするが」
オットー:「もし戦闘になれば、残念ながら助けられることはない。いつも苦労をかけるね」
クラウディア・ローデ:「あは、確認しただけですって。別に大丈夫ですよ」
クラウディア・ローデ:「何人いたって、私ならあんまり関係ありませんし」油断している訳ではないが、敢えて余裕そうにけらけらと笑って見せる。
オットー:「私の言えた義理ではないが、くれぐれも気をつけ給え。今回の件、どうにもきな臭さが拭えない所はある」
オットー:「ただの勘だがね。最悪、すべてが罠という可能性も考慮しないといけない。君が暴れている間、こちらでも調査を進めるとしよう」
オットー:「何か分かればすぐ連絡する。……これを持って行きなさい」
オットー:懐から取り出したものを君に渡す。
クラウディア・ローデ:「ええ、不穏なこと言わないでくださいよ……これは?」
オットー:「【Eukalyptus』……君たちの新しい徽章だよ」
オットー:「通信機が内蔵されている。日本からの技術供与でね、付喪神技術を応用した《ワーディング》対応型だ」
クラウディア・ローデ:「おお……」手にとって、それをまじまじと見つめ。
クラウディア・ローデ:「じゃ、何かあったらこれで連絡入れればいいんですね」
オットー:「うむ。頼んだよ。まあ、何事もなければそうだねえ」
オットー:「ざっと半日くらい逃げ回ってくれれば、こちらで脱出の手筈を付けられるはずだ」
クラウディア・ローデ:「逃げずに蹴散らしてやってもいいんですけど」
クラウディア・ローデ:冗談ぽく笑って。「ま、無理はしないことにしますよ。私、生き汚いので」
オットー:「それがいい。もちろん可能ならば止めないが、おそらく米軍も一筋縄じゃ行かないからね」
クラウディア・ローデ:「ええ、ええ。分かっていますって」
オットー:「この国には悪名高き『超災法』がある。他の国なら中々できない無茶でも、ことオーヴァードが絡めば何でもアリだ」
TIPS:『超人災害対策特別措置法』
Act on Special Measures Concerning Renegade Emergency Preparedness.
超災法。または成立の発端となった人物に因みアルフレッド法とも呼称される。
オーヴァードの存在そのものを災害と位置付け、各種予防策、緊急時の対応について制定した法律。
国内のR事案に対して、議会の承認を経ずとも無制限の動員と武力行使を可能とする法整備に加え
発症が確認されたオーヴァードに対する居住、職業選択、結婚等の自由の制限。
一般の国民に対しても半年に一度のR抗原検査と登録証所持の義務付け。
発症者の秘匿、逃走幇助に対して厳罰を課す等、適用範囲は広範に渡る。

オットー:「詳しいことはこれ読んでね。しおりにしておいたから」小さな冊子を手渡す。
クラウディア・ローデ:「わ、手厚いバックアップ」
クラウディア・ローデ:「待機中に読んでおきます。……それで、お話は終わりですかね?」
オットー:「うむ。質問がなければこれで失礼しよう」
クラウディア・ローデ:「ええ、大丈夫です」
オットー:「結構。武運を祈るヨ」
クラウディア・ローデ:身に染み付いた酒臭い匂いが我慢ならず、早くお風呂に入りたいなあと思っているので、上官が帰ってくれるのを待っている。
オットー:ハットを目深にかぶり、部屋を出ていく。
クラウディア・ローデ:「ええ、お互いに」形ばかり、それを敬礼して見送り。
クラウディア・ローデ:「……ああ、やっとこの任務も終わりかぁ」上官の目がなくなった所で、ほうと息をつく。
クラウディア・ローデ:あの場の無秩序さや喧騒は嫌いではなかったが、己を下賤なものと軽んじられるのはあまり愉快でなかった。
クラウディア・ローデ:自分は選ばれた超人で、国の英雄で、羨望を集める存在だ。
クラウディア・ローデ:そっちの方が、やはりしっくり来るし、そうありたいとも思う。
クラウディア・ローデ:……脱衣所で鏡の前に立ち、ふと自分の姿を見つめる。
クラウディア・ローデ:「バイバイ、ディア」
クラウディア・ローデ:その日限りで死にゆく女に別れを告げながら、欲望の匂いが染み付いた衣服を脱ぎ捨てた。
GM:シーン終了。ロイスが取れます。
クラウディア・ローデ:"ファントム":◯執着/脅威 で取得します。絶対奪って帰るぞーというきもち。
GM:その意気やヨシ!
【OP/ニコラス・デイヴィス】
GM:続いてニコラスさんOP!登場侵蝕をお願いします!
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (28 → 33)
GM:■ロングアイランド リーヴス湾
GM:深夜。墜落現場は軍、警察、報道機関、野次馬が入り乱れて騒然としていた。
GM:破片が流れ着いた海岸線は軍によって封鎖され、その外側に警察が検問を作り警備に当たっている。
GM:駆けつけた記者達は更にその外周、かろうじて現場が写真に収まるかどうかという位置で足止めされていた。
GM:君、ニコラス・デイヴィスもそうして途方に暮れる記者の一人だ。
ニコラス・デイヴィス:「あのー、中で何が起こってるんですか?」
ニコラス・デイヴィス:これと言った特徴のない平凡そうな男が警官に声をかける。
年配の警官:「さあね。飛行機が墜落したって話だけど、そのくらいはアンタも知ってんだろ?」
ニコラス・デイヴィス:「ええ、ええ、存じていますとも。」
ニコラス・デイヴィス:「だけど、それだけじゃあうちの上司も読者も納得してくれないんですよ」
ニコラス・デイヴィス:「そちらだって、メディアに憶測であれこれ書かれるのは困るでしょう?」
年配の警官:「俺の知ったことじゃないさ。アンタを入れたらこっちの上司にどやされる」
ニコラス・デイヴィス:「むう、それはそうだ。いつでもどこでも末端の職員というものは辛いものですからねえ。」
年配の警官:「上が綺麗だろうが汚かろうが、俺ら下っ端の給料にはなんの影響もないしな」
年配の警官
ニコラス・デイヴィス:「じゃあ、こうしましょう。せめて、あなたがこの事故をどう感じているのか教えて下さいよ」
ニコラス・デイヴィス:「勿論、名前は出しません。」
年配の警官:「俺の感想?そんなん記事になんのか?」
ニコラス・デイヴィス:「そういうのを記事にするのが僕の仕事ですから」
年配の警官:「おかしな記者さんだな……まあそうだなあ」
ニコラス・デイヴィス:「ベテランの警察官としての経験則から導かれる直感」
ニコラス・デイヴィス:「そういうのを喜ぶ読者も要るんですよ」
年配の警官:「俺が思うに、飛行機が運んでたのは相当な軍の機密と見たね」どこか得意げに語る
年配の警官:「要人か、新兵器か……」
ニコラス・デイヴィス:「ほう」実に興味深そうにペンを走らせる
年配の警官:「あるいは……オーヴァード……」
年配の警官:「……だったりしてな。まあんなわけ無いか」
ニコラス・デイヴィス:「はははは。」
ニコラス・デイヴィス:「もしそうだったら、僕も本社に大手を振って帰れるんですけどね」
ニコラス・デイヴィス:「しかし、いずれにせよ」
ニコラス・デイヴィス:「ただの事故……として済ますにはあまりにも貴女の経験即からは外れていると」
ニコラス・デイヴィス:「そういうことですね。」
年配の警官:「オイオイ、真に受けられちゃ困るぜ」苦笑いする
ニコラス・デイヴィス:警察官の自尊心を促すように、熱の籠もった声で話し掛ける
年配の警官:「だがまあそうだな……俺も伊達に20年も警官やっちゃいねえ」
年配の警官:「事件の匂い……ってやつがわかっちまうのかもな。どうしてもよ……」
年配の警官:「フッ……参ったね」その気になり始める
ニコラス・デイヴィス:「なるほど。参考になります」
年配の警官:「なら、参考ついでにこういう見方も……」
ニコラス・デイヴィス:「おお、ぜひぜひ」
年配の警官:気を良くしはじめた警官が、次の推理を披露しようとした時
ニコラス・デイヴィス:身を乗り出すような姿勢で警察官の話を聞こうとし
青年警官:「ちょっとちょっとちょっと!そこの人!!困りますよぉ~!!」
青年警官:君を見つけた若い警官が、声を上げながら近づいてくる。
青年警官:カリブの血が入っているのか、凹凸のはっきりした濃い顔立ちに、わずかに褐色がかった肌。まだ少しあどけなさの残る表情はいかにも新人といった雰囲気だ。
ニコラス・デイヴィス:「いやいやいや、僕は何もやましいことはしていませんよ!」
ニコラス・デイヴィス:「取材の範疇です。職務の邪魔はしていませんし、立入禁止区画にも足を踏み入れていません」
青年警官:「いやいや!あなた!さっきそこで写真取ってましたよね!!撮影禁止って言われたでしょ?」
青年警官:「悪いけどネガ没収するから。カメラ出して。てか先輩もちゃんと取り締まってくださいよ~!」
年配の警官:「お、おう……わりい」
青年警官:高圧的な言葉とは裏腹に、どこか頼りない、懇願するような視線を君に向ける。
青年警官:「(場所を変えます。話を合わせて下さい)」周囲を気にしながら君に囁く。
ニコラス・デイヴィス:「あー……そんなあ……!この混雑した空気を紙面に乗せたかっただけなんですよお」
青年警官:「はいはい、言い訳は向こうで聞きますから!」
ニコラス・デイヴィス:「うー…わかりました。」
青年警官:君を強引に引っ張って、仮設テントへ連れて行く。
ニコラス・デイヴィス:「ネガを確認して問題なさそうだったらカメラ返してくださいね。」
ニコラス・デイヴィス:しょんぼりした素振りを見せながら若手警察官についていく
年配の警官:「……」それを呆然と見送って
年配の警官:「……あんな奴いたっけ?」
GM:現場から最も離れた仮設テントの中には、君と青年警官以外誰もいない。
GM:青年警官はテントに入るなり、姿勢を正して君に向き直った。
青年警官:「ご無沙汰してます。同志ニコラス。お元気そうで何よりです!」屈託ない笑顔を君に向ける。
カルロス:カルロス・ロドリゲス。元キューバ革命軍の兵士であり、現在はアメリカの反政府組織、ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイスの連絡員。
カルロス:かつてキューバ革命の折、革命側で参戦していた君に助けられて以来君に心酔し
カルロス:君が次の革命を求めてアメリカに渡った折には、『アメリカの反政府組織への支援協力』という口実まで作って追いかけてきた、筋金入りの信奉者だ。
ニコラス・デイヴィス:「カルロスくんもお疲れ様」
ニコラス・デイヴィス:「しかし、市民の感覚というのは馬鹿に出来ないねえ」
カルロス:「入れ違いにならずに済んでホッとしました」
カルロス:「あの警官ですか?どんな話をしてたんです?」
ニコラス・デイヴィス:「他愛もないゴシップだよ。」
ニコラス・デイヴィス:「この状況の裏で何が起こっているか」
ニコラス・デイヴィス:「勿論、今返ってくるのは根拠のないただの陰謀論みたいなものさ」
カルロス:「そう!それなんです!まさにそれを伝えに来たんですよ!」
ニコラス・デイヴィス:「だけど、彼以外にも多くの人間が裏になにかあると感じていた。或いは、期待していた」
ニコラス・デイヴィス:「それは、僕たちが動く土壌が整いつつあるとも言えるんじゃないかな」
ニコラス・デイヴィス:と言い、カルロスくんの言葉に耳を傾けます
カルロス:「なるほど……それで市井の声を集めて……」
ニコラス・デイヴィス:「で、君の話というのは?」
カルロス:「あっ!そうでした!」慌てた様子で
カルロス:「早速ですけど、今すぐマンハッタンに戻って下さい」
カルロス:「じきに報道にも情報が降りてくると思いますけど、墜落した輸送機に乗ってたのはオーヴァードです」
カルロス:「重犯罪オーヴァード”ファントム”。今は軍に追われてニューヨーク方面に逃げているはずです」
ニコラス・デイヴィス:「かの有名な殺人鬼が」
ニコラス・デイヴィス:「なるほど、それは大事だ。」
カルロス:「はい。その殺人鬼です」渋い顔をして
ニコラス・デイヴィス:「いや、それが本当だとしたら」
ニコラス・デイヴィス:「今の警戒態勢ですら不十分なのかもしれないね」
カルロス:「それが、どうやらわざと包囲を緩めて逃げ道を誘導してるみたいです」
カルロス:「おそらく政府は明日の朝、奴が市内に入ったタイミングで街を封鎖するつもりでしょう。その時、貴方には街にいて欲しいんです」
カルロス:「ボスは……”マルコムX”は、”ファントム”を組織に迎え入れる気でいます」
ニコラス・デイヴィス:「なるほど。」
カルロス:「……正直俺は気が進みません。オーヴァードだからって、誰もがニコラスさんみたいに高潔な精神の持ち主ってわけじゃありませんから」
カルロス:「”ファントム”が一体何をやらかしたか、この国の人間ならスクール手前のガキだって知ってます」
カルロス:「……とても相容れるとは思えないですよ。俺だけじゃなく、他の連中だって不安がってます」
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。カルロスくんの心配はもっともだ」
ニコラス・デイヴィス:「我々の目的はあくまでもステイツにおけるオーヴァードの人権の拡大だ」
ニコラス・デイヴィス:「それを実現するためには市民は敵に回すのではなく味方につける必要がある。」
カルロス:「……その通りです」
ニコラス・デイヴィス:「そして、”ファントム”はアメリカ国民の敵と言っても過言ではないだろう」
ニコラス・デイヴィス:「だけどね。その印象は容易に覆せる。」
カルロス:「え……覆す……ですか?それはどういう……?」
カルロス:ぽかんとした顔
ニコラス・デイヴィス:「例えば『超災法』。あれはオーヴァードだけでなく市井の人々。或いは一部の知識人からも悪法だという声が上がっている。」
カルロス:「はい……たしかに、あれは一般市民にも負担が大きい法律ですからね」
ニコラス・デイヴィス:「そして今回の事件へのステイツの対応。これは英断ではあるかもしれないが、同時に国民の犠牲を許容するやり方でもある。」
ニコラス・デイヴィス:「今回の事件に限っては、ファントムもアメリカ国民も、同時に政府の被害者である構図は作れるわけだ。」
カルロス:「なるほど……」真剣な顔で頷く
ニコラス・デイヴィス:「人間は、敵の敵は味方と思ってしまいがちだ。」
ニコラス・デイヴィス:「そして、ファントムが過去に起こした事件がセンセーショナルであればあるほど。逆に言えば彼の持つ悲劇性もクローズアップしやすい。」
ニコラス・デイヴィス:「国民が犠牲を強いられた時、その隣に強い悲劇性を持つ人物がいたとしたら、その人物に共感を持つ人間は多く出てくると思うよ」
ニコラス・デイヴィス:「そして、君を落胆させてしまうかもしれないが」
ニコラス・デイヴィス:「僕は、この国の常識を覆すには」
カルロス:「そうか……!誰もが知っているファントムなら、誰もが共感する旗印になり得る……考えつきませんでした……!」
ニコラス・デイヴィス:「彼の力と、それを悪逆さを御する覚悟も必要だと感じている」
ニコラス・デイヴィス:「僕のことを高潔だと言ってくれる君には申し訳ないけどね」
カルロス:「そんな……」
カルロス:「……いいえ。違いますよカルロスさん」かぶりをふる
カルロス:「そんなことを、わざわざ俺に教えてくれるのが、高潔じゃなくてなんだって言うんですか」
ニコラス・デイヴィス:「ふふ」
カルロス:「血を流さずに終わる革命なんてありません。その過程で、悪を成さない革命家もいない」
ニコラス・デイヴィス:真剣な面持ちでその言葉に頷く
カルロス:「それでも、どんなに汚れても輝きを失わない精神の気高さ。俺は、ニコラスさんにそれを見たからここまで付いてきたんです」
ニコラス・デイヴィス:「ありがとう。」
カルロス:「間違いを犯す者が悪なんじゃない。間違いを認めない者こそが悪だ」
カルロス:「ニコラスさんが、この国のために敢えて間違うことを選ぶのなら、俺は全力で支えます」
ニコラス・デイヴィス:革命の熱に浮かされている若者を見てかなりテンションが上っているが、必死に平静を保っている
ニコラス・デイヴィス:「うん、頼りにしているよ。」「だけど、僕が行き過ぎていると感じた時は躊躇わずに止めてくれ。それが僕たちがつかもうとしている自由のあるべき姿なんだから」
カルロス:「はい!ニコラスさんも、どうかご無事で!」
ニコラス・デイヴィス:「ああ。行ってくる」
ニコラス・デイヴィス:穏やかな表情のままに踵を返す
カルロス:溌剌とした笑顔で君に敬礼し、それを見送った。
ニコラス・デイヴィス:この事件で、この国の革命は大きな変化を遂げる。
ニコラス・デイヴィス:その先に起こる熱、狂気、或いは破滅の姿に期待に胸を高ぶらせながら
ニコラス・デイヴィス:未だ喧騒の鳴り止まぬ夜の街に溶けていった
GM:シーン終了。ロイスが取れます
ニコラス・デイヴィス:カルロスくん/期待(いいよいいよー!このまま突っ走っていこ~!)◯/食傷(めちゃくちゃ食いついてくるじゃん…)
GM:革命の火は消えず
ニコラス・デイヴィス:”マルコムX”/期待(ステイツに革命の火を灯せ!)◯/不安(このまま突っ走ってくれるかな~?)
【OP/カイ・スェネミー】
GM:カイさんのOPです。登場侵蝕をお願いします。
カイ・スェネミー:30+1d3+3
DoubleCross : (30+1D3+3) → 30+1[1]+3 → 34

GM:■ニューヨーク クイーンズ地区
GM:未明、ようやく東の空が白みはじめた頃。
GM:君は、君が所属する組織からの呼び出しを受け、町外れにある修道院を訪れていた。
GM:建物は大きいが、人の気配は少ない。
GM:近隣の信者も訪れるものは少ない、歴史に置き去りにされた遺物。
GM:今回のような密会にはちょうど良いのだろう。
カイ・スェネミー:「知ってるかい?タバコがコインを通り抜けるマジック。あれはコインに精巧な発条仕掛けで開閉する穴が開けてあるんだそうだ」
カイ・スェネミー:「私の《インスピレーション》で知った知識だからね、確かな事だ。凄いな、本物の手品師は、ただの魔法にそこまで手をかけているんだ」
カイ・スェネミー:隣にいる人間に手品の種を嬉しそうに話す。
カイ・スェネミー:シルクハットに燕尾服の如何にもマジシャンと言う風体のこの若い男は、実は手品師とは名ばかりの超能力者であり、超能力者はこの国では犯罪者に相当する。
修道女:「貴方は今、その本物の手品師の努力で得るはずだった観客一人分を無駄にしたわけですが」
修道女:話しかけられた修道女が、冷たい目つきで言葉を返す。
アンジー:アンジー・ウォン。中国系アメリカ人。ニューヨーク近郊の修道院に身を置く修道女としての身分を隠れ蓑とする、宇宙友愛教会の連絡員だ。
カイ・スェネミー:「おっと、確かに。それは悪かったね。私としたことが、美女を前に口が軽くなった。と言う事にしてくれたまえ」
カイ・スェネミー:「それに、やはりトリックと言うのを知っておいた方が誤魔化しもきくだろう?」
アンジー:「真面目に手品の練習をすればよろしいのでは?」
アンジー:「力を無闇に使えば、それだけ当局に見つかるリスクは増えます」
カイ・スェネミー:「真面目に練習はした。した上で諦めたんだ。私は勤勉だが、適正は残念ながらなかった」
カイ・スェネミー:「類似する本物の奇跡の適性はあったんだがね」
カイ・スェネミー:リスクに関しては、どこ吹く風だ。バレるわけがないと踏んで、いや知っている。
アンジー:「神の家の中で、言うに事欠いて本物の奇跡ですか。相変わらず命知らずですね」ため息をこぼす。
カイ・スェネミー:神秘に生きない者は、納得できる理由、理に適う偽装が徹底していれば、隣人を告発などしない。恨みを買っていなければ。
カイ・スェネミー:「なに、本物の神様の子も死んでから3日かけて復活したと言うし」
カイ・スェネミー:「命は一回落とした方も箔がつく。しかも私の復活マジック(リザレクト)は一瞬だぞ」
カイ・スェネミー:「そうそう。人を箱に入れて剣を挿す。あれは刺す位置が決まっているだろう?箱の中で体を捻れば、ちゃんと避けられるように計算されているんだ。《リザレクト》してるわけじゃない」
アンジー:「当たり前ですし、そう易々とされても困ります」
カイ・スェネミー:「ところで、気になっているのだが、良いだろうか?」
カイ・スェネミー:シルクハットを弄りながら美女に問う。
アンジー:「貴方に他人を気にする繊細さがあるとは知りませんでした。どうぞ?」
カイ・スェネミー:「私は何で呼び出されたんだい?私は懺悔だと思ってトリックを告解した訳だが、君の様子を見るにそうでもなさそうだ」
カイ・スェネミー:「万が一、神よりも私に身を委ねたいと言うのなら、ああ、もちろん歓迎するとも」
アンジー:「ここが懺悔室じゃなくてよかったですね。今の暴言は特別に主のお耳には入れないで差し上げます」露骨に顔を顰める
カイ・スェネミー:「慈悲に感謝を」わざとらしく一礼などする。
アンジー:「とは言え、そうですね。私も本題を切り出すのが遅れました。そこは謝罪を」
カイ・スェネミー:「はは。私の話術が魅力的だったからね。気にしないとも」
アンジー:「……」何か言いたそうだったが飲み込んで
アンジー:「"パプテスマ"より、直々のご指名です」
アンジー:「本日……いえ、もう昨夜ですか。米軍の輸送機が墜落し、乗っていたオーヴァードが逃走しました」
カイ・スェネミー:「ネバタ州に落ちたのかな?それなら一大事だ」
アンジー:「もっと一大事です。場所はこのニューヨークのすぐ近くですから」
アンジー:「重犯罪オーヴァード"ファントム"。彼は米軍に追われ、もうじきマンハッタン島に追い込まれるでしょう」
カイ・スェネミー:「ははぁ。我らが指導者は三文手品師の奇跡が御望みと言う訳だ」
アンジー:「確かに奇跡かもしれませんね……」
カイ・スェネミー:「ファントムを主役にした脱出マジックだ。そして、そのまま楽屋にお連れすれば良いと言う事かい?」
アンジー:「その通りです。彼が捉えられる前に、貴方の手で保護し、脱出させる」
アンジー:「そして、彼を我々の教会へと迎え入れる。と、"パプテスマ"は仰せです」
カイ・スェネミー:「《ファントム》私の知る"深淵なる世界"では無名だが、こちらでは重要な人物らしい」
カイ・スェネミー:同じ教会員でも、彼の妄言は意味が分からぬ類である、
アンジー:「それは有名ですとも。悪名ですけどね」
カイ・スェネミー:「"パプテスマ"の仰せのままにだ。私としても、米国が大きく揺れ動くのは望ましいと思う」
カイ・スェネミー:「米国の敵。忌まわしき隣人ファントム。果たしてどのような人物なのか興味もある」
カイ・スェネミー:「もし目も眩むほどの美女で、私が目を奪われれば、ヤキモチを妬いてくれるかな?」
アンジー:「"ファントム"は男だと聞いていますが……仮にそうだとしたら」
アンジー:「とてもおめでたい事ですね。婚姻の宣誓を承ってもよろしいですよ」
カイ・スェネミー:「はははは。手品師の宣誓程信頼の出来ない物もないだろう。最後の最後にひっくり返ってしまう」
カイ・スェネミー:「よし、君の機嫌も取れなかったことだし、傷心の手品師は彷徨うとしよう。さて、何処に行けば良いのかな?」
アンジー:「ですから、マンハッタン島です。夜明けには避難指示が発令されるでしょう」
アンジー:「貴方は市民に紛れて"ファントム"を捜索してください」
カイ・スェネミー:前準備無しで、いきなり鉄火場かぁ。と言う顔をする。
カイ・スェネミー:すぐに微笑顔に戻り
アンジー:「情報によると、米軍は"テンペスト"を放つもりのようです。戦闘が始まれば見つけるのは簡単かと」
カイ・スェネミー:「よろしい。期待してくれたまえ。"パプテスマ"によしなに」
カイ・スェネミー:《万能器具》で作ったトランプをわざとらしく広げ。
アンジー:「伝えておきます。誠に遺憾ですが、彼は貴方をひどく買ってらっしゃいますから」
アンジー:「くれぐれも、期待に応えてくださいませ」
カイ・スェネミー:《形状変化》でトランプを花に変えて、差し出す。
カイ・スェネミー:「ああ。君に誓おうじゃないか」
カイ・スェネミー:「ファントムにとっておきの魔法を見せて、ファンにしてこよう」
アンジー:「……」渋々その花を受け取る。
アンジー:「そこは神に誓って頂きたいのですが……まあいいでしょう」
アンジー:「貴方と、すべてのオーヴァードに祝福を。言ってらっしゃいませ、"M.S/M.T"」
GM:シーン終了。ロイスが取れます!
カイ・スェネミー:ではシナリオロイスのパプテスマ君に 楽しそうだし尽力しちゃうよ〇/顔見せてくれないので隔意
カイ・スェネミー:で!アンジーちゃんにはどうしようかな。取りあえず我慢しよう。
カイ・スェネミー:以上です。
GM:OK!
【OP/ヨハン・モンタナ】
GM:最後はヨハンくん!登場侵蝕をお願いします!
GM:じゃなかった
ヨハン・モンタナ:そうだぜ
GM:君はまだ一般人でしたね。登場侵蝕はいりません。
GM:代わりに死んでもらうがな!
GM:■ニューヨーク マンハッタン地区
GM:アメリカ最大の都市、ニューヨーク・シティの中心部、マンハッタン島。
GM:二つの川に挟まれた、幅約4 km、長さ約20 kmの島の上には、この国のほぼ全てが凝縮されている。
GM:あらゆる富と栄光、法悦と娯楽。
GM:そしてもちろん、悪徳と貧困も。
GM:早朝、つい先程まで日雇いの仕事に追われていた君、ヨハン・モンタナは
GM:言うまでもなくこの街の圧倒的多数、貧困の側に属する一人だ。
ヨハン・モンタナ:マンハッタン北部の裏道を駆けてゆく小さな影。
ヨハン・モンタナ:手指や頬をインク煤で汚している、背格好から少年のようだとわかる。
ヨハン・モンタナ:目深に被っていたフードを脱ぐと、燃えるような赤毛がばさりと溢れた。
ヨハン・モンタナ:「ふー」
ヨハン・モンタナ:「遅くまでやりすぎちゃったな……危うく父さんにバレるとこだった。わざわざ離れた街区に来てるのに……」
ヨハン・モンタナ:いい加減な出版の三文小説を売りさばいてきた──と言うほど売れてはいない──鞄の中に、客から分けてもらった古新聞が入っている。
ヨハン・モンタナ:「何はなくともこれだよね」
ヨハン・モンタナ:大して量の買えない画材やらを包んだり、マスキングをしたり、床に敷いたりなど。いい加減に使ってもいい紙はあればあるほどいい。
ヨハン・モンタナ:とはいえ、今日の稼ぎも満足に絵の具が変えるようなものではなかった。
ヨハン・モンタナ:(もしかして僕は、ものすごく無駄な事をしているんじゃないだろうか……)
ヨハン・モンタナ:疲れた体で、あまり清潔でない風に吹かれると、そういう思考が去来することがある。
ヨハン・モンタナ:こうして迷った時、いつも見に行くものがあった。
ヨハン・モンタナ:帰路の傍ら、馴染みの教会へ立ち寄ろうとして──
GM
ゴ オ ォ ォ オ ン

        ゴ オ ォ ォ オ ン
                 
                  ゴ オ ォ ォ オ ン

GM:ふと、鐘の音が聞こえた。
GM
ゴ オ ォ ォ オ ン

        ゴ オ ォ ォ オ ン
                 
                  ゴ オ ォ ォ オ ン

GM
ゴ オ ォ ォ オ ン

        ゴ オ ォ ォ オ ン
                 
                  ゴ オ ォ ォ オ ン

ヨハン・モンタナ:「なっ……何だ何だ!?」
GM:本来、この時間には鳴るはずのない教会の鐘。
GM:それが鳴っている。それも一つではなく
GM:マンハッタン中、いや、ニューヨークに存在するすべての教会の鐘が、一斉に鳴らされている。
GM:異様な光景。しかしアメリカ人として生きてきた君にはこれが何を意味するかわかる。
GM:警報。オーヴァードが街に現れたのだ。
ヨハン・モンタナ:(警報!? ……そうだ、オーヴァードだ)
GM:鐘の音が遠ざかると同時に、大通りの方から人々の喧騒が響いてくる。
GM:ニューヨークのような大都市圏には超人災害に備えて地下シェルターが整備されている。多くの人がそこに向かうのだろう。
ヨハン・モンタナ:「まずい。早く行かないと────」
ヨハン・モンタナ:「……いや」
黒人の牧師:「ヨハン!ヨハンじゃないか!!」
黒人の牧師:君の後ろから、聞き覚えのある声がかけられる。
黒人の牧師:「こんなとこで何してる?親御さんは……ああ、知るわけ無いか。全くしょうがないやつだ」
ヨハン・モンタナ:「あっ、牧師さん!」
ヨハン・モンタナ:「いや、これはその……じゃなくて!」
マイケル:男の名はマイケル。君の家族とも親交のある牧師で
マイケル:父親に内緒で画家を目指す君に、度々仕事を紹介するなど、親身になって面倒を見ている。
ヨハン・モンタナ:マイケル牧師の持っている荷物の大きさを確認する。
マイケル:恰幅のいい黒人男性で、ヘビー級ボクサーと言われれば信じてしまいそうだが、表情の柔和さがその印象を和らげていた。
ヨハン・モンタナ:「イコンは誰が持っているんですか?」
マイケル:「イコン?……ああ!あれか!」
マイケル:「生憎、私も出先で警報を聞いてな、着の身着のまま走ってきたんだ」軽すぎる荷物を掲げる
ヨハン・モンタナ:「あれです! いい質問じゃなかった。持ってこれるなら持ってきていますよね」
ヨハン・モンタナ:「じゃあ、また後で!」
マイケル:「あっ待ちなさい!ヨハン!!」
ヨハン・モンタナ:振り切って脱兎のごとく駆け出す。
マイケル:「そっちはダメだ!!もう戦闘が始まって……ヨハン!!」
ヨハン・モンタナ:新聞は……古新聞ならたまに読んでいるのだ。オーヴァードの起こした事件なんかも。
ヨハン・モンタナ:『ふやけた嬰児』や"ゾディアック"……それに、悪名高い──"ファントム"。
ヨハン・モンタナ:彼らは、想像も及ばないような怪しい能力を備え。
ヨハン・モンタナ:街ひとつを焦土と化すこともあるのだという。
ヨハン・モンタナ:「まずい」
GM:遠ざかる牧師の声を背に、君は思い出の教会へと走った。
ヨハン・モンタナ:未解明の病変によって凶暴化し、破壊の限りをつくす。超災法の名に示される、災害のごとき。
ヨハン・モンタナ:「まずいまずいまずい!」
ヨハン・モンタナ:失われる可能性がある。あの絵も、そして僕の決意も、永遠に。
GM:116番通り、すっかり人気のなくなった一角に、その教会はあった。
GM:息を切らせながら駆け込んだ君の耳に、聞き慣れた鳴き声が届く。
老犬:「BOW!!」
コンスタンティン:教会に住み着いている野良犬で、君にもよく懐いていた。名をコンスタンティンという。
コンスタンティン:取り残された老犬の傍らには、君が求めるイコンがあった。
ヨハン・モンタナ:「コンスタンティン! いい子だ。この世で一番いい犬」
コンスタンティン:「Kuuuunnn……」
ヨハン・モンタナ:抱きついて、生きていたことに安堵する。
コンスタンティン:しっぽを振ってじゃれついている。
ヨハン・モンタナ:「よく無事で、この絵を守ってくれたよ……」
ヨハン・モンタナ:額から絵を外し、外向きに巻いて新聞紙で包む。
ヨハン・モンタナ:「インクがついたらごめん、神様」
ヨハン・モンタナ:「行くよ」
コンスタンティン:「BOW!!」
ヨハン・モンタナ:犬をわしゃわしゃと撫で、教会を飛び出す。
GM:しかし、教会の出口に立ったちょうどその時。
陰気な男:「………」
GM:どん、と、君は大柄な男にぶつかる。
ヨハン・モンタナ:「あてっ……」
ヨハン・モンタナ:「げ、大人! 神に誓って泥棒はしてません!」
陰気な男:褪せた金髪に、病的な目つき。陰気な雰囲気を纏った青年だった。
陰気な男:「………」
ヨハン・モンタナ:「っていうかなんでこんなところにいるんだよ。警報が出てたでしょ」
ヨハン・モンタナ:「避難する……よ…………」
陰気な男:しかし、それよりも目を引いたのは、赤。
陰気な男:よく見ると、ぶつかった君の服にもべっとりと、男の血がこびりついている。
ヨハン・モンタナ:「…………えっと? あれ、大丈夫?」
ヨハン・モンタナ:「っていうか僕、やばい?」
陰気な男:眼の前の男は、脇腹が大きくえぐれ、大量の血を流して立っていた。
ヨハン・モンタナ:その場から駆け去ろうか逡巡する。
陰気な男:「…………」隈だらけの男の目が見開かれる。
ヨハン・モンタナ:「……神のお膝下だしね」
ヨハン・モンタナ:教会に引き返して、包帯を取りに行こうとします。助かるようには見えないけれど。
陰気な男:次の瞬間、数歩離れていたはずの男の手が君の胸に当てられ
ヨハン・モンタナ:「!」
陰気な男:「……離れろ」
ヨハン・モンタナ:「え」
陰気な男:軽く押し出される。それだけで、君の身体はふわりと浮き上がり
陰気な男:次の瞬間には、教会の奥の十字架の下まで吹き飛ばされていた
GM:同時に、爆発音。
ヨハン・モンタナ:「わっ、げふっ」
GM:男の周囲に爆煙が上がる。
陰気な男:その中で、男は平然と立っている。
ヨハン・モンタナ:転がりながら、必死で絵を抱え込む。
陰気な男:いや、良く見ると異常な点がある。
陰気な男:爆発による火傷、裂傷、それらが瞬く間に治癒していく。
ヨハン・モンタナ:遅れて順繰りに、何が起きたのかを把握してゆく。触れられただけで吹き飛んだこと、謎の爆発、そして白昼夢のような再生能力。
ヨハン・モンタナ:「オー……ヴァードのせいで死にかけてる人……じゃ、ない」
陰気な男:何故か脇腹に空いた大きな穴は塞がらないようだが、間違いない。
陰気な男:《リザレクト》。眼の前の男はオーヴァードだ。
ヨハン・モンタナ:慄然とする。だが……そうだ。今の行動は。僕は、あそこに居たら死んでいた……?
ヨハン・モンタナ:「何が起きてるんだ」
軍人:「よォーやく追い詰めたぜ。"ファントム"」
GM:爆発で半壊した教会の周りを、数人の兵士が囲んでいた。
GM:全員がマスクとゴーグルで顔を隠し、最新の装備に身を包んでいる。
GM:人目でわかる頑強な肉体は、機械のように微動だにしない。
GM:その中で唯一、声を発した小柄な人物だけは、くぐもった声色から女性であろうことが推し量れた。
"ファントム":「……"トラッシュハンド"」
"ファントム":"ファントム"と呼ばれた陰気な男が口を開く。
ヨハン・モンタナ:緊張。傍らの死の気配。喉の奥がからからに乾いてゆく。
"トラッシュハンド":「気安く呼ぶなよカス。……ん?」
ヨハン・モンタナ:ひどく場違いな所に迷い込んでしまった後悔があった。犬は、ちゃんと逃げただろうか。
"トラッシュハンド":女軍人の視線が君に向く。
ヨハン・モンタナ:「ひっ」
ヨハン・モンタナ:「えっと、州軍ですか!」
ヨハン・モンタナ:「一般市民です。あのう、保護していただけたり…………?」
GM:軍人たちの服に刻まれたエンブレムには、見覚がある。
GM:"テンペスト"。アメリカが誇る、世界で唯一の、『オーヴァードを殺せる』対オーヴァード戦闘部隊。
GM:メディアが揚々と喧伝する様子を、君も見たことがあった。
ヨハン・モンタナ:"テンペスト"。そうか、さっきの爆発は彼女たちが。榴弾か何かで。
GM:紛れもなく、君達市民の味方だ。しかし……
"トラッシュハンド":「運のねぇガキだ。反吐が出る」
"トラッシュハンド":手を上げて、兵士たちに合図を出す
"ファントム":「……やめろ。彼は……」
ヨハン・モンタナ:「へ?」
テンペスト兵:男の声を遮って、引き金が引かれた。
GM:三方向からの一斉射撃。君の身体が不格好に踊る。
ヨハン・モンタナ:手足が面白いように跳ねるのを反転する視界の端で捉えた。
ヨハン・モンタナ:体にいくつもの穴が空いている。死ぬ。
ヨハン・モンタナ:だが、それよりも。いつの間にか放り出していた長包がどこに転がっていったのかが気になった。
ヨハン・モンタナ:(──別に、あの聖像が焼けたって、あの日見たものが変わるわけじゃない)
ヨハン・モンタナ:(素直に避難していればよかった。死ぬよりも何倍もましだ。そうだ。そのはずだ。なのに──)
ヨハン・モンタナ:犬が残っていた時。意味のないことをしているのではないかという不安に、あのときだって苛まれていたから。彼を助けられることに安堵した。
ヨハン・モンタナ:……でも。
ヨハン・モンタナ:マイケル牧師に別れを告げて駆け出した時。
ヨハン・モンタナ:あの絵を守ることが……厚いタッチで描かれた、とりたてて特別なところのない、光差す聖母の像。あの時はなぜか、それだけが大事で、それ以外はすべてつまらぬことのような気がしたのだ。
ヨハン・モンタナ:(────ああ、まったく)
ヨハン・モンタナ:思考が途切れる。
"ファントム":「………」君を一瞥した後、生気の感じられない目で兵士たちを睨みつける。
"トラッシュハンド":「……んだよ。いっちょまえにキレてんのかァ?オーヴァードのクズの分際でよォ!!!」
テンペスト兵:"トラッシュハンド"が次の合図を出すのと、後方に控えていた兵士が手をかざす。
テンペスト兵:空中にいくつもの火球が浮かぶ。
テンペスト兵:それはまるで、オーヴァードが引き起こす超能力のようであった。
"ファントム":「……そうか。怒りか。これが」
"ファントム":「……時間がない。どけ」
"ファントム":"ファントム"の背から、黒いモヤが翼のように放出される。
"ファントム":それは、君も、兵士も、辺り一帯を黒い闇に包んで───
GM:君は、頬に当たる冷たい感触で僅かに意識を取り戻す
GM:身体は冷たく、視界には靄がかかったままだ。
GM:もうじき死ぬ。今際の際の、束の間の覚醒。
ヨハン・モンタナ:(………………)
"ファントム":「………」
"ファントム":滲んだ視界に、男の姿が浮かび上がる。
ヨハン・モンタナ:「うぁ」
"ファントム":先程よりも更に傷を追っており、片腕はちぎれている。
ヨハン・モンタナ:すわ天国か、と思ったが、どうやら現実らしかった。
GM:他に人の気配はない。あたりを取り囲んでいた兵士は、戦闘の末に撤退したようだ。
ヨハン・モンタナ:喋ろうとしたが、上手く呼吸ができず、既に何を言おうとしたのかも曖昧だ。
"ファントム":「……」視線が合う。
"ファントム":「……話さなくていい。頷くか、さもなくば首を振れ」
"ファントム":「生きたいか?」
ヨハン・モンタナ:……どうにも、その仕草が気にかかった。
ヨハン・モンタナ:"ファントム"と呼ばれていたように思う。怪物となる病に侵された、大量殺人鬼の名だったはずだ。
ヨハン・モンタナ:外見から受ける印象は伝聞から大きく外れては居ない。
ヨハン・モンタナ:冷たく澱み硬質で不気味な、それでいてふと見失いそうな。
ヨハン・モンタナ:(話さなくていい、生きたいか、か)
ヨハン・モンタナ:似つかわしくない慈しみだ。初めからそうだったように思える。
ヨハン・モンタナ:「……そっち、こそ」
ヨハン・モンタナ:呻くような声が出た。どう見てもお前が死にそうだ。
"ファントム":それに、少しだけ驚いたように目を開いて。
ヨハン・モンタナ:なぜそんなことを僕に聞くのか、理解できない。
"ファントム":「……」静かに首を振る。
"ファントム":「質問をしているのはこちらだ」
ヨハン・モンタナ:そう言われてしまうと、押し問答をする気にはなれなかった。ひどく喋るのが億劫だったし、
"ファントム":「……なら、質問を変えよう」
"ファントム":「死ねない理由はあるか」
ヨハン・モンタナ:意図は分からなくとも、重要なことなのだろうと思えたから。
ヨハン・モンタナ:(なんでこんなに疲れてる時に、そんなに難しいことを聞くんだよ)
ヨハン・モンタナ:相変わらず視線の結ぶ像は曖昧で、血は流れ続けている。
ヨハン・モンタナ:そうしてぶれた視界に映る男が、ふと思い浮かべた聖像の構図に重なった。
ヨハン・モンタナ:(……別に)
ヨハン・モンタナ:(あんな絵が描きたいと思ったわけじゃない。絵の美しさに特別に感動したわけじゃない)
ヨハン・モンタナ:(絵描きを目指している理由もよくわからない。今、なんでこの男が重なったのかも──)
ヨハン・モンタナ:(答えを、見つけなきゃいけないのか?)
ヨハン・モンタナ:まず思い浮かべたのは、恐怖だ。あれを目にしてからの自分は、常に怯え駆り立てられて居たように思う。
ヨハン・モンタナ:多分、自分の持っていないものを知ってしまったからだ。
ヨハン・モンタナ:野放図な欲望のままに描いた奔放な絵では、きっとそうはならなかった。
ヨハン・モンタナ:信仰心、それは書き手の持つ強烈な自己と言い換えられる──が、伝統と形式のもとに押し込めても、尚、その存在を主張しているような気がして。
ヨハン・モンタナ:自分と同じように、ぼんやりとやれと言われたことをやって、言われたように生きているように見える、この世の殆どのやつらが、
ヨハン・モンタナ:本当はちゃんと……上手く言えないけれど……
ヨハン・モンタナ:息を吐く、咽る。たどり着いた。
ヨハン・モンタナ:緩慢に男を見上げ、頷く。
"ファントム":「……わかった」
"ファントム":男の表情は変わらない。笑うという経験が、この男にはそもそもなかった。
"ファントム":ただ一度、力強く頷くと、男は残った片腕を自分の胸に当て
"ファントム":自らの心臓を、いとも容易く抉り出した。
ヨハン・モンタナ:これまでを軽々と凌駕する、極めつけの信じがたい行動に目を剥いた
GM:男が心臓を君の胸に置く。そこから熱が全身に広がっていく。
ヨハン・モンタナ:実際は殆ど瞼は動いていないのかもしれないが、いや、そんな場合じゃない。
ヨハン・モンタナ:(熱……)
"ファントム":「名乗るのを……忘れていた……私は……"ファントム"……」
"ファントム":胸の穴からひゅうひゅうと空気を漏らしながら、かすれた声を紡ぐ。
"ファントム":「君も……今から……"ファントム"に、なる」
"ファントム":「……だが……」
"ファントム":「……きっと、相応しい名では……ないな」
ヨハン・モンタナ:(……さあ。どうだろう)
ヨハン・モンタナ:ずっと。自分がどういうやつなのか、ふわふわして定まっていないように感じている。
ヨハン・モンタナ:これから出会う人間次第で、どんな風に変わってしまっても、きっとおかしくはない。
ヨハン・モンタナ:少しずつ、力が湧いてくる。
ヨハン・モンタナ:彼から抜け落ちていっているものなのだろう、と思った。
"ファントム":「……」更にいくつか、言葉を続けようとしたが
"ファントム":結局声に出すことはなく。ただ祈る様に、空っぽの胸に手を当てて。
"ファントム":「……すまない」
ヨハン・モンタナ:「……大丈夫」
ヨハン・モンタナ:「僕が僕を見つけるまで」
ヨハン・モンタナ:「その名前を借り受けるよ。長い旅になる」
"ファントム":最後の言葉は君に向けたようにも、別の誰かに向けたようにも聞こえた。
ヨハン・モンタナ:いつの間にか、言葉を話すのにつかえることもなくなっている。
"ファントム":ただ少なくとも、君の返答を聞き届けた後
"ファントム":まるで最初からそこにいなかったかのように、幻影は消え去っていた。
ヨハン・モンタナ:ゆっくりと体を起こし、十字を切る。
ヨハン・モンタナ:それから廃墟の中、絵と犬を探すために立ち上がった。
GM:ゴォォォン……ゴォォォン……
GM:人気のない路地裏に、男は一人立っている
GM:鐘の音は未だ止まない。
GM:男は空を見上げて十字を切り、静かに呟く。
マイケル:「生誕を告げる鐘が鳴り響き、呪い子は寿がれる……」
マイケル:「さて……どう転ぶか……」
GM:教会のあった方向を一瞥し、男は路地の闇へと溶けるように消えていった。
GM:シーン終了!ロイスが取れます。
ヨハン・モンタナ:”ファントム”/感謝/当惑(思ってたのと違う)
ヨハン・モンタナ:以上です。
GM:OK!
【Middle1/「ようこそオーヴァードの世界に」】
GM:合流シーンです。
GM:このシーンは、一旦ヨハンくんのみの場面から始まります。
GM:ヨハンくんは登場侵蝕をお願いします!他の方は登場可能になったらアナウンスします!
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (32 → 40)
GM:■116番通り 教会跡
GM:程なくして、君はイコンとコンスタンティンを見つけた。どちらも奇跡的に無事だったようだ。
GM:改めて、君は教会を後にする。
GM:尤も、今の君が予定通りシェルターに言っていいものか……
ヨハン・モンタナ:「絶対まずいよな……」
GM:途方に暮れる君の耳に、いくつかの足音が聞こえてくる。
ヨハン・モンタナ:とりあえずイコンを縛っている紐をコンスタンティンの首に結わえ付けてやる。
GM:ひどく多く、そして遠い。聴覚が飛躍的に強化されている。
ヨハン・モンタナ:「お願いね、牧師さんのとこまで」
コンスタンティン:尻尾を振って君を見上げている。
ヨハン・モンタナ:「ふむ……」
ヨハン・モンタナ:顔を両手でわしゃわしゃします。
ヨハン・モンタナ:「よーーしよしよしよし。これでいいでしょ。早く行け! ハリー!」
コンスタンティン:「……」何故か迷惑そうに首を振る。
ヨハン・モンタナ:「くそっじゃあいいよ! ついてきてよ、逃げるから!」
GM:君が老犬を連れ立って歩き出そうとした時
人相の悪い男達:「あァ~?オイ!!こんなとこにガキがいやがるぜェ!!」
人相の悪い男達:「ヒュゥ~~~!!これあれじゃね?ビンゴじゃねェの!?」
ヨハン・モンタナ:「えっと…………?」
GM:明らかに堅気ではない悪い男達が君を囲んでいる。
ヨハン・モンタナ:さっきの軍人相手なら言い訳不可能だったが、これは助かった……でいいんだろうか。
GM:服装はバラバラだが、その手には皆一様に銃火器を持っている。
ヨハン・モンタナ:助かってない気がするよ……ネ!
GM:男達の目は虚ろで、異様に溌剌としていたり、鬱屈とした表情で独り言をつぶやいていたり
GM:そのような男達が、5人、10人と集まってくる。
ヨハン・モンタナ:「ちょ、ちょっとちょっと! ケガ人によってたかって何なのさ!」
ヨハン・モンタナ:「そうだ、オーヴァードにやられたんだって! 早く逃げないと危ないよ!」
人相の悪い男達:「あァ~ん?怪我人だあ~?」
ヨハン・モンタナ:「ケガ人でしょ! こんなに全身穴だらけ……な………………」
人相の悪い男達:「どこが怪我してんだぁ?てめえ、ピンピンしてんじゃねえか」
ヨハン・モンタナ:「うわっほんとだ! 怖い!」傷は全部ふさがっている。
人相の悪い男達:「それになぁ、オーヴァードが出たんだって?知ってんだよんなこたぁ!」
ヨハン・モンタナ:「え、えへへへへ……あのぉ……」
人相の悪い男達:「なんたって俺たちは……」男達が空に向けて銃を構える
ヨハン・モンタナ:「ひえ」
OVハンターA:「無敵のオーヴァードハンター様だからなァ~~~!!ヒィ~~~ヒャハハハハァ~~~~!!!!!」
ヨハン・モンタナ:「無敵のオーヴァードハンター!?」
OVハンターたち:「「「「「デストロォーーーーイ!!!!!」」」」」
ヨハン・モンタナ:いかにもまずい薬に手を出していそうでやばい奴らだと思ったけれど、まさかそんなにやばいやつらだったなんて!
GM:男達が一斉に銃を空に向けて撃ち放す
TIPS『オーヴァードハンター』
巨額の懸賞金を目当てに未登録のオーヴァードを狩るハンター。
政府はオーヴァードの摘発に懸賞金をかけており、企業がそれ以上の金額で買い取ることも多い。
当然一般人なのでワーディングには為す術もないが、正常な判断力の無い麻薬中毒者や、
家族や市民を人質に取ることを厭わない狡猾な犯罪者の温床となっており、
覚醒したての未熟なオーヴァードにとっては十分な驚異となる。

OVハンターA:「んでよォ?オマエ」銃を君に向ける
ヨハン・モンタナ:「はい!」引きつった顔で硬直!
OVハンターA:「こんなガキがハンターなわけねェよなァ~~?ここで何してやがる」
OVハンターB:「もしかしてよぉ~、テメーが"ファントム"なんじゃねえのォ?」
ヨハン・モンタナ:「これは本当に正直に話すんだけど……思い入れのある聖母マリア様のイコンが教会に残されてて……」
ヨハン・モンタナ:「牧師がたまたま外出中だったから僕が取りに来ただけなんだ」
OVハンターC:「……ぶッ……」
ヨハン・モンタナ:ほら、と筒状に巻かれた包みを示す。
OVハンターたち:「ぶわはははははははは!!!!なんだそりゃ!もうちょっとありそうな嘘つきやがれ!!」
OVハンターA:「んなもんのタメに命張るアホがどこに居るよ!ああ~、もういいや」
OVハンターA:「ヤッちまうか。このガキがオーヴァードかどうか」
OVハンターA:銃を向ける「一発撃ってみればわかんだろ」
ヨハン・モンタナ:(くそっ万事休すだ…………!)ぎゅっと目をつぶる。
コンスタンティン:「目を開けろ。少年」
ヨハン・モンタナ:「…………?」
ヨハン・モンタナ:「えっ!? ……は!」
ヨハン・モンタナ:「今だれ喋った!?」
ヨハン・モンタナ:目の前のハンターたちに聞く。
コンスタンティン:「肩慣らしにはちょうど良いだろう。この程度の相手であれば、戦い方を覚えるには最適だ」
コンスタンティン:声は君の足元から響いている。その声色には聞き覚えがあった。まるでついさっきまで、共にいたような。
ヨハン・モンタナ:ぱくぱくと口を開閉する。
ヨハン・モンタナ:「……わ、わかった。出来るんだね! ううん」
ヨハン・モンタナ:生きたいか、という声がリフレインする。
ヨハン・モンタナ:僕はそれに応じて、彼の心臓を借り受けた。今諦めるべきじゃない、きっと。
ヨハン・モンタナ:「やってやる!」
コンスタンティン:「こう言ってはなんだが……少々素直過ぎないか?事情を察してくれるのは有り難いが」
コンスタンティン:「まあいい、説明はこの後でするとしよう」
OVハンターA:「犬が喋ってやがる……こりゃ決まりだな……」
OVハンターB:「ああ!知ってるぜ!ソ連には白熊のオーヴァードがいるって話だろ!!」
OVハンターC:「ヤベーな、しかも二匹!懸賞金も跳ね上がるだろ」
OVハンターA:「サイッコーに運が向いてきたなオイ!!良いかテメーら!!最悪死体でも金は出る!!出し惜しみ無しでヤッちまえ!!!!」
GM:ハンターたちの数は20人近くまで増えている。それらが一斉に、銃口を君達に向けた。
GM:チュートリアル戦闘を開始します。
GM:エンゲージはこちら
OVハンター✕20[10]
   丨
   5m
   丨
  ヨハン[14]

GM:ではセットアップから!
ヨハン・モンタナ:なし!
OVハンター:ブルーゲイル使用。行動値+5
ヨハン・モンタナ:薬!!!!
ヨハン・モンタナ:あっ僕無駄に先手必勝3レベルで取ってて行動14です
GM:ヤクキメて行動値15になりOVハンターの手番です
OVハンター:マイナーで抗レネゲイド弾を使用 命中でラウンド中対象のあらゆる判定ダイスを-1
OVハンター:メジャー、フォールンピストルで攻撃。回避のC値+1
OVハンター:対象はヨハンくん。行きます。
ヨハン・モンタナ:きな!
OVハンター:2dx+15
DoubleCross : (2DX10+15) → 10[7,10]+1[1]+15 → 26

ヨハン・モンタナ:4dx11 うおおお 奇跡起きろ
DoubleCross : (4DX11) → 5[1,2,5,5] → 5

ヨハン・モンタナ:起きたらダイスボットの故障
OVハンター:フハハハ!!ヤク最強!!
ヨハン・モンタナ:ドッジ失敗! 命中です
OVハンター:ダメージの瞬間、フォールンサラマンダーを使用。ダメージ+2D
OVハンター:3d10+8+2d10
DoubleCross : (3D10+8+2D10) → 18[7,10,1]+8+11[4,7] → 37

ヨハン・モンタナ:げっ それはさすがに死
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d10(→ 9)増加 (40 → 49)
ヨハン・モンタナ:リザレクトします。重いな……
GM:これがオーヴァードの重みよ
OVハンターA:「スゥーーーー……ハァーーーーー……」
OVハンターA:ハンターたちが首筋にアンプルを注入する。元々定まらなかった瞳孔がかっと見開き、血走っていく。
OVハンターA:「くたばれやァッ!!!!」
OVハンターたち:リーダー格の男に続いて、ハンターたちの銃口が一斉に火を吹く。
ヨハン・モンタナ:「うぎゃーーー! 死っげふっ死ぬ死ぬ! なんてやつらだ。親からもらった体が大事じゃないのかよ……!」
GM:銃弾を受けた君は、あることに気づく。
ヨハン・モンタナ:思い切り銃撃を受けながら建物の影に転がり込む。
GM:痛い。とてつもなく。先程テンペストに打たれた時よりも。
GM:それも瞬間的なものではなく、じわじわと蝕まれるような痛みだ。
コンスタンティン:「抗レネゲイド弾。随分と装備が充実しているな……」
コンスタンティン:傍らの犬が呟く
ヨハン・モンタナ:「うっ──痛」押さえた傷口から、銃弾が押し出されるように落下し、地面に転がる。
コンスタンティン:「落ち着いて。集中しろ」
ヨハン・モンタナ:「なんか残ってる感じが……っていうかこの、この生き返るやつ! 絶対使い放題じゃないよね」
ヨハン・モンタナ:そういうのわかるんだよ貧乏人だから、とぼやく。
コンスタンティン:「薬液の詰まった銃弾を体外に排出すれば問題ない」
ヨハン・モンタナ:「ふー、ふーっ……」
ヨハン・モンタナ:「いや、体が勝手に治ってるだけで、そんな選択的に…………」
ヨハン・モンタナ:コトリ。
ヨハン・モンタナ:「できた。なんだこの体は……」
コンスタンティン:「それが《リザレクト》だ。君は特に肉体の操作に長けている症例のようだな」
ヨハン・モンタナ:体が、見た目は同じまま自分の知るそれではなくなっている。なくなっていく。
ヨハン・モンタナ:「お、お、おおお……?」
OVハンターたち:「マジで生き返りやがった……!間違いねえ!こいつもオーヴァードだ!!」
ヨハン・モンタナ:神経が毛羽立つような感覚とともに、みるみると両腕が大きく、筋肉質に、硬質に変じてゆく。
ヨハン・モンタナ:戦うために体が造り変わっている。
OVハンターたち:「よっしゃああ!!撃て撃て!!ぶっ殺せ!!殺しても死なねーんだから遠慮すんな!!!!」
コンスタンティン:「その力はそのまま攻撃にも転用できる。さあ、反撃だ」
GM:続いてヨハンくんの手番です。
ヨハン・モンタナ:いきます! マイナーでハンターたちに接敵。
ヨハン・モンタナ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《過剰反応》白兵攻撃!
OVハンター✕20[10]
ヨハン[5]

ヨハン・モンタナ:7dx7 当たれー!
DoubleCross : (7DX7) → 10[1,2,4,7,7,9,10]+10[2,6,7,10]+10[4,9]+6[6] → 36

ヨハン・モンタナ:ナイス命中
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を7(→ 7)増加 (49 → 56)
OVハンターたち:うおおおお!
OVハンターたち:3dx
DoubleCross : (3DX10) → 10[1,1,10]+10[10]+8[8] → 28

ニコラス・デイヴィス:あぶねえ!!
ヨハン・モンタナ:オイオイオイ
OVハンターたち:なんかすっごい頑張ったけど命中です。ダメージどうぞ
ヨハン・モンタナ:4d10+15 装甲有効です。こわ~
DoubleCross : (4D10+15) → 26[6,3,10,7]+15 → 41

OVハンターたち:HPは20!倒れます!復活もなし!
GM:残敵0しかし……
ヨハン・モンタナ:やった~やっ何ィ
GM:追加登場です。騒ぎを聞きつけ、OVハンター×40がやって来ました。
  ヨハン[5]
   丨
   5m
   丨
OVハンター✕40[10]

ヨハン・モンタナ:やばいよ~! 演出いきます
GM:どうぞ!
ヨハン・モンタナ:(というか、えっ、これ、僕の腕!?)
ヨハン・モンタナ:獣のような、鎧のような槌のような──
ヨハン・モンタナ:恐ろしげな質量物と貸した腕を、だが自分の体が支えている、振り回すことができる。
OVハンターB:「ヒャハハハハ!!!……あぁ?なんだ……こいつの腕……!!」
ヨハン・モンタナ:「これじゃあ完全に──」
OVハンターC:「この……化け物がァ!!!!!」
ヨハン・モンタナ:「化け物じゃないか!」
OVハンターC:再びハンターたちが引き金を引く。
ヨハン・モンタナ:不格好な人形のように、縦回転で振り下ろす。舗装された石畳が砕け、ハンターたちが吹き飛んだ。
ヨハン・モンタナ:「全然狙えない!」
OVハンターたち:放った弾丸を弾かれ、そのまま振り下ろされた一撃で尽く薙ぎ払わられる。
コンスタンティン:「始めてなら上出来な方だ。制御は追々覚えていけば良い」
ヨハン・モンタナ:続く一撃を繰り出そうとするが、うまくバランスが取れず、街灯をなぐりつけひしゃげさせてしまう。
ヨハン・モンタナ:「いや、これ、というか……」
OVハンターたち:「ひ、ひぃいいいい!?」
ヨハン・モンタナ:コンスタンティンの方へ振り向く、左腕の変貌がみるみる進行し、耳や目元にまで達している。
ヨハン・モンタナ:「まずい、とにかく物を壊したくなってきた」といいながら、手近な柵をべりべりとなぎ倒す。
ヨハン・モンタナ:「頭まで変わろうとしてる! 戦うのに適したものに!」
ヨハン・モンタナ:鱗のような、毛皮のような、石のような。
ヨハン・モンタナ:「醜い」
ヨハン・モンタナ:「イメージが足りないんだ」
ヨハン・モンタナ:「だから漠然としてる」
コンスタンティン:「衝動の発露……いや、違うな」
ヨハン・モンタナ:必死に、頭の中の強烈な衝動に逆らう。右腕がバッグの中の絵筆を取る。
コンスタンティン:「それはレネゲイドウイルスの普遍的な本能だ。君の生来のものではない」
コンスタンティン:「イメージしろ。自分自身の理想を明確に思い描け」
ヨハン・モンタナ:「くそったれだね! オーヴァードっての!」
ヨハン・モンタナ:(違うよ。必要なのは──枷だ。僕の中に、僕を規定するものがないのだから)
OVハンターA:「うろたえてんじゃねえ!!バカ共が!!」リーダー格の男が檄を飛ばす。
OVハンターA:「よく見ろ!ありゃあ成り立てだ!!自分の力を制御できてねえ!すぐにガス欠になんぞ!!」
ヨハン・モンタナ:風のように右腕が動き、中空に異形の怪物を描いた。左腕を覆う角質が、煉瓦のように整然と変形する。
ヨハン・モンタナ:「習作だ」
ヨハン・モンタナ:綺麗な円筒形を成した土塊巨人の右腕が、電信柱を引き抜いて思い切り振り回した。
ヨハン・モンタナ:電線をひきちぎってしなる長木が、ハンターたちをまとめて打ち据える。
OVハンターたち:君の腕のひと薙ぎで、20人いたハンターたちがまとめて宙を舞う。
コンスタンティン:「よくやった。だが……」
ヨハン・モンタナ:「外装態(パトローナス)──バルバラ、ってとこか」
ヨハン・モンタナ:緊張の糸が切れたように一息ついて。
ヨハン・モンタナ:「……だが何?」
OVハンターたち:「オイオイオイ~こいつかよ!マジでバケモンだなこりゃあ!!」
ヨハン・モンタナ:それから、明らかに自分が『騒ぎすぎた』ことに気づく。
OVハンターたち:「ギャハハハ!!アイツら死んでんじゃねえかァ?抜け駆けするからそうなんだよ!!」
OVハンターたち:騒ぎを聞きつけたのか、続々とハンターたちが集まってくる。
ヨハン・モンタナ:「っ──もう一度!」左腕の外装に力を込めようとして、それがぼろぼろに崩れ去る。
ヨハン・モンタナ:「あー。すぐガス欠になるってやつ?」
ヨハン・モンタナ:コンスタンティン……に宿る彼と顔を見合わせる。
コンスタンティン:「む。少々悠長に構えすぎたか」
コンスタンティン:「《ワーディング》は……善くないな。"テンペスト"に嗅ぎつけられる」
ヨハン・モンタナ:「また専門用語出てきた!」
OVハンターたち:「ぶっ殺せ!!!!」「ぶっ殺せ!!!!」「ぶっ殺せ!!!!」「ぶっ殺せ!!!!」「ぶっ殺せ!!!!」
OVハンターたち:ハンターたちのボルテージが上がっていく。
ヨハン・モンタナ:「ひえ~やっぱおしまいだよ~~! どうなってるのこの国ー!」
OVハンターたち:銃口が、一斉に火を吹いた。
GM:と、いうところで
ヨハン・モンタナ:悲鳴を上げながら大型犬に抱きつく!
GM:PC2、3、4の皆さんは登場できます!侵蝕を振って出てきてね!
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (33 → 38)
カイ・スェネミー:34+1d3+3
DoubleCross : (34+1D3+3) → 34+2[2]+3 → 39

クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 4)増加 (45 → 49)
GM:PC登場により、自動的にチュートリアル戦闘は勝利となります。
GM:ハンターは演出でボコボコにしちゃってください
ニコラス・デイヴィス:《崩れずの群れ》+《命のカーテン》(演出)
ニコラス・デイヴィス:《デモンズウェブ》(演出)
OVハンターたち:「ヒャア~~~ッハハハハハハハッ!!!!……ハ……あぁ?」
ニコラス・デイヴィス:少年の悲鳴が壁に反響する。
ニコラス・デイヴィス:だが、その悲鳴は恐怖によるものだけだ。
OVハンターたち:気持ちよく弾丸をばらまいていたが、妙に手応えが薄いことに気づく。
ニコラス・デイヴィス:後に続くはずだった痛みによる絶叫は
ニコラス・デイヴィス:彼の喉を震わせることはなかった。
ニコラス・デイヴィス:パキ  パキ  パキ   パキ
ニコラス・デイヴィス:無数の白く細い塊が連なり重なり合い少年たちを守っている。
ヨハン・モンタナ:「……」自分が蜂の巣になっていないことに気づき、きょろきょろと周囲を伺う。
コンスタンティン:「どうやら……」
ニコラス・デイヴィス:それが人体の骨のようなものであるということが、人体の構造に詳しい人間ならわかるかもしれない。
コンスタンティン:「運にも恵まれているようだな。君は」
ニコラス・デイヴィス:「大丈夫かい?危ないところだったねえ。」
OVハンターたち:「な、なんだぁ!!??こいつ!!??」
ニコラス・デイヴィス:ゴキャッ バキッ グギッ バキバキバキ
ヨハン・モンタナ:「コンスタ……ファントム……まあいいや、えー……」
ヨハン・モンタナ:「はい、確かに危ないところでしたが、あなたは……?」
ニコラス・デイヴィス:弾丸の威力を吸収するようにして砕けた骨が突如現れた長髪の男の体に戻っていく
ニコラス・デイヴィス:「ニコラス・デイビス。」
ヨハン・モンタナ:大勢に銃を向けられているにも拘らずの目の前の男の柔和な雰囲気にただならぬ物を感じ、つい敬語になる。
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァードの人権を守るために活動している、オーヴァードだよ。」
ニコラス・デイヴィス:「大丈夫かい。怖かっただろう?」
ニコラス・デイヴィス:と少年に声をかけたあとに、ハンターに視線を移す
ニコラス・デイヴィス:「君たちも」
ヨハン・モンタナ:まだ現在進行形で怖いとは言う気になれず、頷く。
ニコラス・デイヴィス:「こんな幼い子供に寄ってたかって襲いかかって、恥ずかしくはないのかい」
ニコラス・デイヴィス:「大人っていうのは、子供を守ってやるものだと」
ニコラス・デイヴィス:「僕は教わってきてたし、親にもそのようにしてもらってきたのだけどね。」
OVハンターたち:「あぁ!?ガキだろうがなんだろうが、化け物は化け物だろうが!!!!」
ヨハン・モンタナ:「それは──」
ニコラス・デイヴィス:(グッド!!!)
ヨハン・モンタナ:自分が引き起こした惨状を見る。
ヨハン・モンタナ:「そうだけどお前らには言われたくないよ!」
ニコラス・デイヴィス:狙い通りに少年に被差別意識を植え付けるための言葉をハンターから引き出せたので内心ガッツポーズする
ヨハン・モンタナ:納得しかけたが、明らかに自分を顧みるタイミングではない。
ニコラス・デイヴィス:こういう草の根活動も革命には大事なのだ
ニコラス・デイヴィス:「残念だな。僕たちも、元は君たちと変わらない」
ニコラス・デイヴィス:「ただの人間なのに」
OVハンターたち:「うるっせェんだよ!!テメエらみてえのが暴れまわるから、俺らか弱い市民はこうして銃を取るしかねえんじゃねえか!!!!」
OVハンターたち:「こいつはなあ……」一斉に銃を向ける
OVハンターたち:「正当防衛なんだよ!!!!!!」次々と砲火が上がる。
カイ・スェネミー:「こちらだ、ミスターファンタム。猫の手かもしれないがね。助かりたければ、声のする方に来ると良い」
ニコラス・デイヴィス:(この子たち、グッド過ぎる。本当に運がいいのは僕かもしれない)
カイ・スェネミー:物陰から朗々とした声が上がる。シルクハットに燕尾服に黒い外套。手品師にしか見えない男が姿を現す。
ヨハン・モンタナ:「うるさい! バカ!」ハンターたちを罵倒しながらコンスタンティンを抱えあげて走る。
ヨハン・モンタナ:都合のいい望みにかけて、声のしたほうへ。
OVハンターたち:「……なんだぁ?弾が消えた……?」
OVハンターたち:ヨハン達に撃ったはずの弾丸が空中で消え、代わりに見るからに怪しい男が現れた。
カイ・スェネミー:「おや。まだ年若いな。M.S/M.Tのマジックショウへようこそ。特等席で奇跡を見せてあげよう」
OVハンターたち:「テメェ!!何しやがった!!!!」
カイ・スェネミー:ヨハン君に向けてウィンクして。
ヨハン・モンタナ:「はは、何がなんだか……」
カイ・スェネミー:「手品だよ。私は手品師だからね。ああ、時に君はさっき良い事を言った。か弱い市民は銃を取る。」
カイ・スェネミー:「まったく同意見だ。自衛のために銃は必要だ。特にこの国ではね」
カイ・スェネミー:《万能器具》《形状変化》
カイ・スェネミー:《コンセントレイト:ノイマン》+《即席武器》+《急所狙い》+《カスタマイズ》+《ギガンティックモード》+《ペネトレイト》(演出)
カイ・スェネミー:そう言うと外套に腕を伸ばし、取り出したりたるは、外套の中にどう考えても収まらぬ、その質量と体積を完全に無視したバカげた凶器。
ヨハン・モンタナ:手品師を自称する通りの外連な外見だ。観客であるらしいこちらに見栄を切る姿が憎たらしいほど決まっている。
カイ・スェネミー:M60多目的重機関銃。
ヨハン・モンタナ:「え……えっ、ええー……!」
OVハンターたち:「なっ……」ハンターたちがたじろぐ
カイ・スェネミー:「火力は。君たち全員よりも、きっと上だぞ。はははは」
OVハンターたち:「おいバカ……!!やめっ……」
カイ・スェネミー:風を切る音を立てて、派手に弾丸の群れが吐き出される。
ニコラス・デイヴィス:「おー、凄まじい」
ヨハン・モンタナ:「助かりつつあるってことでいい?」コンスタンティンの前脚をにぎにぎしながら。
カイ・スェネミー:弾幕は龍の吐息の如く薙ぎ払われる。殺戮の凶器であるが《形状変化》着弾の瞬間非殺傷ゴム弾に変化し
ニコラス・デイヴィス:少年が余波に巻き込まれないよう再び骨の盾を展開する
カイ・スェネミー:ハンターどもを打ちのめすのであった。
カイ・スェネミー:「アッメーイジング!万雷の拍手を!!」
OVハンターたち:取り囲んでいたハンターたちの一角が弾丸の雨に蹴散らされ、かろうじて生き残った者は手足を引きずって散り散りに逃げていく。
ヨハン・モンタナ:へたり込んで、前脚を握ったまま肉球で拍手させています。
OVハンターたち:「糞が!!誰が拍手なんて送るかよ!!!!」
ニコラス・デイヴィス:彼を称えるような音を奏でながら骨の盾を崩す
OVハンターたち:しかし、未だハンターたちの勢いは止まない。残った者たちが包囲を狭め、数で圧し潰そうと次々に突進してくる。
カイ・スェネミー:「おや。まだやる気だぞ。これは計算外だ。流石に対戦車榴弾を打ち込むと騒ぎが大きくなりすぎるのだが」
ニコラス・デイヴィス:「素晴らしいね。立場は違えど彼らの熱気自体は評価できるよ」
クラウディア・ローデ:とうに主の逃げ去った民家の屋根から、それを見下ろす影が一つ。風になびく金髪が、朝日を受けてきらめく。
ヨハン・モンタナ:「わかんないよ! どっからが大きくなりすぎなの!?」
クラウディア・ローデ:「はぁーあ」
クラウディア・ローデ:「殊更に力を誇示するのはバカのすることだ、って言うけど」
クラウディア・ローデ:「こういうドの付くようなバカ共を見るとさあ、見せつけてやりたくもなるよね」
カイ・スェネミー:「具体的には建物を崩壊させるとだな! だがファントム、私は日頃の行いが良い。ほら、美女の声が聞こえだした」
クラウディア・ローデ:「格の違いってやつ」くすりと笑う。
クラウディア・ローデ:ブラウスの袖口から伸び出たされた数条の鉄索が、砂煙を巻き起こしながら大地を引き裂き沈んでいく。
クラウディア・ローデ:続けて轟音。伝達した破壊振動が、彼らの立つ足場を粉砕崩壊せしめる。
OVハンターたち:「お……?な!?うわあああああ!!??」
ヨハン・モンタナ:「……なるほど。地面はセーフ?」
クラウディア・ローデ:「ほら、とっととビビって逃げなよー。雑魚らしくさ」
クラウディア・ローデ:どん、どんと地面を脈打たせながら切り崩していく。暴徒をヨハンから引き離すように、同時にこの場から追い立てるように。
カイ・スェネミー:「ぎりぎりアウトじゃないか」ほう。と顎に指をあてて、大地が崩落する様を見て。
ヨハン・モンタナ:「勉強になります」慣れないなファントムって呼ばれるの、と頭を掻いた。
クラウディア・ローデ:「貴方達の命なんて奪う価値もないし……まあ」
クラウディア・ローデ:「どうしても美女の手にかかって死にたいって言うなら、やったげるけど?」
OVハンターたち:「ひッ」何人かが、恐怖に立ちすくむ
OVハンターたち:「……オイ、流石に聞いてねえぞ……!」
クラウディア・ローデ:酒場で見せたのとは違う、どこか獰猛な笑みを浮かべて彼らを見下ろす。
OVハンターたち:「オーヴァードが4匹……いや5匹!?冗談じゃねえ!!」
OVハンターたち:「勝てるわけねェだろ!!死にたいならテメーらで勝手に死ね!!」
クラウディア・ローデ:「あは、まだ数の問題だと思ってるんだ。バカなやつ」
OVハンターたち:「ひっ、う、うわああああああ!!!」
OVハンターたち:数人のハンターが恐れをなして逃げ出すと、それに呼応して次々と、蜘蛛の子を散らすように走り去っていく。
ヨハン・モンタナ:「……助かりました。ありがとうございます」
クラウディア・ローデ:去っていく影を見送る。そうして、残った面々へと視線をやり。
ヨハン・モンタナ:「じゃあ、僕とコンスタンティンはこれで…………」
クラウディア・ローデ:「……で、どなたが"ファントム"さん?」
ニコラス・デイヴィス:ぎゅむ、と少年の首元をつかむ
ヨハン・モンタナ:「んん~」捕まって目が泳ぐ。
ニコラス・デイヴィス:「待ちなさい。今この街はああいう連中であふれているよ」『一人と一匹になるのはまだ危ないんじゃないか?」
カイ・スェネミー:「君の方ではないな」と、ニコラスさんに言う。「勿論、私ではないよ。私は一介の手品師だからね」
カイ・スェネミー:彼は少年を守るような動きを見せ、自分の言葉に先に反応したのは少年の方だった。
クラウディア・ローデ:「さて、本物がそう正直に言ってくれるものかなあ」
ニコラス・デイヴィス:「それはそうだ。」
クラウディア・ローデ:たん、と軽やかに飛び降りて君達の方に近付いてくる。碧い瞳が順番に顔を覗き込む。
ニコラス・デイヴィス:「この場には本物のファントムはいないのかもしれないしね。」
コンスタンティン:「いいや。この少年が"ファントム"だ」
ヨハン・モンタナ:(どうするのが……どうするのが正解なの、これ……!)
ヨハン・モンタナ:「あっ」
クラウディア・ローデ:「あら」
カイ・スェネミー:「だが、一つ言えるのは、我々は全員ファントムに用があるらしい。おお」
コンスタンティン:四人の足元で、老犬が声を上げた
ニコラス・デイヴィス:「そうなのかい?」
カイ・スェネミー:「これは手品。ではないようだね。あぁ、えぇとミスターワンダフル。なんとお呼びすれば?」
ニコラス・デイヴィス:ファントムと呼ばれた少年に声をかける。
コンスタンティン:「正確に言えば、ついさっき"ファントム"になった」
ヨハン・モンタナ:「……まあ、彼に言われちゃあ否定しづらい……」
ニコラス・デイヴィス:「なるほど?」
ヨハン・モンタナ:「僕はついさっき、”ファントム”の名前をもらって、オーヴァードになった」
クラウディア・ローデ:「……なった?」
クラウディア・ローデ:「つまり、襲名性ってわけ? "ファントム"ってのは」
ニコラス・デイヴィス:「この国に名を知られた大量殺人鬼”ファントム"とは別人というわけだ。」
クラウディア・ローデ:「私が用があったの、この国で有名な大量殺人鬼の方だったんだけど」
ヨハン・モンタナ:「ヨハン・モンタナ。14歳。何も特別な所のない、毎日狭い寝床から起きて学校に行く、普通のニューヨーク市民」
ヨハン・モンタナ:「はるばる来ていただいた所残念だけど。彼は、あー……」
ヨハン・モンタナ:コンスタンティンの方を見て。
ヨハン・モンタナ:「なんて言えば良い? あと、僕が”ファントム”なら、君のことはどう呼べば?」
ヨハン・モンタナ:「コンスタンティンが帰ってこなかったら、結構承知しないからな」
コンスタンティン:「言い忘れていたが」少年を見上げ
コンスタンティン:「私は厳密には"ファントム"ではない。そう名付けられた男は、確かにあの時、君に心臓を譲って消えた」
コンスタンティン:「ただ、あのまま放り出すのは余りに不親切だったからな」
ニコラス・デイヴィス:(受け継いだのは"名前"だけではない)
ヨハン・モンタナ:「……そっか……」
コンスタンティン:「《ハンドリング》という能力がある。動物に自らの意識を植え付けて操る力だ」
コンスタンティン:「"ファントム"はそれを使い、自らの知識をこの犬、コンスタンティンに与えた」
カイ・スェネミー:「成程。成程。アメイジング 正に奇跡の復活と言うやつだな」
カイ・スェネミー:「では、そちらの方はミスターコンスタンティンと」
クラウディア・ローデ:「へえ。面白い能力だなー」
コンスタンティン:「なので、実を言うと記憶も大半が欠落している。感情もな。故に何故君を助けたのかも、今の私には推し量れない」
コンスタンティン:「私の使命はただ、君を一人前のオーヴァードに成長させることだ。それが済んだら消え去るとも」
ヨハン・モンタナ:「…………」
クラウディア・ローデ:「じゃあ。もし、私が君に用があるって言ったら?」コンスタンティンに。
コンスタンティン:「どの道そう長く保つ能力でもない。このマンハッタンを脱出するまで続けば良い方か」
クラウディア・ローデ:「用というか、ちょっとお話したかったんだけど。……でも、記憶が消えてるなら答えられるかわかんないのか」
カイ・スェネミー:「ふむ。良いだろうかレディ?」
コンスタンティン:「言った通りだ。オーヴァードがご所望なら期待には応えられない」
コンスタンティン:「飼い犬が欲しいのなら彼と交渉してくれ」
クラウディア・ローデ:「私?何かしら」
カイ・スェネミー:「正確には、君を含めてだが、どうせなら美人を起点にした方が良いからね」
カイ・スェネミー:「私はマジシャン カイ・スェネミー。名乗っておくよ。宇宙友愛教会からやってきた。明かせるところまでは、自己紹介をしようじゃないか。ファントムに縁があるのだろう、全員がね」
カイ・スェネミー:「さて、私はファントムの保護を頼まれたのだがね。これは要件がかち合ってしまったかな?私の方はヨハン君であっても問題はないんだ。無論、彼の意思は大事だが……と言ったところだ。少なくともマンハッタン島を脱出するのだったら協力させてもらうとも」
カイ・スェネミー:言って、周りの反応を見る。
ヨハン・モンタナ:「脱出……できるのかな?」小さく震える。つい先程の、臨死の記憶。
ヨハン・モンタナ:”テンペスト”を掻い潜って、この男が? 手際を目にした上で、できないとは言い切れなかった。
クラウディア・ローデ:少し考えた後。「ま、いいか」と小さく呟いて。
ヨハン・モンタナ:「というか他の人は、全然これっぽっちも知り合いじゃないんだね」
クラウディア・ローデ:「できるよ。うちの上司が、そういう手引きをしてくれてるし」
ニコラス・デイヴィス:「うん、初対面だよ。宇宙友愛教会の名前ぐらいは知っているけどね」
クラウディア・ローデ:「何より私が守ってあげるし」
ヨハン・モンタナ:「宇宙友愛教会は僕も一応……それで、あなたは何者なの?」
クラウディア・ローデ:「そうだね。私、結構遠くから来たし。二人とも、地元の人でしょ」
カイ・スェネミー:「おお、美しい人。なんと頼りになる。手品師は脱出するのも仕事の内ですが、その言葉は実に心強い」
ヨハン・モンタナ:地面を液状化させた女性に視線を移す。上司というからには、何らかの組織の一員なのだろうが。
クラウディア・ローデ:「ドイツ陸軍、クラウディア・ローデ少佐。任務は"ファントム"への接触と確保」
クラウディア・ローデ:「あ。軍服じゃないのは、救援を待って市街に潜伏するかもって思ったから。所属を誤魔化せる余地はあったほうがいいでしょ」
コンスタンティン:「"ゲシュペンスト"か。道理で強いはずだ」
クラウディア・ローデ:「一応ほら、これ。証拠」懐から真新しい隊章を取り出して見せる。
ニコラス・デイヴィス:「これはまた凄い人と鉢合わせてしまったな。」
ニコラス・デイヴィス:「ちなみにそちら、写真を取らせていただいても?」
コンスタンティン:「……私の知識とは意匠が異なるな」
ヨハン・モンタナ:「ドイツ軍……」
クラウディア・ローデ:「ふうん、私のこと知ってるんだ。じゃ、私が聞きたいことも案外覚えてるのかもね」にわかに目を細めて。
クラウディア・ローデ:「そうね、微妙に情報が古いよ。檻の中にいたからかな」コンスタンティンに。
カイ・スェネミー:「ミズクラウディア、いやフロイラインの方がよろしいですかな?」などと相槌を打って話を聞く。
クラウディア・ローデ:「隊長の引退に伴って、"ゲシュペンスト"は再編成しました。今は"オイカリュプトゥス"」
クラウディア・ローデ:「好きな方で呼べばいいよ。何?」
カイ・スェネミー:「ではフロイラインで。さて、さしあたっては呉越同舟と言う程でもありませんが、行動を共にしていただけるのですかね?」
クラウディア・ローデ:「この状況で争う理由がないって意味では、そうかな。そっちのお兄さんの素性にもよるけど」ニコラスくんの方を見て。
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードの権利のために……だっけ」同じく視線を移す。
ニコラス・デイヴィス:「そう。君がさっき体験したように」
ニコラス・デイヴィス:「この国ではオーヴァードは迫害されているからね。」
ニコラス・デイヴィス:「こうして、争う理由のないオーヴァードが揃ったというのなら」
ヨハン・モンタナ:ばつの悪い顔になる。自分はこれまでごく自然にオーヴァードのことを──彼らほどではないにせよ──忌避していたし。
ニコラス・デイヴィス:「協力できるところはした方が、円滑に事を進めると思うよ」
ニコラス・デイヴィス:「それが、United States of Graceに所属するニコラス・デイヴィスとしての意見だね」
ヨハン・モンタナ:正味、今もそれが拭い去られたとは言い難い。何度も戦うことで、本当にあれを使いこなせるようになるんだろうか。彼らはその領域に達していて、背中を預けられる相手なのか?
ニコラス・デイヴィス:ヨハンくんの顔が曇ったことに今気づいたふりをして
ニコラス・デイヴィス:「ああ、済まない。」
ニコラス・デイヴィス:「僕も、オーヴァードでない彼らのことを責めたいわけではないんだよ。」
クラウディア・ローデ:(……いろいろ胡散臭くはあるけど。この人(と犬)達の声に、嘘を言っているような気配は感じられない)
ヨハン・モンタナ:まあさっきかち合ったのは明らかに責められるべきやつらだったけども。
ニコラス・デイヴィス:「ただ、僕たちは、僕たちのことを知ってほしいだけなんだ。」
ヨハン・モンタナ:(……知ってほしい、か)
ニコラス・デイヴィス:「そして、許せないのは、彼らからその知る権利を奪っているやつら」
ニコラス・デイヴィス:「恐怖と不寛容は、無知から生まれるものだからね。」
ニコラス・デイヴィス:「そしてその無知のせいで、同じ国で育った人が分断されるというのは、悲しいことじゃないか」
ヨハン・モンタナ:「知るべきではある」
ヨハン・モンタナ:僕は彼の事を何も知らない。なぜ大量殺人犯として捕縛されていたのか。何故逃げ出し、追われることになったのか。
ニコラス・デイヴィス:先刻までのヨハンくんの立場を肯定し、別の立場に悪を設定をすることでヨハンくんがこちらの思想に賛同しやすよう誘導しています
クラウディア・ローデ:「なんだか立派な視座をお持ちね。ま、この国に変わってほしいってのは同意見だけど」
ヨハン・モンタナ:「そうだね。僕は……あなた達の事を何も知らない。こうして自己紹介してもらった今でも。多分」
ヨハン・モンタナ:「ついていかなければ、これからも知らないままだから」
ヨハン・モンタナ:「……いいですよ。何より、ここに居るのが一番まずい」
クラウディア・ローデ:「あら。口説くのはこっちからと思っていたのに」
カイ・スェネミー:「ははは。この国のオーヴァードに対する憎しみは常軌を逸しているからね。ネイティブ、黒人奴隷、我々はその次と言う訳だ」
カイ・スェネミー:「脱出するにしても、ヨハン君、ご実家はあるかな?」
クラウディア・ローデ:冗談めかして笑いつつ。「ええ、そうね。とりあえず良いんじゃない、協力していくって事で」
カイ・スェネミー:「家族がいるのであれば、やはり、保護なりをした方が良いのではないか?と私は考えるわけだが」
クラウディア・ローデ:「ま、最終的にはその子の身柄をどうするかで揉めるかもしれないけど」視線でヨハンくんを示しつつ。
クラウディア・ローデ:「少なくともこの島には、もっと優先的にぶっ飛ばすべき相手がいるよね。さっきのとか」
ヨハン・モンタナ:「家族の事を話せるほどには……悪いけど」
ニコラス・デイヴィス:「あはは、それはそうだ。」
カイ・スェネミー:「道理だ。だが、考えておきたまえ。君は宇宙にとって重要なピースになってしまったのだから。望まないに関わらずね」
ニコラス・デイヴィス:「その慎重さは大事だよ」
コンスタンティン:「大半の市民はシェルターに避難しているはずだ。表に出ているのは先程のようなハンターと」
クラウディア・ローデ:「私らみたいな"ファントム"目当てのオーヴァードだけ、かな」
コンスタンティン:「ああ。それと"テンペスト"だな。まずは自分の身を第一に考えるべきだ」
カイ・スェネミー:君を取り巻く人たちの命を握る立場にいるというのは自覚した方が良い。と忠告はする。
ヨハン・モンタナ:(ぞっとしない話だ)
ヨハン・モンタナ:"テンペスト"の、何か危うい秘密を知ってしまったわけでもない。ただ居合わせただけで撃たれた。
ヨハン・モンタナ:似顔絵が出回って指名手配されたら、両親にも累が及んじゃうんだろうか。
ヨハン・モンタナ:「絶対、当分は死んだことになってなきゃだ」
ヨハン・モンタナ:「僕の名前、喋っちゃったけど秘密にしてね。みんな」
ヨハン・モンタナ:そう口にして、フードを目深にかぶる。
ヨハン・モンタナ:「”ファントム”です。よろしく」
カイ・スェネミー:《万能器具》目元を隠す仮面を作り渡す。
カイ・スェネミー:「よろしくファントム。ようこそオーヴァードの世界に」
GM:シーン終了!ロイスを結べます
クラウディア・ローデ:うーん もうちょい交流してから取ろうかなあ
GM:ガードが硬い
ヨハン・モンタナ:”ファントム”のロイスをN寂寥に。
カイ・スェネミー:では ファントム ヨハン・モンタナ 庇護〇/憐憫 で。
ニコラス・デイヴィス:ヨハン・モンタナ/期待(身内の心配してそうだけどこれでその身内から見捨てられたら熱いんだけどな~)◯/隔意(でも少し冷静過ぎるきらいがあるかな~)
ニコラス・デイヴィス:以上です
ヨハン・モンタナ:ニコラスさんに取ろうかな。親切○/隔意
ヨハン・モンタナ:以上。
GM:では次!
【Middle2/「昨日までの君だったら、この手を振りほどかずには居られただろうか」】
GM:ここから情報収集に入ります。シーンプレイヤーはカイさん。ほか登場自由。
カイ・スェネミー:39+1d3+3
DoubleCross : (39+1D3+3) → 39+3[3]+3 → 45

ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (38 → 42)
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (49 → 55)
ヨハン・モンタナ:1d3+3+56
DoubleCross : (1D3+3+56) → 1[1]+3+56 → 60

GM:情報収集シーンです。
GM:が、その前に
【幻視/The Evil Dead】
GM:1958年、ソルトレイクシティ。
GM:大塩湖に面する風光明媚な観光都市は、最早地獄と化していた。
GM:歴史ある建造物は尽くが焼け落ち、通りには死体がうず高く積み上げられている。
GM:果たして何者が、この様な大惨事を引き起こしたのか。
GM:明白だった。犠牲者である市民自身の手によってだ。
GM:理性を失い、死して尚生者を襲う怪物と化した人々。
GM:その最後の一体が、たった今頭部を吹き飛ばされ沈黙した。
眼帯の男:「状況終了。ちと骨が折れたな……なぁ大佐(キャプテン)」眼帯の男が振り向く。
眼帯の男:「……大佐?」
GM:彼が声をかけた先には、もう一人の男が立っている。
GM:色褪せた金髪の、筋骨隆々とした偉丈夫。しかし深く落ち窪んだ目元は甚だ陰気で、全体としては幽鬼のような不気味さを放っていた。
眼帯の男:「その子は……?」
色褪せた男:「……生存者だ」
色褪せた男:腕に10歳程の少女を抱えている。血と汚物にまみれて、気を失っているようだ。
眼帯の男:「……本気か?」
眼帯の男:「”生存者ゼロ”が上からのオーダーだろ」
色褪せた男:「……帰投するぞ」
色褪せた男:男の言葉を遮って立ち去ろうとする。
眼帯の男:「オイ!待てよ大佐!」
眼帯の男:「アンタらしくもねえ。今更罪滅ぼしのつもりかよ」
色褪せた男:「………」立ち止まり
色褪せた男:「……よく見ろ」非難する部下の前に少女を掲げて、重苦しく口を開く。
眼帯の男:「……こいつ、まさか……!」
色褪せた男:「Σレネゲイドに完全に適合している」
色褪せた男:「……利用価値があるということだ」
GM:景色が遠のいていく。
GM:男達は去り、後には一面の廃墟と、夥しい死体の山だけが残った。
GM:この先のシーンでは、時折【幻視/〇〇】と名のつくマスターシーンが挿入されることがあります
GM:これは、ヨハンくんが見ている夢、または白昼夢です。
クラウディア・ローデ:ははあ
カイ・スェネミー:ヨハン君しか分からんと言う訳だね
ヨハン・モンタナ:記憶転移だ!
GM:ヨハンくんはこのシーンの内容をまるっと覚えていていいし、教えたければ他の人に教えて構いません
ヨハン・モンタナ:え~面白いな 理解しました。
GM:理解が早い!ありがとうございます
GM:では、改めて情報収集シーンの説明に入ります。
GM:さて皆さん。マップに表示されているマンハッタン島の地図が見えているでしょうか
ニコラス・デイヴィス:みえてまーす
クラウディア・ローデ:ありますわね
GM:ミドルでは、シーン毎にマップに表示されているエリアから一箇所を選択し移動して貰います。
カイ・スェネミー:視界良好
GM:その先で情報収集判定が発生するわけですね。
GM:皆さんは今、マップの中央、セントラルパークにいます。
GM:行ける場所は、丸印のついているハーレム、タイムズスクエア、ヘルズキッチン、ウォール街です。
GM:移動先では新たな情報項目の追加や、NPCとのイベントが発生する場合があります。
GM:ただし、一つ注意点があります。
GM:エリア間を移動する際には、オーヴァードハンターによる襲撃が発生します。
GM:PCは襲撃への対応として、以下の行動からいずれかを選ぶことができます。
【OVハンター撃退】
<白兵><射撃><RC><交渉> 目標値10(シーン経過毎に+3増加)
OVハンターを戦闘で無力化する。または偽情報や買収で戦闘を回避する。
判定したPCはこのシーンで情報収集を行えない。
失敗した場合、または誰も判定を行わなかった場合、PC全員が5D10のダメージを受ける。
装甲有効、リアクション不可(カバーリングは可)、各種効果による軽減有効。

【ワーディング展開】
《ワーディング》を使用しOVハンターを昏倒させる。
必ず成功し、ダメージは発生しない。判定者は行動を消費せず、シーン内で情報収集を行える。
ただし、次回のシーンでは襲撃者が『テンペスト兵』に変更される。
『テンペスト兵』に対して《ワーディング》は無効となり、そのシーンの間は撃退判定の目標値が+10、失敗時のダメージが+5D10される。

GM:つまり、戦って追い払うかワーディングで自動的に無力化するか選べます。
カイ・スェネミー:はい。《無面目》使って戦闘回避できますか?
クラウディア・ローデ:なるほどなあ
GM:ちょっとまってね…
GM:《無面目》を使う場合、知覚判定目標値5からのスタートとしましょう。
カイ・スェネミー:了解!
GM:その後、シーンを重ねるごとに目標値+3されていきます
GM:情報項目も結構多いので、たまには《ワーディング》を使ってみるのもいいと思います
GM:なお、ここまで説明しましたが
ヨハン・モンタナ:確かに むしろ序盤は積極的に使っても良い……?
ヨハン・モンタナ:はい
GM:このシーンでは移動及び襲撃は発生しません。さっきのシーンで撃退してセントラルパークに移動してきたからね
クラウディア・ローデ:なるほどね
GM:この判定は次回のシーンからとなります。目標値の加算も今回分はカウントしません
ヨハン・モンタナ:なるほど
ニコラス・デイヴィス:やったぜ
GM:というわけで情報収集!
カイ・スェネミー:ほいほい
GM:情報収集にはクリアすることで新たな項目が開放されるメイントピックと、
GM:ポイントを訪れることで開放されるサブトピックがあります。
GM:サブトピックは開放すればいつでも調べられますが、開放したポイントで調査を行うと達成値にプラス補正が付くのでさっさと開けたほうがお得です。
ニコラス・デイヴィス:なるなるですわ
GM:ちなみにセントラルパークにサブトピックはありません。メイントピックのみ!
◇メイントピック

 ・『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6

 ・『四大超災』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値7

 ・『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・『?????』
   └・『?????』

 ・『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)

 ・『大統領令9066号改告』<情報:軍事>目標値10
  └・『?????』
   └・『?????』(他ツリーを解放後に判定可能)

GM:こちらがメイントピックとなります。
GM:?????は上のトピックを開くと開放されるよ
クラウディア・ローデ:全ての理解者
クラウディア・ローデ:社会弱者なので知識系行きたみがあります
ニコラス・デイヴィス:お願いします
クラウディア・ローデ:じゃあ『”ファントム”①』行こうかな
GM:どんどん判定シナシャーイ
クラウディア・ローデ:3dx>=6 <知識:レネゲイド>で判定
DoubleCross : (3DX10>=6) → 10[4,8,10]+4[4] → 14 → 成功

ヨハン・モンタナ:非常に強い
GM:知恵の化身
クラウディア・ローデ:溢れ出てしまったな 知性が
カイ・スェネミー:大統領令9066号改告にしましょうかね。
ヨハン・モンタナ:これって全員が判定してから一斉にオープンされる感じですか?
GM:そのつもりでした!
ヨハン・モンタナ:理解! じゃあ四大超災やっていいかな
ニコラス・デイヴィス:おねがいしまーす
カイ・スェネミー:ARPAの書の書を使って振ります。
GM:新しく開いた項目に挑戦できるのは次のシーンからね
カイ・スェネミー:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 9[3,7,7,8,9]+2 → 11

カイ・スェネミー:成功です。
ヨハン・モンタナ:5dx+1>=7 能力訓練使用
DoubleCross : (5DX10+1>=7) → 10[3,4,7,7,10]+2[2]+1 → 13 → 成功

ニコラス・デイヴィス:じゃあ『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6 で
ニコラス・デイヴィス:着実にね。
ニコラス・デイヴィス:2dx+4>=6
DoubleCross : (2DX10+4>=6) → 9[6,9]+4 → 13 → 成功

ニコラス・デイヴィス:よしよし
GM:皆さん優秀ですね
GM:では順番に貼っていきます
『マンハッタン島の状況』
現在、マンハッタン島の周囲は軍によって完全に包囲されている。
他の地区へ渡る橋、地下鉄、海路はすべて封鎖され、防御陣地を構築済み。
オーヴァードであれば強行突破も不可能ではないが、近隣には空軍基地も存在するため、
包囲を抜けた途端に《ワーディング》範囲外からの飽和攻撃に晒されるだろう。
一般市民の避難はほぼ完了しているが、一部のインフラ、金融関係者等は地上に残っている。
市内はOVハンターが多数徘徊し、無人の店舗から強盗を働く等、治安は悪化している。
海兵隊は”テンペスト”総勢21名を投入。チームを複数に分割し”ファントム”を追跡中。

『四大超災』
Apocalyptic Four.
大拡散以降、アメリカで発生したR事案のうち最も被害の甚大だった4つの事件を指す。
アメリカ国民にレネゲイドへの恐怖を深く刻みつけ、超災法が成立する原動力となった。

『”ファントム”①』
本名アルフレッド・ロジャーズ。男性。アメリカで最初に確認されたオーヴァード。
第二次世界大戦に従軍し終戦と共に除隊。後に精神の均衡を崩しダンバース精神病院に入院する。
オーヴァード化と同時に暴走し、入院患者と職員1500名余りを虐殺する大事件を起こした。
1945年にマサチューセッツ州刑務所に収監され、以降18年に渡って特別禁錮措置を受けている。
プロヴィデンスに新設された軍研究所への移送中に脱走し、ニューヨーク市内へと逃げ込むも、
追手の”テンペスト”との交戦中、重症を負ったヨハン・サンタナに自身の心臓を移植し死亡した。
今年で40歳になるはずだが、外見上は20歳前後の若々しい肉体を保っていた。

『大統領令9066号改告』
マンハッタン島封鎖に伴い、合衆国大統領ヘンリー・ウォレスが発行した命令書。
R事案解決に際して、特記戦力の投入を承認するもの。
布告対象は『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』と記載されている。

GM:以上となります。
GM:尚、四大超災について調べたヨハンくんは
GM:アイテム【事件当時の新聞の切り抜き】を入手できます。
GM:これは、それぞれの事件の内容をより詳しく書いたものになります。
ヨハン・モンタナ:あっうれしい。
GM:ぶっちゃけ今一気に貼ると長くなるので、ロールで必要なときに開示するね。ということです。
ヨハン・モンタナ:はーい。
GM:という感じで共有していきましょう。
GM:■セントラルパーク
GM:マンハッタン島の中央に位置する広大な自然公園。
GM:至るところに豊かな森林が造成され、博物館などの施設も点在する。
GM:その中の一つ。欧風のロッジに隠された地下室は、宇宙友愛教会が隠し持つアジトの一つだ。
ヨハン・モンタナ:「宇宙友愛教会って」ばさり、とフードを脱ぐ。
ヨハン・モンタナ:「怪しい宗教……って思ってたんだけど、思ってたのと違うな」
カイ・スェネミー:「いや、怪しい宗教だとも。真実を口にしてはいるがね」
クラウディア・ローデ:「なに、その真実って?」
カイ・スェネミー:「そうだね。分かりやすく言おう。我々は、レネゲイドの出現以前から同じことを言っていたと考えるとどうかな?」
カイ・スェネミー:「果たしてそれはマトモだと思うかな?」
ヨハン・モンタナ:「怪しいけど、今は怪しい秘密結社って感じ」
ヨハン・モンタナ:ちょっとお手上げのポーズ。
カイ・スェネミー:「それとは別に、我々の研究に"深淵なる世界"と言うのがある。これはマルチバースや並行世界論と言う事になるのだが、私の信じる世界では……おっと、失礼」
ヨハン・モンタナ:「ごめん、謝らせるつもりは……」
ヨハン・モンタナ:「よくわからないけど、マジシャンさんもニコラスさんに負けず劣らず壮大だなあ」
ヨハン・モンタナ:「真実か」
ニコラス・デイヴィス:「興味深い話ではあるけれど、わかりやすいかな?それ」
カイ・スェネミー:「各人各々が自分の真実の世界と言うのがあると考えてくれ。私のお気に入りは2020年代にはオーヴァードは人種の壁を越えて手を取り合い、大まかに二大勢力に分かれて争っているというものだがね」
カイ・スェネミー:「怪しいと言う意味では、分かりやすいだろう?実に」と笑って、手の中にピンポン玉を出した消したりしている。
コンスタンティン:「……」カイの話に耳を立てたり寝かせたりしながら、差し出されたビーフジャーキーを齧っている。
クラウディア・ローデ:「要は、怪しい話が好きなオタクの集まりなんだ」
クラウディア・ローデ:雑な括り方をして納得している。
ヨハン・モンタナ:「でも、なら今の僕らも同じだ」
カイ・スェネミー:「ははは。その通り、そしてオーヴァードと言うのは、オタクと親和性が良い同胞と言う訳だよ」
ヨハン・モンタナ:「国境を越えてオーヴァード同士団結してるわけだからね」
ニコラス・デイヴィス:「そう、君を中心にしてね」
ヨハン・モンタナ:目の前の洒脱な魔術師が口にすることは3割ほども理解できていない。
ヨハン・モンタナ:「その言い方はなんか、大げさだな……」
カイ・スェネミー:「実に楽しい事になっている。こうして、美しいドイツのフロイラインともお知り合いになれたのも、ファントムのお陰と言う訳だ」
ニコラス・デイヴィス
クラウディア・ローデ:「まあ、別にリーダーとして仕切ってる訳じゃないしね」
クラウディア・ローデ:「あは。貴方って誰にでも言ってそうなタイプよね、そういうの」
ヨハン・モンタナ:クラウディアを盗み見る。確かに綺麗だが、よくも呼吸をするように口に出せるもんだと思った。
クラウディア・ローデ:「いいけどね。煽てられるのは嫌いじゃないし」
カイ・スェネミー:「そうとも!私は"美人であれば"誰にでも言っているよ」
ヨハン・モンタナ:「差し当たって今の僕らに役に立ちそうな真実とかは?」
カイ・スェネミー:言われて、懐から一冊の本を出して、掌の上に乗せる。
ヨハン・モンタナ:「聞かれるのを待ってたみたいにスッと出てくるね……」
ヨハン・モンタナ:さすがマジシャンというところではあるけどさ。
カイ・スェネミー:ひとりでに開きページがぱらぱらとめくれていき、字が滲むように浮かび出す。
クラウディア・ローデ:「何、ページ当てでもするの?奇術師さん」
カイ・スェネミー:『大統領令9066号改告』
カイ・スェネミー:マンハッタン島封鎖に伴い、合衆国大統領ヘンリー・ウォレスが発行した命令書。
R事案解決に際して、特記戦力の投入を承認するもの。
布告対象は『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』と記載されている。

カイ・スェネミー:「だそうだよ。凄いなファントム。大統領令だぞ」
ニコラス・デイヴィス:「『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』!?」
ヨハン・モンタナ:「流石に真実をって聞いておいてこれ本当?ってするほど間抜けなことも」
ヨハン・モンタナ:「ないけどさ! これ本当?」
カイ・スェネミー:「これはARPAの書と言ってね。真実を浮かび上がらせる教会の秘本の一つ。千里眼の書のようなモノと思ってもらって結構だよ」
カイ・スェネミー:「怪しいオカルトと思われても仕方がないがね。ははは」
コンスタンティン:「……少なくとも、全くの出鱈目を書いているとも断言できないな。彼は何か知っているようだが」ニコラスを見る。
ヨハン・モンタナ:「えーっと。つまりマジシャンさんの力は、オーヴァードの超能力というより、持ってるアイテムの力ってこと?」
クラウディア・ローデ:「まあ……言ってることは怪しいけど、本当でしょうね。私の持ってる情報筋からも、同じ話を聞いたし」
カイ・スェネミー:「私は一介のマジシャンだからね。頼るものは文明の利器と神秘のアーティファクトさ、概ね」
ニコラス・デイヴィス:「よかった。触れてくれた。いや、ここは誰か大げさに驚いたほうがいいかなって思っただけなんだけど。」
クラウディア・ローデ:「要は、この国が本気で君を追いかけ回して捕まえようとしてる、ってこと」
カイ・スェネミー:「それをおよそ無から作り出せるだけでね」
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードの世界、複雑だな……」
コンスタンティン:「……空気を読むのは記者としての性分か?まぁいい」
カイ・スェネミー:「と言っても、私では今のところはこれくらいの情報しか見れないが。大げさすぎて指針にはならないな」
カイ・スェネミー:他の人に期待するように言葉を〆る。
コンスタンティン:「いつまでもここに籠もっているわけにも行かない。目下、外の状況を詳しく知りたい所だが……」
ニコラス・デイヴィス:「まあ、とりあえず幸いなのは、第100歩兵大隊はまだ参陣はしてないということかな。」
ヨハン・モンタナ:「そうなの?」
ニコラス・デイヴィス:「時間の問題はあるけどね。首尾よく事を進めれば彼らと戦闘することなく脱出も出来るとは思うよ」
コンスタンティン:「"テンペスト"はそのような名前で呼ばれていない。もし本当にあるとしたら、別の部隊ということだろう」
ニコラス・デイヴィス:「目下の問題は、さっきのようなOVハンターを自称する暴徒たち」
ヨハン・モンタナ:「確かに。”ファントム”──君の方──を襲いに来た奴らは大隊って感じじゃなかったしね」
ニコラス・デイヴィス:「それと、コスタくんの言う通り”テンペスト"だろうね。」
ヨハン・モンタナ:「そうだよ! 何なのあいつら!」
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァード殺しの専門家さ。一人でも厄介なそれが21名も投入されている。」
ヨハン・モンタナ:「あっ、や。テンペストは一応知ってる……」
ニコラス・デイヴィス:「歩兵大隊と比べれば数は大したことないかもしれないが、彼が10人以上も投入される事件なんてそうそうは……おっと、失礼」
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードを殺すための部隊か。こんなに死なないのに」
カイ・スェネミー:「なに考えてるんだ、理不尽過ぎるだろ?と言う怒りの なんなのかね?」
カイ・スェネミー:「まさに嵐。都合の悪い物を、一切合切を吹き飛ばし根こそぎ洗い流して粉砕するだけの災害と言う訳だな」
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードの力についてちょっと知った今だと、より恐ろしくなってくるな……」
ヨハン・モンタナ:「や、だってハンターのほうはさ。話には聞いたこと、あったっちゃあったけれど……」
ヨハン・モンタナ:「マンハッタンの治安はそりゃ良くないけど、なんか……あんなに何も考えてない奴らが銃を持ってるの、オーヴァードと同じかそれ以上くらいに恐いよ」
コンスタンティン:「気持ちはわかるが、彼らは本来君達の驚異にはならない」
コンスタンティン:「ハンターだけなら、君達が《ワーディング》を張るだけで片がつく。問題は」
ニコラス・デイヴィス:「その《ワーディング》が呼び水になるということだね」
コンスタンティン:「ああ。《ワーディング》の効果半径は数kmに及ぶ」
コンスタンティン:「一度展開してしまえば、簡単に嗅ぎつけられる。この人数ならそう簡単にやられはしないだろうが」
カイ・スェネミー:「いざとなったら、囮作戦はやりやすいと言う訳でもあるがね。我々が正しい繋がりを持った同士でないのが残念だ」
ニコラス・デイヴィス:「それでも、軍の包囲攻撃は驚異的だ。」
コンスタンティン:「使い所は選んだほうが良い。消耗戦になれば圧倒的にこちらが不利だ」
ニコラス・デイヴィス:「『超災法』という大義名分がある限り」
ヨハン・モンタナ:(《ワーディング》、話には一応聞いたけれど。実感がないな……)
クラウディア・ローデ:「まあ、《ワーディング》なんて使わなくてもハンターだけなら普通に蹴散らせるでしょうしね」
ヨハン・モンタナ:可能だ、という感覚はあるものの一度も体験していないし、必要な時に『出せる』かも曖昧だった。
ニコラス・デイヴィス:「この国は国民に些少の犠牲を強いても、我々を殲滅する権利を有しているわけだからね」
ヨハン・モンタナ:「島を封鎖してすごい数の軍隊で囲い込んで」
ヨハン・モンタナ:「まるで四大超災扱いだ。まるで、っていうか……」
ニコラス・デイヴィス:「そのものだよ。君はその災厄の一つを継いでしまったのだから」
ヨハン・モンタナ:「あ、知らない人もいるかな。アメリカの有名なオーヴァード事件の中でも、目に見えて人死にがすごかったやつ」
ニコラス・デイヴィス:「勿論僕は知ってるよ。これでも記者だからね。」
ヨハン・モンタナ:「流石」
クラウディア・ローデ:「知ってるという割には、けっこう平然としてるように見えるけど?」
コンスタンティン:「元々、ニューヨークのような大都市圏で《ワーディング》を張るだけでも、連鎖的に大事故が発生して大きな被害が出る」
クラウディア・ローデ:「一つ目の四大超災。精神病院に入院中の患者が突如として覚醒、そのまま1500人の命を奪った事件」
ニコラス・デイヴィス:「こう見えて意外と修羅場をくぐっているからね。もちろん、現役の軍人ほどではないけれど」
コンスタンティン:「超災はその更に上、明確な悪意の元に行われた災害と言えるだろう」
クラウディア・ローデ:「大方、覚醒直後のショックで能力が制御不能状態に陥ったという所でしょうけれど」
カイ・スェネミー:「その場に居合わせなかったら、情報として 悲惨な事件だった。位の感情しか抱かないのが普通の市民だ」
コンスタンティン:他人事の様に聞いている。記憶が欠落しているというのは本当のようだ。
カイ・スェネミー:「だが政府としては、義憤を焚きつけ国政に合う法案を作るのには丁度良かったんだろう」
ヨハン・モンタナ:「普通に受け容れてるんだね」
クラウディア・ローデ:「その力を宿したのよ。自分がもしも同じようになったら、なんて。不安にならない?」
クラウディア・ローデ:「まあ……そっちのお犬さんは、すっきり忘れているみたいだけど」
ヨハン・モンタナ:「ああ……僕に言ってたんだ。ニコラスさんじゃなくて」
ヨハン・モンタナ:「僕は…………」
ヨハン・モンタナ:「実感が無いんだよ」
ヨハン・モンタナ:「”ファントム”がそう言われてることは知ってる。でも、僕が会った彼とは繋がらない」
ヨハン・モンタナ:「あなた達が、”ファントム”と会いたがっている、ここから連れ出したがっているというのを知って」
ヨハン・モンタナ:かりかり、と頭を掻く。
クラウディア・ローデ:「……ふうん」
クラウディア・ローデ:じい、とヨハンくんの目を見て。
ヨハン・モンタナ:「もしかして、秘密機関のオーヴァードは、みんな”ファントム”が実は凶悪犯じゃないことを知ってるんじゃないか、って思ってたのかも」
ヨハン・モンタナ:「だから、そういう事実があるわけじゃないって知って結構ショックを受けてるよ」
ヨハン・モンタナ:狼狽えたように笑う。
クラウディア・ローデ:「……ま、いいんじゃない。私のだって、他所伝手に得ただけの知識だしね」
クラウディア・ローデ:「全てを覚えていた頃の彼と直に言葉を交わして、力を託されるくらい通じ合ったって言うなら」
クラウディア・ローデ:「自分が感じたことに、無理に嘘を吐く必要もないでしょ」
ヨハン・モンタナ:「ん……」
ヨハン・モンタナ:少しだけ安心した様子で。
コンスタンティン:「……」耳と尻尾を垂らして床に伏せている。
ヨハン・モンタナ:「鞄の中に超災法の特集があったはず……お」
ヨハン・モンタナ:「これだ」と言って、残っていた新聞を取り出して、誌面を1枚抜き取って拡げる。
GM:君が取り出した記事の切り抜きには、それぞれの超災事件の詳細が書かれていた。
【1945年 ダンバースの虐殺】
マサチューセッツ州、ダンバース精神病院に収容されていた入院患者と職員全員が、
当時22歳の大戦帰還兵アルフレッド・ロジャーズによって一夜のうちに殺害された事件。
アルフレッドはこの事件によって国内最初のオーヴァードとして認定され、
能力暴走の過負荷で行動不能に陥った所を、駆けつけた州軍の手で捕縛された。
メディアが名付けた“The Phantom”、”セイラムの亡霊”、”超災症例第一号”等の異名は
人々の記憶に恐怖と共に刻みこまれ、オーヴァードに対する世間の認識を決定付けた。
死者数:1556人

【1949年 サウスダコタ動乱】
サウスダコタ州のインディアン居留地を震源としたR侵蝕汚染による自然環境の原始回帰。
当時3歳の少女”The Amber” ランカ・シルリは、発症に伴い自身の獣化因子を無差別に拡散。
古生物由来のキュマイラ因子に侵され恐竜化した野生生物群が近隣都市の住民を次々と捕食した。
ランカの引き渡しを要求する米軍に対して居留地のインディアン諸族が抵抗し、武力衝突に発展。
2週間に渡る戦闘の末、ブラックヒルズ森林地帯の焼却、抵抗部族の壊滅をもって収束した。
推定死者数:約20000人。

【1955年 マリア・レクイエム】
新進気鋭のロックシンガー、”The Songs” マリア・ノースライトによる集団催眠事件。
マリアは自身の唄を媒介として他者の精神に強烈な指向性を植え付ける感応能力を発現。
ライブに参加した多数の若者が影響を受け、ロサンゼルスの犯罪率、自殺率が著しく増加した。
軍はマリア討伐に成功するが、直前にラジオ放送を通して全米に彼女の唄が拡散された。
死者数:1人 但しこの年の全米の自殺者、行方不明者数は例年の5倍に達した。

【1958年 ソルトレイクシティ消滅】
ユタ州の州都ソルトレイクシティで発生したバイオハザード。
屍肉の内部でのみ活性化する変異型Rウイルス(通称Σレネゲイド)が蔓延。
墓地や医療施設から湧き出した屍人ジャームが住民を襲い、瞬く間に被害が市全域に拡大した。
超災法に基づく都市封鎖が初めて敢行され、事件発生の10時間後に州軍の浄化作戦が発動する。
ジャームの大半は知性を喪失しており、耐久力だけが取り柄の亡者の群れだったが、
準オーヴァード級の能力を獲得した上位個体の出現により作戦は停滞。制圧を断念した軍は
極秘開発された対R戦略兵器を投入し、街を地図上から消し去ることで事態を収拾した。
推定死者数:約160000人

ヨハン・モンタナ:「目眩がするようなことが書いてあるよ」
ヨハン・モンタナ:軽く頭を押さえる。ふと、その中のΣレネゲイドという文字列に目が止まる。
カイ・スェネミー:「大統領令もむべなるかな。ははは、まさに第五災厄の危機がよりによってNYに起きようとしているわけだ」
ヨハン・モンタナ:(これ、どこかで──)
カイ・スェネミー:「む?どうしたかね?気になる事でも」
クラウディア・ローデ:「超災っていうより、人災みたいな奴らもいたけどね」
ヨハン・モンタナ:「いや……単なるデジャヴュだと思う」
ヨハン・モンタナ:よく見れば、他にもぽつぽつと知ったような単語があるが、ひとまずそう結論づける。
ヨハン・モンタナ:”ファントム”の事件とも関係ない部分であることだし。
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァードによる災害か…」
クラウディア・ローデ:「体調の異変とかなら、正直に言いなさいよ? 君が一人で抱えて我慢したって、解決することなんて何もないんだし」
クラウディア・ローデ:万一、またこの事件みたいな暴走を起こされたらたまったもんじゃないし。
カイ・スェネミー:「そう言えばマリアのレコードなど今では好事家の間で恐ろしい程のプレミアがついていてね。私もそれで小遣い稼ぎを、おっと」
カイ・スェネミー:「さて、それよりも他に何かあるかな?なければ指針を決めて行動と言う事になるが」
ヨハン・モンタナ:「きつい言い方するね……じゃあ、何かあったら頼らせて」クラウディアと名乗った女性に返す。だが真実だし、悪意もなさそうだ。ニコラスもそうだが、どうもこの人達は、不都合な真実を口にすることに躊躇いがないようだった。
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。これは私心も含めた目標となるが」
ニコラス・デイヴィス:「まずは、ヨハンくんを市民の犠牲を出すことなく脱出させたい。」
ニコラス・デイヴィス:「カイくんの言う通り、第五の災厄が起きてしまったとしたらオーヴァードと国民の断絶はさらに深まるだろうからね。」
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァードが当たり前の幸福を掴める世界を目指す僕にはそれは非常に都合が悪い」
ニコラス・デイヴィス:「理由は異なるとは思うけれど、目標に関しては君たちも同意してくれるだろう?」
ニコラス・デイヴィス:個人的にはさらに断然が深まり、オーヴァードと一般人の争いが加熱していくのも面白いとは感じているが今はこう言っておく
ヨハン・モンタナ:「賛成です。すっごくマンハッタンから逃げたい!」
カイ・スェネミー:「NOと言う要素がないな。まずはファントムの身の安全と、世界は静寂にあれ。と言うのは私も望むところだ」
クラウディア・ローデ:「四つも五つも変わりない気はするけど。起きない方がマシっていうのは、まあそうだね」
クラウディア・ローデ:「彼と犬に無事で居てほしいのも同じ。いいんじゃない?それで」
ニコラス・デイヴィス:「ありがとう。そして、それを為すためにはこの島の現状を知る必要がある。」
コンスタンティン:「感謝する。君達に素性を明かした甲斐もあるというものだ」
ニコラス・デイヴィス:「時間がないことは承知している。だが、それを考慮した上で、より安全な脱出ルートを探るためにマンハッタン島を探る価値はあると僕は考えている」
ヨハン・モンタナ:「なるほど」
ニコラス・デイヴィス:「その上で、最もリスクの少ないと判断したルートからヨハンくんを脱出させる。その後のことは、彼に任せるとしよう」
ヨハン・モンタナ:「エージェントらしく、秘密の地下トンネルとかを見つけるわけだね」
ニコラス・デイヴィス:「うん、そういうのがあれば一番僕たちには都合がいいね」
ニコラス・デイヴィス:「ただ、一つだけ僕からアドバイスをさせてもらうなら。」
ヨハン・モンタナ:「なになに?」
ニコラス・デイヴィス:「両親や、親しい人間に会うのは、脱出できてからもしばらくは避けた方がいい。」
ニコラス・デイヴィス:「彼らの安全と、何よりも君自身のためにね。」
ヨハン・モンタナ:「……やっぱり、バレちゃうかな、”テンペスト”に」
ニコラス・デイヴィス:少し困ったように笑う
ヨハン・モンタナ:それはちょっと困る、というか、学校は修了しておきたい。
ニコラス・デイヴィス:「それもあるけど」
ニコラス・デイヴィス:そう言って少年の手を包むように握る
ニコラス・デイヴィス:「僕たちは今、こうして君と手を繋ぐことが出来る」
ヨハン・モンタナ:「……つまりどういう意味?」
ニコラス・デイヴィス:「だけど、昨日までの君だったら、この手を振りほどかずには居られただろうか」
ニコラス・デイヴィス:「そういうことだよ」
ヨハン・モンタナ:そう言われて、彼らに対する警戒心が随分薄くなっているのに気づいた。
ヨハン・モンタナ:「…………そっか。それはそうだなぁ」
ニコラス・デイヴィス:少し悲しそうな。オーヴァードとそうでない市民の断絶に深い苦しみを持っているような顔をしています。
クラウディア・ローデ:「難儀なもんだなぁ」
クラウディア・ローデ:「私の国じゃ、身近に超人が出たなんてなったら、周りがみんなして祝うものだったけど」
ヨハン・モンタナ:少しだけ語尾が震えた。想像してしまったからだ。
ニコラス・デイヴィス:「それもやりすぎだとは思うけどね。過度な祝福も強い差別と同じく"普通"の幸せを奪ってしまうという点では変わりはないのだから」
ヨハン・モンタナ:自分が手を繋いでいる相手が父であったらどうか。
ヨハン・モンタナ:果たして。
ヨハン・モンタナ:「……ありがとう。僕のこと、そんなに親身になって考えてくれて」
クラウディア・ローデ:「そうは言っても、事実、普通じゃないんだし」
ヨハン・モンタナ:手を離す。
クラウディア・ローデ:「普通じゃない生き方の中で、自分が幸せになる道を探すしかないでしょ」
カイ・スェネミー:「ふむ。普通ではなくとも、自由には生きられると言う事だよ、ファントム」
クラウディア・ローデ:「初めからそれをさせないから、この国は息苦しいって思うの」
ヨハン・モンタナ:「アメリカは運が悪かったんだ」
ヨハン・モンタナ:ドイツは運が良かった、と言いたかった。それは憚られた。
ニコラス・デイヴィス:「おっと、それなら君も我らの同志になってくれないかな。君様な力を持つ人を同志に迎えられたら心強いことこの上ない」
ヨハン・モンタナ:「こんな事件が起きた。起こす可能性がある。オーヴァードに覚醒したら、誰だって。」
ヨハン・モンタナ:「それを実感として持ってるんだよ。アメリカの国民は」
ヨハン・モンタナ:本当にそうだろうか。自分はそんな理由で、彼らを忌み嫌っていたか?
ヨハン・モンタナ:「自由になってやりたいことも、別にない、今はね。だから」
ヨハン・モンタナ:「……うん。ここを出たら、あなたたちの用事についていくつもり。順番になるけれど……」
ヨハン・モンタナ:曖昧に微笑む。……まただ。
ヨハン・モンタナ:父や母にそうするように。気づいたら、こんな表情をしている、誠実であるべき相手の前で。
クラウディア・ローデ:「あら、良い子の答えって感じ」
クラウディア・ローデ:「助かるけどね。力づくの手とか、あんまり君に使いたくないし」
ヨハン・モンタナ:「いい子でやってきたんだ。たまたまこんなことになっちゃったけど」
ヨハン・モンタナ:ひどく惨めな気分だった。
カイ・スェネミー:「此処から脱出した、その時は、君のオーヴァードとしての誕生日と言う訳だ。生誕を祝おうじゃないか。ドイツ式が良いかい?」
カイ・スェネミー:「祝われたい事を考えておきたまえ」
ヨハン・モンタナ:「素敵だね。祝福されし生誕!」
ヨハン・モンタナ:ずっと、考えている。
ヨハン・モンタナ:考えるべきことが増えてゆく。
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。それはいい。」
ヨハン・モンタナ:どっと疲れが来て、それらすべてを棚上げにした。
ヨハン・モンタナ:”ファントム”の言葉に頷いたことを、コンスタンティンは覚えていないだろう。それは救いだと思えた。
ニコラス・デイヴィス:「抑圧を跳ね除け、自由を追い求める人間の姿ほど、美しいものはないのだから」
GM:シーン終了!ロイス、購入ができます!
クラウディア・ローデ:ヨハン・モンタナ:◯庇護/憐憫 で取っておきます
カイ・スェネミー:ロイスは保留しよう。そして購入は特に欲しいものがないビルドなので 謎のボディーアーマーを狙う。
ニコラス・デイヴィス:ロイス保留
カイ・スェネミー:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 1[1,1]+1 → 0 (ファンブル)

カイ・スェネミー:無理です。厄落とし。
クラウディア・ローデ:ダメ元でブルゲに挑んでおくか
ニコラス・デイヴィス:雑魚がー!俺様の購入力におののきやがれー!
ニコラス・デイヴィス:謎ボディアーマー
クラウディア・ローデ:1dx>=20
DoubleCross : (1DX10>=20) → 5[5] → 5 → 失敗

クラウディア・ローデ:おわり。
ニコラス・デイヴィス:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 8[5,8] → 8 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:僕は海に溶けて散っていったなめくじ
ヨハン・モンタナ:カイ・スェネミー 憧憬○/劣等感
クラウディア・ローデ 感謝○/恐怖

ヨハン・モンタナ:大槌でも狙うか
ヨハン・モンタナ:3dx+4>=14 えいっ
DoubleCross : (3DX10+4>=14) → 4[2,4,4]+4 → 8 → 失敗

ヨハン・モンタナ:以上。
GM:みんな買い物が下手なのね
GM:では次!
【Middle3/「すまない。深淵なる知識を垣間見せてしまった」】
GM:シーンプレイヤーはニコラスさん。ほか登場自由!
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 6)増加 (42 → 48)
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (55 → 60)
ヨハン・モンタナ:1d3+3+60 でます
DoubleCross : (1D3+3+60) → 3[3]+3+60 → 66

カイ・スェネミー:45+1d3+3
DoubleCross : (45+1D3+3) → 45+1[1]+3 → 49

GM:まずは行き先を選んでもらいます。
・ハーレム
・タイムズスクエア
・ヘルズキッチン
・ウォール街

GM:この中から一つ選んでください。
ヨハン・モンタナ:タイムズスクエアで!
GM:OK!
GM:技能値を見て決めたいだろうと思うので、襲撃判定は情報項目を貼ってからやりましょうね
ヨハン・モンタナ:行き届きのGM 助かります
◇メイントピック

 ・☆済『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6

 ・☆済『四大超災』<知識:レネゲイド><情報:噂話>目標値7

 ・☆済『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・『”ファントム”②』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値9
   └・『?????』

 ・『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)

 ・☆済『大統領令9066号改告』<情報:軍事>目標値10
  └・『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』<情報:軍事>目標値13
   └・『?????』(他ツリーを解放後に判定可能)

GM:メイントピックはこちら。そしてサブトピックもあります
◇サブトピック
【タイムズスクエア】
 ・『マーダーズギルド』<情報:裏社会>目標値12(タイムズスクエア内で判定時、達成値+3)

GM:以上を踏まえて、襲撃判定を行うかワーディングするかキメてください。
クラウディア・ローデ:撃退しまーす
クラウディア・ローデ:目標10でいいのかな それとももう13になってるのか
GM:10でいいです
クラウディア・ローデ:はあい
【OVハンター撃退】
<白兵><射撃><RC><交渉> 目標値10(シーン経過毎に+3増加)
OVハンターを戦闘で無力化する。または偽情報や買収で戦闘を回避する。
判定したPCはこのシーンで情報収集を行えない。
失敗した場合、または誰も判定を行わなかった場合、PC全員が5D10のダメージを受ける。
装甲有効、リアクション不可(カバーリングは可)、各種効果による軽減有効。

クラウディア・ローデ:4dx+28>=10 <RC>で判定
DoubleCross : (4DX10+28>=10) → 7[2,4,5,7]+28 → 35 → 成功

GM:つっよ
クラウディア・ローデ:これで懲りろ~
ニコラス・デイヴィス:RCの化け物!!
ヨハン・モンタナ:永遠に捌き続けられそう
カイ・スェネミー:軍人は流石!
GM:ハンター共は塵になりました
GM:続いて情報判定をどうぞ~
カイ・スェネミー:『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』<情報:軍事>目標値13を振ります。
カイ・スェネミー:ARPAの書とコネ要人を使おう。
カイ・スェネミー:8dx+2
DoubleCross : (8DX10+2) → 9[3,3,4,6,6,7,8,9]+2 → 11

カイ・スェネミー:財産2使おうっと。
カイ・スェネミー:成功。
ヨハン・モンタナ:ナイスリソース投入
ヨハン・モンタナ:ファントム2いきます
GM:流石だ
ヨハン・モンタナ:5dx+1>=9 知識レネゲイド
DoubleCross : (5DX10+1>=9) → 10[4,8,8,10,10]+4[3,4]+1 → 15 → 成功

GM:知識人
ヨハン・モンタナ:能力訓練使用です。やった~
ニコラス・デイヴィス: ・『マーダーズギルド』<情報:裏社会>目標値12(タイムズスクエア内で判定時、達成値+3)
ニコラス・デイヴィス:要人コネを使います
ニコラス・デイヴィス:5dx+4+3>=12
DoubleCross : (5DX10+7>=12) → 10[1,7,9,10,10]+9[4,9]+7 → 26 → 成功

ヨハン・モンタナ:この人達要人とのパイプ強いな……
GM:さすが記者
ニコラス・デイヴィス:天才じゃったか…
カイ・スェネミー:凄いぜ!
クラウディア・ローデ:みんなえら~
GM:では全員成功!
GM:順番に貼っていきます
『”ファントム”②』
”ファントム”を乗せた輸送機は、収監されているはずのマサチューセッツ州刑務所とは別の場所から離陸していた。
実際の出発地はネバダ州レイチェル。『エリア51』と呼称される米軍の立入禁止区域である。
また、刑務所の記録には一部改竄された形跡があり、”ファントム”は過去複数回に渡って
刑務所の外に連れ出されていたようだ。

『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』
第二次大戦期に、敵国にルーツを持つ日系人のみを集めて結成された隔離部隊。
欧州戦線で一定の戦果を挙げるが、ノルマンディー上陸作戦の中止によって活躍の場を失い解体。
現在は存在しない部隊となっている。

『マーダーズギルド』
南北アメリカ大陸全域にネットワークを持つ、犯罪組織の連合体。
オーヴァードの存在は、裏社会のパワーバランスにも大きな変化をもたらした。
マフィアの世界は表の世界以上に厳格な独特の秩序によって保たれており、
それを単独で破壊し得るオーヴァードの力は看過できない異物だった。
『マーダーズギルド』は、裏社会の抗争からオーヴァードを締め出すための監視機構であり
各国政府すら把握していない数多くの密売、調停ルートを共有する通商機構でもある。

GM:『マーダーズギルド』を開放したことで、これに対応するNPCと会話することができます。
GM:これにより、脱出ルートの一つが開放されます。
GM:他の場所でも、異なる脱出ルートが開放される場合がありますので
ニコラス・デイヴィス:やったにゃん!
GM:サブトピックはどんどん開いたほうがお得だよ!
ヨハン・モンタナ:がってん
GM:では共有に入っていきましょう。
GM:あ、その前にチョットマッテネ
【幻視/I Have a Dream】
GM:1955年、ロサンゼルス。
GM:誰もいないライブハウスのステージで、一人の女が歌っている。
GM:周囲には幾つもの破壊の跡が刻まれており。
GM:楽器やマイクスタンドは禍々しくねじ曲がり、スポットライトは電球が砕け、天井から落下していた。
GM:ステージを見上げ、相対する一人の男。
GM:その足元には、怪物のように凶悪なシルエットの亡骸がいくつも転がっている。
GM:怪物の肉体は、周囲にある楽器や照明の残骸が寄り集まって作られているようだった。
GM:マリア・ノースライト。オーヴァードとして覚醒した彼女の力は、最早唄わずとも言葉を発するだけで、生物はおろか無機物すら操る域に達していた。
GM:惜しむらくは、その力が本人にすら制御できず、無差別に破壊と狂気を齎すものであり、
GM:同じオーヴァードである眼の前の男以外、近づくことすらできない代物だったことだろうか。
色褪せた男:「………」
GM:男の殺気に対して、女は抵抗する素振りも見せず、微笑みながら口を開いた。
マリア:「私には、夢があるの」
マリア:「生まれた場所も、貧富の差も、肌の色も関係なく」
マリア:「子供達が同じ庭先で遊んで、同じ食卓を囲んで、笑い合える。そんな世界」
マリア:「白人も、黒人も、インディアンも、移民も、そしてもちろん、あなた達も」
色褪せた男:「……」
マリア:「そんな世界にしたかった」
マリア:「私の歌なら、それができた」
色褪せた男:「……残念だ」
色褪せた男:「もう叶わない……君の手では、永遠に」
マリア:「そうね、だからもういいわ。未練はない」
マリア:ステージを降り、両手を広げて男の前に立つ。
マリア:「最後に聞いてもいいかしら?色褪せた人」
マリア:「貴方には、夢がある?」
色褪せた男:「………」
色褪せた男:「……あるとも」
色褪せた男:「……君と、同じ夢だ」
GM:見えない力が、女の心臓を握りつぶす。
GM:崩れ落ちた女の亡骸を一瞥することもなく、男は姿を消した。
GM:■タイムズスクエア
GM:マンハッタンを縦断する大通り、その中央に位置するここは
GM:演劇の聖地、ブロードウェイとしても知られている。
GM:数多く軒を連ねる大小の劇場。
GM:今は無人の筈の客席に一人座って、その人物は君達を出迎えた。
ヴィンセント:「よう、あんたらが噂のオーヴァードか」
『ヴィンセント・ガンビーノ』(自動開放)
イタリア系アメリカ人。ニューヨーク5大マフィアの一角、ガンビーノ一家の上級幹部。
長髪の伊達男。ボスの息子ではあるが、放蕩癖で知られ跡目候補からは完全に外されている。
構成員の摘発により消滅寸前だった暗殺請負会社『マーダーズインク』を密かに継承し、
新時代の暗殺者連絡組織『マーダーズギルド』を作り上げた。

ヨハン・モンタナ:こくり、と頷き、仮面の奥から男を見る。
ヴィンセント:「俺はヴィンセント。ガンビーノファミリーの一員で、この辺を仕切らせてもらってるもんだ」
ヨハン・モンタナ:(ガラ悪そう……!)
ニコラス・デイヴィス:「この混乱下では無数の偽情報が氾濫しているというのに」「もうファントムはおろか僕たちのことまで掴んでいましたか」
ニコラス・デイヴィス:「さすがですねえ。」
クラウディア・ローデ:「へえ、ガンビーノの……すると、ファントム狩りのお仕事でも請け負ったのかしら?」
クラウディア・ローデ:笑みを作りながら、警戒した様子で彼らを見ている。
カイ・スェネミー:「私は見ての通りステージに上がる方が本業なのだがね」
カイ・スェネミー:「まあ、今日は言うまいよ」
アナスタシア:「……」無言で男の隣に控えている。
ヴィンセント:「こっちはアナスタシア。俺の護衛」
ヴィンセント:「さて、早速だが。ウチはアンタ達の狩りに参加するつもりは毛頭ない」
ヨハン・モンタナ:「本当!?」
ヨハン・モンタナ:フードとマスクの下からでもあからさまに分かる感じで表情が華やぐ。
ヴィンセント:「てかこっちも迷惑してんだよハンター共にはよ」
ヴィンセント:「官製品を横流しされてるから迂闊に手も出せねえし」
ヴィンセント:「アンタらが潰してくれる分には大歓迎」
ヴィンセント:「で、だ」
ヴィンセント:「こっちの要件だが、アンタらがこの島から脱出するのを援助したい」
ヴィンセント:「マーダーズギルドって聞いたことある?ウチのルートを使えば、4人と犬一匹くらいは運び出せる」
ヨハン・モンタナ:「威圧的な名前」
ニコラス・デイヴィス:「おお、それは願ってもいない」
クラウディア・ローデ:「そっちが得る見返りは?何が欲しいのかな」
ヴィンセント:「見返りなんて一つに決まってるでしょ?恩を売りたいのよ」
ヴィンセント:「はっきり言って、オーヴァードが出てきてからこっちの商売は上がったりだ」
ヴィンセント:「悪党には悪党の秩序がある。それは、死と暴力によって担保された秩序だ」
ヨハン・モンタナ:(恐い人が恐い世界の話しながら恐い組織の恩を着せようとしてくる……!)
ヴィンセント:「けどな、あんたらが関わってくるとそれが壊れちまう。アンタらは死ななすぎる」
ヴィンセント:「だから、俺らは業界からアンタらを経済的に排除することにした」
ヨハン・モンタナ:「経済的に、排除……?」
ヴィンセント:「オーヴァードじゃなく、オーヴァードを雇った奴を殺す」
ヴィンセント:「あんたらに頼れば、必ず死が訪れる。そういう掟を作った」
ニコラス・デイヴィス:「なるほど。それは合理的です。」
ヨハン・モンタナ:「そういうレギュレーションでやってるのね……」
カイ・スェネミー:「ははぁ。それは面白い。オーヴァードと敵対せずにオーヴァードを盤面から排除する妙手と言える」
カイ・スェネミー:「オーヴァードの護衛を突破できればではあるがね」
クラウディア・ローデ:「で、上手く行ってるの?そのルール」
ヴィンセント:「うまく行かせるためのマーダーズギルドだ」
ヨハン・モンタナ:「え、でも待って」
ヨハン・モンタナ:「そのルールに則れば、あなたも僕らを使う事はできないはずだけど」
ヨハン・モンタナ:「じゃあ恩っていうのは? どう返せばいいわけ?」
ヴィンセント:「できるさ。実際こいつには実績もある」アナスタシアを指す
カイ・スェネミー:「おお。麗しき殺し屋の君。と言う訳だ」
ヴィンセント:「今試そうなんて言わないでくれよ?流石にこの人数は無理だ」
アナスタシア:「……」機嫌を損ねたように眉をひそめる
クラウディア・ローデ:(できるけど、って言いたそうだ)
ヨハン・モンタナ:(人数が減れば勝負になる……ってこと? この人達相手に)
ヴィンセント:「ああそう、中々賢い坊やだ」
ヴィンセント:「これは、どんな仕組みでも同じ話だが」
ヴィンセント:「胴元は一方的に儲けることができる」
ヨハン・モンタナ:「それって……」
ヨハン・モンタナ:ぱちくりと目を瞬かせる。
ヨハン・モンタナ:「アナスタシアさんもオーヴァードってことかな」
ヴィンセント:「いいや、こいつはただの人間だ」
ヨハン・モンタナ:「くそっ慣れてないのに階段飛ばしすぎた」
クラウディア・ローデ:「気にしなくていいわよ。子供にいきなりこんな話振る大人の方が悪いんだから」
ヨハン・モンタナ:「優しい……」
ヨハン・モンタナ:クラウディアさんはなんだか、ひときわこちらに理解できる話しか振ってこない気がする。もしかしたら気を遣われているのか。
ヨハン・モンタナ:「で、でも、それは凄すぎるじゃん」
ヴィンセント:「つまりは、あんたらの力を業界で俺だけが独占したいってこと」
ヴィンセント:「もちろん、使いっ走りにするつもりはない。不測の事態が起きた時の切り札として、友好な関係を結びたいってだけだ」
クラウディア・ローデ:「つまり、自分だけは例外扱いってことね。ルールを徹底させるための手段とかってことにして」
ヴィンセント:「話が速いね。まあお嬢さんはこの国の人間じゃないみたいだから、関係ない話かもだが」
ヴィンセント:「男連中にとってはそれなりにお得な話じゃないかい?」
クラウディア・ローデ:「この国の人間じゃないからと言って、この国と関係がない訳じゃないけれどね。そうでなければここに居ないし」
クラウディア・ローデ:事実、この国に根を張る勢力と友好な関係を結んでおくことは、自分達の今後にとっても悪くないはずだ。
カイ・スェネミー:「利がはっきりしている。それは良い。だが、私達の内の誰かが誠実であるという前提があるように思うがね」
ヨハン・モンタナ:「助けてもらったら、恩は返すよ」
カイ・スェネミー:「おっと、ファントムはその誠実な人間だったようだ。ははは」
ヨハン・モンタナ:「えっ、あっ。そうだね……! ちょっと警戒心なさすぎかな!」
カイ・スェネミー:「脱出ルートの具体的な話を聞かない限りは何ともではあるが、私はファントムの意思を尊重するとも」
クラウディア・ローデ:オーヴァードに対して妙な偏見を持っていないという意味で貴重でもある。
ニコラス・デイヴィス:「けれど、貴方としてもファントムと直接結ぶというの少しリスクが高いのではないかな」
ニコラス・デイヴィス:「なにせ四大超災を巻き起こしたオーヴァードの一人です。」
ニコラス・デイヴィス:「彼と結んだことが知られたら得られる力もでかいが、その分敵に回す勢力も大きくなる」
ニコラス・デイヴィス:「我々のように、最初からその大敵を向こう岸に回しているものは別としてね」
ヴィンセント:「そうだな。リスクはデカい」
ヴィンセント:「今の政府と付き合っていく限りにおいては、な」
ヨハン・モンタナ:「……犯罪組織だよね?」
ニコラス・デイヴィス:その言葉にくすりと笑う
ヴィンセント:「そのへんは持ちつ持たれつなのよ。どの国でもね」
ヨハン・モンタナ:「そ、そうなんだ」
カイ・スェネミー:「おっと。大統領でも暗殺するのかな?今年は1963年だし、機会としては絶好だ。ああ、名前は違うのだが!!」
カイ・スェネミー:「いや、失敬。気にしないでくれ」
クラウディア・ローデ:「うん、ややこしいから黙っててね」カイさんを肘で小突いている。
ヨハン・モンタナ:「カイさんはまた意味のわからないこと言ってるし……」
カイ・スェネミー:「すまない。深淵なる知識を垣間見せてしまった」話を続けてくれ。と促し。
ヴィンセント:「ま、どうするかは知らんが、これは投資でもあるってことよ。革命家諸君」
ヴィンセント:「リターンに見合った相応のリスクだとは思ってるぜ」
ヴィンセント:「と、こんなところか。まあ、すぐに答えてくれとは言わない」
ニコラス・デイヴィス:「まずは個人的な友誼を結ぶところから」
ニコラス・デイヴィス:「家族ぐるみの付き合いをさせて頂く家はおいおいと、そんな感じでいかがです?」
ニコラス・デイヴィス:「僕たちは今のファントムの後見人のようなものですしね。」
ヨハン・モンタナ:(守って……くれてる?)
ヴィンセント:「良いぜ。ウチの家族(ファミリー)の敷居は少々高いがな」
ヴィンセント:「そうそう、ホントにできんのか?って話だが」
ヴィンセント:「ウチは死体を扱うプロで、アンタらは生き返りの専門家だ」
ヴィンセント:「今はそんだけしか言えないかな。詳しいことは契約締結後ってことで」
ニコラス・デイヴィス:「覚えておきますよ」
ヨハン・モンタナ:(ぼかして言ってるからまだわかんないけど、これ全然恩返せ無さそうな気がしてきたぞう)
クラウディア・ローデ:「わ、マジで言ってる?」ちょっと引いたような顔。
ヴィンセント:「マジマジ。その気になったらこの場所に来てくれよ」
【脱出ルート:デッドマンズハイウェイ】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はフリーランスとなる。

ヴィンセント:「そんじゃ、俺はこれで失礼するよ」席を立つ。
ヨハン・モンタナ:ひらひらと手を振ります。
クラウディア・ローデ:「やだな~、死体の真似なんて……そりゃ、我儘言ってられる状況じゃないのは分かってるけども」
ヴィンセント:「ここは開けとくから。好きに使ってくれ」
アナスタシア:「……」迷惑そうに君達を一瞥して、主と一緒に劇場を出ていく。
クラウディア・ローデ:「ん、どーも」座席にどかっと腰を下ろして。
カイ・スェネミー:ステージに上がり、シルクハットからマンハッタン島の地図を取り出し、広げる。
ヨハン・モンタナ:「便利~」
ヨハン・モンタナ:ふー、と大きく肩を落とす。
クラウディア・ローデ:「ステージを見ると上がりたくなっちゃうのかな。職業病ってやつ」カイさんを見て呑気なことを言っている。
カイ・スェネミー:「ははは。正真正銘の手品師だからね!さて、疲れたようだね、ファントム」
ヨハン・モンタナ:「やー。的はずれなことしか言えなくて焦ったのなんのだよ」
ヨハン・モンタナ:ありがと、とほほえみ返す。
ニコラス・デイヴィス:「よくやったと思うよ。年端の行かない少年が裏社会の大物にいきなり出逢えば普通は喋れもしないさ」
ニコラス・デイヴィス:「僕が君と同い年の頃は、もうおぼえてないぐらい昔だけど、同じことは出来なかったと思うな」
クラウディア・ローデ:「そうそう。別に無理に立派になろうとしなくていいんだって」
クラウディア・ローデ:「いつも通りに喋れれば、それで十分」
クラウディア・ローデ:「私も、なんか堅苦しい会議に呼ばれたりする事あるけど、合わせたりしないし。普通に喋ってるだけ」
クラウディア・ローデ:まあ流石に敬語くらいは使うけど、とへらへら笑いながら。
ヨハン・モンタナ:「……みんなのおかげ。あと雰囲気のあるマスクも」
ニコラス・デイヴィス:「さて、とりあえずは脱出ルートの一つは確保できたわけだが」
ヨハン・モンタナ:「そりゃ、強い人はそれでいいけどさ……うん」
カイ・スェネミー:「ありのままの自分を口に出来る貴女は美しいですよ。フロイライン」
ニコラス・デイヴィス:「いくつか問題はあるね。そしてその中でも最大のものは」
ニコラス・デイヴィス:「彼らは、脱出のルートを用意してはくれても、その障害を取り除く手伝いまではしてくれない」
ニコラス・デイヴィス:「ということだ」
ヨハン・モンタナ:「それってニコラスさんくらい戦える人から見ても問題なんだ?」
ヨハン・モンタナ:「や、なんてったって、そうだ」
カイ・スェネミー:「君はリスクが高いと評したが、その実そこまでリスクは払ってなかったな。相手を立てたのか、あの物言いは」
ニコラス・デイヴィス:「そんなところ。彼らの世界の貸し借りの重さは僕たち以上だからね。」
ヨハン・モンタナ:「”テンペスト”が相手だもんね」
ニコラス・デイヴィス:「そういうこと。それに僕らの力には限りがあるからね。」
ヨハン・モンタナ:「………………あの」
ヨハン・モンタナ:おずおずと手を挙げる。
ニコラス・デイヴィス:「なんだい?」
ヨハン・モンタナ:胴元が一方的に設けるがどうの、マフィアと政府は持ちつ持たれつがどうの、嫌な連想をする。
ヨハン・モンタナ:「これ、すごい恥ずかしい質問かもしれないけど」
ヨハン・モンタナ:「”テンペスト”って、オーヴァードの部隊なの?」
ヨハン・モンタナ:「あ、知らなかったらいいです」
ニコラス・デイヴィス:「国家の機密事項だからね」
ニコラス・デイヴィス:「僕も詳細まではわからない。」
ニコラス・デイヴィス:「たた、公式の発表ではオーヴァードの属さない部隊とされている。」
クラウディア・ローデ:「それも、どこまで本当だか分かんないけどねー」
ヨハン・モンタナ:「んーだよね」
ニコラス・デイヴィス:「うん。君の懸念は正しい。まして、今回の事件は国も大事と見ていることは間違いない。」
ニコラス・デイヴィス:「現在、この島に投入された”テンペスト"21名。その中に、本来の"テンペスト"とは異なる兵士が紛れている可能性は」
ニコラス・デイヴィス:「十分にある」
ヨハン・モンタナ:「別に普段の僕なら、そんな連想はしないから、そんな力強くフォローしてくれなくてもいいんだけど……」
ヨハン・モンタナ:「今回はそう思った理由というか」
ヨハン・モンタナ:「……覚醒してから」
ヨハン・モンタナ:「妙な光景を……視る……視る? 知っている……」
ヨハン・モンタナ:「たまにあなたたちの後を歩いている時、体は歩いているのにうっすらと気絶したようになって──」
クラウディア・ローデ:「え、何それ。そんな事になってたの?」
ヨハン・モンタナ:「最初は気の所為だと思ったんだよ」
ニコラス・デイヴィス:「レネゲイドを発症した人間には」
ニコラス・デイヴィス:「自分の中にもう一人の人格が生まれたりすることもあるけれど」
カイ・スェネミー:「チャネリングは我々は大好きな現象だ。良ければ経験者の数人は紹介できる」
クラウディア・ローデ:「あっ、やっぱりそういう方向で食いついてきた」
ヨハン・モンタナ:「あ、宗教っぽい!」
カイ・スェネミー:「霊媒体質かもしれないが。だが、おそらく君がファントムの記憶を垣間見てるのではないだろうか?」
ヨハン・モンタナ:「そうだと思う。コンスタンティンの中に残っていないんだから、僕の方にあるのかも。そういう話でもない?」
クラウディア・ローデ:「まあ、どう推察するにしても、とりあえず見た内容によるんじゃない。どんなのだったの?」
ヨハン・モンタナ:「……まず」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"は刑務所から運ばれてきたわけじゃないよ」
ヨハン・モンタナ:「墜落した飛行機は、マサチューセッツじゃなくてネバダから……」
ヨハン・モンタナ:「『エリア51』と呼ばれていた」
カイ・スェネミー:「臓器移植をされた人間が元の臓器の持ち主の記憶を垣間見る。という事例は多いらしいしな。いわんやオーヴァードなら猶更だ」
カイ・スェネミー:「エリア51。まさにファントムはエイリアンだった訳だ。合衆国にとっての」
ヨハン・モンタナ:「宇宙友愛教会的には重要スポットだ」
ヨハン・モンタナ:「で、一度目じゃない感じだった。多分何度も、刑務所から離れて別の場所に連れ出されてるんだ。秘密裡に」
クラウディア・ローデ:「じゃあ、やっぱり"ファントム"の記憶なんだ」ふと、劇場の外に視線をやる。あの犬は外で見張りをすると言っていたが。
クラウディア・ローデ:……まあ、呼び戻さなくていいだろう。ヨハンが変に気遣って、何かを喋らずに秘する可能性もなくはないし。
ヨハン・モンタナ:「多分ね」
カイ・スェネミー:「連れ出されて、何かをやらされていた。と言う事だろうか」
ヨハン・モンタナ:「そう。他に見たのは、その『何か』の内容だと思う」
ニコラス・デイヴィス:「聞かせてもらってもいいかな?」
ヨハン・モンタナ:「……記憶にある図像は曖昧模糊として、つかもうとすれば見失いそうになってしまう」
ヨハン・モンタナ:「…………でも、歌だ。歌が、死を振りまく世界に、彼──だと思う──が立っていた」
クラウディア・ローデ:「歌が死を?それって……」ついさっき聞いた"歴史的大事件"を想起する。
ヨハン・モンタナ:「マリア・レクイエムと戦ってた。時系列で言えば、とっくに収監されているはずの彼が」
ニコラス・デイヴィス:「………」
カイ・スェネミー:「マリアを処理したのは、ファントムと言う事だね」
ニコラス・デイヴィス:「君の懸念の元はそれか」
クラウディア・ローデ:「ああ……それって、つまり」
クラウディア・ローデ:「この国は、ずっと使ってたんだ。刑務所に閉じ込めてるって事にしながら、"ファントム"を」
クラウディア・ローデ:「超災を止めるための手段として」
カイ・スェネミー:「国の発表や記載が全部正しいと言う物でもないからね」
カイ・スェネミー:「例えば陸軍第100歩兵大隊というのはね、あれも現在は存在しない部隊と言う事だよ」
ヨハン・モンタナ:「……存在しない部隊? どういうこと、それに命令を出したの? 大統領が」
カイ・スェネミー:「記録上では、第二次大戦期に、敵国にルーツを持つ日系人のみを集めて結成された隔離部隊。欧州戦線で一定の戦果を挙げるが、ノルマンディー上陸作戦の中止によって活躍の場を失い解体。とされていた」
カイ・スェネミー:「だが、今も存在しR事案解決に使われている。国民に知られてはマズイ部隊なのだろう」
ヨハン・モンタナ:「僕が生まれる前になくなってるはずの部隊ってことじゃん……」
ニコラス・デイヴィス:「あははは、凄いな。ここにいるだけで特ダネがどんどん飛び込んでくる」
ヨハン・モンタナ:「うう、世界を覆っていたべールがめきめき剥がされてるのを感じるよ……絶対まずい快感を得てる……!」
ヨハン・モンタナ:「僕もこの世は嘘ばかり! テレビや新聞は信じられない! って言ってる人になっちゃうよ~」
ニコラス・デイヴィス:「それを自覚できているうちは大丈夫さ。」
カイ・スェネミー:「ファントムも真実を知りたくなってきただろう?楽しいぞ。勿論!強要はしないがね!」
クラウディア・ローデ:「あはは、良い子くんが悪い遊び覚えちゃったんだ」呑気そうに笑っている。
ニコラス・デイヴィス:「ああ、そうだ。ファントム」
ヨハン・モンタナ:「ぐすっ。なあに?」
ニコラス・デイヴィス:「君が先代のファントムの記憶を見ている『かもしれない』という話だが」
ヨハン・モンタナ:「うん。かもしれない話」
ニコラス・デイヴィス:「言うまでもないことだと思うが、これはこの場所のように余人が入れない場所でだけ」
ニコラス・デイヴィス:「いや、出来るのなら、もうしない方がいい。」
ヨハン・モンタナ:「……わかった」
ヨハン・モンタナ:「人気者だしね、彼は」
ニコラス・デイヴィス:「ファントムの力を受け継いだ可能性のある少年と、国家機密を知るオーヴァードの記憶を知った少年とでは、国の力の入れ方が違ってくる」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、だから。その話をするのなら」
ニコラス・デイヴィス:「どうしても耐えられなくなった時にだけ」
ニコラス・デイヴィス:「そして今話しをしているこのメンバーにだけ、打ち明けること」
ヨハン・モンタナ:「うふふ」くすくすと笑う。
ヨハン・モンタナ:「うん。そうさせて貰う」
ニコラス・デイヴィス:「…真剣は話をしているのだけど…」少し困惑げに言う
ヨハン・モンタナ:「例えば、クラウディアさんが欲しい情報なんかも思い出すかもしれないしね」
ニコラス・デイヴィス:「うん、そういうことだ」
クラウディア・ローデ:「まあ……君がそれでいいなら、言う事はないけど」
クラウディア・ローデ:「私だったら、表沙汰にしたくなっちゃうかもしれないな」
クラウディア・ローデ:「自分を助けてくれた友達が、世間では狂気の大犯罪者として扱われていて」
クラウディア・ローデ:「でも、実は影でこの国を守ってたってこと」
ヨハン・モンタナ:「それは……」
ヨハン・モンタナ:強い選択だ。と思う。彼のために立ち向かうことを決めた者の。
クラウディア・ローデ:「や。別に、こうしろって言ってるわけじゃないよ」
クラウディア・ローデ:勿論、彼がそちらを選んでこの国の体制が揺らぐなら、それは自分達にとって悪いことではないとは踏まえた上での発言ではあるが。
クラウディア・ローデ:「ただ、君が感じたもの……彼の本質は悪人じゃないってこと、あんまり間違ってなかったんだなって。感心しただけ」
ヨハン・モンタナ:「うん、分かってる」
ヨハン・モンタナ:「クラウディアさんにとって、何の損得にもならない言葉だもの、けしかけようとしてるなんて思わないよ」
カイ・スェネミー:「ファントム。耐えきれなくなったら、自伝として売り出すと良い。信じる人間が何故か0.1%くらいになる」
カイ・スェネミー:「これは我々の出した出版物のデータから得られた、信憑性のある数字だよ」
ヨハン・モンタナ:その口ぶりに思わず吹き出す。
ヨハン・モンタナ:「頼りになる。違うね~。陰謀論のプロは」
ニコラス・デイヴィス:「それをするなら協力するよ。これでも記者だからね、出版社とのコネもある。」
ニコラス・デイヴィス:「勿論、君の安全は確保してからの話になるけれど」
コンスタンティン:「君達。話している所すまないが」外を見張っていたが、劇場に入ってくる」
ヨハン・モンタナ:「そういう運びになったらね、と。おっとと。どうした~?」
コンスタンティン:「足音が近づいてきている。重さから言って正規軍。テンペストだろう。すぐに離れた方がいい」
ヨハン・モンタナ:流れるように駆けより膝をついて顔をわしゃわしゃします。
コンスタンティン:尻尾をふりふりしている。
ヨハン・モンタナ:「む、それはまずい」
クラウディア・ローデ:にわかに目を閉じて、耳を澄ませる。ハヌマーンとしての音波知覚。「……あら、そうみたい。お耳が良いのね」
コンスタンティン:「先導しよう。耳も鼻も君達より利く。この体は中々便利だ」
GM:シーン終了!ロイスと購入ができます。
カイ・スェネミー:ニコラス・デイヴィス 同行者 その交渉能力と洞察力に感服〇/だが気を完全に許してるわけではないので不信
カイ・スェネミー:ボデマを
カイ・スェネミー:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 7[5,7]+1 → 8

ヨハン・モンタナ:"ファントム"のPを好奇心に。彼の事を知りたいと思っている。
カイ・スェネミー:無理です。以上で。
ニコラス・デイヴィス:ボデマ
クラウディア・ローデ:ロイスそのままで。ブルゲ購入してみよ
クラウディア・ローデ:2dx>=20
DoubleCross : (2DX10>=20) → 10[4,10]+7[7] → 17 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 8[8,8] → 8 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:以上!
クラウディア・ローデ:惜しいけど無一文なんだよね おわり
ヨハン・モンタナ:3dx+4>=15 アームドスーツ
DoubleCross : (3DX10+4>=15) → 7[2,4,7]+4 → 11 → 失敗

ヨハン・モンタナ:足りない! おわり
GM:では次!
【Middle4/「別に、平気よ。嫉妬とかそういうの、慣れてるし」】
GM:シーンプレイヤーはニコラスさん。ほか登場自由!
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (60 → 66)
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (48 → 52)
ヨハン・モンタナ:1d3+3+66
DoubleCross : (1D3+3+66) → 3[3]+3+66 → 72

カイ・スェネミー:49+1d3+3
DoubleCross : (49+1D3+3) → 49+1[1]+3 → 53

GM:行き先選択から!
・ハーレム
・☆済 タイムズスクエア
・ヘルズキッチン
・ウォール街

ヨハン・モンタナ:ハーレムへ!
GM:OK!ではメイントピック、サブトピックを貼ります。
◇メイントピック

 ・☆済『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6

 ・☆済『四大超災』<知識:レネゲイド><情報:噂話>目標値7

 ・☆済『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・☆済『”ファントム”②』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値9
   └・『?????』(全ツリーを二段階まで解放後に判定可能)

 ・『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)

 ・☆済『大統領令9066号改告』<情報:軍事>目標値10
  └・☆済『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』<情報:軍事>目標値13
   └・『?????』(他ツリーを解放後に判定可能)

GM:GM権限により、ファントムツリーの最後はロックを掛けました
GM:テンペストツリーは開いたらその場で次の項目を開けれることにするよ
ヨハン・モンタナ:フレキシブルだ
クラウディア・ローデ:たすかり
カイ・スェネミー:良かったぜ。
◇サブトピック
【ハーレム】
 ・『オーヴァード差別と公民権運動』<情報:新聞>目標値6 (ハーレムで判定すると+達成値3)
 ・『ピルグリムプラン』<情報:裏社会>目標値12 (ハーレムで判定すると+達成値3)

GM:項目は以上となります。
GM:襲撃が発生します。現在の目標値は13
GM:撃退かワーディングかを選んでね
クラウディア・ローデ:ぶっとばしてやるぜ
クラウディア・ローデ:4dx+28>=13 <RC>で判定
DoubleCross : (4DX10+28>=13) → 6[2,3,3,6]+28 → 34 → 成功

GM:つよすぎ
ニコラス・デイヴィス:『ピルグリムプラン』<情報:裏社会>目標値12
ニコラス・デイヴィス:要人コネを使用します
GM:コネがいっぱいある
ニコラス・デイヴィス:5dx+4+3>=12
DoubleCross : (5DX10+7>=12) → 10[1,5,8,9,10]+4[4]+7 → 21 → 成功

ニコラス・デイヴィス:天才じゃったか…
GM:敏腕記者なのか?
カイ・スェネミー:『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8 ARPAの書使用。
カイ・スェネミー:5dx+2
DoubleCross : (5DX10+2) → 10[2,4,7,9,10]+2[2]+2 → 14

カイ・スェネミー:申し訳ない。
カイ・スェネミー:テンペストはやはりファントム様が開けます
ヨハン・モンタナ:へへ すいません
ヨハン・モンタナ:3dx>=8 情報:軍事
DoubleCross : (3DX10>=8) → 7[4,5,7] → 7 → 失敗

ヨハン・モンタナ:1点財産入れて成功させます
GM:お小遣い持っててよかったね
ニコラス・デイヴィス:やったぜ
GM:テンペストの次の項目が開放されます
・☆済『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・『”テンペスト”②』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値15(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)

カイ・スェネミー:『オーヴァード差別と公民権運動』<情報:新聞>目標値6 (ハーレムで判定すると+達成値3)をやります。
カイ・スェネミー:ARPAの書使用。
カイ・スェネミー:5dx+3
DoubleCross : (5DX10+3) → 10[4,5,6,7,10]+6[6]+3 → 19

GM:なんでもしってる
カイ・スェネミー:この本便利。
ヨハン・モンタナ:すご
GM:では全員成功!順番に貼っていきます
『”テンペスト”①』
アメリカ海兵隊所属。対オーヴァード制圧戦闘を目的に配備された完全機械化小隊。
強力な抗レネゲイド兵器を装備し、ワーディング内で活動可能な自律戦闘ロボット20体と、
電子戦に特化したブラックドック能力者”トラッシュハンド”によって編成される。
他国との戦闘以外に自国で発生したオーヴァードの捕縛、討伐にも投入されることから狩猟部隊とも綽名される。

『オーヴァード差別と公民権運動』
アメリカ社会における人種差別の問題は根深く、建国以来の宿痾と言ってもいい。
大戦の前後にはアフリカ系黒人を始めとするマイノリティが中心となって、
差別の撤廃と権利の平等を求める公民権運動が活発化した。
しかし、オーヴァードが公共の敵として認知されるにつれてこれらの運動は下火になっていく。
社会全体が反オーヴァードで連帯した結果、相対的に少数人種や移民に対する差別感情が
希薄化していき、人々の共感を得られなくなっていったためだ。
しかし潜在的な差別意識や法制上の不平等は一切解決しておらず、行き場を失った不満が
燻っている状態でもある。

『ピルグリムプラン』
宇宙友愛教会が進める都市構想。
アラスカ州に実験都市を建設し、オーヴァードと常人が共に暮らすモデルケースとする計画。
全米から住民を受け入れると同時に、議会の承認を得て超災法が適用されない特区とする。
現在の世論では絵空事でしかないが、教会は政界へのロビー活動や周辺国への根回しに加え、
過激派であるUSoGのとある企てを利用することで、計画を実現しようと目論んでいる。

GM:以上となります。
GM:サブトピックを開放したことで、宇宙友愛教会との会話イベントが発生します。
GM:ではいつものアレの後共有!
【幻視/Lost World】
GM:1949年、サウスダコタ州、ブラックヒルズ。
GM:炎上する集落。巨大な爬虫類の死骸が横たわる中で、二人の男が対峙している。
GM:戦いの趨勢は既に決しつつあった。
GM:此方の男にはさしたる負傷もなく、相対する男……スー族の長は、満身創痍の状態だ。
GM:長を守る戦士たちは皆敗れ、倒れ伏している。
GM:その体は硬質な鱗で覆われ、大きく開いた口には発達した乱杭歯が並び、手足は肥大化し強靭な爪を備えている。
GM:人と竜の合いの子のような姿。ランカ・シルリの侵食を受け、それでも尚自分の意志で彼女を守ろうとした、一族の者たちだった。
スー族の長:「……何故だ。若造」
スー族の長:最も強い侵食を受けた長は、巨大な翼と尾を備え、半ば御伽噺の竜そのものと化していた。
スー族の長:「我らの祖先と同じ様に、お前たちオーヴァードもまた、この国にとってはいくらでも搾取し、虐げて構わぬ、人間未満の獣でしか無い」
スー族の長:「お主がどれだけ奉仕しようと、報われることは決してない。そのような国家に従う理由がどこにある」
スー族の長:「あまつさえ、物心すらつかぬ幼子の命を奪う理由が……どこにあると言うのだ」
スー族の長:「答えよ。若造」
スー族の長:「この子の前で、恥知らずにも虚言を弄せるのなら申してみよ!」
GM:竜の背後では、揺り籠の中で少女が寝息を立てている。
色褪せた男:「……」
色褪せた男:「……平和のためだ」
スー族の長:「……何?」
色褪せた男:「私は、戦争も貧困もなく、圧政も飢餓もなく、差別も偏見も存在しない。恒久的平和を望む」
色褪せた男:「すべての生命は、等しく幸福を享受する権利がある」
スー族の長:「お主、何を……」
色褪せた男:「……ただし」
色褪せた男:「その世界に、オーヴァードは必要ない」
GM:前触れ無く、竜の身体が縦一文字に両断される。
色褪せた男:「……我々は、生まれるべきではなかった」
GM:竜が守った宝を無造作に掴み上げ、その場を後にする。
GM:数刻の後、聖地ブラックヒルズは炎と灰に埋もれ、跡形もなく崩れ去った。
GM:■ハーレム
GM:マンハッタン島の北部にあるハーレム地区は、アフリカ系アメリカ人が多く居住する地域だ。
GM:経済水準は総じて低く、入り組んだ裏路地はさながら迷宮の様になっていた。
GM:その路地を抜けた先、隠れるように佇む、小さな教会がある。
GM:普段は誰も寄り付かないそこに、見知った人影があった。
マイケル:「やはり君だったか。ヨハン」
ヨハン・モンタナ:「牧師さん!」
ヨハン・モンタナ:ぱっと明るい顔になって駆け寄る。「無事で……どうしてこんなところに?」
マイケル:「"M.S/M.T"。君にも感謝を。よくこの子を無事に連れてきてくれた」
ヨハン・モンタナ:「えっ……知り合い?」
ヨハン・モンタナ:マイケルとカイ、二人の顔を見比べるようにきょろきょろする。
マイケル:「そういうことだ」
カイ・スェネミー:「その名を知ると言う事は御同胞。なに、ファントムは良い子だったのでね、手はかからなかった」
マイケル:「君にも直接会うのは始めてだな。改めて自己紹介しよう」
カイ・スェネミー:「それに、此処に来るまでに一番骨を折ったのはフロイラインだよ。ただし暴徒のではあるがね」
マイケル:「"パプテスマ"。あるいは"牧師"」
マイケル:「マイケルというのは昔の名でね」
マイケル:「宇宙友愛教会の教主。マーティン・ルーサー・キング・Jrという」
『マーティン・ルーサー・キング・Jr』(自動開放)
宇宙友愛教会の創始者。通称は”パプテスマ”、”牧師”等。
恰幅の良い黒人男性。普段は素性を隠し、教会の牧師として活動している。
マリア・ノースライトと友人関係にあり、彼女の死後、宇宙友愛教会を立ち上げた。
温厚な現実主義者。オーヴァードを含むすべての米国民が権利と尊厳を保てる道を模索している。

ヨハン・モンタナ:「わぁお…………」
ヨハン・モンタナ:目を丸くして驚いている。
キング牧師:「早速だがヨハン。君をここから逃したい」
クラウディア・ローデ:「そ、貴方がオカルトオタクのボスなんだ」しれっとしている。
クラウディア・ローデ:「ドイツ陸軍のクラウディア・ローデ少佐。よろしくね」
キング牧師:「はは、オカルトオタクはひどいな」苦笑いで頬をかいている
カイ・スェネミー:「ははは。私から想像がつかない程、立派な男だろう?」
クラウディア・ローデ:「いちいち自分を卑下しなくてもいいじゃん。まあ、違いないけどさ」
ヨハン・モンタナ:「びっくりしました。でも牧師さんなら安心だな。さっきの怖い人達より……」
ヨハン・モンタナ:「ありがとうございます。でも、どうやって?」
カイ・スェネミー:「私は自分を遊び人であるとは自覚しているからね。彼とは違い夜も良く遊んでいるよ」
キング牧師:「我々はある潜水艦を所有している。少々型は古いが……」
キング牧師:「レネゲイドウイルスに感染している。Exレネゲイドというやつだ」
キング牧師:「詳細は伏せるが、それに乗れば軍が封鎖している港をくぐり抜けられる」
カイ・スェネミー:「おや"スパルタクス"じゃないんだね。私はてっきりアレだと思ったが」
ヨハン・モンタナ:「マジシャンの『ARPAの書』みたいなものか……」
ヨハン・モンタナ:「えっ、すごいね! 海底2万マイルだ」
クラウディア・ローデ:「へえ、仕事が早いの。それに、さっきの提案よりずっと人道的だね」
ヨハン・モンタナ:「もう乗れる?」
キング牧師:「はは、あれの言っていることは君と同じで私達には理解できんよ」カイさんに
キング牧師:「いや、済まないがもう少し時間がかかる」
キング牧師:「それと、これは予め断っておくが」
キング牧師:「一度出れば、もう二度とニューヨークの土は踏めないと考えてくれ」
ヨハン・モンタナ:「ええっ!?」
キング牧師:「船の行き先はアラスカだ。我々はそこに、オーヴァードと人の理想郷を作ろうと考えている」
ニコラス・デイヴィス:「『ピルグリムプラン』」
カイ・スェネミー:「お。敏腕記者は知っていたのかい?」
ニコラス・デイヴィス:「僕のところも関わっているからね。既に計画の段階を終えていたのですか?」
ヨハン・モンタナ:「人とオーヴァードの理想郷を作る……その手伝いをしなきゃいけない、ってことかな」
キング牧師:「今はまだ土台を作っている最中というところだよ」
キング牧師:「ただ、元々あの辺りはソ連やカナダとの緩衝地帯だ。ステイツも迂闊に手は出せない。隠れ住むにはちょうど良いさ」
クラウディア・ローデ:「へえー。面白いこと考えてるんだ」
クラウディア・ローデ:「今ここにある国が気に入らないなら、自分達で新天地を作る。アメリカらしいって言えば、らしいのかな」
ヨハン・モンタナ:「や、単に帰るのがもの凄く大変なのか……」
カイ・スェネミー:「暖房は必須だがね。サラマンダー能力者は教会員にもっと欲しいところではある」
キング牧師:「手伝ってくれるのなら、それは嬉しいことだが」
キング牧師:「君はまだ子供だ。ヨハン」
ヨハン・モンタナ:「……うん」
キング牧師:「君が力になれるのは、オーヴァードだからだ。ただ我々は、そんなことで人間を区別したくはない」
キング牧師:「多くの国では、オーヴァードは敬われる存在だろう。だがそれは」
キング牧師:「戦争で有用だから。ただそれだけだ」
クラウディア・ローデ:「……」
キング牧師:「我々が目指すのは、君達が戦場に立たない世界だ。だから……」
ヨハン・モンタナ:「え、えっと! その言い方はほら!」
キング牧師:「む、ああっと……すまない。気を悪くさせたかな。お嬢さん」
クラウディア・ローデ:「別に、平気よ。嫉妬とかそういうの、慣れてるし」不機嫌さを隠さずに言う。
ヨハン・モンタナ:「はは……」
カイ・スェネミー:「気を悪くしたらしい。後で私が機嫌をとっておくよ」
カイ・スェネミー:「ああ。だが、この国は碌なディナーがないのが困るところではあるのだが!」
ニコラス・デイヴィス:「それは君が知らないだけだよ。僕はいいところ紹介してあげてもいい」
クラウディア・ローデ:「頼もしい人達ね。こんな状況でもディナーの心配ができるなんて」
カイ・スェネミー:「いいや。米国人の味覚は荒野と言って良い。私からすれば信じられないね」と笑って返す。
ニコラス・デイヴィス:「ははは、ぶっ殺すぞ」
ヨハン・モンタナ:「……でも。なんというか、安心した」
ヨハン・モンタナ:「僕が知ってるマイケル牧師と、そんなに違いが無くて」
キング牧師:「ははは、自分でも教主なんてガラじゃないとは思っているさ」
キング牧師:「だが、夢を見る権利は誰にだってある」
キング牧師:「ヨハン。君が夢を諦めずに済む世界を作るのが、私の夢だ」
ヨハン・モンタナ:「うん。ありがとう、嬉しいよ」
カイ・スェネミー:「殺される前に、パプテスマ。私の仕事は続行かね?君に引き渡すという意味では遂行したが」
キング牧師:「生憎こちらの準備が済んでいないのでな。もう少しの間お願いしたい」
キング牧師:「私一人ならいくらでもごまかせるが、流石に君達全員をここには置いておけないからね」
キング牧師:「少し休んだら、ここを発った方がいい」
カイ・スェネミー:「と言う訳らしい。もう少し付き合おうじゃないか。君達」
ヨハン・モンタナ:「そうなるみたいだね」
クラウディア・ローデ:「ええ、元よりそのつもりだけれど……」
カイ・スェネミー:「では、そろそろ行くかい?新しい可能性を見つけに。……あぁ、出来れば今日のディナーはニコラスお奨めの店が良いね」
クラウディア・ローデ:「一つだけ。いいかしら、牧師先生」キング氏の前に、ぴんと人差し指を立てる。
キング牧師:「私に答えられることなら」
クラウディア・ローデ:「私、小さい頃、テレビや新聞に載るようなヒーローになりたかったの」
クラウディア・ローデ:「だから、自分で選んでオーヴァードになろうとした。軍の実験に志願して」
クラウディア・ローデ:「今、そんな自分に満足しているわ」
クラウディア・ローデ:「……特別な力を手に入れて、存分に振るって、そんな自分を認めてもらいたい」
クラウディア・ローデ:「そういう夢を見る子供もいるってこと。だから……」
クラウディア・ローデ:「彼がここに戻らない選択をしたとしても、応援してあげてほしいな」
クラウディア・ローデ:「……それだけ。言いたかったのは」
ヨハン・モンタナ:「…………」驚いたように、クラウディアの長身を見上げる。
キング牧師:「……ああ」
クラウディア・ローデ:その応答だけを聞くと、すぐに納得したように背を向ける。
カイ・スェネミー:(彼女、軍人としてはともかく諜報員や工作員には向いていないな。ヨハン君にとっては良い事だと思うがね)
ヨハン・モンタナ:「あ……えっと……」
クラウディア・ローデ:歩きだしてから一度、立ち止まり。
クラウディア・ローデ:「貴方の夢も、応援してるわ。素敵な街になるといいわね」
クラウディア・ローデ:それだけ言って、またすたすたと歩き出す。
キング牧師:「ありがとう。さあ、君達も行くと良い」
キング牧師:「すべてのオーヴァードに、神の祝福を」
【脱出ルート:潜水艦ピルグリム・ファーザーズ】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1は宇宙友愛教会所属となる。

GM:シーン終了!ロイスと購入ができます
ヨハン・モンタナ:クラウディアさんのロイスを変更します。N狼狽。
ヨハン・モンタナ:3dx+4>=15 しつこくアームドスーツ狙お
DoubleCross : (3DX10+4>=15) → 5[1,1,5]+4 → 9 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:ボデマ!
ヨハン・モンタナ:マジで全然ダメ! 以上!
ニコラス・デイヴィス:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 7[5,7] → 7 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:クソー
カイ・スェネミー:クラウディア・ローデ 同行者。 人として正しいので信頼がおける 信頼〇/でも甘すぎるよなー。と思うので 不安 で。
クラウディア・ローデ:うーん、ロイス保留で
カイ・スェネミー:ボディマ
カイ・スェネミー:2dx+1
DoubleCross : (2DX10+1) → 4[2,4]+1 → 5

カイ・スェネミー:無理。以上。
クラウディア・ローデ:ボディアーマー狙っておくか
クラウディア・ローデ:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 9[3,9] → 9 → 失敗

クラウディア・ローデ:むり!おわりです
GM:では次!
【Middle5/「Lorem ipsum dolor sit amet」】
GM:シーンプレイヤーはカイさん。ほか登場自由!
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (72 → 77)
カイ・スェネミー:53+1d3+3
DoubleCross : (53+1D3+3) → 53+3[3]+3 → 59

ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (52 → 57)
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (66 → 71)
GM:行き先選択!
・☆済 ハーレム
・☆済 タイムズスクエア
・ヘルズキッチン
・ウォール街

カイ・スェネミー:ご飯食べたいと言ったのでヘルズキッチン!
カイ・スェネミー:勢いで言ったけどファントムどこが良い?
ヨハン・モンタナ:異議なーし
クラウディア・ローデ:いいんじゃないかなー
ニコラス・デイヴィス:いいよー
カイ・スェネミー:ではヘルズキッチンで。
GM:OK!まあヘルズキッチンは別にレストラン街とかじゃないが……
◇メイントピック

 ・☆済『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6

 ・☆済『四大超災』<知識:レネゲイド><情報:噂話>目標値7

 ・☆済『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・☆済『”ファントム”②』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値9
   └・『?????』(全ツリーを二段階まで解放後に判定可能)

 ・☆済『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・『”テンペスト”②』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値15(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『?????』(テンペストを撃退する度に目標値-5)

 ・☆済『大統領令9066号改告』<情報:軍事>目標値10
  └・☆済『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』<情報:軍事>目標値13
   └・『?????』(他ツリーを解放後に判定可能)

◇サブトピック
【ヘルズキッチン】
 ・『対オーヴァード兵器』<情報:軍事>目標値12(ヘルズキッチンで判定すると達成値+3)

GM:以上となります
GM:襲撃判定の目標値は16!
ニコラス・デイヴィス:うーん、DBがほしい。
ニコラス・デイヴィス:ジェネシフトしまーす
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D10(→ 5)増加 (57 → 62)
ニコラス・デイヴィス:いい塩梅
ヨハン・モンタナ:《ワーディング》します!
GM:ついに!
クラウディア・ローデ:やっちゃえ~
GM:では襲撃は自動回避。ヨハンくんは情報収集も可能
クラウディア・ローデ:私は『”テンペスト”②』に行きます
クラウディア・ローデ:RCで判定。
クラウディア・ローデ:4dx+28>=15 えーいっ
DoubleCross : (4DX10+28>=15) → 8[4,6,6,8]+28 → 36 → 成功

カイ・スェネミー:すげえ!!
GM:くっそつよい
カイ・スェネミー:流石はクラウディア 尋常じゃねえ。
クラウディア・ローデ:ふふふ
ヨハン・モンタナ:さすが軍人
 ・☆済『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・☆済『”テンペスト”②』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値15(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・『”テンペスト”③』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値20(テンペストを撃退する度に目標値-5)

GM:こうなります
GM:あとファントム③も挑戦可能になりますね
ヨハン・モンタナ:やったぜ
 ・☆済『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・☆済『”ファントム”②』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値9
   └・『”ファントム”③』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値14

GM:こうです
ヨハン・モンタナ:だいぶ難易度が上がってきた
ヨハン・モンタナ:ファントム③にチャレンジしてみましょう
ニコラス・デイヴィス:いけー
カイ・スェネミー:つらいな。難度が。
ヨハン・モンタナ:5dx+1 能力訓練精神! 回れー!
DoubleCross : (5DX10+1) → 10[2,2,5,9,10]+7[7]+1 → 18

ヨハン・モンタナ:よっし
クラウディア・ローデ:つよい
GM:やるじゃん
ニコラス・デイヴィス:じゃあ、ワンチャンテンペス3行ってみるか
カイ・スェネミー:あ。じゃあ僕がそっちやろうか
ニコラス・デイヴィス:『”テンペスト”③』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値20(テンペストを撃退する度に目標値-5)
ニコラス・デイヴィス:ラストコネ
ニコラス・デイヴィス:あ、エフェクト使う?
カイ・スェネミー:うん。
ニコラス・デイヴィス:じゃあ任せる
カイ・スェネミー:OK。じゃあ兵器の方任せたぜ。
カイ・スェネミー:『”テンペスト”③』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値20(テンペストを撃退する度に目標値-5)
カイ・スェネミー:《コンセントレイト:ノイマン》《急所狙い》《カスタマイズ》59→65
カイ・スェネミー:5dx7+1
DoubleCross : (5DX7+1) → 10[5,5,7,8,8]+10[3,3,9]+6[6]+1 → 27

ニコラス・デイヴィス:やったね
GM:流石ね
カイ・スェネミー:射撃も白兵も同値!
ヨハン・モンタナ:技能指定あるやつ白兵/射撃のエフェクトしか持ってないんだ オシャレ
GM:ほぼ全部空いちゃった=ヤン
ニコラス・デイヴィス:じゃあ・『対オーヴァード兵器』<情報:軍事>目標値12(ヘルズキッチンで判定すると達成値+3)いきます
ヨハン・モンタナ:やったれやったれ
ニコラス・デイヴィス:3dx+4+3>=12
DoubleCross : (3DX10+7>=12) → 10[5,6,10]+9[9]+7 → 26 → 成功

ニコラス・デイヴィス:天才
カイ・スェネミー:すげえ!!
GM:編集王か?
ヨハン・モンタナ:ド有能
GM:では全員成功!もう情報項目1つしか残ってねえ!
ニコラス・デイヴィス:元万年10回戦ボーイ
GM:順番に貼っていきます
クラウディア・ローデ:みんなつよいな~
『”テンペスト”②』
“テンペスト”の機械兵は通常兵器の運用だけでなく、エフェクトに酷似した超常現象を発動し
《リザレクト》並の自己修復機能を有する等、オーヴァード同様にレネゲイドを利用している。
これらの技術はすべて現在の世界水準を大きく上回っており、この分野に長けた日本ですら
限定的にしか達成できていない。
技術漏洩を防ぐため、戦闘不能になった“テンペスト”機械兵はその場で跡形もなく自爆処理される。

ヨハン・モンタナ:こわい
『”テンペスト”③』
発表されている“テンペスト”の概要は、実態を隠蔽するためのフェイクである。
“テンペスト”隊員は機械兵ではなく、過去に戦死或いは討伐したオーヴァードの死体に、
ソルトレイクシティから回収されたΣレネゲイドを投与して生み出されたゾンビ兵士だ。
Σレネゲイドによって生前同様の力を行使できるが、知能は完全に喪失しており、
作戦行動は“トラッシュハンド”の指揮に依存している。

カイ・スェネミー:人民が沢山いるアメリカならでは!
クラウディア・ローデ:まあ機械だから……って言おうとしたらこれだよ!
ヨハン・モンタナ:お前統率個体かよ!
GM:トラッシュハンドだけは生身の人間です
ニコラス・デイヴィス:こいつも特ダネだぜ~
『対オーヴァード兵器』
オーヴァードハンターが使用する弾丸は『アップル・ディスコルディア社』謹製の抗レネゲイド弾である。
対抗種と呼ばれるRウイルス変異株を培養した薬剤を内包したアップル社の主力製品。
本来は軍用だが、アメリカ国内では超災法の成立を契機として一般にも流通している。
また、マンハッタンでは明らかに軍用の装備も横流しされているようだ。

『”ファントム”③』
ニューヨークに現れた”ファントム”は、アルフレッド・ロジャーズ本人ではない。
その正体は、オリジン:ヒューマンのレネゲイドビーイング ”ロレム・イプサム”。
とある実験で発生した『万能細胞』のRBであり、発生当初は不定形の生命体だったが
過去に”ファントム”と接触した際に彼の写し身として固定化し、『エリア51』に封印されていた。
現在、”ファントム”の肉体は何らかの理由で崩壊寸前となっており、余命幾ばくもない。
”ファントム”は自身の《ハンドリング》能力で他者に精神を移植する延命措置を試み、
そのためのスペアボディとして、”ロレム・イプサム”を呼び寄せようとしていた。

GM:そして、このエリアのNPCですが……
GM:いません!皆さんで自由にお話してください!
ニコラス・デイヴィス:理解です!
カイ・スェネミー:うっす!
クラウディア・ローデ:なるほどね
GM:それでは、いつものアレの後に共有していきましょう~
【幻視/Public Enemy】
GM:日時不明。マサチューセッツ州刑務所、地下特別房。
GM:厳重に封印された分厚い扉の前に、一人の青年が立っている。
GM:背の高い黒人の青年。痩せこけた頬に、鋭い眼光。
GM:静かな知性の中に、狼を思わせる獰猛さを纏った男だった。
青年:「明日、ここを出る」
色褪せた男:「……そうか。おめでとう」
青年:「一つ、聞いていいだろうか」
色褪せた男:「構わないよ。今生の別れだ。私に応えられることであれば幾らでも」
青年:「……貴方は、本当にあんな事件を起こしたのか?」
青年:「私は最初、貴方はこの国の人間を憎んでいるのだと考えた。だからこそ模範囚として得た特権を、貴方とこうして会話する許可を得ることに使った」
青年:「だが、貴方はそのような男ではなかった。白人との共存と融和を、私に説きすらした」
色褪せた男:「不満だったか?」
青年:「大いに不満だ。私が奴らへの憎しみを捨てることはない。自分の背をナイフで指した人間を、そのナイフを抜いてくれたからと言って許せるわけがない」
色褪せた男:「……そうか」
色褪せた男:「だが、本当のことだよ。私は正真正銘、彼らを殺した」
色褪せた男:「そしてやはり、君達は許し合うべきだ。我々オーヴァードと違い、君達は正しくこの国に根ざした同朋だ」
色褪せた男:「すべての憎しみは、オーヴァードに押し付ければ良い。そうすれば君達は一つになれる」
青年:「……お断りだ」
青年:「馬鹿にするのも大概にしろ。我々は奴隷の子孫だが、心まで奴隷に堕ちるつもりはない」
青年:独房に背を向ける。
青年:「貴方が大罪を犯したというのなら、もっと有効な償い方を用意してやる」
青年:「また会おう。友よ」
青年:足跡が遠ざかっていく。
色褪せた男:「……ああ」
色褪せた男:「さようなら、リトルボーイ」
GM:■ヘルズキッチン
GM:ハドソン川に面した港湾地域。古くからギャングが多く巣食ったこの地区は、
GM:「アメリカ大陸でもっとも危険な地域」とまで呼ばれることもある。
GM:とは言え、オーヴァードである君達にそんなことは関係ない。
GM:例によって屯していたオーヴァードハンターを追い払い、君達は遅めの昼食にありついていた。
クラウディア・ローデ:「ほんっと、どうかしてるわ。なんであれだけ叩き潰してやったのに、また数が増えてるわけ?」
ヨハン・モンタナ:「ごめん。多分さっきのあれ……」
ヨハン・モンタナ:「……使っちゃったよね? 《ワーディング》ってやつをさ……」
コンスタンティン:「そうだな。オーヴァードにとっては必須技能だ。覚えるのは速い方がいい」
ヨハン・モンタナ:間の悪いことに、ハンターがやってくるのと、幻視がやってくるのと、ほぼ同時だった。
ヨハン・モンタナ:まずい、と思って気づいたら、周囲のやつらが正体を失っていた。いや、あってないような正体だが。
クラウディア・ローデ:「ま、暫くは大丈夫でしょ。奴らの機動力がそこまで脅威じゃないのは、これまでの追っかけっこで分かってるし」
ヨハン・モンタナ:「後を尾けられるかも、って感じなんだね」
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。プラス方向で考えよう。おかげで君が力に慣れることも出来たし」
ニコラス・デイヴィス:「連中の装備についてもある程度知れた。」
ヨハン・モンタナ:もむもむとばつ悪げにサンドイッチを頬張る。
ニコラス・デイヴィス:卓の上の弾丸をゴロゴロと置く
ヨハン・モンタナ:「あ! もしかしてこれ、僕がくらったやつ」
ニコラス・デイヴィス:「そう。」
ニコラス・デイヴィス:「弾丸なんて喰らったことはなかっただろうけど。」
ニコラス・デイヴィス:「外部からの刺激の他に、内側から破壊されていくような痛みも感じなかったかな」
ニコラス・デイヴィス:「わらかなかったら、要するにメチャクチャ痛くなかった?ってことなんだけど」
クラウディア・ローデ:「撃たれ慣れてもない素人に、そんな違い分からないんじゃない?」
ヨハン・モンタナ:「でも、なんかじわじわ死ぬ感じはあったよ」思い出してぶるりと震える。
ニコラス・デイヴィス:「それもそうか……おお、鋭いね。」
クラウディア・ローデ:「ふうん……?」ニコラスの置いた弾丸の一つを摘み、じろじろと観察する。
カイ・スェネミー:「フリーの賞金稼ぎは腕が悪い。だから弾丸を拾うのは容易なのだがね、今まで調べてもそこに秘密はなかった。怪しいのは着弾とともに失われる中身と言う事になるが」
カイ・スェネミー:「これは現物かい?よくもまあ」
カイ・スェネミー:「オーヴァードが入手できたものだ」
ニコラス・デイヴィス:「肉体操作には長けてるからね」
ニコラス・デイヴィス:テーブルの上で指をより細く、より長く伸ばしていく。
ニコラス・デイヴィス:「気絶したハンターたちの体がちょいちょいと」
カイ・スェネミー:大雑把に肉が厚いサンドイッチを食べながら、見事なものだ。と漏らす。
コンスタンティン:「抗レネゲイド弾は、アップル社の看板製品だ」
クラウディア・ローデ:「わ、タコみたい」
ニコラス・デイヴィス:「そう、正式な商品名、型番はど忘れしてしまったけれど。」
コンスタンティン:「近年は市場にも出回るようになったから、彼らにも入手自体は可能だろう」
クラウディア・ローデ:銃弾を手にした指先をハンカチで拭いてから、バスケットのサンドイッチに手を伸ばす。
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードを殺すための弾丸か……」
クラウディア・ローデ:「つまり、当たりさえすれば素人でも狩りができるわけ。……ま、今のところ当たってないんだけど」
ニコラス・デイヴィス:「その通り。」
ニコラス・デイヴィス:「そして、問題は、当てるための装備、より専門性の高いものがこのあたりに流れているってことなんだ」
ヨハン・モンタナ:(僕が”テンペスト”に撃たれた時はオーヴァードじゃなかったけど、あれもそうだったんだろうか)
カイ・スェネミー:「当たる前にフロイラインは薙ぎ払うからね。いや、頼もしい事だ」
コンスタンティン:「最初に襲ってきた連中も、明らかに横流しされた軍用装備を使っていたな。本来、米軍はそこまで緩い組織ではないはずだが」
クラウディア・ローデ:「それが仕事だもの」得意げに微笑んで。「……ええ、そうね。装備っていうか」
クラウディア・ローデ:「レネゲイドを取り込んだ機械技術そのものね、あれは」
クラウディア・ローデ:「さっき、先行してたやつを一機ぶっ壊したんだけど。どう見ても《リザレクト》してた」
ニコラス・デイヴィス:「いきなり建前が壊れたねえ」
ヨハン・モンタナ:「機械は人間が操作できるから安心、ってことなのかな……?」
クラウディア・ローデ:「適当に動けなくして回収しようとしたんだけど、あっちから自爆。まあ、証拠を残すつもりはないって事だろうね」
カイ・スェネミー:「まあ、当然だろうね。ここから先は、この国の闇の領分だ」
カイ・スェネミー:「ああ、続けても良いかな?」
ニコラス・デイヴィス:「徹底してるね……ああ、勿論、お願いするよ」
クラウディア・ローデ:「ええ。聞きかせてよ、闇の真実の話」
クラウディア・ローデ:サンドイッチのピクルスをよけて食べながら、からかうように笑って言う。
カイ・スェネミー:「オーヴァードを殺すための弾丸だけどね。真実はそれだけじゃないようだ」
カイ・スェネミー:「オーヴァードの死体が何処に消えるか知ってるかな?国は徹底的にオーヴァードを調べ上げ、解体し、リサイクルするんだ」
カイ・スェネミー:芝居がかった仕草で両腕を開き
カイ・スェネミー:「そう!ゾンビ!Σレネゲイドなる魔法の薬を使った死体兵士!それが機械化兵の正体だ」
ヨハン・モンタナ:「え゛っ…………」
ヨハン・モンタナ:「趣味の悪い小説の話とかじゃなくて?」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、勿論とは言ったけど」
ニコラス・デイヴィス:「健全な少年の傷にならない範囲で頼むよ」
クラウディア・ローデ:「そうね、食べたもの戻されても困るし。……外してもいいのよ?」
クラウディア・ローデ:私は平気だけど、という顔をしながらヨハンくんに言う。
ヨハン・モンタナ:「複雑な気遣い……!」
ヨハン・モンタナ:「いや……でも、ほんとに? そんなことが出来るの?」
カイ・スェネミー:「機械は人間が操作できるから安心その通り。彼等はコマンド通りに動くラジコンという訳だな」
クラウディア・ローデ:「生きたオーヴァードの機械化なら、戦場じゃ割と聞く話だけど。死体でそれをやるってわけだ」
ヨハン・モンタナ:「そんな──」頭を押さえてふらつく。
ヨハン・モンタナ:そんな、想像を越えた無法が罷り通るのか、と思った瞬間に、また、垣間見えた。
カイ・スェネミー:「流石に命令を出す司令官は知性があるようだが。出来るかと言われれば、現実に起こっている。と答えるしかないがね」
コンスタンティン:「オーヴァードに匹敵するロボットを作るよりは、余程現実的な手段ではあるだろう」
ニコラス・デイヴィス:「……ファントム?」
クラウディア・ローデ:「ああ、やっぱり刺激の強い話だったかしら。お嬢さん」ふざけた口調でヨハンくんの背中をさする。
ヨハン・モンタナ:「……”ファントム”」
カイ・スェネミー:「傷になってしまったかい?」
ヨハン・モンタナ:しばし呆然として、それから気がついたようにクラウディアさんの手をどけます。
ヨハン・モンタナ:「いや……」軽くコンスタンティンを盗み見る。
クラウディア・ローデ:「良かった、元気あるじゃない。……また、何か見たの?」
ヨハン・モンタナ:「うん。見た……見たけど」
ヨハン・モンタナ:「どういうことなのか、今までで一番分からない」
ヨハン・モンタナ:「その夢で、”ファントム”は、”ファントム”じゃなかった」
コンスタンティン:「……」耳がピンと立つ
カイ・スェネミー:「どういうことだろうか?」
クラウディア・ローデ:「難しい言い回しね。ええと、つまり……」
クラウディア・ローデ:「君がその力を預かったお友達が、"ファントム"じゃなかったってこと?」
ヨハン・モンタナ:「そう!」
ヨハン・モンタナ:「僕よりも先に、”ファントム”を受け継いでいた……継承が彼の能力なんだ。これも多分、正確な表現じゃない……継承っていうのも、彼って言うのも」
ヨハン・モンタナ:幻視のことは、コンスタンティンに話していなかったが、そういう場合でもないように思えた。
ヨハン・モンタナ:「言ってたよね、《ハンドリング》っていう力のこと」
クラウディア・ローデ:「動物に意識を乗せて操る、って話よね」
コンスタンティン:「ああ。《ハンドリング》は紛れもなく"ファントム"の能力だ」
ヨハン・モンタナ:「……Lorem ipsum dolor sit amet」
ヨハン・モンタナ:「イギリスの書体見本に使われた、内容に意味のないダミーテキスト」
ヨハン・モンタナ:「"ロレム・イプサム"だ。死にかけた"ファントム"が《ハンドリング》で肉体を乗り換えるための、"ファントム"のコピー」
ヨハン・モンタナ:「米軍で……研究が……でも、そうなったのは偶然? わからないけれど」
カイ・スェネミー:《万能器具》録音機を作って録音している。
ヨハン・モンタナ:「えっと……」
ヨハン・モンタナ:「言ってる意味、わかる?」
ヨハン・モンタナ:びっしりと額に汗を浮かせながら、問う。
クラウディア・ローデ:「ふふ。あんまり分かんないかも」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、すまないね。思考に集中しすぎて黙ってしまった」
ニコラス・デイヴィス:「不安にさせてしまったかな。」
ヨハン・モンタナ:「僕も全然わからない。見たままを散発的に喋ってる」
カイ・スェネミー:「そうだな、理解としては、ファントム。君は転写の転写と言う事かな?」
コンスタンティン:「生憎、私にもそのような記録は残っていない。特に生誕に関しては完全に欠落している」尻尾を垂らす
ヨハン・モンタナ:「そう……なのかな? 今見た記憶が本当のことなら、そうなんだと……でも」
ヨハン・モンタナ:「荒唐無稽すぎて、逆に空想に思えないや」
ヨハン・モンタナ:……もし、そうだとしたら。
クラウディア・ローデ:「ええと。つまり……君のお友達が、本当は"ロレム・イプサム"って名前なのか。それで……」
クラウディア・ローデ:「ファントムから預かった力を継承して、君の所へ来た。郵便配達人みたいに」
ヨハン・モンタナ:これまでに見てきた過去たち──とりわけ、古いものたちは、"ロレム・イプサム"のものと。"ロレム・イプサム"の中にある"ファントム"の記憶と。どちらなのだろう。
カイ・スェネミー:「ふむ。だが現状、些末な事ではあるね。君は君の思考と精神を保持している。白昼夢を見るとしてもだ。違うかな?」敢えて問題がないというような事を言う。
カイ・スェネミー:「ああ。勿論、探求するというなら私の分野でもある。喜んで力を貸すとも」
ヨハン・モンタナ:「マジシャンも、ニコラスさんも、クラウディアさんも。ずっと僕を僕として見てくれてるから」
ヨハン・モンタナ:「まだあんまり不安じゃないよ」
ヨハン・モンタナ:ただ。消えない。
ヨハン・モンタナ:駆り立てられるような焦燥が。
コンスタンティン:「元の私がどのようなものであり、君がどのような者になるとしても」
コンスタンティン:「私の使命は変わらない。"ファントム"の残滓をすべて、君に伝える」
ヨハン・モンタナ:「一人前のオーヴァードにしてくれるんだったね」
コンスタンティン:「その先のことは、自分で考えると良い」
ヨハン・モンタナ:導いてくれるというのは、やはり僕が子供であることを許しているということだ。
ヨハン・モンタナ:オーヴァードになってから出会った仲間たちに、驚くほど優しくされているように感じる。
クラウディア・ローデ:「……さて、本当に大丈夫かしらね」
ニコラス・デイヴィス:「大丈夫にせよ大丈夫じゃないせよ」
ニコラス・デイヴィス:「そろそろ動いたほうがいい頃合いだ」
ニコラス・デイヴィス:「ファントム、立てるね」
ヨハン・モンタナ:「ありがと、問題なく」言いようのない居心地の悪さがある。
ヨハン・モンタナ:自由にすればいいのだという。
クラウディア・ローデ:「そうね。じゃ、殿は引き受けるよ」
ニコラス・デイヴィス:「無理にでも体を動かせば、思考のためのリソースを少しは減らせる。」
ヨハン・モンタナ:皆、僕に猶予を与えようとしている。それは選択の必要があるということだ。決断の時がくる。
ニコラス・デイヴィス:「真実に辿り着く前に悩み苦しむぐらいなら、無理矢理でも足を前に進めた方が合理的だよ」
ヨハン・モンタナ:そのための材料が、滝のように降り注いで、僕を飲み込んでいる。
カイ・スェネミー:「それ以前に……昼食の後は運動した方が良い。健康の為に」
カイ・スェネミー:「歩きたまえ、ファントム。我々は着いていこうじゃないか」
クラウディア・ローデ:「ふふ、ずっとしてるんだけど?」
ヨハン・モンタナ:「……うん」
ヨハン・モンタナ:でも、この居心地の悪さが、嫌ではなかった。
GM:シーン終了!ロイス、購入ができます!
カイ・スェネミー:ボデマ!
カイ・スェネミー:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 7[6,7,7]+1 → 8

カイ・スェネミー:無理。以上。
ヨハン・モンタナ:3dx+4>=15 アームドスーツ
DoubleCross : (3DX10+4>=15) → 8[1,5,8]+4 → 12 → 失敗

ヨハン・モンタナ:財産1足りない! 以上
ニコラス・デイヴィス:ボデマ
ニコラス・デイヴィス:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 9[1,6,9] → 9 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:く…!
クラウディア・ローデ:そろそろ皆に見せてあげるか ボディアーマーの買い方ってやつをよ
クラウディア・ローデ:2dx>=12 ボディアーマー
DoubleCross : (2DX10>=12) → 10[3,10]+3[3] → 13 → 成功

ヨハン・モンタナ:流石だ……
クラウディア・ローデ:いけとるやんけ
ニコラス・デイヴィス:マジでカイやがったこの女
クラウディア・ローデ:装着して終わりです
カイ・スェネミー:すげえ!!
GM:買い物上手
【Middle6/「ちゃんとやってみたいんだ。人生ってやつを」】
GM:行き先!
GM:もうウォール街しか残ってません。自動的にウォール街に行きます。
ヨハン・モンタナ:ラスト! ウォール街いきます
カイ・スェネミー:ウォール街で手形つけに行くぜ!
クラウディア・ローデ:行くぜ行くぜ
ニコラス・デイヴィス:GO!
◇メイントピック

 ・☆済『マンハッタン島の状況』<情報:軍事><情報:噂話>目標値6

 ・☆済『四大超災』<知識:レネゲイド><情報:噂話>目標値7

 ・☆済『”ファントム”①』<知識:レネゲイド><情報:新聞>目標値6
  └・☆済『”ファントム”②』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値9
   └・☆済『”ファントム”③』<知識:レネゲイド><情報:軍事>目標値14

・☆済『”テンペスト”①』<情報:軍事>目標値8
  └・☆済『”テンペスト”②』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値15(テンペストを撃退する度に目標値-5)
   └・☆済『”テンペスト”③』<白兵><射撃><RC><情報:軍事>目標値20(テンペストを撃退する度に目標値-5

 ・☆済『大統領令9066号改告』<情報:軍事>目標値10
  └・☆済『アメリカ陸軍第100歩兵大隊』<情報:軍事>目標値13
   └・『ファントムベイン』<情報:軍事>目標値16

GM:メイントピックはもう最後の一個!
GM:サブトピックも一個です
GM:◇サブトピック
【ウォール街】
 ・『大統領暗殺計画』<情報:裏社会>目標値12(ウォール街で判定すると達成値+3)

GM:そして襲撃するのはテンペスト!目標値はなんと29!
クラウディア・ローデ:迎撃します
ニコラス・デイヴィス:ぴえー!絶対死んじゃうよー!
カイ・スェネミー:フロイラインお願いします!!
クラウディア・ローデ:29か……いけるかな……
ヨハン・モンタナ:うちわを振って応援するか……
クラウディア・ローデ:4dx+28>=29 <RC>で判定
DoubleCross : (4DX10+28>=29) → 8[6,7,8,8]+28 → 36 → 成功

クラウディア・ローデ:いけたわ
GM:強すぎるッピ
ヨハン・モンタナ:固定値でほぼ達成してんだよな
ニコラス・デイヴィス:最強の女
GM:テンペストBチームは屍に還りました
GM:情報収集もしていきな!
クラウディア・ローデ:Aチームも楽にしてあげるからね
ヨハン・モンタナ:暗殺計画いきます
ヨハン・モンタナ:ちょっと待って登場してなかった
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 5)増加 (62 → 67)
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (77 → 82)
GM:あっ!ほんとだ
GM:ごめんなさい侵蝕振ってもらうの忘れてました
クラウディア・ローデ:あっ私もだわ
ヨハン・モンタナ:4dx+1+3>=12 DB2!
DoubleCross : (4DX10+4>=12) → 7[2,2,4,7]+4 → 11 → 失敗

クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 5)増加 (71 → 76)
ヨハン・モンタナ:あぶな!財産1点入れて成功させます
ニコラス・デイヴィス:強い
ニコラス・デイヴィス:『ファントムベイン』<情報:軍事>目標値16
カイ・スェネミー:1d3+3+65
DoubleCross : (1D3+3+65) → 1[1]+3+65 → 69

GM:日雇いのバイトが活きたね
ニコラス・デイヴィス:6dx+4>=16
DoubleCross : (6DX10+4>=16) → 8[2,4,4,7,7,8]+4 → 12 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:ここに来て初めてクリティカルしなかった!!
ヨハン・モンタナ:画材は欲しいが背に腹は変えられない
カイ・スェネミー:『ファントムベイン』<情報:軍事>目標値16 ARPAの書 要人
カイ・スェネミー:9dx+1
DoubleCross : (9DX10+1) → 9[1,2,3,4,5,5,7,7,9]+1 → 10

GM:全員失敗したら再登場で再チャレンジしていいよ
ニコラス・デイヴィス:厳しい
ニコラス・デイヴィス:再登場します
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (67 → 71)
ニコラス・デイヴィス:3dx+4>=16
DoubleCross : (3DX10+4>=16) → 9[1,4,9]+4 → 13 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:やべー
GM:お金入れても無理?
ニコラス・デイヴィス:お金ないです。
カイ・スェネミー:GMここで《インスピレーション》使って情報見て良いですかね?
GM:可能です
ヨハン・モンタナ:おお
ニコラス・デイヴィス:頼れる!
クラウディア・ローデ:使い所のようね
カイ・スェネミー:では使おう!69→71《インスピレーション》
GM:OK!では全ての項目が開きました。
GM:順番に貼ってくね
『大統領暗殺計画』
ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイスが画策する反抗作戦。
米国管理下のオーヴァードに一斉蜂起を促し、アメリカ大統領ヘンリー・ウォレスを暗殺、
同時にホワイトハウス、国防総省を占拠して権力の掌握を狙う。
アメリカはオーヴァードの徴兵と引き換えにその親族に様々な行政上の特権を与えているが、
逆の見方をすればオーヴァードは家族を人質とされて国家に服従を強いられていると言える。
USoGは彼らの安全が確保されればオーヴァードが現政権に従う理由は無くなると考え、
手段を問わずに準備を進めている。

ヨハン・モンタナ:ニコラスさん?
GM:まずサブトピックはこれ。開放によりUSoGのNPCイベントが発生します。
クラウディア・ローデ:これに比べたら宇宙友愛教会は大分真っ当だったのだなあ
ニコラス・デイヴィス:なるほどなー
『ファントムベイン』
"Phantom Bane"
解体された第100歩兵大隊を極秘裏に再編成した特殊部隊。
公式記録上は存在しない秘匿部隊であり、全員がオーヴァードで構成されている。
現在の所属メンバーに人種的な偏りは無く、オーヴァードになる前の出自も様々。
通常戦力では手に負えない戦場、事件に所属不明部隊(アンノウン)として乱入、事態を収拾し、
一切の栄光も称賛も得ること無く立ち去る。陸軍所属ではあるが、軍の指揮系統からは
完全に独立しており、大統領直轄でのみ運用されるアメリカの切り札。
過去に発生した四つの超人災害は米軍の総力を挙げて封じ込めたと喧伝されているが、
実際はすべて彼らによって鎮圧されている。
その活動には、大統領より更に上の権力の存在が見え隠れしている。

GM:ではいつものアレからアレしてアレ!!
【幻視/First Bane】
GM:1945年、ダンバース精神病院。
GM:夥しい死があった。
GM:大拡散から日も浅いこの頃、レネゲイドに対するスタンスで国論は割れていた。
GM:融和か排除か。利用か対抗か。
GM:注意しなければならないのは、融和派が必ずしも穏健派であるとは限らず。
GM:男の故郷に建つこの病院は、『急進的な融和主義者』の実験場と化していた。
血に濡れた男:父を殺し、母を殺した。
血に濡れた男:肉の塊となった初恋の人を殺し。
血に濡れた男:繋ぎ合わされた幼馴染達を殺し。
血に濡れた男:禁忌を冒した師を殺した。
血に濡れた男:そうして、全てを無かったことにした先に、それと邂逅した。
血に濡れた男:積み重なった腐肉と臓物を揺り籠に、血と脳漿を産湯にして、”それ”は生まれた。
"ロレム・イプサム":『君の名を聞こう』
GM:不定形の粘体が言葉を発する。音を出す器官など存在しないが、脳髄に直接声が届くようだ。
血に濡れた男:「……”ファントム”」
"ファントム":「そちらは被検体X……”ロレム・イプサム”で間違いないな?」
"ロレム・イプサム":『誰でもないもの、という意味なら、そうだ。と答えよう』
"ロレム・イプサム":『未だ意味を持たないもの、それもまた、是だろう』
"ロレム・イプサム":『しかし、その名はもういらないようだ』
"ファントム":「……何?」
"ロレム・イプサム":『私は、君になりたい』
"ロレム・イプサム":『君の、涙の意味を知りたいのだ』
"ファントム":「……断る」
"ファントム":「私は君を破壊する。そして、私もここで死ぬ」
"ファントム":「もう沢山だ。私にはもう、失うものがない」
"ファントム":「すべてを失っては、戦えない」
"ロレム・イプサム":『……それは違う』
"ファントム":「違う?」
"ロレム・イプサム":『私が、君を覚えていよう』
"ロレム・イプサム":『君がこの先、どれだけ擦り切れようとも』
"ロレム・イプサム":『どれだけ色褪せようとも、私は今日、この日の君を覚えている』
"ロレム・イプサム":『私は、君の幻影として生きよう。だからどうか、"ファントム"』
"ロレム・イプサム":『君の夢を、私に見せてくれ』
"ファントム":何故この時、手を取ってしまったのか
"ファントム":『……まるで異星人か何かだな』
"ファントム":ただ確かなことは、この時こぼした苦笑が
"ファントム":幻影が浮かべた、最後の笑顔だった。
GM:■ウォール街
GM:マンハッタン島の南端、数多くの金融機関が集まるこの地域は
GM:アメリカだけではなく、世界経済の中心と言って良い
GM:ウォール街の停滞は、そのまま世界経済の停滞を意味する。
GM:そのため、住民の殆どが避難した現在であっても、
GM:この区画に限っては、例外的に営業を継続している機関が数多くあった。
GM:しかし、それもここが戦場になるまでの話だ。
GM:《ワーディング》を感知した"テンペスト"の分遣隊は、ついに君達を捉え、戦闘が始まった。
クラウディア・ローデ:「あーあー、こんな所まで追いかけてきちゃって」
クラウディア・ローデ:「市民巻き添えも知ったこっちゃないって感じ。必死だね」
テンペスト兵:生気の感じられない立ち姿。君の挑発に何ら反応を示さず、包囲を狭めていく。
GM:君達は既に敵の正体を知っており、彼らに複雑な命令を下せる"トラッシュハンド"の姿はない。
ヨハン・モンタナ:「とはいえ……流石に手伝った方がいい?」
クラウディア・ローデ:くすりと笑いながら、一通りのなくなったオフィス街を走る。
クラウディア・ローデ:目指すのは、見通しの良い場所。追いかける編隊は規律正しく、機械的だ。誘い込むのは容易だった。
クラウディア・ローデ:「いや、大丈夫」
クラウディア・ローデ:取り囲まれた次の瞬間。機械兵たちの足元から一斉にケーブルが飛び出し、絡みつく。
テンペスト兵:「……ッ」反射的に飛び退こうとするが、完全に絡め取られ動きを封じられる。エフェクトで薙ぎ払おうとレネゲイドを励起させるが……
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの能力は、超出力な振動喚起。全力のままに振るえば敵味方の区別なく破壊を巻き起こすそれを、体内に仕込んだ鉄索を媒介して制御している。
クラウディア・ローデ:「もう終わってる」
カイ・スェネミー:「なら平和の象徴、鳩を出そうじゃないか。もっとも機械仕掛けなんだがね。実は私の手品は生物は出せないんだ」
クラウディア・ローデ:一斉に爆ぜ飛ぶ。自爆装置が作動したのか、クラウディアの能力によってそうなったのか、傍目には区別のつかないような最期だった。
ヨハン・モンタナ:「わぁ」ぱちぱちと拍手する。
テンペスト兵:四散する瞬間、一瞬垣間見えた兵士たちの素顔は、確かに朽ち果てた亡者のそれだった。
カイ・スェネミー:「実に見事。被害を出さない、なんとも上品な戦い方。惚れ惚れするね」
カイ・スェネミー:シルクハットの中から《万能器具》《形状変化》白い数羽の絡繰り鳩を飛ばす。
テンペスト兵:骨の一変まで燃え尽き、ただの灰となる。死者の軍団は今度こそ永遠の眠りについた。
クラウディア・ローデ:「そりゃね。守るために戦うのがお仕事だもの」
ヨハン・モンタナ:「──」砕け散る死者と、目が合った、気がした。
クラウディア・ローデ:少なくとも建前はね、と心のなかで付け足しつつ。
クラウディア・ローデ:「ああ。やっぱ生物だったね、これ」
クラウディア・ローデ:近付いて、焼け落ちた灰を漁り始める。
カイ・スェネミー:「まさにバタリオンと言う訳だ!おっと20年は早い言葉だったかな。忘れて構わない」
クラウディア・ローデ:目当てはドッグタグだ。初めて戦場に出た日から、可能な限りそれを拾うようにしている。
クラウディア・ローデ:……もっとも、己が何者かを示す証など、やはり彼らは持たされていない。
クラウディア・ローデ:ハンカチで手を拭きながら、つまらなさそうに溜息を吐く。
ヨハン・モンタナ:「平気なの……?」
クラウディア・ローデ:「なに、心配してくれてる?」面白いものを見たように笑う。
ヨハン・モンタナ:「……それもあるけど」少し言うべきか迷ったようにして。
ヨハン・モンタナ:「度胸があるなって」結局、オブラートに包んだ表現になった。彼女のそういう所は、ちょっと怖いなと思っている。
ヨハン・モンタナ:「何か手がかりは見つかった?」
クラウディア・ローデ:「そう、弱虫じゃないってこと。私的には褒め言葉だ」
クラウディア・ローデ:どこまで本気か分からない笑顔を浮かべつつ、首を振る。
クラウディア・ローデ:「なんにも」
ヨハン・モンタナ:「そっかぁ」
ニコラス・デイヴィス:「流石に情報統制が徹底してるね。」
ヨハン・モンタナ:生きている間も、死んでからも、その痕跡が認められることはない。
クラウディア・ローデ:「機械を直接弄るような能力者がいたら、違ったかもしれないけどねー」
ヨハン・モンタナ:この国でオーヴァードに生まれるというのは、そういう事なのだろう。
ヨハン・モンタナ:寒気がした。
カイ・スェネミー:「国家の最高機密だからね。自爆システムは最新だろう。そこに限っては間違いなく世界一さ」
クラウディア・ローデ:「私の系統(シンドローム)は近いっちゃ近いらしいけど。そういう繊細なの、向いてないしね」
ヨハン・モンタナ:「自爆が世界一なんて、お国自慢にするには恥ずかしいなあ」
ヨハン・モンタナ:目を伏せてへにゃりと笑う。
ニコラス・デイヴィス:「ああ、全くだ」
背の高い男:「その通り。20年間、この国は厚顔無恥を重ねすぎた」
ニコラス・デイヴィス:だから、変えなければならない。言葉にはしないがそう続くように言い切る
背の高い男:君達の背後から、低い声がかかる
クラウディア・ローデ:「あら、どちらさま?」
カイ・スェネミー:「おや、新聞でよく見る顔だ」
ヨハン・モンタナ:「わっ……」振り返る。
ヨハン・モンタナ:「あなたは」どことなく見覚えが──
背の高い男:長身の黒人男性、黒のビジネススーツに身を包み黒縁の眼鏡をかけた姿は
ヨハン・モンタナ:ある、気がする。
ニコラス・デイヴィス:「すまないね。君に出向かせる形になってしまって」
背の高い男:このウォール街で働くバンカーにもよく見られる格好だ。しかし、醸し出す獰猛な雰囲気は隠せていない。
背の高い男:「構わないさ。会えて良かった。同士ニコラス」
背の高い男:「そしてはじめまして、オーヴァード諸君。私の名は"マルコムX"」
ヨハン・モンタナ:「はじめまして……」
カイ・スェネミー:「お初にお目にかかる。私は超越者ではなく手品師で通っていますがね」
"マルコムX":「ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイスの首魁。まあ、しがない君達のいちファン、とでも思ってくれ」
『”マルコムX”』(自動開放)
ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイスの創始者。本名、マルコム・リトル。
しなやかな長身の黒人男性。オーヴァード解放を声高に叫ぶ危険人物として名が知られている。
若い頃に罪を犯して服役した際、収監中の”ファントム”と交流を持った。
苛烈な理想主義者。オーヴァードを支配階級とする新たな国家体制の樹立を画策している。

クラウディア・ローデ:「ああ……そう、貴方がそうなんだ」人の顔を覚えるのはあまり得意でない。そういえばこんな男だったな、と思っている。
"マルコムX":「とは言え、少々時間がかかったな。寄り道が多かったと見える」
"マルコムX":「さて、君が"ファントム"を継いだ少年か」ヨハンを一瞥して
ヨハン・モンタナ:思い出す。重なる。アメリカを憎んでいると言っていた、彼だ。
ヨハン・モンタナ:「うん……そうだよ」
"マルコムX":「ならば聞こう」
"マルコムX":「君は、その力で何を求める」
ヨハン・モンタナ:ニコラスの同士であるのだという。オーヴァードの権利を守るために活動している。
ヨハン・モンタナ:ごくり、と生唾を飲んだ。
ヨハン・モンタナ:「……これは不正解かもしれないけれど」
ニコラス・デイヴィス:二人の問答を見守っている
ヨハン・モンタナ:コンスタンティンを一瞥した。
ヨハン・モンタナ:「生きることだよ」
コンスタンティン:「……」
ヨハン・モンタナ:「ただ呼吸をして、寝て起きるだけじゃなくて」
ヨハン・モンタナ:「……ちゃんとやってみたいんだ。人生ってやつを」
"マルコムX":「……ふむ、そうか」
"マルコムX":猛禽のような眼光で、ヨハンを睨めつける
"マルコムX":「……」
ヨハン・モンタナ:冷や汗が流れる。
ヨハン・モンタナ:人生の目的を見つけていない、言い訳のような気がした。
ヨハン・モンタナ:今、僕の周りに立っている全ての人のようになれていない、言い訳のような。
"マルコムX":「実に若者らしい、主体性も具体性もない目標だな」
ニコラス・デイヴィス
"マルコムX":「だが……」
クラウディア・ローデ:「別に怯えることないって」《彼方からの声》。ヨハンにだけ聞こえる声で囁く。
クラウディア・ローデ:「それが君の答えだって言うなら、堂々としてなよ」
ヨハン・モンタナ:(ありがとう。でも、僕はこの人に怯えているんじゃないよ)
"マルコムX":「前を向く気概があるだけ、あの男よりは幾分上等か」
ヨハン・モンタナ:(今はあなたたちの期待を裏切るのが、怖い。こんな騒動の中心になって、自分がくだらないやつだと定まってしまうのが恐ろしいんだ)
"マルコムX":「怖がらせてすまなかった。子供の相手は慣れていなくてね」
ヨハン・モンタナ:「ううん」気にしてない、と返し、続ける。「"ファントム"のことだよね」
"マルコムX":「ああ。若い頃、私は彼と話したことが合ってね」
"マルコムX":「ほんの数ヶ月だったが、私の人生を決定づけるには十分な時間だった」
"マルコムX":「……彼は自らの罪の清算を過去に求めた」
"マルコムX":「自らを貶めることで、その贖いとしようとした」
ヨハン・モンタナ:「厄介なやつだよ」
"マルコムX":「私はそれがどうにも許せなくてね。違う道を用意してやると啖呵を切って別れた」
ヨハン・モンタナ:「自分を卑下するのに、他のオーヴァードまで巻き込むんだから」
ヨハン・モンタナ:かりかりと頭を掻く。共通の友人についての話題のように、ごく自然に、軽い口調が出た。
"マルコムX":「結局、彼の終わりには間に合わなかったが……こうして君が現れた」
クラウディア・ローデ:「陰気過ぎるっていうのは同感かな。けど、違う道って?」
カイ・スェネミー:「ははは。教会とは真逆の道かな?」
"マルコムX":「真逆か……それはどうだろうな」
"マルコムX":「……ヨハンくん」
ヨハン・モンタナ:「うん。何?」
"マルコムX":「君を"ファントム"の後継者と見込んで、頼みがある」
"マルコムX":「この国の王にならないか」
ヨハン・モンタナ:ああ、そういえば、瀕死のファントムを救うはずのロレム・イプサムが僕を助けてしまったから、やはり僕がファントムの後継者なのか。へー…………
ヨハン・モンタナ:「は!?」
ヨハン・モンタナ:「あ、すいません。何?」
クラウディア・ローデ:「王様にしてやるってさ」
ニコラス・デイヴィス:「飛ばしていくねえ」
ヨハン・モンタナ:「聞き間違いじゃなかったか……!」
クラウディア・ローデ:「びっくり。カイくん以上に胡散臭い事を言う人、初めて見たかも」
"マルコムX":「そう、王だ。別に王政に拘るつもりはないがね」
カイ・スェネミー:「人生の密度が濃くなってきたねフロイライン。実に喜ばしい。胡乱さは友人としては最高だ、殺伐とした世情では潤いになるからね」
"マルコムX":「大統領でもなんでも良い。重要なのは、オーヴァードが指導者となることだ」
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードの権利を尊ぶ、というところまでは教会と同じだけれど──」
ヨハン・モンタナ:「手段が『そう』なんだ」
ヨハン・モンタナ:「……」
ヨハン・モンタナ:「確かにこんな国、一回ぶっ壊れた方がいいのかも」
"マルコムX":「ただ平等にするだけでは不十分だ。すべてを水に流すには、我々は遺恨を重ねすぎた」
クラウディア・ローデ:「お、随分”悪い子”が板についてきたね。君」
ヨハン・モンタナ:「やりたいとは言ってないよ、王様なんて」
ヨハン・モンタナ:「……でも」
クラウディア・ローデ:「そう?私だったらやってみたいけど……いや、やっぱりいいかな。いろいろ窮屈そうだし」勝手なことを言っている。
カイ・スェネミー:「王様になれば、君が救い上げたい人間を掬いあげることは出来るだろうしね。魅力的な提案だと私も思う、一考の余地はある」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"の記憶は、悲しいことと辛いことばかりだったよ」
"マルコムX":「それも、彼の選択の結果だ。私は檻の中の彼しか知らないがね」
ヨハン・モンタナ:実感してしまった。ただ話を聞くより、ある面ではずっと強く。
ヨハン・モンタナ:「弔いをしてやりたいと思うのは、普通のことじゃないか」
"マルコムX":「……ふむ、前向きに考えてくれている。と受け取っていいだろうか」
ヨハン・モンタナ:「そうだね。上手く行ったら逃げ隠れしなくてよくなるかもしれないし」
ヨハン・モンタナ:「家族にも会える」
クラウディア・ローデ:「……」
クラウディア・ローデ:「ね。一個、気になってるんだけど。いい?」小さく手を挙げる。
"マルコムX":「何かな?」
クラウディア・ローデ:「この国のオーヴァードなら他にもいるよね」カイさんとニコラスさんを見て。「少なくとも、ここにも二人」
クラウディア・ローデ:「貴方が、この子がトップに相応しいと思う理由ってなんなの?」
ヨハン・モンタナ:「そんなもの、あるわけないじゃないか」
ヨハン・モンタナ:「彼が"ファントム"の友達だからだよ。相応しいからじゃない」
クラウディア・ローデ:「ふうん。そう思ってるのに、君はそれでいいんだ」
クラウディア・ローデ:「君の中にいる"ファントム"だけが理由で、君自身のことは見てない、なんて。私だったらムカつくけど」
ヨハン・モンタナ:「それは……」
クラウディア・ローデ:「そうやって進んだ先に、君自身の人生なんてものはあるのかな?」ちゃんとした人生をやってみたい、と口にした。少年の言葉を思い出しながら言う。
"マルコムX":「確かに、私は彼とたった今会ったばかりだ。彼自身の資質を推し量ることなどできはしない」
"マルコムX":「だが、彼が相応しい資質を備える手助けはできる。重要なのは意思のあるなしだけだ」
"マルコムX":「私はキングとは違う。君を子ども扱いはしない」
"マルコムX":「この国の王になるのなら、革命の先頭に立って、自らの資格を示さなければならない」
ヨハン・モンタナ:「……なんだか、言葉にしないほうが良いことを口に出してしまいそうだけれど」
ヨハン・モンタナ:「──いいか」息を吸う。
ニコラス・デイヴィス:「僕は、君たちよりほんの少し歴史に造詣が深いのだけど」
ヨハン・モンタナ:意を決して何かを言いかけたが、これまで沈黙していたニコラスが何を語るのか気になった。
ニコラス・デイヴィス:「人類の歴史の中で、王様になりたくて王様になった人間なんかごく僅かだよ」
ニコラス・デイヴィス:「その殆どが、周囲の状況に押されて、或いは自身の為すべきことに王になることが必要だったから、そうなってしまっただけだ。」
ニコラス・デイヴィス:「だから」
ニコラス・デイヴィス:「自分の人生をちゃんと歩んでみたいと望む君が」
ニコラス・デイヴィス:「偶然開かれた王への道を歩むことを決意するというのなら」
ニコラス・デイヴィス:「それが何よりも重要な素質だと思う。僕たちが補佐する理由としては十分すぎるほどにね」
ヨハン・モンタナ:「……ニコラスさん」
ヨハン・モンタナ:「ありがとう、ちょっと冷静になる」
ニコラス・デイヴィス:「どういたしまして」
ヨハン・モンタナ:「"マルコムX"、返答は今すぐでなくてもいいのかな」
"マルコムX":「もちろんだ」
"マルコムX":「どの道、マンハッタンを脱出しないことには何も始まらない」
"マルコムX":「我々はその手段を有しているが……何分、融通が効かなくてね」
"マルコムX":「定刻通りにしか発車しない。もしその気があるのなら、この場所に来てくれ」
"マルコムX":君達に地図の書かれたファイルを渡す。
ヨハン・モンタナ:「受け取るよ」
【脱出ルート:ニューヨーク地下鉄廃路線 INF亡霊急行】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイス所属となる。

ヨハン・モンタナ:そう言って、ファイルをかばんに仕舞う。
"マルコムX":「それと、君は教会の人間だったな」カイさんに目を向ける
カイ・スェネミー:「そのようになっているよ、マルコム。我らがリーダーに伝言かな?」
"マルコムX":「ああ、よろしく伝えてくれ」
"マルコムX":「私と彼は、ある協定を交わしている」
"マルコムX":「"お互いにお互いの計画を邪魔しないこと"。我々の計画は、十分に併存できると考えている」
"マルコムX":「そしてもう一つは」
"マルコムX":「"どちらかが失敗したら、それを最大限利用する"こと」
"マルコムX":「健闘を祈る。互いにな」
カイ・スェネミー:「すべてのオーヴァードに、神の祝福を」
カイ・スェネミー:「彼に言わせれば、こうなるな」
カイ・スェネミー:笑って手を上げる。
"マルコムX":口元だけ笑う。踵を返して立ち去り、ビルの合間へと消えていった。
カイ・スェネミー:「さて、ニコラス。そちらの計画とはなんだい?」
クラウディア・ローデ:「言っていいやつなの? それ。まあ今更か」
ニコラス・デイヴィス:「もう少し腹芸とかしてくれない?」
カイ・スェネミー:「腹話術は苦手なんだ。あれは自分の技術がいるからね」
カイ・スェネミー:「まあ、協定有りの共存関係と言ってたし、良いだろ」
ヨハン・モンタナ:「そうだね。聞きたいかも」
ニコラス・デイヴィス:「まあね。だが、そのことは君も知っていると思ったんだけどな」
ニコラス・デイヴィス:「口走っていたじゃないか。大統領の暗殺について」
カイ・スェネミー:「ははぁ!そうか。やるんだな。そこは歴史の修正力が強いイベントらしい」
ヨハン・モンタナ:「暗殺!?」叫んでから口を押さえる。
ヨハン・モンタナ:「そうだよな、革命だもんな……」
クラウディア・ローデ:「まあ、本気で新しい支配者を担ぐ気なら、それくらいはするよね」
ニコラス・デイヴィス:「野蛮な手段ではあるけれどね」
カイ・スェネミー:「深淵なる知識の世界で起こる事件が、こちらでも行われる。『1963年、大統領暗殺』これは、人類史にとって重要なイベントなのだろうな」
ニコラス・デイヴィス:「野蛮であるがゆえに、僕たちの本気を市井にアピール出来る。」
ヨハン・モンタナ:「……よかった。ニコラスさんはそう思ってるんだ」
ヨハン・モンタナ:「と、やる気は満々なんだね……」
ニコラス・デイヴィス:「軽蔑したかい?」
クラウディア・ローデ:「一応聞くだけ聞いてみるけど、そっちは成功してるの?」カイさんに。
ヨハン・モンタナ:「それを聞いても軽蔑しなくなるまで待ってたんでしょ? 思ったよりいい性格してるっていうか……」
カイ・スェネミー:「ああ。しかも、米国史上最大のミステリーになっている。なにせ、決定的な主犯が謎だからね」
ヨハン・モンタナ:「しっかし……。ここが符号するってことは、カイさんは本当に異世界の知識を持ってるんだね」
クラウディア・ローデ:「ちょっとだけ宛にしてみてもいいかなと思ったけど、こうやってまた一気に胡散臭くなるんだもんな」
ニコラス・デイヴィス:「なら僕たちとは目的が異なるね。」
ヨハン・モンタナ:「オーヴァードが居ないんだもんね、そっちのアメリカには」
カイ・スェネミー:「その時代はね。オーヴァードが生まれるのは、2000年代に入ってからだ」
ヨハン・モンタナ:「へへ、覚えてたよ。案外聞き流してないなって思ったでしょ」
カイ・スェネミー:「興味を持っていてくれたようで、私にとっては喜ばしい」
カイ・スェネミー:「そして、こちらとは確かに趣が違う。こちらはクーデターの起点だろうからね」
クラウディア・ローデ:「本当にね。君、今日一日で色んなもの詰め込み過ぎじゃない?」
クラウディア・ローデ:「ファントムの人生に、オーヴァードの基本のこと。胡散臭い異世界話、暗殺マフィアの経営論に、革命家の理想トーク」指折り数えていく。
ヨハン・モンタナ:「考えなくて良いことだから逆に覚えちゃってる。宿題ができてなくて部屋を掃除しちゃう時みたいな感じ」
ニコラス・デイヴィス:「最悪な職業体験だね」
ヨハン・モンタナ:「うん、そうでもないよ」
ヨハン・モンタナ:肯定しようとして、やめる。
ヨハン・モンタナ:生きてここに居るのは自分が望んだことだからだ。これまでの人生でも、さして多くはない。
ヨハン・モンタナ:「早く一人前にならないと、コンスタンティンも安心できないからね」
【幕間:ヨハン&ニコラス】
GM:およそ半日もの間、君達はマンハッタン中を駆けずり回った。
GM:徘徊していた"テンペスト"や暴徒たちも、幾分か姿を減らしている。
GM:ようやく訪れた束の間の休息。君達は思い思いの時を過ごした。
ヨハン・モンタナ:しゅーー、という音が響く。
ヨハン・モンタナ:路地裏の壁に、荒らされたホームセンターからくすねてきたスプレーを吹き付けているのだ。
ヨハン・モンタナ:「一度もやったことなかったんだけど、これ、難しいね」
ニコラス・デイヴィス:「そうなのか」
ヨハン・モンタナ:手を止めぬまま、ニコラスさんに話しかける。
ニコラス・デイヴィス:「僕にはすらすらと描いてるように見えたけど」
ヨハン・モンタナ:「ペンと違って筆跡に表情があんまり出ない。絵を描くためのものじゃないしね」
ヨハン・モンタナ:「ニコラスさんはさ」
ニコラス・デイヴィス:「なるほどね。絵の心得があるからそう見えたんだ……なんだい?」
ヨハン・モンタナ:「難しい話するなーって思ってたんだ。何となくだけど」
ヨハン・モンタナ:「3人の中で、さっ」缶を転がして、別のスプレーを手に取る。
ニコラス・デイヴィス:「それは、申し訳ないね。」
ニコラス・デイヴィス:「普段、子供と接することがあまりないから」
ヨハン・モンタナ:「そう? 慣れてるって思っちゃった」
ヨハン・モンタナ:「すごく親身になってくれて……僕の立場に寄り添って」
ヨハン・モンタナ:「こうしろ、って言わないんだ。ただ教えてくれる」
ニコラス・デイヴィス:「そう感じてくれるならよかった。気を使った甲斐があったよ。」
ニコラス・デイヴィス:やわらかく微笑む
ヨハン・モンタナ:「大人の話、差別の話、いやな話──」
ヨハン・モンタナ:「そういうのを知らないと、今はまずいんだって」
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。」
ニコラス・デイヴィス:「昔は僕たちが知るすべがなかった話も、今は容易に入手が出来るようになった。」
ニコラス・デイヴィス:「勿論、それを知ろうとしない自由もあるけど、知った上で選択するということは価値のあることだと思うよ」
ヨハン・モンタナ:「そうする理由もさっきちょっと得心がいったっていうか」
ニコラス・デイヴィス:「例えば、さっきの弾丸の話だけれど」
ニコラス・デイヴィス:「ダムダム弾って、知ってるかな?」
ヨハン・モンタナ:「仲間にするなら、知った上でないと意味がないから……もちろん単に優しいのもあるだろうけれど」
ヨハン・モンタナ:「知らない。どういうもの?」
ニコラス・デイヴィス:「19世紀に流行った銃弾の一種でね。」
ニコラス・デイヴィス:「柔らかい材質で出来ていて、人体に着弾すると、傘のように弾丸が開いていくんだ」
ヨハン・モンタナ:「イメージするのが難しいな……」
ニコラス・デイヴィス:「そしてその分だけ、人体に与える傷が深くなる。」
ニコラス・デイヴィス:「それがあまりに非人道的だということで、1907年のハーグ会議で国際的に使用禁止が定められたんだよ」
ヨハン・モンタナ:「深く……ああ、貫通しないんだ」
ニコラス・デイヴィス:「人類にはこういう非人道的な武器を禁止する理性があるのに」
ニコラス・デイヴィス:「この国では、オーヴァードに対してダムダム弾以上の驚異となる武器が当然のように市販されている。」
ヨハン・モンタナ:「確かに変」
ニコラス・デイヴィス:「まるで、殺虫剤が殺鼠剤を販売するように。国がオーヴァードを殺すことを推奨しているんだよ。」
ニコラス・デイヴィス:そこまで言って、一つ息をつく
ニコラス・デイヴィス:「ふふ、こう言うと、オーヴァードが強く迫害されているように感じるだろ?」
ヨハン・モンタナ:「事実じゃん」
ヨハン・モンタナ:スプレー缶をカタカタと振る。
ヨハン・モンタナ:「でも、オーヴァードも簡単に」
ヨハン・モンタナ:「本当に簡単に、人を殺せる────」
ニコラス・デイヴィス:こくり、と頷く
ニコラス・デイヴィス:「そう、君は今それを強く実感している。」
ニコラス・デイヴィス:「けれど。」
ニコラス・デイヴィス:「殺せるということ。それを実行に移すことは別だということも、君は感じているだろう?」
ヨハン・モンタナ:「うん」
ヨハン・モンタナ:「あなたは、どう」
ヨハン・モンタナ:「僕が人を殺せるようになったら、寂しいかな」
ニコラス・デイヴィス:「そうだね。」
ヨハン・モンタナ:「そっか」
ヨハン・モンタナ:スプレーの音が止まる。
ニコラス・デイヴィス:「お、完成かい?」
ヨハン・モンタナ:描かれているグラフィティは、死者の山だ。
ヨハン・モンタナ:狂乱し、喰らい合う、人とは思えぬ形相の。
ヨハン・モンタナ:「行こう」
ニコラス・デイヴィス:「いい絵だね。とは気軽には言えないかな。」
ニコラス・デイヴィス:そう言って、ヨハンくんに応じるように立ち上がる
ヨハン・モンタナ:「死後評価されるかも」
ヨハン・モンタナ:昏い眼差しのまま、踵を返した。
ニコラス・デイヴィス:「さっきの質問の答えだけど」「ちょっと訂正するよ」
ニコラス・デイヴィス:「君次第だ」
ニコラス・デイヴィス:「人を殺して、何かも感じなくなってしまった君を見るのは、きっと寂しいと思う。」
ニコラス・デイヴィス:「けど、この絵と向き合っていた時の君のように。」
ニコラス・デイヴィス:「それを、辛く苦しいことだと受け止めて続けてくれるのなら」
ニコラス・デイヴィス:「そんな君を支えたいし、守りたいと思うよ」
ニコラス・デイヴィス:「僕の王としてね。」
ヨハン・モンタナ:「ふふ。ありがと」
【幕間:クラウディア&カイ】
カイ・スェネミー:「結局、疑問なのだがね。良いかい?」
クラウディア・ローデ:「ん、疑問って?」
カイ・スェネミー:ウォール街。高層ビルの屋上、街を見下ろし外套をはためかせながら声をかけた。
クラウディア・ローデ:人気のない高層ビルの屋上。手すりに背を預けながら、カイの方を振り返る。長く伸ばしたブロンドヘアが風になびく。
カイ・スェネミー:オーヴァードでなければ転落したら死亡する程の高さであるが、その眺めはマンハッタン一だろう。
カイ・スェネミー:「ファントムに対して優しいと思ってね。私は君の所属を考えたら、彼を軍属にするのだと思っていた」
カイ・スェネミー:「だが、君の態度は 弟を気遣う様に、彼の意思を尊重しているじゃないか」
クラウディア・ローデ:「別に、うちとしては彼の持ってる情報が目当てだったしね。そりゃあ……戦力としても、引き込めるなら申し分はないけど」
クラウディア・ローデ:「でも。強引に言うことを聞かせようとする大人ほど、嫌なものってないでしょ?」
クラウディア・ローデ:「だったら、真っ当に彼と向き合ったほうがまだ見込みがあると思うだけ。……それとも、他にいいやり方があるって?」
カイ・スェネミー:「ははは。それはそうだ。そう言う嫌な大人にあってきたのかい?……そうだな、私がファントムだったら」
カイ・スェネミー:「君と恋人になれる。というなら着いて行ってしまうかもしれないな」
カイ・スェネミー:「やり方としては甘い蜜と言うのは古典的だとは思うがね。古典は優れているからこそ古典になり得るという話だ」
クラウディア・ローデ:「あはっ、本当? 試してみようかな」
カイ・スェネミー:「ファントムなら狼狽してくれるだろうね。見ものだ。是非、写真撮影したいものだよ」
クラウディア・ローデ:「趣味悪いの」けらけらと笑う。
カイ・スェネミー:「彼は人の好意を無下にできないからね。確かな手だよ。それに、君がそういうことをしようと言うなら、なんとなく冗談ではやらないとも思うよ」
クラウディア・ローデ:「ずいぶん分かった風に言うね。自分のことを言ってるみたい」
クラウディア・ローデ:「もしかして、いるの? 貴方の好きな娘、そっちの教会に」
クラウディア・ローデ:要は、女目当てで組織に入ったの?などと、ずいぶん失礼な事を訊ねている。
カイ・スェネミー:「私は美しい人は誰であっても好きだよ。そうだな、好意を武器にしないような正しくあろうとする人間は特にね」
カイ・スェネミー:「そういう意味では、教会は私の好む人間達が多い訳だ。パプテスマも含めて」
クラウディア・ローデ:「あはは、カイくんもそんな優等生みたいなこと言うんだ」
クラウディア・ローデ:「でも、そうだよね。自分の好意を打算で利用しようとするやつなんて、気に食わないでしょ」
カイ・スェネミー:「君は工作員には向かないな。私にとっては喜ばしいが」
カイ・スェネミー:「君も好意や善意を武器に使うような人間ではない。だから、ファントムが君の傍にいると言うなら特に反対はしないとも」
カイ・スェネミー:「その時はよろしく面倒を見て欲しい」
クラウディア・ローデ:「なにそれ。善良すぎるって言ってる?」ちょっと不服そうに。
カイ・スェネミー:「私の人間観察に照らし合わせれば、そういう事になる」
カイ・スェネミー:「君はそうだな。優等生だと思うよ。気位が高く清冽だ。少なくとも我々に対してはそう見せている」
カイ・スェネミー:「別の顔があると言うのなら、是非、見てみたいな、後学の為に」
クラウディア・ローデ:「なんかなー。別に、悪いことだってやる時はやるよ。今はそれが悪手だってだけで」
クラウディア・ローデ:「この街じゃ、バカな男を色香で引っ掛けて話を引き出してた時期の方が長いし」
カイ・スェネミー:「やる必要がないのなら、悪事には手を染めない。と言うのは、優等生では?」からかうように笑う。
カイ・スェネミー:「引っ掛けたらよかったのに。私は引っかかる自信があった」
クラウディア・ローデ:「こっちじゃ部隊一の不良で通ってるんだけどなー。そっちの基準がゆるすぎるんじゃない?」
カイ・スェネミー:指を複雑の動かす。《万能器具》造花の赤い薔薇が手の中に現れる。
カイ・スェネミー:「ははは。こちらは健全な宗教団体だからね。そう、軍隊じゃないんだ。どうぞ」
クラウディア・ローデ:「うそ。正しくあろうとする人が好きって言ってたくせに」
クラウディア・ローデ:棘のある言葉を吐きながらも、満更ではない様子で花を受け取る。
カイ・スェネミー:「正しくないと思ってるなら。懺悔を聞くよ。これでも教会員だからね。手品師も牧師の真似事をしようじゃないか」
カイ・スェネミー:まったく、自分に都合が良い。しかし、この逃避行の中で、美しい花を見つけたら、この程度口も軽くなろうと言うものだ。
クラウディア・ローデ:「私はただ、自分で自分を好きでいられるように生きていて」
クラウディア・ローデ:「それがたまたま、正しいことのように見えたりするだけ。……まあ」
クラウディア・ローデ:「それが綺麗だって言われるのは、悪い気はしないけどね」
クラウディア・ローデ:はにかむように笑って、胸のポケットに造花を挿し込んだ。
【幕間:ヨハン&カイ】
ヨハン・モンタナ:キイキイと、公園の遊具に腰掛けて黄昏れている。
ヨハン・モンタナ:「あ、マジシャンだ」
カイ・スェネミー:「ファントムお疲れかな?トランプショーでも見ていくかい?もっとも最悪に苦手な分野なのだが」
カイ・スェネミー:言ってシルクハットから各国の旗を次々と出していき。
ヨハン・モンタナ:「トランプが苦手な手品師なんているの!?」
カイ・スェネミー:「そう。実は私は手品師ではあるがね。これはすべてオーヴァード能力なんだ」
ヨハン・モンタナ:「おお~すごい…………えっ。インチキでしょ」軽くショック。
ヨハン・モンタナ:「なんで臆面もなく手品師を名乗れてるの」
カイ・スェネミー:「そうだな。君が奇しくも言ったじゃないか」
カイ・スェネミー:「私は生きたいんだ。この国でね。つまり私の力はオーヴァードのソレではなく、手品だ」
カイ・スェネミー:「と言う事にしているわけだ」
ヨハン・モンタナ:「ああ、そういう……」
ヨハン・モンタナ:「絶対にタネが見破れないからね……もしかして結構有名だったり?」
ヨハン・モンタナ:「世紀のマジシャン、カイ・スェネミー! みたいな」
カイ・スェネミー:「ファントムは私の顔を知っていたかい?つまり、残念ながらそう言う事ではあるが!」
カイ・スェネミー:「それは仲間が止めているからでね!」
ヨハン・モンタナ:小さく舌を出す。「僕が無知なだけなら申し訳ないなって。でも、そうか」
カイ・スェネミー:「だが、この世の手品の種はすべて知っているぞ。まあ、これも私のエフェクト能力なのだが」
ヨハン・モンタナ:「──でも、別にやりたくないのにやってる感じじゃないよね、手品のまねごと」
ヨハン・モンタナ:軽くため息をつく。
カイ・スェネミー:「そうだ。好きでやっている。楽しいからね。……私は、まあ、身の上話聞くかい?」
ヨハン・モンタナ:「絶対聞く」
ヨハン・モンタナ:身を乗り出して食いつく。
カイ・スェネミー:「ははは。興味津々だな。では男が夢とか過去を語るのは、口説いてる時だけと言うポリシーをでは崩すがね」
カイ・スェネミー:「私も君と同じだったんだ。逃亡者だ」
ヨハン・モンタナ:「へー、でも似合うよ。スペクタクルな感じだ」
ヨハン・モンタナ:「そう、さっきもクラウディアさんを口説いてたんでしょ? 大人~」
ヨハン・モンタナ:「あ、続けてください」
カイ・スェネミー:「ふっ、そのように見られてるなら逃げた甲斐もあるな」
カイ・スェネミー:「ま、私は故郷から逃げた。実は私はニホン人でね。兵隊になるハズだった」
ヨハン・モンタナ:「ええっ!?」
ヨハン・モンタナ:「全然見えない……」
ヨハン・モンタナ:「でも言われてみればちょっと……英語にクセが……ええっ!?」
カイ・スェネミー:「だが、単純な話。人を殺すとか傷つけるのは嫌いだった。せっかくの能力は人を喜ばせることに使いたかったんだ」
ヨハン・モンタナ:「ふふ。それはとってもらしいや」
カイ・スェネミー:「殺せる力には割合に秀でてはいるのだがね。うん、だから失礼な話だが」
カイ・スェネミー:「君をあの時の私に重ねているのかもな」
ヨハン・モンタナ:「それは──」
ヨハン・モンタナ:「あなたみたいになれたらって思うよ。だって、見るからに人生楽しんでそうだし?」
ヨハン・モンタナ:「気取ったディナーも食べてるし、ナンパするし!」
カイ・スェネミー:「ははは。楽しくはある。君だって、これからすると良い」
ヨハン・モンタナ:「……未来に、押しつぶされてないし」
カイ・スェネミー:「目の前に美人もいる事だしね。まずは練習したらどうだい?」
カイ・スェネミー:「うん。逃げ続けてきたからね。あぁファントム。逃げるのは恥ずかしい事じゃあないんだ。それは覚えておきたまえ」
ヨハン・モンタナ:「はは……クラウディアさんは綺麗すぎて、練習としてはハードルが高いかな」
ヨハン・モンタナ:「恥ずかしいことじゃない。それはどうして?」
ヨハン・モンタナ:目の前の人物が、過去を恥じていないのは何となく伝わってくる。
カイ・スェネミー:「君には避けられない何かを大きく捉えているが、それは別に立ち向かう必要もなく逃げても良いんだ」
カイ・スェネミー:「自分の命や生き方より大切な物はそうはないからね。そして、そのように生きてる私は 今、幸せだからだ」
ヨハン・モンタナ:「おお……」
カイ・スェネミー:「気が楽になったかい?」
ヨハン・モンタナ:「ちょっと、そうみたいだ。魔法でも使った?」
カイ・スェネミー:「それは、知っているだろう?何時も使っている」
カイ・スェネミー:と胡散臭い程爽やかに笑う。
カイ・スェネミー:「ああ。私は自分の正しさを証明する為に、君に力を貸すとも」
ヨハン・モンタナ:「僕が自分で言ったんだもんね」
ヨハン・モンタナ:「たまたま助かっただけの一般市民だって」
ヨハン・モンタナ:「うん、ありがとう」
カイ・スェネミー:「では、そうだな。とっておきの魔法を君の前で使おう」
ヨハン・モンタナ:「とっておき? それは期待しなきゃ」
カイ・スェネミー:「私は全ての手品の種を能力で知った訳だが、実は本当に全知なんだ」
カイ・スェネミー:「ファントムが立ち向かうべき敵について、カンニングしてしまおう」
ヨハン・モンタナ:「え~~? 分かるかなあ、そんなもの」
カイ・スェネミー:片目を瞑る。
ヨハン・モンタナ:「…………それってさ」
ヨハン・モンタナ:「かなり真面目な話?」
カイ・スェネミー:「いや。現実的なお話だ」
ヨハン・モンタナ:声のトーンが真剣味を帯びる。
カイ・スェネミー:《インスピレーション》ファントムベインについて。
カイ・スェネミー:《万能器具》ノートと万年筆を作り出し、凄い勢いでペンを走らせていく。
カイ・スェネミー:『ファントムベイン』
カイ・スェネミー:"Phantom Bane"
解体された第100歩兵大隊を極秘裏に再編成した特殊部隊。
公式記録上は存在しない秘匿部隊であり、全員がオーヴァードで構成されている。
現在の所属メンバーに人種的な偏りは無く、オーヴァードになる前の出自も様々。
通常戦力では手に負えない戦場、事件に所属不明部隊(アンノウン)として乱入、事態を収拾し、
一切の栄光も称賛も得ること無く立ち去る。陸軍所属ではあるが、軍の指揮系統からは
完全に独立しており、大統領直轄でのみ運用されるアメリカの切り札。
過去に発生した四つの超人災害は米軍の総力を挙げて封じ込めたと喧伝されているが、
実際はすべて彼らによって鎮圧されている。
その活動には、大統領より更に上の権力の存在が見え隠れしている。

ヨハン・モンタナ:「『ARPAの書』じゃない──」
カイ・スェネミー:書き上げたものをファントムに手渡す。
ヨハン・モンタナ:瞠目する、どうも出鱈目のたぐいではない。
ヨハン・モンタナ:受け取って目を通す。
ヨハン・モンタナ:「"テンペスト"を隠れ蓑にして」
ヨハン・モンタナ:「さらに深く──」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"が居たのは、ここだったんだ」
カイ・スェネミー:「正に合衆国の闇と言う事だね」
カイ・スェネミー:「大統領より上の存在と言うのはさっぱりだが!」
ヨハン・モンタナ:「え、あ。本当だ、そんなこと書いてある!」
カイ・スェネミー:「だが私の書くことだ。間違いなく真実だぞ!」
ヨハン・モンタナ:「そうなんだろうけど!」
ヨハン・モンタナ:「アメリカ、嘘ばっかりじゃないか! 陰謀論者になっちゃうよ~~」
ヨハン・モンタナ:頭を抱える。
カイ・スェネミー:「ははは。我が宇宙友愛教会は何時でも入会を希望するとも」
カイ・スェネミー:こちらは笑う。そして隣のブランコに腰かけ。
カイ・スェネミー:「君がどのような道に進もうとも、正しくあろうとし、隣人を守ろうとするならば、私は味方だとも」
カイ・スェネミー:「たとえ大統領以上が相手だとしてもね。覚えておきたまえ」
ヨハン・モンタナ:「簡単に言うけどさ」
ヨハン・モンタナ:「知ってるよ」
ヨハン・モンタナ:「本当に大事な問いかけって、簡単に終わっちゃうんだ」
カイ・スェネミー:「友人同士の会話と言うのは、そういう物だろう」
ヨハン・モンタナ:ぽつぽつと呟いて、天を仰ぐ。
ヨハン・モンタナ:「やっぱり? 僕たち友達ってことでいいんだ」
ヨハン・モンタナ:にんまりと微笑んで、カイさんを振り返る。
カイ・スェネミー:「勿論」
カイ・スェネミー:「私が嘘をついたことがあったかな?」
ヨハン・モンタナ:「それで格好良く決めたいのなら、ウソみたいなことばっかり言わないで」
ヨハン・モンタナ:「なんてね」
【幕間:クラウディア&ニコラス】
ニコラス・デイヴィス:「やあ、奇遇だね」
ニコラス・デイヴィス:「もっとも、奇遇と言えるほど選択肢があったわけじゃないけれど」
ニコラス・デイヴィス:装備の調達のために入った店舗で出会った同行者に声をかける
クラウディア・ローデ:「そうよね。いくらこの国がオーヴァードに恐怖する銃社会と言っても、この辺りにガンショップなんてそうないし」
クラウディア・ローデ:「……おまけに、この有様だし」ハンター達がひどく荒らし回ったのだろう店内を見渡す。
ニコラス・デイヴィス:「包囲も狭まっていることだしね」
ニコラス・デイヴィス:「全く、君がいなかったらと思うとゾッとするよ。」
ニコラス・デイヴィス:「ドイツ陸軍のオーヴァードというのは、みんな君のように強いのかな」
クラウディア・ローデ:「ふふ。まあ、私は天才だからねえ」
ニコラス・デイヴィス:「あ、今のは別に内偵的に君たちの戦力と探ろうとしたわけではないよ」
クラウディア・ローデ:「単純な戦闘力で言えば、隊の誰にも負ける気はしないかなー」
ニコラス・デイヴィス:「純粋な賛辞と受け取ってもらえれば、そう受け取ってもらえたみたい、よかった。」
クラウディア・ローデ:「あはは、分かってるって。私も馬鹿正直な事は答えないし」
クラウディア・ローデ:「貴方に向けてこと、みーんな嘘かもしれない」
クラウディア・ローデ:「そういうことにしときましょ」
ニコラス・デイヴィス:「ははは、そうだね。」
クラウディア・ローデ:膝をついて、埋もれた物資をかきわけながら
ニコラス・デイヴィス:「僕も隠していることはそれなりにあるし」
ニコラス・デイヴィス:「けど、言葉ではなく、行動には真実が映し出されてる」
クラウディア・ローデ:「ついさっき、一つ減ったけどね」
ニコラス・デイヴィス:「君が僕たちを助けてくれることには、心から感謝してるよ」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、カイくんには困ったものだよ。」
ニコラス・デイヴィス:「全てを見通してるような顔であんなに明け透けに聞かれたらこっちも隠す気力がなくなってしまう。」
クラウディア・ローデ:「ま、期間限定サービスだからね。私がいなくなってから、改めてありがたみを噛みしめるとよろしい」
クラウディア・ローデ:「あれで意外とそんなに見通せてなさそうだけどね」笑って。
ニコラス・デイヴィス:「見通せてるとしても、僕たちが見ようともしないところばかりだろうね」
ニコラス・デイヴィス:同じように笑う
クラウディア・ローデ:「文字通り、違う世界のことらしいしね。どこまで真に受けていいのやら」
クラウディア・ローデ:「……ね、私も一つ聞いていい?」
ニコラス・デイヴィス:「なにかな?」
クラウディア・ローデ:「なんで革命とかしようと思ったのかなって」
クラウディア・ローデ:「やっぱり、あの彼に誘われたの?さっきのヨハンみたいに」
ニコラス・デイヴィス:「いいや、僕から彼の門戸を叩いた。」
ニコラス・デイヴィス:「僕の曽祖父は、スコットランドからの移民でね。」
ニコラス・デイヴィス:「彼の代から、僕の家系はこの国に根を下ろしたんだ。」
ニコラス・デイヴィス:「曽祖父や祖父は、移民としてそれなりに苦労をしたのだろうけど。」
ニコラス・デイヴィス:「僕の頃には、ほとんどそんな色眼鏡で見られることは殆どなかった。」
クラウディア・ローデ:「そっか、ごく普通に暮らせてたんだ。覚醒するまでは」
ニコラス・デイヴィス:「うん。結婚もして、子供もいた。それなり…以上に幸せを感じていたよ」
ニコラス・デイヴィス:「けど、彼女はオーヴァードになった僕を愛してはくれなかったし。」
ニコラス・デイヴィス:「子供は、化け物になった僕を父親だと理解してくれるには幼すぎた。」
ニコラス・デイヴィス:「僕がこれ以上無いと感じていた幸福は」
ニコラス・デイヴィス:「この国では、ちっぽけなウイルス一つで壊れてしまうぐらい、脆いものだったんだよ」
クラウディア・ローデ:「……」
ニコラス・デイヴィス:「それが、悲しかった。許せなかった。」
ニコラス・デイヴィス:「僕の内面は変わっていないのに、全てが変質したと断ずるこの国の風潮が許せなかった。」
クラウディア・ローデ:「……だから、変えようと思ったんだ。世界の方を」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、そしてそのためには、革命しか無いと思ったんだ」
ニコラス・デイヴィス:『ニコラス・デイヴィス』の名を名乗ってから、何百、何千とついてきたウソを
ニコラス・デイヴィス:変わらぬ熱を込めて、少女の前で語る
ニコラス・デイヴィス:本当は、ただ革命の熱を肌で感じていたいだけだ。
クラウディア・ローデ:「確かに、私でも同じように思っちゃうかも」
ニコラス・デイヴィス:自分の命に熱を吹き込んでくれるものが、それだけだと知っているから。
ニコラス・デイヴィス:「残酷なのは、この話が」
ニコラス・デイヴィス:「この国は特に珍しいことでもないということさ」
クラウディア・ローデ:「……うん。そうみたいね」
ニコラス・デイヴィス:「だから、僕はファントムのことが心配なんだ。」
クラウディア・ローデ:今日までこの国で見てきたものを思えば、その言葉が真実であることは想像に容易い。
ニコラス・デイヴィス:「彼は多分、まだ昨日までの家族や友人たちの繋がりを欲している。信じている」
クラウディア・ローデ:「心配なんだ。貴方と同じように、傷つくことが」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、僕と、そしてみんなと同じようにね」
ニコラス・デイヴィス:「それに、彼が宿した力は」
ニコラス・デイヴィス:「ただ、彼が傷つくだけでは許して知れないかもしれないだろう?」
クラウディア・ローデ:……少女が自らの力を使えば、この男の嘘に気付くことができたのかもしれないが。
クラウディア・ローデ:どこか寂しさの籠もった彼の声音は、紛れもなく本物だった。だから、疑うことをしなかった。
クラウディア・ローデ:それが、ひとり永い時を生きる中ですり潰された心によるものだとは想像もせず。
クラウディア・ローデ:「……ええ、そうね」
ニコラス・デイヴィス:「だから」
ニコラス・デイヴィス:「出来るのなら、君にも、彼には心から接してもらいたい」
ニコラス・デイヴィス:「ドイツ陸軍の兵士としてではなく」
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァードと宿痾を背負ってしまった、数少ない同胞として」
ニコラス・デイヴィス:「彼のことを見てあげてほしい。」
ニコラス・デイヴィス:「わがままな話だけどね」
クラウディア・ローデ:「さあ、どこまで面倒見てあげられるかは分からないかな。彼が私の部下にでもなるって言うなら別だけど」冗談めかして笑って。
クラウディア・ローデ:「でも、そうね。もともと、軍人だからこうすべき、とか。そういうの苦手なのよ」
クラウディア・ローデ:「だから、私は私の好きなようにやってるわ。ただのクラウディア・ローデとして、周りに失望されない範囲でね」
ニコラス・デイヴィス:「それが本当なら」
ニコラス・デイヴィス:「君の上官は苦労しているのだろうね」
クラウディア・ローデ:「そうかもね。こないだ会った時もまた、白髪増えてたし」気難しそうな隊長の顔を思い浮かべている。
クラウディア・ローデ:「そういう感じでいいかしら?今の答え」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、今の僕にとっては最高の答えだ」
GM:一定時間が経過した事により、脱出ルートが開放されます。
オットー:『やあ、クラウディアくん。無事で何よりだ』
オットー:『少々時間をオーバーしてしまったが、こちらの準備は整ったよ』
オットー:『私も歳かもしれないねえ……最近は腰が言うことを効かなくて』
オットー:『え、そんなことはどうでもいい?そうだね……』
オットー:『約束の時間に、必ずこの座標に来たまえ。たとえ君一人でもね』
GM:クラウディアの通信機へと、座標が隠された暗号が送られてくる。
【脱出ルート:欧州で最も危険な男】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はドイツ陸軍超人部隊『Eukalyptus』所属となる。

【幕間:ヨハン&クラウディア】
クラウディア・ローデ:オフィス街のとあるビルの裏手。クラウディアの鉄索がしなり、振るわれる。
クラウディア・ローデ:「ほら、次は右から来るよー」
クラウディア・ローデ:ひゅん、と縄跳びのような軽さで、だが狙いは正確だ。少年の脚を絡め取るような操作。
ヨハン・モンタナ:「速!」
クラウディア・ローデ:当然、能力は発動していない。当たれば鞭程度に痛みはあるだろうが。
クラウディア・ローデ:「銃弾はもっと速いよー」
ヨハン・モンタナ:跳んで躱そうとするが、うまくいかず思い切り捕まってずっこける。
ヨハン・モンタナ:「速いっていうか、速いのもあるけど、死角をつかれてる感じだ」
クラウディア・ローデ:手首のスナップを利かせ、逃げた先で更に追い込もうとする……が、その必要がなくなったのを見て、やめる。
ヨハン・モンタナ:「街で戦ってたときより、ずっと手心があるのになあ」
ヨハン・モンタナ:「力使っていい?」
クラウディア・ローデ:「そりゃね、わざわざ相手に見えるように打ってくる敵はいないもの」
ヨハン・モンタナ:特に断られるとは思っていないのか、絵筆を取り出す。
クラウディア・ローデ:「お、いいよ。危なくなったら止めるけどね」
ヨハン・モンタナ:「ん」
ヨハン・モンタナ:毛先に絵の具を含ませてはいない。イメージを固めるための工程だから。
クラウディア・ローデ:「じゃあ始めるよ。また右から」
ヨハン・モンタナ:右手が霞むように閃いた。少年の姿が上空へと跳ぶ。
ヨハン・モンタナ:変異した左腕は竜の尾を思わせる、やすりの鱗を纏う生体鞭。
クラウディア・ローデ:踊るようなリズムで、少年の手足に狙いを付けて鋼索の先端を落としていく。……すり抜けられる。
クラウディア・ローデ:(ん、流石にこのスピードじゃダメか)
ヨハン・モンタナ:それがビルの排水管を掴んで鋼の索条を躱す。
ヨハン・モンタナ:「そっちの先端速度と同じペースで自分を振り回せば躱せ──」
ヨハン・モンタナ:「いやこれすっごく酔う!」悲鳴を上げながら、器用に突起物を掴んで跳ね回る
クラウディア・ローデ:「あははっ」少年の悲鳴を愉快そうに聞きながら、先程より一段早くなった衝撃が、平衡を失った体を羽虫のように叩き落とす。
ヨハン・モンタナ:「ぎゃうっ」
ヨハン・モンタナ:「くっそー……相手になるわけないよ~」
クラウディア・ローデ:「ま、まだこんなもんだよねー」
クラウディア・ローデ:「ファントムから戦闘経験の記憶とかは引き継げなかったのかな」
ヨハン・モンタナ:「やらないよりはマシなのかな」大の字から起き上がる。
クラウディア・ローデ:「それとも、あるけど持て余してる感じ?」
ヨハン・モンタナ:「引き継げなかった。そもそも、能力もぜんぜん違う感じ。どうやって攻撃していたのかもよくわからないし」
クラウディア・ローデ:「なるほど。そういう意味じゃ、やっぱり別物なんだ」
ヨハン・モンタナ:「僕の戦いの師はクラウディアさんだけだよ。ありがとう」
ヨハン・モンタナ:まあ、長い師弟関係でもないかもだけどね、と呟く。
クラウディア・ローデ:「長くしてみる気はない?」
クラウディア・ローデ:「こんな国捨てたいって言うなら、うちに迎える用意はあるよ」
ヨハン・モンタナ:「ドイツ軍って、アメリカ人でもなれるわけ?」
ヨハン・モンタナ:「……まあ、なれなくても、なれるか」
ヨハン・モンタナ:国だとか、軍隊だとか、大きな組織だとか。
ヨハン・モンタナ:大抵は表に掲げている題目とは違うことをしているらしいし。
クラウディア・ローデ:「なんか、昔はもっと人種のことにうるさかったみたいだけどね。今は落ち着いてるし」
クラウディア・ローデ:「自分達を守るために戦ってくれる英雄を、歓迎しない国民はいないよ」
ヨハン・モンタナ:「特別な力を手に入れて、存分に振るって、そんな自分を認めてもらいたい……」
ヨハン・モンタナ:彼女が、キング牧師に語った言葉を思い出す。
ヨハン・モンタナ:「そう言ってたよね」
クラウディア・ローデ:「ん?覚えてたんだ、優等生め」
ヨハン・モンタナ:「忘れないさ」
ヨハン・モンタナ:「すごくびっくりしたんだ。オーヴァードを差別する、しないって話と──オーヴァードはすべて消えるべきだって考えている、"ファントム"の記憶」
クラウディア・ローデ:「そんなに変かなあ。他人よりもすごいやつになって、評価されたいって思うの」
ヨハン・モンタナ:「どの立場に居ても、オーヴァードでいることが良いことだなんて思えないから」
ヨハン・モンタナ:「変じゃないよ」
ヨハン・モンタナ:「変じゃなかったから驚いたんだ」
クラウディア・ローデ:「君が女の子にモテたいと思って努力したりするのと、多分そんなに変わんないよ」
クラウディア・ローデ:「何。もっととんでもない理由だと思ってた?」
ヨハン・モンタナ:「モテたいと思って努力したことはないかなぁ」
ヨハン・モンタナ:「ううん。なんかさ」
クラウディア・ローデ:「そうなんだ?君くらいの歳の男の子って、そういうもんだと思ってた。かっこつけたがりの」
クラウディア・ローデ:「うん」
ヨハン・モンタナ:「クラウディアさんって、最初は一番、僕のことを子ども扱いしてると思ってたんだけど」
ヨハン・モンタナ:「違うよね、3人の中で、一番子供っぽい」
クラウディア・ローデ:「あはっ」愉快そうに口元を吊り上げる。「いくつに見える?」
ヨハン・モンタナ:「その質問は大人っぽいね」
ヨハン・モンタナ:20歳くらい? と口にして。
クラウディア・ローデ:「ふふ、18だよ。君の4つ上」
ヨハン・モンタナ:「大体あってた」
ヨハン・モンタナ:「や、違う……わからない。そこらへんの歳って、2歳の差は大きいのかな」
ヨハン・モンタナ:「バカにしたんじゃないんだ」
クラウディア・ローデ:「ふふ。今くらいので気にしてたら軍人なんてやってられないって」
ヨハン・モンタナ:「これから言うことを分かってくれそうだと思った。マルコムXの前で言おうとして、言わなかったことだけれど」
クラウディア・ローデ:「年上ばっかだよ、周り」隊のメンバーはそうでもないけど、と付け加えつつ。
クラウディア・ローデ:「ん、なーに?」
ヨハン・モンタナ:「みんな、正しいと感じたもののために戦っているよね」
ヨハン・モンタナ:「自分の中に、大切な正義の形を持っているんだと思う。そういう人たちのことを、僕は尊敬する。けれど」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"の記憶を見たんだ」
ヨハン・モンタナ:「彼の悲しみを」
ヨハン・モンタナ:「僕は"ファントム"に救われた。正確には違うのかもしれないけれど」
ヨハン・モンタナ:「短い付き合いだったけれど……」
ヨハン・モンタナ:「それだけで充分だったんだ。ずっと長く一緒に居た友達より、深く結びついている気がする」
ヨハン・モンタナ:「ね。大人に隠し事をしたことはある?」
クラウディア・ローデ:不器用に紡がれるその言葉を、傍らに座って静かに聞いている。
クラウディア・ローデ:「そりゃね。いっぱいあるよ」
クラウディア・ローデ:「私、君よりもずっと悪い子だし」
クラウディア・ローデ:悪戯っぽい微笑みを浮かべて応じる。
ヨハン・モンタナ:「へえ」ちょっと驚く。「全部曝け出しても、なんとかできる人かと思ってたよ」
ヨハン・モンタナ:「……僕は父さんに、絵で食っていくなんて無理だ、画家はやめとけって言われてさ」
ヨハン・モンタナ:「そうだね。って答えて、それからずっと、外れの廃屋をアトリエにして、隠れて絵の練習をしていた」
クラウディア・ローデ:「あー。言い出せなかったんだ」
クラウディア・ローデ:「……もしかして、逃げ遅れたのもそれが理由?」
ヨハン・モンタナ:「いい子だってよく言われるのも本当だよ? うまく隠してるんだ」
ヨハン・モンタナ:「そうそう」
クラウディア・ローデ:「いいじゃん、それ。大事にしなよ」
ヨハン・モンタナ:「……正義よりも、裏切りよりも、今悲しんでいる人たちよりも……」
ヨハン・モンタナ:「何なら、手を差し伸べてくれたあなた達より、僕の中では、"ファントム"の事が大きくなっちゃっていたんだ。こんな事が言えるかい?」
クラウディア・ローデ:「言いにくいだろうね。優等生くんには」笑っている。
ヨハン・モンタナ:「もう少しで見つかりそうなんだ」
クラウディア・ローデ:「勝手なお節介を言うんだけどさ。実は、ちょっと心配してたんだ」
クラウディア・ローデ:「他人の人生を一気に受け継いだ時、君は君でいられるのかなって」
ヨハン・モンタナ:「皆のお陰でさ……何だい?」
クラウディア・ローデ:「だから、ちゃんと忘れないようにしなよ。"ファントム"の記憶を知る前。オーヴァードになる前」
クラウディア・ローデ:「元々の君が、大切にしていたもののこと」
ヨハン・モンタナ:「うん」
クラウディア・ローデ:「知ってる? そうやって自分をちゃんと手繰り寄せる事ができないと、この力はいつでも私達を呑みにくるんだ」
クラウディア・ローデ:「生意気でしょ」
ヨハン・モンタナ:「本当にまずいことになりかけたよ」
ヨハン・モンタナ:「最初」
クラウディア・ローデ:「だろうね。私も、最初の頃はキツかったし……ま、とにかく」
クラウディア・ローデ:「そんなもんに負けんなよ、ってこと」力強く背中を叩く。「私の弟子なんだからさ」
ヨハン・モンタナ:「わっと……」
ヨハン・モンタナ:「そうだね」
ヨハン・モンタナ:「どんどん自分の考えが獰猛になっていって、気に入らないやつを力任せに引き裂いてやりたくなって──だから、オーヴァードってやっぱりろくでもないじゃん! って思った」
ヨハン・モンタナ:「あなたがそうじゃないって言ってくれて、よかった」
ヨハン・モンタナ:微笑んで立ち上がった。師の言葉を反芻する。
ヨハン・モンタナ:「大切にしていたもの……か」
ヨハン・モンタナ:その手には、安物の絵筆が握られている。
GM:シーン終了!ロイス&最後の購入チャンス!
クラウディア・ローデ:カイ・スェネミー:◯信頼/不満、ニコラス・ディヴィス:◯信頼/憐憫 で取ります
ニコラス・デイヴィス:ファイナルボデマチャンス!!
ニコラス・デイヴィス:3dx>=12
DoubleCross : (3DX10>=12) → 4[1,3,4] → 4 → 失敗

ニコラス・デイヴィス:私は2000年以上生きてて防具一つ買えないクズ
クラウディア・ローデ:ヨハン・モンタナ:P庇護→期待 に変えておこ
カイ・スェネミー:ボデマ
カイ・スェネミー:3dx+1
DoubleCross : (3DX10+1) → 4[3,3,4]+1 → 5

カイ・スェネミー:無理だぜ!
クラウディア・ローデ:みんなのために買ってあげるか ボディアーマーを
クラウディア・ローデ:2dx>=12
DoubleCross : (2DX10>=12) → 10[7,10]+4[4] → 14 → 成功

クラウディア・ローデ:なんかいけたわ
ニコラス・デイヴィス:やっぱ軍人は違うな
ニコラス・デイヴィス:ドイツボディアーマー!!
GM:つよそう
クラウディア・ローデ:誰か欲しい人いる?
ニコラス・デイヴィス:カバーしたりしなかったりするので超ほしいです!
クラウディア・ローデ:あげるぜ!
ヨハン・モンタナ:"ファントム"のPを友情 ニコラスさんのP/Nを誠意○/罪悪感 カイさんのPを友情 クラウディアさんのP/Nを共感○/劣等感 にそれぞれ変更
ニコラス・デイヴィス:ありがとうママ!!
ニコラス・デイヴィス:ロイスは、このままでいい…!
ヨハン・モンタナ:4dx+4>=9 高性能治療キット
DoubleCross : (4DX10+4>=9) → 9[4,7,8,9]+4 → 13 → 成功

ヨハン・モンタナ:使います
ヨハン・モンタナ:3d10+9
DoubleCross : (3D10+9) → 25[7,8,10]+9 → 34

ヨハン・モンタナ:全回復して以上
GM:OK!
【Climax/Tempest】
GM:クライマックス!全員登場!
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (76 → 82)
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d3+3(→ 6)増加 (82 → 88)
カイ・スェネミー:1d3+3+71
DoubleCross : (1D3+3+71) → 2[2]+3+71 → 76

ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D3+3(→ 4)増加 (71 → 75)
GM:■エンパイヤステートビル
GM:高さ443.2m。この時代における世界最大の建造物として知られる、自由の女神と並ぶニューヨークの象徴。
GM:この街のランドマークの入り口は、今は固く閉ざされている。
GM:分かりきっていたことだ。展望台に登れば街を包囲する軍の全容を俯瞰できただろうが、今となってはその意味も薄い。
GM:君達がここの前を通ったのは、崩れた建物や、暴徒の気配がする道を避けた結果。
GM:全くの偶然……あるいは
GM:そのように誘導されたのか。
GM:突如、君達の周囲で破砕音が響く。
GM:道路に仕掛けられた機雷が一斉に爆発した。それは君達に傷を与えるようなものではないが
GM:君達が立つ地面を円形に刳りぬき、大きく陥没させる。
カイ・スェネミー:「ははは。クラッカーにしては派手だな。紙吹雪がないのはいただけないがね」
GM:砕けた道路の下から広大な地下空間が出現し、君達はそこへ落とされた。
ニコラス・デイヴィス:「言ってる場合か。落ちるぞ!」
ヨハン・モンタナ:「わっ、わああああああっ!!!」
クラウディア・ローデ:「っ、やば……!」鉄索を伸ばして這い上がろうとするが、重ねて爆発。掴んだ地面ごと爆ぜ砕けて落ちる。
カイ・スェネミー:《万能器具》クッションマットを地面に作りだす。
GM:着地した君達を、武装した兵士が取り囲む。
GM:幽鬼の如き、一糸乱れぬ陣形。"テンペスト"だ。
"トラッシュハンド":「さァて……」
"トラッシュハンド":「そろそろ鬼ごっこは終わりにしようや。ゴミカス共」
クラウディア・ローデ:「わあっ、と」ヨハンくんの上に覆いかぶさるように落下する。すぐに立ち上がり、周囲を見渡す。
ヨハン・モンタナ:「ぎゃんっ」
ニコラス・デイヴィス:「それはつまり」
ニコラス・デイヴィス:「僕らを逃してくれるってことかな?」
ニコラス・デイヴィス:するりと、着地して言葉を返す
ヨハン・モンタナ:「いてて……だといいけど」
"トラッシュハンド":「あ?寝言言うには早すぎんだろタコ」
カイ・スェネミー:「ふむ。君はそのゴミをクズ箱に放り投げる手と言う事かね。実にお手数をかける」
クラウディア・ローデ:「ごめんごめん。……で、何これ。"テンペスト"の残りもの?」
"トラッシュハンド":「焦らなくてもこれから仲良くまとめてオネンネさせてやるからよ。ご丁寧に墓穴も掘ってやったしなァ」
"トラッシュハンド":「ああそうさ。誰かさん共がヤンチャに扱ってくれやがるからよ。ま、すぐに替えが手に入る」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"を狙うのは、仕事だから? それとも個人的な恨みかな」
"トラッシュハンド":「あ?勘違いしてんじゃねえぞガキ」
"トラッシュハンド":「誰が"ファントム"を憎いって言ったよ。オレが憎いのはなァ」
"トラッシュハンド":「テメエらオーヴァード全員だ!この世界に生きてるすべてのなァ!!」
カイ・スェネミー:「ふぅむ。おそらく美人だと言うのに、なんと勿体ない価値観だ」
ヨハン・モンタナ:「視座が大きいなあ」
クラウディア・ローデ:「あはは、声は景気良いくせに言ってる内容は陰気」
ヨハン・モンタナ:"ファントム"と同じことを言っている。彼女も。
"トラッシュハンド":「陰気で結構。ただ殺すだけじゃ許さねえ。テメエらの尊厳も、矜持も」
"トラッシュハンド":「全部消えてなくなるまで、ボロ雑巾のようにこき使って、絞りカスになってから捨ててやる。コイツらみたいにな」
ヨハン・モンタナ:「消えないよ」
ヨハン・モンタナ:「僕らは消えない。"ファントム"も、消えない」
コンスタンティン:「……」瓦礫の中から這い出し、ヨハンの足元へ立つ。
コンスタンティン:「ああ、そうだとも。ヨハン」
コンスタンティン:「戦おう、生きるために」
"トラッシュハンド":「……チッ」
"トラッシュハンド":「反吐が出る」
GM:クライマックス戦闘を開始します。
GM:眼の前の"トラッシュハンド"、そして周囲のテンペスト兵から、強大な殺気が放たれる。
GM:空間を満たすレネゲイドの励起、《ワーディン……
"トラッシュハンド":「《ワーディング》は使わねえ」
"トラッシュハンド":「テメエらと違って、こっちは街を守る義務があるんでな」
"トラッシュハンド":「使いたきゃ使えや。害虫らしくな」
GM:というわけで衝動判定はありません。
“トラッシュハンド”[7] テンペスト・シューターA[10] テンペスト・シューターB[10]

10m

ヨハン[14] クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

10m

テンペスト・ファイターA[3] テンペスト・ファイターB[3]

GM:エンゲージはこう!
ニコラス・デイヴィス:いっぱいいるよう!!
GM:NPCカードが使えます。
【NPCカード:コンスタンティン】
オートアクションで使用。対象が次に行うメジャーアクションの判定のC値を-1、ダイスを+3する。
ヨハン・モンタナが対象の場合、更に与えるダメージを+5Dする。
1ラウンドに1回使用できる。

ヨハン・モンタナ:つよ
カイ・スェネミー:ワンちゃん。強いぜ。
GM:それではセットアップから!
ヨハン・モンタナ:なし
クラウディア・ローデ:「toi toi toi」《狂想の旋律》
カイ・スェネミー:私もない。
クラウディア・ローデ:ラウンド間の攻撃力+15、暴走します。PCに受けたい人はいればどうぞ
カイ・スェネミー:受けて暴走!
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を5(→ 5)増加 (82 → 87)
ヨハン・モンタナ:受けます
テンペスト・シューターA:《加速装置》LV4《ヴァジュラ》LV4 ラウンド中行動値+16 攻撃力+12 暴走
ニコラス・デイヴィス:受けない
テンペスト・シューターB:おなじく
テンペスト・ファイターA:《フルパワーアタック》LV4《ターゲットロック》LV4《攻性変色》LV4 ラウンド中、対象へ行う白兵攻撃力+52 行動値0  暴走
テンペスト・ファイターB:同じく
テンペスト・ファイターA:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3

テンペスト・ファイターB:1d4
DoubleCross : (1D4) → 2

GM:ファイターAはカイくん、ファイターBはクラウディアさんをロックします。
クラウディア・ローデ:モテるじゃん
ニコラス・デイヴィス:むちゃしやがる
カイ・スェネミー:Aは元女性であることを望もう
"トラッシュハンド":《タブレット》LV4《多重生成》LV4《活性の霧》LV6 ラウンド中攻撃力+18ドッジダイス-2 対象は自分含むテンペスト全員。
ヨハン・モンタナ:統率個体~~~
GM:ではイニシアチブ!
GM:26、シューターA、Bの攻撃から行くぞ
テンペスト・シューターA:マイナーなし。メジャー《アームズリンク》LV4《スパークウェッジ》LV6《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV3 Rカノンで攻撃 命中で他のキャラクターを攻撃した時18ダメージを与える状態を付与(一度テンペスト・シューターを攻撃すると解除)
テンペスト・シューターB:こちらも同じく!
テンペスト・シューターA:対象は~
テンペスト・シューターA:1d4
DoubleCross : (1D4) → 2

テンペスト・シューターB:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3

GM:Aはクラウディアさん、Bはカイさん
GM:判定します
カイ・スェネミー:クラウディアちゃんと僕だ。これは運命を感じますね!
テンペスト・シューターA:11dx7+4
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[1,3,3,3,4,4,6,6,8,8,9]+10[4,8,10]+5[3,5]+4 → 29

テンペスト・シューターB:11dx7+4
DoubleCross : (11DX7+4) → 10[1,2,3,3,6,6,7,8,8,9,10]+10[1,1,5,9,10]+10[5,9]+6[6]+4 → 40

カイ・スェネミー:暴走。リア不
クラウディア・ローデ:暴走ゆえリアクションなし
GM:ではダメージ!
テンペスト・シューターA:3d10+38
DoubleCross : (3D10+38) → 16[2,4,10]+38 → 54

テンペスト・シューターB:5d10+38
DoubleCross : (5D10+38) → 26[7,3,10,2,4]+38 → 64

カイ・スェネミー:《リザレクト》
クラウディア・ローデ:装甲引いても無理。リザレクトします
カイ・スェネミー:76+1d10
DoubleCross : (76+1D10) → 76+10[10] → 86

クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d10(→ 10)増加 (87 → 97)
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデのHPを10(→ 10)に変更 (29 → 10)
GM:続いてのイニシアチブ!
GM:14、ヨハンくんの手番です。
ヨハン・モンタナ:どこ行こっかな
“トラッシュハンド”[7] テンペスト・シューターA[26] テンペスト・シューターB[26]

10m

ヨハン[14] クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

10m

テンペスト・ファイターA[0] テンペスト・ファイターB[0]

GM:今はこう
ニコラス・デイヴィス
ヨハン・モンタナ:マイナーで10m前進
ヨハン・モンタナ:"トラッシュハンド"を攻撃します。
“トラッシュハンド”[7] テンペスト・シューターA[26] テンペスト・シューターB[26]
ヨハン[14]

10m

クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

10m

テンペスト・ファイターA[0] テンペスト・ファイターB[0]

GM:来な!
ヨハン・モンタナ:《コンセントレイト》《オールレンジ》
ヨハン・モンタナ:さらにNPCカードコンスタンティンを使用。ダイス+3 C値-1 ダメージ+5D
コンスタンティン:ワンワン!
ヨハン・モンタナ:17dx6 器物使い適用
DoubleCross : (17DX6) → 10[1,2,3,4,5,5,5,6,6,6,7,9,9,9,10,10,10]+10[1,2,3,4,6,8,9,9,9,10]+10[4,5,6,6,9,10]+10[4,8,9,10]+10[3,10,10]+10[3,9]+10[6]+5[5] → 75

ヨハン・モンタナ:わお
GM:えっすご
"トラッシュハンド":うおおおおおおお!やれるはずだ!ドッジだって!
"トラッシュハンド":2dx>=75
DoubleCross : (2DX10>=75) → 10[5,10]+8[8] → 18 → 失敗

"トラッシュハンド":無理です。ダメージください
ヨハン・モンタナ:8d10+5d10+15+6 装甲有効
DoubleCross : (8D10+5D10+15+6) → 38[3,3,1,4,4,5,8,10]+29[10,7,3,8,1]+15+6 → 88

GM:オイオイオイ
"トラッシュハンド":装甲で少し弾きますがガッツリ食らう。まだ生きてます
GM:続いてのイニシアチブ
ヨハン・モンタナ:そうだった。侵蝕92に
GM:行動値7組。PC優先です。カイさん、クラウディアさん
クラウディア・ローデ:じゃあ先行きましょうか
カイ・スェネミー:いってー
クラウディア・ローデ:じゃあマイナーで戦闘移動します。トラッシュハンド達の側に3m。
クラウディア・ローデ:メジャー、「Das ist der Rest」《サイレンの魔女》《砂の刃》対象はエネミー全員。
クラウディア・ローデ:命中いきます
クラウディア・ローデ:5dx+28
DoubleCross : (5DX10+28) → 10[1,3,4,5,10]+9[9]+28 → 47

“トラッシュハンド”[7] テンペスト・シューターA[26] テンペスト・シューターB[26]
ヨハン[14]

10m

クラウディア[7] 

3m

 カイ[7] ニコラス[5]

10m

テンペスト・ファイターA[0] テンペスト・ファイターB[0]

GM:テンペスト平隊員は全員暴走リア不
クラウディア・ローデ:5d10+18+15 ダメージ。装甲無視、ガードした場合ガード値を-5
DoubleCross : (5D10+18+15) → 28[6,6,6,6,4]+18+15 → 61

"トラッシュハンド":2dx>=47
DoubleCross : (2DX10>=47) → 10[1,10]+6[6] → 16 → 失敗

クラウディア・ローデ:あっ先やっちゃった 失礼
"トラッシュハンド":アタシにはどうせ無理ってことかよ……!(クソデカ感情)
クラウディア・ローデ:かわいいね
テンペスト・シューターA:HP56 落ちます。復活もなし
テンペスト・シューターB:同じく落ちます
クラウディア・ローデ:やったあ
テンペスト・ファイターA:こちらはミリで残る!
テンペスト・ファイターB:同じく!
ニコラス・デイヴィス:タフガイ1!
クラウディア・ローデ:落ちてくれないんだ
クラウディア・ローデ:すみません、《スパークウェッジ》のダメージってさっきの私の手番のやつでも受けるみたいだったので
クラウディア・ローデ:プロセス中に一度死んで《リザレクト》、しかるのちに侵蝕上昇という処理になるかと思います。失礼しました
クラウディア・ローデ:では改めて、侵蝕97から
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を1d10(→ 3)増加 (97 → 100)
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデのHPを3(→ 3)に変更 (10 → 3)
クラウディア・ローデ:今のがリザレクト。次が行動分。
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を7(→ 7)増加 (100 → 107)
クラウディア・ローデ:以上です。
クラウディア・ローデ:手番終わり
"トラッシュハンド":こっちもHP0!しかし…
"トラッシュハンド":《不死不滅》!復活します。
ニコラス・デイヴィス:タフガール!
GM:そしてそのまま"トラッシュハンド"の手番
GM:じゃなかった!
GM:カイくんの手番です
“トラッシュハンド”[7]ヨハン[14]

10m

クラウディア[7] 

3m

 カイ[7] ニコラス[5]

10m

テンペスト・ファイターA[0] テンペスト・ファイターB[0]

カイ・スェネミー:私、その前に初期ロイス故郷を切って不利な状態を解除したい。《スパークウェッジ》の効果をね。
GM:なるほど。クレバーだぜ
カイ・スェネミー:マイナー:《深淵なる知識》命中で重圧、放心
GM:ひええ……
カイ・スェネミー:メジャー:《ワン・アヘッド・プリンシパル》コンセントレイト+即席武器+急所狙い+カスタマイズ+ギガンティックモード トラッシュハンドのエンゲージ。止めも刺します。
GM:来な!
カイ・スェネミー:7dx7+1
DoubleCross : (7DX7+1) → 10[2,5,5,6,8,8,9]+10[4,5,10]+10[8]+10[8]+5[5]+1 → 46

"トラッシュハンド":2dx>=46
DoubleCross : (2DX10>=46) → 10[1,10]+2[2] → 12 → 失敗

"トラッシュハンド":むりにきまってんだろ
カイ・スェネミー:ではダメージ。
カイ・スェネミー:5d10+19
DoubleCross : (5D10+19) → 39[6,9,7,7,10]+19 → 58

"トラッシュハンド":ギャー!
カイ・スェネミー:86→97
"トラッシュハンド":復活後HPは40。HP0に。
カイ・スェネミー:a.
"トラッシュハンド":《蘇生復活》
ヨハン・モンタナ:こいつ!
"トラッシュハンド":HP1で復活。フラフラ
カイ・スェネミー:狂騒忘れてた!ダメージ+15。あとシューターABは戦闘不能に加え止めだぜ
GM:シューター二体は塵に還りました
ヨハン・モンタナ:ナイス復活阻止
ニコラス・デイヴィス:人殺し!
GM:くっそー
GM:では改めて……"トラッシュハンド"の手番!
"トラッシュハンド":マイナーなし。《エクスプロージョン》LV4《ツインバースト》LV4《蝕む赤》LV5
"トラッシュハンド":一番多いとこ狙ってやる!カイ、ニコラスのエンゲージ!
カイ・スェネミー:これはカバーリングしてもらって良いかな?
ニコラス・デイヴィス:範囲だしね。カバーし得
"トラッシュハンド":6dx+4  命中で邪毒5
DoubleCross : (6DX10+4) → 6[1,3,4,5,5,6]+4 → 10

"トラッシュハンド":ドッジ不可!
カイ・スェネミー:《蝕む赤》も入ってるので頼むぜ! リア不
ニコラス・デイヴィス:《崩れずの群れ》《自動触手》
ニコラス・デイヴィス:ガードを宣言しつつカイくんをカバーします。
"トラッシュハンド":げげ…!
ニコラス・デイヴィス:で、21点ダメージ!
"トラッシュハンド":2d10+38
DoubleCross : (2D10+38) → 5[1,4]+38 → 43

ニコラス・デイヴィス:侵蝕が80に
"トラッシュハンド":触手ダメージで……HP0!
"トラッシュハンド":倒れます。復活なし。
GM:だがダメージは受けてもらう
ニコラス・デイヴィス:蝕む赤の蛇毒は命中した場合かー
ニコラス・デイヴィス:じゃあ無理することはないな。そのまま喰らいます。
ニコラス・デイヴィス:リザレクト
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D10(→ 4)増加 (80 → 84)
ニコラス・デイヴィス:HP4
GM:ではイニシアチブ0組。まさかこいつらが残るとはね
ニコラス・デイヴィス:そう、僕は当然待機をするので君たちの行動だ
クラウディア・ローデ:あ、リーダーいなくなっても稼働できるんだ
カイ・スェネミー:こっち来てもリザレクト1回残ってるので1発は受けよう。
GM:あっごめんなさい。ニコラスさんを飛ばしてしまった
クラウディア・ローデ:確かに私が戦った時はbot操作だったっぽいしな
ニコラス・デイヴィス:いいよ!
GM:ではニコラスさん待機として、行動値0組
テンペスト・ファイターA:マイナーなし。《フレイムタン》LV5《コンセントレイト:サラマンダー》LV3 メカニカルフィストで攻撃 ガード不可
テンペスト・ファイターB:同じく
テンペスト・ファイターA:1d4
DoubleCross : (1D4) → 1

テンペスト・ファイターB:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3

カイ・スェネミー:モテモテ!
GM:Aはヨハンくん、Bはカイくん
テンペスト・ファイターA:8dx7+6
DoubleCross : (8DX7+6) → 10[1,1,4,4,6,7,9,10]+4[1,3,4]+6 → 20

ヨハン・モンタナ:暴走!
テンペスト・ファイターB:8dx7+6
DoubleCross : (8DX7+6) → 10[2,4,4,6,7,9,10,10]+10[4,8,9,10]+10[2,8,9]+5[3,5]+6 → 41

カイ・スェネミー:リア不だよー。
ニコラス・デイヴィス:カバー欲しかったら言ってね
カイ・スェネミー:ああ。貰えるならお願い。
テンペスト・ファイターA:2d10+70
DoubleCross : (2D10+70) → 10[1,9]+70 → 80

GM:あっとちがった
カイ・スェネミー:ロイス一枚切ってるから、欲しいと言えば欲しいぜ。
GM:攻性変色分を抜きます
ヨハン・モンタナ:あと3D10だと思うぜ!
GM:そうだわ
テンペスト・ファイターA:3d10+48
DoubleCross : (3D10+48) → 18[10,5,3]+48 → 66

ニコラス・デイヴィス:《デモンズウェブ》
テンペスト・ファイターB:5d10+48 こっちはカイくん
DoubleCross : (5D10+48) → 33[5,6,10,4,8]+48 → 81

ニコラス・デイヴィス:66-8d10
DoubleCross : (66-8D10) → 66-35[10,1,3,1,3,4,10,3] → 31

ニコラス・デイヴィス:ん…!出目が悪いな!
ニコラス・デイヴィス:カイくんには行動放棄カバーします。
カイ・スェネミー:ありがとう!!
ヨハン・モンタナ:くっ庇ってもらって悪いが死!
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を1d10(→ 8)増加 (92 → 100)
ヨハン・モンタナ:リザレクトしました。100。
ニコラス・デイヴィス:リザ
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (84 → 90)
ニコラス・デイヴィス:デモンズウェブ分で92に
ニコラス・デイヴィス:クソ…!ギリギリ生存させられそうな気がしたんだけどな、ヨハンくんは…!
GM:では待機していたニコラスさん!
GM:じゃなかったね
GM:行動放棄してたわ
ニコラス・デイヴィス:行動放棄カバーだぜ!
GM:それではこれでラウンド1が終了。
GM:クリンナップ。何かありますか
ヨハン・モンタナ:ありません
カイ・スェネミー:邪毒タイムでは?
カイ・スェネミー:ないよー
ニコラス・デイヴィス:蛇毒で倒れてー
ニコラス・デイヴィス:意味は無いけどキャラ的に立ち上がらせてもらおっと
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D10(→ 2)増加 (90 → 92)
ニコラス・デイヴィス:リザレクトがうまい
GM:やるわね
GM:続いて第二ラウンド
GM:セットアップから!
ヨハン・モンタナ:なし
ニコラス・デイヴィス:なし
カイ・スェネミー:なしよ。
テンペスト・ファイターA:《フルパワーアタック》LV4《ターゲットロック》LV4《攻性変色》LV4 ラウンド中、対象へ行う白兵攻撃力+52
テンペスト・ファイターB:同じく
テンペスト・ファイターA:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3

テンペスト・ファイターB:1d4
DoubleCross : (1D4) → 3

GM:カイくん!
ヨハン・モンタナ:大人気
カイ・スェネミー:なぜだ!モテモテすぎる!
GM:それでは最速はイニシアチブ14
GM:ヨハンくんの手番からです。
ヨハン・モンタナ:待機!
GM:OK!では続いて行動値7
GM:カイさんかクラウディアさん
クラウディア・ローデ:いきまーす
GM:こい!
クラウディア・ローデ:マイナーなし。《サイレンの魔女》で残った敵を攻撃します。
クラウディア・ローデ:6dx+28 えい
DoubleCross : (6DX10+28) → 10[1,1,5,9,10,10]+9[3,9]+28 → 47

GM:ヒェ~ッ
テンペスト・ファイターA:暴走リア不
テンペスト・ファイターB:同じく
クラウディア・ローデ:5d10+18 装甲無視
DoubleCross : (5D10+18) → 32[7,6,4,7,8]+18 → 50

クラウディア・ローデ:これが暴力だ
テンペスト・ファイターA:HP0。復活なしです
テンペスト・ファイターB:同じく
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を5(→ 5)増加 (107 → 112)
GM:エネミー全滅!君達の勝利だ!
"トラッシュハンド":「"外せ"、"テンペスト"」
テンペスト兵:"トラッシュハンド"の合図と共に、兵士たちが一斉にマスクを剥ぎ取る。
テンペスト兵:「GuuuuuuuAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!」
テンペスト兵:白濁した瞳孔、ひび割れた肌。発達した犬歯。理性を失い、ただ生者を貪る亡者の軍勢。
ヨハン・モンタナ:「Σレネゲイド──」
テンペスト兵:腐毒に塗れた涎を撒き散らしながら、兵士たちが咆哮を上げる。
クラウディア・ローデ:「ああ、ワンちゃんがやかましく吠えてる」
ニコラス・デイヴィス:カシャリ、と写真を撮る
ニコラス・デイヴィス:「いいのかい。国家機密をあっさり晒してしまって」
"トラッシュハンド":「いいさ。こいつは儀式だ」
"トラッシュハンド":「自分らが何になるかぐらいはちゃんと知っときてえだろ?」
クラウディア・ローデ:「強気じゃん。……ね、一つ聞いておくけど」"トラッシュハンド"に。
クラウディア・ローデ:「貴方にも付いてるの?自爆装置」
"トラッシュハンド":「あ?知って何になる?」
"トラッシュハンド":「オレがどう言おうが意味ねえだろ。その質問」
クラウディア・ローデ:「別に? ただ、それだけ大口叩いてるくせに、自分が死ぬ準備してここに来てるんだったらウケるなって思って」
"トラッシュハンド":「テメエらに確かめる機会なんざ来ねえんだからよ。永遠にな!」
カイ・スェネミー:「ふむ。生きてる人間を始末するのは後味が悪いからね」
カイ・スェネミー:「まぁ、丁寧な解説。親切痛み入るよレディ。だが少しだけ、早いな。深淵なる知識によれば、ゾンビィの流行は15年は後なのだがね」
クラウディア・ローデ:「あはっ」笑い声と共に、纏う風が震える。
クラウディア・ローデ:侵蝕率という指標を例に上げるまでもなく──レネゲイドの持つ力は、尋常、大半が潜在化している。
クラウディア・ローデ:主人がいくら戦意を高めた所で、力がその意識に追いつく訳ではない。
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデが用いる技は、その解法のひとつ。ジェネシフトと呼ばれる行為にも近い。人為的な暴走喚起。
クラウディア・ローデ:少女の肉体から、何かが軋むような音色が響く。
クラウディア・ローデ:肌を掠め響く震えが神経を逆撫で、内に眠るものを強引に呼び起こす。己のみならず、傍らに立つ仲間をも。
クラウディア・ローデ:「私の経験上さ」笑みを浮かべる。脳を揺らし、心臓を締め付けるような緊張は、慣れれば心地良くすらある。
クラウディア・ローデ:「そういう強そうなこと言うやつほど、折れた時は弱いんだよね」
クラウディア・ローデ:「貴方はどっちかな。確かめてあげる」
"トラッシュハンド":「鏡見て言えや!クラウトの糞ビッチが!!」
テンペスト兵:"トラッシュハンド"の怒声に合わせて、銃を構えた兵士達から落雷の如き轟音が放たれる。
テンペスト兵:Σレネゲイドの共振が、生前のブラックドッグ能力を再現し、
カイ・スェネミー:《万能器具》手鏡を作る。そして肩を竦める。
テンペスト兵:プラズマを帯びた無数の弾丸が、君達へ向けて殺到する。
カイ・スェネミー:「おっと、向こうは速いな」
クラウディア・ローデ:躱す素振りもない。ただ、身に纏う風が防壁となって僅かに致命傷を逸らした。腕の肉が抉れる。
カイ・スェネミー:「フロイライン鏡見るかい?」と言葉を出すと同時に着弾。炭となって塵のように消える。ように見える。
カイ・スェネミー:頭と心臓だけを守って、他の部分を再生。レネゲイドを最大速度で励起させる。
カイ・スェネミー:「毒のような電気が残るな。ははは、困ったぞ」
クラウディア・ローデ:「何それ。助かる、ちょうど髪が乱れた所だった」血濡れの笑みを浮かべ、帯電によって毛の逆立つ己が身を見る。なるほど、厄介な毒だ。
"トラッシュハンド":「ハハハハハハハ!!!!死ね死ね死ね死ねッ!!蝿のようにあっけなく死ね!!蛆のように惨めに死ね!!どっちにしてもサイッコーに気持ちが良いぜッ!!!!」
ヨハン・モンタナ:(始まった──オーヴァードの戦いが)肉体が変異してゆく。
ニコラス・デイヴィス:(さて、見極めろ。屍体の能力を使用しているとは言え、その攻撃は彼女の呼吸に則って行われているはず)
ニコラス・デイヴィス:(彼女に意識を集中していれば、隙は見えてくる)
ヨハン・モンタナ:クラウディアの能力による力の励起と高揚を携え、飛び出す。
ニコラス・デイヴィス:(彼女に意識を集中していれば、隙は見えてくる)
ヨハン・モンタナ:「外装態・アンシェッタ」
ヨハン・モンタナ:具足の如く張り出した骨の靴を身に纏い、素早く駆けてテンペスト兵の雷撃を躱す。
ヨハン・モンタナ:右手が虚空に、イメージを収束させるためのラインを描き出す。
ヨハン・モンタナ:「外装態──モア」左腕が十字の盾となり、さらに十字の隙間を放射するように結晶状に変化した組織が張り出して、さらなる攻撃を防いだ。そして。
"トラッシュハンド":「来やがったな!"ファントム"の出涸らしを吸った程度で……」
"トラッシュハンド":「粋がってんじゃねェ!!!!」
ヨハン・モンタナ:「──おっしゃる通り」
ヨハン・モンタナ:クラウディア・ローデとの訓練で理解したことがある。
ヨハン・モンタナ:いかにオーヴァードの力を手に入れたとして、自分はその扱いに習熟しているわけではない。
"トラッシュハンド":"トラッシュハンド"を中心に蛍光色の霧が広がる。Σレゲネイド。腐肉の中でのみ活性化する変異型Rウイルス。
ヨハン・モンタナ:同格以上の力を持ち、戦いの作法を知っている相手には、決して勝てない。
ヨハン・モンタナ:「だよっ、くそ。でもね!」
"トラッシュハンド":しかしそれは、通常の生命が適合していないというだけだ。彼女は、生きながらΣレネゲイドを操れる唯一の適合者。
"トラッシュハンド":「爆ぜろ!!」ヨハンの前に立ち塞がった兵士の一人が、急激に膨張する。
ヨハン・モンタナ:その兵士ごと。
"トラッシュハンド":Σレネゲイドの強制励起。屍人兵士を爆発させ、ヨハンをその防御ごと粉砕しようとする。
ヨハン・モンタナ:前触れ無く、大きな棍のようなものが、"トラッシュハンド"を薙いだ。
"トラッシュハンド":「がッ…!?」
"トラッシュハンド":ぐるりと景色が回転する。
ヨハン・モンタナ:何も特殊な機能を持っているような変形ではない。ただ力強く、速い。
ヨハン・モンタナ:初めてハンターたちと対峙した時。
ヨハン・モンタナ:臨戦態勢となり、異常な成長をする肉体を制御するために──
ヨハン・モンタナ:あの時、ペンを握る右腕が異常な速度で動いた。
ヨハン・モンタナ:「今なら分かるよ。カンバスへと駆り立てられた日々がなんのためにあったのか」
ヨハン・モンタナ:繰り返したストロークをなぞるように。ただそれだけに特化した組織へと、気づかぬ間に変わっていたのだろう。
ヨハン・モンタナ:変身を行うための最初の変身。だからこの形態だけは、予備動作無しで呼び出せる。
コンスタンティン:「見事だ。その感覚を忘れるな」後ろからついてきていた老犬が満足げに語りかける。
ヨハン・モンタナ:「君が助けてくれたんだね」
ヨハン・モンタナ:巨大な絵筆を握る右腕。それがひび割れ、先端の組織に流血を滲ませる。
コンスタンティン:「買いかぶり過ぎだ。今の私はただの喋る犬に過ぎない」
ヨハン・モンタナ:風のような速度で振り回されて、地下空間に血の光景を描く。
ヨハン・モンタナ:作者不明の聖像は、このための道標だった。
ヨハン・モンタナ:抱えきれない感情が溢れた時、それを形にできないことを恐れていた。
コンスタンティン:「導きとすら言えない、主の手を引く程度の助けにもならないさ」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"は消えないよ」
ヨハン・モンタナ:震えるほどの悲しみを知れば、きっと立ち止まれないから。
ヨハン・モンタナ:押し込めて、風化して、永遠に消え去ってしまう寂しさに耐えられないから。
ヨハン・モンタナ:「叫びを上げない彼に変わって、ペンを取る」
ヨハン・モンタナ:「それが僕のやりたいことだもの」
ヨハン・モンタナ:外装態──ルカ。
ヨハン・モンタナ:描き出されたのは最初の幻視。ソルトレイクシティ消滅の悲劇。
"トラッシュハンド":「チッ……ガキが」薙ぎ払われた先で受け身を取り、瞬時に立ち上がる。
"トラッシュハンド":「当てつけのつもりかテメェ!!」
ヨハン・モンタナ:「僕の絵に対する、それが感想なら。それでいい」
ヨハン・モンタナ:「時を経ても忘れるな!」
"トラッシュハンド":「………」
"トラッシュハンド":「……忘れるなだあ……?」
"トラッシュハンド":「言われなくてもなぁ!!一秒たりとも!!忘れたことなんざねぇーーーーッんだよ!!!!」
"トラッシュハンド":「頭ん中にこびり付いて剥がれねえ!!だからこうやって……」
"トラッシュハンド":「削り落としてやんのさ!!!!テメエらオーヴァードを一人残らず磨り潰すまでなァ!!!!」
"トラッシュハンド":激昂した"トラッシュハンド"から、大量のΣレネゲイドが解き放たれる。
ヨハン・モンタナ:「っ──!!」
クラウディア・ローデ:「周りを自分より不幸にして、自分が上に立った気になってるんだ?」
クラウディア・ローデ:袖口から鉄索が伸び出ている。暗い壁伝いに走るその先端が、死角より"テンペスト"の一体を貫き捉える。
クラウディア・ローデ:「でもね。本当に幸せなやつってのは、周りから羨ましく見えるものなのさ」
クラウディア・ローデ:「死体に囲まれて喚き散らしてる君の姿は、ちっとも眩しく見えないかな」
クラウディア・ローデ:「それで慰めになるって言うなら、可哀想な人生だ」
クラウディア・ローデ:貫いた鉄索から、破壊振動はまだ送り込んでいない。だが……
クラウディア・ローデ:かつてクラウディア・ローデが取り込み身に宿した遺産は、錬金術の奇跡を秘めていた。
クラウディア・ローデ:紡ぎ出す鉄索の導電性を高くすることで──逆流していく。
クラウディア・ローデ:先の射撃で身に受けた、クラウディアの体内に帯電するプラズマが。
クラウディア・ローデ:……死体をベースにしていようとも、操作系の大半を機械化している事に変わりはない。
クラウディア・ローデ:貫かれたものは、数秒、運動機能を鈍らせる。
クラウディア・ローデ:更にそこから、空より降る稲妻がつづら折りの道を辿るように、
クラウディア・ローデ:「ふたつ、みっつ──」鋼の線は歪曲を繰り返し、翻弄しながら。ひと紡ぎに機械化兵を貫いていく。
クラウディア・ローデ:接続されていく。やがて崩落の音色を奏でる、クラウディア・ローデの指先と。
クラウディア・ローデ:「よっつ、いつつ──それじゃあ」
"トラッシュハンド":「……っ!!しまっ……」その狙いに気づき、瞬時に部隊を散開させようとするが……
クラウディア・ローデ:深く、息を吸う。
クラウディア・ローデ:強い破壊を生み出すのは、己が身を弦として引き絞るようなイメージ。
クラウディア・ローデ:「これで、いくつに減る?」
クラウディア・ローデ:瞬間、空気が張り裂ける。身の内に繋がれた糸より、崩壊が流し込まれる。
カイ・スェネミー:「ふぅむ。フロイラインの方がまるで手品のような事をする。本職顔負けじゃあないか。いや、実に見事」
クラウディア・ローデ:砕けていくそれらを見ながら、愉快そうに、子供のような笑みを浮かべている。「思ったより頑丈だ」
テンペスト兵:兵士たちが内部で暴走したプラズマに焼かれ、あるいは超振動により、一体、また一体と炎上し、崩壊していく。
ヨハン・モンタナ:「や、師匠、強すぎ」
カイ・スェネミー:「お。女教師か。素敵な響きじゃないか。ファントム」
クラウディア・ローデ:「ふふ、誇らしいでしょ?そっちのが」
クラウディア・ローデ:「というか。君の方こそ、ずいぶん男らしくなってるじゃん」
クラウディア・ローデ:「今度は訓練じゃなくて、デートに付き合ってあげても良い」
ヨハン・モンタナ:「それはちょっと嬉しすぎるかも」
"トラッシュハンド":「チッ……役立たず共が!!」
"トラッシュハンド":盾代わりにした兵士の残骸を地面に投げ捨てる。
"トラッシュハンド":機械化率の高い兵士は軒並みやられた。残っているのは、鈍重な生体強化型のみ
カイ・スェネミー:「酷い事をするな。懸命に君のために戦った兵子だろうに」
"トラッシュハンド":「……あ?知るかよ」
"トラッシュハンド":「コイツらは死んでんだよ。考える脳みそなんざ残っちゃいねえ」
"トラッシュハンド":「もっとも、生前だってろくなもんじゃなかったけどなぁ」
"トラッシュハンド":「そっちはブラジルの傭兵、そいつは強盗、そっちは……」
"トラッシュハンド":饒舌に語りはじめる。……あからさまな時間稼ぎだ。
"トラッシュハンド":屍肉の中で活性化するΣレネゲイド。それは既に、この空間に大量に散布されている。
カイ・スェネミー:「はははは。優しいじゃないか、そのように記憶しているとは。乱暴な扱いはもしや照れ隠しかな?」
"トラッシュハンド":体組織が崩壊し、肉体が四散しようとも……
カイ・スェネミー:「深遠なる知識によると、2000年代からはツンデレと呼称されるものだが。君はさしずめツンギレかな?」
"トラッシュハンド":関係ない。地面に散らばった兵士の残骸が、僅かに動き始めている。
カイ・スェネミー:冗談めかした緊張感のない言動。錬成を悟らせない時間稼ぎだ。
"トラッシュハンド":「訳分かんねえことばっか言ってんじゃねえぞタコ」
カイ・スェネミー:つまるところ、これは、どちらのレネゲイド展開が速いかの早撃ち勝負なのだ。
カイ・スェネミー:「訳の分からないことも、知った方が良い。知る事は深遠に、そして深淵に繋がるからね。君達は嵐のようで、此処は戦場ではあるが」
カイ・スェネミー:「それでも2001年9月11日のマンハッタンよりマシだとかね!」
カイ・スェネミー:錬成が完了する。
"トラッシュハンド":「無駄話は終わりだ……死ねや!!」ほぼ同時、Σレネゲイドの浸透を確信し、声を張り上げる。
カイ・スェネミー:《万能器具》手の中にはトランプ。その縁は剃刀のように研ぎ澄まされている。
カイ・スェネミー:遊び心に富んだジョークのような凶器を前方に向けて投げ放つ。
カイ・スェネミー:それぞれ初速を変えて6枚のカードが投擲される。さらに、その投擲弾道を縫うように、湾曲した軌道で 鍔を刃に変じたシルクハットが投じられた。
"トラッシュハンド":少しずつ、奇術師に近づいていた亡者たちが、一斉に襲いかかろうとして……
カイ・スェネミー:互いを追い抜き、交錯し、UFOのような複雑怪奇な軌道で殺到する、見ている者を惑わすカードイリュージョン。
カイ・スェネミー:その全てが、観客とも言えるテンペスト達の急所を掠めた。瞬間《形状変化》首を刈り取る大鎌にその姿を変えた。
カイ・スェネミー:「カードを他の物に変える。これもマジックの基礎だな。もっとも私の手品には種はないのだがね」
カイ・スェネミー:神人と呼ばれるのも、神威と呼ばれるのもおかしいと思っていた。だって、このような殺しにしか必要とされていない。
カイ・スェネミー:それよりも、この力はエンターティメントの為にずっと使いたかったが、まあ、人生はなかなか上手くいかないものだ。
テンペスト兵:首を刈り取られた亡者たちが、今度こそ崩れ落ちる。
テンペスト兵:砂のように細かな粒子となって、風に乗って四散していく。もう二度と、蘇ることはない。
カイ・スェネミー:観客を弔う様に、十字を切る。最後に見た奇術に満足してくれたのなら良いのだが。
"トラッシュハンド":「………ッ」正気を潰され、膝を折る。
"トラッシュハンド":「………は」しかし、口元に浮かんだのは獰猛な微笑。
"トラッシュハンド":亡者の軍勢が朽ち果てても、周囲に充満したレネゲイドの霧は晴れてはいない。
"トラッシュハンド":「良いぜ、拍手をくれてやるよ」
"トラッシュハンド":「特大のなァ!!!!」
カイ・スェネミー:「光栄の極み!笑顔と共にと言うのが実に良い。いささか獰猛だとは思うが」
"トラッシュハンド":爆発。それは仕掛けていた機雷の一つが起動しただけのささやかなものだったが
"トラッシュハンド":瞬く間に充満する霧へと引火し、爆炎を伴って延焼し、君達を飲み込む。
"トラッシュハンド":煙に含まれるのは、高圧縮された抗レネゲイド粒子。
"トラッシュハンド":たとえ炎を逃れても、一度吸い込めばじわじわとオーヴァードの肉体を内側から蝕み続ける。
ニコラス・デイヴィス:ニコラスの皮膚を食い破るようにして、白い骨が顕となる。
クラウディア・ローデ:「わっ、やば」攻撃に際して立ち位置を変えていた事が功を奏した。壁に埋めた鋼線を手繰り、かろうじて爆風の圏内から逃れる。
ニコラス・デイヴィス:「これ以上はやめた方が良いよ」
ニコラス・デイヴィス:「きっと後悔する」
"トラッシュハンド":「オレを……」
ニコラス・デイヴィス:骨が質量保存の法則を無視して複雑に絡まり合い、盾のように、壁のように展開する。
"トラッシュハンド":「憐れんでんじゃねェッ!!!!」
"トラッシュハンド":指先で指し示すと、煙がニコラスの周りに集まっていく。
"トラッシュハンド":「燻り殺す!!」
ニコラス・デイヴィス:"トラッシュハンド"の怒りを触媒としたように、激しい爆発が起こる。
"トラッシュハンド":「ハハハハハハッ!!!!ざまあみろ!!これで……」
ニコラス・デイヴィス:それはニコラスが展開していた骨の盾を打ち砕き、彼の体を確かに焼き払い
ニコラス・デイヴィス:爆破で加速した骨の鏃は、トラッシュハンドの喉元を抉っていた
"トラッシュハンド":「かっ───」
ヨハン・モンタナ:「ニコラスさん! 無事!?」
ニコラス・デイヴィス:「なんとかね。」
カイ・スェネミー:「おおっ、早業だ。怖いな、君は」
カイ・スェネミー:「狙ってやったのだろう?偶然ではなく」
ニコラス・デイヴィス:焼けた体を再生させながら平然と応える
"トラッシュハンド":喉笛を穿たれ、言葉を発することもなくその場に崩れ落ちる。
ヨハン・モンタナ:「心臓に悪いや。ともあれあっちは──」もう動け無さそう、と続けようとして。
ニコラス・デイヴィス:「偶然だよ。強固な力で無理に抑えようとすれば、ああいう事故も起こるさ」
カイ・スェネミー:「フ。そう言う事にしておこう。事故ならば実にラッキーだった」
クラウディア・ローデ:「へえ、今のが偶然? だとしたら、女神に愛されてるってやつかな」
テンペスト兵:君達の背後から、大鎚の如く巨大な腕が振り下ろされる。
ヨハン・モンタナ:「がぶっ」もろに着弾し、思い切り潰される。
テンペスト兵:僅かに残った屍人兵。"トラッシュハンド"が倒れた瞬間、確かに停止したように見えたそれは
クラウディア・ローデ:「あら、まだ動くんだ? 飼い主はダウンしたってのに、働き者ね」
テンペスト兵:次の瞬間、枷を解き放たれたかのように君達に襲いかかっていた。
ニコラス・デイヴィス:「チッ」
テンペスト兵:その肉体は歪に膨張し、最早人の姿を保っていない。
ヨハン・モンタナ:「っ、~~~! くそ、危ない!」なんとか再生が間に合う。転がるように飛び退く。
ニコラス・デイヴィス:倒れたヨハンくんの足元から樹木のように無数の骨が展開し、かろうじて追撃を防ぐ
ヨハン・モンタナ:「ありがと、けほっ……むごい」
カイ・スェネミー:「ファントム。《リザレクト》の仕方は覚えておくと潰しが効く。イメージは新しい手足を生やす、そのような感覚で私はやっているが」
テンペスト兵:統率者不在による暴走。こうなっては文字通り、朽ち果てるまで止まることはない。
ニコラス・デイヴィス:同時にカイくんを突き飛ばし、テンペスト兵の攻撃を代わりに受ける
ヨハン・モンタナ:「殺し合いが嫌いな君が言うんなら、本当に覚えなきゃまずいってことだ」
ニコラス・デイヴィス:「すまない。油断した。」
ヨハン・モンタナ:口元の血を拭う。
カイ・スェネミー:「《リザレクト》の応用として、虫歯になった歯を無理矢理引っこ抜くと、健全な歯が生えるので、これもお勧めだ」
ヨハン・モンタナ:「もう! こんなときまで冗談!」
テンペスト兵:その果てに訪れるのはソルトレイクシティの再現だろう。無論、それは君達の存在を考慮しなければの話だが。
カイ・スェネミー:突き飛ばされつつファントムを攫い安全圏に退避。
ヨハン・モンタナ:「わぷ。あ、ありがとう」
カイ・スェネミー:「助かった!すまないね。ニコラス」
ニコラス・デイヴィス:本当に油断をしていたわけではない。"トラッシュハンド"から受けた毒がコンマ何秒の遅れを生んだ
クラウディア・ローデ:「オッケー、そのまま逃げてね。巻き込まれないように」
クラウディア・ローデ:迫るテンペスト兵の前に立ちはだかる。鋼線の展開は間に合っていないように見える。
クラウディア・ローデ:否。天井に、蜘蛛の巣が広がっている。クラウディア・ローデが編み上げた鋼の網。
クラウディア・ローデ:兵士たちの頭上、唸るように死の音色が響いて。残る手足を磨り潰しながら覆いかぶさる。
クラウディア・ローデ:「おやすみなさい、知らない人たち」
テンペスト兵:鋼弦の奏でる調べと共に、膨張した死者の肉体がボンレスハムのように引き締められ、やがて弾け飛ぶ。
テンペスト兵:飛び散った肉片も、すぐに空中で塵へと分解され
テンペスト兵:後には降り積もるものすらない。これまでの戦いも含めて、"テンペスト"が擁するオーヴァード屍人兵20体は全滅した。
クラウディア・ローデ:彼らの血に濡れた金属線もまた、地下の地面を削りながら、砂鉄へと還元・四散する。いちいち解くよりこっちの方が早いからだ。
クラウディア・ローデ:頬に付いた血を拭き取って、君達の方へと振り返り。
クラウディア・ローデ:「みんな、お疲れ様。それで……」
クラウディア・ローデ:「どうやって出ようね。ここ」
カイ・スェネミー:トラッシュハンドの生死を確認しつつ。
ヨハン・モンタナ:「シルクハットからハシゴとか出ない?」
ニコラス・デイヴィス:「崩落以前からテンペストがここに展開していたということはどこかに抜け道があるのでは?」
カイ・スェネミー:「作れないことはないがね。ただし20フィートが良い所と言う欠点はある」
ヨハン・モンタナ:「そっか」
"トラッシュハンド":ヒュウ、ヒュウ、と、喉に開いた穴から空気が漏れる音がする。つまり、辛うじて呼吸はしている状態だ。
ヨハン・モンタナ:安い靴音を反響させながら、"トラッシュハンド"に歩み寄る。
ヨハン・モンタナ:「生きてる?」
カイ・スェネミー:生きているなら《万能器具》包帯を作り血止めくらいはしておく。気安めだが。
ヨハン・モンタナ:「ぽいね。連れて行こう」
クラウディア・ローデ:「喋れないんじゃない?その息の仕方だと」
ヨハン・モンタナ:背負うようにして立たせる。同じ男に助けられたという、親近感もあった。
クラウディア・ローデ:「気をつけなよ。隙を見て自爆くらいするタイプだから」
ニコラス・デイヴィス:「個人的にはオススメ出来ないな。彼女が発振器でも体に埋め込んでいたら危険だ
"トラッシュハンド":「……」虚ろな目が、ヨハンくんを向く
クラウディア・ローデ:「なにせ、負けて捕まったオーヴァードがどうなるのか一番知ってる」自爆装置が付いていなかったのは意外だけど、と思いながら。
ヨハン・モンタナ:「それは……」悩む「困るね………………」
カイ・スェネミー:「私の好きな展開は ファントムがピンチになったら、お前を倒すのはこのオレだ。などと言って、手助けしてくれるようになる。だが」
カイ・スェネミー:「君が選びたまえよ。初めての生殺与奪だ。私達はその選択を尊重するとも」
ヨハン・モンタナ:「殺す理由はない」
ヨハン・モンタナ:すぐに言いきった。僕が殺されると困るので、冷静に考えると、あるような気もするが。
コンスタンティン:「……少し良いだろうか」
クラウディア・ローデ:「私が鉄線で縛って持っとこうか。少しでも変な動きしたら、どうにかするし」
ニコラス・デイヴィス:「どうしたんだい。」
ヨハン・モンタナ:「うん、何?」
クラウディア・ローデ:「ん」
コンスタンティン:小さな歩幅で歩き、"トラッシュハンド"の前へ歩み出る。
コンスタンティン:「"ファントム"の乗った輸送機を落としたのは君の差し金だな。"トラッシュハンド"」
ヨハン・モンタナ:「え!」
コンスタンティン:「輸送計画が外部に漏れることはありえない。これまでもずっとそうだった」
クラウディア・ローデ:「……どういうこと?」
ヨハン・モンタナ:「あっ、でも。そうだよな。誰かが落としてるんだ。飛行機ってあんまり事故らないらしいし……」
クラウディア・ローデ:「仮に内部に犯人がいるとして、どうしてこいつなの?」
コンスタンティン:「爆弾にしろ薬にしろ、細工をできる者は軍内部にしかいない」
コンスタンティン:「理由なら明白だろう。散々言っていた通り、彼女はすべてのオーヴァードを憎んでいる」
コンスタンティン:「特に、憎き"ファントム"が死にかけているとなれば、やらない手はないだろうさ」
カイ・スェネミー:「だが、それは。国家反逆罪にならないかな?」
コンスタンティン:「本人に手は出せずとも、スペアを破壊すれば事足りる。またとないチャンスだ」
ヨハン・モンタナ:「そうなのかい?」
ヨハン・モンタナ:"トラッシュハンド"に聞いてみる。
"トラッシュハンド":「……ケホッ」
"トラッシュハンド":咳き込み、喉に詰まった血を吐き出す。
クラウディア・ローデ:余計な真似はするなよ、と脅すように鉄索がトラッシュハンドの体に巻き付く。
"トラッシュハンド":「……一枚岩じゃ……ねえのさ、どこだって、そうだろ」
"トラッシュハンド":嗄れた声で苦しそうに言葉を紡ぐ
ニコラス・デイヴィス:「それはそうだ。」
ヨハン・モンタナ:「……あんまり喋りづらいなら、後でもいいよ」
クラウディア・ローデ:「へえ。当たってるんだ?」
"トラッシュハンド":「クク……ああ、けど、いい気味だぜ……」
ヨハン・モンタナ:少しショックを受ける。でも、咎め立てすることだとも思えなかった。
"トラッシュハンド":「これで……"ファントム"のジジイ、が……惨めに死ぬのは、確定……」
"トラッシュハンド":「………?」
"トラッシュハンド":「……チッ」
ヨハン・モンタナ:「それは、そういうことになっちゃうよなあ……」
ヨハン・モンタナ:「うん?」
"トラッシュハンド":「……そういうことかよ……」苦しげな顔を更に顰める。
"トラッシュハンド":「……降ろせ」
"トラッシュハンド":ヨハンくんを跳ね除けるようにして倒れる。
ヨハン・モンタナ:手を離す。「わ」
クラウディア・ローデ:「降ろしてあげるんだ。素直なの」
カイ・スェネミー:「女性の意に沿うように即座に動けるのは、有望だよ」
カイ・スェネミー:「使い走りにならないようにだけ気をつけたまえ」
"トラッシュハンド":「……テメエらの、ことなんざ……どうでもいい……が」
ヨハン・モンタナ:「まあほら、今は話を聞こうよ」
ヨハン・モンタナ:しゃがんで続きを待ちます。
"トラッシュハンド":「オレに、かまってる場合じゃ……ねぇ……ぞ」ヨハンくんを睨めあげて
クラウディア・ローデ:こちらも巻き付けた鉄索は解かないまま、続く言葉に耳を傾ける。
ヨハン・モンタナ:「何に気づいたのか、教えて」
"トラッシュハンド":「……」ちらりと、ヨハンくんとは違う方向を見て
ニコラス・デイヴィス:"トラッシュハンド"の言葉に耳を傾けながら周囲の気配を探る
"トラッシュハンド":「……言うかよ、バカが」
"トラッシュハンド":「……せいぜい、苦しんで……死ね……」
"トラッシュハンド":再び気を失う。
カイ・スェネミー:「ふむ。大隊だろうか」
ヨハン・モンタナ:「…………ふう」
クラウディア・ローデ:「ええ……何なの、こいつ」
ヨハン・モンタナ:「いま絶対自爆すると思った」
ヨハン・モンタナ:「何なんだろうね」
カイ・スェネミー:「ははは。気骨があってチャーミングじゃないか」
カイ・スェネミー:「素直になれないと言うやつだよ。おそらく」
ヨハン・モンタナ:そう言いながら、"トラッシュハンド"を担ぎ上げる。オーヴァードになる前には軽々しくは出来なかったこと。
クラウディア・ローデ:「悪人ぶる割には……いや、悪人なんだけど。微妙に警告を残してくれてるのが反応に困るよ」
コンスタンティン:「…………」
ニコラス・デイヴィス:「何にせよ、まだ安心できる段階じゃなさそうだ」
GM:その時
ヨハン・モンタナ:(やっぱり、悪いことばかりじゃないよ、化物も)
ニコラス・デイヴィス:「コスタくん、犬の五感でなにか感じたりしないかい?」
GM:遠い耳鳴り、そして、目眩。
GM:ヨハン・モンタナが幾度となく体験した、記憶の幻視
ヨハン・モンタナ:「っ、────────」
GM:その最後の一欠片が、埋まろうとしていた。
クラウディア・ローデ:「……ヨハン?」
【幻視/Phantom】
"ファントム":君に謝らなければならない事が、幾つもある。
"ファントム":私は、君の幻影として生きた。
"ファントム":しかし、本当の意味で、影となって寄り添うことはできなかった。
"ファントム":君という存在は、きっとあの日、あの瞬間に終わらせてやるべきだったのだろう。
"ファントム":私の好奇心は、君に報われぬ生を重ねさせ、救われぬ死を見せ付けただけだった。
"ファントム":我が友。我が半身。我が憧憬。色褪せた我が幻影よ。
"ファントム":すまない、私では君を救えなかった。
"ファントム":すまない、私では君の絆にはなれなかった。
"ファントム":すまない、私はついぞ、涙の意味を知ることはなかった。
"ファントム":そして、すまない。最後に残った約束すら、私は今、こうして裏切ろうとしている。
"ファントム":……ああ、けれど友よ、責任の一端は君にもあるぞ?
"ファントム":なぜなら、私は君なのだ。
"ファントム":君が忘れてしまっても、私はあの日の君を覚えている。
"ファントム":だから、つい、我々のささやかな夢を叶えたくなってしまった。
"ファントム":わかるだろう?”ファントム”。
"ファントム":いつだって君は、目の前の命を助けたいと願っていたのだから。
【Climax/Phantom Bane】
GM:最後の追憶から、ほんの一瞬で少年の意識は引き戻される。
コンスタンティン:「……完成したな。ヨハン」
ヨハン・モンタナ:「"ロレム・イプサム"……」
コンスタンティン:「もう私が教えることはない。君は、一人前のオーヴァードになった」
ヨハン・モンタナ:小さく額を押さえる。
ヨハン・モンタナ:「待ちなよ、コンスタンティン」何かが変だ。
ヨハン・モンタナ:「君、そんな風に、そんな事を言うやつだったか?」
コンスタンティン:「……"ロレムイプサム"か。懐かしい名だ」
ヨハン・モンタナ:一人前のオーヴァードになる、というのは。
コンスタンティン:「お陰で少々遠回りになったが……ああ、これで君は───」
ヨハン・モンタナ:こんな風に達成される儀式なのか、いや、なぜ僕が"ファントム"のどのような記憶を。
コンスタンティン:その時、ふと、老犬の瞳から知性の光が消える。
ヨハン・モンタナ:「…………?」
ヨハン・モンタナ:とりあえずめちゃくちゃお腹とかを撫で回します。
コンスタンティン:「kuuuuunnn……」
コンスタンティン:腹を見せて寝転ぶ。完全に、もとの老犬に戻っている。
ヨハン・モンタナ:「戻った!」
ヨハン・モンタナ:「えっ、じゃあ。何? 皆に先に言うけど全然わかんないです」
GM:コツ コツ コツ
ニコラス・デイヴィス:「じゃあ、僕たちにはもっとわからないね。」
ヨハン・モンタナ:「! 誰──」
クラウディア・ローデ:「困った子ね。最後まで一人で納得したような事ばかり言って」
ニコラス・デイヴィス:「わかるのは。」
GM:半ば崩れたエンパイヤステートビルの入り口から、君達へと向けて誰かが降りてくる足音がする。
色褪せた男:「───これで君は」
ニコラス・デイヴィス:「まだ試練は続く、ということだけか」
色褪せた男:「我が肉体に相応しい器となった。ヨハン・モンタナ」
クラウディア・ローデ:「誰かの知り合い?」
クラウディア・ローデ:「……そう、君のか。いい友達ではなさそうだけど」
カイ・スェネミー:「全員が知っていて、全員が初対面だろうね」
ヨハン・モンタナ:「コンスタンティンに宿った知性とは……もっと穏やかで、寂しくて、優しい別れが待ってると思っていたんだ」
色褪せた男:くすんだ金髪、落ち窪んだ陰気な瞳、筋骨隆々としたたくましい肉体と、対象的な幽鬼のような佇まい。
ヨハン・モンタナ:立ち上がって、振り向く。
カイ・スェネミー:「種明かしを語るのが手品師ではないのは残念だよ。任せた、ヨハン」
色褪せた男:君に命を与えた男と違うのは、その姿がより罅割れ、老いているということだけだ。
ヨハン・モンタナ:「彼が"ファントム"だよ。本来の」
色褪せた男:諭すようにヨハンへ語りかける声色は、つい先程まで君の傍らにいた存在とよく似ていた。
ニコラス・デイヴィス:「それはそれは」
ニコラス・デイヴィス:「初めまして、でいいのかな?」
ヨハン・モンタナ:「初めましてでいいと思う。僕はよく知っているけれど」
色褪せた男:「好きなようにすると良い。私にとっては見知った姿だが、君達にとっては違うだろう」
色褪せた男:「いや、目線の高さが違うというのはそれなりに新鮮か」
ニコラス・デイヴィス:「君もファントムだとしたら、私は君をUSoGに勧誘するという任務を帯びている」
ニコラス・デイヴィス:「共にオーヴァードの権利拡大に尽力する気はあるかい?」
色褪せた男:「答えはわかっているだろう?」
色褪せた男:「生憎、既に一組織を預かる身だ。リトルボーイには悪いが、丁重にお断りしよう」
ヨハン・モンタナ:「皆、オーヴァードに利する組織の一員だからね、水が合わなさそう」
ヨハン・モンタナ:"トラッシュハンド"を降ろし、横たえる。
ニコラス・デイヴィス:「それは残念だ」
色褪せた男:「では、改めて君達にも礼を言おう」
色褪せた男:「よくここまで彼を守り、連れてきてくれた」
クラウディア・ローデ:「それじゃ、質問したって答えてくれそうにないね。欠けた記憶は戻ったって感じに見えるけど」
ヨハン・モンタナ:「親愛なる"ファントム"よ。僕の体を乗っ取りに来たのかな」
色褪せた男:「その通りだ。親愛なるヨハン・モンタナ」
ヨハン・モンタナ:「あなたは僕のこと、あんまり知らないでしょ」
ヨハン・モンタナ:やれやれと、弱った調子で軽く髪を掻く。
色褪せた男:「知っているさ。ずっと近くで見ていたからね」
色褪せた男:「人間としての君はもちろん知らないが……興味もない」
ヨハン・モンタナ:「…………そこからか」
カイ・スェネミー:「ふぅ。私は犬派ではあるのだが、今の彼はいただけないな」
色褪せた男:「オーヴァードとしての君と一番長く居たのは私だとも」
色褪せた男:「写し身の"ファントム"は、アフターケアに心を割けるほど気の利いた男ではなかったということだ」
色褪せた男:「君に心臓を譲った男は、跡形もなくこの世から消えた。置き土産を残す暇もなく」
色褪せた男:「だから代わりに、私が面倒を見ることにしたのさ。犬の身体は不便も多かったがね」
色褪せた男:「君の力は私とは違う。おそらくは、元々素養があったのだろう」
色褪せた男:「だが、心臓は同じものだ。加えて君のエグザイル能力は、外部の因子を受け入れることに長けている」
色褪せた男:「慣らしも済んだ。多少の摩耗はあるだろうが、十分に許容できる」
ヨハン・モンタナ:「ねえ。"ファントム"。アルフレッド・ロジャーズ」
ヨハン・モンタナ:「僕は、これ以上あなたが傷ついていくのを」
ヨハン・モンタナ:「見て、いられないよ」
色褪せた男:「それは良かった。安心すると良い」冷え切った目で君を見る。
色褪せた男:「君はこれ以上、何も見る必要はない」
色褪せた男:「……それと一つ、訂正しておこう」
色褪せた男:「"ファントム"、"セイラムの亡霊"、"超災症例第一号(ファースト・ベイン)"」
色褪せた男:「アルフレッド・ロジャーズ……様々に呼ばれてきたが、今は正しくない」
GM:男の後ろから、ザリ、と、瓦礫を踏みしめる音が響く。
GM:足音は2つ。
色褪せた男:「紹介しよう。"ブルズアイ"、"サンダークラップ"」
"ブルズアイ":長髪を後ろで結った、眼帯の男。巨大な洋弓を携えている。
ニコラス・デイヴィス:(参ったな。ここまで近づかれなお、ヤツが声をかけるまで気配を感じることすら出来なかった)
"サンダークラップ":白いドレスに身を包んだ、金髪の美女。髪の毛は帯電し、毛先は半ばプラズマ化している。
色褪せた男:「そして私は……」
色褪せた男:「"ファントムベイン"、大隊長(キャプテン・コマンダー)」
"マスターファントム":「"マスターファントム"だ。以後、お見知りおきを」
"マスターファントム":「短い付き合いになるとは思うがね」
ヨハン・モンタナ:「訂正って、そんな、こと……!」
ヨハン・モンタナ:くしゃりと顔が歪む。
ヨハン・モンタナ:顔色一つ変えないこの男が、傷ついていることを否定しなかったのが、胸が潰れるほど悲しかった。
ヨハン・モンタナ:今だって、これからも。同じように。ただ顧みられず、報われず、戦いに明け暮れて消えて行く。
クラウディア・ローデ:「……ヨハン。やれる?」
クラウディア・ローデ:ただ、それだけを聞く。もし無理だと言うなら、自分が全部なんとかしてやるとでも言っているような。
ヨハン・モンタナ:ずっと──
ヨハン・モンタナ:ずっとわめき散らかしたかった。無理だよ、めちゃくちゃだって。
ヨハン・モンタナ:僕はただ頷いただけだ。
ヨハン・モンタナ:死の淵で生きたいかという問いに。
ヨハン・モンタナ:何が正義だとか、今誰が苦しんでるだとか、オーヴァードの権利だとか、国とか政治とか軍隊だとか。
ヨハン・モンタナ:それら全てを飲み込んでしまいそうな、ただ一人の悲しみであるとか。
ヨハン・モンタナ:それでも。
ヨハン・モンタナ:「…………やれる」
ヨハン・モンタナ:「やれるよ!」
ヨハン・モンタナ:溢れる涙を拭い飛ばして、叫ぶ。
ヨハン・モンタナ:「生きるって言ったんだ」
ヨハン・モンタナ:「知ってたよ、ただそれだけのことが難しいんだって」
ヨハン・モンタナ:「僕が望んだんだ」
ヨハン・モンタナ:「あの瞬間、あの取引にそれだけの価値があった」
"マスターファントム":「……取引か。奴らしい」
ヨハン・モンタナ:「"マスターファントム"。あなたが死んでるみたいに生きるっていうのなら──」
"マスターファントム":「"ロレム・イプサム"。我が幻影。最後に裏切られる形にはなったが」
"マスターファントム":「許そう。君の贈り物を受け取って、私は生きる」
ヨハン・モンタナ:「救ってみせる。絆になってみせる。涙の意味を描き出して見せる。この右手の届く限りをこの世に遺して見せるよ。だれが忘れても、世界が覚えているように」
ヨハン・モンタナ:「絶対に、負けてやるもんか!」
"マスターファントム":「……勝負になどならんよ」
クラウディア・ローデ:「ふふ、良い答え」晴れやかに笑う。
クラウディア・ローデ:「お友達に教えてやれ。あいつの知らない、君のすごいところをさ」
ニコラス・デイヴィス:その言葉を聞き届け、静かに微笑む。まるで美しい絵画と邂逅したかのように
ニコラス・デイヴィス:「ね?」傍らのカイくんに声をかける
ニコラス・デイヴィス:「彼は、僕らが王と担ぐに相応しい傑物だろう?」
"マスターファントム":ヨハンから視線を離し、三人のオーヴァードを一瞥する。
カイ・スェネミー:「確かに、紛れもなく王の器だ。私はそこは見誤っていたな。だけど、そうだな。私も私で、最後まで付き合う理由がある」
カイ・スェネミー:「そう。彼は過去の私の姿で、そして彼は私の友人だからね」
カイ・スェネミー:傍らの男に笑って応える。
"マスターファントム":「……我々の最優先目標はヨハンの確保だが」
"マスターファントム":「残念ながら、君達を見逃してやるつもりもない」
"マスターファントム":「"革命の盾"」
"マスターファントム":「君にはピッグス湾の戦いで随分手を焼かされた」
"マスターファントム":「私が直接見えた訳では無いが、君一人にかかずらったために」
"マスターファントム":「アメリカは、キューバの独立を許すこととなった」
ニコラス・デイヴィス:「それはそれは、随分と過大評価をしてくれてるね。」
"マスターファントム":「足りないくらいだとも。君が生きてきた年月を思えばね」
"マスターファントム":「"M.S/M.T"」
カイ・スェネミー:優雅に一礼をする。
カイ・スェネミー:「私はしがない一介の手品師だとも。称賛は手品の腕だけで構わないよ」
"マスターファントム":「そうかな?深淵なる知識に触れた者。今はまだ、この世界はそれを受け入れる素養が整っては居ないが」
"マスターファントム":「たとえ妄言、妄想の類であろうと、君の知識は語られるだけで潜在的驚異となる」
"マスターファントム":「"船員達"は、君を殊更危険視しているよ」
カイ・スェネミー:「それは困ったな。私はそういう諸々から逃げだして、今此処にいるのだが」
クラウディア・ローデ:「へえ。その呼び名、そっちでも使ってるんだ?」
クラウディア・ローデ:声色こそ変わりないが、顔からは笑みが消えている。
"マスターファントム":「"Blatt Drei"」
"マスターファントム":「ゲオルグ・クローヴィンケルの忘れ形見。君達の呼び方に合わせたまでだ」
"マスターファントム":「彼は既に死んだが……」
"マスターファントム":「予定では、もう少し減らしておくはずだった」
"マスターファントム":「ここで尻拭いをしておくとしよう。なに、いつものことだ」
クラウディア・ローデ:「……ふふ。ムカつく事を言ってくれると、かえって助かるな」
クラウディア・ローデ:「貴方が"そういう奴"だって分かったなら、こっちも手段を選ばずにやれる」
"マスターファントム":「……では、始めようか。オーヴァード諸君」
"マスターファントム":「我々は"ファントムベイン"」
"マスターファントム":「自らの災厄を以て、この世界の敵を滅ぼす者だ」
GM:クライマックス戦闘2を開始します。
GM:"マスターファントム"から放たれる、レネゲイドの重圧。
GM:今まで感じたことのない、底冷えするような重苦しさを孕んだそれは、しかし同時に君達のよく知るものだ。
GM:《ワーディング》が、マンハッタン島を覆い尽くす。
GM:衝動判定。難易度は9!
ニコラス・デイヴィス:思い出の一品パワーを使います
ヨハン・モンタナ:7dx+3>=9 能力訓練使用。
DoubleCross : (7DX10+3>=9) → 10[1,2,3,4,4,9,10]+9[9]+3 → 22 → 成功

ニコラス・デイヴィス:3dx+3>=9
DoubleCross : (3DX10+3>=9) → 10[4,9,10]+9[9]+3 → 22 → 成功

ヨハン・モンタナ:非常に強い意志
ニコラス・デイヴィス:おそろい
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を2d10(→ 13)増加 (100 → 113)
カイ・スェネミー:5dx
DoubleCross : (5DX10) → 9[4,4,4,6,9] → 9

ヨハン・モンタナ:やったね
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を2d10(→ 2)増加 (94 → 96)
クラウディア・ローデ:6dx+1>=9 意志
DoubleCross : (6DX10+1>=9) → 7[1,2,4,5,7,7]+1 → 8 → 失敗

カイ・スェネミー:成功です。
ニコラス・デイヴィス:天才
クラウディア・ローデ:失敗。暴走します
カイ・スェネミー:2d10+97
DoubleCross : (2D10+97) → 11[9,2]+97 → 108

クラウディア・ローデ:あっいや思い出の一品あった
クラウディア・ローデ:やっぱり成功してます
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を2d10(→ 8)増加 (112 → 120)
GM:言い忘れていました。クライマックス2移行に伴い、登場侵蝕は発生しておりませんが
GM:バッドステータス、シーン回数制限のある効果はリセットされております。
GM:というわけで改めて失敗した人は暴走受けてもろて
GM:説明!
GM:NPCカード:コンスタンティンは、普通の犬に戻ったため使えません
ニコラス・デイヴィス:そんなー
GM:その代わり、この戦闘ではみなさんが開放した脱出ルートに応じて
GM:専用ユニークアイテムが配布されます
ヨハン・モンタナ:おじいちゃん犬だからね
クラウディア・ローデ:なんと
ヨハン・モンタナ:わーい なんだろ
【ユニークアイテム:ファルス・ハート】
ヨハン専用。
”ファントム”から受け継いだ心臓。
万能の偽物。しかし、描き出す意志があればそれは真となる。
あなたが取得している、回数制限のあるエフェクトの使用回数を1回増やす。
シナリオ1回。

【ユニークアイテム:ゲシュペンスト徽章】
クラウディア専用。
墓石から這い出る亡者の腕を象った、戦友の形見。
オーヴァードの能力を一時的に向上させる薬液が内蔵されている。
あなたがダメージを算出する直前に使用する。その攻撃のダメージを+8Dする。
シナリオ1回

【ユニークアイテム:カルタゴの雷光】
ニコラス専用。
ハンニバル・バルカが自決する際に用いたとされる毒薬。
その真偽は定かではないが、オーヴァードに対する強い毒性を持つ。
あなたが対象にダメージを与えた時に使用する。対象は邪毒7を受ける。
シナリオに3回使用でき、効果は累積する。

【ユニークアイテム:ワイルドカード】
カイ専用。
何の変哲もない、イカサマ用トランプ。
それは、タネも仕掛けもある奇術の道具である。
あなたの攻撃の命中判定の直前に使用する。その攻撃に対して、対象はリアクションを行えない。
シナリオ1回

GM:このようになっております
カイ・スェネミー:あ!リア不!!好き!
GM:うまく使ってあげてね
クラウディア・ローデ:なるほどね 暴力
GM:それでは第一ラウンドからはじめます!
カイ・スェネミー:ファルス・ハート もうこういう擦り方して!!
“ブルズアイ”[13] “マスターファントム”[7] “サンダークラップ”[8]

10m

ヨハン[14] クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

GM:エンゲージはこう!
GM:セットアップから。宣言どうぞ!
ニコラス・デイヴィス:なし
ヨハン・モンタナ:なし
クラウディア・ローデ:「toi toi toi」《狂想の旋律》
クラウディア・ローデ:範囲内の味方に攻撃力+18と暴走。受けたい人はどうぞ
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を5(→ 5)増加 (120 → 125)
カイ・スェネミー:狂騒の旋律を受け取ります。そしてセットアップはなし。
"ブルズアイ":《戦いの予感》LV4《ランブリングシャドウ》LV4 行動値+40 シーン中、ダメージを受けるまで判定ダイス+7
"サンダークラップ":《解放の宴》LV4《雷神の降臨》LV4《オーバーアクセル》LV2 飛行状態になりラウンド中あらゆる判定ダイス+5 攻撃力+20 行動値0 変異暴走:解放
ヨハン・モンタナ:狂想受けません。セットアップなし。
ニコラス・デイヴィス:狂騒受けません
"マスターファントム":剣星の星砂使用。《インフィニティウェポン》LV6《シールドクリエイト》LV5《ダブルクリエイト》LV2 攻撃力21ガード値3の武器2つと、攻撃力8ガード値17の盾を2つ作成。(リーサルシャインとDロイス:錬金術師で強化済)
"ブルズアイ":「あらよっと」
"ブルズアイ":何の前触れもなく、洋弓から無数の矢が放たれる。番えて、撃つ、という動作が何ら気負いなく、一呼吸の間に圧縮されている。
"ブルズアイ":居合術にも似た達人の業。しかし、放たれた矢は君達には向かわず、それを取り囲むように周囲の地面に突き刺さる。
"ブルズアイ":矢は突き立った場所で姿を変え、大きな水晶体を形作った。
"ブルズアイ":「俺の取り柄は弓(こいつ)だけでね。得意地形(ホームゲーム)のハンデくらいは許してくれよ」
"サンダークラップ":全身に紫電を纏い、女が宙に浮き上がる。
"サンダークラップ":手足が稲妻へと姿を変え、翼のように空を覆う。
"マスターファントム":「……さて」
"マスターファントム":男の両脇に、ビルの屋上から巨大な鋼鉄の塊が落下する。
"マスターファントム":半月型の巨大な盾と両刃剣が合体したような歪なシルエット。
"マスターファントム":両の腕にそれを携えて、階段のように積まれた瓦礫をゆっくりと降りてくる。
カイ・スェネミー:「なんと派手なものだな。ヤンキースタジアムも作られてしまったぞ。我々も対抗すべきかな?」
クラウディア・ローデ:「5mの梯子で?冗談でしょ」
クラウディア・ローデ:笑い声と共に空気が軋み、罅入る。眠り沈むレネゲイドを強引に喚起する音色。
クラウディア・ローデ:同時にビルの窓ガラス、装飾、戦闘によって四散した武器片、それらがふわりと浮き上がった。
クラウディア・ローデ:クラウディアの袖口から伸びた鉄索が、磁力によって周囲の金属を引き寄せて
クラウディア・ローデ:モルフェウスの力が、丸呑みする蛇のようにそれらを取り込み・再錬成する。禍々しく畝る黒蛇が、敵を睨む。
カイ・スェネミー:「ははは。今、この時に梯子をかけるなら、天国への一通のやつが望ましいかな?」
カイ・スェネミー:その狂騒の音色に身を任せ、己が身に潜む忌まわしい暴力装置を励起させる。
GM:ではイニシアチブ!
GM:なんと行動値51。ブルズアイくんからです
ヨハン・モンタナ:速すぎ!
"ブルズアイ":マイナー 《原初の黒:ライトスピード》メジャー2回攻撃。C値+1。
"ブルズアイ":メジャー一回目 《死点撃ち》LV4《原初の赤:ペネトレイト》LV2《原初の白:スプリットアタック》LV4《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》LV3
ニコラス・デイヴィス:パクリだ!クラウディアさんのパクリだ!!
"ブルズアイ":必中の弓でPC全員を攻撃します。
"ブルズアイ":14dx8+19 
DoubleCross : (14DX8+19) → 10[1,1,3,3,4,4,5,5,6,7,7,8,8,9]+10[5,7,10]+6[6]+19 → 45

クラウディア・ローデ:殺意つよない?
ヨハン・モンタナ:固定値が高い 装甲無視もある
クラウディア・ローデ:暴走しているため撃たれ放題です
カイ・スェネミー:リア不
ニコラス・デイヴィス:ガード
ヨハン・モンタナ:ガードしとくか……
"ブルズアイ":ダメージ出すよ!
"ブルズアイ":5d10+23
DoubleCross : (5D10+23) → 22[1,7,1,8,5]+23 → 45

"ブルズアイ":装甲無視!
クラウディア・ローデ:当然倒れるダメージ
ニコラス・デイヴィス:行動放棄カバー一番高いクラウディアさんをかばいます
クラウディア・ローデ:ありがたい
カイ・スェネミー:ニコラス君。デモンズウェブはどうする?
ヨハン・モンタナ:《崩れずの群れ》でカイさんを庇うぜ。これでデモンズウェブ要らないんじゃないかな
ニコラス・デイヴィス:闇取引でカイくんがカバーしてくれそうなので、カイくんに任せるぜ
ニコラス・デイヴィス:リザレクト
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を2(→ 2)増加 (113 → 115)
ニコラス・デイヴィス:ニコラス・デイヴィスの侵蝕率を1D10(→ 6)増加 (96 → 102)
カイ・スェネミー:庇われるぜ!
ニコラス・デイヴィス:流石にな…!!
"ブルズアイ":ならば二撃目行くぜ
ヨハン・モンタナ:では固定ロイスの自我をタイタス昇華して起き上がります。HP14
"ブルズアイ":メジャー 《ワンショットツーキル》LV4《死点撃ち》LV4《原初の赤:ペネトレイト》LV2《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》LV3
"ブルズアイ":必中の弓で二体攻撃
"ブルズアイ":1d4
DoubleCross : (1D4) → 2

"ブルズアイ":1d4
DoubleCross : (1D4) → 1

"ブルズアイ":ヨハンくんとクラウディアさん!
クラウディア・ローデ:モテて困っちゃうな
"ブルズアイ":14dx8+19
DoubleCross : (14DX8+19) → 10[1,1,2,2,2,3,4,4,6,7,8,8,10,10]+10[3,3,6,9]+1[1]+19 → 40

クラウディア・ローデ:暴走リア不
ヨハン・モンタナ:きやがった
ヨハン・モンタナ:ガード
GM:カバーリングはないね。ダメージ出します
"ブルズアイ":5d10+23 装甲無視
DoubleCross : (5D10+23) → 25[7,5,6,3,4]+23 → 48

ヨハン・モンタナ:《異世界の因子》を使用します 侵蝕120に。
ヨハン・モンタナ:《ペネトレイト》を取得しましょう。さらに《異形の捕食者》
GM:なんだと……!
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を6(→ 6)増加 (120 → 126)
ヨハン・モンタナ:48-8-5d10 えーい!
DoubleCross : (48-8-5D10) → 48-8-28[4,3,9,6,6] → 12

ヨハン・モンタナ:HP2で生存
クラウディア・ローデ:こっちは倒れます。ファントムのロイスを切って蘇生。
"ブルズアイ":やるじゃねえの
ヨハン・モンタナ:シーン中攻撃力+28です
"ブルズアイ":男がその手に矢を取る。それは先程放った物とは異なる姿をしていた。
"ブルズアイ":青白く輝く光の弓。
"ブルズアイ":固定化された光子エネルギーの塊が、番える動作も無く発射される。
"ブルズアイ":同時に4条。それは君達の周囲に突き立った水晶体に反射して
"ブルズアイ":不可避の軌道で、冷徹に君達の急所を射抜く。
ヨハン・モンタナ:「外装態(パトローナス)・クリストフォロス!」
ニコラス・デイヴィス:"ブルズアイ"が構えた弓の特異性を理解した瞬間、ニコラスの体が変化する。
ニコラス・デイヴィス:蠢く白い骨がクラウディアを被弾から守るが
ニコラス・デイヴィス:白い骨は眩ゆい光に触れただけで無惨に砕ける
ヨハン・モンタナ:左腕が樹状に成長する。枝分かれした幹が自身とカイを覆い隠す。
カイ・スェネミー:「ははは。指先が見えなかったぞ。君、手品師になった方が良いんじゃないか?クソッ、羨ましいなっ!」
"ブルズアイ":「やるねえ。だが……」
ヨハン・モンタナ:──变化していても、元は自分の左腕だ、当然痛みはあるが。
カイ・スェネミー:よって、避ける手段などないのだ。だが、自分の身は完璧に守られている。
ニコラス・デイヴィス:「不味い、あれは特別性だ。レネゲイドを忌み嫌う国のくせにあんなものまで隠し持ってたのか」
"ブルズアイ":放たれた四条の矢は、いずれもヨハンとニコラスによって防がれる。しかし
ヨハン・モンタナ:「がっ──ふ、ふ! もっと向いてる仕事があるってさ!」
カイ・スェネミー:「うん。助かった。次もまた狙いをつけるようだが、耐えられるかい?私のファントム」
"ブルズアイ":その影に隠れた、二条。先に突き立った矢と全く同じ位置に当たったそれは
カイ・スェネミー:「リンゴを当てれずに人に当てるようでは、成程、手品師には向いていないなっ!」
"ブルズアイ":既に防がれた光の矢を吸収して、新たな軌道を描く。
"ブルズアイ":一つは、ニコラスの骨の盾の表面を滑るようにすり抜けてクラウディアへ
"ブルズアイ":もう一つは、純粋に威力を倍増させてヨハンの守りを突き破ろうとする。
ニコラス・デイヴィス:肉体の、いや、意識の虚を突いた一矢。反応をすることすら許されず骨の迷路の中を光が駆け抜けていく。
クラウディア・ローデ:「こふっ……」初めから避ける気がない。荒ぶ音色だけが防壁となって僅かに急所を逸らす。
ヨハン・モンタナ:「──耐えられない」
ヨハン・モンタナ:そう呟くと同時かそれより速く。
ヨハン・モンタナ:樹状に成長した左腕の『根』に当たる部分──それが地中深くから吸い上げた水流が吹き出し、一瞬で蒸発しながら光の矢の軌道を明後日へと曲げる。
ヨハン・モンタナ:炭と化した体組織がぼろぼろと崩れ落ち、元通りの左腕が現れた。
ヨハン・モンタナ:「だから、こうする」
"ブルズアイ":少年を称えるように口笛を吹く。
カイ・スェネミー:「良し。その手品は見事なものだ。助手が欲しい時は声をかけるとしよう」
カイ・スェネミー:嬉しそうに笑う。
ニコラス・デイヴィス:(あの攻撃をいなした。いや、取り込んだ?)(ファントムを受け入れ、思想の異なる僕たちを理解しようとする。彼のその生き様にレネゲイドが感化されたか?)
ヨハン・モンタナ:「最高だ。いつでも呼んで!」
GM:続いてのイニシアチブ
GM:行動値14 ヨハンくん!
ヨハン・モンタナ:いきます。マイナーで接敵。
ヨハン・モンタナ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《過剰反応》《ペネトレイト》《ジャイアントグロウス》
ヨハン・モンタナ:ダイスがいっぱい増えていっぱい減るぜ。エネミー全員を攻撃!
ヨハン・モンタナ:11dx7
DoubleCross : (11DX7) → 10[2,2,3,3,3,4,5,5,5,7,7]+3[3,3] → 13

“ブルズアイ”[51] “マスターファントム”[7] “サンダークラップ”[8]
ヨハン[14]

10m

クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

ヨハン・モンタナ:ヤッバ
カイ・スェネミー:うえーー
GM:あらあら
"サンダークラップ":これなら避けられそう……ドッジ
"サンダークラップ":10dx+1>=13
DoubleCross : (10DX10+1>=13) → 9[1,1,1,1,1,3,4,6,7,9]+1 → 10 → 失敗

ヨハン・モンタナ:避けられちゃう~
"サンダークラップ":ヤッベ
クラウディア・ローデ:あらあら
ヨハン・モンタナ:やった~一人当たった
"ブルズアイ":11dx+2
DoubleCross : (11DX10+2) → 9[1,2,2,4,6,7,7,8,8,8,9]+2 → 11

"ブルズアイ":ヤッベ
"マスターファントム":《砂の結界》《八重垣》ブルズアイをカバーリングしてガード
ヨハン・モンタナ:ハァハァ 怖かった
GM:ダメージよこしな!
カイ・スェネミー:クラップではない!?策か?
ヨハン・モンタナ:2d10+12+28+6+2d10 装甲無視
DoubleCross : (2D10+12+28+6+2D10) → 19[10,9]+12+28+6+14[6,8] → 79

ヨハン・モンタナ:ダメージダイスはやる気だな!
GM:でっけえなオイ
"マスターファントム":ガードで34弾き、45
"マスターファントム":これの二倍で90ダメージ 痛い
"サンダークラップ":《拒絶領域》で20減らし59ダメージ 痛い
GM:どっちもまだ生きてます
ニコラス・デイヴィス:タフ野郎ども~~~!!
ヨハン・モンタナ:強敵だぜ
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を14(→ 14)増加 (126 → 140)
ヨハン・モンタナ:「描け、ルカ」右腕が強く靭やかに変化する。
"マスターファントム":「それは既に見ているぞ」ヨハンの攻撃の軌道を予測し、いち早く間合いを取る。
ヨハン・モンタナ:地面から水が吹き出したことによって発生した泥を筆に含ませて、コンクリートの壁面に、心臓を失って眠る歌姫が描き出された。
"マスターファントム":両腕の盾を重ね合わせ、巨大なラウンドシールドを形作る。
"マスターファントム":「……なるほど、目は良いようだ」
ヨハン・モンタナ:「同じことで満足してたら」
ヨハン・モンタナ:「芸術家にはなれないもの」
ヨハン・モンタナ:イメージする。かつてなく高揚するレネゲイド、変異する左腕が。
ヨハン・モンタナ:生体鉱の臓腑を剥き出しにした怪物へと変わっていく。否、その配列は臓腑ではなく、どちらかというと管楽器に近い。
ヨハン・モンタナ:「いくよ! 幻想態(ファンタズマ)・チェツィーリア!」
ヨハン・モンタナ:筆先を指揮棒のように跳ね上げた。
"マスターファントム":「……!」ずしり、と大盾に重圧がのしかかる
ヨハン・モンタナ:怪物の口を咆哮として、振動波を伴う衝撃風が地下空洞を揺らす。"マスターファントム"たちの退がった位置が最も強く共振するように!
ヨハン・モンタナ:「──白人も、黒人も、インディアンも、移民も、そしてもちろん」
ヨハン・モンタナ:「あなたたちも。だ」
"サンダークラップ":「くっ……大佐、この子……!!」逆位相の電磁波をぶつけて防壁とするが、出力の差で押し切られていく。
ヨハン・モンタナ:プロホロフカの惨劇──大拡散の騒乱の中で、アメリカは、一つにならなければいけなかった。
ヨハン・モンタナ:だからオーヴァードを悪者にしたのかもしれない。でも、そうでしょう?
ヨハン・モンタナ:あなたはマリア・ノースライトへ、君と同じ夢があると答えた。
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"は消えない。」
"マスターファントム":「……」衝撃波を全身で受ける。肉体が軋みを挙げるが、その盾と、背後の"ブルズアイ"には傷一つついていない。
ヨハン・モンタナ:1つ描き上げるたびに、抑えていた悲しみと、寂しさと、勇気が湧き上がってくる。
ヨハン・モンタナ:「二人目の"ファントム"がそう願って、僕が受け容れた」
"マスターファントム":「……やめておけ。君には荷が重い」
"マスターファントム":「それは、私が背負うべきものだ」
GM:次のイニシアチブ
GM:行動値7組ですが……
"マスターファントム":《ブリッツクリーク》
"マスターファントム":先に行動させてもらうぜ
ニコラス・デイヴィス:インチキしてんのら!!!
"マスターファントム":マイナー 《真名の主》LV3 シールドを選択。シーン中ガード値を+4D10
"マスターファントム":4d10
DoubleCross : (4D10) → 22[4,3,9,6] → 22

"マスターファントム":片方のシールドの防御力が39に
"マスターファントム":メジャー 《咎人の剣》LV3《ギガノトランス》LV2《マルチウェポン》LV5《ヴァリアブルウェポン》LV3《カスタマイズ》LV3《コンセントレイト:ノイマン》LV3
"マスターファントム":剣と盾四本を使って、PC全員に攻撃!
ニコラス・デイヴィス:《守護者の巨壁》!
"マスターファントム":なに……!
ニコラス・デイヴィス:攻撃対象を僕一人にします。
"マスターファントム":なんて男だ……
"マスターファントム":11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,2,5,5,7,7,8,8,8,8,9]+10[2,2,5,5,5,6,9]+10[10]+10[8]+10[8]+3[3]+6 → 59

ニコラス・デイヴィス:ガード
ニコラス・デイヴィス:《自動触手》
"マスターファントム":6d10+73
DoubleCross : (6D10+73) → 34[4,7,5,8,1,9]+73 → 107

"マスターファントム":ぐおおお……!
ニコラス・デイヴィス:24点のHPダメージをマスターファントムに与えます
ニコラス・デイヴィス:ダメージが通ったなら
ニコラス・デイヴィス:【ユニークアイテム:カルタゴの雷光】
ニコラス・デイヴィス:邪毒7も持ってけ!
"マスターファントム":通ります。邪毒も受ける!
ニコラス・デイヴィス:もろもろで侵蝕が110に。カイくんのロイスを切り復活!
"マスターファントム":大盾を再び分離し、両手に構える。
"マスターファントム":"ファントム"。アメリカで最初に確認されたオーヴァード。
"マスターファントム":人々の恐怖と好奇によって脚色されたその伝説に反して、この男の能力は
"マスターファントム":驚くほど特筆すべき所を持たない。
"マスターファントム":単純な錬成能力。純粋な肉体強化と思考加速。
"マスターファントム":トライブリードの発現によって得たオルクス能力は、戦闘に寄与するものではない限定的な精神移植。
"マスターファントム":それらをただひたすらに練磨し、鍛え上げた末の、災厄を滅ぼす災厄である。
"マスターファントム":「君に最初に教えたな」
ヨハン・モンタナ:「……!」
"マスターファントム":多重錬成。両腕の盾剣がみるみる内に巨大化していく
ヨハン・モンタナ:"ファントム"が動く。ただそれだけで総毛立つほどの存在感。
"マスターファントム":「イメージしろ。レネゲイドの力は意志の力」
"マスターファントム":「揺るがぬ者ほど、強い」
"マスターファントム":世界最大の建造物。エンパイヤステートビル。
"マスターファントム":それに並ぶ程の巨大さとなった、二振りの刃が、無慈悲に振り下ろされる。
ヨハン・モンタナ:「ばっ…………バカじゃないの!?」
カイ・スェネミー:「化け物というやつだな。正しく。私の妄想など、このイメージに比べれば随分と矮小だ」
クラウディア・ローデ:「あれで国を守るためだって言うんだから、笑えるね」
クラウディア・ローデ:「後で始末書何枚書かされるのかな」
ヨハン・モンタナ:そのスケールに比して、重力加速度を加算した刃は驚くほど速い。しかも信じがたいことに、やつはあれをただ落とすのではなく──『操っている』。避けられない──
クラウディア・ローデ:軽口を叩きながら、とうに避けることを諦めている。最低限の急所の防護と再生に集中する。
ニコラス・デイヴィス:「ファントム。クラウディアくん、カイくん」
ニコラス・デイヴィス:「逃げるな。構えるな。怯えるな」
クラウディア・ローデ:「何?弱音なら聞かないけど……そういうやつね、オッケー」
ニコラス・デイヴィス:「ただ、攻撃に備え続けろ」
カイ・スェネミー:「それは構わないが。つまり策があると言う事だね」
ニコラス・デイヴィス:パキ……ベキッゴキッゴキッバキッベキッ!バキバキバキバキバキ!!
ヨハン・モンタナ:「備えって……ああもう、わかったよ!」
ニコラス・デイヴィス:ニコラスの体が白い骨が蠢くように飛び出す
ニコラス・デイヴィス:無数の骨が迷路の如く拡がり複雑に絡まり合い、巨大な刃に抗うように伸びていき
ニコラス・デイヴィス:パキッ
ニコラス・デイヴィス:そして砕ける。
ニコラス・デイヴィス:砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける砕ける!
ヨハン・モンタナ:「う、おわあああああああああああああああ!!!!」砕けた骨の降り注ぐ中、動きの柔軟性を失っていく刃から、大急ぎで走って逃げる!
ニコラス・デイヴィス:骨が砕ける。砕け続けるために、無尽に再生を続ける。
"マスターファントム":「ほう……」ヨハンが感じた通り、"マスターファントム"はこの馬鹿げた巨大さの剣を『操っている』。
"マスターファントム":故に、防がれた先の二の太刀がある。ニコラスが刃を受け止めた瞬間、既に刀身を切り離した。
ニコラス・デイヴィス:ファントムにより無尽の破壊を享受し続ける、それを許すのは無尽の再生能力、限界を遥かに超えた速度で白骨の再生を続ける
"マスターファントム":地に落ちる巨大な刃の上を滑るように移動して、君達へと躍りかかる。
ニコラス・デイヴィス:「レネゲイドの力は意志の力。それには同意するよ」
ニコラス・デイヴィス:「揺るがぬ故の強さもあるだろう。だが」
ニコラス・デイヴィス:「揺らぐ故の、情熱故の力もあることを」
ニコラス・デイヴィス:「キミは、知ったほうがいい。」
"マスターファントム":翼を広げる様に両手で盾剣を構え疾走する。君達が備える前に、その刃は届くはずだった。
"マスターファントム":「……!」
ニコラス・デイヴィス:ファントムが砕いたはずの骨が
ニコラス・デイヴィス:地下道の天井に強く根を張り、刃の動きを留めている
"マスターファントム":「"革命の盾"……ッ」
ニコラス・デイヴィス:「これでも、人類史上最高の策士とともに戦場を駆けた経験があるのでね」
ニコラス・デイヴィス:「どんな巨大な存在だろうと、力押しで来るだけなら。」
ニコラス・デイヴィス:パキッ
ニコラス・デイヴィス:砕けた白骨が飛びナイフのように飛び"マスターファントム"の肩を切り裂く
ニコラス・デイヴィス:「それなりに対処は出来るさ」
"マスターファントム":即座に錬成を解除する。しかし、添え故に次撃に反応することはできなかった。
"マスターファントム":「ぐぅ……ッ!」
ヨハン・モンタナ:(じ、自分はよき助言者でありつましい補佐役ですよみたいな顔しといて……!)(ニコラスさんも滅茶苦茶するんじゃん!)
"マスターファントム":飛び退いて武器を再錬成。仕切り直す。
カイ・スェネミー:「これこそエンターティメントだ!私が映画監督でないのが実に惜しいな!マーベラス!」
"マスターファントム":「この毒は……抗レネゲイド弾とも別のものか。厄介だな」
ニコラス・デイヴィス:「本当は、僕に使えと恩師が渡してくれたものなんだけどね。」
ニコラス・デイヴィス:「ま、こういう使い方も悪くないだろう。あの人もきっと笑って許してくれる」
"マスターファントム":「……なら、あの世で師に詫びるんだな。無駄遣いしてしまったと」
クラウディア・ローデ:「なんか隠し事してる?いいけど、助かったし」言葉の端に引っかかりを覚えながらも、現状を前に笑う。鉄索の展開を続ける。
"マスターファントム":「近く捨てる身体だ。多少時計の針が早まろうと問題はない」
"マスターファントム":「その前に終わらせる」
GM:イニシアチブ 行動値7!
GM:カイさん、クラウディアさん お好きな方からどうぞ!
カイ・スェネミー:では僕からやります!何もなければ!
クラウディア・ローデ:任せた!
カイ・スェネミー:マイナー:『深淵なる知識』使用。【ユニークアイテム:ワイルドカード】使用。
カイ・スェネミー:メジャー:《壊しの18番(インヴォケーションNO.18)》コンセントレイト:ノイマン+即席武器+急所狙い+カスタマイズ+ギガンティックモード+ペネトレイト
"マスターファントム":やめろー!重圧は嫌だー!
カイ・スェネミー:対象は敵3体!
カイ・スェネミー:8dx7
DoubleCross : (8DX7) → 10[1,2,3,4,5,5,6,10]+2[2] → 12

カイ・スェネミー:《剣精の手》
GM:おやあ?
GM:げっ
カイ・スェネミー:1dx7+20+1
DoubleCross : (1DX7+21) → 5[5]+21 → 26

カイ・スェネミー:リア不よー!
"マスターファントム":そうじゃんリア不じゃん!
カイ・スェネミー:命中で放心と重圧を付与します。装甲無視。
カイ・スェネミー:ダメージ出しますね。
"マスターファントム":《砂の結界》カバーリングだけします。対象はブルズアイ
GM:ダメージどうぞ!
カイ・スェネミー:3D10+23+18
DoubleCross : (3D10+23+18) → 14[7,2,5]+23+18 → 55

カイ・スェネミー:だが、ガードも装甲も無効なのだ。ふははは。
"ブルズアイ":《雲散霧消》LV6 ダメージ30削減
カイ・スェネミー:108→122→124
"サンダークラップ":拒絶領域と合わせて……くそっ!ちょっとだけ通る!
"サンダークラップ":重圧放心受けます。
"サンダークラップ":《セットバック》LV2
"サンダークラップ":シーン一回。バステ解除
"マスターファントム":そしてこっちは80も受ける……ヤバ
カイ・スェネミー:おお。多彩な技!いいねぇ!
"マスターファントム":重圧も受ける……ヤバ
"マスターファントム":まだ死んではいません
カイ・スェネミー:「ふぅ。嫌なものだな。戦いと言うのは。私は昔から好きになれないよ」
カイ・スェネミー:燕尾服の埃を払いながら、立ちあがる。
カイ・スェネミー:「さて。うん。実に厄介だ。こちらが革命の盾なら、向こうは米国の盾だな。守り方が実に的確だ」
カイ・スェネミー:だが、それは、彼の守勢を崩すことが攻略法であると言う事。それは分かりやすくて結構な事だと思う。
"サンダークラップ":「なら、降伏でもしてみる?」
"サンダークラップ":カイの頭上で、雷鳴に混じって玲瓏な声が響く
カイ・スェネミー:「君がお相手してくれるなら考えても良いが、と何時もなら言うが、やめておこう」
カイ・スェネミー:「今日はこちら側にも劣らぬ美しい人がいるのでね」
カイ・スェネミー:「ああ、ところで」
"サンダークラップ":「他の連中と違って、貴方は内に取り込むプランも次善策として提示されている……のだけど。ああ、そう。残念ね。好みの顔だったのに」
カイ・スェネミー:世話話のように深遠なる知識を開示する。
カイ・スェネミー:「知っているかい?深遠なる知識によれば、"マスターファントム"マスターと言う言葉は、オーヴァードの世界において秩序最大の敵を意味するのだそうだよ」
カイ・スェネミー:「合衆国の守護者、なんとも皮肉なものじゃないか」
カイ・スェネミー:「そして"マスターファントム"こそは最初の混沌!世にレネゲイドを解き放った者達なり!逆しまながら、なんと言う符号!嗚呼、この国最初のオーヴァードの君に全く相応しい名前だ」
"マスターファントム":「……」
カイ・スェネミー:はははは。と哄笑する。これで完全に降伏はなくなったが、背水の陣と言うやつだ。
"マスターファントム":「口上が長いマジシャンは」
"マスターファントム":「総じて腕はお粗末だ」
カイ・スェネミー:「口上が長いからマジシャンなのさ!では見せようか、一世一代の三文手品を。秩序の犬よ。君の事は嫌いではなかったよ。犬であった時はね!」
カイ・スェネミー:シルクハットを手に取り、観客に良く見えるように、わざとらしく動かしながら胸の前に。
カイ・スェネミー:手入れ良くセットされた髪が戦風と帯電した空気で乱れていく。
カイ・スェネミー:それでも余裕ある笑みをそれでも保ちながら、腕を帽子の中に入れて取り出すのは……。
カイ・スェネミー:30mm携行超電磁加速砲。初速10000M/Sで劣化ウラン徹甲弾を射出する未来兵装。
カイ・スェネミー:銃尻から長く伸びたパワーケーブルをクラウディアに放る。
カイ・スェネミー:「すまないが、一世一代の大魔術を手伝ってくれないかフロイライン?流石の私でも電気は作れなくてね」
カイ・スェネミー:「ほら?大掛かりな手品には美人のアシスタントが必要な物なのさ」
クラウディア・ローデ:「文句は綺麗だけど、やってることは女の子を電源扱いね」愉快そうに笑う。「いいけど」
"ブルズアイ":「……おいおい!何だありゃ!!レールガンなんてまだ設計図もできてねえ架空兵器だろ!!」
"ブルズアイ":「ズルすぎるぞあいつ!」
クラウディア・ローデ:鉄索がケーブルに接続される。発電は本領ではないが……それはあくまで、ドイツ最大の戦略破壊兵器の出力を基準にした話だ。
クラウディア・ローデ:地下に煌々と火花が散り、盛大な送電を受けたケーブルが跳ね上がる。
カイ・スェネミー:「さぁ!種も仕掛けもございません!拍手喝采大歓迎!着弾に負けず劣らずの歓声を!」
カイ・スェネミー:電磁加速砲の照準スコープを射手に向ける。マスターファントムは庇わざる得ない。
カイ・スェネミー:まぁ、どちらにせよソニックブームと爆風衝撃で一面おしゃかだ。つまり、纏めてなぎ倒す。
"マスターファントム":「……ッ」大盾を重ね合わせ、照準の先に立ちふさがる。
カイ・スェネミー:引き金が弾かれ、弾丸はまるでレーザーのような光の尾を引いて。そして地下を轟音と閃光で染め上げる。
カイ・スェネミー:大衝撃の後、粉塵がまるで煙幕のように視界を消し去る。
"サンダークラップ":「……大佐!」
カイ・スェネミー:「やったか?」
"サンダークラップ":閃光の前に身を晒すが、背後の二人諸共に飲み込まれる。
ニコラス・デイヴィス:「思ってもないことを言うのはやめなさい」
カイ・スェネミー:「ははは。一度言ってみたくてね。そして私はワイルドカードを切ったんだ。成果の一つは欲しい」
GM:徐々に、煙が晴れていく。
"マスターファントム":「………」
カイ・スェネミー:レールガンは姿を戻し、その指先の上で一枚のジョーカーの札を回している。
"マスターファントム":極大の光弾を正面から浴びて、尚も立っている。しかし
"マスターファントム":ガシャン、と、両腕で支えていた盾が地面に転がる。
カイ・スェネミー:「さて。君の言う通り、私は二流の手品師でね。前座と言うやつだよ。メーンイベントは華がある方が良いからね」
"マスターファントム":「これは……」指先が痙攣する。新たな盾を練り上げようとするが、錬成が阻害されている。
"サンダークラップ":「お……前……!」
カイ・スェネミー:片腕を広げ、次の攻撃手の出番を促す。深遠なる知識で精神に僅かでも動揺すればレネゲイドの流れは阻害できる。
クラウディア・ローデ:「二流の手品師に失礼ね。でも、揺動としては一流だったわ」
"サンダークラップ":飛び散った電荷が集まり、人形を成す。能力的な相性か、こちらのダメージはそう深いものではない。
カイ・スェネミー:なにせ、彼が言ったのだ。オーヴァードの力は意志の力だ。と。意志を少し揺らがせれば、こうもなる。
"マスターファントム":「……成る程。大した詐欺師だ」
GM:続いてクラウディアさん!
クラウディア・ローデ:はーい
クラウディア・ローデ:マイナー、「Kuckuck, Kuckuck」《ライトスピード》メインプロセス2回
クラウディア・ローデ:1回目。メジャー、「Alles ist hin」《サイレンの魔女》《砂の刃》《クリスタライズ》
クラウディア・ローデ:対象はエネミー全員。
GM:ヤベ~
クラウディア・ローデ:命中いきます
クラウディア・ローデ:6dx+28@11
DoubleCross : (6DX11+28) → 7[1,4,5,6,6,7]+28 → 35

"マスターファントム":リア不!
"ブルズアイ":ドッジ!
"ブルズアイ":11dx+2
DoubleCross : (11DX10+2) → 10[2,2,3,4,5,6,7,8,9,10,10]+10[7,10]+5[5]+2 → 27

"ブルズアイ":クソ!
クラウディア・ローデ:あぶな~
"サンダークラップ":《迎撃する魔眼》LV3   《黒の鉄槌》LV6で反撃
クラウディア・ローデ:こいつ!
"サンダークラップ":12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[2,2,4,4,5,7,8,9,9,10,10,10]+10[1,3,5,6,6,7,7]+10[7,9]+10[1,7]+5[5]+4 → 49

GM:互いにダメージ出しな!
クラウディア・ローデ:では【ユニークアイテム:ゲシュペンスト徽章】も使います
クラウディア・ローデ:8d10ダメージを追加。
GM:ヒィ~~~ッ
"サンダークラップ":5d10+44
DoubleCross : (5D10+44) → 31[6,10,6,8,1]+44 → 75

クラウディア・ローデ:4d10+52+8d10
DoubleCross : (4D10+52+8D10) → 29[10,10,3,6]+52+59[6,10,8,10,4,4,7,10] → 140

クラウディア・ローデ:装甲無視、ガード値-5
GM:?????????????
クラウディア・ローデ:でもって迎撃ダメージで倒れるな 同僚たちのロイスを切って復活
"サンダークラップ":残りHP83 落ちます!
"サンダークラップ":復活なし
クラウディア・ローデ:よかった~ 2回迎撃もらうのはきつすぎる
"ブルズアイ":うおおおおおおお!
"ブルズアイ":《光の守護》
"ブルズアイ":ダメージを0に
クラウディア・ローデ:しぶとい男め
"マスターファントム":こっちは食らって……
ニコラス・デイヴィス:あ、すいません。迎撃はカバー出来ますか?
GM:できることとします!
ニコラス・デイヴィス:うおー!遅れてすいません!では《崩れずの群れ》!クラウディアさんをカバー!
ニコラス・デイヴィス:《デモンズウェブ》《がらんどうの肉体》
クラウディア・ローデ:ありがたすぎ 助かりました
ニコラス・デイヴィス:75-9d10-8d10
DoubleCross : (75-9D10-8D10) → 75-53[4,4,1,6,3,6,10,9,10]-37[5,2,3,3,9,7,3,5] → -15

GM:うせやろ…
クラウディア・ローデ:つっよ
ニコラス・デイヴィス:のーだめーじで生き残ります。
ヨハン・モンタナ:すげー
ニコラス・デイヴィス:もろもろで侵蝕が117に
カイ・スェネミー:おお。本領発揮じゃ
"マスターファントム":こちらはギリ生きてます
クラウディア・ローデ:なるほどね ギリでね
クラウディア・ローデ:では2回めのメジャーアクション
GM:どうぞ!
クラウディア・ローデ:「Alles ist hin」《サイレンの魔女》《砂の刃》《クリスタライズ》
クラウディア・ローデ:6dx+28@11 命中
DoubleCross : (6DX11+28) → 9[1,5,5,6,7,9]+28 → 37

クラウディア・ローデ:あ、対象は引き続きエネミー全員です
"ブルズアイ":11dx+2
DoubleCross : (11DX10+2) → 10[2,3,4,4,6,7,7,8,8,8,10]+2[2]+2 → 14

GM:一応聞くけどサンダークラップ含めます?
クラウディア・ローデ:あっとどめさせるのか
クラウディア・ローデ:でも多分可能なら捕虜にした方が価値あるよな 殺しません
GM:わかりました
カイ・スェネミー:美人だしね!
"マスターファントム":よく考えたら私ガードできたわ
"マスターファントム":一番硬い盾でガードします
GM:ダメージどうぞ!
クラウディア・ローデ:4d10+52 ダメージ 装甲無視、ガード値-5
DoubleCross : (4D10+52) → 30[4,7,9,10]+52 → 82

クラウディア・ローデ:今日のダメージはやる気があるなあ
"ブルズアイ":スッゴイギリギリで生き残ります。しかしダメージにより《ランブリングシャドウ》が解除
クラウディア・ローデ:え~タフガイ
"マスターファントム":こちらはガードしても無理じゃった……HP0
"マスターファントム":《魂の錬成》
"マスターファントム":HP30で復活
クラウディア・ローデ:やはり蘇生持ちか……
クラウディア・ローデ:じゃあ侵蝕支払いの時間ね えーと
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を26(→ 26)増加 (125 → 151)
クラウディア・ローデ:ふふ きついぜ
GM:ヤバわね
クラウディア・ローデ:……白いブラウスを汚す、紅い染みを抑えて立つ。
クラウディア・ローデ:ネックレスから提げた、二つのドッグタグと古い隊章の感触が指先に触れる。
クラウディア・ローデ:死んだやつの生命を背負う、なんて思っている訳じゃない。ただ
クラウディア・ローデ:あいつは、「この戦い」を途中で降りたくなんてないだろうと思っただけだ。
クラウディア・ローデ:だから、一緒に連れて行ってやる。「こいつら」に勝つまでは。
クラウディア・ローデ:静かに顔を上げる。冷えた眼差しを敵へ向ける。
クラウディア・ローデ:「……プロホロフカで起きた惨劇を、ゲオルグさんは生き残った」
クラウディア・ローデ:「ソルトレイクで、そこのバカ女は」
クラウディア・ローデ:「Σレネゲイドに適合して、お前に自分を生かす道を"選ばせた"」
クラウディア・ローデ:「"α"が焼き滅ぼしたローマでは……」
クラウディア・ローデ:「お前達の想像を超えて、多くのオーヴァードが死線を潜り抜けた」
クラウディア・ローデ:カイに告げた、先の言葉は紛れもなく本心だ。眩く目を惹く戦闘の陰で、既に鉄索の展開・包囲は完了している。
クラウディア・ローデ:「お前達が……何かを消し去ろうとも、焼き滅ぼそうとも」
クラウディア・ローデ:黒い蛇へと繋がれた両手が、抱き締めるように空を掻き切る。
クラウディア・ローデ:甲高い音色を奏でながら交錯する鉄索は、死神の鎌先だ。
クラウディア・ローデ:それが、細腕の振るう動きに合わせて波濤のように押し寄せていく。
"マスターファントム":「……オーヴァードの意志は、時に運命を超越する」
クラウディア・ローデ:「全てが消える訳じゃない。しつこく生き延びる生命がある」
"マスターファントム":「だからこそ、度し難い」
"マスターファントム":「潔く消えるべきだ。我々が居なくとも、生命は続く」
"ブルズアイ":「チィッ……!」
"ブルズアイ":光矢を天空に向けて放つ。
"ブルズアイ":水晶体を通した屈折により増幅された光が
"ブルズアイ":光の杭となって、"ブルズアイ"の周りを檻のように囲み、破壊の波濤を真っ向から受け止める。
"ブルズアイ":「……やべぇな」
"ブルズアイ":しかし、二度はないだろう。男が用意した水晶の領域は、鉄索によって尽く砕かれてしまった。
"サンダークラップ":「ガッ……フ、ぅぅアアアアアアア!!」
"サンダークラップ":肉体をイオン化して回避を図ったが、それを逆行させるように振動波が作用し、身体が再び構成される。
"サンダークラップ":「こいつ……ただでは……!!」
"サンダークラップ":「お前も潰れろ!!」
"サンダークラップ":身動きの取れない身体で、拳を振り下ろす。
ニコラス・デイヴィス:「言ってしまったからね」
ニコラス・デイヴィス:「ただ攻撃に備え続けろ、と」
"サンダークラップ":その動きに呼応するように、天空の雷雲が轟き、鉄槌の如き雷がクラウディアの頭上に降り注ぐ。
ニコラス・デイヴィス:空気を切り裂き襲い来る雷雨が
ニコラス・デイヴィス:無数に枝分かれし、まるで導かれるかのようマスターファントムに砕かれた骨に堕ちていく
"サンダークラップ":「な……っ!?」
"サンダークラップ":重なるように、稲光が何度も轟く
ニコラス・デイヴィス:「札を見せるのが早過ぎたんだよ君は」
ニコラス・デイヴィス:「最初から如何にも電流を使うというポーズを見せられたら」
"サンダークラップ":振り下ろされる雷神の鉄槌。そのすべてが、避雷針と化した骨に絡め取られていく
ニコラス・デイヴィス:「ブラフかもしれなくても備えるさ」
"サンダークラップ":「く……」
"サンダークラップ":力を出し尽くし落下、大地に倒れ伏す。
クラウディア・ローデ:……ニコラスの言葉通り、その反撃を意に介する様子は初めからなかった。
カイ・スェネミー:「寝ていれば、私が後で優しく介抱しようじゃないか。投降を奨めてくれたお礼にね」
ニコラス・デイヴィス:「露払いはした。あとは頼むよ」
クラウディア・ローデ:ただ受け、堪えて、次へと進むだけだとばかりに。次の攻撃へと向けて動いている。
クラウディア・ローデ:「──オーヴァードだから?それは、違うね」焦げ付いた電光の向こう。"マスターファントム"に笑いかける。
クラウディア・ローデ:「ただ普通に、生きているからだよ」
クラウディア・ローデ:疾駆する。砕けた鉄索が再構築されて、八方から振るわれる。
クラウディア・ローデ:その全てが揺動だ。堅牢な盾をこじ開けるための。
クラウディア・ローデ:「ちゃんとした人生ってのはさ、誇りを捨てずに生きる道だ」
クラウディア・ローデ:「許しちゃいけない相手を許さないってことだ」
クラウディア・ローデ:布石はカイの砲撃だ。"マスターファントム"の防壁に楔打たれ、鉄索の斬撃によって押し広げられた、僅かな間隙をついて。
クラウディア・ローデ:「仲間を、大切なものを、私の命を」「ゴミのように踏みにじった奴らに──」
クラウディア・ローデ:鉄索を手繰り寄せ、己が身を滑り込ませる。構えたその盾の内側へと。
クラウディア・ローデ:「──いつか、辿り着いて、食い破る」
クラウディア・ローデ:ここならば──"振動に指向性を与え、仲間を守るための"鉄索はいらない。
クラウディア・ローデ:ただ迸る力のまま、撒き散らせば良い。
クラウディア・ローデ:「それが私。それが"Eukalyptus"(焦土に芽吹くもの)」
"マスターファントム":「……愚かな娘だ」
クラウディア・ローデ:女の白い手脚が、"マスターファントム"の身体に絡み付く。大きく息を吸い込んで、鼓動する。
クラウディア・ローデ:「──記憶して、潰れろ」
クラウディア・ローデ:少女の身体を中心として、崩壊の音色が爆ぜた。
クラウディア・ローデ:"震源"に最も近く、障壁となるものは何もない。ただそれゆえに最大化された破壊。
"マスターファントム":その背が、一際大きく跳ねた
"マスターファントム":外見に大きな変化はない。しかし
"マスターファントム":「かっ……は……」
ニコラス・デイヴィス:「揺らいだ、ね」
"マスターファントム":口、鼻、眼、耳、そして体中に数多残る傷跡から
カイ・スェネミー:「4人がかりでようやくね。ここからは性能ではなく意志の力だな」
"マスターファントム":止めどなくどす黒い血が流れ出る。
クラウディア・ローデ:こちらも無事ではない。ブロンドの髪を乱して、たたらを踏む。ゆっくりと顔を上げる。
カイ・スェネミー:「お疲れ様。まだ大丈夫かな?」
"マスターファントム":内蔵、骨格、体内の重要機関の大半が粉砕され、溶解している。
クラウディア・ローデ:「ええ……勿論」カイに応じて、強気な笑みを浮かべる。
"マスターファントム":最早声を発する機能も、思考すらも手放して、ただ心臓だけが鼓動を続けている。
"マスターファントム":……そう。
"マスターファントム":心臓は、まだ動いている。
クラウディア・ローデ:「あは……っ」その鼓動を聞いて、笑う。「良かった」
クラウディア・ローデ:「いま貴方に死なれたら、困るから」
ヨハン・モンタナ:「……意思の力だって言うなら、終わらない」
ヨハン・モンタナ:「見てきたから」
ヨハン・モンタナ:一方で、いま初めて目撃しているのだ。"ファントム"の戦いを。
"マスターファントム":突如、ファントムの全身を結晶が覆う。
"マスターファントム":黄金の輝きが辺りを照らし、それが砕けた後には
"マスターファントム":金色の結晶で肉体を継ぎ接ぎし、鎧のようにそれを纏った姿で、悠々と立ち上がる。
ニコラス・デイヴィス:「最初は色褪せたようにも見えてた姿が、随分と派手になりましたね」
"マスターファントム":元より、彼の臓器はその大部分を自らの錬成で保持していた。
"マスターファントム":「……認めよう」
"マスターファントム":「君達は強い。我々が対峙したどの災厄よりも」
ニコラス・デイヴィス:変わったのは、見た目だけではない。一つの個体からこれほどの重圧を感じなんて、ここ2百年は覚えがない
ヨハン・モンタナ:「だよね。本当に強くてビックリしてる」
カイ・スェネミー:「あまり嬉しくはないな。私は畏怖されるよりも、人を喜ばせたかったのだが」
カイ・スェネミー:「米国くんだりまで逃げ出して、結局これと言うのには堪えるよ。良い精神攻撃だ」
カイ・スェネミー:ふぅ。と溜息を一つ。
ニコラス・デイヴィス:「オーヴァードの可能性を認める気になったかな?」
"マスターファントム":「その点については、最初から認めているさ」
"マスターファントム":「だが、優先順位は改めた」
"マスターファントム":「君達は真実、この世界の脅威となるだろう」
ヨハン・モンタナ:「…………やるんだね。最後まで」
"マスターファントム":「故にここで潰す」
"マスターファントム":「ああ、そうだ。我々は"ファントムベイン"」
"マスターファントム":「世界の敵を滅ぼす者。お前達オーヴァードにとっての災厄だ」
GM:ファントムの手番!
"マスターファントム":マイナーで重圧を解除
"マスターファントム":そしてメジャー!
"マスターファントム":《アウェイクン》
"マスターファントム":"サンダークラップ"を復活させます
ニコラス・デイヴィス:ふえー!?
"サンダークラップ":HP1で復活
クラウディア・ローデ:とどめさすか聞いたのそれでかよ!
"マスターファントム":「"サンダークラップ"」
"マスターファントム":「君はまだ、その真価を発揮しては居ないだろう」倒れ伏した女の背に手を触れる
"サンダークラップ":「……本当に」
"サンダークラップ":黄金の光に包まれて、女の周囲に再び紫電が舞い始める。
"サンダークラップ":「人使いが荒いですね……大佐」
"マスターファントム":「当たり前だ。我々は人間ではないのだから」
"マスターファントム":「さあ、勝負はここからだ。オーヴァード諸君」
"マスターファントム":「浅ましく運命に抗うが良い」
GM:続いてのイニシアチブ
GM:ニコラスさんは放棄カバーしてないよね?
ニコラス・デイヴィス:最初にしてます!
GM:してた!失礼しました
GM:では行動値0、サンダークラップの手番
"サンダークラップ":まずはエンゲージを切ります。飛行状態で後ろに5m移動
ヨハン・モンタナ:解放の宴の強いところ!
 “サンダークラップ”[0]

5m

“ブルズアイ”[51] “マスターファントム”[7]ヨハン[14]

10m

クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

"サンダークラップ":メジャー《雷神の鎚》LV4《サンダーストーム》LV4《黒の鉄槌》LV6《因果歪曲》LV4《パラドックス》LV2《コンセントレイト:ブラックドッグ》LV3
"サンダークラップ":PC全員にRC攻撃します
"サンダークラップ":12dx7+4
DoubleCross : (12DX7+4) → 10[1,4,4,5,5,5,6,7,8,8,9,10]+10[1,5,5,7,9]+5[4,5]+4 → 29

カイ・スェネミー:暴走ちゃん。リア不
クラウディア・ローデ:同じくリア不
ヨハン・モンタナ:もしかしたら避けられないか? ドッジ!
ヨハン・モンタナ:8dx>=29 えーい!
DoubleCross : (8DX10>=29) → 9[3,3,3,5,6,8,9,9] → 9 → 失敗

ヨハン・モンタナ:そうね。
ニコラス・デイヴィス:ガード。《崩れずの群れ》でクラウディアさんをカバー
クラウディア・ローデ:ありがたすぎ
"サンダークラップ":では、ダメージに雷神の槌の効果使用。ダメージ+2D
ニコラス・デイヴィス:ぴえー
カイ・スェネミー:槌&鎚だ
"サンダークラップ":3d10+50+3d10+2d10
DoubleCross : (3D10+50+3D10+2D10) → 7[1,3,3]+50+15[1,7,7]+9[5,4] → 81

ヨハン・モンタナ:死ぬに決まってんだろ・オブ・ザ・デッド
ニコラス・デイヴィス:死にます。カルロスくんのロイス切って復活!
カイ・スェネミー:ニコラスさんのロイス切って昇華よ。
ヨハン・モンタナ:HP0、倒れます
ニコラス・デイヴィス:そうだ…!もういい…!休め…!
ヨハン・モンタナ:うう 任せた
"サンダークラップ":おやおや…
"サンダークラップ":そしてなんと。私も倒れます。
クラウディア・ローデ:あっデメリット
ニコラス・デイヴィス:無茶しやがって…
"サンダークラップ":雷神の槌の反動ダメージで1しか無いHPが0に
カイ・スェネミー:やすめw
"サンダークラップ":戦闘不能。復活なし。
"サンダークラップ":「仕方ないわね……オーダー通りに」女が再び紫電を纏う。
"サンダークラップ":「本気を見せてあげる」
GM:レネゲイドウイルスの発症率は非常に低く、世界人口の半数以上とも目される保菌者に対して
GM:実際にオーヴァードへと至った者は1000に届くかどうかだという。
GM:しかしそれでも、大拡散より20年を経て、この国では数多のオーヴァードが産声を上げ、そして死んでいった。
GM:その間、超人災害の指定を受けた事件は、四大超災のみには留まらない。
GM:犠牲の大小こそあれ、超人の覚醒は常に悲劇と隣合わせであり、幻影はそのすべてを等しく刈り取った。
GM:されど極稀に、『未然に防がれた災害』も存在する。
GM:彼らが生き延びた理由は定かではない。運良く有用性を示し、幻影を操る者達の目に留まったか。或いは単に、幻影が血迷ったか。
GM:何れにせよ、彼らもまた幻影に連なる他に道は無かった、故に”ファントムベイン”は、災厄を滅ぼす災厄を名乗るのだ。
"サンダークラップ":北米大陸に点在するインディアン諸族の間に、共通して語り継がれてきた神話がある。
"サンダークラップ":”サンダーバード”。巨鳥の姿を象る雷の精霊。その羽ばたきにより稲妻と嵐と雨を呼ぶ、神の翼。
"サンダークラップ":神話を身に宿した少女は、覚醒に際して五大湖に浮かぶ無人島一つを跡形もなく蒸発させた。
"サンダークラップ":超災症例第九号。”Sander Clap” ジェシカ・ウィンフィールド。
"サンダークラップ":「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■――――――――――――ッ!!!!!!」
"サンダークラップ":雄叫びは既に雷鳴と同義。雷の翼が拡がり、ドームの如く空を覆う。
"サンダークラップ":その頂点から落下する黒い球体。地上からは豆粒ほどにしか見えなかったそれは、
"サンダークラップ":瞬く間に周囲の電荷を吸収し、太陽に匹敵する輝きを放つ巨大なプラズマ球へと成長する。
"サンダークラップ":逃げ場はなく、もはや避雷針など意味を成さない。
"サンダークラップ":雷神の鉄槌は振るわれた。この区画ごと、君たちを塵に還すために。
ヨハン・モンタナ:「こ……こっ。これ!」
クラウディア・ローデ:「まだそんな元気余ってたんだ。生意気」ただ強がって笑う。大出力の反動、防御に回す余力はない。
カイ・スェネミー:「ふぅむ。ささやかな手品師としては、このような電飾は羨ましく思うが。健康には悪そうだ」
ニコラス・デイヴィス:「全く、脅威なのはどっちだよ」
ヨハン・モンタナ:(死──────)
カイ・スェネミー:「これでは自分の身も焼くのではないかね?」
ニコラス・デイヴィス:骨の盾を展開する。神の裁きを思わせるこの一撃を防ぐ術はない。
ニコラス・デイヴィス:自分に許されているのは、身を挺してただ一人を庇うことだけだ
ヨハン・モンタナ:イメージの収束も間に合わない、ただ左腕を異形化し、雷から身を隠そうとする。
クラウディア・ローデ:「ごめん、ありがと」轟く音色の渦中、彼にだけ聞こえるように呟く。残りの呼吸は次の一撃を放つために回す。
カイ・スェネミー:シルクハットと外套を残して黒い灰となる。完全焼失だ。
カイ・スェネミー:その灰塊が、風に吹かれるでもなく一人でもぞもぞと動き出し、再び人型を取る。
"サンダークラップ":奇術師が指摘した通り、この轟雷域の内側では"サンダークラップ"自身も無事では済まない。
ヨハン・モンタナ:そうして、エネルギーの熱衝撃波に焼かれ、消し炭のようになって転がる。
カイ・スェネミー:レネゲイドの最大出力再生。まずはシルクハットをかぶり、血を吐きながら立ち上がる。
カイ・スェネミー:「この通り!と言うには辛いがね。そうそう出来ないぞ、こんなこと」
"サンダークラップ":何より、ここには"マスターファントム"と"ブルズアイ"がいる。彼らを巻き込まないためには、自らもここに留まる他無い。
カイ・スェネミー:「我らがファントムには、徹夜が辛いか。誰か起こしに行けそうかな?」
"サンダークラップ":雷球が弾けた瞬間。彼女も意識を手放す。その表情には悔いも苦痛も感じられない。
クラウディア・ローデ:「ヨハンっ!」鉄索を、少年への射線を塞ぐように伸ばしながら走る。背に庇う。
"サンダークラップ":雷神の鉄槌は絶死の一撃。起き上がる君達を見ること無く、勝利を確信しながら、雷の鳥は地に堕ちた。
GM:イニシアチブ
GM:特になければクリンナップに移行します
ニコラス・デイヴィス:《リザレクション》ヨハンくんを復活させます
ニコラス・デイヴィス:もう十分休んだね!働け!!
GM:なんだと…!
ヨハン・モンタナ:! 復活します
ニコラス・デイヴィス:HPを2D10回復させてください
ヨハン・モンタナ:2d10 えーい!
DoubleCross : (2D10) → 18[9,9] → 18

ニコラス・デイヴィス:草
ヨハン・モンタナ:ごめん…………
GM:青少年健全育成条例なんてもんはアメリカにはない
ヨハン・モンタナ:これってどっちの侵蝕が上がるんですか?
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナのHPを0(→ 0)に変更 (2 → 0)
ニコラス・デイヴィス:c(117+18)
DoubleCross : c(117+18) → 135

ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナのHPを18(→ 18)に変更 (0 → 18)
ニコラス・デイヴィス:僕の侵蝕があがります
ヨハン・モンタナ:ごめん♡
GM:ニコラスさん…そこまでして…
ニコラス・デイヴィス:いいよ♡
:【幻視/????】
:渇きが消えなかった。
:それを潤す術も知らず、癒そうとも思わなかった。
:1000年以上の時を生きた。何も為さずただ己を擦り減らし続けた年月だった。
:人間であった頃の情動は既に遠いものとなっていた。
:愛する女性を抱いた思い出も、祖国のために槍を握った記憶も、明確に覚えている。
:だが、その時に感じたはずの幸福も高揚も、全ては他人事のようにしか思えなかった。
:愛する女性に化け物と恐れられたことも、命を懸けて尽くした英雄に死を賜ったことも
:薄い膜に包まれた鉄に触れるように、その熱を感じることは出来なかった。
:今思えば、それを寂しいと思うことすら許されなかったことが、私に与えられた罰だったのだろう。
:だが、私は『熱』と出会った。
:正義に生きる人間の美しさ。
:信念に命を賭ける者の狂気。
:そして、その狂気の果てに繋がった絆の残酷なまでの強さ
:私はそれに魅せられた。
:彼らの熱が、私の生に火を灯してくれるのを感じた。
:そして、狂気からしか生を実感出来ない私も
:やはり、狂っているのだろう。
:だが、それでも。狂っていたとしても私は生き続けたい。
:レネゲイドにより与えられた生が、神に与えられた罰だとしても。
:人間には罪を抱えても生きる権利があるはずなのだから。
:君に、同じように狂ってほしいとは思わない。
:ただ、知ってほしい。
:私のような愚かな罪人でも生き続けている。
:趣味を楽しみ、面白いことを求め、愉快な人生を送ろうとしている。
:だから、君も人生を楽しめ
:それも、『生き抜く』ということの一つの答えだろう?
:その為に、今
:立ち上がれ

ヨハン・モンタナ:「──────っ、は!」
ヨハン・モンタナ:跳ね起きる。思い切り息を吸い込んで、咳き込む。
ヨハン・モンタナ:今の幻視は────
ニコラス・デイヴィス:名も無いオーヴァードの記憶がヨハンくんの体に流れ込む
ニコラス・デイヴィス:オーヴァードが自らの記憶を燃やして肉体の限界を越えるように
ニコラス・デイヴィス:今、ヨハン・モンタナは名も無いオーヴァードの記憶を燃やし、肉体を立ち上がらせた
ヨハン・モンタナ:手足に感覚が戻ってくる。振り向く。
ニコラス・デイヴィス:「全く早起き過ぎるよ。」
ニコラス・デイヴィス:「もうちょっと寝てても良かったのに、まだ修羅場の真っ最中だよ?」
ヨハン・モンタナ:この人は何なのだろう。
ヨハン・モンタナ:思えば仲間たちの中で、所属している組織の目的と行動原理の一致が最も強いのが彼だった。
ヨハン・モンタナ:全てが嘘だったのだろうか──それとも。
ヨハン・モンタナ:「馬鹿言わないでよ」
ヨハン・モンタナ:「一番大事な時なんだ。ここで倒れてたら」
ヨハン・モンタナ:「一生後悔するっての!」
ヨハン・モンタナ:あなたほどの長い時でなかったとしても
ヨハン・モンタナ:「憂鬱を抱えたまま生きるのは大変だ。そうでしょ?」
ニコラス・デイヴィス:穏やかに微笑む。だが、その裏には年にそぐわない微かな稚気があった。
ヨハン・モンタナ:ペンを握った手を突き出す。スケールを測る。
ニコラス・デイヴィス:「その通り。後悔は、楽しい人生の天敵だ」
ニコラス・デイヴィス:「一緒に戦おう。君を支え抜く覚悟が、今、出来た」
GM:クリンナップ
ヨハン・モンタナ:なし
ニコラス・デイヴィス:邪毒7をくらえー!
"マスターファントム":邪毒7。21のダメージを受けます。
"マスターファントム":HP9。まだ倒れん。
"マスターファントム":口の端から、一筋の血が滴る。
"マスターファントム":「……臓器を作り変えても、尚蝕むか。まあいい」
"マスターファントム":「次でけりを付けるぞ。"ブルズアイ"」
"ブルズアイ":「あいよ」
GM:第2ラウンド
“ブルズアイ”[11] “マスターファントム”[7]ヨハン[14]

10m

クラウディア[7]  カイ[7] ニコラス[5]

GM:エンゲージはこうなってます
GM:セットアップから!
ニコラス・デイヴィス:なし!!
ヨハン・モンタナ:なし
"ブルズアイ":なし
"マスターファントム":こちらもなし
クラウディア・ローデ:「toi toi toi」《狂想の旋律》
クラウディア・ローデ:範囲内の味方に攻撃力+18と暴走。受けたい人はどうぞ
カイ・スェネミー:セットアップは無し。狂騒の旋律は貰います。暴走。
クラウディア・ローデ:自分は暴走中なので更に侵蝕+2
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を7(→ 7)増加 (151 → 158)
ニコラス・デイヴィス:うけない!
GM:ヨハンくんはどうします?
ヨハン・モンタナ:別エンゲージです
GM:そうだった
クラウディア・ローデ:範囲だからね
GM:ではイニシアチブ!
GM:最速はヨハンくんです。
GM:割り込みは無い!行動しな!
ヨハン・モンタナ:いきます
ヨハン・モンタナ:マイナーなし。メジャー《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》《過剰反応》《ペネトレイト》《ジャイアントグロウス》
ヨハン・モンタナ:対象は"ブルズアイ"、そして"マスターファントム"!
ヨハン・モンタナ:11dx7 命中
DoubleCross : (11DX7) → 10[1,1,3,3,4,7,7,8,8,8,10]+10[2,2,4,5,7,9]+10[3,9]+2[2] → 32

ヨハン・モンタナ:いい感じ!
"ブルズアイ":4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 6[2,3,4,6]+2 → 8

"マスターファントム":オート《砂の結界》《八重垣》ブルズアイをカバーリングしてガード
ヨハン・モンタナ:4d10+12+28+6+2d10 装甲無視!
DoubleCross : (4D10+12+28+6+2D10) → 27[8,9,4,6]+12+28+6+18[10,8] → 91

"マスターファントム":こいつ……!
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を14(→ 14)増加 (140 → 154)
"マスターファントム":ガード値は56あったが……抜かれてしまった。
"マスターファントム":HP0。
"マスターファントム":《業師:ラストアクション》
ヨハン・モンタナ:何ぃ!
"マスターファントム":倒れる前にメインプロセスを行います。
ニコラス・デイヴィス:エンパイアステートビルディング二刀流なんてやらかす業師がいるか!!
"マスターファントム":マイナーはなし
"マスターファントム":メジャー 《咎人の剣》LV3《ギガノトランス》LV2《マルチウェポン》LV5《ヴァリアブルウェポン》LV3《カスタマイズ》LV3《コンセントレイト:ノイマン》LV3
"マスターファントム":ギガノトランスはエンブレム:エンジェルで回復したよ
ニコラス・デイヴィス:アホー!!
ヨハン・モンタナ:やばいエンブレム持ってる
"マスターファントム":シーン攻撃!対象はPC全員!
"マスターファントム":11dx7+6
DoubleCross : (11DX7+6) → 10[1,1,4,5,5,6,7,7,9,9,10]+10[1,6,7,7,9]+10[1,2,7]+3[3]+6 → 39

カイ・スェネミー:リア不だ。ロイス3枚はきついが、俺は侵蝕一番低いのでカバーは他の方に
クラウディア・ローデ:昇華ロイス1、侵蝕158、メモリー1です。カバーするかどうかは判断おまかせ
ニコラス・デイヴィス:うるせーーーー!!
ニコラス・デイヴィス:全員、俺が守護る!
GM:何…!
ヨハン・モンタナ:そんな! 一体どうやって……!
ニコラス・デイヴィス:ヨハン・モンタナのロイスを信頼◯/隔意に変更し
ニコラス・デイヴィス:Sロイスに指定します。
ニコラス・デイヴィス:そして昇華!守護者の巨壁の回数を復活!
GM:こ、こいつ…!
ヨハン・モンタナ:!
ニコラス・デイヴィス:《守護者の巨壁》!シーン攻撃の対象を自分一人に集約します!
"マスターファントム":見上げた漢だ
"マスターファントム":くらいな!
ニコラス・デイヴィス:こいやー!
"マスターファントム":死体蹴り!
"マスターファントム":4d10+73
DoubleCross : (4D10+73) → 15[4,3,5,3]+73 → 88

カイ・スェネミー:でも邪毒は累積するんじゃん?
ニコラス・デイヴィス:うーん、無茶しよっと
ニコラス・デイヴィス:《デモンズウェブ》《がらんどうの肉体》
ニコラス・デイヴィス:88-9d10-8d10
DoubleCross : (88-9D10-8D10) → 88-47[3,5,6,4,6,1,10,6,6]-29[7,1,1,3,5,10,1,1] → 12

カイ・スェネミー:おお。残った。すげえ
ヨハン・モンタナ:生きた……!
ニコラス・デイヴィス:結構腐った…!だがHPが14、装甲8なので生き残り!!
クラウディア・ローデ:つええ
"マスターファントム":こいつ……不死身か!?
ニコラス・デイヴィス:諸々で侵蝕が146に
"マスターファントム":ラストアクションの手番が終わり、HP0
"マスターファントム":倒れます。復活もなし。
クラウディア・ローデ:おお
ヨハン・モンタナ:「それは私が背負うべきもの──だっけ」
ヨハン・モンタナ:「勘違いしてるみたいだけど」
ヨハン・モンタナ:「僕は"ファントム"を背負っていくつもりはないよ。この二つ名は、僕が僕を見つけるまでのものだから」
ヨハン・モンタナ:「あなたにも背負わせない」
ヨハン・モンタナ:「真実は白日のもとに晒して、それを知ったみんなで背負えばいい」
ヨハン・モンタナ:「だから描くんだ」
"マスターファントム":「そんなことは不可能だ。ヨハン」
"マスターファントム":「人々にとって、真実など何の価値もない」
ヨハン・モンタナ:「言い方が悪かったかな」
ヨハン・モンタナ:「──一人の視座で見た、偏った世界で構わない」
ヨハン・モンタナ:「それを知ることで、震える誰かがいるだろう」
ヨハン・モンタナ:「歯牙にもかけず、何の価値も見出さない人がほとんどだってあなたは言う。けれどね」
ヨハン・モンタナ:「だって。僕はそうじゃなかっただろ?」
ヨハン・モンタナ:オーヴァードになって、こんなにも幸運に。ニコラスに出会い、カイに出会い、クラウディアに出会い。
ヨハン・モンタナ:僕の境遇の全てを知って、気遣ってくれるマイケル牧師もいる。
ヨハン・モンタナ:オーヴァードの痛みというのは、僕にとってはまだそんなに身近になってはいないよ。僕一人にとっては。
ヨハン・モンタナ:「意味はあるさ」
ヨハン・モンタナ:わかってる。こんなものは根拠ではない。祈りだ。
"マスターファントム":「……それは、君の若さだ」
ヨハン・モンタナ:左腕が、黄金の輝きを纏う半月盾に変わる。
ヨハン・モンタナ:その先端に、剣が形成される。
"マスターファントム":「曖昧な自他の境界を、容易く超えてきたものを」
"マスターファントム":「些細な感傷や同情を、絆だと誤認する」
"マスターファントム":「断言しよう」
"マスターファントム":「君はいずれ、そのすべてを失うことになる」
ヨハン・モンタナ:「誤認だからどうしたの? 真実に価値を見出しているのはお前だろ」
"マスターファントム":「自らの手で、切り捨てることになるだろう」
ヨハン・モンタナ:「民衆なんて馬鹿ばっかりだ。僕がそうだから分かる」
ヨハン・モンタナ:「何に流されて、何に味方して、何に騒いで、誰をぶん殴るか」
ヨハン・モンタナ:「それを1つ増やしてやるだけだ」
ヨハン・モンタナ:あるいはきっとその中に。
ヨハン・モンタナ:本物の意思が、きっと訪れる。
ヨハン・モンタナ:地を蹴った。
"マスターファントム":「……」両腕に剣盾を構える。
"マスターファントム":「思い上がるな。オーヴァード」
"マスターファントム":「お前に世界は変えられない」
ヨハン・モンタナ:「幻想態(ファンタズマ)。フランキスカ」
ヨハン・モンタナ:振りかぶった刃が、"マスターファントム"のそれとぶつかり会い、火花を散らす。
ヨハン・モンタナ:「お、おおおお!!!」
ヨハン・モンタナ:越えられるべくもない、僕だけの力なら。
ヨハン・モンタナ:けれど。この武器の使い方を知っている。
"マスターファントム":「……ッ!!」剣を十字に交差し、刃を受ける。
ヨハン・モンタナ:ニ合、三合。
ヨハン・モンタナ:君の友達が、僕とともに押し込んでゆく。
ヨハン・モンタナ:「錯覚が、真実とやらを上回るなら」
"マスターファントム":一見、圧されているように見える。しかしそれは
"マスターファントム":布石に過ぎない。この少年の癖は完全に把握している。
ヨハン・モンタナ:「僕のほうが正しいって──ことだ!!」
"マスターファントム":変態のタイムラグ、重心の偏り、そして……
"マスターファントム":「……言ったはずだ」
"マスターファントム":「描き出すべきは、己の内の理想」
"マスターファントム":「正しさを求めるなら……委ねるな」
"マスターファントム":ヨハンが振り下ろした渾身の刃を、盾の背で受け流す。
ヨハン・モンタナ:「っ──それで!? そうやって戦って、何を得た!」
"マスターファントム":そのまま反転し、幻想態化によって伸びたリーチの内側に潜り込む。
"マスターファントム":「何かを得たいのなら。戦うべきではないな」
"マスターファントム":「終わりだ」一閃。盾剣を連ねて袈裟懸けに斬り上げる。
ヨハン・モンタナ:刃が、ヨハンの上半身を2つに割ったかと思われた。
"マスターファントム":「ッ!」
ヨハン・モンタナ:否。斬られるより先にエグザイル能力によって、裂けるように分離している。右(ヨハン)と左(ロレム)が、同時に動く。
ヨハン・モンタナ:……残っていた。
ヨハン・モンタナ:「《ハンドリング》だ」
ヨハン・モンタナ:イメージを絞るように、絵筆が空を掻く。
ヨハン・モンタナ:左腕が瓦解する。膨張する。煉瓦煙突の如き円筒状の巨腕となって撃ち出される。
ヨハン・モンタナ:最初のレッスンで描き出した習作、その完成形。
"マスターファントム":「ぐ……ッ!?……おおおおおおおおおおッ!!!!!」
ヨハン・モンタナ:それが、投石機の要領で振り下ろされ、、マスターファントムを叩き潰す!
ヨハン・モンタナ:ずぷり、と。2つに別れた肉体が1つに戻った。
"マスターファントム":拳に打ち据えられる寸前、盾を二重に構え、それを受け止めた。しかし
ヨハン・モンタナ:「理想の為に戦っているように見えるのかよ」
"マスターファントム":地面に半ばめり込んだ脚は砕け、立ち上がることすらできずにいる。
ヨハン・モンタナ:「僕が──正義とか悪とか、人権とか、国とか宗教とか軍隊とか! 何か大きなもののために戦っていると思うのか!」
"マスターファントム":「……ならば」
"マスターファントム":「何故戦う……少年」
ヨハン・モンタナ:「言っただろ、親愛なる"ファントム"って」
ヨハン・モンタナ:彼のレクチャーを受けながら、初めて描き出した姿で、彼自身を殴り飛ばす!
ヨハン・モンタナ:「友情のため」
"マスターファントム":砕けることのなかった盾が、今度こそ
"マスターファントム":少年の拳に真正面から打ち砕かれて、男は地面に仰向けに投げ出される。
ヨハン・モンタナ:左腕の組織が砕けて崩れ去る。度重なる無茶な変形によって、筋肉や皮膚などの再生が間に合わず、赤い原形質のようなものが覗いていた。
"マスターファントム":「……友、か」虚ろな瞳が虚空を見上げる。
"マスターファントム":「……出会う男を間違えたな。"ロレム・イプサム"」どこか自嘲を含んだ声色で呟く。
"マスターファントム":「だが……やはり」
"マスターファントム":「私の勝ちだ」
"マスターファントム":震える手で、空を指差す。
ヨハン・モンタナ:「そうかな。彼はあなたを救いたがっていたよ」
ヨハン・モンタナ:苦笑する。"ロレム・イプサム"と目の前の男、どちらに感じている友情なのかも、既に渾然一体として分明でない。
"マスターファントム":陥没した、天井に大穴が空いた地下空洞。そこから見える空を埋め尽くすように
ヨハン・モンタナ:「勝ちの方についても、物申したい人が」
"マスターファントム":錬成された無数の剣が、君達へと切っ先を向けていた。
ヨハン・モンタナ:「僕らの中に、きっといる」
"マスターファントム":男の腕が支えを失うと同時に、剣が落とされる。
ヨハン・モンタナ:口先も行動も、内心の恐怖よりもはるか先に行っている。
ニコラス・デイヴィス:「流石我が王わかってらっしゃる。」
ヨハン・モンタナ:なんのことはない、一歩でも退けば絶対に立ち向かえなくなることを知っているから。
ヨハン・モンタナ:だから駆り立てられるままに、立ち止まることはできない。
ヨハン・モンタナ:「やっぱり?」内心で快哉を叫ぶ。
ニコラス・デイヴィス:冷たさを感じる程に白い、だが確かな熱が込められた骨が展開する
ニコラス・デイヴィス:剣が降り注ぐ度に骨は折れ砕かれる。だが、いくら砕かれても決して止まらずに再生を続ける。
ニコラス・デイヴィス:それこそが、抗い続けることこそが己の生き方であると示すように。
"マスターファントム":一振り一振りに、ギロチンを思わせる絶死の重圧を帯びた剣の雨が、君達に降り注ぐ。
ニコラス・デイヴィス:「ファントム、君が彼のことを認めようが認めまいが」
ニコラス・デイヴィス:「それは君自身の内面の問題だ。僕はとやかく言う気はない」
ニコラス・デイヴィス:「だがな。こうして逃げるようにして彼を殺そうとするのは、論外だ」
"マスターファントム":「……」
ニコラス・デイヴィス:「目を逸らすな。向かい合え」
ニコラス・デイヴィス:「化け物だって」
ニコラス・デイヴィス:「光に手を伸ばしても、いいんだ」
"マスターファントム":剣の雨が、途絶えようとしている。
ニコラス・デイヴィス:雨が止んだ
ニコラス・デイヴィス:同時に再生が限界を迎える。雨は止んだが、一粒の、だが致死に至るには十分な雫がまだ残っている
GM:最後の一滴は、断頭台の刃のごとく罪人の首を刎ねようと……
ヨハン・モンタナ:不完全に呼び出されたルカの一筆が、刃を弾き飛ばした。
ヨハン・モンタナ:「はあ、はあ……どうだ」
ヨハン・モンタナ:"マスターファントム"を抱え起こす、抱きしめる。
"マスターファントム":「……なんのつもりだ」
ヨハン・モンタナ:「理由がなくちゃダメ?」
ヨハン・モンタナ:「単にこうしたかっただけじゃ、ダメかな」
"マスターファントム":「……やはり、君は子供だな」
ヨハン・モンタナ:「休んでくれ」
ヨハン・モンタナ:「終わりにしよう」
ヨハン・モンタナ:再び、彼を横たえる。
"マスターファントム":「………」大きく息を吸い込み、目を閉じる
ヨハン・モンタナ:「つらい目に遭うのは、とっくの昔にもう沢山だろ」
"マスターファントム":「……忘れたよ」
"マスターファントム":「……だが、いいだろう」
"マスターファントム":「君の勝ちだ」
ヨハン・モンタナ:「あなたが忘れても、覚えていようとしたやつがいた」
ヨハン・モンタナ:「そういうことさ。ゆくゆくは世界が覚えている」
"マスターファントム":「では、最後のレッスンだ」
"マスターファントム":「戦え、ヨハン。勝利は決して、君に安息をもたらさない」
ヨハン・モンタナ:「ずっと勝ち続けたやつの言葉だと思うと、重いなあ」
"ブルズアイ":「……ったく」君達の後ろで
"ブルズアイ":「最後までめんどくせえオッサンだ」光の矢が放たれた。
GM:イニシアチブ ブルズアイの手番
"ブルズアイ":マイナーなし。《ワンショットツーキル》LV4《死点撃ち》LV4《原初の赤:ペネトレイト》LV2《コンセントレイト:エンジェルハイロゥ》LV3
"ブルズアイ":一人はヨハンくん固定
"ブルズアイ":1d3+1
DoubleCross : (1D3+1) → 3[3]+1 → 4

"ブルズアイ":あっいや待てよ
ニコラス・デイヴィス:な・・・なにを…!
"ブルズアイ":ニコラスさんだと自動触手されちゃうじゃん!二人目はあえて選ばない!
"ブルズアイ":ヨハンくんだけを狙います
カイ・スェネミー:気付いたか
クラウディア・ローデ:びびってやがる
ニコラス・デイヴィス:や、やろー!
ヨハン・モンタナ:いいだろう……来な!
"ブルズアイ":7dx7+19
DoubleCross : (7DX7+19) → 10[1,3,3,3,7,8,9]+6[1,3,6]+19 → 35

ヨハン・モンタナ:ガード
"ブルズアイ":なにぃ
"ブルズアイ":いい度胸だ!死ね!
"ブルズアイ":4d10+23
DoubleCross : (4D10+23) → 20[9,1,8,2]+23 → 43

ヨハン・モンタナ:死にます。
ヨハン・モンタナ:【ユニークアイテム:ファルス・ハート】使用。《異世界の因子》を回復して使用。
GM:なんだと……!
ヨハン・モンタナ:《ラストアクション》を取得し即座に使用します。
ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を10(→ 10)増加 (154 → 164)
GM:なんてやつだ……
ヨハン・モンタナ:《コンセントレイト:エグザイル》《オールレンジ》対象は"ブルズアイ"
ヨハン・モンタナ:15DX7
DoubleCross : (15DX7) → 10[1,1,1,2,2,3,5,6,6,6,7,7,7,7,10]+10[1,1,3,3,7]+3[3] → 23

ヨハン・モンタナ:リアクションをどうぞ!
"ブルズアイ":4dx+2
DoubleCross : (4DX10+2) → 7[2,5,7,7]+2 → 9

"ブルズアイ":無理!ダメージどうぞ!
ヨハン・モンタナ:3d10+6+28 装甲有効
DoubleCross : (3D10+6+28) → 17[6,7,4]+6+28 → 51

ヨハン・モンタナ:ヨハン・モンタナの侵蝕率を4(→ 4)増加 (164 → 168)
"ブルズアイ":オールレンジだけなのにオレよりダメージデカいんだけど…?
"ブルズアイ":残りHPは2でした
"ブルズアイ":落ちます。復活もなし
GM:全エネミー戦闘不能。
ヨハン・モンタナ:倒れます。
GM:戦闘終了。君達の勝利です。
クラウディア・ローデ:やったあ
ヨハン・モンタナ:やったー!
ニコラス・デイヴィス:うおー!
"ブルズアイ":矢を番える。その動作を、この場で初めて、目に見える形で行った。
"ブルズアイ":放たれる矢は2つ。標的は一人。
"ブルズアイ":先頭の光矢の背後にピッタリと張り付いた影の矢は
"ブルズアイ":光矢の炸裂によって軌道を千変万化させる。一矢目がどの様に防がれても過たず標的を射抜く、二撃必殺の絶技。
ヨハン・モンタナ:(戦え、勝利は決して安息を齎さない、か)
ヨハン・モンタナ:目眩のするような一日だった。
ヨハン・モンタナ:撃たれて、生き返って、撃たれて、戦って、逃げて、逃げて、逃げて、戦って。
ヨハン・モンタナ:こんな日々が続くのだとしたら、きっとすぐに死んでしまう。
ヨハン・モンタナ:明日の、あるいはもっとその先の戦いに備えるために、考えなければならないことが沢山あるのだろう。彼も、目の前のこの人も。
ヨハン・モンタナ:(じゃあ僕は、この一瞬のために全てを出し切れば勝機があるってこと?)
ヨハン・モンタナ:笑ってしまうような思考だった。友情を感じていると言いながら、彼のやり方をまるで取り込む気がないのだから。
ヨハン・モンタナ:(きっとすぐ、死ぬ──だとしてもさ)
ヨハン・モンタナ:矢は過たず心臓を貫く。
ヨハン・モンタナ:(生きるさ、死ぬまで生きる)
ヨハン・モンタナ:ごう、と左胸に大穴が開いた。本当に微かに残っていた、あの気配が消えた。
"ブルズアイ":「……チッ」当たった。確かに心臓を射抜いた。
"ブルズアイ":しかし、男は自嘲するように苦笑いを浮かべる。
"ブルズアイ":「……参ったね、どうも」
ヨハン・モンタナ:"ファントム"の心臓。イメージする。その鼓動を知っている。
ヨハン・モンタナ:胸の傷が塞がる。寂しくて、優しい別れになるだろうと思っていた。
ヨハン・モンタナ:再生した組織を、左腕が無理矢理にマッサージして、そうして、血液が廻る。
ヨハン・モンタナ:幾つかの繋がりかけた肋骨を割り砕きながら、それでも、
ヨハン・モンタナ:「ごめんよ、"ブルズアイ"」
ヨハン・モンタナ:しなやかで、力強い、右腕の一撃。とっさに繰り出せる、ただ一つの变化。
"ブルズアイ":「がっ……!」
ヨハン・モンタナ:「君たちの上官は、今日で引退だ」
"ブルズアイ":すまし顔を思い切り殴り飛ばされて、地面を転がりながら壁際に打ち付けられる。
ヨハン・モンタナ:そう口にして、ばったりと倒れる。
ニコラス・デイヴィス:「ファントム!」
カイ・スェネミー:「終わったか。大したものだ。起きていたら拍手もするのだが」
クラウディア・ローデ:「……本当に一人でやっちゃうんだもんな」
カイ・スェネミー:さて自分の出番はなかった。最後は、帯電した空気の中に引火性粒子燃料缶を投げ込むつもりだったが。
カイ・スェネミー:まったく、また彼の強さを見誤った。《形状変化》缶をトランプに戻し懐にしまう。
カイ・スェネミー:「こういう時は美女のキスで目が醒めるものだと言うがね」
ヨハン・モンタナ:「ごぷっ……」血の塊を吐き出して、仰向けに寝返りをうつ。
ヨハン・モンタナ:「起きてる」
クラウディア・ローデ:詰めの一撃、右腕に渦巻き螺旋を描いていた鉄索、それを消散させて
カイ・スェネミー:「私だったら絶対に喜ぶのに、なんと勿体ない」
ヨハン・モンタナ:「そりゃ、僕だって喜ばないってことはないけどさ……」
クラウディア・ローデ:「別に、そんな理由付けなくたってしてあげてもいいけど」
ニコラス・デイヴィス:「随分余裕があるようで安心したよ」
ヨハン・モンタナ:「えっ!?」
カイ・スェネミー:《万能器具》血を拭くハンカチを投げてよこす。
クラウディア・ローデ:「お、喜んだ?」
クラウディア・ローデ:その顔を見て、面白そうに笑う。
ヨハン・モンタナ:ふらふらと指先をさまよわせ、自分の胸の上に落ちたハンカチを受け取る。
ヨハン・モンタナ:「ありがと……からかわないでよ」
ヨハン・モンタナ:頬を膨らませ、すぐに顔をしかめる。「いてて……口の中切れてる」
カイ・スェネミー:「心臓の心配をしたまえよ。ま、オーヴァードらしいと言えば、それまでだがね」
ニコラス・デイヴィス:「疲れているだろうけど、このまま喋り続けていた方がいい」
クラウディア・ローデ:「口の中以外もでしょ」
ニコラス・デイヴィス:「レネゲイドを沈静化させるのには、少しでも平穏な生活を演じるのが一番だからね」
ヨハン・モンタナ:「やっぱり大変なことになってるよね?」
ヨハン・モンタナ:薄目で自分の胸元を見ようとして、目を逸らす。
クラウディア・ローデ:「ま、その調子ならすぐ治るんじゃない?」
ヨハン・モンタナ:「うぐぐぐ……」
カイ・スェネミー:「口の中が切れている。皆も、覚醒した後の最初の戦闘では、そんな見当違いを言ったかもしれないな。いや、懐かしい」
"マスターファントム":「……心配、せずとも」足元から嗄れた声が響く
ニコラス・デイヴィス:三人を庇うように前に立つ
"マスターファントム":「今更、心臓の一つや二つでどうにかなるような身体ではない」
"マスターファントム":「……むしろ、一度《リザレクト》したことで、それは」
"マスターファントム":「正真正銘、君の心臓となったのだろう」
ヨハン・モンタナ:「……」
"マスターファントム":「……おめでとう。もう妙な幻を見ることもない」
ヨハン・モンタナ:「歩いてる途中で急に意識がなくならないのは便利かもね」小さく笑う。
ヨハン・モンタナ:「結局、大人の話ではこの先どうなるのか、あんまり考えてないんだけれど」
"マスターファントム":「……気にすることではないさ……君は君だ。ヨハン・モンタナ。最早"ファントム"の器ではない」
"マスターファントム":「……それを承知で、一つ、聞いておくことがある」
ヨハン・モンタナ:「……何?」
"マスターファントム":「……この先君は、どうするべきか。……答えは……出ているか?」
ヨハン・モンタナ:「言ったでしょ」にやりと笑う。
ヨハン・モンタナ:「僕は絵描きになって、他に描くものが見つかるまではあなたの半生を見せびらかして過ごすつもりだけれど」
ヨハン・モンタナ:「優秀な記者とかがバックアップしてくれたらやりやすいかも。革命をやる気はないから、ニコラスさんが僕についてきてよ」
ヨハン・モンタナ:「大統領制なんだから、変えるなら下にいる人間のほうって思わない?」
ニコラス・デイヴィス:「それはまた」
ニコラス・デイヴィス:「随分魅力的な提案だ」
ヨハン・モンタナ:「やったね……あ! ちょっと待って!」
ヨハン・モンタナ:「マジシャンの言ってた……」
ヨハン・モンタナ:「大統領より上の権力、ってなんなの?」
ヨハン・モンタナ:"マスターファントム"に質問する。
"マスターファントム":「……まったく」
ヨハン・モンタナ:「もしかしてアメリカって民主国家じゃ……ない……?」
クラウディア・ローデ:「それ、知ったらいろいろ苦労が増えると思うよ」自分で口にして、かぶりを振る。「もう今更か」
ヨハン・モンタナ:「えっ。そうかも」
カイ・スェネミー:「知りたいだけなら、私が深遠なる知識にアクセスしても良い訳だが、交霊術、アカシックレコードサーチ。呼び方はなんでもいいがね」
"マスターファントム":「……順を追って話すつもりだったが……自由だな。子供というのは」
"マスターファントム":「……"船員達"」
ヨハン・モンタナ:そういえば、戦いの前にクラウディアさんとそんな言葉を交していた気がする。
"マスターファントム":「世界にレネゲイドをもたらした者。或いは、その運び手」
"マスターファントム":「この狂った世界の、航路を指し示す者たち」
クラウディア・ローデ:「……妙な言い方ね。まるで」
カイ・スェネミー:「おや、私はそんな連中に危険視されているのか。ははは、シンプルに嫌だな!」
クラウディア・ローデ:「この世界の外から来た、とでも言ってるみたい」
"マスターファントム":「……私は、彼らの一尖兵にすぎない」
"マスターファントム":「大拡散に、深く関わっておきながら……」
"マスターファントム":「彼らはこの国で、20年間、レネゲイドを抑制する方向へ舵を取り続けた」
ニコラス・デイヴィス:「……」
ヨハン・モンタナ:「へえ……」
カイ・スェネミー:「抑制と言うより、駆除に近いとは思うがね」
"マスターファントム":「私の理想と……いや、今となっては妄執か」
カイ・スェネミー:(いや、それともストレス耐久実験か?アメリカの役割は果たして何だったのだろうな)
"マスターファントム":「彼らの目的は、本質的には異なる。少なくとも、私はそう感じている」
クラウディア・ローデ:「分かってて従ってたんだ。じゃあ、それって何?」
ヨハン・モンタナ:「うう……分かりやすい話になったと思ったのに……」
"マスターファントム":「しかし、今日、ここに至るまでの手段は同じだった。だから私は、彼らの船に乗り合わせた」
カイ・スェネミー:「ふふ、ファントム。世界を裏から操る支配者。と言うのは非常に分かりやすく、面白いじゃないか。陰謀論だよ」
"マスターファントム":「だが、おそらくここまでだ。ローマの一件でそう確信した」
ヨハン・モンタナ:「陰謀論っていうか、ほんものの陰謀なんだよなあ……!」
ニコラス・デイヴィス:「うーん、どこまで記事にしたものか判断に困る」
"マスターファントム":「……子供には退屈な話だったな」
"マスターファントム":「わかりやすく言おうか」
クラウディア・ローデ:「一応、私も子供なんだけどな」
ヨハン・モンタナ:「手に汗握って聞いてるよ。だいぶ」
"マスターファントム":「"船員達"は、やがてこの世界の最大の敵となる」
"マスターファントム":「そうなった時、滅ぼされるのはオーヴァードだけではない」
"マスターファントム":「真実、世界の全てだ」
ヨハン・モンタナ:「…………」
"マスターファントム":「"ファントム"は、決してそれを望まない」
"マスターファントム":「私は、オーヴァードに絶望したが」
"マスターファントム":「混じり合え無い者が去ればそれで済む話だ」
ヨハン・モンタナ:「そこの考えには、相変わらずちょっと賛同しかねるけれど……」
クラウディア・ローデ:「……なら、どこかで止める気だったの?彼らを、貴方が」
"マスターファントム":「そうだ。その為に生き永らえる必要があった」
クラウディア・ローデ:「……」
クラウディア・ローデ:《真偽感知》を使用します。
GM:真実です。
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデの侵蝕率を2(→ 2)増加 (158 → 160)
"マスターファントム":「……ヨハン。君は、友情のために戦うと言ったな」
ヨハン・モンタナ:「言ったとも」
"マスターファントム":「……君に負けた私に、君を否定する資格はない」
ヨハン・モンタナ:固唾を飲む。
"マスターファントム":「それを承知で、敢えて言おう」
"マスターファントム":「それだけでは不十分だ」
ヨハン・モンタナ:「……そうかな」
"マスターファントム":「力を持ったのなら……大きなことのために使ってくれ」
ヨハン・モンタナ:確かに。"ファントム"のことを明るみに出そうとするならば、"船員達"に目をつけられることは免れないだろう。
"マスターファントム":「世界を変えたいのなら、より多くの人を救ってくれ」
ヨハン・モンタナ:彼の前で喚き立てた僕は何も分かっていない子供に過ぎなくて、これから大きな苦しみが待っている。
"マスターファントム":「隣人を助けたいのなら、その周りの人々をも、助けてやってくれ」
ヨハン・モンタナ:大きな覚悟が必要になる。
"マスターファントム":「君にはその力がある。滅ぼすことしかできなかった……私には、できなくとも」
"マスターファントム":「君にならできることが、必ずある」
ヨハン・モンタナ:「…………わからない、とは、僕も流石に言えなくなっちゃったな」
"マスターファントム":「……これは、唯の祈りだ。聞き届けるかは、君が決めろ」
"マスターファントム":「けれど、どうか」
"マスターファントム":震える腕が、君の手をつかむ。
"マスターファントム":「その時が来たら、戦って欲しい」
ヨハン・モンタナ:その指を開き、手を握り返す。
ヨハン・モンタナ:「君の願いを聞き届けるよ」
ヨハン・モンタナ:「あなたの戦いを終わらせた責任もある。それに──」
ヨハン・モンタナ:「こちらとしても"船員達"から目は逸らせない」
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"の目的がそれだったというのなら、よりよい作品のためには、適切な取材が必要だものね」
ニコラス・デイヴィス:「おお、それが解っているのなら君はいい記者にもなれるよ」
ヨハン・モンタナ:「今日はいろんな才能が発掘される日だなあ」
ニコラス・デイヴィス:「人間にはいろんな可能性があるのさ」
ヨハン・モンタナ:苦笑する。
"マスターファントム":「……すまない」
"マスターファントム":いつかの幻影と同じ声色で口にする。
ヨハン・モンタナ:「こちらこそ、ごめんね」
ヨハン・モンタナ:「そしてありがとう。君が僕を生かした」
"マスターファントム":「こちらこそありがとう。君が、私を終わらせた」
ヨハン・モンタナ:「……うん」目を閉じる。
"マスターファントム":「いつの日か、君が」ヨハンの手をつかんでいた腕が、砂となって崩れていく。
"マスターファントム":「幸福に満ちた世界を描く日を、祈っている」
"マスターファントム":乾いた音を立てて、一粒の宝石が地に落ちる。
ヨハン・モンタナ:……さらさらという音が途切れてから、目を開ける。
"マスターファントム":砕け、崩れ落ちた男の体の中で、最後に残った心臓のその一欠片。
"マスターファントム":それだけが、色褪せた幻影の名残だった。
ヨハン・モンタナ:別れの前に、きっと、泣いてしまうと思ったから。
ヨハン・モンタナ:滲む視界の中で、宝石を拾い上げる。
ヨハン・モンタナ:息を吸って、吐く。
ヨハン・モンタナ:「"ファントム"の名前とは、今日でお別れのつもりだったんだけれどな」
ヨハン・モンタナ:「どうせなら名乗ってやってもいいかも、って気分だ。長い旅になる。その道連れにね」
【脱出ルート:”ファントムベイン”】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1は『ファントムベイン』のリーダーとなる。『ファントムベイン』は所属国家を変更または無所属にしても良い。

【Backtrack】
GM:バックトラック!
GM:全く使いませんでしたがEロイスがあります。
クラウディア・ローデ:そうだったとは
“テンペスト・シューター”
“テンペスト・ファイター”
《永劫の奴隷》×4

“マスターファントム”
《無限を継ぐ者》
《傲慢な理想》
《不滅の妄執》
《孤独の叫び》

GM:8個!
ニコラス・デイヴィス:やったー全部使います
ヨハン・モンタナ:結構ある!
クラウディア・ローデ:当然振る!
ニコラス・デイヴィス:146-8d10
DoubleCross : (146-8D10) → 146-61[10,6,7,9,10,8,6,5] → 85

カイ・スェネミー:あら―。多いわぁ。振ります。
ヨハン・モンタナ:168-8d10 振ります
DoubleCross : (168-8D10) → 168-46[7,9,4,1,9,8,1,7] → 122

クラウディア・ローデ:160-8d10
DoubleCross : (160-8D10) → 160-47[2,10,2,9,5,9,6,4] → 113

ニコラス・デイヴィス:天才の出目
カイ・スェネミー:124-8d10
DoubleCross : (124-8D10) → 124-50[9,1,3,7,6,6,9,9] → 74

GM:伊達に二千年生きてない
カイ・スェネミー:で1倍で
ニコラス・デイヴィス:85-3d10
DoubleCross : (85-3D10) → 85-12[1,5,6] → 73

カイ・スェネミー:74-4d10
DoubleCross : (74-4D10) → 74-18[1,9,4,4] → 56

ニコラス・デイヴィス:ばっちり5点
カイ・スェネミー:4点ですね。
クラウディア・ローデ:5個だから等倍でいいか
クラウディア・ローデ:113-5d10
DoubleCross : (113-5D10) → 113-20[6,1,6,1,6] → 93

ヨハン・モンタナ:122-5d10 等倍
DoubleCross : (122-5D10) → 122-17[4,1,10,1,1] → 105

GM:あっぶな!
クラウディア・ローデ:なんだその出目 帰還
ヨハン・モンタナ:おっと 追加で振ります
ヨハン・モンタナ:105-5d10
DoubleCross : (105-5D10) → 105-37[8,3,10,6,10] → 68

ヨハン・モンタナ:0点帰還!
クラウディア・ローデ:あぶない
ヨハン・モンタナ:最初に出ろ
GM:極端な出目だ
クラウディア・ローデ:5点です
GM:Dロイスもあります!
“マスターファントム”
《遺産継承者:祈りの造花》
《錬金術師》
《業師》
“ブルズアイ”
《遺産継承者:必中の弓》
“サンダークラップ”
《遺産継承者:雷神の槌》

GM:5個で5点
GM:Eロイスと合わせて13点に
GM:いつもの5点、シナリオ10点を合わせて
GM:23点!それぞれ帰還の点数を足してね!
クラウディア・ローデ:28~
カイ・スェネミー:27点です。
ヨハン・モンタナ:23点いただきます
ニコラス・デイヴィス:28!
GM:お食べ!GMはえーと……
GM:35点かな!
GM:美味しくいただきます。
GM:では、EDに行く前に改めておさらいです。
GM:これまで収集した脱出ルートを使用することで、ゲームクリアとなります。
GM:選択できるのはどれか一つ。選択権はヨハンくんにあります。
GM:まとめて見ていきましょう。
【脱出ルート:デッドマンズハイウェイ】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はフリーランスとなる。

【脱出ルート:潜水艦ピルグリム・ファーザーズ】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1は宇宙友愛教会所属となる。

【脱出ルート:ニューヨーク地下鉄廃路線 INF亡霊急行】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイス所属となる。

【脱出ルート:欧州で最も危険な男】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1はドイツ陸軍超人部隊『Eukalyptus』所属となる。

【脱出ルート:”ファントムベイン”】
クライマックス戦闘後に使用することで、マンハッタン島から脱出できる。PC1は『ファントムベイン』のリーダーとなる。『ファントムベイン』は所属国家を変更または無所属にしても良い。

GM:選択タイミングは、合同EDの後とします。
GM:PCが所属する組織を選んだ場合は、個別EDは二人でやっていただく形になるわけですね。
ヨハン・モンタナ:理解を得ました
GM:というわけで、長らく時間を頂きましたが本編はここまで!
GM:どのEDを選ぶか、じっくり考えてみてください!
GM:お疲れ様でした~!
ヨハン・モンタナ:お疲れ様でした!
カイ・スェネミー:お疲れさまでした。次回は
【ED/選択】
GM:■メトロポリタン美術館
GM:"テンペスト"、"ファントムベイン"を退けた君達。
GM:しかし、マンハッタンの周囲は未だ米軍の包囲が続いている。
GM:当座の危機は凌いだが、これ以上ここに居続けるなら、直ぐにさらなる手を打ってくるだろう。
GM:必要となれば街の空爆も辞さないであろうことは、この国の人間なら想像がつくことだ。
GM:別れの時。そして選択の時は、すぐそこまで迫っていた。
ニコラス・デイヴィス:「ここにいれば、しばらくは安全だろう。」
ニコラス・デイヴィス:「あくまで、しばらくだけどね。」
ヨハン・モンタナ:「久しぶりに来たな。『ペイ・アズ・ユー・ウィッシュ』だ」
クラウディア・ローデ:「そうだね、あと10分ってとこかな」建物の壁に背を預け、耳を澄まして周囲を伺う。閉じていた目を開く。
ヨハン・モンタナ:懐からなけなしの所持金を出して、置いておく。世界的な美術館の入館料にしては安いが、ここはそれで良いことになっているのだ。
カイ・スェネミー:「さてファントム。聞いておきたいのだが。良いかな?」
コンスタンティン:ホールに飾られた絵画を行儀よく眺めて、尻尾を振っている。
ヨハン・モンタナ:「……うん」
カイ・スェネミー:「私ならファントムを死亡したことにして、元の生活に戻せるかもしれないよ。どうする?……今更言うか?と言う顔はしない様に」
カイ・スェネミー:「これは切り札だったからね。私にとっても」
ヨハン・モンタナ:「とっておきをくれたのに、まだ切り札があるなんて!」
カイ・スェネミー:機密、歴史、履歴の改竄。新たな戸籍に入手。偽の記録。かっての《潜入工作員》ならやれないことはなかった。
ヨハン・モンタナ:「しかもそれを……僕のために使ってくれても良いって言うのかい? いかにも気前がよすぎる。ケチをつけたらバチがあたっちゃうよ」
カイ・スェネミー:だが、それを彼のために使うか。と言うのはこれまで別の話だった。と言うだけで。
ヨハン・モンタナ:本当にいいのかな、という顔でしばらく思案げにして。
カイ・スェネミー:「実はすごく疲れる大奇術だったからね。うん。だが、君が平穏な日常に帰りたいと言うのなら、骨を折ろうじゃないか」
ヨハン・モンタナ:「……うん。ありがとう。でもやっぱり、それは遠慮するよ」
カイ・スェネミー:「そうか。私は正直ね。君が世界を背負うことはないと思っているが。そんな大変な事だったら逃げても良いんだよ。前にも言ったがね」
カイ・スェネミー:「少数の誰かを犠牲にする世界なんて碌なものではないよ。と言う人間がいることも覚えておきたまえ。先代ファントムは碌な言葉を残さなかったものだ」
カイ・スェネミー:軽く笑って、皮肉を言うが。少年の判断は、だが肯定する。
ヨハン・モンタナ:「……あいつはやること成すこと、結構碌でもないよね」
ニコラス・デイヴィス:「アメリカの歴史に悪名を刻みつけた男だからね」
ヨハン・モンタナ:「違いない」吹き出して。
カイ・スェネミー:「ははは。友達が恐らくいなかったのだろうな!その点、そちらの方面は君の圧勝だぞ」
ヨハン・モンタナ:「そうやって言ってくれる友達が居るのが、何より得難い財産に思うよ。僕は、どうせ目立つようなことをやって、追われてしまうけれど……」
クラウディア・ローデ:「どうかな。あいつはあいつで結構、慕われてたようにも見えたけどね」
クラウディア・ローデ:「ろくでもないやつだし、ろくでもない言葉を残していったってのは同意見」
ニコラス・デイヴィス:「ファントムベインか。」
ニコラス・デイヴィス:「確かにあの戦い方は、ただ切り捨てるだけのものではなかったように見えた。」
ヨハン・モンタナ:「結構無理はさせてたけどね。でも、多分そうだ」
ヨハン・モンタナ:「"トラッシュハンド"も、"ファントム"の命令違反によって生き延びたオーヴァードだったし」
クラウディア・ローデ:「そういや、どうするの?あの子」
クラウディア・ローデ:「引き取り先がないなら、うちの国に連れ帰るけど」
ニコラス・デイヴィス:「うちでは流石に扱えないかなあ、いくらなんでも思想が違いすぎる」
ヨハン・モンタナ:「あはは……」
カイ・スェネミー:「ドイツに連れて行く。それは、本人の意思には悪いが、この国で使い潰されるよりはマシに思えるが」
カイ・スェネミー:「私としては、ファントムを追いかける好敵手になれば、面白いな。と思わない事もない」
ヨハン・モンタナ:彼女に預ければ、悪いようにはされないだろう、という気がする。いや、どうかな。あの態度のやつが悪いようにされないことってあるのかな。
カイ・スェネミー:「ほら。クソファントム。テメエを倒すのはこのオレなんだよ!とか言う訳だ」
ニコラス・デイヴィス:「深淵なる知識風に言うと、そうなるわけだね」
クラウディア・ローデ:「何それ。ヨハンの敵を増やすって言ってる?」
カイ・スェネミー:「ははは。敵対組織同士の男女と言うのはロマンティックだからね!」
ヨハン・モンタナ:「やがてわかり合えるなら、それもいいさ」
ヨハン・モンタナ:「ロマンスは僕にはまだ……」ちらりとクラウディアを気にする素振りを見せて、首を振る「早いけれど」
クラウディア・ローデ:「あら。そっちの師匠にもなってあげよっか?」
カイ・スェネミー:「ふふ、くくく」視線に目敏く気づき。
ヨハン・モンタナ:「仕方ないだろ! こんな綺麗な人いなかったし、ちょっと思わせぶりなこと言われたし、意識しないほうがおかしいじゃん!」
ニコラス・デイヴィス:「やめたほうがいいと思うなあ。美人と過ごす時は甘美なものだが、彼女の場合は高く付くぞー」
ニコラス・デイヴィス:「何をしたんだね、クラウディアくん」
クラウディア・ローデ:「えー、別に変なことはしてないわよ」
クラウディア・ローデ:「ヨハンが敏感すぎるんじゃないの?」
ヨハン・モンタナ:「子供っぽいとか言って悪かったよう……」
カイ・スェネミー:「国境を超える初恋。うん。売れそうだなぁ。私にハリウッドへの伝があればな。ああ、いや新聞小説としてどうかな?」
クラウディア・ローデ:「ま……実際のところさ」
クラウディア・ローデ:「私の軍人としての任務は、"マスターファントム"が持っていた"船員達"に関する情報の入手」
クラウディア・ローデ:「それと、そいつらの足場をひっくり返してくれる連中を見つけること……要は、いざって時に宛にできる現地の協力者作りだ」
クラウディア・ローデ:「だから、そういう意味では既にクリアしてるんだけど」
ニコラス・デイヴィス:「おお、全部達成してるね」
クラウディア・ローデ:これからも仲良くしてくれるよね?とばかりに皆を見渡しつつ。
クラウディア・ローデ:「それはそれとして、君が一緒に来てくれるなら嬉しいな。個人的にね」
クラウディア・ローデ:ヨハンくんに微笑みを向けて言う。
ヨハン・モンタナ:「ううっ……!」
ヨハン・モンタナ:たじろぎながら。
カイ・スェネミー:「そうだな。もう時間もない。ここからは各組織のファントム争奪戦か」
クラウディア・ローデ:「あはは。と言っても、そこはみんなそうでしょ」
ヨハン・モンタナ:「マジシャンは平和主義者だから、いざって時だからって巻き込み過ぎないでね」
カイ・スェネミー:「ニコラスも口説いた方が良いんじゃないか?」と笑っている。
カイ・スェネミー:「私に協力させたい時は言ってくれ。ドイツ式のエスコート術を勉強しておこう。朝までたっぷり付き合うとも」
クラウディア・ローデ:「組織の都合とか抜きにした所で、君という個人を気に入ってる」
ニコラス・デイヴィス:「いやあ、僕は今更口説かなくても彼とは心が通じ合ってるからね」
ヨハン・モンタナ:つい話を逸らそうとしたが、ぜんぜんストレートに続けられてしまった。
ヨハン・モンタナ:「そっか……嬉しいよ」軽く赤面しながら、そう返す。
ヨハン・モンタナ:「マジシャンが心配してくれるのも、ニコラスさんが僕を信じてくれるのも。同じだけ嬉しい」
ニコラス・デイヴィス:「君が、カイくんの提案を断ってくれたからね。」
ニコラス・デイヴィス:「君が何かに抗う生き方を選ぶのなら、きっとその活躍は僕の耳にも届く」
ニコラス・デイヴィス:「僕はまあ、それだけで十分楽しめるさ。勿論、眼の前で暴れてくれるのが一番ではあるけどね」
ヨハン・モンタナ:「あなたは思ったより悪趣味だったけど……」
ニコラス・デイヴィス:「ひどい」
ヨハン・モンタナ:「そうやって振る舞ってくれたほうが魅力的かもしれないな。純朴な少年の思想を言葉巧みに誘導しようとしてくるよりは!」
ニコラス・デイヴィス:「うーん、何か勘違いされてる気がするなあ」
ニコラス・デイヴィス:強く否定することもなく、楽しそうに微笑む
ヨハン・モンタナ:「そうかも?」いたずらげに身を屈めて、上目遣いに笑い返す。
ニコラス・デイヴィス:「まあ、君がいい顔で笑うようになってくれて何よりだよ」
ニコラス・デイヴィス:少年の髪を優しく撫でて、言葉を区切る
カイ・スェネミー:その様子を見ながら、声をかける。
カイ・スェネミー:「ファントム、今の内に一筆書いておきたまえ。私は、それを然るべきところに届けようじゃないか」
カイ・スェネミー:「長い旅をするなら、別離には悔いは残さないようにした方が良い」
ヨハン・モンタナ:「それって……」
カイ・スェネミー:「私が心の底から言える数少ない教訓だよ、これは。経験則とでも言おうかな」
ヨハン・モンタナ:言葉の意味するところを理解して、じわりと胸の奥が熱くなる。
カイ・スェネミー:「君がいなくなれば、悲しむ人もいる。けれど、その傷を少なくすることは、ちょっとしたことで出来るからね」
ヨハン・モンタナ:「ありがとう! 大好き!」
カイ・スェネミー:「ははは。私もだよ。親愛なる友よ」
カイ・スェネミー:「何時か、君の個展を見に行くことも約束しよう。その日が楽しみだ」
ヨハン・モンタナ:「なら、しっかり絵の勉強しなくちゃね」
ヨハン・モンタナ:「……世界のために犠牲になりたいわけじゃないんだ」
ヨハン・モンタナ:「ただ、実は走り出したら止まれない性分だから」
ヨハン・モンタナ:「そうなんだって、心のどこかで分かってたから、ずっと助走をつけてたんだと思う」
クラウディア・ローデ:「それじゃ、決まったの?目指す場所は」
ヨハン・モンタナ:「うん」
GM:上空から聞こえてくるヘリのプロペラ音が、少しずつ多くなっている。
GM:君は今、人生の岐路に辿り着いた。一度石を蹴り出せば、最早止まることはない。
クラウディア・ローデ:「ま、安心して選びなよ。自分で止まれないって言っても」
クラウディア・ローデ:「君が万が一、あの男みたいに間違った道を行きそうになったら」
クラウディア・ローデ:「その時は、ちゃんと止めてあげるからさ」
ヨハン・モンタナ:「ふふ、きっと止めてくれるって説得力がすごい」
ヨハン・モンタナ:彼女の鉄条には、何度も助けられた。そう、呆れるほど何度も──────
カイ・スェネミー:「さぁ、走ろうか。走って、走って、走って、走って、疲れたら、その時は休めば良いさ」
ニコラス・デイヴィス:「また会えることを祈ってるよ、僕の二人目の王様」
ヨハン・モンタナ:頷いて、駆け出す。
ヨハン・モンタナ:──勝利は決して、安息をもたらさないと、"ファントム"は言っていた。
ヨハン・モンタナ:1つの戦いを終わらせるために、新たな試練に直面する。そうして、渦中に居ない者達の安息のために戦い続けた。
ヨハン・モンタナ:(別に、そうじゃない日があったっていいだろ?)
ヨハン・モンタナ:(あなたが犠牲の中に心を零しきってしまったあの時から)
ヨハン・モンタナ:(ずっとずっとずっと……戦ってきたのは。後に続くやつに、ちょっと下駄を履かせるためってことでいいじゃないか)
ヨハン・モンタナ:(ほんとうの勝利はある。人類全てを滅ぼそうとする脅威のことを知って)
ヨハン・モンタナ:(あなたはそう思ったんだ。だから、任務で対峙したオーヴァードたちを殺し切ることができなかった)
ヨハン・モンタナ:(自分では気づかなかったかもしれないけれど──)
ヨハン・モンタナ:(今は、そう思うことにしよう)
ヨハン・モンタナ:ドイツ陸軍。ステイツ・オブ・グレイス。宇宙友愛教会。
ヨハン・モンタナ:3つの組織が、彼の成果を知った。そのことが嬉しい。
ヨハン・モンタナ:「ほらみろ」
ヨハン・モンタナ:「世界はお前を、忘れちゃくれない」
カイ・スェネミー:Dロイス:《潜入工作員》"ファントム"ヨハン・モンタナの逃走経路を隠蔽します。
ヨハン・モンタナ:【脱出ルート:潜水艦ピルグリム・ファーザーズ】を宣言します。
GM:宣言を受理しました。
GM:これによって、ヨハンくんは無事マンハッタン島を脱出し
GM:宇宙友愛教会所属となります!
【マンハッタン島封鎖事件】
1963年、ニューヨーク州 ニューヨーク・シティ。
重犯罪オーヴァード、"ファントム"の逃走を受け、米軍はマンハッタン島を封鎖した上での掃討作戦を実施。
"ファントム"の討伐に成功するが、作戦中に新たなオーヴァード、"仮称:ファントムⅡ"の覚醒を招いた。
"仮称:ファントムⅡ"は"テンペスト"を始めとする軍の討伐部隊、市井のハンターを撃破し、マンハッタンを脱出。
懸命な追跡捜査も虚しく、その正体から逃走先に至るまで、未だ不明のままである。
【ED/ニコラス・デイヴィス】
GM:■ニューヨーク地下鉄廃路線 INF亡霊急行
GM:超災法の制定によって、アメリカ国内都市圏の防災シェルター設備は《ワーディング》を想定したものに刷新された。
GM:無理に無理を重ねた都市改造は、地下鉄等の既存インフラに皺寄せとして現れ。
GM:ニューヨークでは、数多くの忘れ去られた路線が生まれることとなった。
GM:USoGが利用するこの路線もその一つ。最も地底深くに存在するものだ。
GM:列車に揺られ、二人の男が向かい合って座っている。
"マルコムX":「結局、彼は来なかったか」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、任務失敗だ。すまないね、同志マルコム」
ニコラス・デイヴィス:赤毛の青年がマルコムの言葉に応える
"マルコムX":「構わないさ。どの道、成る意志のない者に王は務まらない」
"マルコムX":「随分気が早いな」地上にいた頃とは全く異なる姿を指して言う
ニコラス・デイヴィス:「ああ、道理だ。だから君も僕も王にはなれない。」
ニコラス・デイヴィス:「少し目立ちすぎたからね。しばらくはこれで通すよ」
"マルコムX":「そうか。次の就職先についてはこちらでなんとかしよう」
ニコラス・デイヴィス:「うん、世話になるよ。」
ニコラス・デイヴィス:「それで。」
"マルコムX":「私としては、君を王に据えるのも悪くはないと考えていたがね。先に断られてしまっては仕方ない」
"マルコムX":「うむ」
ニコラス・デイヴィス:「今回の事件で僕たちの計画は前進したのかな?それとも後退したのかい?」
ニコラス・デイヴィス:「君の見解を聞きたい。」
"マルコムX":「"ファントム"を迎えることは叶わなかったが」
"マルコムX":「アメリカが保有するオーヴァード戦力は少なくない損害を受けた」
"マルコムX":「ただ、そのことが即、我々の計画を容易くするとは限らないだろう」
ニコラス・デイヴィス:「ふむ」
"マルコムX":「テンペストとファントムベインが落ちたことで、米軍の対オーヴァード戦力は」
"マルコムX":「今までに増して、アップル・ディスコルディア社に依存することになる」
ニコラス・デイヴィス:「厄介だねえ」
"マルコムX":「あの企業は底が知れん。場合によっては、より強大な敵と成るかもしれないな」
ニコラス・デイヴィス:「今も昔も一番強いのは潤沢な物資を持っている者ってことか」
"マルコムX":「ただ、より分かり易い敵でもある」
"マルコムX":「総合的に見れば、一歩進んだと考えているよ」
ニコラス・デイヴィス:「僕たちと組むことで、現体制以上の利益を生み出せると向こうが判断すれば、敵ですらなくなるかもしれないしね。」
ニコラス・デイヴィス:それが難しいんだけど、とぼやきながら
ニコラス・デイヴィス:「そうか。たったの一歩か」
ニコラス・デイヴィス:「先は長いね」
"マルコムX":「君程に長い時を生きても、そう感じるものか」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、そうさ。なぜなら僕は君たちの命の儚さをよく知っているからね。」
ニコラス・デイヴィス:「一つの世代の闘争で必ず志が為るなんて、思っちゃいない。」
ニコラス・デイヴィス:「だからこそ」
ニコラス・デイヴィス:「あの子に、君の志を継いでもらいたかった。」
"マルコムX":「……そうだな。我々の命は儚く、だからこそ意志は受け継がれる」
"マルコムX":「憎しみも、誇りも、人は過去の歴史とは無関係に生きられない」
"マルコムX":「私は黒人だ。奴隷の子孫だ」
ニコラス・デイヴィス:「ああ」
"マルコムX":「虐げられた者の怒りと、抗った者の誇りを、等しく受け継いでいる」
"マルコムX":「だからこそ、別の誰かを奴隷に貶めることで得られる平和などを、享受する訳にはいかない」
ニコラス・デイヴィス:「知ってるよ。」
ニコラス・デイヴィス:「今は、"オーヴァード"が"黒人"の代わりになっているだけだ。」
ニコラス・デイヴィス:「ただ時の流れに任せて問題を解決しようとするだけでは」
ニコラス・デイヴィス:「まだ、"黒人"が責められる側になるかもしれない。或いは、別の属性が槍玉に上げられるようになるだけもしれない。」
ニコラス・デイヴィス:「それを乗り越え、この国の宿痾を取り除くには君のような人間が絶対に必要だ」
ニコラス・デイヴィス:「だからこそ、君の志は受け継がれなければならない。」
ニコラス・デイヴィス:「それも、出来得る限り正しい形で。」
"マルコムX":「……ふ、随分と気持ちよくさせてくれるな。数々の革命に立ち会っただけのことはある」
ニコラス・デイヴィス:「望んでもいいのなら、君よりさらに真っ当に」
ニコラス・デイヴィス:「すまないね。どうにも逃した魚が、おもったよりも大きかったらしい。」
ニコラス・デイヴィス:「自制心が緩んでる。普段なら言わないことまで口を滑らせてしまう。」
"マルコムX":「君の心をそれほど踊らせたのなら」
"マルコムX":「成る程、彼はその器かもしれないな。オーヴァードの運命に革命を起こせる」
"マルコムX":「本当の意味で、王になるべき男だったのかも」
ニコラス・デイヴィス:「ああ、だけどね。マルコム。」
ニコラス・デイヴィス:「彼はきっと、どこにいても『波』は起こすさ」
"マルコムX":「ほう?」
ニコラス・デイヴィス:「彼が起こした波は、彼の手を離れても大きくなり続ける。今回の事件がそうであったようにね。」
ニコラス・デイヴィス:「だが」
ニコラス・デイヴィス:「彼にはその波を乗りこなす老練さはない。」
"マルコムX":「道理だな。素質はどうあれ、まだ子供だ」
ニコラス・デイヴィス:「むしろ、離れていたほうがいいのかもしれないよ。彼が起こる『流れ』をこちらの利にするにはね」
ニコラス・デイヴィス:「それを見極めることが出来れば。」
ニコラス・デイヴィス:「今日の一歩、十歩にだって、百歩にだって出来るさ」
"マルコムX":「ふむ……」窓の外、コンクリートと電灯だけが連なる景色を見る。
"マルコムX":「その方が面白そう、か?」
ニコラス・デイヴィス:「まあ、ね」
ニコラス・デイヴィス:「楽しくなければ、生きている意味なんてないじゃないか」
GM:暗闇の中を、列車は進む。
GM:熱狂の夜明けには、今しばらくかかりそうだ。
【ED/カイ・スェネミー】
GM:■ニューヨーク マンハッタン
GM:事件から暫くが経ち、街は以前の活気をすっかり取り戻していた。
GM:破壊された教会や道路は、未だ修復工事の最中ではあるが
GM:人々の営みは何ら変わること無く、今日も栄華と悪徳に満ちている。
GM:ハーレム地区の外れ、ヨハン・モンタナの生家もまた、外目からは嘗てと変わりなく見えていた。
カイ・スェネミー:髪を下ろし、牧師の服を着て、その家を訪ねる。
ヨハンの父:「……どちらさん?」
ヨハンの父:少し遅れて、痩せぎすの男が出てくる。
カイ・スェネミー:流石に真摯で真剣な話をするならば、道化と言うわけにはいかない。
ヨハンの父:顔色は悪く、僅かに酒の匂いが漂っていた。
カイ・スェネミー:「私は、教会の者です。ヨハン・モンタナさんのご家族の方でしょうか?」
ヨハンの父:「……」その名前を聞いた時、一瞬表情を曇らせて
ヨハンの父:「……もしかして、マイケル牧師んとこの人か?」
ヨハンの父:「何か……わかったのか……?ヨハンのことがっ……」
カイ・スェネミー:その言葉に頷く。フロイラインに真偽を問われても、真実であると返せる質問ではある。
カイ・スェネミー:欺瞞だとも思うが。
ヨハンの父:弱々しいが、縋り付くように君の腕をつかむ。
カイ・スェネミー:父親の様子に顔を僅かに歪める。そこには親の愛があり、自分がかって捨てたものだ。
カイ・スェネミー:「手紙を預かっています。息子さんから」
ヨハンの父:「!」
ヨハンの父:カイさんの手から奪い取るように手紙を受け取り、宛名の筆跡がヨハンのものなのを確認して、急いで封を開く。
ヨハン・モンタナ:そこには
ヨハン・モンタナ:理由は話せないがしばらく会えないこと、勝手に居なくなって申し訳なく思っていること
ヨハン・モンタナ:無理だと思うけど心配しすぎないでほしいこと、でも適度に心配してほしいこと
ヨハン・モンタナ:……いずれ帰ってくること、部屋はそのままにしておいてほしいこと
ヨハン・モンタナ:などがつらつらと急ぎの筆跡で書かれており……
ヨハン・モンタナ:愛してます。父さん、母さん。あなたの息子より。と結ばれていた。
ヨハンの父:「……ヨハン……」震える手が便箋の端をくしゃりと握りつぶしてしまう。
カイ・スェネミー:「…………」
ヨハンの父:「……息子は」カイさんを見上げて
ヨハンの父:「生きているんですね?」
カイ・スェネミー:「はい」
ヨハンの父:「……ウチは貧乏だし、誘拐なんかしたって何の得にもならない」
ヨハンの父:「かと言ってアイツは、自分から何かしらの悪事に近づくようなやつでもない」
ヨハンの父:「……信じていいんですね?」
カイ・スェネミー:「彼は敬虔であり、誠実であり、誰にとっても良き友です」
カイ・スェネミー:「神に誓いましょう」
ヨハンの父:「……」
ヨハンの父:「……少し、待っていてください」
ヨハンの父:男は家の奥に引っ込み、暫く家財をひっくり返すような音がした後
ヨハンの父:包装された長方形の箱を持って戻ってくる。
ヨハンの父:「これを、息子に渡してもらえますか」
カイ・スェネミー:「どのような言葉と共に?」
カイ・スェネミー:大事なものを扱う様に丁寧に受け取り、言葉を待つ。
ヨハンの父:「……言葉は、何も」
ヨハンの父:「帰ってきた時に、直接言います」
カイ・スェネミー:少し顔を綻ばせ頷く。
ヨハンの父:「……ああ、いや」
ヨハンの父:「やはり、一つだけ」気恥ずかしそうに頭をかく
ヨハンの父:「……息子が、隠れて絵を描いていたことは知っていました」
ヨハンの父:「その為に、黙って働いていたことも」
ヨハンの父:「私の稼ぎでは、間違っても応援するとは言えなかった……」
ヨハンの父:「息子も、分別が付く歳になれば自然と諦めるだろうと」
ヨハンの父:「……ですが、もし」
ヨハンの父:「もし、スクールを出る歳になっても、諦めないのであれば」
ヨハンの父:「そいつを渡そうと思っていました」
ヨハンの父:「絵の具です。それ」
ヨハンの父:「伝えてほしいのは、一言だけです」
ヨハンの父:「"誕生日おめでとう"」
カイ・スェネミー:「ヨハン君の夢を、認めてくれてありがとうございます」
カイ・スェネミー:「確かに受け取りました。私の人生に誓って、必ずお渡しします」
カイ・スェネミー:いかなる理由があっても子供の夢を応援出来ないことに、忸怩たる思いがあったのは難くない。
ヨハンの父:祈りを捧げるように俯いたまま、君の言葉には答えられずにいる。
カイ・スェネミー:だが少年は夢を諦めず、彼もそれを見続けた。夢への道を否定はせずに黙認し続けた。
カイ・スェネミー:二人分の人生の重さが詰まった大変なものを受けとったな。と思う。いや、身軽な自分には丁度良いかもしれない。
カイ・スェネミー:「少年は荒野を目指すものですが、それでも故郷と言うのは特別なものです」
カイ・スェネミー:「世界が滅びない限り、彼は必ずここに帰ってきますよ」
カイ・スェネミー:それでは。と頭を下げて背を向ける。
GM:父親は俯いたまま、肩を震わせている。
GM:玄関先で立つ修道女と共に、彼に向けて十字を切り
GM:君は、そこから立ち去った。
GM:教会へと続く坂を歩きながら、修道女が呼びかける。
アンジー:「随分と様になってらっしゃいましたね」
アンジー:「普段からそうであれば、私も小言を言わずに済むのですが」
カイ・スェネミー:「ヨシュアよりも良い男だったかい?惚れても構わないが」
アンジー:「……」はぁー……と大きなため息
カイ・スェネミー:「まあ、実際には難しいな。人には美しくなる瞬間、魅力的になる瞬間と言うのがあり、君は私に小言を言う時が特に綺麗なんだ」
アンジー:「そんなに受難をお望みだったとは知りませんでした。それとも単なるマゾヒズムでしょうか?」
アンジー:「であれば、私も背徳の片棒を担いでいることになりますね」
カイ・スェネミー:「スリルシーカーと言うのが近いかもしれないな。と言うのはさておき、私は子供のころ随分とちやほやされて育ったからね」
カイ・スェネミー:「私の事を無条件で褒める女性と言うのは、すっかり苦手になってしまったのだよ」
カイ・スェネミー:などと、冗談ともつかぬ声で言い。
カイ・スェネミー:「ははは、そうだね。君は悪い女だ」
アンジー:「それならば、もう少し素直に善行を積んで頂きたいのですが……」
アンジー:「……聞き捨てなりませんね」
アンジー:「理由を伺っても?可能であれば、改善の努力を致します」
カイ・スェネミー:「人を欲徳に誘うじゃないか。つれない態度や、無自覚な色気。それでいて、私のような人間を見捨てない献身」
カイ・スェネミー:「ほらアスモデウスを目覚めさせるんじゃないか?」
アンジー:「……心底呆れました。穢らわしい」半歩君から距離を取る。
カイ・スェネミー:「まあ、そういうところなのだが!」
カイ・スェネミー:楽しそうに笑う。
アンジー:「神がそうであるように、悪魔も己の心の内に宿るものです」
アンジー:「貴方には改めて、ご自身の振る舞いを見つめ直すことをお勧めいたします」
カイ・スェネミー:「それでデートしてくれるなら、そうしようじゃないか。内省は得意技でね!手品より上手い」
カイ・スェネミー:「懺悔室以外を希望したいところだ」
カイ・スェネミー:「うん。シスターとして、悪魔を野放しにするわけにもいかないだろう?」
アンジー:「物は言いようですね……」
アンジー:「ですが、まあ、いいでしょう。信徒の告白を無下にもできません」
アンジー:「ご存知ですか?」
カイ・スェネミー:「うん?」
アンジー:「悪魔祓いを行うには、その悪魔の真名を唱える必要があるのです」
アンジー:「思い返してみると、まだ聞いていなかったと気付きまして」
アンジー:「そうでしょう?"M.S/M.T"」
カイ・スェネミー:「嗚呼、成程」
カイ・スェネミー:物は言いようだ。本当の名前を聞くのに、なんと可愛らしい。
カイ・スェネミー:「では、懺悔ですので、この事は他に漏らさずに。神様と貴女にだけ」
アンジー:「約束しましょう。父と子と聖霊の御名において」
カイ・スェネミー:「感謝します。シスター・アンジー」
カイ・スェネミー:「私の本当の名前は……」
【ED/クラウディア・ローデ】
GM:■ドイツ連邦 ベルリン
GM:オットーの手引きにより、君は恙無くマンハッタンより脱出に成功した。
GM:そのままアメリカを出国し、南米諸国を経由して追跡を振り切った君達は
GM:長旅の果てに無事、祖国ドイツにある軍司令部へと帰還を果たしたのだった。
クラウディア・ローデ:「クラウディア・ローデ、ただいま戻りました~」
クラウディア・ローデ:部隊長の執務室。やや眠そうな声と共に部屋に入室する、背の高い女。
エリアス・シュナイダー:ひょろりとした体躯、軍服がどこか着なれない青年。まとめた資料を手に、報告を終えたところ。
エリアス・シュナイダー:「あっ、クラウディアさん!お疲れ様です」
クラウディア・ローデ:「あっ、エリアスくんもいた。おつかれ~」
アウグスト:座って報告を受けていた男が、片眉を上げてそれを見る。
エリアス・シュナイダー:「おれもさっき帰ったとこなんですよ~。入れ替わりですね」と、報告相手の前を譲る。
クラウディア・ローデ:「そうだ。お土産も持って帰ろうとしたんだけど、逃げる途中で落としちゃってさ……あ、隊長もお疲れさまです」
クラウディア・ローデ:しゅっと形ばかりは慣れた様子で敬礼して。
アウグスト:「事前の通達を……まあ良い」溜息をつく。「よく戻った。少佐」
エリアス・シュナイダー:「お土産?なに落としちゃったんです」笑う。
クラウディア・ローデ:「ほら、いろいろレコードとか買ってたんだよね。向こうにしか売ってなさそうなやつ。あとイケてる少年ひとり」
クラウディア・ローデ:「……あ、はいはい。真面目に報告しますね」
エリアス・シュナイダー:「えっ。おれの後輩候補ができてたんですか」
クラウディア・ローデ:アウグストの視線にちょっと背筋を伸ばしつつ。
エリアス・シュナイダー:言いつつ真面目に報告を聞く。
クラウディア・ローデ:「ええ、"ファントム”の力を受け継いだ現地の少年で……」
クラウディア・ローデ:と、今回の"ファントム"に関する事件の概要を説明する。
クラウディア・ローデ:現地の協力者と共に少年を保護したこと、マンハッタン島を逃げ回り"テンペスト"や"ファントム・ベイン"と交戦したこと。その過程で得た情報について。
クラウディア・ローデ:「彼、政府に追われる立場になってたので、じゃあいっそうちに来る?って誘ってはみたんですけど」
クラウディア・ローデ:「フられちゃいました。やっぱり、自分の故郷は捨てたくなかったみたい」
アウグスト:「ふむ」重厚な机に両肘を突く。「具体的にはどうなったのだ」
アウグスト:「身一つでアメリカに残るほど無謀な男ということか?」
クラウディア・ローデ:「ええと。現地の組織が、政府の目を掻い潜ってオーヴァードと人の共存を目指す街を作っていたんです。アラスカ辺りに」
エリアス・シュナイダー:「ええ……?そりゃずいぶんと、絵空事みたいな……」
アウグスト:「そのような夢想を抱いた傭兵がいたと聞いた覚えはあるがな。死んだそうだが」
クラウディア・ローデ:「まあ、見方によっちゃその試みも無謀とは言えるかもしれませんけど……でも、結構しっかりした組織だったと思いますよ。リーダーとも直接話した感じ」
エリアス・シュナイダー:「リーダーとも会ったんですか」
エリアス・シュナイダー:(この人ほんと、遊んでるみたいな顔でめちゃくちゃ働いてるよな……)
アウグスト:「今後も接触は可能か?」
クラウディア・ローデ:「うん。なんか、絵に描いたような人徳者って感じで」個人的には反りが合わないかな、と思ったことまでは口にせずにおく。
クラウディア・ローデ:「ええ、幾つかコンタクトの方法について交換しておきました。向こうとしても、外国だろうと頼れるものは頼りたいって感じみたい」
アウグスト:「であれば良い。場合によっては直接引き込むより役に立つだろう」頷く。
クラウディア・ローデ:「あー、あと少年の代わりにじゃないですけど」
クラウディア・ローデ:「一人、捕縛したオーヴァードはいますね。さっき引き渡したんですけど」
アウグスト:「ほう」
エリアス・シュナイダー:「おお」
クラウディア・ローデ:「"テンペスト"っていう、政府の対オーヴァード部隊の隊長だった子です」
クラウディア・ローデ:「気性はめちゃくちゃだから、素直に言うこと聞いてくれるかは分かりませんけど」
アウグスト:「……待て。何だそれは」
クラウディア・ローデ:「どうも、特殊なタイプのレネゲイドに感染しているみたいで……」
クラウディア・ローデ:「何だって言うと……捕虜?」
エリアス・シュナイダー:「で、デカいお土産だ……」
アウグスト:「あの国が相手では取引材料になるとも思えんぞ」こめかみを押さえる。
クラウディア・ローデ:「あ、喋るとすっごく腹立つかもしれないですけど、一応ちゃんと人道的に扱ってくださいね」
クラウディア・ローデ:「悪い扱いはしないって約束してきたので」
アウグスト:「…………」
アウグスト:「……まあ良いだろう。その者がどう利益を生むかまでは我々が考えることではない」
エリアス・シュナイダー:「まあ、反政府の人なりの情報とか…たくさん持ってるかもしれない……し」
クラウディア・ローデ:「ですねえ。まあほら、向こうに置いてくるよりはマシって事で」
エリアス・シュナイダー:「アメリカの動きは上も気にしまくってますもんねえ」
アウグスト:「ああ。そちら向けの報告書にはもう少し詳しく書け」
アウグスト:「お前がした約束を守れるようにな」
クラウディア・ローデ:「詳しく……」沢山書かなきゃいけないのか……とちょっと辟易したような顔をするが、観念して「……はーい」
クラウディア・ローデ:「あっ、あと。"船員"たちについて、"マスターファントム"からちょっと聞き出せた事がありました」
アウグスト:目を細める。
クラウディア・ローデ:「えっと……一応、私の能力で裏を取った話なので、少なくとも"マスターファントム"の認識としては間違ってないと思うんですが」
クラウディア・ローデ:そう前置きして。
クラウディア・ローデ:「彼らはどうも、他の世界からこの世界にレネゲイドを呼び込んだ存在で」
クラウディア・ローデ:「今までの時点では、レネゲイドやオーヴァードの制御と抑制に向かっていますが」
クラウディア・ローデ:「最終的には、この世界の全てを滅ぼそうとするだろう……と」
エリアス・シュナイダー:「……そ」
エリアス・シュナイダー:「そりゃ……壮大な存在だとは思ってましたが、思った以上に」
アウグスト:「……それ以上は不明か」
クラウディア・ローデ:「でも実際、ローマのあれは、対処の手を間違えたらそれくらい行ってたかもしれないしね」
クラウディア・ローデ:「そう、ですね……今際の際の会話だったこともあって、それ以上の詳細を聞き出す余裕は」
アウグスト:「そうか。いや、重要な情報だ」
アウグスト:「馬鹿げていると言いたい気持ちもあるが……あのαを目の当たりにした後ではな」
エリアス・シュナイダー:「ですね……」苦笑する。
エリアス・シュナイダー:「ゲオルグ中将も、ずいぶんと大きな土産をおれたちに残してったな」
クラウディア・ローデ:「私、ゲオルグの置き土産って言われちゃった」
エリアス・シュナイダー:「ええー」笑う。
クラウディア・ローデ:「ちょっとムカつく。なんか、おまけ扱いみたいで」
エリアス・シュナイダー:「クラウディアさんらしいなあ」
アウグスト:かすかに笑声を漏らす。
クラウディア・ローデ:「あ、私からの報告は以上でーす」
アウグスト:「分かった。国外での単身、かつ長期に渡る任務、ご苦労だったな」
アウグスト:「お前以外には果たせぬ務めだっただろう。隊の長として、その働きを誇りに思う」
クラウディア・ローデ:「ふふ。隊長にそこまで褒めちぎられるなんて、いつ以来でしょ」
クラウディア・ローデ:親に褒められた幼子のような笑顔を浮かべつつ。
クラウディア・ローデ:「じゃあ、褒められついでにこれを」
クラウディア・ローデ:すっとアウグストの前に書類を差し出す。
クラウディア・ローデ:休暇の届け出だ。
アウグスト:「ああ」受け取り、何気なく目を通す。
エリアス・シュナイダー:「旅行でもするんですか?」
クラウディア・ローデ:「んー、むしろ逆? こっちが懐かしくなっちゃって」
クラウディア・ローデ:「NYだと、素性も何もかも隠して一般人のフリしなきゃいけなかったからさー。いろいろ窮屈で」
エリアス・シュナイダー:「一般人みたいなクラウディアさん、想像つかないなあ」
アウグスト:「受理されるだろう。羽目は外し過ぎんようにな」
クラウディア・ローデ:「私が変わるっていうか、特別な力のない普通の女の子ってだけで何かと舐められるんだよねえ」
クラウディア・ローデ:「はーい、気をつけますっ」
アウグスト:「そうでないと思われる方が危険だろう。向こうでは」
クラウディア・ローデ:「まあ……そういう意味じゃ、ちゃんと装えてたって事になるのかな」
クラウディア・ローデ:「じゃ、後は報告書……は明日には出すので。今日はこれで失礼しまーす」
GM:渋顔で次の報告を聞き続ける上司を横目に、君は司令部を後にした。
クラウディア・ローデ:ベルリン市内、戦没者墓苑。
クラウディア・ローデ:クラウディア・ローデにとって、そこを訪れるのは決まったルーティンではない。
クラウディア・ローデ:今日であれば、マーケットでの買い物の帰り。ふと目に入った花屋を目にして、久々に戻ってきたのだし、挨拶でもしておくかと思い立った。
クラウディア・ローデ:過去の悲しみに心を満たされきってしまうのは、不幸な生き方だと考えている。
クラウディア・ローデ:だから、ときどき思い出したように、自分がしたくなった時にだけ、そうする事にしている。
クラウディア・ローデ:「や、久しぶりです」
クラウディア・ローデ:彼女の名が刻まれた墓前に、気安く声をかける。
クラウディア・ローデ:こういう場には特別な作法があるらしいが、別に知ろうとも思わない。
クラウディア・ローデ:生前になかったものを今になって持ち込むことは、同じ相手として扱っていないような気がして、なんだか好きじゃないからだ。
クラウディア・ローデ:(ま、あの人ならすっごく叱りそうではあるけど)
クラウディア・ローデ:それはそれで悪くない、と思いながら
クラウディア・ローデ:彼女が生きていた頃に交わしたものと変わりない語り口で、言葉を紡ぎ始める。
クラウディア・ローデ:「ねえ。今度の任務はね、ニューヨークに行っていたんだけど──」
【ED/ヨハン・モンタナ】
GM:■潜水艦ピルグリム・ファーザーズ
GM:時は暫し巻き戻る。
GM:レネゲイドウイルスに感染したこの船には、ある特徴がある。
GM:非常に小さいことだ。全長は小型の鮫ほどのサイズしかない。
GM:この船の上では、あらゆる物がこの船に合わせたサイズに縮小される。
GM:君達はこの船でハドソン川を下り、魚群に紛れて堂々と米軍の包囲をすり抜けた。
GM:大西洋から北極海を経由してアラスカに上陸する、本来であれば非現実的な航路も、この船にとっては問題ではない。
GM:ニューヨークから十分離れた洋上、日が沈む頃、浮上した船の甲板で君達は語り合っていた。
ヨハン・モンタナ:「乗せて貰っておいて失礼だけれど」
ヨハン・モンタナ:「……これ、本当に大丈夫なんだよね? でかい魚に飲まれたりとか……」
カイ・スェネミー:「ははは。鮫を飲み込む魚などいるものか。鰊だったら危なかったがね!」
ヨハン・モンタナ:この艦に乗っていれば、穏やかに波打つ海面も身の丈を越える大波である。
カイ・スェネミー:デザインと大きさの事を言って笑っている、
ヨハン・モンタナ:「はは……」
カイ・スェネミー:「釣りでもするかい?釣り竿はシルクハットから出せるぞ。言うまでもないことだが、私はマジシャンだからね」
ヨハン・モンタナ:「かなりの冒険気分が味わえそう」
ヨハン・モンタナ:「遠慮しとくよ」
カイ・スェネミー:「釣った直後に魚が果たしてどうなるか興味があるんだが、君がそういうならやめておこう」
ヨハン・モンタナ:「ありがと」
カイ・スェネミー:「私に餌は作れないしね!だが、良いのかい?君はアメリカ王の地位を蹴った訳だが」
カイ・スェネミー:「アラスカはきっと寒いぞ」
ヨハン・モンタナ:「少ししたら都市部に戻るよ。なんとかしてね」
ヨハン・モンタナ:「マルコムXの戦いと、僕の目的は重ならない。交わることはあっても」
ヨハン・モンタナ:「僕が旅の道連れに出会ったオーヴァードたちは、皆、窮屈に生きている感じはしなかったけれど──」
カイ・スェネミー:「君もそうすると良い」
カイ・スェネミー:「全ての未来は君の望むままにだ。我々の所に身を寄せていても、君は君であり続けたまえ」
ヨハン・モンタナ:「それは適切な組織に身を置いてたからだ。うん。そうするとも」
ヨハン・モンタナ:「ユナイテッド・ステイツ・オブ・グレイスは」
ヨハン・モンタナ:「体制を打倒するために活動するんだろう。そこがゴールなら、僕にとってはちょっと、寄り道をすることになる。寄り道で殺し合いをしたくはないからね」
ヨハン・モンタナ:「ニコラスさんとの友誼を結べたことのほうがよっぽど大事だ。王様なんかより」
カイ・スェネミー:「違いない。はは、君は図らずもオーヴァードにとって一番大事なものを手にしたぞ」
ヨハン・モンタナ:「それって?」
カイ・スェネミー:「友情や愛情。人と人の繋がり、それがないオーヴァードは狂うんだ。ある日突然ね」
カイ・スェネミー:「これは深遠なる知識によると"ロイス"と呼ばれるオーヴァードをオーヴァード足らしめる軛なんだ」
ヨハン・モンタナ:「怖い話だなあ。あなたも僕との友情を大事にね!」
カイ・スェネミー:と書物をぱらぱらと捲って、ほら、此処に書いてある。と指し示す。
カイ・スェネミー:「まったくだ。君との友情を失わないように頑張るとしよう」
ヨハン・モンタナ:「どこかで聞いたことがあると思ったら、スーパーマンがそのまま由来なんだ」
ヨハン・モンタナ:ふんふんと本のページを覗き込んでいる。
カイ・スェネミー:「ふふふ、クリエイターの中には偶然真実を描きだす者もいるんだろう」
カイ・スェネミー:「それで、王になるのは寄り道と言ったね。やりたいことが決まったのかい?」
ヨハン・モンタナ:「そこはね」
ヨハン・モンタナ:「結構、真面目に考えたんだよ。"ファントム"の記憶を描き遺して、みんなに知らせたいのが1つ」
ヨハン・モンタナ:「マジシャンはあまり良い顔はしないかもしれないけど『船員達』について、知りたいのがもう1つかな」
ヨハン・モンタナ:「できるだけ気楽にやっていきたいと思ってる。できるだけ。大事でしょ?」
ヨハン・モンタナ:「前途は多難だけどね」
カイ・スェネミー:「まあね!私は命を懸けるとか、戦うとか、御免被りたい。よく理解してるじゃないか。うん、それで分かったぞ」
カイ・スェネミー:「成程。それは翻って、世界に真実を広めたい、世界の真実を知りたいと言う事だ。できるだけ気楽に!」
ヨハン・モンタナ:「要約がうまいね」
カイ・スェネミー:「君の目的達成として、私達の場所が一番やりやすいと言う事だね」
ヨハン・モンタナ:「僕には欠けている能力だ。要約のできないものを描き出すためのペンだもの」
ヨハン・モンタナ:「……うん。そういうこと」
ヨハン・モンタナ:「クラウディアさんの所にお世話になるのも考えたけどさ。大人たちが『船員達』のことを血眼で探っているんだろうし、よっぽど手がかりを手に入れやすいだろうって思って」
ヨハン・モンタナ:「でもアメリカに不都合な絵を描いて、それがドイツ陸軍にいるやつの仕業だなんて知れてみろよ」
カイ・スェネミー:「ははは。冷戦が熱戦に加速するかもしれないな」
ヨハン・モンタナ:「死ぬほど面倒なことになる。別に、僕が頼めばクラウディアさんやニコラスさんはある程度、気を使ってくれるのかもしれないけどさ」
カイ・スェネミー:「二人とも君のファンだからね。なんでもやってくれるとも。私がそういう立場でもやるだろうからね」
カイ・スェネミー:「そういう事になったら我儘を言っても良いんだよ。うん。成人するまではだがね!」
ヨハン・モンタナ:「ほどほどにね。僕と友達の間で、友達と組織の間で、摩擦が起きるのを、管理できる気がしないもの」
カイ・スェネミー:「それまでは可愛げがある。子供と言うのは期間限定で、夢の後押しを回りがしてくれるのも賞味期間がある」
カイ・スェネミー:「やりたいことがあるなら、今の内にやる事だ」と片目を瞑り悪戯っぽく笑う。
ヨハン・モンタナ:「……思えば今回も、随分甘えさせてもらったなあ」
ヨハン・モンタナ:「それに、それぞれ良いことを教えてくれたし」
ヨハン・モンタナ:「たとえば、オーヴァードであることを楽しんでも良いのだということ」
ヨハン・モンタナ:「たとえば、後悔や間違いを犯したって生きていて良いということ」
ヨハン・モンタナ:「……逃げてもいいということ、友達がいるということ」
カイ・スェネミー:「はは。ファントム。君は不良少年だっただろう?」
ヨハン・モンタナ:「僕はそう思ってるよ」
カイ・スェネミー:「君が言ってる事は、実は教会で神様が全部言っているぜ」
カイ・スェネミー:などと清涼な笑みを浮かべ言う。
ヨハン・モンタナ:「じゃあ、あなたたちからいい影響を受けたんだ」
ヨハン・モンタナ:こちらも朗らかに相好を崩す。
ヨハン・モンタナ:「宇宙友愛教会はさ」
ヨハン・モンタナ:「戦いが嫌で嫌で仕方ないやつが、楽しくやれてる場所なんでしょう?」
カイ・スェネミー:「勿論!趣味と真実の探求が私たちの本義だよ」
カイ・スェネミー:「別にオーヴァードだからって戦わなくちゃいけない訳じゃないからね」
カイ・スェネミー:「時代はそれに気づいていないのに、我々は憤っているとも」
ヨハン・モンタナ:「カイ・スェネミーは僕が知る限りでいちばん自由なオーヴァードだよ」
ヨハン・モンタナ:「あなたが居られる組織なら、僕の目的を邪魔しないし、僕の目的が邪魔をしないことも……できるんじゃないかと思ってる。隠蔽工作が得意なところも最高」
カイ・スェネミー:「ああ、なるほど。意外だったとは思ってたんだ。私は美女でもないし、思想もないからね。私の所に来るなんて実は思っていなかった」
ヨハン・モンタナ:「それだけじゃないよ」
カイ・スェネミー:「だが、そうだな。君が出会った格好良い3人の大人の中で、私が一番自由だった。そして、私が一番胡散臭かったからな」
カイ・スェネミー:続けて話を聞く。
ヨハン・モンタナ:「逃げても良いって、折に触れて言ってくれる人が近くにいないと、"ファントム"が遺していった言葉を、呪いでも契約でもないものに出来ないと思ったからだ。彼自身が祈りと読んでいた、あれは祈りであるべきだと思ったから」
ヨハン・モンタナ:「……ほら、僕。割と頭が固いからさ」
カイ・スェネミー:「確かに、君は真面目だな。それは、言ってあげるとも。君が子供を卒業しても」
ヨハン・モンタナ:すぐ影響されるんだけどね。と困ったようにはにかむ。
カイ・スェネミー:「世界を救う時に直面しても、その時に自分が犠牲にならなければいけなかったとしても」
ヨハン・モンタナ:「ありがとう」
カイ・スェネミー:「私は言おう。そんなの、どうでも良いから逃げてしまえ。とね」
ヨハン・モンタナ:目を閉じて、冷たい風を感じる。
ヨハン・モンタナ:「辛いことはあったけど、寂しい別れもあったけれど、楽しい冒険だった」
ヨハン・モンタナ:「世界を変える、なんて言わない。でもね」
ヨハン・モンタナ:「一人ひとりの世界が変わるきっかけが、沢山あったら良いと思う」
ヨハン・モンタナ:立ち上がって、伸びをした。
カイ・スェネミー:「それが誰かを傷つけることなく、成しえることが出来たら最高だね」
ヨハン・モンタナ:「うん」
ヨハン・モンタナ:「きっと、そうなったら楽しい」
カイ・スェネミー:「ああ、ファントム。当然のことだけど、オーヴァードの力は君が幸せになる為にあるんだよ」
カイ・スェネミー:「そして、ようこそ。宇宙友愛教会にね」
ヨハン・モンタナ:「もちろん。楽しく生きるとも」
ヨハン・モンタナ:「よろしく、宇宙友愛教会」
GM:ザ……ザザ……
GM:船の無線から、微かに声が流れてくる。
ヘンリー・ウォレス:『……に対し、合衆国は深い哀悼の意を表したいと思います』
ヘンリー・ウォレス:『非常に遺憾ながら今回の被害を未然に防ぐことは叶いませんでしたが──』
ヘンリー・ウォレス:『しかし我々は、今回イタリアを壊滅させた怪物について、以前より極秘裏に調査を進めていたのです』
ヘンリー・ウォレス:『その成果を本日、皆様に公表させて頂きます』
GM:合衆国大統領、ヘンリー・ウォレスが行う、先のイタリア全土を巻き込んだ『α事件』の追悼演説。
GM:レネゲイドウイルスの感染源と言われるオーヴァード『始祖』。そしてその一体を匿う傭兵組織『アイギス』。
ヘンリー・ウォレス:『我々は断固として立ち向かいます。オーヴァードの脅威と暴力に、決して屈してはなりません』
ヘンリー・ウォレス:『我々はアイギスを打倒し、国際社会に正しい秩序を回復させることをここに宣言します!』
GM:世界は、大きく動こうとしている。ひょっとすると、君達が考えているよりもずっと早く。
GM:しかしそれでも、今日と言う日を君は生き抜いた。
GM:この先に待ち受ける荒波をどう乗り越えるか、或いは、自ら波を起こすのか。
GM:その全ては、君の手に委ねられた。
GM:ようこそ。オーヴァードの世界へ。
GM:Double Cross The 3rd edition
GM:フラグメント:リバース
GM:Case02 『幻死痛/PHANTOM BANE』
GM:-END-
GM:全工程終了!
GM:お疲れ様でした~!
ヨハン・モンタナ:お疲れ様でした!
ニコラス・デイヴィス:お疲れ様でした~!
クラウディア・ローデ:お疲れ様でした!
カイ・スェネミー:お疲れさまでした!いやあ一週間前後でこれは、凄い